JP3276006B2 - ポリウレタン弾性糸 - Google Patents

ポリウレタン弾性糸

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JP3276006B2 JP07052399A JP7052399A JP3276006B2 JP 3276006 B2 JP3276006 B2 JP 3276006B2 JP 07052399 A JP07052399 A JP 07052399A JP 7052399 A JP7052399 A JP 7052399A JP 3276006 B2 JP3276006 B2 JP 3276006B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタン弾性
糸、特に低温セット可能でかつこれを用いた製品におい
てソフトなフィット感を発現することを特徴とするポリ
ウレタン弾性糸に関する。さらに詳しくは、パンティー
ストッキングやアクリル、ウール、綿、絹等の素材との
組合わせ、または単独において低温セット可能かつソフ
トなフィット感を発現するポリウレタン弾性糸に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン繊維は高い弾性を有する特
徴を活かして各種の用途に広く用いられている。その用
途範囲の拡大に伴いポリウレタン繊維に新たな特性が要
求されるようになってきた。特に昨今のストレッチブー
ムにより、ポリウレタン繊維はさまざまな種類の繊維と
の組み合わせで用いられている。たとえば、湿熱耐熱性
を向上させることにより高温高圧染色が出来、ポリエス
テルとの交編織が可能な溶融型ポリウレタン弾性糸が開
示されている。さらに、耐熱性や弾性回復性向上を目的
としたポリウレタン弾性糸も数多く報告されている。し
かし、これらのポリウレタン弾性糸を用いた製品は低温
でのセット、およびソフトなフィット性を目的とするも
のではなかった。一方ナイロンやアクリルおよび天然繊
維、例えばウール、綿、絹などとの交編織物の場合は、
これらの相手素材に適正な加工条件を採用することにな
るが、これらの加工条件はマイルドである。従って、従
来のポリウレタン弾性糸であっても加工後の物性を保持
することはできるが、一方で十分なセット性を得ること
が困難となる。逆に十分なセット性を得るために加工条
件を過酷にすると(加工温度を上げると)組合わせる相
手素材の風合いが損なわれるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の問題を解決し、特にパンティーストッキングやア
クリルおよびウール、綿、絹等の素材との組み合わせ、
または単独において低温セット可能でかつソフトなフィ
ット性の発現が可能なポリウレタン弾性糸を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者が鋭意検討した結
果、上記課題を解決するための方策として以下の内容を
見出した。即ち、低温セット可能でかつソフトなフィッ
ト性を発現させるためには、原糸の構造として主として
ウレタンハードセグメントから構成される結晶領域に着
目し、当該領域の繊維軸方向に対して横方向の成長を抑
え、且つ繊維軸に対する配向を乱すことにより達成でき
る。具体的には上記課題を解決するために本発明は以下
の構成を採用する。即ち下記(1)〜(3)の条件を満
足することを特徴とするポリウレタン弾性糸であること
が肝要である。 (1)小角X線散乱測定における方位角スキャンの最大
ピーク強度の半価幅のなす角が60度以上。 (2)小角X線散乱測定における赤道方向の半価幅のな
す角が2.5度以下。 (3)300%伸張の繰り返し応力測定における、15
0%伸張時の行き応力に対する戻り応力の百分率が20
%以下。 そして望ましくは熱応力測定における最大収縮応力ピー
ク温度が130℃以下、更に好ましくは105℃以下で
ある上記記載のポリウレタン弾性糸、小角X線散乱測定
における赤道方向の半価幅のなす角が0.8度以上1.
5度以下である上記記載のポリウレタン弾性糸、120
℃での乾熱セット性(PSD120)が65%以上かつ
105℃での湿熱セット性(PSW105)が75%以
上である上記記載のポリウレタン弾性糸、熱応力測定に
おける最大収縮応力が10mg/デニール以下である上
記記載のポリウレタン弾性繊維、及び溶融紡糸されてな
る上記記載のポリウレタン弾性糸である。以下、本発明
を詳述する。
【0005】先ず本発明にかかるポリウレタン弾性糸の
小角X線散乱測定における方位角スキャンの最大ピーク
強度の半価幅のなす角が60度以上であることが望まし
い。ここで言う、小角X線散乱測定における方位角スキ
ャンの最大ピーク強度の半価幅のなす角とは、方位角ス
キャン測定を行い得られた回折像写真の中心と最大ピー
ク強度の半価幅とのなす角である。60度未満であると
主としてウレタンハードセグメントからなる結晶領域の
配向性が良好となり、伸縮力が過大となり、ひいては製
品着用時のソフトフィット性を得ることが困難となるか
らである。本発明は、結晶領域の配向性をあえて乱すこ
とにより、繊維軸方向に歪が生じる際に比較的低応力で
歪変形するポリウレタン弾性糸となすものである。好ま
しくは75〜85度である。
【0006】本発明にかかるポリウレタン弾性糸は上記
特徴に加えて小角X線散乱測定における赤道方向の半価
幅のなす角が2.5度以下である構造を有するものであ
る。ここで言う小角X線散乱測定における赤道方向の半
価幅のなす角とは、回折像写真における赤道方向の半値
幅とカメラ長の中心からつくられる二等辺三角形の頂角
である。2.5度を超えると、結晶領域、特に繊維軸方
向に対して横方向の成長が不十分となり得られた糸の強
伸度が低くなり実用上に問題が生じる。好ましくは0.
8度以上2.5度以下、さらに好ましくは0.8度以上
1.5度以下である。0.8度未満ではウレタンハード
セグメントからなる結晶領域の、特に繊維軸方向に対す
る横方向の広がりが大きくなり、伸縮力が過大となりひ
いては製品着用時のソフトフィット性を得ることが困難
となる。
【0007】本発明にかかるポリウレタン弾性糸の熱応
力測定における最大収縮応力ピーク温度は130度以下
であることが望ましい。130度を超えると、アクリル
およびウール、綿、絹等の素材と組み合わせた場合、こ
れらの素材の適性加工条件での十分なセット性が得られ
ず、本発明の所期の目的を達成することが困難となる。
従って最大収縮応力ピーク温度は低温であれば有るほど
望ましく、115度以下更には100度以下が好まし
い。
【0008】本発明にかかるポリウレタン弾性糸の熱応
力測定における最大収縮応力は10mg/デニール以下
であることが望ましい。10mg/デニールを超えるも
のはセット後の収縮力が高くなり、アクリルおよびウー
ル、綿、絹等の素材と組み合わせた場合、これらの素材
の適性加工条件での十分なセット性を得ることが困難に
である。好ましくは7mg/デニール以下である。
【0009】本発明にかかるポリウレタン弾性糸の熱セ
ット性は120℃での乾熱セット性(PSD120)が
65%以上かつ105℃での湿熱セット性(PSW10
5)が75%以上であることが望ましい。このような特
性を持つポリウレタン弾性糸ではアクリルおよびウー
ル、綿、絹等の素材と組み合わせた場合、これらの素材
の適性加工条件での十分なセット性を得ることが出来る
からである。即ちPSD120が65%未満であれば後
加工工程においてプリセット工程等乾熱処理下の熱セッ
ト性が不良となり目的とするソフトなフィット性を得る
ことが出来ない。同様にして、PSW105が75%未
満であれば、染色工程等の湿熱処理下での耐熱性が良好
となり、この場合ソフトなフィット性を得るという目的
に対しては不都合である。好ましくはPSD120が7
0%以上かつPSW105が80%以上である。
【0010】本発明にかかるポリウレタン弾性糸をの原
料となるポリウレタン重合体を構成する組成のイソシア
ネート基と水酸基とのモル比(NCO/OH比)が1以
下であるであることが望ましい。これはすなわち実質的
にアロハネート結合などの架橋を含まないポリウレタン
弾性糸であることを意味する。NCO/OH比が1を越
えると過剰NCOとウレタン基とが反応してアロハネー
ト架橋を形成する。このような架橋が存在すると、熱セ
ット性が低下しかつポリウレタン弾性糸の伸縮性が向上
し、ソフトなフィット性を得ることが困難となる。
【0011】本発明にかかるポリウレタン弾性糸の、3
00%伸張の繰り返し応力測定における、150%伸張
時の行き応力に対する戻り応力の百分率が20%以下で
あることが望ましい。20%を超えるとポリウレタン弾
性糸の伸縮性が高くなりソフトなフィット性を得ること
が困難になる。さらに望ましくは10%以下である。
【0012】以上、本発明にかかるポリウレタン弾性糸
は低温セット可能でかつソフトなフィット感を発現する
ものであり、特に他素材と組み合わせたに布帛にあって
は、両素材が持つ風合いや機能を損なうことなく製造す
ることが可能となるものである。
【0013】次に、本発明にかかるポリウレタン弾性糸
の製造例について述べる。 本発明のポリウレタン弾性
体に用いられるポリウレタン重合体は、ポリオールとジ
イソシアネートおよび鎖延長剤である低分子ジオールか
らなる。その際NCO/OH比が1以下で作られ、ポリ
マー末端は原則的にはOH基末端となるものが好まし
い。具体的な製造法としてはプレポリマー法、ワンショ
ット法が挙げられるが特に限定されるものではない。な
お、本発明の効果を妨げない範囲でポリマー中にウレア
結合が一部存在してもかまわない。
【0014】本発明のポリウレタン弾性体に用いられる
ポリウレタン重合体に用いられるポリオールとしては、
ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代表されるポ
リエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表
されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポ
リオール、ポリカプロラクトン等のポリエステルグリコ
ールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示さ
れるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレ
ンカーボネートをエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール
などの多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応
混合物とアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の有
機カルボン酸との反応物、および1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチルー
1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール
等のようなポリヒドロキシル化合物と、アリールカーボ
ネート、例えばジフェニルカーボネートとのエステル交
換反応により得られるポリカーボネートポリオール等が
挙げられる。これらは一種類で用いても2種類以上を混
合して用いても差し支えない。
【0015】ポリオールの数平均分子量は通常500〜
6000程度であり、好ましくは1000〜5000、
さらに好ましくは1000〜3000である。数平均分
子量が500未満である場合、得られる弾性糸の伸度が
不十分となる傾向にあり、逆に6000を超える場合、
強度および弾性回復率等の機械的強度が不十分となる傾
向がある。
【0016】また、有機ポリイソシアネートとしては
4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5
−ナフタレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジ
イソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシ
アネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシ
リレンジイソシアネート等のベンジル性ジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソ
シアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネー
ト、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシア
ネートが挙げられる。これらは1種類で用いても2種類
以上を用いて混合しても差し支えない。
【0017】また、鎖延長剤である低分子ジオールとし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒド
ロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロキシ
エトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、シクロヘキサンジメタノール、ビス(2
−ヒドロキシエチル)テレフタレート、ビス(2−ヒド
ロキシエチル)イソフタレート、ビス(2−ヒドロキシ
ルエチル)フタレート等が挙げられる。本発明のポリウ
レタン弾性体に用いられるポリウレタン重合体にの製造
にあたっては通常使用されている触媒、活性剤、滑剤、
紫外線吸収剤、耐光剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防黴
剤等を本発明の効果を損なわない程度に添加しても良
い。
【0018】次に、上記組成物を押し出しノズルから紡
糸するが、本発明においては、主としてウレタンハード
セグメントから構成される結晶領域に着目し、当該領域
の繊維軸方向に対する結晶の横方向の成長を抑え、且つ
繊維軸に対する配向を乱すことにより構造を持たして、
低温セット可能活ソフトなフィット性を発現させること
が目的であり、かかる観点から溶融紡糸することが望ま
しい。さらに、溶融紡糸では、均整度が高くかつ単繊維
で細物を得ることが出来るという利点があり、作業環
境、コストといった面でも望ましい。
【0019】本発明のポリウレタン弾性糸に使用する紡
糸装置や紡糸条件は、ポリウレタン重合体の組成、目的
とする繊維の太さ等により種々異なり得るが、通常、ポ
リウレタン重合体を押出し式紡糸装置に供給し、紡糸温
度180〜240℃、巻き取り速度1000m/分以
下、特に600m/分以下で紡糸することが好ましい。
さらに、本発明においては、主としてウレタンハードセ
グメントから構成される結晶領域に着目し、繊維軸方向
に対する結晶の横方向の成長を抑え、且つ繊維軸に対す
る配向を乱すことで、低温セット可能かつソフトなフィ
ット性を発現させるために紡糸筒内のクエンチから巻き
取りに至るまでの環境温度は努めて低温であることが望
ましく、特にクエンチ風を20℃以下に設定し、巻き取
り時の糸温度を20℃以下とすることが肝要であり、0
℃以上10℃以下とすることが望ましい。
【0020】本発明のポリウレタン弾性糸の単繊維繊度
は特に限定される物ではなく、用途に応じて適宜設定す
ることが出来る。一般にその単繊維度は5~100デニ
ール程度が好ましい。また、該ポリウレタン弾性糸はモ
ノフィラメントの形態であっても良く、マルチフィラメ
ントの形態であっても良い。マルチフィラメントの場合
には、そのフィラメント数、総デニール数は特に限定さ
れず適宜設定することが出来る。さらに、該ポリウレタ
ン弾性糸の断面形状も特に限定されず、丸型、方形、三
角形、楕円形、偏平形、アレイ型等、任意の断面形状に
することが出来る。さらに、中実繊維であっても中空繊
維であっても良い。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるも
のではない。なお、各種測定は、下記の方法に従った。
【0022】(小角X線散乱測定)糸をかせ取りし、約
1800本の束の両端を結んで測定試料とした。写真撮
影はRAD−RCX線発生装置を用い、点収束カメラで
カメラ距離350mm、30分露光で撮影を行った。X
線源はCuKα線(Niフィルター使用、波長1.54
18オングストローム)、出力40.0kvを用いた。
【0023】(熱応力測定法)セイコー電子工業(株)
製、SSC−5200装置を用いて糸長2cmの一本の
糸にデニールあたり、5mgの初期荷重をかけ、昇温速
度20℃/分で測定を行った。
【0024】(繰返し応力測定法)JIS−L1013
の定義に準拠し、20℃、65%RHの温湿度管理され
た部屋で24時間放置後、引張試験機(島津製作所
(株)製オートグラフDSS−500)を用いて糸長5
cm、引張り速度50cm/分で300%伸張後、直ち
に50cm/分の引張り速度で引き戻した。
【0025】(PSD測定法)初期長22.5cm(L
1)のポリウレタン弾性糸を100%伸張下で乾熱12
0℃で一分間処理した後、室温で10分間放縮、放冷さ
せた後の糸長(L2)を測定し次式により求めた。 PSD(%)=(L2−L1)/L1×100
【0026】(PSWの測定)初期長9.5cm(L
3)の弾性糸を100%伸張下で40℃から105℃へ
60分間で昇温後、室温で10分間放縮、放冷させた後
の糸長(L4)を測定し次式により求めた。 PSD(%)=(L4−L3)/L3×100
【0027】実施例1 実質的にNCO/OH比が1以下であるポリブチレンア
ジペート系ポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネ
ート/1,4−ブタンジオールからなるショアA硬度9
0のポリウレタン重合体を、単軸押出し機付き紡糸装置
に供給して、紡糸温度220℃、孔径0.28mmΦ、
孔長0.56mmすなわちL/D=2.0の口金を用
い、巻き取り速度500m/分の条件下で溶融紡糸し、
20デニールのモノフィラメントを得た。この時、紡糸
筒内のクエンチ温度から巻き取り装置に至るまでの環境
温度を10℃に制御して紡糸を行った。巻き取り時の接
触糸温度は11℃であった。得られたポリウレタン弾性
糸は、破断強度が27g(1.5g/デニール)、破断
伸度が410%であった。得られた糸物性を表1に示
す。この糸を用いて、アクリルフィラメントとのベア天
竺交編編地を作製した。編地を95℃1分間熱水中でリ
ラックス処理後風乾し、120℃50秒の仕上げセット
を行った。仕上げた生地は良好なセット性を示した。生
地のフィット性、風合いについて被験者10名による官
能試験にを行ったところ、10名中9名がソフトなフィ
ット感がある、10名中8名がソフトな風合いであると
の評価をした。
【0028】実施例2 実質的にNCO/OH比が1以下であるポリテトラメチ
レングリコール−ポリブチレンアジペート共重合系ポリ
オール(3/7)/ジフェニルメタンジイソシアネート
/1,4−ブタンジオールからなるペレット状のポリウ
レタン重合体を、単軸押出し機付き紡糸装置に供給し
て、紡糸温度215℃、孔径0.28mmΦ、孔長0.
56mmすなわちL/D=2.0の口金を用い、巻き取
り速度550m/分の条件下で溶融紡糸し、20デニー
ルのモノフィラメントを得た。この時、紡糸筒内のクエ
ンチ温度から巻き取り装置に至るまでの環境温度を10
℃に制御して紡糸を行った。巻き取り時の接触糸温度は
11℃であった。
【0029】得られたポリウレタン弾性糸は、破断強度
が32g(1.6g/デニール)、破断伸度が430%
であった。得られた糸物性を表1に示す。この糸を用い
て、アクリルフィラメントとのベア天竺交編編地を作製
した。編地を95℃1分間熱水中でリラックス処理後風
乾し、120℃50秒の仕上げセットを行った。仕上げ
た生地は良好なセット性を示した。生地のフィット性、
風合いについて被験者10名による官能試験にを行った
ところ、10名中8名がソフトなフィット感がある、1
0名中8名がソフトな風合いであるとの評価をした。
【0030】実施例3 ポリテトラメチレングリコール/ジフェニルメタンイソ
シアネート/エチレングリコールのジメチルアセトアミ
ド溶液に末端封鎖剤としてブタノールを添加したものか
らなる紡糸原液を孔径0.28mmΦ、孔長0.56m
mすなわちL/D=2.0の口金を用い、220℃の加
熱空気を流した紡糸筒内に押出し、巻き取り速度650
m/分の条件下で乾式紡糸し、20デニールのモノフィ
ラメントを得た。巻き取り時の接触糸温度は17℃であ
った。
【0031】得られたポリウレタン弾性糸は、破断強度
が28g(1.4g/デニール)、破断伸度が410%
であった。得られた糸物性を表1に示す。この糸を用い
て、アクリルフィラメントとのベア天竺交編編地を作製
した。編地を95℃1分間熱水中でリラックス処理後風
乾し、120℃50秒の仕上げセットを行った。仕上げ
た生地は実施例1や2と比較してややセット性が劣るも
のの、生地のフィット性、風合いについて被験者10名
による官能試験にを行ったところ、10名中7名がソフ
トなフィット感がある、10名中7名がソフトな風合い
であるとの評価をし、ソフトなフィット感、ソフトな風
合いを有するものと判断した。
【0032】比較例1 実質的にNCO/OH比が1以下であるポリブチレンア
ジペート系ポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネ
ート/1,4−ブタンジオールからなるショアA硬度9
0のポリウレタン重合体を、単軸押出し機付き紡糸装置
に供給して、紡糸温度220℃、孔径0.28mmΦ、
孔長0.56mmすなわちL/D=2.0の口金を用
い、巻き取り速度500m/分の条件下で溶融紡糸し、
20デニールのモノフィラメントを得た。クエンチ温度
を30℃、巻き取り装置に至るまでの環境温度を制御せ
ずに紡糸を行った。この時、巻き取り時の接触糸温度は
40℃であった。
【0033】得られたポリウレタン弾性糸は、破断強度
が27g(1.5g/デニール)、破断伸度が440%
であった。得られた糸物性を表1に示す。この糸を用い
て、アクリルフィラメントとのベア天竺交編編地を作製
した。編地を95℃1分間熱水中でリラックス処理後風
乾し、120℃50秒の仕上げセットを行った。仕上げ
た生地は比較的良好なセット性を示したが、生地のフィ
ット性、風合いについて被験者10名による官能試験に
を行ったところ、10名中2名がソフトなフィット感が
ある、10名中3名がソフトな風合いであるとの評価を
し、ソフトなフィット感、ソフトな風合い示さないと判
断をした。
【0034】比較例2 実質的にNCO/OH比が1.1であるポリテトラメチ
レングリコール−ポリブチレンアジペート共重合系ポリ
オール(3/7)/ジフェニルメタンジイソシアネート
/1,4−ブタンジオールからなるショアA硬度90の
ポリウレタン重合体を、単軸押出し機付き紡糸装置に供
給して、紡糸温度220℃、孔径0.28mmΦ、孔長
0.56mmすなわちL/D=2.0の口金を用い、巻
き取り速度500m/分の条件下で溶融紡糸し、20デ
ニールのモノフィラメントを得た。この時、紡糸筒内の
クエンチ温度から巻き取り装置に至るまでの環境温度を
25℃に制御して溶融紡糸を行った。巻き取り時の接触
糸温度は25℃であった。
【0035】得られたポリウレタン弾性糸を巻き取り
後、低露点雰囲気下(露点=−30℃)80℃24時間
熟成し、さらに25℃、60%の相対湿度下で7日間熟
成した。この糸の破断強度は32g(1.6g/デニー
ル)、破断伸度が480%であった。得られた糸物性を
表1に、に示す。この糸を用いて、アクリルフィラメン
トとのベア天竺交編編地を作製した。編地を95℃1分
間熱水中でリラックス処理後風乾し、120℃50秒の
仕上げセットを行った。仕上げた生地のセット性は低
く、生地のフィット性、風合いについて被験者10名に
よる官能試験にを行ったところ、10名中0名がソフト
なフィット感がある、10名中0名がソフトな風合いで
あるとの評価をし、ソフトなフィット感、ソフトな風合
いを示さないと判断した。
【0036】比較例3 実質的にNCO/OH比が1以下であるポリブチレンア
ジペート系ポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネ
ート/1,4−ブタンジオールからなるショアA硬度9
0のポリウレタン重合体を、単軸押出し機付き紡糸装置
に供給して、紡糸温度220℃、孔径0.28mmΦ、
孔長0.56mmすなわちL/D=2.0の口金を用
い、巻き取り速度500m/分の条件下で溶融紡糸し、
20デニールのモノフィラメントを得た。この時、紡糸
筒内のクエンチ温度から巻き取り装置に至るまでの環境
温度を−3℃に制御して紡糸を行った。巻き取り時の接
触糸温度は−1℃であった。
【0037】得られたポリウレタン弾性糸は、破断強度
が20g(1.0g/デニール)、破断伸度が250%
であった。得られた糸物性を表1に示す。この糸を用い
て、アクリルフィラメントとのベア天竺交編編地を作製
しようとしたところ、糸の強伸度、特に伸度不足により
編地を作製できなかった。
【0038】比較例4 ポリブチレンアジペート系ポリオール/ジフェニルメタ
ンイソシアネート/エチレンジアミンのジメチルアセト
アミド溶液からなる紡糸原液を孔径0.28mmΦ、孔
長0.56mmすなわちL/D=2.0の口金を用い、
220℃の加熱空気を流した紡糸筒内に押出し、巻き取
り速度500m/分の条件下で乾式紡糸し、20デニー
ルのモノフィラメントを得た。
【0039】この糸の破断強度は24g(1.2g/デ
ニール)、破断伸度が470%であった。得られた糸物
性を表この糸を用いて、アクリルフィラメントとのベア
天竺交編編地を作製した。編地を95℃1分間熱水中で
リラックス処理後風乾し、190℃50秒の仕上げセッ
トを行った。仕上げた生地のセット性は低く、生地のフ
ィット性、風合いについて被験者10名による官能試験
にを行ったところ、10名中0名がソフトなフィット感
がある、10名中0名がソフトな風合いであるとの評価
をし、ソフトなフィット感、ソフトな風合いを示さない
と判断した。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によると、低温セット可能でかつ
ソフトなフィット感を発現するものであり、特に他素材
と組み合わせた布帛にあっては、両素材が持つ風合いや
機能を損なうことなく製造することができるポリウレタ
ン弾性糸の提供を可能とした。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(1)〜(3)の条件を満足すること
    を特徴とするポリウレタン弾性糸。 (1)小角X線散乱測定における方位角スキャンの最大
    ピーク強度の半価幅のなす角が60度以上。 (2)小角X線散乱測定における赤道方向の半価幅のな
    す角が2.5度以下。 (3)300%伸張の繰り返し応力測定における、15
    0%伸張時の行き応力に対する戻り応力の百分率が20
    %以下。
  2. 【請求項2】熱応力測定における最大収縮応力ピーク温
    度が130℃以下であることを特徴とする請求項1記載
    のポリウレタン弾性糸。
  3. 【請求項3】熱応力測定における最大収縮応力ピーク温
    度が105℃以下であることを特徴とする請求項1記載
    のポリウレタン弾性糸。
  4. 【請求項4】小角X線散乱測定における赤道方向の半価
    幅のなす角が0.8度以上1.5度以下であることを特
    徴とする請求項1記載のポリウレタン弾性糸。
  5. 【請求項5】120℃での乾熱セット性(PSD12
    0)が65%以上で、且つ105℃での湿熱セット性
    (PSW105)が75%以上であることを特徴とする
    請求項1記載のポリウレタン弾性糸。
  6. 【請求項6】熱応力測定における最大収縮応力が10m
    g/デニール以下であることを特徴とする請求項1記載
    のポリウレタン弾性繊維。
  7. 【請求項7】溶融紡糸されてなることを特徴とする請求
    項1記載のポリウレタン弾性糸。
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