JP3231681B2 - マグネシウム成形品 - Google Patents
マグネシウム成形品Info
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22D—CASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
- B22D21/00—Casting non-ferrous metals or metallic compounds so far as their metallurgical properties are of importance for the casting procedure; Selection of compositions therefor
- B22D21/002—Castings of light metals
- B22D21/007—Castings of light metals with low melting point, e.g. Al 659 degrees C, Mg 650 degrees C
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面にアルミニウ
ム層を有してアルミニウムと同等の表面性状を備えるマ
グネシウム成形品に関するものである。
ム層を有してアルミニウムと同等の表面性状を備えるマ
グネシウム成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】マグネシウム合金は実用的
な構造材金属中で最も比重が小さい上、樹脂と異なつて
リサイクルも容易であり、比強度、制振性、電磁波シー
ルド性等に優れているため、自動車等の輸送機器、電化
製品、携帯機器、情報通信機器等の広い分野での部品と
して活用されている。しかしながら、マグネシウム合金
の大きな弱点として耐食性が悪いことが知られており、
自動車等では内装部品としてのマグネシウム合金の使用
例は多くあるが、外装部品としてのマグネシウム合金の
使用例は少ない。
な構造材金属中で最も比重が小さい上、樹脂と異なつて
リサイクルも容易であり、比強度、制振性、電磁波シー
ルド性等に優れているため、自動車等の輸送機器、電化
製品、携帯機器、情報通信機器等の広い分野での部品と
して活用されている。しかしながら、マグネシウム合金
の大きな弱点として耐食性が悪いことが知られており、
自動車等では内装部品としてのマグネシウム合金の使用
例は多くあるが、外装部品としてのマグネシウム合金の
使用例は少ない。
【0003】そこで、マグネシウム合金の成形体の表面
にアルミニウムを被覆させたマグネシウム成形品とする
ことが、例えば特開平2−182808号公報に記載さ
れている。この従来のマグネシウム成形品は、マグネシ
ウム合金粉末に強化物質として硼素粉末を加え、粉末焼
結法により成形体を作り、該成形体上にアルミニウムを
被覆した後、表面処理を行なうことを特徴としている。
アルミニウムの被覆には、メッキ及び真空蒸着法が例示
され、約50μmの厚さに被覆したとされている。
にアルミニウムを被覆させたマグネシウム成形品とする
ことが、例えば特開平2−182808号公報に記載さ
れている。この従来のマグネシウム成形品は、マグネシ
ウム合金粉末に強化物質として硼素粉末を加え、粉末焼
結法により成形体を作り、該成形体上にアルミニウムを
被覆した後、表面処理を行なうことを特徴としている。
アルミニウムの被覆には、メッキ及び真空蒸着法が例示
され、約50μmの厚さに被覆したとされている。
【0004】しかしながら、このような従来のマグネシ
ウム成形品にあつては、マグネシウムの成形体を粉末焼
結法により作つた後、この成形体上にメッキ又は真空蒸
着法によつてアルミニウムを被覆する構造となつていた
ため、マグネシウムの成形体の製造が焼結のみに制限を
受けて煩雑であるのみならず、粉末焼結法により作つた
均質なマグネシウムの成形体の上にアルミニウムを被覆
させるため、アルミニウムの接合力がマグネシウム合金
の成分によつて一義的に定まり、アルミニウムを強固に
接合させることができないという技術的課題があつた。
このため、マグネシウムの成形体とアルミニウム層との
接合性を高めるために、成形体上にアルミニウムを被覆
した後、アルゴンガス雰囲気中で400℃、1時間の熱
処理を行い、約10μmの厚さの拡散層を形成すること
も提案しているが、接合性の向上のために別工程及び長
時間を必要とすることになる。
ウム成形品にあつては、マグネシウムの成形体を粉末焼
結法により作つた後、この成形体上にメッキ又は真空蒸
着法によつてアルミニウムを被覆する構造となつていた
ため、マグネシウムの成形体の製造が焼結のみに制限を
受けて煩雑であるのみならず、粉末焼結法により作つた
均質なマグネシウムの成形体の上にアルミニウムを被覆
させるため、アルミニウムの接合力がマグネシウム合金
の成分によつて一義的に定まり、アルミニウムを強固に
接合させることができないという技術的課題があつた。
このため、マグネシウムの成形体とアルミニウム層との
接合性を高めるために、成形体上にアルミニウムを被覆
した後、アルゴンガス雰囲気中で400℃、1時間の熱
処理を行い、約10μmの厚さの拡散層を形成すること
も提案しているが、接合性の向上のために別工程及び長
時間を必要とすることになる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は次の通りである。請求項1の発明は、アルミニウムを
含有する溶融マグネシウム合金(9)を金型1,2内に
注入して形成する成形体11と、該成形体11の少なく
とも一部表面に、蒸着、スパッタ等の物理的処理方法又
はメッキ等の化学的処理方法を用いて形成するアルミニ
ウム又はアルミニウム合金からなる表面層17とを有す
ることを特徴とするマグネシウム成形品である。請求項
2の発明は、アルミニウムを含有する溶融マグネシウム
合金(9)を金型1,2内に注入して形成され、かつ、
機械加工が施された成形体11と、該成形体11の少な
くとも一部表面に、蒸着、スパッタ等の物理的処理方法
又はメッキ等の化学的処理方法を用いて形成するアルミ
ニウム又はアルミニウム合金からなる表面層17とを有
することを特徴とするマグネシウム成形品である。請求
項3の発明は、表面層17の表面に、陽極酸化処理等の
防食、耐摩耗表面処理、電解着色法、多色電解着色法等
の着色処理、刻印、ダイヤモンドカット等の表面処理加
工の内の少なくとも1種の表面処理が施されていること
を特徴とする請求項1又は2のマグネシウム成形品であ
る。請求項4の発明は、表面層17の表面に、塗装が施
されていることを特徴とする請求項1,2又は3のマグ
ネシウム成形品である。
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は次の通りである。請求項1の発明は、アルミニウムを
含有する溶融マグネシウム合金(9)を金型1,2内に
注入して形成する成形体11と、該成形体11の少なく
とも一部表面に、蒸着、スパッタ等の物理的処理方法又
はメッキ等の化学的処理方法を用いて形成するアルミニ
ウム又はアルミニウム合金からなる表面層17とを有す
ることを特徴とするマグネシウム成形品である。請求項
2の発明は、アルミニウムを含有する溶融マグネシウム
合金(9)を金型1,2内に注入して形成され、かつ、
機械加工が施された成形体11と、該成形体11の少な
くとも一部表面に、蒸着、スパッタ等の物理的処理方法
又はメッキ等の化学的処理方法を用いて形成するアルミ
ニウム又はアルミニウム合金からなる表面層17とを有
することを特徴とするマグネシウム成形品である。請求
項3の発明は、表面層17の表面に、陽極酸化処理等の
防食、耐摩耗表面処理、電解着色法、多色電解着色法等
の着色処理、刻印、ダイヤモンドカット等の表面処理加
工の内の少なくとも1種の表面処理が施されていること
を特徴とする請求項1又は2のマグネシウム成形品であ
る。請求項4の発明は、表面層17の表面に、塗装が施
されていることを特徴とする請求項1,2又は3のマグ
ネシウム成形品である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明の1実施の
形態に係るマグネシウム成形品の製造に使用する装置と
してのコールドチャンバ型ダイカスト機の概略を示す。
図中において符号1は固定側金型、2は可動側金型であ
り、締め付けられた両金型1,2の間に製品部3が区画
可能である。マグネシウム合金の溶湯9を、注湯口5a
から鋳込みスリーブ5内に注入し、スリーブ5に摺動自
在に嵌合するプランジャ6を図上にて左方に移動させれ
ば、溶融マグネシウム合金である溶湯9が製品部3に圧
入充填される。成形体11の原料となるマグネシウム合
金は、アルミニウムを含有するものとする。製品部3内
でマグネシウム合金が冷却固化したなら、可動側金型2
を移動させて製品部3を開放させ、成形体を突き出す。
これにより、マグネシウム合金の成形体11が得られ
る。このような作業の繰り返しにより、多数の成形体1
1を得ることができる。
て図面を参照して説明する。図1は、本発明の1実施の
形態に係るマグネシウム成形品の製造に使用する装置と
してのコールドチャンバ型ダイカスト機の概略を示す。
図中において符号1は固定側金型、2は可動側金型であ
り、締め付けられた両金型1,2の間に製品部3が区画
可能である。マグネシウム合金の溶湯9を、注湯口5a
から鋳込みスリーブ5内に注入し、スリーブ5に摺動自
在に嵌合するプランジャ6を図上にて左方に移動させれ
ば、溶融マグネシウム合金である溶湯9が製品部3に圧
入充填される。成形体11の原料となるマグネシウム合
金は、アルミニウムを含有するものとする。製品部3内
でマグネシウム合金が冷却固化したなら、可動側金型2
を移動させて製品部3を開放させ、成形体を突き出す。
これにより、マグネシウム合金の成形体11が得られ
る。このような作業の繰り返しにより、多数の成形体1
1を得ることができる。
【0007】成形体11に対して寸法精度を向上させる
ための機械仕上げが必要な場合には、機械仕上げ加工を
行なう。ダイカスト成形により成形され、機械仕上げの
終了したマグネシウム合金よりなる成形体11に対して
は、通常のマグネシウム合金よりなる成形品に用いる酸
洗い、脱脂を行なう。酸洗い、脱脂を行なうのは、ダイ
カスト成形に際する離型剤や機械加工時の不純物が後記
する表面層17の下、成形体11の表面に残り、腐食や
アルミニウム層の接合不良の原因となるのを防ぐ目的で
ある。具体例としては、ベンゼン、トルエン、トリクロ
ールエチレン、アルカリ浴、苛性ソーダ、クロム酸、フ
ッ酸、硫酸等による洗浄である。
ための機械仕上げが必要な場合には、機械仕上げ加工を
行なう。ダイカスト成形により成形され、機械仕上げの
終了したマグネシウム合金よりなる成形体11に対して
は、通常のマグネシウム合金よりなる成形品に用いる酸
洗い、脱脂を行なう。酸洗い、脱脂を行なうのは、ダイ
カスト成形に際する離型剤や機械加工時の不純物が後記
する表面層17の下、成形体11の表面に残り、腐食や
アルミニウム層の接合不良の原因となるのを防ぐ目的で
ある。具体例としては、ベンゼン、トルエン、トリクロ
ールエチレン、アルカリ浴、苛性ソーダ、クロム酸、フ
ッ酸、硫酸等による洗浄である。
【0008】次に、このようにして製造されたマグネシ
ウム合金の成形体11の少なくとも一部表面に、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金からなる表面層17を図2
に示すように形成する。表面層17は、蒸着、スパッタ
等の物理的処理方法又はメッキ等の化学的処理方法を用
いて形成する。成形体11の全表面にアルミニウム又は
アルミニウム合金からなる表面層17を形成することも
できる。
ウム合金の成形体11の少なくとも一部表面に、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金からなる表面層17を図2
に示すように形成する。表面層17は、蒸着、スパッタ
等の物理的処理方法又はメッキ等の化学的処理方法を用
いて形成する。成形体11の全表面にアルミニウム又は
アルミニウム合金からなる表面層17を形成することも
できる。
【0009】表面層17を蒸着によつて形成する場合に
ついて説明する。洗浄処理後のマグネシウムの成形体1
1を蒸着装置内に設置し、真空下でアルミニウム又はア
ルミニウム合金を蒸着させる。蒸着条件の設定により表
面層17の厚さをコントロールし、通常、陽極酸化処理
(アルマイト処理)に必要な20〜100μmのアルミ
ニウム合金層を形成する。その際、アルミニウム合金を
マグネシウムを含有するもとし、成形体11への表面層
17の接合力を高め、或いはアルミニウム合金をマグネ
シウムの含有率が高いものから次第に低いものに混合粉
末を変化させ、傾斜機能材料としての機能を付与するこ
ともできる。蒸着以外の物理的処理方法又はメッキ等の
化学的処理方法を用いて表面層17を形成する場合に
も、同様に接合力を向上させ、或いは傾斜機能材料とし
ての機能を付与させることもできる。
ついて説明する。洗浄処理後のマグネシウムの成形体1
1を蒸着装置内に設置し、真空下でアルミニウム又はア
ルミニウム合金を蒸着させる。蒸着条件の設定により表
面層17の厚さをコントロールし、通常、陽極酸化処理
(アルマイト処理)に必要な20〜100μmのアルミ
ニウム合金層を形成する。その際、アルミニウム合金を
マグネシウムを含有するもとし、成形体11への表面層
17の接合力を高め、或いはアルミニウム合金をマグネ
シウムの含有率が高いものから次第に低いものに混合粉
末を変化させ、傾斜機能材料としての機能を付与するこ
ともできる。蒸着以外の物理的処理方法又はメッキ等の
化学的処理方法を用いて表面層17を形成する場合に
も、同様に接合力を向上させ、或いは傾斜機能材料とし
ての機能を付与させることもできる。
【0010】ここで、本発明者等は、アルミニウムを含
有するマグネシウム合金を材料として、溶融マグネシウ
ム合金(溶湯9)を金型1,2内に注入して成形体11
を作製すれば、マグネシウムの成形体11の表層のアル
ミニウム濃度が高くなることを見出した。そこで、成形
体11の原料となるマグネシウム合金を、アルミニウム
を含有するものに限定した。これにより、ダイカスト成
形等の金型1,2内でアルミニウムを含有するマグネシ
ウム合金を冷却固化させる際に、成形体11の表面のア
ルミニウム濃度の方が厚さ方向の中心部の濃度よりも高
くなり、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる表
面層17の形成時の接合性が向上することになる。
有するマグネシウム合金を材料として、溶融マグネシウ
ム合金(溶湯9)を金型1,2内に注入して成形体11
を作製すれば、マグネシウムの成形体11の表層のアル
ミニウム濃度が高くなることを見出した。そこで、成形
体11の原料となるマグネシウム合金を、アルミニウム
を含有するものに限定した。これにより、ダイカスト成
形等の金型1,2内でアルミニウムを含有するマグネシ
ウム合金を冷却固化させる際に、成形体11の表面のア
ルミニウム濃度の方が厚さ方向の中心部の濃度よりも高
くなり、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる表
面層17の形成時の接合性が向上することになる。
【0011】成形体11の表面のアルミニウム濃度の方
が中心の同濃度よりも高くなることを確認した実験結果
を表1に示す。この実験は、図3に示す板状の成形体1
1を用い、この成形体11の所定箇所a〜fのアルミニ
ウム濃度(Al濃度/wt%)を蛍光X線で測定して行
なつた。実験に用いた成形体11は、チクソモールディ
ング法によつて2mm厚さの平板に作製した。表1から
分かるように、いずれの測定箇所a〜fにおいても、成
形体11の表面でのアルミニウム濃度の方が厚さ方向の
中心の濃度よりも高くなつている。
が中心の同濃度よりも高くなることを確認した実験結果
を表1に示す。この実験は、図3に示す板状の成形体1
1を用い、この成形体11の所定箇所a〜fのアルミニ
ウム濃度(Al濃度/wt%)を蛍光X線で測定して行
なつた。実験に用いた成形体11は、チクソモールディ
ング法によつて2mm厚さの平板に作製した。表1から
分かるように、いずれの測定箇所a〜fにおいても、成
形体11の表面でのアルミニウム濃度の方が厚さ方向の
中心の濃度よりも高くなつている。
【0012】
【表1】
【0013】次に、成形体11に接合させた表面層17
の表面に施す表面処理について説明する。表面層17を
形成した際、表面が汚染された場合には有機溶媒、アル
カリ性洗剤、酸性洗剤により清浄処理を行い、また、形
成した表面層17の表面が平滑になつていない場合には
化学研磨や電解研磨を行なう。
の表面に施す表面処理について説明する。表面層17を
形成した際、表面が汚染された場合には有機溶媒、アル
カリ性洗剤、酸性洗剤により清浄処理を行い、また、形
成した表面層17の表面が平滑になつていない場合には
化学研磨や電解研磨を行なう。
【0014】清浄で平滑な表面層17が得られたなら、
それを2〜5%(COOH)2 2H2 Oや10〜20%
H2 SO4 等の電解液に入れて、アルミニウム又はアル
ミニウム合金からなる表面層17の表面を陽極酸化させ
る。図2に示す17aは、陽極酸化皮膜を示す。
それを2〜5%(COOH)2 2H2 Oや10〜20%
H2 SO4 等の電解液に入れて、アルミニウム又はアル
ミニウム合金からなる表面層17の表面を陽極酸化させ
る。図2に示す17aは、陽極酸化皮膜を示す。
【0015】表面層17を陽極酸化処理して得られた陽
極酸化皮膜17aは非常に緻密であり、耐食性に優れ、
染色性にも優れる。特に耐摩耗性が要求される場合に
は、低温で硫酸を電解液とする陽極酸化処理を施して5
0〜100μmの厚い硬質陽極酸化皮膜を形成すれば、
ビッカース硬度500以上にまで表面を硬質化させるこ
とができる。また、陽極酸化皮膜17aは多孔性を有し
ているので、必要に応じて封孔処理を施す。陽極酸化に
よる表面処理は、表面層17に対して耐食性向上、耐摩
耗性向上、塗装付着性向上等の材料特性の向上のために
行なうものであり、化成処理等によつて酸化皮膜を形成
してもよい。
極酸化皮膜17aは非常に緻密であり、耐食性に優れ、
染色性にも優れる。特に耐摩耗性が要求される場合に
は、低温で硫酸を電解液とする陽極酸化処理を施して5
0〜100μmの厚い硬質陽極酸化皮膜を形成すれば、
ビッカース硬度500以上にまで表面を硬質化させるこ
とができる。また、陽極酸化皮膜17aは多孔性を有し
ているので、必要に応じて封孔処理を施す。陽極酸化に
よる表面処理は、表面層17に対して耐食性向上、耐摩
耗性向上、塗装付着性向上等の材料特性の向上のために
行なうものであり、化成処理等によつて酸化皮膜を形成
してもよい。
【0016】必要に応じ、表面層17の陽極酸化処理さ
れた面に刻印、ダイヤモンドカット等の機械的な表面処
理加工を行い、更に電解着色法、多色電解着色法等によ
る着色処理からなる表面処理を施す。なお、表面層17
に機械的な表面処理加工又は着色処理の表面処理を施す
場合には、酸洗い及び脱脂をこの表面処理後に行ない、
表面層17に不純物が残ることを防止する。更に、必要
に応じ、塗装を行なつてマグネシウム成形品10の完成
品とする。
れた面に刻印、ダイヤモンドカット等の機械的な表面処
理加工を行い、更に電解着色法、多色電解着色法等によ
る着色処理からなる表面処理を施す。なお、表面層17
に機械的な表面処理加工又は着色処理の表面処理を施す
場合には、酸洗い及び脱脂をこの表面処理後に行ない、
表面層17に不純物が残ることを防止する。更に、必要
に応じ、塗装を行なつてマグネシウム成形品10の完成
品とする。
【0017】前述したようにアルミニウムの陽極酸化皮
膜17aは非常に緻密であり、耐食性が非常に優れてい
るので、この表面処理をされたアルミニウム層である表
面層17を表面に有したマグネシウム合金からなる成形
品10の耐食性、耐摩耗性は、同様の表面処理後のアル
ミニウム合金と同等であり、マグネシウム合金単体又は
表面処理されたマグネシウム合金に比べて著しく向上す
ることになり、成形品10を外装品等として使用するこ
とが容易になる。
膜17aは非常に緻密であり、耐食性が非常に優れてい
るので、この表面処理をされたアルミニウム層である表
面層17を表面に有したマグネシウム合金からなる成形
品10の耐食性、耐摩耗性は、同様の表面処理後のアル
ミニウム合金と同等であり、マグネシウム合金単体又は
表面処理されたマグネシウム合金に比べて著しく向上す
ることになり、成形品10を外装品等として使用するこ
とが容易になる。
【0018】また、従来腐食の問題があつて不可能であ
つたダイヤモンドカットのような表面処理加工も、表面
層17の範囲に形成することで可能となる。更に、表面
層17に電解着色法、多色電解着色法等で着色すること
で、従来塗装以外に着色が不可能であつたマグネシウム
合金からなる成形品10に容易に着色させることができ
るようになる。しかして、マグネシウム成形品10の製
造に際して表面層17に施す表面処理としては、陽極酸
化処理等の防食、耐摩耗表面処理、電解着色法、多色電
解着色法等の着色処理、刻印、ダイヤモンドカット等か
らなる表面処理加工の内の少なくとも1種の表面処理で
よい。
つたダイヤモンドカットのような表面処理加工も、表面
層17の範囲に形成することで可能となる。更に、表面
層17に電解着色法、多色電解着色法等で着色すること
で、従来塗装以外に着色が不可能であつたマグネシウム
合金からなる成形品10に容易に着色させることができ
るようになる。しかして、マグネシウム成形品10の製
造に際して表面層17に施す表面処理としては、陽極酸
化処理等の防食、耐摩耗表面処理、電解着色法、多色電
解着色法等の着色処理、刻印、ダイヤモンドカット等か
らなる表面処理加工の内の少なくとも1種の表面処理で
よい。
【0019】アルミニウム又はアルミニウム合金に対す
る表面処理方法は、工業的に確立された技術であり、ア
ルミニウム又はアルミニウム合金の工業的使用量もマグ
ネシウム合金の使用量と比べて非常に多いので、コスト
も安価である。マグネシウム合金からなる成形体11
に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる表面層
17を形成することで、アルミニウム又はアルミニウム
合金に使用する表面処理のほとんどを使用することが可
能になり、アルミニウム又はアルミニウム合金と同じ表
面処理施設を使用することができるようになるので、コ
ストも安価になる。マグネシウム合金の特徴である軽量
性についても、実用金属材料中でマグネシウムの次に比
重の小さいアルミニウムを主体として表面層17に用い
ることで、成形品10の比重増加を最小限に抑制するこ
とができる。勿論、アルミニウム又はアルミニウム合金
からなる表面層17の形成も、アルミニウム蒸着等、工
業的に大量生産が可能な安価な方法が確立されており、
技術的にもコストの面からもマグネシウムの表面処理よ
りも優れている。
る表面処理方法は、工業的に確立された技術であり、ア
ルミニウム又はアルミニウム合金の工業的使用量もマグ
ネシウム合金の使用量と比べて非常に多いので、コスト
も安価である。マグネシウム合金からなる成形体11
に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる表面層
17を形成することで、アルミニウム又はアルミニウム
合金に使用する表面処理のほとんどを使用することが可
能になり、アルミニウム又はアルミニウム合金と同じ表
面処理施設を使用することができるようになるので、コ
ストも安価になる。マグネシウム合金の特徴である軽量
性についても、実用金属材料中でマグネシウムの次に比
重の小さいアルミニウムを主体として表面層17に用い
ることで、成形品10の比重増加を最小限に抑制するこ
とができる。勿論、アルミニウム又はアルミニウム合金
からなる表面層17の形成も、アルミニウム蒸着等、工
業的に大量生産が可能な安価な方法が確立されており、
技術的にもコストの面からもマグネシウムの表面処理よ
りも優れている。
【0020】ところで、上記1実施の形態にあつては、
ダイカスト機によつて製造するマグネシウムの成形体1
1について説明したが、マグネシウムの成形体11は金
型1,2内にマグネシウム合金を充填して製造するもの
であればよく、射出成形機の金型内に溶融したマグネシ
ウム合金を充填して成形体11を製造する場合にも本発
明を同様に適用することができる。勿論、成形品10
が、その肉厚を厳密に規定する必要のある用途の場合に
は、表面層17の厚さを考慮した成形体11を得るよう
に金型1,2を設計する。
ダイカスト機によつて製造するマグネシウムの成形体1
1について説明したが、マグネシウムの成形体11は金
型1,2内にマグネシウム合金を充填して製造するもの
であればよく、射出成形機の金型内に溶融したマグネシ
ウム合金を充填して成形体11を製造する場合にも本発
明を同様に適用することができる。勿論、成形品10
が、その肉厚を厳密に規定する必要のある用途の場合に
は、表面層17の厚さを考慮した成形体11を得るよう
に金型1,2を設計する。
【0021】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明に係るマグネシウム成形品によれば、次の効果を
奏することができる。アルミニウムを含有する溶融マグ
ネシウム合金を金型内に注入することにより、表層のア
ルミニウム濃度が高いマグネシウム合金の成形体が製作
され、この成形体の上にアルミニウム又はアルミニウム
合金からなる表面層が形成されている。このため、マグ
ネシウム合金の成形体の製作が簡単になると共に、比較
的高濃度のアルミニウムを含むマグネシウム合金とアル
ミニウム又はアルミニウム合金との接合となり、高度の
接合力を容易に確保することができる。その結果、簡素
な工程によつて信頼性及び耐久性に優れるマグネシウム
成形品を得ることができるという著効を奏することがで
きる。
本発明に係るマグネシウム成形品によれば、次の効果を
奏することができる。アルミニウムを含有する溶融マグ
ネシウム合金を金型内に注入することにより、表層のア
ルミニウム濃度が高いマグネシウム合金の成形体が製作
され、この成形体の上にアルミニウム又はアルミニウム
合金からなる表面層が形成されている。このため、マグ
ネシウム合金の成形体の製作が簡単になると共に、比較
的高濃度のアルミニウムを含むマグネシウム合金とアル
ミニウム又はアルミニウム合金との接合となり、高度の
接合力を容易に確保することができる。その結果、簡素
な工程によつて信頼性及び耐久性に優れるマグネシウム
成形品を得ることができるという著効を奏することがで
きる。
【0022】耐食性及び低コストで簡便な表面処理方法
に乏しいマグネシウム合金の成形体にアルミニウム又は
アルミニウム合金からなる表面層を形成させ、アルミニ
ウム合金に対する既存の表面処理を施すことで、マグネ
シウム成形品を低コストで表面処理することができる。
更に、表面処理された成形品は、耐食性に優れ、耐摩耗
性や染色性を向上させることも可能である。また、従来
着色が困難であつたマグネシウム合金よりなる成形品に
対し、電解着色法などを用いて着色も可能となる。
に乏しいマグネシウム合金の成形体にアルミニウム又は
アルミニウム合金からなる表面層を形成させ、アルミニ
ウム合金に対する既存の表面処理を施すことで、マグネ
シウム成形品を低コストで表面処理することができる。
更に、表面処理された成形品は、耐食性に優れ、耐摩耗
性や染色性を向上させることも可能である。また、従来
着色が困難であつたマグネシウム合金よりなる成形品に
対し、電解着色法などを用いて着色も可能となる。
【図1】 本発明の1実施の形態に係るマグネシウム成
形品の成形体を製造するための装置を断面で示す概略
図。
形品の成形体を製造するための装置を断面で示す概略
図。
【図2】 同じくのマグネシウム成形品を示す断面図。
【図3】 同じくアルミニウム濃度の測定に用いたマグ
ネシウム合金の成形体を示す図。
ネシウム合金の成形体を示す図。
1:固定側金型、2:可動側金型、9:溶湯(溶融マグ
ネシウム合金)、10:マグネシウム成形品、11:マ
グネシウム合金の成形体、17:表面層。
ネシウム合金)、10:マグネシウム成形品、11:マ
グネシウム合金の成形体、17:表面層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 30/00 B32B 15/01
Claims (4)
- 【請求項1】 アルミニウムを含有する溶融マグネシウ
ム合金(9)を金型(1,2)内に注入して形成する成
形体(11)と、該成形体(11)の少なくとも一部表
面に、蒸着、スパッタ等の物理的処理方法又はメッキ等
の化学的処理方法を用いて形成するアルミニウム又はア
ルミニウム合金からなる表面層(17)とを有すること
を特徴とするマグネシウム成形品。 - 【請求項2】 アルミニウムを含有する溶融マグネシウ
ム合金(9)を金型(1,2)内に注入して形成され、
かつ、機械加工が施された成形体(11)と、該成形体
(11)の少なくとも一部表面に、蒸着、スパッタ等の
物理的処理方法又はメッキ等の化学的処理方法を用いて
形成するアルミニウム又はアルミニウム合金からなる表
面層(17)とを有することを特徴とするマグネシウム
成形品。 - 【請求項3】 表面層(17)の表面に、陽極酸化処理
等の防食、耐摩耗表面処理、電解着色法、多色電解着色
法等の着色処理、刻印、ダイヤモンドカット等の表面処
理加工の内の少なくとも1種の表面処理が施されている
ことを特徴とする請求項1又は2のマグネシウム成形
品。 - 【請求項4】 表面層(17)の表面に、塗装が施され
ていることを特徴とする請求項1,2又は3のマグネシ
ウム成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30355697A JP3231681B2 (ja) | 1997-10-17 | 1997-10-17 | マグネシウム成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30355697A JP3231681B2 (ja) | 1997-10-17 | 1997-10-17 | マグネシウム成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11124692A JPH11124692A (ja) | 1999-05-11 |
JP3231681B2 true JP3231681B2 (ja) | 2001-11-26 |
Family
ID=17922443
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30355697A Expired - Fee Related JP3231681B2 (ja) | 1997-10-17 | 1997-10-17 | マグネシウム成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3231681B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4538720B2 (ja) * | 2004-04-13 | 2010-09-08 | 株式会社フクダコーポレーション | 樹脂基材又は金属基材の加飾方法 |
JP2005329442A (ja) | 2004-05-20 | 2005-12-02 | Toyota Motor Corp | 自動変速機のコントロールバルブボディ及びその製造方法 |
-
1997
- 1997-10-17 JP JP30355697A patent/JP3231681B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11124692A (ja) | 1999-05-11 |
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