JP2003328253A - 新規な伸縮性織編物 - Google Patents

新規な伸縮性織編物

Info

Publication number
JP2003328253A
JP2003328253A JP2002134516A JP2002134516A JP2003328253A JP 2003328253 A JP2003328253 A JP 2003328253A JP 2002134516 A JP2002134516 A JP 2002134516A JP 2002134516 A JP2002134516 A JP 2002134516A JP 2003328253 A JP2003328253 A JP 2003328253A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
angle
fibers
knitted fabric
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002134516A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuro Furuya
哲朗 古谷
Seiichi Ochi
清一 越智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2002134516A priority Critical patent/JP2003328253A/ja
Publication of JP2003328253A publication Critical patent/JP2003328253A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Woven Fabrics (AREA)
  • Knitting Of Fabric (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】軟化温度が170℃未満の非弾性合成繊維を用
いた風合いと寸法安定性に優れた伸縮性織編物を提供せ
んとするものである。 【解決手段】下記(1)〜(3)の要件を満足するポリ
ウレタン弾性繊維と、軟化温度が170℃未満の非弾性
合成繊維を必須の構成成分とし、必要に応じ天然繊維、
軟化温度が170℃以上の非弾性合成繊維のうち少なく
とも1種を該必須構成成分に組み合わせて交編織した新
規な伸縮性織編物。 (1)小角X線散乱測定における方位角スキャンの最大
ピーク強度の半価幅のなす角が60度以上。 (2)小角X線散乱測定における子午線方向の散乱の赤
道方向への広がりの半価幅をサンプルからみた角度であ
らわした場合その角度が2.5度以下。 (3)熱応力測定における最大収縮応力ピーク温度が1
35℃以下。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、風合いと寸法安定
性に優れた、軟化温度が170℃未満の非弾性繊維を用
いた伸縮性織編物に関する。
【0002】
【従来の技術】織編物に伸縮性を付与する方法は種々あ
るが、ポリウレタン弾性繊維を用いることが一般的であ
る。特に昨今のストレッチブームにより、ポリウレタン
弾性繊維はさまざまな種類の繊維との組合わせで用いら
れており、その代表例はポリウレタン弾性繊維に、ポリ
エステル繊維やナイロン繊維などの合成繊維、あるいは
綿などの天然繊維を組み合わせた伸縮性織編物に見られ
る。前述したポリウレタン弾性繊維を用いた伸縮性織編
物に十分なセット効果を付与するには、加工工程におい
て170℃以上の温度で仕上げ加工を行わねばならな
い。
【0003】近年、環境調和型素材としてポリオレフィ
ン系合成繊維や、マイナスイオン効果による健康促進素
材としてポリ塩化ビニル繊維などに注目が集まってお
り、衣料用途への広がりが期待されている。しかし、こ
れらの繊維は何れも軟化温度が170℃未満であり、前
記ポリウレタン弾性繊維と組み合わせた場合、仕上げ加
工温度が軟化温度を上回るため、加工後の生地風合いの
悪化が著しく商品価値を損なうか、製品の寸法安定性に
問題が生じ、十分満足いく商品が得られていないのが現
状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の問題を解決し、肌着や靴下、パンティーストッキ
ングなどに有用な伸縮性織編物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者が鋭意検討した結
果、上記課題を解決するためにの方策として以下の内容
を見出した。仕上げ加工温度が170℃未満でも十分な
セット効果が得られ、かつ生地風合いの悪化が生じず良
好な伸縮性を発現する伸縮性織編物を得るには、本発明
にかかわる織編物を構成するポリウレタン弾性繊維の構
造として、主としてウレタンハードセグメントから構成
される結晶領域に着目し、当該領域の繊維軸方向に対し
て横方向の成長を抑制し、かつ繊維軸に対する配向を乱
すことにより達成できる。具体的には上記課題を解決す
るために本発明は以下の構成を採用する。すなわち、本
発明は、 1.下記(1)〜(3)の要件を満足するポリウレタン
弾性繊維と、軟化温度が170℃未満の非弾性合成繊維
を必須の構成成分とし、必要に応じ天然繊維及び/又は
軟化温度が170℃以上の非弾性合成繊維を該必須構成
成分に組み合わせて交編織することを特徴とする新規な
伸縮性織編物。 (1)小角X線散乱測定における方位角スキャンの最大
ピーク強度の半価幅のなす角が60度以上。 (2)小角X線散乱測定における子午線方向の散乱の赤
道方向への広がりの半価幅をサンプルからみた角度であ
らわした場合その角度が2.5度以下。 (3)熱応力測定における最大収縮応力ピーク温度が1
35℃以下。 2.軟化温度が170℃未満の非弾性合成繊維が、ポリ
エチレン繊維、ポリプロピレン繊維、モダクリル繊維、
ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維のいずれ
かであることを特徴とする上記第1記載の新規な伸縮性
織編物。 3.天然繊維が、セルロース繊維、タンパク繊維である
ことを特徴とする上記第1記載の新規な伸縮性織編物。 4.軟化温度が170℃以上の非弾性合成繊維が、アセ
テート繊維、トリアセテート繊維、ナイロン繊維、ポリ
エステル繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリビニル
アルコール繊維のいずれかであることを特徴とする上記
第1記載の新規な伸縮性織編物。
【0006】まず、本発明にかかるポリウレタン弾性繊
維の小角X線散乱測定における方位角スキャンの最大ピ
ーク強度の半価幅のなす角が60度以上であることが望
ましい。ここでいう小角X線散乱測定における方位角ス
キャンの最大ピーク強度の半価幅のなす角とは、方位角
スキャンを行い得られた回折像写真の中心と最大ピーク
強度の半価幅のなす角である。60度未満であると主と
してウレタンハードセグメントからなる結晶領域の配向
性が良好となり、製品着用時のソフトフィット性が得ら
れないばかりでなく、170℃未満での仕上げ加工で十
分なセット効果を得にくくなる。本発明は、結晶領域の
配向性をあえて乱すことことにより、低温で十分なセッ
ト効果が得られ繊維軸方向に歪が生じる際に比較的低応
力で歪変形するポリウレタン弾性繊維となすものであ
る。好ましくは75〜85度である。
【0007】本発明にかかるポリウレタン弾性繊維は上
記特徴に加えて小角X線散乱測定における赤道方向の半
価幅のなす角が2.5度以下である構造を有するもので
ある。ここでいう小角X線散乱測定における赤道方向の
半価幅のなす角とは、回折像写真における子午線方向の
散乱の赤道方向の半価幅とサンプルから作られる二等辺
三角形の頂点である。2.5度を超えると、結晶領域、
特に繊維軸方向に対して横方向の成長成長が不十分とな
り、得られた糸の強伸度が低く実用上の問題が生じる。
好ましくは0.8度以上2.5度以下、さらに好ましく
は0.8度以上1.5度以下である。0.8度未満では
ウレタンハードセグメントからなる結晶領域の繊維軸方
向に対する横方向の広がりが大きくなり、低温で十分な
セット効果がえられないばかりか、製品の伸縮力が過大
となる。
【0008】本発明にかかるポリウレタン弾性繊維の熱
応力測定における最大熱収縮応力ピーク温度は135℃
以下であることが望ましい。これは、軟化温度が170
℃未満の非弾性合成繊維との組み合わせにおいて風合い
を損なわずかつ、十分なセット効果を得るために重要な
特性である。したがって、最大熱収縮応力ピーク温度は
低温であればあるほど好ましく、130℃以下、更に好
ましくは115℃以下が好ましい。
【0009】本発明にかかわるポリウレタン弾性繊維の
熱応力測定における最大収縮応力は10mg/デニール
であることが望ましい。10mg/デニールを超えるも
のはセット後の収縮力が高くなり、軟化温度が170℃
未満の非弾性合成繊維との組み合わせにおいて風合いを
損なわずかつ十分なセット効果を得ることが困難とな
る。好ましくは7mg/デニールである。
【0010】本発明にかかるポリウレタン弾性繊維の原
料となるポリウレタン重合体を構成する組成のイソシア
ネート基と水酸基のモル比(NCO/OH比)が1以下
であることが望ましい。これはすなわち実質的にアロハ
ネート結合などの架橋を含まないポリウレタン弾性繊維
であることを意味する。NCO/OH比が1を超えると
過剰NCOとウレタン基とが反応してアリハネート架橋
を形成する。このような架橋が存在すると、熱応力測定
における最大熱収縮応力ピーク温度および応力が本発明
で望ましい値を得ることが困難となる。
【0011】以上、本発明にかかるポリウレタン弾性繊
維は、軟化温度が170℃未満の非弾性合成繊維、およ
び必要に応じ天然繊維、軟化温度が170℃以上の非弾
性合成繊維のうち少なくとも1種を組み合わせて交編織
する新規な伸縮性織編物を、その風合いを損なうことな
く製造することを可能とする。
【0012】次に、本発明にかかるポリウレタン弾性繊
維の製造例について述べる。本発明のポリウレタン弾性
体に用いられるポリウレタン重合体は、ポリオールとジ
イソシアネートおよび鎖延長剤である低分子ジオールか
らなる。その際、NCO/OH比が1以下で作られ、ポ
リマー末端は原則的にOH末端となるものが好ましい。
具体的な製造法としては、プレポリマー法、ワンショッ
ト法が挙げられるが特に限定されるものではない。尚、
本発明の効果を妨げない範囲でポリマー中にウレア結合
が一部存在してもかまわない。
【0013】本発明のポリウレタン弾性体に用いられる
ポリウレタン重合体に用いられるポリオールとしては、
ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代表されるポ
リエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表
されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポ
リオール、ポリカプロラクトンなどのポリエステルグリ
コールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示
されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチ
レンカーボネートをエチレングリコール、プロピレング
リコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ルなどの多価アルコールと反応させ、ついで得られた反
応混合物とアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸など
の有機カルボン酸との反応物、および1,4ブタンジオ
ール、1,6ヘキサンジオール、2,2ジメチル−1,
3プロパンジオール、1,8オクタンジオールなどのよ
うなポリヒドロキシル化合物と、アリールカーボネー
ト、例えばジフェニルカーボネートとのエステル交換反
応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙
げられる。これらは1種類で用いても2種類以上を混合
して用いても差し支えない。
【0014】ポリオールの数平均分子量は通常500〜
6000程度であり、好ましくは1000〜5000、
さらに好ましくは1000〜3000である。数平均分
子量が500未満である場合、得られる弾性繊維の伸度
が不十分となる傾向にあり、逆に6000を超える場
合、強度および弾性回復率などの機械的強度が不十分と
なる傾向がある。
【0015】また、有機ポリイソシアネートとしては
4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5
ナフタレンジイソシアネート、1,4フェニレンジイソ
シアネート、2,4トリレンジイソシアネート、2,6
トリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネー
ト、mキシリレンジイソシアネート、pキシリレンジイ
ソシアネートなどのベンジル性ジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネ
ート、1,4シクロヘキサンジイソシアネート、4,
4’ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネートが
挙げられる。これらは1種類で用いても2種類以上を混
合して用いても差し支えない。
【0016】また、鎖延長剤である低分子ジオールとし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール、1,
4シクロヘキサンジオール、1,4ビス(ヒドロキシエ
トキシ)ベンゼン、1,3ビス(ヒドロキシエトキシ)
ベンゼン、1,2ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、シクロヘキサンジメタノール、ビス(2ヒドロキシ
エチル)テレフタレート、ビス(2#ヒドロキシエチ
ル)フタレートなどが挙げられる。本発明のポリウレタ
ン弾性繊維に用いられるポリウレタン重合体の製造に当
たっては通常用いられる触媒、活性剤、滑剤、紫外線吸
収剤、耐光剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防黴剤などを
本発明の効果を損なわない程度に添加してもよい。
【0017】本発明のポリウレタン弾性繊維に使用する
紡糸装置や防止条件は、ポリウレタン重合体の組成、目
的とする繊維の太さなどにより異なりうるが、通常ポリ
ウレタン重合体を押し出し式紡糸装置に供給し、紡糸温
度180〜240℃、巻き取り速度500〜1000m
/分、特に500〜700m/分で巻き取ることが好ま
しい。さらに、本発明においては、主としてウレタンハ
ードセグメントから構成される結晶領域に着目し、繊維
軸方向に対する結晶の横方向の成長を抑え、かつ繊維軸
に対する配向を乱すことで、低温でも十分なセット効果
のあるポリウレタン弾性繊維を得ることができる。その
ためには、クエンチ巻き取りに至るまでの環境温度は努
めて低温であることが望ましい。特にクエンチ温度を2
0℃以下に設定し、巻き取り時の糸温度を20℃以下に
することが肝要であり、0℃以上10℃以下とすること
が望ましい。
【0018】本発明のポリウレタン弾性繊維の単繊維繊
度は特に限定されるものではなく、用途に応じて設定す
ることができる。一般に、その単繊維繊度は5〜100
デニール程度が好ましい。また、該ポリウレタン弾性繊
維はモノフィラメントの形態であってもよい。マルチフ
ィラメントの場合には、そのフィラメント数、総デニー
ル数は特に限定され任意に設定できる。さらに、該ポリ
ウレタン弾性繊維の断面形状も特に限定されず、丸型、
三角形、楕円形、扁平形、アレイ形など任意の断面形状
にすることができる。さらに、中実繊維であっても中空
繊維であってもよい。
【0019】次に、上記ポリウレタン弾性繊維と交編織
する相手素材について述べる。交編素材は軟化温度が1
70℃以未満の非弾性合成繊維、さらには該非弾性合成
繊維に天然繊維、軟化温度が170℃以上の非弾性合成
繊維を必要に応じ組み合わせることができるが、軟化温
度が170℃以未満の非弾性合成繊維にあってはポリエ
チレン繊維、ポリプロピレン繊維、モダクリル繊維、ポ
リ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維のいずれか
を、天然繊維にあってはセルロース繊維、タンパク繊維
のいずれか、軟化温度が170℃以上の非弾性合成繊維
にあってはアセテート繊維、トリアセテート繊維、ナイ
ロン繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル繊
維、ポリビニルアルコール繊維のいずれかを採用するこ
とが望ましい。
【0020】これらの相手素材とポリウレタン弾性繊維
は交編織されるが、具体的には交織の場合は、経糸に軟
化温度が170℃以未満の非弾性合成繊維、天然繊維、
軟化温度が170℃以上の非弾性合成繊維を、緯糸にポ
リウレタン弾性繊維を配することが望ましい。また交編
経編地の場合は、後筬にポリウレタン弾性繊維を、前筬
に相手素材を配する方法が望ましい。交編丸編地の場合
は、ポリウレタン弾性繊維を相手素材に添えて編成する
方法が望ましい。
【0021】かかる方法にて得られた伸縮性織編物の染
色加工は、生機−リラックス・精練−プレセット−染色
−乾燥−風合処理−仕上セットの一般的な加工工程にて
実施するが、ポリウレタン弾性繊維と交編織する相手素
材に適正な加工工程温度条件を選択することが重要であ
り、液熱は100℃以下、乾熱は170℃未満の温度で
熱セットすることで、風合いと寸法安定性に優れた新規
な伸縮性織編物を得ることができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるも
のではない。なお、各測定は下記の方法に従った。
【0023】(小角X線散乱測定)糸をかせ取りし、約
1800本の束の両端を結んで測定試料とした。写真撮
影はRAD RC X線発生装置を用い、点収束カメラ
でカメラ距離350mm、30分露光で撮影を行った。
X線源はCuKα線(Niフィルター使用、波長1.5
418オングストローム)、出力40.0kVを用い
た。
【0024】(熱応力測定)セイコー電子工業(株)製
SSC#5200を用いて、糸長2cmの一本の糸にデ
ニール当たり5mgの初期荷重をかけ、昇温速度20℃
/分で測定を行った。
【0025】実施例1 実質的にNCO/OH比が1以下であるポリブチレンア
ジペート系ポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネ
ート/1,4ブタンジオールからなるショアA硬度90
のポリウレタン重合体を、単軸押し出し機付き紡糸装置
に供給して、紡糸温度220℃、孔系0.28mmφ、
孔長0.56mmすなわちL/D=2.0の紡糸口金よ
り吐出し、巻き取り速度500m/分で22デシテック
スのモノフィラメントを得た。このとき、紡糸筒内のク
エンチから巻き取り装置に至るまでの環境温度を10℃
に制御して紡糸を行った。巻き取り時の糸の表面温度は
11℃であった。得られたポリウレタン弾性繊維は、破
断強度が26cN(1.18cN/dTex)、破断伸
度410%であった。小角X線散乱測定と熱応力測定の
結果を表1に記す。この糸を用いて、56デシテックス
のポリプロピレン繊維とのベア天竺交編編地を作製し
た。編地を80℃×1分間温水中でリラックス処理後、
脱水後60℃×1分間乾燥し、110℃×45秒の仕上
げセットを行った。仕上げた生地風合いはソフトで非常
に軽いベア天竺生交編編地を得ることができた。洗濯1
0回後の生地の寸法変化率は−2.3%であった。
【0026】実施例2 実施例1記載のポリウレタン弾性繊維33デシテックス
と、56デシテックスのポリ塩化ビニル繊維とのベア天
竺交編編地を作製した。編地を80℃×1分間温水中で
リラックス処理後、脱水後60℃×1分間乾燥し、80
℃×45秒の仕上げセットを行った。仕上げた生地はポ
リ塩化ビニル繊維の風合硬化もなく、保温性のあるベア
天竺交編編地を得ることができた。洗濯10回後の生地
の寸法変化率は−2.5%であった。
【0027】実施例3 実施例1記載のポリウレタン弾性繊維44デシテックス
と、56デシテックスのポリプロピレン繊維および、先
染め1/60番手羊毛のベア天竺交編編地を作成した。
編地を90℃×30秒間リラックス精練し、脱水後60
℃×1分間乾燥し、125℃×30秒の仕上げセットを
行った。風合いのよいベア天竺交編編地を得ることがで
きた。洗濯10回後の生地の寸法変化率は−2.8%で
あった。
【0028】比較例1 実質的にNCO/OH比が1以下であるポリブチレンア
ジペート系ポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネ
ート/1,4ブタンジオールからなるショアA硬度90
のポリウレタン重合体を、単軸押し出し機付き紡糸装置
に供給して、紡糸温度220℃、孔系0.28mmφ、
孔長0.56mmすなわちL/D=2.0の紡糸口金よ
り吐出し、巻き取り速度500m/分で22デシテック
スのモノフィラメントを得た。このとき、紡糸筒内のク
エンチ温度を30℃、から巻き取り装置に至るまでの環
境温度を制御せずに紡糸を行った。巻き取り時の糸の表
面温度は40℃であった。得られたポリウレタン弾性繊
維は、破断強度が26cN(1.18cN/dTe
x)、破断伸度440%であった。小角X線散乱測定と
熱応力測定の結果を表1に記す。この糸を用いて、ポリ
プロピレン繊維とのベア天竺交編編地を作製した。編地
を80℃×1分間温水中でリラックス処理後、脱水後6
0℃×1分間乾燥し、110℃×45秒の仕上げセット
を行った。仕上げた生地風合いはソフトではあるがポリ
プロピレン繊維の軽さを実感できるベア天竺生交編編地
を得ることはできなかった。しかも、洗濯10回後の生
地の寸法変化率は−7.5%であり寸法安定性にも問題
があった。
【0029】比較例2 比較例1記載のポリウレタン弾性繊維33デシテックス
と、56デシテックスのポリ塩化ビニル繊維とのベア天
竺交編編地を作製した。編地を80℃×1分間温水中で
リラックス処理後、脱水後60℃×1分間乾燥し、80
℃×45秒の仕上げセットを行った。仕上げた生地はポ
リ塩化ビニル繊維の風合硬化は認められなかったもの
の、洗濯10回後の生地の寸法変化率は−8.9%で比
較例1同様寸法安定性に問題のある生地となった。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明によると、軟化温度が170℃未
満の非弾性合成繊維を用いた風合いと寸法安定性に優れ
た伸縮性織編物の提供を可能にした。
フロントページの続き Fターム(参考) 4L002 AA01 AA02 AA05 AA06 AA07 AA08 AB01 AB02 AC01 BA01 EA06 FA03 FA05 4L048 AA07 AA10 AA11 AA12 AA13 AA15 AA16 AA17 AA18 AA20 AA24 AA46 AB01 AB07 DA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)〜(3)の要件を満足するポ
    リウレタン弾性繊維と、軟化温度が170℃未満の非弾
    性合成繊維を必須の構成成分とし、必要に応じ天然繊維
    及び/又は軟化温度が170℃以上の非弾性合成繊維を
    該必須構成成分に組み合わせて交編織することを特徴と
    する新規な伸縮性織編物。 (1)小角X線散乱測定における方位角スキャンの最大
    ピーク強度の半価幅のなす角が60度以上。 (2)小角X線散乱測定における子午線方向の散乱の赤
    道方向への広がりの半価幅をサンプルからみた角度であ
    らわした場合その角度が2.5度以下。 (3)熱応力測定における最大収縮応力ピーク温度が1
    35℃以下。
  2. 【請求項2】軟化温度が170℃未満の非弾性合成繊維
    が、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、モダクリ
    ル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維
    のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の新規
    な伸縮性織編物。
  3. 【請求項3】天然繊維が、セルロース繊維、タンパク繊
    維であることを特徴とする請求項1記載の新規な伸縮性
    織編物。
  4. 【請求項4】軟化温度が170℃以上の非弾性合成繊維
    が、アセテート繊維、トリアセテート繊維、ナイロン繊
    維、ポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポ
    リビニルアルコール繊維のいずれかであることを特徴と
    する請求項1記載の新規な伸縮性織編物。
JP2002134516A 2002-05-09 2002-05-09 新規な伸縮性織編物 Pending JP2003328253A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002134516A JP2003328253A (ja) 2002-05-09 2002-05-09 新規な伸縮性織編物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002134516A JP2003328253A (ja) 2002-05-09 2002-05-09 新規な伸縮性織編物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003328253A true JP2003328253A (ja) 2003-11-19

Family

ID=29697134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002134516A Pending JP2003328253A (ja) 2002-05-09 2002-05-09 新規な伸縮性織編物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003328253A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7943536B2 (en) * 2004-08-13 2011-05-17 Dow Global Technologies Llc Stretch fabrics with improved heat-setting properties
WO2014000151A1 (zh) * 2012-06-26 2014-01-03 Gong Zhihua 环保型色织布

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7943536B2 (en) * 2004-08-13 2011-05-17 Dow Global Technologies Llc Stretch fabrics with improved heat-setting properties
WO2014000151A1 (zh) * 2012-06-26 2014-01-03 Gong Zhihua 环保型色织布

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2590627T3 (es) Artículo que comprende bicomponente fusible Spandex
KR101781314B1 (ko) 이성분 스판덱스
KR101361342B1 (ko) 신축성 시트와 그의 제조 방법
JP5168401B2 (ja) ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
JP3909468B2 (ja) ポリウレタン弾性繊維の製造方法
JP5659781B2 (ja) ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
EP1036864B1 (en) Polyurethane elastic yarns and stretch fabrics
JP2003328253A (ja) 新規な伸縮性織編物
JP3230746B2 (ja) 伸縮性織編物
JP2006291402A (ja) 感温性合成繊維およびその製造方法
JPH04316646A (ja) 新規な弾性布帛
JP2005154994A (ja) 弾性複合糸および織編物および繊維製品
JP2003129352A (ja) 伸縮性ポリアミド織物
KR100859668B1 (ko) 고신축성 스웨이드조 경편물
JP2001303413A (ja) 伸縮性メッシュ調生地
JP3276006B2 (ja) ポリウレタン弾性糸
KR100730447B1 (ko) 신축성 직· 편물
JP2002194647A (ja) 編 物
JP2556649B2 (ja) 潜在弾性複合繊維、その製造方法及び伸縮弾性を有する繊維構造物の製造方法
JP2003147657A (ja) 快適性織物
JPH083815A (ja) 耐久性ポリウレタン繊維およびその製造方法
JP2006307368A (ja) 温度によってストレッチ率が変化するストレッチ布帛および繊維製品
JPH09291444A (ja) 肌着用伸縮性横編地
JP2001336029A (ja) ポリウレタン弾性糸
JP2009270226A (ja) 被覆弾性糸およびその織編物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070518

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071011