JP3232350U - 顔タオル - Google Patents
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Abstract
【課題】患者の顔からずれることが無く、清潔でコスト面に優れた顔タオルを提供する。【解決手段】顔タオル10は、略正方形をしたシート状部材に対し、当該シート状部材の一辺中央から中心に向けて略半楕円形状の切り欠きからなる切欠部12を設けることで、全体の外観形状が略門型形状で形成され、略門型形状の略上半分が、患者の顔面の略上半分を覆う略矩形形状からなるシート部11として構成され、略門型形状の略下半分が、切欠部12の左右に形成されて患者の両頬から頚部にかけた部分を覆う一対の帯状部13,13として構成され、一対の帯状部13,13に挟まれた位置に設けられた切欠部12が、顔タオル10を患者の顔面に被せたときに、患者の鼻と口の部分を開放するとともに、一対の帯状部13,13同士が接することが無いように形成されている。【選択図】図1
Description
本考案は、歯科診療を受ける患者の顔面に被せて用いられるとともに、一度の使用の後に廃棄される使い捨て用の顔タオルに関するものである。
従来から、歯科診療を受ける患者の顔面に被せて用いられる顔タオルが公知である。
例えば、下記特許文献1には、歯や口腔などの治療の際に口の付近を除き顔面を覆うために用いられる被顔タオルが開示されている。特許文献1に開示される被顔タオルは、口内治療の際、口内から飛散する液体が顔や顔周辺にかかるのを防ぐための口内治療用の被顔タオルであって、口内を露出させるための窓孔の開口面積を、治療を受ける者の口の大きさに合わせて自由に調整でき、また、タオルを被せている間、タオルと鼻腔間にある程度の空隙ができ、息苦しさを感じることがない被顔タオルを提供することを考案の目的として成されたものである。そして、特許文献1に開示される被顔タオルは、図3に示されるように、歯や口腔などの治療を行うときに口の付近を除き顔面を覆うために使用される窓孔を有する被顔タオルであって、この窓孔外周からタオル外周にまで達するスリットが設けられ、このスリットを境にして、向かい合った一方の端部と他方の端部とを重ね合わせるように使用することができるという特徴を有するものである。
また例えば、下記特許文献2には、歯科や口腔の治療や処置を行なう場合に適する歯科・口腔用のタオルが開示されている。特許文献2に開示される歯科・口腔用のタオルは、通常のタオルに改良を加えるだけで、衣類が汚れるのを防止できるだけでなく、顔や頭部などに水滴や汚れが付着するのを防止でき、かつ水滴や汚れを拭き取ったりすることもでき、長時間にわたって目隠しもできるようにすることを発明の目的として成されたものである。そして、特許文献2に開示される歯科・口腔用のタオルは、図4に示されるように、タオルのほぼ中央に、人体の口の部分を露出できる程度の大きさの窓孔を開けて構成されるという特徴を有するものである。
また例えば、下記特許文献3には、口腔や口唇の治療・処置時に適する孔形状を有する口腔・口唇部処理専用タオルが開示されている。特許文献3に開示される口腔・口唇部処理専用タオルは、タオルの孔の形状を改良することで、被処置者に水滴や汚れが付着せず、皮膚への接触も防ぎ、被処置者及び処置者の負担を軽減することが出来るようにすることを考案の目的として成されたものである。そして、特許文献3に開示される口腔・口唇部処理専用タオルは、図5に示されるように、タオル中央部に、鼻頂部から口唇先端部分にかけて露出する、三角形の孔を空けたタオルとして構成されるという特徴を有するものである。
しかしながら、上掲した特許文献1〜3に記載された従来の顔タオルには、共通して課題が存在している。すなわち、特許文献1〜3に記載された従来の顔タオルは、全てのタオルが歯科診療を受ける患者の口の周りのみを開放する開口孔が開けられた構成を有するものであるが、歯科医師や歯科衛生士等の処置者が患者の口の付近で歯科医療等の作業を行う場合に、作業する手が顔タオルに触れてしまい、顔タオルがずれてしまうといった課題が存在していた。この課題は、特許文献1〜3に記載された発明・考案に代表される従来の顔タオルが、患者の顔の口以外の部分を覆い隠すことのみに重点を置き、処置者の作業性に対する考慮が不足していたことに起因するものであると考えられる。
また、特許文献1〜3に記載された従来の顔タオルは、使用後に洗濯を行って繰り返し使用することを前提としていると思われる。そして、繰り返し使用することから、特許文献1〜3に記載された従来の顔タオルは、布製であることが予想できる。しかしながら、従来の顔タオルのように布製で繰り返し使用する場合には、清潔感に欠けるとともに万一汚れが残っている場合には患者に対して不快な思いをさせてしまうことになるので、好ましくない。特に、新型コロナウイルス感染症が問題となっている近時の状況下にあっては、飛沫感染のリスク低減の観点からも、布製の顔タオルを繰り返し使用することは好ましくない。さらに、従来の布製の顔タオルは洗濯作業の負荷が大きく、人件費等のコスト面においても改善の余地が残されていた。
本考案は、上述した従来技術に存在する課題に鑑みて成されたものであって、患者の口周辺で処置者が作業を行ったとしても患者の顔から顔タオルがずれることが無く、しかも清潔でコスト面に優れた顔タオルを提供することを目的としてなされたものである。
本考案に係る顔タオルは、歯科診療を受ける患者の顔面に被せて用いられるとともに、一度の使用の後に廃棄される使い捨て用の顔タオルであって、略正方形をしたシート状部材に対し、当該シート状部材の一辺中央から中心に向けて略半楕円形状の切り欠きからなる切欠部を設けることで、全体の外観形状が略門型形状で形成され、前記略門型形状の略上半分が、患者の顔面の略上半分を覆う略矩形形状からなるシート部として構成され、前記略門型形状の略下半分が、前記切欠部の左右に形成されて患者の両頬から頚部にかけた部分を覆う一対の帯状部として構成され、前記一対の帯状部に挟まれた位置に設けられた前記切欠部が、顔タオルを患者の顔面に被せたときに、患者の鼻と口の部分を開放するとともに、前記一対の帯状部同士が接することが無いように形成されていることを特徴とするものである。
また、本考案に係る顔タオルは、綿100%の素材で形成することができる。
さらに、本考案に係る顔タオルは、2枚のシートを重ねた二重構造によって構成することができる。
本考案によれば、患者の口周辺で処置者が作業を行ったとしても患者の顔から顔タオルがずれることが無く、しかも清潔でコスト面に優れた顔タオルを提供することができる。
以下、本考案を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る考案を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが考案の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本考案の実施形態に係る顔タオルを示す斜視図である。また、図2は、本考案の実施形態に係る顔タオルの使用状態例を示す図である。
図1および図2に示すように、本実施形態の顔タオル10は、歯科診療を受ける患者の顔面に被せて用いられるとともに、一度の使用の後に廃棄される使い捨て用の顔タオル10である。
図1に示されるように、本実施形態の顔タオル10は、全体の外観形状が平面視で略門型形状に形成されている。この略門型形状は、略正方形をしたシート状部材に対し、当該シート状部材の一辺中央から中心に向けて略半楕円形状の切り欠きからなる切欠部12を設けることで形成される。本実施形態において、顔タオル10は一辺が300mmで形成されており、切欠部12の開口幅は122mmとなっている。つまり、本実施形態の顔タオル10は、四辺のそれぞれが300mmの長さを持つ略正方形をしたシート状部材に対し、当該シート状部材の一辺中央から中心に向けて略半楕円形状の切り欠きからなる切欠部12を設けることで形成でき、この切欠部12は、開口幅が122mmであって、切り欠かれた奥行きの長さが約150mm程度のものである。なお、これらの寸法条件は、一般的な日本人の顔寸法を考慮して採用されたものであるから、本考案の範囲はこの寸法条件に限定されるものではない。本考案の顔タオルの寸法条件については、任意に変更が可能である。
また、全体の外観形状が略門型形状で形成される本実施形態の顔タオル10については、図1および図2を対比参照すれば明らかなように、略門型形状の略上半分が、患者の顔面の略上半分を覆う略矩形形状からなるシート部11として構成されるとともに、略門型形状の略下半分が、切欠部12の左右に形成されて患者の両頬から頚部にかけた部分を覆う一対の帯状部13,13として構成されている。
さらに、本実施形態の顔タオル10は、綿100%の素材で形成されており、またさらに、2枚のシートを重ねた二重構造によって構成されている。
そして、本実施形態の顔タオル10を歯科診療を受ける患者の顔面に被せて用いる場合には、図2に示されるように、略門型形状の略上半分を構成するシート部11が患者の顔面の略上半分を覆うこととなり、患者の目や額や頭部等を適切に保護することとなる。
また、略門型形状の略下半分を構成する一対の帯状部13,13については、患者の両頬から頚部にかけた部分を覆うこととなる。この一対の帯状部13,13については、患者の頚部や肩の形状に沿ってもたれ掛かることとなり、顔タオル10が患者の顔面からずれることを適切に防止する効果を発揮することができる。
さらに、本実施形態の顔タオル10では、一対の帯状部13,13に挟まれた位置に設けられた切欠部12が、顔タオル10を患者の顔面に被せたときに、患者の鼻と口の部分を開放するとともに、一対の帯状部13,13同士が互いに接することが無いように形成されている。つまり、本実施形態の顔タオル10においては、切欠部12が存在することで、処置者が患者の口の付近で歯科医療等の作業を行う場合に、作業する手が顔タオル10に触れてしまい、顔タオル10がずれてしまうことを好適に防止することができるようになっている。
またさらに、本実施形態の顔タオル10は、綿100%の素材で形成されるとともに、2枚のシートを重ねた二重構造によって構成されているので、良好な肌触りを有するとともに、適度な重さを有することによる好適な位置保持力を有するものとなっている。
ところで、従来の顔タオルは、図3〜図5に示されるように、全ての顔タオルが歯科診療を受ける患者の口の周りのみを開放する開口孔が開けられた構成を有するものであった。したがって、従来の顔タオルには、歯科医師や歯科衛生士等の処置者が患者の口の付近で歯科医療等の作業を行う場合に、作業する手が顔タオルに触れてしまい、顔タオルがずれてしまうといった課題が存在していた。しかしながら、本実施形態の顔タオル10では、切欠部12が存在することで、処置者が作業をする際に顔タオル10が邪魔になることが無い。
また、従来の顔タオルは、例えば図5に示されるように、患者の顔面に表面的に被せるだけなので、顔面に対して平面的に置かれるものであった。したがって、従来の顔タオルは、処置者の手が当たると簡単にずれを生じてしまうものであった。しかしながら、本実施形態の顔タオル10については、当該顔タオル10が有する一対の帯状部13,13が、患者の頚部や肩の形状に沿ってもたれ掛かることで、患者の顔面を覆ったときに三次元的な形状となって患者の顔面を覆うことになるので、顔タオル10がずれてしまうことを好適に防止することができるという効果を発揮することが可能となっている。
さらに、本実施形態の顔タオル10は、図1に示すように、簡易な構造を有することで大量生産が可能である。したがって、一度の使用の後に廃棄される使い捨て用として使用される場合であっても、本実施形態の顔タオル10の方が、洗濯をして繰り返し使用される従来の顔タオルに比べてコスト面でも有利なメリットを得ることができる。さらに、本実施形態の顔タオル10は、一度の使用の後に廃棄される使い捨て用として使用されることから、従来の顔タオルに比べて衛生面で優れているといえる。
以上、本考案の好適な実施形態について説明したが、本考案の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。その様な変更又は改良を加えた形態も本考案の技術的範囲に含まれ得ることが、実用新案登録請求の範囲の記載から明らかである。
10 顔タオル
11 シート部
12 切欠部
13 帯状部
11 シート部
12 切欠部
13 帯状部
Claims (3)
- 歯科診療を受ける患者の顔面に被せて用いられるとともに、一度の使用の後に廃棄される使い捨て用の顔タオルであって、
略正方形をしたシート状部材に対し、当該シート状部材の一辺中央から中心に向けて略半楕円形状の切り欠きからなる切欠部を設けることで、全体の外観形状が略門型形状で形成され、
前記略門型形状の略上半分が、患者の顔面の略上半分を覆う略矩形形状からなるシート部として構成され、
前記略門型形状の略下半分が、前記切欠部の左右に形成されて患者の両頬から頚部にかけた部分を覆う一対の帯状部として構成され、
前記一対の帯状部に挟まれた位置に設けられた前記切欠部が、顔タオルを患者の顔面に被せたときに、患者の鼻と口の部分を開放するとともに、前記一対の帯状部同士が接することが無いように形成されていることを特徴とする顔タオル。 - 請求項1に記載の顔タオルであって、
綿100%の素材で形成されていることを特徴とする顔タオル。 - 請求項1又は2に記載の顔タオルであって、
2枚のシートを重ねた二重構造によって構成されることを特徴とする顔タオル。
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