JP3232071U - 管楽器用掃除具 - Google Patents
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Abstract
【課題】清掃機能を向上可能な管楽器用掃除具を提供する。【解決手段】管楽器の内部に挿入されて管楽器を清掃し、かつ、袋状の本体10Aを有する管楽器用掃除具10において、本体10Aは、厚さ方向に重ねられた複数、かつ、シート状の構成部材11、12、13と、複数の構成部材11、12、13同士を縫合した縫合部21、24と、を有し、複数の構成部材11、12、13のそれぞれを構成する生地は、たて糸とよこ糸とを有し、複数の構成部材11、12、13のそれぞれの長縁14、16、18、及び短縁15は、厚さ方向に対して垂直な平面視で、生地のたて糸に沿った第1方向、及び生地のよこ糸に沿った第2方向に対して傾斜されている。【選択図】図1
Description
本考案は、管楽器の内部を清掃するための管楽器用掃除具に関する。
管楽器の内部を清掃するための管楽器用掃除具の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された管楽器用掃除具は、支持棒が挿入される円筒状の挿入部と、挿入部から外周方向に延設され、その先端が管楽器の管の内周面に接触する接触部と、を有する清掃布を備えている。清掃布の長手方向先端部には、接触部と略直角な清掃端が設けられている。特許文献1に記載された管楽器用掃除具によれば、フルートの頭部管のごとく、管内が貫通せず、閉塞端を有するような構造であったとしても、その閉塞端周囲に付着した水分を清掃布の清掃端によって十分に吸収し、清掃することが可能となる、とされている。
本願考案者は、特許文献1に記載されている管楽器用掃除具は、清掃機能の点で未だ改善の余地がある、という課題を認識した。
本考案の目的は、清掃機能を向上可能な管楽器用掃除具を提供することである。
一実施形態の管楽器用掃除具は、管楽器の内部に挿入されて前記管楽器を清掃し、かつ、袋状の本体を有する管楽器用掃除具において、前記本体は、厚さ方向に重ねられたシート状、かつ、複数の構成部材と、前記複数の構成部材同士を縫合した縫合部と、を有し、前記複数の構成部材のそれぞれを構成する生地は、たて糸とよこ糸とを有し、前記複数の構成部材のそれぞれの外縁は、前記厚さ方向に対して垂直な平面視で、前記生地のたて糸に沿った第1方向、及び前記生地のよこ糸に沿った第2方向に対して傾斜されている。
一実施形態の管楽器用掃除具によれば、生地の糸が立ち上がるため、清掃機能が向上する。
以下、管楽器用掃除具の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、管楽器用掃除具の実施形態を説明するための各図において、同一要素、同一構造、同一部位には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1(A)に示された掃除具10は、管楽器用掃除具の一実施形態である。掃除具10は、管楽器の一例であるフルートの内部を掃除するためのものである。掃除具10は、袋状の本体10Aを有する。本体10Aは、図2(A)に示されるシート状の第1構成部材11を2枚、シート状の第2構成部材12を2枚、シート状の第3構成部材13を2枚有する。また、本体10Aは、第1構成部材11と第2構成部材12とを縫合し、第2構成部材12と第3構成部材13とを縫合したものである。第1構成部材11、第2構成部材12及び第3構成部材13は、何れもガーゼと生地とを重ね合わせて接合した2重素材である。
図5に示すように、生地33は、たて糸34とよこ糸35とを交互に織って作られている織物生地である。たて糸34が通っている方向A1である「たて地」と、よこ糸35が通っている方向A2である「よこ地」とは、生地33の平面視で略90度の角度で交差している。生地33としては、例えば、ブロード生地、シーチング生地、オックス生地、キルティング生地、タフタ生地等を用いることができる。
第1構成部材11は、厚さ方向(重ね方向)に対して垂直な平面視で四角形、具体的には長方形であり、第1構成部材11は、互いに平行な2つ長縁14と、互いに平行な2つの短縁15とを有する。長縁14と短縁15とは、略直角である。長縁14及び短縁15は、生地33が裁断されて形成されたものである。長縁14及び短縁15は、方向A1,A2に対して傾斜、例えば、略45度の角度で傾斜している。このように、第1構成部材11は、製造過程で生地33の方向A1及び方向A2に対してバイアス方向(交差する方向)に裁断されている。
第2構成部材12は、厚さ方向(重ね方向)に対して垂直な平面視で四角形、具体的には長方形であり、第2構成部材12は、互いに平行な2つ長縁16と、互いに平行な2つの短縁17とを有する。長縁16と短縁17とは、略直角である。長縁16及び短縁17は、生地33が裁断されて形成されたものである。長縁16及び短縁17は、方向A1,A2に対して傾斜、例えば、略45度の角度で傾斜している。このように、第2構成部材12は、製造過程で生地33のたて地及びよこ地に対してバイアス方向に裁断されている。第2構成部材12は、厚さ方向(重ね方向)に対して垂直な平面視で、2枚の第2構成部材12のそれぞれの面積は、第1構成部材11のそれぞれの面積より狭い。
第3構成部材13は、厚さ方向(重ね方向)に対して垂直な平面視で四角形、具体的には長方形であり、第3構成部材13は、互いに平行な2つ長縁18と、互いに平行な2つの短縁19とを有する。長縁18と短縁19とは、略直角である。長縁18及び短縁19は、生地33が裁断されて形成されたものである。長縁18及び短縁19は、方向A1,A2に対して傾斜、例えば、略45度の角度で傾斜している。このように、第3構成部材13は、製造過程で生地33のたて地及びよこ地に対してバイアス方向に裁断されている。第3構成部材13は、厚さ方向(重ね方向)に対して垂直な平面視で、2枚の第3構成部材13のそれぞれの面積は、第2構成部材12のそれぞれの面積より狭い。なお、第1構成部材11、第2構成部材12及び第3構成部材13に用いる生地(布材)33及びガーゼは、伸縮性を有していてもよい。
2枚の第1構成部材11、2枚の第2構成部材12、2枚の第3構成部材13の寸法は、図2(B)に示す掃除棒(支持部材)20の長さ等に応じて定められる。例えば、掃除棒20の長さL1が70cmであると、第1構成部材11の長縁14の長さL2が70cm、短縁15の長さL3が4.5cm、第2構成部材12の長縁16の長さL4が22cm、短縁17の長さL5が4.5cmに設定され、第3構成部材13の長縁18の長さL6は15cm、短縁19の長さL7が2.25cmに設定される。
また、掃除棒20の長さL1が35cmであると、長さL2が35cm、長さL3が4.5cm、長さL4が22cm、長さL5が4.5cm、長さL6が8cm、長さL7が2.25cmに設定される。なお、掃除棒20の材質は、合成樹脂製、木材製の何れでもよい。
まず、第3構成部材13は、第2構成部材12に重ねられている。第3構成部材13の短縁19と、第2構成部材12の短縁17とが同一線上になるように、第3構成部材13と第2構成部材12とが重ねられている。第3構成部材13は、第2構成部材12の短縁17に沿った方向で略中央に位置する。つまり、図1(A)のように掃除具10を平面視すると、第3構成部材13の配置領域の全部は、第2構成部材12の配置領域内にある。そして、1枚の第3構成部材13と1枚の第2構成部材12とを糸によって固定した縫合部21が設けられている。縫合部21は、長縁18と平行に設けられている。
さらに、第3構成部材13が固定された第2構成部材12は、第1構成部材11に重ねられている。第2構成部材12の長縁16と、第1構成部材11の長縁14とが同一線上になり、かつ、第2構成部材12の1箇所の短縁17と、第1構成部材11の1箇所の短縁15とが同一線上になるように、第2構成部材12と第1構成部材11とが重ねられている。また、第2構成部材12と第2構成部材12との間に、2枚の第1構成部材11が挟まれている。2枚の第1構成部材11の平面視で、短縁15同士が同一線上になり、かつ、長縁14同士が同一線上になるように、2枚の第1構成部材11が重ねられる。
また、第1構成部材11の長縁14に沿った方向の端部には、短縁15と平行な箇所で折り返された第1折り返し部22が設けられている。第1構成部材11の長縁14に沿った方向の端部が、短縁15と平行な箇所で折り返された第2折り返し部23が設けられている。第1折り返し部22を設けるために第1構成部材11の端部が折り返された向きと、第2折り返し部23を設けるために第1構成部材11の端部が折り返された向きとは、逆である。また、長縁14に沿った方向で、第1折り返し部22と第2折り返し部23の位置が異なっている。
さらに、図1(A)のように、2枚の第1構成部材11と2枚の第2構成部材12とを、糸によって固定した2箇所の縫合部24、及び縫合部25が設けられている。2箇所の縫合部24は、長縁14と平行に、かつ、短縁15に沿った方向で間隔をおいて2箇所に設けられている。2箇所の縫合部24は、第1折り返し部22及び第2折り返し部23も縫合して固定している。また、縫合部25は、短縁15と平行に設けられている。掃除具10を平面視すると、第2構成部材12と第3構成部材13とを固定した縫合部21は、縫合部24と縫合部24との間に設けられ、かつ、第1折り返し部22と縫合部25との間に設けられている。
このようにして、掃除具10が完成されている。掃除具10は、完成後に洗浄されるか、または、掃除具10の製造過程で、第1構成部材11、第2構成部材12及び第3構成部材13が、それぞれ洗浄されている。完成された掃除具10は、図1(A)及び図3(B)のように、縫合部24と縫合部24との間であり、かつ、第1構成部材11と第1構成部材11との間に、挿入穴26が設けられている。挿入穴26は、第1折り返し部22と第2折り返し部23との境界箇所に開口部27を有する。挿入穴26における開口部27とは反対側の箇所は、縫合部25によって閉じられている。図1(A)のように、掃除具10は、縫合部25から、縫合部25から最も離れた端部28までの長さL8が、掃除棒20の長さL1未満である。
掃除具10の清掃対象であるフルートの構造を、図4(A)を参照して説明する。フルート29は、頭管部30、胴管部(主管)31、足管部32等の部品を有する。頭管部30、胴管部31、足管部32は、それぞれ別要素である。頭管部30の一端が胴管部31内へ挿入され、胴管部31の一端が足管部32内へ挿入されると、フルート29が組み立てられる。フルート29を清掃する場合は、清掃者が、頭管部30の一端を胴管部31から抜き出し、かつ、胴管部31の一端を足管部32から抜き出すことにより、フルート29が分解される。
また、清掃者が掃除棒20を、図3(A)のように、掃除具10の開口部27から挿入穴26へ進入させ、掃除棒20の先端を縫合部25へ突き当てる。そして、清掃者が図4(B)のように、掃除具10を、頭管部30、胴管部31、足管部32の何れかの部品の内部(管内)へ挿入させると、第1構成部材11、第2構成部材12及び第3構成部材13は布製であるため、掃除具10が変形する。
さらに、清掃者が、部品の内部で掃除具10を回転させる操作、掃除具10を長さ方向に往復させる操作、掃除具10を部品の反対側から抜き出す操作、のうち少なくとも1つの操作を行うと、掃除具10が部品の内面を擦り、掃除具10が部品内の異物を除去、例えば、水分を吸収する。このようにして、掃除具10を用いて掃除具10を、頭管部30、胴管部(主管)31、足管部32の掃除及び手入れを行うことができる。
本実施形態の掃除具10は、第1構成部材11は、製造過程で生地33のたて地及びよこ地に対してバイアス方向に裁断されて、長縁14及び短縁15が形成されている。第2構成部材12は、製造過程で生地33のたて地及びよこ地に対してバイアス方向に裁断されて、長縁16及び短縁17が形成されている。第3構成部材13は、製造過程で生地33のたて地及びよこ地に対してバイアス方向に裁断されて、長縁18及び短縁19が形成されている。このため、生地33の糸が立ち上がっており、掃除具10が部品の内面を擦った場合に、掃除具10の清掃機能が向上する。
また、第1構成部材11、第2構成部材12及び第3構成部材13は、何れも洗浄されているため、一層、生地33の糸が立ち上がっており、掃除具10の清掃機能が向上する。さらに、掃除具10は、図1(B)及び図2(A)のように、2枚の第1構成部材11と、2枚の第2構成部材12と、2枚の第3構成部材13とが重ね合わされている。
本体10Aは、先端部36、中央部37、後端部38を有する。先端部36、中央部37、後端部38は、管楽器の部品に対する挿入方向B1で異なる位置に設けられている。先端部36は、管楽器の部品に対する挿入方向B1で先端に位置する。中央部37は、管楽器の部品に対する挿入方向B1で先端部36より後方に位置する。後端部38は、管楽器の部品に対する挿入方向B1で中央部37より後方に位置する。
先端部36は、2枚の第3構成部材13の間に2枚の第2構成部材12が設けられ、2枚の第2構成部材12の間に2枚の第1構成部材11が設けられている。中央部37は、2枚の第2構成部材12の間に2枚の第1構成部材11が設けられている。後端部38は、2枚の第1構成部材11で構成されている、このため、先端部36の厚さT1は、中央部37の厚さT2を超え、中央部37の厚さT2は、後端部38の厚さT3を超えている。したがって、本体10Aの先端部36で部品の内面を擦った場合の摩擦力が増加し、掃除具10の清掃機能が向上する。
本実施形態に係る管楽器用掃除具は、実施形態で図面を用いて説明したものに限定されない。例えば、第1構成部材、第2構成部材及び第3構成部材の平面形状は、四角形に限定されない。また、第1構成部材、第2構成部材及び第3構成部材をそれぞれ重ねる枚数は、限定されない。さらに、第1構成部材、第2構成部材及び第3構成部材の長縁及び短縁の寸法は、任意に変更可能である。
さらに、掃除具で清掃される管楽器は、フルートに限定されず、掃除具は、トランペット、ホルン、トロンボーン等を清掃する掃除具であってもよい。この場合、第1構成部材、第2構成部材、第3構成部材の平面形状、各部の寸法等は、清掃対象である管楽器の大きさ、形状に応じて任意に変更可能である。また、掃除棒の材質、形状、長さも、清掃対象である管楽器の大きさ、形状に応じて任意に変更可能である。
本実施形態で説明した事項の技術的意味の一例は、次の通りである。掃除具10は、管楽器用掃除具の一例であり、本体10Aは、本体の一例である。第1構成部材11は、第1構成部材の一例である。第2構成部材12は、第2構成部材の一例である。第3構成部材13は、第3構成部材の一例である。縫合部21,24は、縫合部の一例である。生地33は、生地の一例である。たて糸34は、たて糸の一例であり、よこ糸35は、よこ糸の一例である。長縁14,16,18、及び短縁15,17,19は、それぞれ「外縁」の一例である。方向A1は、第1方向の一例であり、方向A2は、第2方向の一例である。
10…掃除具、10A…本体、11…第1構成部材、12…第2構成部材、13…第3構成部材、14,16,18…長縁、15,17,19…短縁、21,24…縫合部、33…生地、34…たて糸、35…よこ糸、A1…第1方向、A2…第2方向
Claims (2)
- 管楽器の内部に挿入されて前記管楽器を清掃し、かつ、袋状の本体を有する管楽器用掃除具において、
前記本体は、
厚さ方向に重ねられたシート状、かつ、複数の構成部材と、
前記複数の構成部材同士を縫合した縫合部と、
を有し、
前記複数の構成部材のそれぞれを構成する生地は、たて糸とよこ糸とを有し、
前記複数の構成部材のそれぞれの外縁は、前記厚さ方向に対して垂直な平面視で、前記生地の前記たて糸に沿った第1方向、及び前記生地の前記よこ糸に沿った第2方向に対して傾斜されている、管楽器用掃除具。 - 請求項1記載の管楽器用掃除具において、
前記複数の構成部材は、
前記平面視における形状が方形である2枚の第1構成部材と、
前記平面視における形状が方形であり、かつ、2枚の前記第1構成部材よりも面積が狭い2枚の第2構成部材と、
前記平面視における形状が方形であり、かつ、2枚の前記第2構成部材よりも面積が狭い2枚の第3構成部材と、
を有し、
前記本体のうち、前記管楽器の内部へ挿入される方向の先端に位置する先端部では、2枚の前記第3構成部の間で2枚の前記第2構成部が重なり、かつ、2枚の前記第2構成部の間で2枚の前記第1構成部が重なり、
前記本体のうち、前記管楽器の内部へ挿入される方向で前記先端部よりも後方に位置する中央部では、2枚の前記第2構成部の間で2枚の前記第1構成部が重なり、
前記本体のうち、前記管楽器の内部へ挿入される方向で前記中央部よりも後方に位置する後端部では、2枚の前記第1構成部が重なっている、
管楽器用掃除具。
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