JP3286224B2 - マグネシウム成形品の製造方法 - Google Patents

マグネシウム成形品の製造方法

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JP3286224B2 JP28471997A JP28471997A JP3286224B2 JP 3286224 B2 JP3286224 B2 JP 3286224B2 JP 28471997 A JP28471997 A JP 28471997A JP 28471997 A JP28471997 A JP 28471997A JP 3286224 B2 JP3286224 B2 JP 3286224B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面にアルミニウ
ム箔を有してアルミニウムと同等の表面性状を備えるマ
グネシウム合金からなる成形品の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術及びその課題】マグネシウム合金は実用的
な構造材金属中で最も比重が小さい上、樹脂と異なつて
リサイクルも容易であり、比強度、制振性、電磁波シー
ルド性等に優れているため、自動車等の輸送機器、電化
製品、携帯機器、情報通信機器等の広い分野での部品と
して活用されている。しかしながら、マグネシウム合金
の大きな弱点として耐食性が悪いことが知られており、
自動車等では内装部品としてのマグネシウム合金の使用
例は多くあるが、外装部品としてのマグネシウム合金の
使用例は少ない。
【0003】そこで、マグネシウム合金の成形体の表面
にアルミニウムを被覆させたマグネシウム成形品とする
ことが、例えば特開平2−182808号公報に記載さ
れている。この従来のマグネシウム成形品は、マグネシ
ウム合金粉末に強化物質として硼素粉末を加え、粉末焼
結法により成形体を作り、該成形体上にアルミニウムを
被覆した後、表面処理を行なうことを特徴としている。
アルミニウムの被覆には、メッキ及び真空蒸着法が例示
され、約50μmの厚さに被覆したとされている。
【0004】しかしながら、このような従来のマグネシ
ウム成形品の製造方法にあつては、マグネシウムの成形
体を粉末焼結法により作つた後、この成形体上にメッキ
又は真空蒸着法によつてアルミニウムを被覆する構造と
なつていたため、マグネシウムの成形体の製造が焼結の
みに制限を受けて煩雑であるのみならず、アルミニウム
の被覆層を簡便に均一かつ厚く形成することが困難であ
るという技術的課題があつた。また、焼結体に後からア
ルミニウムの被覆層を形成するため、均一な厚さにメッ
キ膜や蒸着層を形成することは難しく、寸法及び精密性
に優れた成形品を製造するのは技術的に困難である。更
に、マグネシウムの成形体とアルミニウムとの接着性を
高めるために、成形体上にアルミニウムを被覆した後、
アルゴンガス雰囲気中で400℃、1時間の熱処理を行
い、約10μmの厚さの拡散層を形成することも提案し
ているが、接着性の向上のために別工程及び長時間を必
要とするという技術的課題があつた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は次の通りである。請求項1の発明は、ダイカスト、射
出成形等の金型1,2の製品部3内にマグネシウム合金
を充填してマグネシウム合金からなる成形品を成形する
際に、金型1,2の製品部3にアルミニウム箔7を配置
した後にマグネシウム合金を充填し、該アルミニウム箔
7にマグネシウム合金を鋳造接合させて、マグネシウム
合金が冷却固化した後のマグネシウム成形体11の少な
くとも一部表面にアルミニウム合金からなる表面層17
を形成するマグネシウム成形品の製造方法であつて、金
型1,2のパーティング面12に製品部3に接続する凹
部12aを形成し、この凹部12aを仕切る一面12b
にアルミニウム箔7を離脱可能に設け、金型1,2の締
め付けによつてアルミニウム箔7を金型1,2の間に挟
着させることを特徴とするマグネシウム成形品の製造方
である。請求項2の発明は、マグネシウム成形体11
への固着前のアルミニウム箔7のマグネシウム成形体1
1と固着される面に、予め、固着を強固とするための反
応促進剤を塗布してあることを特徴とする請求項1の
グネシウム成形品の製造方法である。請求項3は、マグ
ネシウム成形体11への固着前のアルミニウム箔7のマ
グネシウム成形品10の表面となる面に、予め防食、耐
摩耗表面処理、着色処理及び表面加工の内の少なくとも
1種の表面処理を施すことを特徴とする請求項1又は2
のマグネシウム成形品の製造方法である。請求項4は、
アルミニウム箔7をマグネシウム成形体11に固着させ
てアルミニウム合金からなる表面層17を形成した後、
該表面層17に、防食、耐摩耗表面処理、着色処理及び
表面加工の内の少なくとも1種の表面処理を施すことを
特徴とする請求項1又は2のマグネシウム成形品の製造
方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明の1実施の
形態に係るマグネシウム成形品の製造装置としてのコー
ルドチャンバ型ダイカスト機の概略を示す。図中におい
て符号1は固定側金型、2は可動側金型であり、締め付
けられた両金型1,2の間に製品部3が区画可能であ
る。マグネシウム合金の溶湯9を、注湯口5aから鋳込
みスリーブ5内に注入し、スリーブ5に摺動自在に嵌合
するプランジャ6を図上にて左方に移動させれば、マグ
ネシウム合金の溶湯9が製品部3に圧入充填される。製
品部3内でマグネシウム合金が冷却固化したなら、可動
側金型2を移動させて製品部3を開放させ、成形品を突
き出す。この作業の繰り返しにより、多数の成形品を得
ることができる。
【0007】このような製造装置を使用し、本発明に係
るマグネシウム成形品は次のようにして製造される。す
なわち、可動側金型2を移動させて製品部3を開放させ
た状態で、製品部3の区画面に沿つてアルミニウム箔7
を配置する。アルミニウム箔7は、所定厚さ(100μ
m以下程度)を有し、大量生産されて非常に安価な市販
品を使用してコストを低く抑えることができる。
【0008】実際には、図1に示すように両金型1,2
のパーティング面12に、製品部3の上部に接続する凹
部12aをアルミニウム箔7の厚さに合致させて形成
し、この凹部12aを仕切つて製品部3の区画面と同一
面を形成する一面12bにアルミニウム箔7を容易に離
脱可能に接着させる。その後、両金型1,2を図1に示
すように締め付けることにより、上端部が両金型1,2
間に挟着された状態で、アルミニウム箔7が製品部3の
区画面に取付けられる。このアルミニウム箔7には、後
記するように表面処理及び加熱炉内での予熱処理を予め
施してあるが、マグネシウム合金との接合面にダイカス
ト離型剤は付着させていない。
【0009】なお、凹部12aの一面12bにアルミニ
ウム箔7を接着させるのは、金型1,2内でアルミニウ
ム箔7が動かないようにするためであり、アルミニウム
箔7を挟むようにして保持する機構を金型1,2に組み
込んでおき、或いは、アルミニウム箔7が金型1,2の
パーティング面12に挟まれるまで保持できるような機
構を金型1,2の上部に設けることも可能である。
【0010】両金型1,2を締め付け、アルミニウム箔
7を隙間なく挟み込んだ状態から、プランジャ6を図上
にて左方に移動させ、マグネシウム合金の溶湯9を製品
部3に圧入充填させる。本例では、溶湯9は可動側金型
2とアルミニウム箔7との間の製品部3に充填される。
そして、製品部3内でマグネシウムが冷却固化する際、
マグネシウムの成形体の表面にアルミニウム箔7が鋳造
接合される。その後、可動側金型2を移動させて製品部
3を開放させ、成形品を突き出すことにより、マグネシ
ウム合金の成形体11の表面にアルミニウム箔7が接合
されたマグネシウム成形品10が得られる。図2に示す
ようにマグネシウム合金の成形体11の一部表面に接合
されたアルミニウム箔7は、アルミニウム合金からなる
表面層17を形成している。マグネシウム合金の成形体
11の形状にもよるが、成形体11の全表面にアルミニ
ウム箔7を接合させた表面層17を形成することもでき
る。例えば板状をなす成形体11のほぼ全表面に表面層
17を形成することは容易である。
【0011】一般的なマグネシウム合金には、数%のア
ルミニウムを含有しており、その場合には鋳造接合に伴
つてマグネシウムとアルミニウムとが金属間化合物を形
成し、材料強化されている。マグネシウムとアルミニウ
ムとは、マグネシウム合金の鋳造温度以下で化合物を形
成するので、接合が容易である。また、従来、アルミニ
ウム同士の固相拡散接合、鋳ぐるみでは、一般にアルミ
ニウムの表面酸化膜が接合の障害になるとされている
が、鋳造速度を高めれば酸化膜を除去して接合すること
も可能であるし、鋳造速度が遅い場合であつても、マグ
ネシウムが酸化アルミニウムを還元するので、接合は容
易である。ダイカスト成形品等の金型1,2内でアルミ
ニウムを含有するマグネシウム合金を冷却固化させる際
には、表面のアルミニウム濃度が高くなる傾向があり、
アルミニウム合金からなる表面層17の形成時の接合性
も良い。
【0012】次に、マグネシウム成形品10の製造に先
立つてアルミニウム箔7に予め施す表面処理について説
明する。先ず初めに100μm以下のアルミニウム箔7
の片面に陽極酸化処理(アルマイト処理)を施し、陽極
酸化処理を施したアルミニウム箔7に対して清浄処理、
具体的には酸洗い及び脱脂を行なう。酸洗い及び脱脂を
行なうのは、表面層17とマグネシウム合金の成形体1
1との間に不純物が残り、腐食の原因となることを防ぐ
目的である。具体例としては、ベンゼン、トルエン、ト
リクロールエチレン、アルカリ浴、苛性ソーダ、クロム
酸、フッ酸、硫酸等による洗浄である。ここで、アルミ
ニウム箔7の陽極酸化処理としては、2〜5%(COO
H)2 2H2 Oや10〜20%H2 SO4 等の電解液に
入れて陽極酸化させる表面処理方法がある。
【0013】アルミニウム箔7を陽極酸化処理して得ら
れた陽極酸化皮膜は非常に緻密であり、耐食性に優れ、
染色性にも優れる。特に耐摩耗性が要求される場合に
は、低温で硫酸を電解液とする陽極酸化処理を施して5
0〜100μmの厚い硬質陽極酸化皮膜を形成すれば、
ビッカース硬度500以上にまで表面を硬質化させるこ
とができる。なお、アルミニウム箔7の厚さは、陽極酸
化処理のためには20〜100μmであることが望まれ
る。
【0014】必要に応じ、アルミニウム箔7の陽極酸化
処理された面に刻印、ダイヤモンドカット等の機械仕上
げの表面加工からなる表面処理を行い、更に電解着色法
等による着色処理からなる表面処理を施す。なお、アル
ミニウム箔7に機械仕上げ又は着色処理の表面処理を施
す場合には、酸洗い及び脱脂をこの表面処理後に行な
い、表面層17とマグネシウム合金の成形体11との間
に機械仕上げなどに伴う不純物が残ることを防止する。
しかして、マグネシウム成形品10の製造に先立つてア
ルミニウム箔7に予め施す表面処理としては、陽極酸化
処理等の防食、耐摩耗表面処理、電解着色法等の着色処
理、刻印、ダイヤモンドカット等からなる表面加工の内
の少なくとも1種の表面処理でよい。
【0015】次に、このアルミニウム箔7を加熱炉内で
予熱を加える。予熱温度の最適値は、マグネシウム合金
の鋳造温度、金型1,2の形状、材料種類等により左右
されるが、金型1,2の温度以上にするのが好ましいの
で、200〜500℃程度とする。予熱したアルミニウ
ム箔7は、表面処理した側が金型1,2の製品部3の区
画面、つまり成形品10の表面になるようにダイカスト
金型1,2内に配置する。型閉じ後、素早くマグネシウ
ム合金の溶湯9を鋳込み、冷却後、表面にアルミニウム
箔7が接合されたマグネシウム成形品10を取り出すこ
とになる。必要に応じ、塗装を行なつてマグネシウム成
形品10の完成品とする。図2に示す17aは、陽極酸
化皮膜を示す。
【0016】前述したようにアルミニウムの陽極酸化皮
膜17aは非常に緻密であり、耐食性が非常に優れてい
るので、この表面処理をされたアルミニウム層である表
面層17を表面に有したマグネシウム合金からなる成形
品10の耐食性、耐摩耗性は、表面処理後のアルミニウ
ム合金と同等であり、マグネシウム合金単体又は表面処
理されたマグネシウム合金に比べて著しく向上すること
になり、成形品10を外装品等として使用することが容
易になる。
【0017】また、従来腐食の問題があつて不可能であ
つたダイヤモンドカットのような表面加工も、表面層1
7の範囲に形成することで可能となる。更に、アルミニ
ウム箔7に電解着色法等で着色することで、従来塗装以
外に着色が不可能であつたマグネシウム合金からなる成
形品10に容易に着色させることができるようになる。
【0018】アルミニウム合金に対する表面処理方法
は、工業的に確立された技術であり、アルミニウム合金
の工業的使用量もマグネシウム合金の使用量と比べて非
常に多いので、コストも安価である。マグネシウム合金
からなるマグネシウム成形体11に、アルミニウム合金
からなる表面層17を形成することで、アルミニウム合
金に使用する表面処理のほとんどを使用することが可能
になり、アルミニウム合金と同じ表面処理施設を使用す
ることができるようになるので、コストも安価になる。
マグネシウム合金の特徴である軽量性についても、実用
金属材料中でマグネシウムの次に比重の小さいアルミニ
ウムを表面層17に用いることで、成形品10の比重増
加を最小限に抑制することができる。アルミニウム箔7
は大量生産されて非常に安価であるため、この点からも
コストを比較的低く抑えることができる。
【0019】ところで、上記1実施の形態にあつては、
ダイカスト機によつて製造するマグネシウム成形品10
について説明したが、マグネシウム成形品10は金型
1,2内にマグネシウム合金を充填して製造するもので
あればよく、射出成形機の金型内に溶融したマグネシウ
ム合金を充填してマグネシウム成形品10を製造する場
合にも本発明を同様に適用することができる。
【0020】また、上記1実施の形態にあつては、アル
ミニウム箔7の接合後に成形品10の表面となる面に、
予め陽極酸化処理等の防食、耐摩耗表面処理、電解着色
法等の着色処理、刻印、ダイヤモンドカット等の表面加
工からなる表面処理を施し、その後に、該アルミニウム
箔7をマグネシウム合金と接合させてマグネシウム成形
品10を製造した。しかしながら、アルミニウム箔7を
マグネシウム合金に接合させてマグネシウム成形品10
を形成した後、アルミニウム合金からなる表面層17
に、陽極酸化処理等の防食、耐摩耗表面処理、電解着色
法等の着色処理、刻印、ダイヤモンドカット等の表面加
工からなる表面処理の内の少なくとも1種を施すことも
可能である。マグネシウム合金からなるマグネシウム成
形体11にアルミニウム箔7を接合した後でもアルミニ
ウム合金に使用する表面処理のほとんどを使用すること
ができるので、表面処理後のアルミニウム合金と同等の
耐食性、耐摩耗性等を得ることが可能である。
【0021】勿論、金型1,2内に配置する前に、アル
ミニウム箔7のマグネシウム成形品10の表面となる面
に、陽極酸化処理等の防食、耐摩耗表面処理のみを施し
て陽極酸化皮膜17aを形成し、刻印、ダイヤモンドカ
ット等の表面加工、電解着色法等による着色処理からな
る表面処理を金型1,2から取り出した後の表面層17
に施すことも可能であり、また、陽極酸化処理等の防
食、耐摩耗表面処理を省略することも可能である。
【0022】また、図3に示す反応促進剤18を、マグ
ネシウム成形体11への固着前のアルミニウム箔7のマ
グネシウム成形体11と固着される面に、予め、塗布す
ることができる。この反応促進剤18は、マグネシウム
成形体11とアルミニウム箔7との固着を強固とする目
的で使用するものである。反応促進剤18として、Si
2 などのマグネシウムとテルミット反応を生ずるもの
を塗布しておけば、鋳造に際してマグネシウムと反応し
て高温を発生し、マグネシウム成形体11とアルミニウ
ム箔7との固着が促される。反応促進剤18として、マ
グネシウム及びアルミニウムと低融点合金を形成する元
素を塗布しておけば、鋳造に際して界面での合金化を生
じ、マグネシウム成形体11とアルミニウム箔7との固
着が促進される。反応促進剤18の塗布は、上述した酸
洗い及び脱脂の後に行なう。なお、図3に示す反応促進
剤18は、アルミニウム箔7を鋳造接合させたマグネシ
ウム成形体11に、そのまま残存することを示すもので
はない。
【0023】更に、図4に示すようにマグネシウム成形
体11の少なくとも一部表面に、アルミニウム箔7を固
相拡散、超音波溶接、ろう付け等の金属接合手段で接合
させて、アルミニウム合金からなる表面層17をマグネ
シウム成形体11に金属接合部19を介して形成するこ
とも可能である。要するに、マグネシウム合金からなる
マグネシウム成形体11の少なくとも一部表面にアルミ
ニウム箔7を固着させて、アルミニウム合金からなる表
面層17を形成させたマグネシウム成形品10とすれば
よい。なお、図3,図4に示す陽極酸化皮膜17aは、
アルミニウム箔7をマグネシウム成形体11に固着させ
る前後いずれのときにも形成することが可能である。勿
論、電解着色法等の着色処理、刻印、ダイヤモンドカッ
ト等の表面加工からなる表面処理も、アルミニウム箔7
をマグネシウム成形体11に固着させる前後いずれでも
施すことが可能である。
【0024】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明に係るマグネシウム成形品の製造方法によれば、
次の効果を奏することができる。 (1)請求項1によれば、マグネシウム合金からなるマ
グネシウム成形体の少なくとも一部表面にアルミニウム
箔を固着させて、アルミニウム合金からなる表面層が形
成されている。従つて、アルミニウム箔によつてマグネ
シウム成形体の表面を均一かつ確実に覆うことができ
る。加えて、アルミニウム合金からなる表面層は、所定
の厚さを有するアルミニウム箔によつて正確かつ厚く形
成することが容易にでき、アルミニウム合金と同等の耐
食性等の表面性状を確実に付与することができる。
【0025】(2)また、ダイカスト、射出成形等の金
型の製品部内にマグネシウム合金を充填するマグネシウ
ム成形品の製造方法により、成形品の成形と同時に表面
にアルミニウム箔からなる表面層を確実に形成して、ア
ルミニウム合金と同等の耐食性等の表面性状を付与する
ことができると共に、アルミニウム合金に施す簡便かつ
低コストな表面処理を施すことが可能になる。加えて、
アルミニウム合金からなる表面層を含めた状態で金型形
状、つまり成形品の最終寸法に成形されるので、寸法精
度に優れるマグネシウム成形品を得ることができる。
【0026】
【0027】()請求項3,4によれば、アルミニウ
ム合金からなる表面層に、防食、耐摩耗表面処理、着色
処理及び表面加工の内の少なくとも1種の表面処理を施
す。そして、この防食、耐摩耗表面処理されたアルミニ
ウム合金の方が同様の処理をしたマグネシウム合金より
も表面処理性能に優れているため、マグネシウム成形品
をマグネシウム合金よりも耐食性及び耐摩耗性に優れる
ものにできると共に、染色性を向上させることも可能で
ある。すなわち、従来着色が困難であつたマグネシウム
合金からなる成形品に対し、電解着色法などを用いてア
ルミニウム箔を着色させることにより、着色も良好に行
なわれる。また、耐食性及び耐摩耗性を向上させたマグ
ネシウム成形品は、環境が厳しく使用が困難であつた外
装品等にも使用可能であり、マグネシウム合金からなる
成形品の使用範囲を飛躍的に高めるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施の形態に係るマグネシウム成
形品の製造装置を断面で示す概略図。
【図2】 同じくマグネシウム成形品を示す断面図。
【図3】 同じくマグネシウム成形体の表面に反応促進
剤を塗布したアルミニウム箔を固着したマグネシウム成
形品を示す断面図。
【図4】 同じくマグネシウム成形体の表面に固相拡
散、超音波溶接、ろう付け等の金属接合手段によつてア
ルミニウム箔を貼り付けたマグネシウム成形品を示す断
面図。
【符号の説明】
1:固定側金型、2:可動側金型、3:製品部、7:ア
ルミニウム箔、10:マグネシウム成形品、11:マグ
ネシウム成形体、17:表面層、17a:陽極酸化皮
膜、18:反応促進剤、19:金属接合部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−69292(JP,A) 特開 平4−251657(JP,A) 特開 平6−249059(JP,A) 特開 昭59−53641(JP,A) 実開 昭62−157(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 17/00 B22D 19/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイカスト、射出成形等の金型(1,
    2)の製品部(3)内にマグネシウム合金を充填してマ
    グネシウム合金からなる成形品を成形する際に、金型
    (1,2)の製品部(3)にアルミニウム箔(7)を配
    置した後にマグネシウム合金を充填し、該アルミニウム
    箔(7)にマグネシウム合金を鋳造接合させて、マグネ
    シウム合金が冷却固化した後のマグネシウム成形体(1
    1)の少なくとも一部表面にアルミニウム合金からなる
    表面層(17)を形成するマグネシウム成形品の製造方
    法であつて、金型(1,2)のパーティング面(12)に製品部
    (3)に接続する凹部(12a)を形成し、この凹部
    (12a)を仕切る一面(12b)にアルミニウム箔
    (7)を離脱可能に設け、金型(1,2)の締め付けに
    よつてアルミニウム箔(7)を金型(1,2)の間に挟
    着させる ことを特徴とするマグネシウム成形品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 マグネシウム成形体(11)への固着前
    のアルミニウム箔(7)のマグネシウム成形体(11)
    と固着される面に、予め、固着を強固とするための反応
    促進剤を塗布してあることを特徴とする請求項のマグ
    ネシウム成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 マグネシウム成形体(11)への固着前
    のアルミニウム箔(7)のマグネシウム成形品(10)
    の表面となる面に、予め防食、耐摩耗表面処理、着色処
    及び表面加工の内の少なくとも1種の表面処理を施す
    ことを特徴とする請求項1又は2のマグネシウム成形品
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム箔(7)をマグネシウム成
    形体(11)に固着させてアルミニウム合金からなる表
    面層(17)を形成した後、該表面層(17)に、防
    食、耐摩耗表面処理、着色処理及び表面加工の内の少な
    くとも1種の表面処理を施すことを特徴とする請求項
    又は2のマグネシウム成形品の製造方法。
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