JP3230746B2 - 伸縮性織編物 - Google Patents

伸縮性織編物

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JP3230746B2
JP3230746B2 JP2000027018A JP2000027018A JP3230746B2 JP 3230746 B2 JP3230746 B2 JP 3230746B2 JP 2000027018 A JP2000027018 A JP 2000027018A JP 2000027018 A JP2000027018 A JP 2000027018A JP 3230746 B2 JP3230746 B2 JP 3230746B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸縮性織編物、特
に低温セット可能でかつこれを用いた製品においてソフ
トなフィット感を発現することを特徴とする伸縮性織編
物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン繊維は高い弾性を有する特
徴を活かして各種の用途に広く用いられている。その用
途範囲の拡大に伴いポリウレタン繊維に新たな特性が要
求されるようになってきた。特に昨今のストレッチブー
ムにより、ポリウレタン繊維はさまざまな種類の繊維と
の組み合わせで用いられている。たとえば、湿熱耐熱性
を向上させることにより高温高圧染色が出来、ポリエス
テルとの交編織が可能な溶融型ポリウレタン弾性糸が開
示されている。さらに、耐熱性や弾性回復性向上を目的
とたポリウレタン弾性糸も数多く報告されている。しか
し、これらのポリウレタン弾性糸を用いた製品は低温で
のセット性、およびソフトなフィット性を目的とするも
のではなかった。一方ナイロンやアクリルおよび天然繊
維、例えばウール、綿、絹などとの交編織物の場合は、
これらの相手素材に適正な加工条件を採用することにな
るが、これらの加工条件はマイルドである。従って、従
来のポリウレタン弾性糸であっても加工後の物性を保持
することはできるが、一方で十分なセット性を得ること
が困難となる。逆に十分なセット性を得るために加工条
件を過酷にすると(加工温度を上げると)組合わせる相
手素材の風合いが損なわれるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の問題を解決し、特にパンティーストッキングや綿
ニットフライス及び羊毛織物等に有用な伸縮性織編物を
提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者が鋭意検討した結
果、上記課題を解決するための方策として以下の内容を
見出した。低温セット可能でかつソフトなフィット性を
発現させるためには、本発明に係る織編物を構成するポ
リウレタン弾性糸の構造として主としてウレタンハード
セグメントから構成される結晶領域に着目し、当該領域
の繊維軸方向に対して横方向の成長を抑え、且つ繊維軸
に対する配向を乱すことにより達成できる。具体的には
上記課題を解決するために本発明は以下の構成を採用す
る。即ち、本発明は下記(1)〜(3)の条件を満足す
るポリウレタン弾性糸と熱可塑性合成繊維、天然繊維も
しくは再生繊維を交編織してなることを特徴とする伸縮
性織編物である。 (1)小角X線散乱測定における方位角スキャンの最大
ピーク強度の半価幅のなす角が60度以上。 (2)小角X線散乱測定における子午線方向の散乱の赤
道方向への広がりの半価幅をサンプルからみた角度で表
した場合その角度が2.5度以下。 (3)熱応力測定における最大収縮応力ピーク温度が1
35℃以下。 そして具体的には、熱可塑性合成繊維がポリエステル繊
維、ポリアミド繊維又はアクリル繊維のいずれかである
ことを特徴とする上記記載の伸縮性織編物、天然繊維が
綿、羊毛又は絹であることを特徴とする上記記載の伸縮
性織編物、及び再生繊維がポリノジック繊維であること
を特徴とする上記記載の伸縮性織編物である。以下、本
発明を詳述する。
【0005】先ず本発明にかかるポリウレタン弾性糸の
小角X線散乱測定における方位角スキャンの最大ピーク
強度の半価幅のなす角が60度以上であることが望まし
い。ここで言う、小角X線散乱測定における方位角スキ
ャンの最大ピーク強度の半価幅のなす角とは、方位角ス
キャン測定を行い得られた回折像写真の中心と最大ピー
ク強度の半価幅とのなす角である。60度未満であると
主としてウレタンハードセグメントからなる結晶領域の
配向性が良好となり、伸縮力が過大となり、ひいては製
品着用時のソフトフィット性を得ることが困難となるか
らである。本発明は、結晶領域の配向性をあえて乱すこ
とにより、繊維軸方向に歪が生じる際に比較的低応力で
歪変形するポリウレタン弾性糸となすものである。好ま
しくは75〜85度である。
【0006】本発明にかかるポリウレタン弾性糸は上記
特徴に加えて小角X線散乱測定における赤道方向の半価
幅のなす角が2.5度以下である構造を有するものであ
る。ここで言う小角X線散乱測定における赤道方向の半
価幅のなす角とは、回折像写真における子午線方向の散
乱の赤道方向の半値幅とサンプルからつくられる二等辺
三角形の頂角である。2.5度を超えると、結晶領域、
特に繊維軸方向に対して横方向の成長が不十分となり得
られた糸の強伸度が低くなり実用上に問題が生じる。好
ましくは0.8度以上2.5度以下、さらに好ましくは
0.8度以上1.5度以下である。0.8度未満ではウ
レタンハードセグメントからなる結晶領域の、特に繊維
軸方向に対する横方向の広がりが大きくなり、伸縮力が
過大となりひいては製品着用時のソフトフィット性を得
ることが困難となる。
【0007】本発明にかかるポリウレタン弾性糸の熱応
力測定における最大収縮応力ピーク温度は135度以下
であることが望ましい。135度を超えると、アクリル
およびウール、綿、絹等の素材と組み合わせた場合、こ
れらの素材の適性加工条件での十分なセット性が得られ
ず、本発明の所期の目的を達成することが困難となる。
従って最大収縮応力ピーク温度は低温であれば有るほど
望ましく、130度以下、更には115度以下、更には
100度以下が好ましい。
【0008】本発明にかかるポリウレタン弾性糸の熱応
力測定における最大収縮応力は10mg/デニール以下
であることが望ましい。10mg/デニールを超えるも
のはセット後の収縮力が高くなり、アクリルおよびウー
ル、綿、絹等の素材と組み合わせた場合、これらの素材
の適性加工条件での十分なセット性を得ることが困難に
である。好ましくは7mg/デニール以下である。
【0009】本発明にかかるポリウレタン弾性糸の熱セ
ット性は120℃での乾熱セット性(PSD120)が
65%以上かつ105℃での湿熱セット性(PSW10
5)が75%以上であることが望ましい。このような特
性を持つポリウレタン弾性糸ではアクリルおよびウー
ル、綿、絹等の素材と組み合わせた場合、これらの素材
の適性加工条件での十分なセット性を得ることが出来る
からである。即ちPSD120が65%未満であれば後
加工工程においてプリセット工程等乾熱処理下の熱セッ
ト性が不良となり目的とするソフトなフィット性を得る
ことが出来ない。同様にして、PSW105が75%未
満であれば、染色工程等の湿熱処理下での耐熱性が良好
となり、この場合ソフトなフィット性を得るという目的
に対しては不都合である。好ましくはPSD120が7
0%以上かつPSW105が80%以上である。
【0010】本発明にかかるポリウレタン弾性糸をの原
料となるポリウレタン重合体を構成する組成のイソシア
ネート基と水酸基とのモル比(NCO/OH比)が1以
下であるであることが望ましい。これはすなわち実質的
にアロハネート結合などの架橋を含まないポリウレタン
弾性糸であることを意味する。NCO/OH比が1を越
えると過剰NCOとウレタン基とが反応してアロハネー
ト架橋を形成する。このような架橋が存在すると、熱セ
ット性が低下しかつポリウレタン弾性糸の伸縮性が向上
し、ソフトなフィット性を得ることが困難となる。
【0011】本発明にかかるポリウレタン弾性糸の、3
00%伸張の繰り返し応力測定における、150%伸張
時の行き応力に対する戻り応力の百分率が20%以下で
あることが望ましい。20%を超えるとポリウレタン弾
性糸の伸縮性が高くなりソフトなフィット性を得ること
が困難になる。さらに望ましくは10%以下である。
【0012】以上、本発明にかかるポリウレタン弾性糸
は低温セット可能でかつソフトなフィット感を発現する
ものであり、特に他素材と組み合わせたに布帛にあって
は、両素材が持つ風合いや機能を損なうことなく製造す
ることが可能となるものである。
【0013】次に、本発明にかかるポリウレタン弾性糸
の製造例について述べる。本発明のポリウレタン弾性体
に用いられるポリウレタン重合体は、ポリオールとジイ
ソシアネートおよび鎖延長剤である低分子ジオールから
なる。その際NCO/OH比が1以下で作られ、ポリマ
ー末端は原則的にはOH基末端となるものが好ましい。
具体的な製造法としてはプレポリマー法、ワンショット
法が挙げられるが特に限定されるものではない。なお、
本発明の効果を妨げない範囲でポリマー中にウレア結合
が一部存在してもかまわない。
【0014】本発明のポリウレタン弾性体に用いられる
ポリウレタン重合体に用いられるポリオールとしては、
ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代表されるポ
リエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表
されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポ
リオール、ポリカプロラクトン等のポリエステルグリコ
ールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示さ
れるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレ
ンカーボネートをエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール
などの多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応
混合物とアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の有
機カルボン酸との反応物、および1,4ブタンジオー
ル、1,6ヘキサンジオール、2,2ジメチルー1,3
プロパンジオール、1,8オクタンジオール等のような
ポリヒドロキシル化合物と、アリールカーボネート、例
えばジフェニルカーボネートとのエステル交換反応によ
り得られるポリカーボネートポリオール等が挙げられ
る。これらは一種類で用いても2種類以上を混合して用
いても差し支えない。
【0015】ポリオールの数平均分子量は通常500〜
6000程度であり、好ましくは1000〜5000、
さらに好ましくは1000〜3000である。数平均分
子量が500未満である場合、得られる弾性糸の伸度が
不十分となる傾向にあり、逆に6000を超える場合、
強度および弾性回復率等の機械的強度が不十分となる傾
向がある。
【0016】また、有機ポリイソシアネートとしては
4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5ナ
フタレンジイソシアネート、1,4フェニレンジイソシ
アネート、2,4トリレンジイソシアネート、2,6ト
リレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、
mキシリレンジイソシアネート、pキシリレンジイソシ
アネート等のベンジル性ジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、
1,4シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられ
る。これらは1種類で用いても2種類以上を用いて混合
しても差し支えない。
【0017】また、鎖延長剤である低分子ジオールとし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール、1,
4シクロヘキサンジオール、1,4ビス(ヒドロキシエ
トキシ)ベンゼン、 1,3ビス(ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、1,2ビス(ヒドロキシエトキシ)ベン
ゼン、シクロヘキサンジメタノール、ビス(2ヒドロキ
シエチル)テレフタレート、ビス(2#ヒドロキシエチ
ル)イソフタレート、ビス(2ヒドロキシルエチル)フ
タレート等が挙げられる。本発明のポリウレタン弾性体
に用いられるポリウレタン重合体にの製造にあたっては
通常使用されている触媒、活性剤、滑剤、紫外線吸収
剤、耐光剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防黴剤等を本発
明の効果を損なわない程度に添加しても良い。
【0018】次に、上記組成物を押し出しノズルから紡
糸するが、本発明においては、主としてウレタンハード
セグメントから構成される結晶領域に着目し、当該領域
の繊維軸方向に対する結晶の横方向の成長を抑え、且つ
繊維軸に対する配向を乱すことにより構造を持たして、
低温セット可能活ソフトなフィット性を発現させること
が目的であり、かかる観点から溶融紡糸することが望ま
しい。さらに、溶融紡糸では、均整度が高くかつ単繊維
で細物を得ることが出来るという利点があり、作業環
境、コストといった面でも望ましい。
【0019】本発明のポリウレタン弾性糸に使用する紡
糸装置や紡糸条件は、ポリウレタン重合体の組成、目的
とする繊維の太さ等により種々異なり得るが、通常、ポ
リウレタン重合体を押出し式紡糸装置に供給し、紡糸温
度180〜240℃、巻き取り速度1000m/分以
下、特に600m/分以下で紡糸することが好ましい。
さらに、本発明においては、主としてウレタンハードセ
グメントから構成される結晶領域に着目し、繊維軸方向
に対する結晶の横方向の成長を抑え、且つ繊維軸に対す
る配向を乱すことで、低温セット可能かつソフトなフィ
ット性を発現させるために紡糸筒内のクエンチから巻き
取りに至るまでの環境温度は努めて低温であることが望
ましく、特にクエンチ風を20℃以下に設定し、巻き取
り時の糸温度を20℃以下とすることが肝要であり、0
℃以上10℃以下とすることが望ましい。
【0020】本発明のポリウレタン弾性糸の単繊維繊度
は特に限定される物ではなく、用途に応じて適宜設定す
ることが出来る。一般にその単繊維度は5〜100デニ
ール程度が好ましい。また、該ポリウレタン弾性糸はモ
ノフィラメントの形態であっても良く、マルチフィラメ
ントの形態であっても良い。マルチフィラメントの場合
には、そのフィラメント数、総デニール数は特に限定さ
れず適宜設定することが出来る。さらに、該ポリウレタ
ン弾性糸の断面形状も特に限定されず、丸型、方形、三
角形、楕円形、偏平形、アレイ型等、任意の断面形状に
することが出来る。さらに、中実繊維であっても中空繊
維であっても良い。
【0021】次ぎに上記ポリウレタン弾性糸と交編織す
る相手素材について述べる。交編織素材は熱可塑性合成
繊維、天然繊維及び再生繊維のいずれをも採用すること
ができるが、熱可塑性合成繊維にあってはポリエステル
繊維、ポリアミド繊維又はアクリル繊維のいずれかを、
天然繊維にあっては綿、羊毛又は絹糸を、再生繊維にあ
ってはポリノジック繊維を採用することが望ましい。特
に、上記ポリウレタン弾性糸と染色加工での熱セット時
に150℃以下の低温が必要な羊毛、絹糸及びアクリル
繊維等との交織及び交編が好適である。
【0022】これらの相手素材とポリウレタン弾性糸は
交編織されるが、具体的には交織の場合は、経糸に熱可
塑性合成繊維、天然繊維及び再生繊維を、緯糸にポリウ
レタン弾性糸を配する方法が望ましい。また交編経編地
の場合は後筬にポリウレタン弾性糸を前筬に相手素材を
配する方法が望ましく、交編丸編地の場合はポリウレタ
ン弾性糸を相手素材に添え糸編みする方法が望ましい
【0023】かかる方法にて得られた伸縮性織編地の染
色加工については、生機→リラックス・精練→プレセッ
ト→染色→乾燥→風合処理→仕上セットの一般的な加工
工程にて染色加工するが、ポリウレタン弾性糸と交織編
する相手素材に適正な加工工程温度条件を選択すること
が重要である。特に、羊毛、絹糸及びアクリル繊維等の
染色加工で液熱100℃以下で染色し、乾熱150℃以
下の低温で熱セットして柔軟な風合を表現する素材に適
正である。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるも
のではない。なお、各種測定は、下記の方法に従った。
【0025】(小角X線散乱測定)糸をかせ取りし、約
1800本の束の両端を結んで測定試料とした。写真撮
影はRAD RC X線発生装置を用い、点収束カメラで
カメラ距離350mm、30分露光で撮影を行った。X
線源はCuKα線(Niフィルター使用、波長1.54
18オングストローム)、出力40.0kvを用いた。
【0026】(熱応力測定法)セイコー電子工業(株)
製、SSC#5200装置を用いて糸長2cmの一本の
糸にデニールあたり、5mgの初期荷重をかけ、昇温速
度20℃/分で測定を行った。
【0027】(繰返し応力測定法)JIS L1013
の定義に準拠し、20℃、65%RHの温湿度管理され
た部屋で24時間放置後、引張試験機(島津製作所
(株)製オートグラフDSS500)を用いて糸長5c
m、引張り速度50cm/分で300%伸張後、直ちに
50cm/分の引張り速度で引き戻した。
【0028】(PSD測定法)初期長22.5cm(L
1)のポリウレタン弾性糸を100%伸張下で乾熱12
0℃で一分間処理した後、室温で10分間放縮、放冷さ
せた後の糸長(L2)を測定し次式により求めた。 PSD(%)=(L2―L1)/L1×100
【0029】(PSWの測定)初期長9.5cm(L
3)の弾性糸を100%伸張下で40℃から105℃へ
60分間で昇温後、室温で10分間放縮、放冷させた後
の糸長(L4)を測定し次式により求めた。 PSD(%)=(L4―L3)/L3×100
【0030】実施例1 実質的にNCO/OH比が1以下であるポリブチレンア
ジペート系ポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネ
ート/1,4ブタンジオールからなるショアA硬度90
のポリウレタン重合体を、単軸押出し機付き紡糸装置に
供給して、紡糸温度220℃、孔径0.28mmΦ、孔
長0.56mmすなわちL/D=2.0の口金を用い、
巻き取り速度500m/分の条件下で溶融紡糸し、20
デニールのモノフィラメントを得た。この時、紡糸筒内
のクエンチ温度から巻き取り装置に至るまでの環境温度
を10℃に制御して紡糸を行った。巻き取り時の接触糸
温度は11℃であった。得られたポリウレタン弾性糸
は、破断強度が27g(1.5g/デニール)、破断伸
度が410%であった。得られた糸物性を表1に示す。
この糸を用いて、ポリアミドフィラメントとのベア天竺
交編編地を作製した。編地を90℃×1分間熱水中でリ
ラックス処理後、98℃沸水中で40分間染色し、脱水
120℃乾燥し、140℃×30秒の仕上げセットを行
った。仕上げた生地は良好なセット性を示した。生地の
フィット性、風合いについて被験者10名による官能試
験にを行ったところ、10名中9名がソフトなフィット
感がある、10名中8名がソフトな風合いであるとの評
価をした。
【0031】実施例2 実施例1記載のポリウレタン弾性糸30デニールと絹調
プロミックス繊維(東洋紡商標「シノン」)75デニー
ルとのベア天竺交編編地を作製した。編地を90℃×4
0秒でリラックス精練し、140℃×30秒でプレセッ
ト処理後、98℃×40分で染色し、脱水120℃乾燥
した後、140℃×30秒の仕上げセットを行った。仕
上げた生地は黄変のない良好なセット性を示した。生地
のフィット性、風合いについて被験者10名による官能
試験にを行ったところ、10名中9名がソフトなフィッ
ト感がある、10名中8名がソフトな風合いであるとの
評価をした。
【0032】実施例3 実施例1記載のポリウレタン弾性糸40デニール1本と
羊毛1/60番手糸2本とで加撚被覆複合糸(通称プラ
イヤーン)を作製した。この該糸を羊毛織物の緯糸に
し、経糸は羊毛2/60番手双糸にして伸縮性毛織物を
作製した。織物を80℃×30秒でパークレン溶剤精練
し、130℃×30秒乾燥前処理後、98℃×45分染
色し、乾燥→毛刈→釜蒸し→シュランク→フェルトの後
処理工程を乾熱130℃×30秒、蒸気湿熱105℃×
10分で整理仕上げした。仕上げた毛織物地はヨコスト
レッチのある良好なセット性を示した。生地のフィット
性、風合いについて被験者10名による官能試験にを行
ったところ、10名中9名がソフトなフィット感があ
る、10名中8名がソフトな風合いであるとの評価をし
た。
【0033】比較例1 実質的にNCO/OH比が1以下であるポリブチレンア
ジペート系ポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネ
ート/1,4ブタンジオールからなるショアA硬度90
のポリウレタン重合体を、単軸押出し機付き紡糸装置に
供給して、紡糸温度220℃、孔径0.28mmΦ、孔
長0.56mmすなわちL/D=2.0の口金を用い、
巻き取り速度500m/分の条件下で溶融紡糸し、20
デニールのモノフィラメントを得た。クエンチ温度を3
0℃、巻き取り装置に至るまでの環境温度を制御せずに
紡糸を行った。この時、巻き取り時の接触糸温度は40
℃であった。
【0034】得られたポリウレタン弾性糸は、破断強度
が27g(1.5g/デニール)、破断伸度が440%
であった。得られた糸物性を表1に示す。この糸を用い
て、ポリアミドフィラメントとのベア天竺交編編地を作
製した。編地を90℃×1分間熱水中でリラックス処理
後、98℃沸水中で40分間染色し、脱水120℃乾燥
し、160℃×30秒の仕上げセットを行った。仕上げ
た生地は比較的良好なセット性を示したが、生地のフィ
ット性、風合いについて被験者10名による官能試験に
を行ったところ、10名中2名がソフトなフィット感が
ある、10名中3名がソフトな風合いであるとの評価を
し、残り5名はソフトなフィット感、ソフトな風合い示
さないと判断をした。
【0035】比較例2 比較例1記載のポリウレタン弾性糸30デニールと絹絹
調プロミックス繊維(東洋紡商標「シノン」)75デニ
ールとのベア天竺交編編地を作製した。編地を90℃×
40秒でリラックス精練し、160℃×30秒でプレセ
ット処理後、98℃×40分で染色し、脱水120℃乾
燥した後、160℃×30秒の仕上げセットを行った。
仕上げた生地は良好なセット性を示したが、熱によるプ
ロミックス繊維の黄変が発生した。生地のフィット性、
風合いについて被験者10名による官能試験にを行った
ところ、10名中2名がソフトなフィット感がある、1
0名中3名がソフトな風合いであるとの評価をし、残り
5名はソフトなフィット感、ソフトな風合い示さないと
判断をした。
【0036】比較例3 比較例1記載のポリウレタン弾性糸40デニール1本と
羊毛1/60番手糸2本とで加撚被覆複合糸(通称プラ
イヤーン)を作製した。この該糸を羊毛織物の緯糸に
し、経糸は羊毛2/60番手双糸にして伸縮性毛織物を
作製した。織物を80℃×30秒でパークレン溶剤精練
し、150℃×30秒乾燥前処理後、98℃×45分染
色し、乾燥→毛刈→釜蒸し→シュランク→フェルトの後
処理工程を乾熱160℃×30秒、蒸気湿熱115℃×
10分で整理仕上げした。仕上げた毛織物地はヨコスト
レッチのある良好なセット性を示した。生地のフィット
性、風合いについて被験者10名による官能試験にを行
ったところ、10名中2名がソフトなフィット感があ
る、10名中3名がソフトな風合いであるとの評価を
し、残り5名はソフトなフィット感、ソフトな風合い示
さないと判断をした。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明によると、低温セット可能でかつ
これを用いた製品においてソフトなフィット感を発現す
ることを特徴とする伸縮性織編物の提供を可能とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 15/08 D01F 6/70

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(1)〜(3)の条件を満足するポリ
    ウレタン弾性糸と熱可塑性合成繊維を交編織してなるこ
    とを特徴とする伸縮性織編物。 (1)小角X線散乱測定における方位角スキャンの最大
    ピーク強度の半価幅のなす角が60度以上。 (2)小角X線散乱測定における子午線方向の散乱の赤
    道方向への広がりの半価幅をサンプルからみた角度で表
    した場合その角度が2.5度以下。 (3)熱応力測定における最大収縮応力ピーク温度が1
    35℃以下。
  2. 【請求項2】熱可塑性合成繊維がポリエステル繊維、ポ
    リアミド繊維又はアクリル繊維のいずれかであることを
    特徴とする請求項1記載の伸縮性織編物。
  3. 【請求項3】下記(1)〜(3)の条件を満足するポリ
    ウレタン弾性糸と天然繊維を交編織してなることを特徴
    とする伸縮性織編物。 (1)小角X線散乱測定における方位角スキャンの最大
    ピーク強度の半価幅のなす角が60度以上。 (2)小角X線散乱測定における子午線方向の散乱の赤
    道方向への広がりの半価幅をサンプルからみた角度で表
    した場合その角度が2.5度以下。 (3)熱応力測定における最大収縮応力ピーク温度が1
    35℃以下。
  4. 【請求項4】天然繊維が綿、羊毛又は絹であることを特
    徴とする請求項3記載の伸縮性織編物。
  5. 【請求項5】下記(1)〜(3)の条件を満足するポリ
    ウレタン弾性糸と再生繊維を交編織してなることを特徴
    とする伸縮性織編物。 (1)小角X線散乱測定における方位角スキャンの最大
    ピーク強度の半価幅のなす角が60度以上。 (2)小角X線散乱測定における子午線方向の散乱の赤
    道方向への広がりの半価幅をサンプルからみた角度で表
    した場合その角度が2.5度以下。 (3)熱応力測定における最大収縮応力ピーク温度が1
    35℃以下。
  6. 【請求項6】再生繊維がポリノジック繊維であることを
    特徴とする請求項5記載の伸縮性織編物。
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