JP3230882B2 - 光重合性組成物 - Google Patents

光重合性組成物

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JP3230882B2 JP04464993A JP4464993A JP3230882B2 JP 3230882 B2 JP3230882 B2 JP 3230882B2 JP 04464993 A JP04464993 A JP 04464993A JP 4464993 A JP4464993 A JP 4464993A JP 3230882 B2 JP3230882 B2 JP 3230882B2
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    • C09D4/00Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, based on organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond ; Coating compositions, based on monomers of macromolecular compounds of groups C09D183/00 - C09D183/16

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光重合性組成物に関す
る。塗膜形成、接着処理、印刷、造形物形成等に、可視
光線、紫外線、電子線等の光エネルギーで光重合反応し
て硬化する光重合性組成物が利用されている。かかる光
重合性組成物としては、一般に二官能以上の多官能アク
リル系モノマーやプレポリマーを含有する組成物が使用
されているが、本発明は特定構造の不飽和ウレタン及び
該不飽和ウレタンと共重合可能な(メタ)アクリル酸エ
ステルを含有する光重合性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、不飽和ウレタンを含有する光重合
性組成物として、1)ポリウレタンジイソシアネートと
ヒドロキシアルキルアクリレートとから得られる不飽和
ウレタンを含有する例(特開平2−145616)、
2)ポリウレタンジイソシアネートとトリオールジ(メ
タ)アクリレートとから得られる不飽和ウレタンを含有
する例(特開平1−204915、特開昭63−355
50)、3)ポリウレタンジイソシアネートとテトラオ
ールトリアクリレートとから得られる不飽和ウレタンを
含有する例(特開昭61−276863)、4)ポリウ
レタントリ〜ヘキサイソシアネートとトリオールジ(メ
タ)アクリレートとから得られる不飽和ウレタンを含有
する例(特開昭63−35550)、5)トリイソシア
ネートとジオールモノ(メタ)アクリレート又はトリオ
ールジ(メタ)アクリレートとから得られる不飽和ウレ
タンを含有する例(特開昭63−112551)、6)
ジイソシアネートとトリオールジメタクリレートとから
得られる不飽和ウレタンを含有する例(特公昭63−2
0203)がある。
【0003】ところが上記の従来例には、次のような欠
点がある。上記1)〜4)の従来例の場合、光重合性組
成物中の二重結合濃度を高くして、光重合反応により得
られる硬化物の架橋密度を大きくしようとすると、光重
合反応における反応収縮が大きくなり、逆に光重合性組
成物中の二重結合濃度を低くして、光重合反応により得
られる硬化物の架橋密度を小さくしようとすると、熱的
物性に劣る、例えば熱変形温度の低い硬化物しか得られ
ず、反応収縮の低減と熱的物性の向上とを同時に達成す
ることができない。また上記5)及び6)の従来例の場
合、もともと光重合性組成物中の二重結合濃度が高いた
め、光重合反応における反応収縮が著しく大きい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、不飽和ウレタンを含有する従来の光重合性
組成物では、光重合反応における反応収縮の低減と得ら
れる硬化物の熱的物性の向上とを同時に達成できない点
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
不飽和ウレタンを含有する光重合性組成物について、不
飽和ウレタンの化学構造と、光重合反応における反応収
縮及び得られる硬化物の熱的物性との関係を研究した結
果、不飽和ウレタンとして分子中に(メタ)アクリロイ
ル基から成る重合性基と長鎖脂肪族炭化水素基から成る
疎水基とが所定量導入されたものを用い、これと共に該
不飽和ウレタンと共重合可能な(メタ)アクリル酸エス
テルを所定割合で用いることが正しく好適であることを
見出した。
【0006】すなわち本発明は、下記の式1で示される
不飽和ウレタンA、下記の式2で示される不飽和ウレタ
ンB及び下記の式3で示される不飽和ウレタンCから選
ばれる1種又は2種以上の不飽和ウレタンと、該不飽和
ウレタンと共重合可能な(メタ)アクリル酸エステル
と、光重合開始剤とから成り、且つ該不飽和ウレタン/
該(メタ)アクリル酸エステル=10/90〜90/1
0(重合比)の割合から成ることを特徴とする光重合性
組成物に係る。
【0007】
【式1】
【0008】
【式2】
【0009】
【式3】
【0010】[式1、式2及び式3において、 X1:2〜4価のポリイソシアネートからイソシアネー
ト基を除いた残基 X2,X3:3又は4価のポリイソシアネートからイソシ
アネート基を除いた残基 Y1,Y4:3又は4価のポリオールから水酸基を除いた
残基 Y2,Y3,Y5:ジオールから水酸基を除いた残基 Z1,Z2,Z3:炭素数6〜22の脂肪族炭化水素基を有
する非ラジカル重合性モノオールから水酸基を除いた残
基 R1〜R7:水素原子又はメチル基 p,q:1〜3の整数であって、且つ2≦p+q≦4を
満足するもの r,s,t:1又は2であって、且つr+s+t=3又
は4を満足するもの u,v,w:1又は2であって、且つu+v+w=3又
は4を満足するもの e,f:1又は2であって、且つe+f=2又は3を満
足するもの g,h:1又は2であって、且つg+h=2又は3を満
足するもの]
【0011】本発明で用いる不飽和ウレタンは、式1で
示される不飽和ウレタンA、式2で示される不飽和ウレ
タンB及び式3で示される不飽和ウレタンCから選ばれ
る1種又は2種以上の不飽和ウレタンである。式1で示
される不飽和ウレタンAは、長鎖脂肪族炭化水素基を有
する非重合性モノオール(以下、単に長鎖脂肪族基含有
モノオールという)と、3又は4価のポリオールと(メ
タ)アクリル酸とから誘導される(メタ)アクリルエス
テルモノオールとを、2〜4価のポリイソシアネートと
反応させて得られるウレタン化物である。また式2で示
される不飽和ウレタンBは、長鎖脂肪族基含有モノオー
ルと、ジオールと(メタ)アクリル酸とから誘導される
(メタ)アクリルエステルモノオールとを、3又は4価
のポリイソシアネートと反応させて得られるウレタン化
物である。そして式3で示される不飽和ウレタンCは、
長鎖脂肪族基含有モノオールと、3又は4価のポリオー
ルと(メタ)アクリル酸とから誘導される(メタ)アク
リルエステルモノオールと、ジオールと(メタ)アクリ
ル酸とから誘導される(メタ)アクリルエステルモノオ
ールとを、3又は4価のポリイソシアネートと反応させ
て得られるウレタン化物である。
【0012】前記した長鎖脂肪族基含有モノオールは、
いずれも炭素数6〜22の、直鎖脂肪族炭化水素基、分
枝鎖を有する脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素
基を有するモノオールである。かかる長鎖脂肪族基含有
モノオールとしては、1)ヘキサノール、デカノール、
テトラデカノール、オクタデカノール、オレイルアルコ
ール等の飽和若しくは不飽和の直鎖高級アルコール、
2)2−エチルヘキサノール、イソノニルアルコール、
イソトリデシルアルコール等の分枝高級アルコール、
3)これらの直鎖又は分枝高級アルコールに炭素数2〜
4のアルキレンオキサイド、例えばエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドを付加
して得られるアルコキシ(ポリ)アルキレングリコー
ル、4)ノニルフェノキシエタノール、オクチルフェノ
キシエトキシエタノール、ドデシルフェノキシプロパノ
ール等のアルキルフェノキシ(ポリ)アルキレングリコ
ール、5)エチレングリコールモノオクタノエート、プ
ロピレングリコールモノイソノナノエート、ジプロピレ
ングリコールモノオレエート等の(ポリ)アルキレング
リコールモノ脂肪酸エステル、6)グリセリンジラウレ
ート、グリセリンジオレート、トリメチロールプロパン
ジオクタノエート、トリメチロールエタンジイソノナノ
エート等の、3価アルコールのジエステル、7)リシノ
レン酸メチル、12−ヒドロキシステアリン酸エチル、
グリコール酸イソトリデシル等のモノヒドロキシカルボ
ン酸エステル、等が挙げられる。
【0013】また前記した(メタ)アクリルエステルモ
ノオールとしては、1)2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチル
メタクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノアクリ
レート等の、2価アルコールのモノ(メタ)アクリレー
ト、2)グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタ
クリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレー
ト、5−メチル−1,2,4−ヘプタントリオールジメ
タクリレート、1,2,6−ヘキサントリオールジメタ
クリレート等の、3価アルコールのジ(メタ)アクリレ
ート、3)ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリメタクリレート等の、4価アル
コールのトリ(メタ)アクリレート、4)エチレングリ
コールモノグリセリルエーテルジメタクリレート、(ポ
リ)エトキシル化トリメチロールプロパンジメタクリレ
ート、(ポリ)プロポキシル化トリメチロールプロパン
ジアクリレート、(ポリ)エトキシル化グリセリン等
の、(ポリ)エーテルトリオールのジ(メタ)アクリレ
ート、5)ジグリセリントリアクリレート、(ポリ)エ
トキシル化ペンタエリスリトールトリメタクリレート、
エチレングリコールジグリセリルエーテルトリメタクリ
レート等の、(ポリ)エーテルテトラオールのトリ(メ
タ)アクリレート、等が挙げられる。かかる(メタ)ア
クリルエステルモノオールを誘導するのに用いる2〜4
価のポリオールは、分子中に含まれる水酸基1個当りの
分子量が100以下のものが有利であり、80以下のも
のが特に有利である。
【0014】長鎖脂肪族基含有モノオール及び(メタ)
アクリルエステルモノオールと反応させる前記したポリ
イソシアネートとしては、1)各種のトリレンジイソシ
アネート、メチレン−ビス−(4−フェニルイソシアネ
ート)等の芳香族ジイソシアネート、2)ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、メチレン−ビス−(4−シクロヘ
キシルイソシアネート)等の脂肪族又は脂環族ジイソシ
アネート、3)4−イソシアナトメチル−1−イソシア
ナト−1−メチル−シクロヘキサン、5−イソシアナト
メチル−1−イソシアナト−1,1−ジメチル−5−メ
チル−シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)
等の脂肪族・脂環族ジイソシアネート、4)ポリメチレ
ンポリフェニルポリイソシアネート等のトリイソシアネ
ート又はテトライソシアネートが挙げられる。
【0015】本発明において、式1で示される不飽和ウ
レタンAを得るのに用いるポリイソシアネートとして
は、同一分子中に立体障害性の置換基の影響を受けるイ
ソシアネート基とその影響を受けないイソシアネート基
とを有するジイソシアネート、同一分子中に脂肪族炭化
水素基に直結したイソシアネート基と芳香族炭化水素基
に直結したイソシアネート基とを有するジイソシアネー
トが好ましい。かかるジイソシアネートとしては、2,
4−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、4−イソシアナトメチル−1−イソシアナト−
1−メチル−シクロヘキサン等が挙げられる。
【0016】本発明で用いる不飽和ウレタンは、以上説
明したように、長鎖脂肪族基含有モノオール及び(メ
タ)アクリルエステルモノオールをポリイソシアネート
と反応させて得られるウレタン化物である。該不飽和ウ
レタンを合成する際のポリイソシアネート/長鎖脂肪族
基含有モノオール及び(メタ)アクリルエステルモノオ
ールの反応割合は、官能基モル比(NCO/OH)で1
/1となるようにするのが好ましいが、1/0.95〜
0.95/1の範囲で変動しても特に支障はない。不飽
和ウレタンの合成それ自体には公知の不飽和ウレタンの
合成方法、例えば特開平4−53809に開示されてい
る合成方法が適用できる。
【0017】本発明は光重合反応における反応収縮を低
減することができる光重合性組成物を提供するものであ
る。そのために本発明では、不飽和ウレタンの分子中に
炭素数6〜22の長鎖脂肪族炭化水素基を導入する。長
鎖脂肪族炭化水素基としては、炭素数8〜18のアルキ
ル基、炭素数16〜20のアルケニル基が好ましい。導
入する長鎖脂肪族炭化水素基の数は、3価のポリオール
を原料として用いた不飽和ウレタンの場合に1個であ
り、4価のポリオールを原料として用いた不飽和ウレタ
ンの場合に1個又は2個であるが、不飽和ウレタンの分
子中に占める長鎖脂肪族炭化水素基の割合を10〜45
重量%とするのが好ましく、15〜40重量%とするの
が更に好ましい。
【0018】また本発明は上記のように反応収縮を低減
すると共に得られる硬化物の熱的物性を向上することが
できる光重合性組成物を提供するものである。反応収縮
の低減及び熱的物性の向上には不飽和ウレタンの分子中
に含まれる重合性基1個当りの該不飽和ウレタンの分子
量が関係する。反応収縮を低減し、且つ熱的物性を向上
するためには、不飽和ウレタンとして、重合性基1個当
りの分子量が270〜500のものが好ましく、300
〜450のものが更に好ましい。得られる硬化物の熱的
物性の向上には、不飽和ウレタンに含まれる重合性基の
内容も関係し、該重合性基としてアクリロイル基とメタ
クリロイル基の双方を同一分子中に含む不飽和ウレタン
を用いるのが好ましく、この場合、アクリロイル基/メ
タクリロイル基の比率が1/1(モル比)以上とするの
が更に好ましい。
【0019】本発明において、不飽和ウレタンと共に用
いる該不飽和ウレタンと共重合可能な(メタ)アクリル
酸エステルとしては、1)アクリル酸ブチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキル、2)メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
イソブチル等のメタクリル酸アルキル、3)エチレング
リコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジア
クリレート等の、2価アルコールのジアクリレート、
4)1,2−プロピレングリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート等の、2価
アルコールのジメタクリレート、5)グリセリントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート
等の、3価アルコールのトリアクリレート、6)グリセ
リントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメ
タクリレート等の、3価アルコールのトリメタクリレー
ト、7)トリメチロールプロパンジアクリレート・モノ
メタクリレート、グリセリンモノアクリレート・ジメタ
クリレート等の、3価アルコールの混合(メタ)アクリ
レート、8)ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペン
タエリスリトールジアクリレート・ジメタクリレート等
の、4価アルコールのテトラエステル、9)前記の2〜
4価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド
を付加したポリエーテルポリオールとアクリル酸、メタ
クリル酸又はそれらの混合酸とから得られる、ポリエー
テルポリオールのエステル、10)前記の2〜4価アル
コールにカプロラクトン、ブチロラクトン等の脂肪族ラ
クトンを付加したポリエステルポリオールとアクリル
酸、メタクリル酸又はそれらの混合酸とから得られる、
ポリエステルポリオールのエステル、等が挙げられる。
【0020】上記の(メタ)アクリル酸エステルはその
1種又は2種以上を適宜に用いることができるが、(メ
タ)アクリル酸エステルとして、アクリル酸エステル及
びメタクリル酸エステルの混合物を用いるのが好まし
く、アクリル酸及びメタクリル酸の双方を用いて得られ
る混合エステルを用いるのが更に好ましい。エステルの
混合物を用いる場合及び混合エステルを用いる場合の双
方とも、アクリル基とメタクリル基との比率は、アクリ
ル基/メタクリル基=9/1〜1/9(モル比)となる
ようにするのが好ましく、8/2〜5/5(モル比)と
なるようにするのが更に好ましい。
【0021】本発明において、不飽和ウレタンと、該不
飽和ウレタンと共重合可能な(メタ)アクリル酸エステ
ルとの比率は、該不飽和ウレタン/該(メタ)アクリル
酸エステル=10/90〜90/10(重量比)である
が、30/70〜70/30(重量比)とするのが好ま
しい。双方の比率が10/90(重量比)未満では、得
られる硬化物の物性が劣るものとなり、逆に90/10
(重量比)を超えると、調製される光重合性組成物の粘
度が高くなり過ぎる。
【0022】本発明において、不飽和ウレタン及び(メ
タ)アクリル酸エステルと共に用いる光重合開始剤とし
ては、公知のものが使用できる。これには、1)ベンゾ
イン、α−メチルベンゾイン、アントラキノン、クロル
アントラキノン、アセトフェノン等のカルボニル化合
物、2)ジフェニルスルフィド、ジフェニルジスルフィ
ド、ジチオカーバメート等のイオウ化合物、3)α−ク
ロルメチルナフタレン、アントラセン等の多環芳香族化
合物、等が挙げられる。光重合開始剤の使用量は、特に
制限するものではなく、不飽和ウレタン及び(メタ)ア
クリル酸エステルの合計量100重量部当り通常は0.
1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。光重
合開始剤と共に、n−ブチルアミン、トリエタノールア
ミン、N,N−ジメチルアミノベンゼンスルホン酸ジア
リルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート等の光増感剤を使用することができる。
【0023】本発明の光重合性組成物は、不飽和ウレタ
ン、(メタ)アクリル酸エステル及び光重合開始剤を含
有するものであるが、これらに加えて平均粒子径が10
μm以下、好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.
3μm以下の固体微粒子を含有することができる。かか
る固体微粒子としては、1)シリカ、アルミナ等の無機
微粒子、2)ポリアミド、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポ
リメチルシロキサン、ポリスチレン、ポリメチルメタク
リレート等の有機高分子微粒子、3)ポリシロキサン−
ポリビニル複合微粒子、等が挙げられる。これらの固体
微粒子を含有させる場合、不飽和ウレタン及び(メタ)
アクリル酸エステルの合計量100重量部に対し、通常
は300重量部以下となるようにし、好ましくは100
重量部以下となるようにする。
【0024】本発明の光重合性組成物は塗膜形成、接着
処理、印刷、造形物形成等、各種の用途に適用すること
ができ、適用に際しては既に知られている各種の方法を
利用することができる。例えば、本発明の光重合性組成
物を造形物形成に適用する場合の光学的立体造形方法と
しては各種の方法が知られており(特開昭56−144
478、特開昭60−247515、特開平1−204
915、特開平3−41126等)、これには例えば、
最初に硬化層を形成した後、該硬化層の上に未硬化の組
成物を供給し、これにエネルギー線を照射して次の硬化
層を形成する操作を繰返して行ない、所望の硬化造形物
を形成し、必要に応じて更にポストキュアする方法があ
る。いずれの場合も、用いるエネルギー線としては、可
視光線、紫外線、電子線等があるが、紫外線が好まし
い。
【0025】
【実施例】
試験区分1(不飽和ウレタンの合成及びモノマー溶液の
調製) 下記の合成例1〜8により、不飽和ウレタンA−1〜R
−3を50%含むモノマー溶液a−1〜r−3を調製し
た。各合成例における原料の種類及び使用量を表1にま
とめて示し、また各合成例で得た各不飽和ウレタンの内
容を表2にまとめて示した。尚、各合成例、表1及び表
2において、部は重量部を、また%は重量%を示す。
【0026】・合成例1(不飽和ウレタンA−1の合成
及びモノマー溶液a−1の調製) 反応容器に、グリセリンモノアクリレート・モノメタク
リレート143部(0.5モル)、ポリエチレングリコ
ール(分子量200)モノアクリレート・モノメタクリ
レート354部及びジ−n−ブチル錫ジラウレート1部
をとり、50℃に保持し、更にイソホロンジイソシアネ
ート111部(0.5モル)を30分かけて滴下した。
この際に反応熱がでるが、反応温度を50〜60℃に保
った。その後、60℃で1時間保持した。次に、反応系
を60〜70℃に保持しながら、イソトリデシルアルコ
ール100部(0.5モル)を30分かけて滴下した。
その後、70℃で2時間保持して、合成を終了した。不
飽和ウレタンA−1を50%含むモノマー溶液a−1を
得た。
【0027】・合成例2(不飽和ウレタンA−2の合成
及びモノマー溶液a−2の調製)及び合成例3(不飽和
ウレタンA−3の合成及びモノマー溶液a−3の調製) 合成例1と同様にして、不飽和ウレタンA−2を50%
含むモノマー溶液a−2及び不飽和ウレタンA−3を5
0%含むモノマー溶液a−3を得た。
【0028】・合成例4(不飽和ウレタンB−1の合成
及びモノマー溶液b−1の調製) 反応容器に、プロピレングリコールモノオレート170
部(0.5モル)、ヒドロキシエチルアクリレート87
部(0.75モル)、ヒドロキシエチルメタクリレート
65部(0.5モル)、トリエトキシル化トリメチロー
ルプロパンジアクリレート・モノメタクリレート546
部及びジ−n−ブチル錫ジラウレート2部をとり、50
℃に保持して撹拌し、更にポリメチレンポリフェニルポ
リイソシアネート(ミリオネートMR−100、日本ポ
リウレタン社製、1分子中に平均3.5個のイソシアネ
ート基を含む)224部(0.5モル)を45分かけて
滴下した。この際に反応熱がでるが、反応温度を60〜
70℃に保った。その後、60℃で1時間保持して合成
を終了した。不飽和ウレタンB−1を50%含むモノマ
ー溶液b−1を得た。
【0029】・合成例5(不飽和ウレタンC−1の合成
及びモノマー溶液c−1の調製) グリセリンモノアクリレート・モノメタクリレート14
3部(0.5モル)、ヒドロキシエチルアクリレート5
8部(0.5モル)、ラウロキシエタノール173部
(0.75モル)、ポリエチレングリコール(分子量2
00)モノアクリレート・モノメタクリレート598
部、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(合
成例4に記載のもの)224部(0.5モル)及びジ−
n−ブチル錫ジラウレート2部を用い、合成例4と同様
にして、不飽和ウレタンC−1を50%含むモノマー溶
液c−1を得た。
【0030】・合成例6(不飽和ウレタンR−1の合成
及びモノマー溶液r−1の調製) グリセリンジメタクリレート228部(1.0モル)、
イソホロンジイソシアネート111部(0.5モル)、
トリメチロールプロパントリメタクリレート339部及
びジ−n−ブチル錫ジラウレート1.0部を用い、合成
例1と同様にして、不飽和ウレタンR−1を50%含む
モノマー溶液r−1を得た。
【0031】・合成例7(不飽和ウレタンR−2の合成
及びモノマー溶液r−2の調製) 反応容器に、ポリプロピレングリコール(平均分子量1
000)500部(0.5モル)、トリレンジイソシア
ネート174部(1.0モル)及びジ−n−ブチル錫ジ
ラウレート1.5部をとり、50〜60℃で撹拌した。
反応中、反応系内の内容物をサンプリングし、イソシア
ネート残基の量を遂次分析して、イソシアネート残基の
量が反応前の理論量の1/2になったところで反応を中
止した。ここで得た生成物は、ポリプロピレングリコー
ル/トリレンジイソシアネート=1/2(モル比)で結
合したウレタンジイソシアネートであり、その収量は6
76部であった。反応容器に、上記で得たウレタンジイ
ソシアネート676部(0.5モル)、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート116部(1.0モル)、ポリエチ
レングリコール(分子量200)ジアクリレート790
部及びジ−n−ブチル錫ジラウレート0.5部をとり、
70℃で2時間撹拌して合成を終了した。不飽和ウレタ
ンR−2を50%含むモノマー溶液r−2を得た。
【0032】・合成例8(不飽和ウレタンR−3の合成
及びモノマー溶液r−3の調製) グリセリンジメタクリレート228部(1.0モル)、
ペンタエリスリトール−エチレンオキサイド4モル付加
物/トリレンジイソシアネート=1/4(モル比)反応
物であるポリウレタンテトライソシアネート252部
(0.25モル)、トリメチロールプロパントリメタク
リレート480部及びジ−n−ブチル錫ジラウレート
1.5部を用い、合成例7と同様にして、不飽和ウレタ
ンR−3を50%含むモノマー溶液r−3を得た。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】表1及び表2において、 *1:イソトリデシルアルコール *2:リシノール酸メチル *3:グリセリンジラウレート *4:プロピレングリコールモノオレート *5:ラウロキシエタノール *6:グリセリンモノアクリレート・モノメタクリレー
ト *7:ペンタエリスリトールジアクリレート・モノメタ
クリレート *8:ヒドロキシエチルアクリレート *9:ヒドロキシエチルメタクリレート *10:グリセリンジメタクリレート *11:イソホロンジイソシアネート *12:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート
(NCO基平均3個) *13:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート
(NCO基平均3.5個) *14:ポリプロピレングリコール(平均分子量100
0)/トリレンジイソシアネート=1/2(モル比)反
応物 *15:ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド4
モル付加物/トリレンジイソシアネート=1/4(モル
比)反応物 *16:ポリエチレングリコール(平均分子量200)
モノアクリレート・モノメタクリレート *17:トリエトキシル化トリメチロールプロパンジア
クリレート・モノメタクリレート *18:トリメチロールプロパントリメタクリレート *19:トリエトキシル化トリメチロールプロパントリ
アクリレート 表1上段の数値:部 表1下段のかっこ内の数値:モル 表2のA:アクリロイル基 表2のM:メタクリロイル基
【0036】試験区分2(実施例及び比較例並びにその
評価) ・実施例1〜8及び比較例1〜3 試験区分1で得たモノマー溶液を用い、表3記載の組成
を有する光重合性組成物を調製した。そして該光重合性
組成物を充填した容器を装着の三次元NCテーブル及び
ヘリウム・カドミウムレーザー光(波長3250オング
ストローム)制御システムで主構成された光学的立体造
形装置を用い、光重合性組成物の表面に対し垂直方向か
ら集束されたヘリウム・カドミウムレーザー光を照射し
て、直径150mm×厚さ10mmの円板を造形した。造形
した円板を長さ127mm×幅12.7mmにダイヤモンド
カッターを用いて切断し、試験片を作製した。この試験
片について以下の方法により反応収縮率及び熱変形温度
を測定した。結果を表3にまとめて示した。
【0037】反応収縮率:試験片の密度(D1)及び造
形に用いた光重合性組成物の密度(D2)を測定し、下
記の式で反応収縮率を算出した。 反応収縮率(%)={(1/D2)−(1/D1)}×1
00 熱変形温度:JIS−K6919に準じて測定した。
【0038】
【表3】
【0039】表3において、 *20:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン *21:平均粒子径0.7μmのメチルシロキサン粒子 使用量:部
【0040】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、光重合反応における反応収縮の低減と得られる
硬化物の熱的物性の向上とを同時に達成できるという効
果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−306214(JP,A) 特開 平6−199962(JP,A) 特開 平6−287241(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 220/10 - 220/40 C08F 299/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式1で示される不飽和ウレタン
    A、下記の式2で示される不飽和ウレタンB及び下記の
    式3で示される不飽和ウレタンCから選ばれる1種又は
    2種以上の不飽和ウレタンと、該不飽和ウレタンと共重
    合可能な(メタ)アクリル酸エステルと、光重合開始剤
    とから成り、且つ該不飽和ウレタン/該(メタ)アクリ
    ル酸エステル=10/90〜90/10(重合比)の割
    合から成ることを特徴とする光重合性組成物。 【式1】 【式2】 【式3】 [式1、式2及び式3において、 X1:2〜4価のポリイソシアネートからイソシアネー
    ト基を除いた残基 X2,X3:3又は4価のポリイソシアネートからイソシ
    アネート基を除いた残基 Y1,Y4:3又は4価のポリオールから水酸基を除いた
    残基 Y2,Y3,Y5:ジオールから水酸基を除いた残基 Z1,Z2,Z3:炭素数6〜22の脂肪族炭化水素基を有
    する非ラジカル重合性モノオールから水酸基を除いた残
    基 R1〜R7:水素原子又はメチル基 p,q:1〜3の整数であって、且つ2≦p+q≦4を
    満足するもの r,s,t:1又は2であって、且つr+s+t=3又
    は4を満足するもの u,v,w:1又は2であって、且つu+v+w=3又
    は4を満足するもの e,f:1又は2であって、且つe+f=2又は3を満
    足するもの g,h:1又は2であって、且つg+h=2又は3を満
    足するもの]
  2. 【請求項2】 式1のR1,R2のうちでいずれか一つが
    他の一つとは異なる水素原子又はメチル基である請求項
    1記載の光重合性組成物。
  3. 【請求項3】 式2のR3,R4のうちでいずれか一つが
    他の一つとは異なる水素原子又はメチル基である請求項
    1記載の光重合性組成物。
  4. 【請求項4】 式3のR5,R6,R7のうちでいずれか
    一つが他の二つとは異なる水素原子又はメチル基である
    請求項1記載の光重合性組成物。
  5. 【請求項5】 更に平均粒子径が10μm以下の固体微
    粒子を含有する請求項1、2、3又は4記載の光重合性
    組成物。
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