JP3231565B2 - 吸収器用伝熱管 - Google Patents

吸収器用伝熱管

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JP3231565B2
JP3231565B2 JP30670394A JP30670394A JP3231565B2 JP 3231565 B2 JP3231565 B2 JP 3231565B2 JP 30670394 A JP30670394 A JP 30670394A JP 30670394 A JP30670394 A JP 30670394A JP 3231565 B2 JP3231565 B2 JP 3231565B2
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pipe
length
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富夫 肥後
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    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/62Absorption based systems

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  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸収式冷凍機及び吸収
式冷温水機等の吸収式熱交換器の吸収器に使用される吸
収器用伝熱管に関し、更に詳述すれば、伝熱性能及び組
み付け性等が優れた吸収器用伝熱管に関する。
【0002】
【従来の技術】吸収式冷凍機等の吸収式熱交換器では、
器内を真空に保持し、冷媒を低温で蒸発し、その蒸発潜
熱により冷水を取り出しその冷水を空調に使用する。
【0003】吸収器と蒸発器は一体の胴内に収められて
おり、蒸発を連続的に得るために、蒸発器にて発生して
きた冷媒蒸気を吸収器の伝熱管表面に散布される吸収液
に吸収させ、胴内を一定の真空度に維持している。従っ
て、熱交換器の冷凍能力を向上させるためには、蒸発器
における冷媒蒸気の発生量を増加させると共に、吸収
量、即ち吸収能力を増加させる必要がある。吸収能力の
増加については、伝熱管の性能向上が最も有効な手段で
あり、種々の形状を有する伝熱管が検討され、提案され
ている。
【0004】例えば、実開平2−89270号及び特開
平2−176378号に開示された技術においては、管
軸方向に連続する縦溝を配し、管軸直角方向に形成され
る山部と谷部が所定の関係をなす曲率からなる形状を有
する。
【0005】これらは、マランゴニ対流によって生じる
管軸方向の吸収液の揺動を妨げないという特徴を持つも
のであり、更に吸収液が谷部から山部を越える際に一層
の攪乱効果が得られる。
【0006】また、断続的な凹凸を形成した技術が、実
公昭46−67080号及び特公平5−22838号に
開示されている。これらは断続的な凹凸により吸収液を
攪乱し、又は滞留時間を長くするという特徴を有するも
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術においては、ある程度の伝熱性能の向上が得
られるものの、下記に述べるように種々の問題点があっ
た。
【0008】先ず、実開平2−89270号及び特開平
2−176378号に開示されているような管軸方向に
連続した溝を設けた形状の伝熱管では、管の設置の方向
によっては伝熱性能に差が生じる。
【0009】具体的には、伝熱管を鉛直方向の上方に谷
部が位置するような配置とした場合、谷部に吸収液が溜
まりやすく、吸収液の排出がうまくいかないため、谷部
に吸収能力が低下した吸収液が残留し、伝熱性能の低下
を生じていた。また、吸収液の流量が増加すると、図1
0に示すように、管下部の山部で吸収液1がドロップア
ウトを生じることがあり、この場合にもやはり伝熱性能
の低下を生じていた。これらの弊害を防止するために
は、管群の列を山部が上になるように配置することが有
効であるが、この場合、冷凍機への管の挿入作業におい
て1本1本方向を確認しながら作業を進める必要があ
り、作業者に多大な負担がかかることになる。
【0010】更に、谷部の深さが深くなると吸収液の滞
留量が増加するため、冷凍サイクルを駆動させるための
吸収液の必要循環量が増加し、機器の重量が増加すると
いう欠点を有する。
【0011】次に、実公昭46−67080号に記載の
伝熱管は、断続的な凹部を持つものであるが、図11に
示すように、凹部2が管周方向についてで1列とばしで
隣り合う列の凹部が重なった位置にあり、管軸方向に見
た場合、凹部が全く存在しない帯状の領域が存在する。
このため、冷媒蒸気の吸収に伴って、マランゴニ対流が
生じると、流下する吸収液が筋状に隆起し、且つ管軸方
向に揺動しながら流下するため、場所によっては図11
に示すように凹部に吸収液が流れ込まない箇所が出てく
る。この結果、吸収液の滞留が不十分となり、吸収性能
の向上が望めないという欠点がある。
【0012】特公平5−22838号に記載の伝熱管
は、上記実公昭46−67080号に記載の伝熱管の構
造を改良したものであるが、なお、以下に示す問題点が
ある。即ち、特公平5−22838号の伝熱管は吸収液
を管表面に少しでも長い時間滞留させるべく考えられた
構造であり、断続に設けた突起上を吸収液が乗り越える
ことなく、突起と突起の間の平坦部を吸収液が迂回しつ
つ流下するものである。
【0013】このような構造により、吸収液の滞留時間
を長くし、且つ吸収液の滞留量を多くすることができる
が、必要以上に管表面に吸収液が滞留するため、前述し
たように吸収液の必要循環量が増加し、機器の重量が増
加する。更に、凹部によって吸収液の流路が決まり、突
起の頂部を乗り越えて吸収液が流下することがないた
め、突起の頂部が吸収液と接触しない。従って、伝熱管
の伝熱面積が有効に確保できず、伝熱性能を向上させる
には限界がある。
【0014】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、伝熱性能が優れており、且つ冷凍機への管
の組み付け時の作業性の低下を生じることなく、機器の
重量増加を防止できるという優れた特性を持つ吸収器用
伝熱管を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る吸収器用伝
熱管は、複数の管を水平に配置して構成される吸収器に
使用される吸収器用伝熱管において、管軸方向に延びる
複数の凹部を管軸方向に断続的に配列し、管周方向に隣
り合う凹部列において一方の列の凹部の中心と、他方の
列の凹部間の中心とが管軸方向に関して一致し、管周方
向に隣り合う列における凹部の重なり部分の長さL0
凹部の長さLとの比L0/Lが0.2〜0.8であり、
凹部の管周方向の幅W1と凹部間の凸部の管周方向のW2
との比W1/W2が0.5〜2.5であり、凹部の深さh
が0.5〜1.5mmであり、凹部の長さLが10〜5
0mmであることを特徴とする。
【0016】この場合に、管長手方向の管両端部を含む
少なくとも2部位以上に凹部を有しない非凹凸領域を設
け、管軸に直交する断面における凹部間の凸部の頂点を
結んだ包絡線からなる円の曲率半径R0と、前記非凹凸
領域の曲率半径Rとの比R0/Rが0.97〜1.03
になるようにすることができる。
【0017】
【作用】この構成により本発明に係る吸収器用伝熱管
は、以下の作用を有する。先ず、管軸方向に延びる断続
的な凹部の列を、管周方向に隣り合う列に関して、一方
の列の凹部の長さと、これに隣り合う他方の列の凹部と
の重なり長さの比が所定値になるように、配置してい
る。
【0018】管軸方向に連続した溝をもつ縦溝管では、
前述したように、設置の方向により性能にバラツキが生
じるが、本発明に係る吸収器用伝熱管は断続した凹部を
持つため、方向性がなく管の上面を任意の方向に配置し
ても略一定の伝熱性能を示す。
【0019】また、凹部の長さと位置関係によっては実
開昭46−67080号のような問題が生じるが、本発
明ではこれらを適当な範囲に設定しているので、流下す
る吸収液が確実に凹部に流れ込み、吸収液が確実に凹部
に捕捉されると共に、吸収液が凹部内に適当量滞留す
る。また、本発明においては、特公平5−22838号
のように吸収液の決まった流路が形成されることはな
く、管壁を万遍なく濡らしながら吸収液が流下するた
め、高い吸収性能が得られる。
【0020】
【実施例】以下、本発明について、更に説明する。図1
は本発明の実施例に係る吸収器用伝熱管10を示す正面
図、図2はその管軸に直交する断面図である。本発明の
伝熱管10においては、その周面に、管軸方向に延びる
凹部11が管軸方向に断続的に形成されており、この凹
部11は管軸方向に列をなして配列されている。このよ
うな凹部列が周方向に複数列設けられている。凹部11
間の領域は凸部12となる。また、管端部又は管軸方向
の適宜領域には、このような凹凸を有しない非凹凸領域
(以下、平坦部13という)が設けられている。
【0021】凹部11は、その中心位置Pが、隣の列の
凹部11と凹部11との間の中心位置Qと、管軸方向に
関して一致するように、配列されている。この凹部11
の中心位置Pと、隣の列の凹部11と凹部11との間の
中心位置Qとが管軸方向に関して一致するとは、位置P
における管軸に直交する断面内に、位置Qが位置すると
いうことを意味している。また、このように位置Pと位
置Qとが管軸方向に一致するとは、厳密に一致する必要
はなく、実質的に一致していればよい。
【0022】また、管周方向に隣り合う列において、凹
部11はその端部で相互に重なり合い、この重なり部分
の長さL1とL2の和L0と、凹部11の長さLとの比L0
/Lが0.2〜0.8である。また、凹部11の深さh
は0.5〜1.5mmであり、凹部の長さLは10〜5
0mmである。更に、凹部11の管周方向の幅W1と凹
部間の凸部12の管周方向のW2との比W1/W2が0.
5〜2.5である。
【0023】本発明では管周方向の隣り合う列の凹部の
重なりの長さL0と凹部の長さLとの比L0/Lを0.2
〜0.8としているが、L0/Lが0.8より大きい
と、加工が煩雑となる反面、連続した凹部を持つ伝熱管
と性能が略同一となり、L0/Lが0.2より小さいと
上述したように吸収液の捕捉が十分でなくなる。従っ
て、L0/Lは0.2〜0.8とする。
【0024】また、本発明では、凹部の深さ、長さの寸
法並びに凹部と凸部の幅の比を所定の範囲に設定してい
る。凹部の深さを0.5〜1.5mmとしたのは、凹部
の深さが0.5mmより小さいと、吸収液の滞留が短
く、所定の吸収を行うことができないまま吸収液が流下
するためである。また、凹部の深さが1.5mmより大
きいと、吸収液の滞留が長くなり過ぎると共に、管表面
の吸収流量が増加し、吸収液の必要循環量が増加し、機
器の重量が増加する。凹部の深さを0.5〜1.5mm
とすることで、吸収液を適度に滞留させることができ
る。凹部の長さについては、50mmより長いと管表面
の吸収流量が増加して前述の問題を生じ、更に管の設置
方向による性能のバラツキが生じるようになる。凹部の
長さが10mmより短いと、凹部の加工箇所が増加する
反面、それ程大きな性能の向上は得られない。
【0025】次に、凹部の管周方向の幅W1と凸部の管
周方向の幅W2との比W1/W2が0.5よりも小さい
と、吸収液の保持量が十分でなくなるため、吸収性能が
低下する。一方、W1/W2が2.5より大きいと、管軸
に直角の断面の流路面積が小さくなり過ぎ、管内の冷却
水の圧力損失が大きくなる。冷却水の移送は電動ポンプ
により行われているが、圧力損失が大きくなると、出力
の大きいポンプが必要となり、機器の総合エネルギ効率
が低下する。
【0026】W1/W2が0.5〜2.5であれば適度に
吸収液が滞留し、且つ管内の冷却水の圧力損失も適当な
値となる。
【0027】一方、本発明では長手方向に管の両端部を
含む少なくとも2カ所以上に非凹凸領域(平滑部:凹部
を有しない部分)を有することにより、冷凍機の管板へ
の取付が容易となる。また、冷凍機のバッフルプレート
(邪魔板)に相当する位置に平滑部を配置することがで
きる。従って、管板の穴と管とのクリアランスを小さく
することができ、冷凍機運転中の振動で管と管板がこす
れ合うことによって生じる管のフレッティングコロージ
ョンを抑制することができる。
【0028】また、断面における凸部頂上を結んだ包路
線からなる円の曲率半径R0と、前記非凹凸領域の曲率
半径Rとの比R0/Rが1.03より大きいと、管の挿
入作業の際に管が管板の穴に引っかかり易く、挿入が困
難となり作業性が著しく低下する。R0/Rが0.97
より小さいと、管の断面流路面積が小さくなり、圧力の
損失が小さくなるため、上述した機器の総合エネルギ効
率の低下が生じる。本発明の伝熱管ではR0/Rを0.
97〜1.03としているので管の挿入作業の際に管が
管板の穴に引っかかることがなくスムーズに挿入でき、
作業性が良好であると共に、流路断面積の減少による圧
力損失の増加もない。
【0029】次に、本発明の実施例に係る伝熱管を製造
し、その特性を比較例と比較した結果について説明す
る。
【0030】本実施例及び比較例として、リン脱酸銅
(JIS H3300 C1201)からなる素管を使
用し、凹凸加工については、図8(a)に示す構造の装
置を用いて加工を施した。即ち、この装置は、管4の移
動方向に、ダイス5と、開閉式割ダイス6と、仕上ダイ
ス7とを配置し、管4を順次絞り加工する。
【0031】割ダイス6は図8(b)に示すように、そ
の中心から放射状に分割されて組み立てられるようにな
っており、管周方向に管に対して割りダイス6を角度β
で旋回運動させる駆動機構(図示せず)と割ダイス6を
管の半径方向に拡縮させる開閉機構(図示せず)とが設
けられている。管4を図の矢印方向に引き出すと共に、
一定周期で駆動機構が割ダイス6を往復運動させると共
に、開閉機構が開閉することにより、凹部を設けるため
の凹凸加工が行われる。
【0032】更に、凹部加工機構の管の引き出し方向下
流には仕上げダイスが設けられており、凹凸加工されな
い平滑部を所定の寸法にサイジングしている。
【0033】なお、本実施例では1個の旋回可能な開閉
ダイスの装置を開示したがこれは複数の開閉ダイスを回
転方向に位相をずらせてタンデムに配置した機構でも良
い。
【0034】本実施例及び比較例の管は上記工程を経た
後、脱脂処理として還元雰囲気中で250℃×1時間の
熱処理を施したものである。また、伝熱管の寸法は平滑
部が外形16mm、肉厚0.7mmであり、凹凸加工部
の外径は15.7〜16.0mmであり、その他の寸法
は下記表1に示すとおりである。なお、比較例1は連続
した凹部をもつ縦溝管で有り、比較例2は平滑管、則
ち、凹凸部を有しない管である。
【0035】なお、表1において管周方向の隣り合う列
の凹部の重なりの長さL0と凹部の長さLとの比L0/L
は略1.0となるように加工している。
【0036】
【表1】
【0037】上記の実施例及び比較例の管を1列×10
段に配置し、表2に示す測定条件で伝熱性能を測定し
た。伝熱管の吸収能力は伝熱性能に略比例し、伝熱性能
が高いほど、高い吸収能力が得られることになる。
【0038】伝熱性能については、管1本ずつの方向を
任意に設定し配置して伝熱性能を評価した。図3に示す
ように比較例の伝熱管は性能が高いものの性能のバラツ
キが約12%であり管の設置方向によるバラツキが大き
い。一方、本発明の実施例1及び2は高い伝熱性能を示
すと共に性能のバラツキが約5%以内と小さい値となっ
ている。
【0039】
【表2】
【0040】更に 実施例1,2及び比較例1の管の液
体流下特性について調べた例について説明する。図4は
液体流下特性を調べる装置を示す模式図であり、散布管
21から一定量の水を管23に滴下し、水が管下部から
床面24に伝わって流下する範囲を測定し、散布管21
の散布長さから差し引いた値、即ち、液切れ長さを測定
するものである。
【0041】図5は管を傾けたときの液切れ長さを示す
ものであり、伝熱管の傾きが大きくなるにつれ液切れ長
さが増加するが、実施例1,2に比較して比較例3は液
切れ長さの増加の割合が大きい。即ち、本発明の伝熱管
は冷凍機に若干の傾きがあっても濡れ面積があまり減少
せず、性能の低下が殆ど生じないという優れた特性を持
つものである。大型冷凍機においては管が長尺のため自
重で撓む場合があり、また冷凍機の設置時に機器が若干
傾く場合がある。このような場合おいて従来の伝熱管で
は性能の低下が生じる可能性が高いが、本発明の伝熱管
では上述したように管の傾斜による性能低下を生じな
い。
【0042】次に、凹部と凸部の寸法に対する液の滞留
性、管流路面積、伝熱性能、圧力損失については調査し
た実施例について説明する。
【0043】図6は凹部の幅W1と凸部の幅W2の比、W
1/W2に対する吸収液の滞留量及び管内流路面積につい
て調べた例であり、夫々平滑管を基準とした時の比較値
を示したものである。また、凹部の深さhは1mmであ
り、凹部の長さLは30mmである。
【0044】なお、W1は凹部の変曲点間の距離であ
り、W2は凸部の変曲点間の距離である。吸収液は濃度
55%のものを用いており、液の滞留量は管に散布した
吸収液の流量と管下部から流下する吸収液の差を求め単
位時間当たりの付着量を算出したものである。
【0045】W1/W2が0.5より小さいと管内流路面
積は大きいが、液の滞留量が小さい。W1/W2が2.5
より大きくなると液の滞留量は大きくなる、反面管内流
路面積が小さくなり過ぎる。管内流路面積が小さくなる
と管内を通過する冷却水の圧力損失が大きくなるため、
必要ポンプ動力が大きくなり、前述したように冷凍機の
総合効率が低下する。
【0046】W1/W2が0.5〜2.5であれば、管内
流路面積の減少が大きくならずに液の滞留量を大きくす
ることができる。
【0047】次に、凹部の深さhに対する伝熱性能及び
圧力損失を調査した例を示す。性能評価の条件は前記表
2と同一の条件で実施した。また、W1/W2は2とし、
凹部の長さを30mmとした。
【0048】図7に示すように、凹部の深さhが0.5
mmより小さいと、吸収液の滞留量が小さく性能の低下
が大きい。凹部の深さhが大きくなるにつれて性能が向
上するが、凹部の深さhが1.5mmを超えてもそれ程
性能の向上が得られない一方で、管内の圧力損失が増加
するため、上述したように冷凍機の総合効率が低下す
る。
【0049】次に、凹部の長さLに対する伝熱性能への
影響について調査した例を示す。性能評価の条件は表2
の場合と略同じであるが、吸収液の流量を0.05mg
/m・s一定として性能を評価した。なお、ここでW1
/W2は2とし、hは1.0mmとし、凸部の長さは凹
部の長さLよりも略5〜10mm短い寸法で設定した。
【0050】図9は凹部の長さLと伝熱性能の関係を示
す図である。Lが50mmよりも大きいと管の設置方向
による性能のバラツキは大きくなる。一方、Lが小さく
なるにつれ管の設置方向によるバラツキが少なくなる傾
向があるが10mmより小さくなると差異は認められな
くなると共に前述した開閉ダイスの開閉を頻繁に行う必
要があり、開閉の制御が煩わしくなるため、生産性が低
下する。
【0051】Lが10〜50mmであれば、性能のバラ
ツキを生じさせないで、且つ生産性を低下させずに加工
することが可能である。
【0052】最後に管周方向の隣り合う列の凹部の重な
りの長さL0と凹部の長さLとの比L0/Lと管外熱伝達
性能の関係について述べる。
【0053】この場合においてW1/W2は2とし、hは
1.0mmとしている。図12はL0/Lと管外熱伝達
率の関係を示す図で吸収液流量は0.05mg/m・s
一定である。L0/Lが0.8より大きいと管外熱伝達
率が低下する傾向にある。一方、L0/Lが0.2より
小さいと、管外熱伝達率の増加が殆どなくなる反面、上
述の連続した凹部を持つ伝熱管のように、管の設置方向
によってその性能に差がでている。従って、L0/Lは
0.2〜0.8が適正な範囲である。
【0054】上述した本発明の伝熱管において、凹部と
凸部の断面形状は、先端を略平坦にした略台形状でもよ
いが、吸収液をスムーズに流下させるためには楕円等の
円弧状にすると、より一層効果的である。
【0055】また、本実施例では管材質として銅を使用
しているが、他の金属材料、例えば鉄製伝熱管に本発明
を適用できることは勿論である。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る吸収
起用伝熱管は、連続した凹部を管軸方向に適正な位置に
配置しているので、吸収液の流下のバラツキを抑制する
ことができ、且つ適度に吸収液を滞留させることができ
るので、管の設置方向による性能のバラツキが少ない。
更に、凹部寸法の適正化を図っているので、管に適度に
吸収液を滞留させることができると共に、管内冷却水の
圧力損失を適度に抑制することができ、冷凍機に若干の
傾斜が存在しても、性能のバラツキが少ない。また、請
求項2に記載のように、凹凸加工部の曲率半径R0と概
平滑部の曲率半径Rの比を適正な値に設定することによ
り、管の冷凍機への挿入性、即ち組み付け作業性が向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る伝熱管の外観を示す模式図であ
る。
【図2】本発明に係る伝熱管の管軸直角断面の断面図で
あり、A−Aは凹凸加工部の断面図、B−Bは非凹凸領
域の断面図を示す。
【図3】実施例に係る伝熱管と比較例の伝熱管の吸収液
流量(横軸)に対する管外熱伝達率(縦軸)を示すもの
である。
【図4】管の傾斜に対して液体流下特性を調査する装置
の模式図である。
【図5】管の傾斜に対する液体流下特性(液切れ長さ)
を示す図である。
【図6】凹部の幅W1と凸部の幅W2の比W1/W2に対す
る液体流量及び管内流路面積比を示す図である。
【図7】凹部の深さhに対する管外熱伝達率比及び圧力
損失比(平滑管比)を示す図である。
【図8】本発明の伝熱管を製造する装置を示す模式図で
ある。
【図9】凹部の長さLに対する管外熱伝達率比を示す図
である。
【図10】従来技術に係る伝熱管において吸収液がドロ
ップアウトを生じている様子を示す模式図である。
【図11】従来例に係る伝熱管の吸収液流下状態を示す
図である。
【図12】管周方向の隣り合う列の凹部の重なりの長さ
0と凹部の長さLとの比L0/Lと管外熱伝達性能の関
係を示す図である。
【符号の説明】
1;吸収液 5;ダイス 6;開閉式割りダイス 7;仕上げダイス 10;管 11;凹部 12;凸部 13;平滑部 14;凸部頂上を結んだ包絡線 21;散布管 22;流下液 23;管 24;床面 W1;凹部の幅 W2;凸部の幅 h;凹部の深さ R;凹凸部の曲率半径 R0;平滑部の曲率半径 θ;管の傾斜角度 X;液切れ長さ β;開閉式割ダイス回転角度 L0;管周方向の隣り合う列の凹部の重なりの長さ L;凹部の長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 肥後 富夫 神奈川県秦野市平沢65番地 株式会社神 戸製鋼所秦野工場内 (72)発明者 石田 政司 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 株式会社神戸製鋼所東京本社内 (56)参考文献 特開 昭64−46546(JP,A) 特開 平5−18632(JP,A) 実開 昭60−71882(JP,U) 特公 平5−22838(JP,B2) 実公 昭46−6708(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 37/00 F28F 1/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の管を水平に配置して構成される吸
    収器に使用される吸収器用伝熱管において、管軸方向に
    延びる複数の凹部を管軸方向に断続的に配列し、管周方
    向に隣り合う凹部列において一方の列の凹部の中心と、
    他方の列の凹部間の中心とが管軸方向に関して一致し、
    管周方向に隣り合う列における凹部の重なり部分の長さ
    0と凹部の長さLとの比L0/Lが0.2〜0.8であ
    り、凹部の管周方向の幅W1と凹部間の凸部の管周方向
    のW2との比W1/W2が0.5〜2.5であり、凹部の
    深さhが0.5〜1.5mmであり、凹部の長さLが1
    0〜50mmであることを特徴とする吸収器用伝熱管。
  2. 【請求項2】 管長手方向の管両端部を含む少なくとも
    2部位以上に凹部を有しない非凹凸領域が設けられてお
    り、管軸に直交する断面における凹部間の凸部の頂点を
    結んだ包絡線からなる円の曲率半径R0と、前記非凹凸
    領域の曲率半径Rとの比R0/Rが0.97〜1.03
    であることを特徴とする請求項1に記載の吸収器用伝熱
    管。
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