JPH083815A - 耐久性ポリウレタン繊維およびその製造方法 - Google Patents
耐久性ポリウレタン繊維およびその製造方法Info
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- JPH083815A JPH083815A JP7070645A JP7064595A JPH083815A JP H083815 A JPH083815 A JP H083815A JP 7070645 A JP7070645 A JP 7070645A JP 7064595 A JP7064595 A JP 7064595A JP H083815 A JPH083815 A JP H083815A
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Abstract
り、カビ等に対しても充分な耐性があり、しかも高い強
度、伸度および弾性回復性を有するとともに、細くして
も、これらの特性を保持する耐久性ポリウレタン繊維お
よびその製造方法を提供する。 【構成】下式(I)で示されるポリウレタンからなる繊
維であって、その小角X線散乱像において、層線状斑点
からなる層線状散乱像を示し、かつ、子午線方向の長周
期が7〜16nmであることを特徴とする耐久性ポリウ
レタン繊維。 −(P−U−R1 −U−)n1−(R2 −U−R3 −U)n2− …(I) (式中、Pはポリオール残基、R1 およびR3 は互いに
同一でも異なってもよいジイソシアネート残基、R2 は
ジオール残基、Uはウレタン結合をそれぞれ表し、n1
は1〜10の範囲の繰り返し単位数、n2 は1〜10の
範囲の繰り返し単位数である。)
Description
維、特にゾッキ・パンティーストッキング等に用いられ
る耐久性ポリウレタン繊維、および、その製造方法に関
する。より詳しくは、形態固定性が高く、そのうえ、力
学的な耐久性はもとより、カビ等に対しても充分に耐性
があり、しかも高い強度、伸度を有する耐久性ポリウレ
タン繊維およびその製造方法に関する。さらには、細く
ても上記特性に優れた耐久性ポリウレタン繊維およびそ
の製造方法に関する。
特徴を生かして、各種の用途に広く用いられている。そ
して、その用途の範囲の拡大とともに、ポリウレタン繊
維には、新たな特性が要求されるようになってきた。こ
の新たな特性の代表的なものとしては、以下の特性が挙
げられる。すなわち、形態固定性が高く、しかも、形態
固定した後も機械的な耐久性が高く、また、弾性回復性
もあり、かつ、耐カビ性も高く、さらに高い強度、伸度
を有することである。さらに、これらの特性を保持した
細いポリウレタン繊維に対する要請も高まっている。
は、いくつかの公知文献がある。その代表的なものとし
ては、化学同人社発行の化学増刊58(昭和48年3月
10日発行)「高分子物性と分子構造」が上げられる。
その第207〜229頁には、鎖伸長剤として各種のジ
アミンを使用したポリウレタン−ウレアの一般的な構造
と物性の関係が開示されてはいる。しかし、特定の組成
のポリウレタンを特定の構造のポリウレタン繊維とする
ことにより、上記の要求を満たすポリウレタン繊維が示
唆されるような記載例はない。そして、上記の例は、ポ
リウレタン−ウレアの例であり、鎖伸長剤としてジオー
ルを使用したポリウレタンの構造と物性の関係について
は、何ら開示されていない。
802頁(1988年10月発行)等には、鎖伸長剤と
してジオールを使用した例が開示されてはいるが、やは
り、上記の要求を満たすポリウレタン繊維を示唆する記
載はない。
り、上記要求を満たすポリウレタン繊維を示唆するもの
はないのが現状である。
たすポリウレタン繊維はまだないのが実状である。
ジオール伸長からなるポリウレタンを乾式紡糸する方法
が報告されている。しかし、特定のジオール伸長ポリウ
レタンを特定の条件下で乾式紡糸する報告例はない。
態固定性が高く、力学的な耐久性はもとより、カビ等に
対しても充分な耐性があり、しかも高い強度、伸度およ
び弾性回復性を有するとともに、細くしても、これらの
特性を保持する耐久性ポリウレタン繊維およびその製造
方法を提供することを課題とする。
め、発明者らは検討を重ねた。その結果、従来のポリウ
レタン繊維とは別の特定の構造を持つ下記のポリウレタ
ン繊維が前述の新規な特性を発揮することを実験で確認
して、本発明を完成した。
構成を有する。
タンからなる繊維であって、その小角X線散乱像におい
て、層線状斑点からなる層線状散乱像を示し、かつ、子
午線方向の長周期が7〜16nmであることを特徴とす
る耐久性ポリウレタン繊維である。
同一でも異なってもよいジイソシアネート残基、R2 は
ジオール残基、Uはウレタン結合をそれぞれ表し、n1
は1〜10の範囲の繰り返し単位数、n2 は1〜10の
範囲の繰り返し単位数である。) また、下式(I)で示されるポリウレタンからなる繊維
であって、その小角X線散乱像において、眉毛状4点散
乱像を示し、子午線方向の長周期が7〜16nm、か
つ、赤道線方向の長周期が13〜30nmであることを
特徴とする耐久性ポリウレタン繊維である。
同一でも異なってもよいジイソシアネート残基、R2 は
ジオール残基、Uはウレタン結合をそれぞれ表し、n1
は1〜10の範囲の繰り返し単位数、n2 は1〜10の
範囲の繰り返し単位数である。) 本発明の耐久性ポリウレタン繊維の製造方法は以下の構
成を有する。
なるポリウレタン溶液を乾式紡糸することによりポリウ
レタン繊維を製造する方法において、前記ポリウレタン
が、下式(I)で示される構造式を有するとともに、下
式(II)で表される付加比率1.7〜3、ハード比率
(n2 /n1 )0.65〜3、数平均分子量3万〜20
万および軟化点130〜250℃を有するものであるこ
とを特徴とする耐久性ポリウレタン繊維の製造方法であ
る。
同一でも異なってもよいジイソシアネート残基、R2 は
ジオール残基、Uはウレタン結合をそれぞれ表し、n1
は1〜10の範囲の繰り返し単位数、n2 は1〜10の
範囲の繰り返し単位数である。) 付加比率=(ジイソシアネートに基づくNCO基の数) /(ポリオールに基づく水酸基の数) …(II) (ただし、上記式(II)中、ポリオールに基づく水酸基
の数には、鎖伸長剤のジオールに基づく水酸基の数は含
まれない。) 以下、本発明をさらに詳細に説明する。
すると、幾つかのパターンを示す。その代表的なものと
しては、2点散乱像が挙げられる。また、小角X線散乱
像をまったく示さないものも見られる。
繊維は、小角X線散乱像において、上記の2者とは異な
る層線状散乱像または眉毛状4点散乱像を示すものであ
る。
乱像について、図面を参照しながら詳しく説明する。
X線散乱測定により示す層線状散乱像の一例を模式的に
表す。図にみるように、この層線状散乱像は、赤道線2
を間において赤道線2から同じ距離を隔てて対向する少
なくとも1対の層線状斑点31、31からなる。
分布状に現れており、子午線上付近に散乱強度の強い部
分31aが現れる。
上させる観点から1.5以上であることが好ましい。こ
こで、前記斑点長比とは、斑点31の中心線の長さLと
斑点31の最大幅Wとの比(L/W)をいう。なお、斑
点が2対以上存在する時は、像の強度が最も強い1対の
斑点について、このような測定を行う。
び、長径OPおよび短径OQがそれぞれ赤道線2および
子午線1に重なる楕円4を描くことができる場合、この
楕円4の長短径比は、糸の耐久性を向上させる観点から
1.3以上であることが好ましい。ここで、前記長短径
比とは、楕円4の長径OPと短径OQとの比(OP/O
Q)をいう。点Oは子午線1と赤道線2との交点であ
り、点Pは楕円4と赤道線2との交点であり、点Qは楕
円4と子午線1との交点である。
赤道線2に関して対称である。
が赤道線に対して平行ないしは広がっており、これらの
斑点の中心線を結ぶ、図1にみるような楕円4を描くこ
とができなくても何ら問題ない。
X線散乱測定により示す眉毛状4点散乱像の一例を模式
的に表す。図にみるように、この眉毛状4点散乱像は、
赤道線2を間に置いて赤道線2から同じ距離を隔てて対
向する少なくとも1対の眉毛状斑点32、32からな
る。各斑点32は、子午線1の両側に散乱強度の強い部
分32aを有する。言い換えれば、各斑点32において
は、両側部分32aにおける散乱強度が他の部分(各斑
点32が子午線1を切る部分)32bに比較して強くな
っている。このように、各斑点32が散乱強度の強い部
分32aを2つ(2点)ずつ有するので、1対の斑点3
2、32は、散乱強度の強い部分32aを合計4つ(4
点)持つことになる。1対の斑点32、32は、子午線
1および赤道線2に関して対称である。
の強い部分を31aあるいは32aとして分けて表示し
たが、これらは31bあるいは32bに対して不連続的
に強度が変わっている部分ではなく、連続的に(一般的
には正規分布状に)強度が強くなっている部分であり、
図1および図2では説明しやすいようにモデル的に記載
したものである。
線状散乱像および眉毛状4点散乱像は、上述の例に限定
されない。
像を示す場合は子午線方向についてのみ長周期を有し、
眉毛状4点散乱像を示す場合は子午線方向および赤道線
方向の両方向について長周期を有する。
ragg)の式から求めることができる。
(測定試料とフィルムの間の距離)、rは以下に述べる
ものである。
みる散乱像において、赤道線2から斑点31の中心(最
も密度の高い点)までの距離r1 をrとして上記ブラッ
グの式から子午線方向の長周期を求めればよい。眉毛状
4点散乱像の場合は、たとえば、図2にみる散乱像にお
いて、子午線方向の長周期については赤道線2から斑点
32の中心までの距離r1 をrとし、赤道線方向の長周
期については子午線1から斑点32の散乱強度の最も強
い部分までの距離r2 をrとして、上記ブラッグの式か
ら求めればよい。
X線写真のポジではなくネガで行うことが好ましい。ネ
ガで測定すると、ネガからポジへ変換する際に生じる現
像の倍率ムラによる誤差をなくすことができるからであ
る。
な小角X線散乱像を示し、かつ、この散乱像から測定さ
れる子午線方向の長周期は、層線状散乱像および眉毛状
4点散乱像のいずれの場合も7〜16nmである。この
長周期の特に好ましい範囲は9〜13nmである。子午
線方向の長周期が9〜13nmであると、ポリウレタン
繊維としての強度、特に実用強度がより高まるからであ
る。特に、ゾッキ・パンティーストッキング(以下、
「ゾッキ」と略称する)のように過酷な耐久性が要求さ
れる分野において、他の構造の繊維に比較して顕著に高
くなるからである。
乱像を示す場合は、その赤道線方向の長周期は13〜3
0nmであり、特に好ましくは15〜22nmである。
このような値を示す繊維は、実用において特に高い耐久
性を示すからである。
は、たとえば、下記の方法により行うことができる。た
だし、これに限定されない。
の長さに切り、40mgを天秤で秤りきり、両糸端を結
んで測定試料とする。
−200型 X線源 :CuKα線(Niフィルター使用;波長1.54
18オンク゛ストロ-ム) 出力 :50kV、200mA スリット径:0.3mmφ カメラ半径:400mm 撮影条件: 露出時間:120分 フィルム:Kodak DEF−5 次に、本発明の繊維を構成するポリウレタンの分子構造
や組成について述べる。
れるジオール伸長ポリウレタンである。ジオール伸長ポ
リウレタンは、繊維を、適度の熱セット性、適度の弾性
回復性および高強度を有するものにすることができるの
で、好ましい。
リウレタン分子中に、ウレア結合が一部存在していても
何ら構わない。
リウレタン分子中に配置され、ウレタン結合を与える原
料のジオール鎖伸長剤としては、特に限定されるもので
はなく、従来公知のものが広く適用できる。なお、本発
明の効果を妨げない範囲で、鎖伸長剤として、グリセリ
ン等のように3個以上の水酸基を持つ化合物が併用され
てもよいことは言うまでもない。
ウレタン繊維を得るために好ましいものとしては、特に
限定されるわけではないが、以下に列挙するものが挙げ
られる。エチレングリコール(以下、「EG」と略称す
る)、1,3−プロパンジオール(以下、「PDO」と
略称する)、1,4−ブタンジオール(以下、「BD
O」と略称する)、ネオペンチルグリコール、1,2−
プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ビ
ス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(以下、「BH
EB」と略称する)、ビス(β−ヒドロキシエチル)テ
レフタレート、パラキシリレンジオール等。これらのジ
オール鎖伸長剤の中でも好ましいものとしては、EG、
PDO、BDOおよびBHEBが挙げられる。特に、E
Gを伸長剤として用いたポリウレタン繊維は、強度が特
に高く、耐熱性も高く、しかも、適度の熱セット性と弾
性回復性を有し、さらには、耐光性も高いので、特に好
ましい。
剤として用いた場合には、高染色性となる特徴もあり極
めて好ましいのである。
オールからなるものに限定されるわけではなく、複数種
のジオールからなるものであってもよい。
よびR3 となってポリウレタン分子中に配置され、ウレ
タン結合を与える原料のジイソシアネートとしては、特
に限定はされず、従来公知のものが広く適用できる。な
お、本発明の効果を妨げない範囲で、3個以上のイソシ
アネート基を持つ化合物を併用してもよい。
ウレタン繊維を得るために好ましいものとしては、特に
限定されるわけではないが、以下に列挙するものが挙げ
られる。ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、
「MDI」と略称する)、ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネート(以下、「HMDI」と略称する)、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシ
アネート、ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート等。これらのジイソシアネートの中でも
特に好ましいものは、MDIおよびHMDIである。M
DIを用いたポリウレタン繊維は、強度がより高く、耐
熱性も高く、さらに耐溶剤性等も良好なものとなるから
である。また、HMDIを用いたポリウレタン繊維は、
ポリオールおよび鎖伸長剤を適切に選定すると、耐光性
が高くなる等の大きな利点があるからである。さらに
は、これら2者の中でもMDIがより好ましい。ジイソ
シアネートは、1種のみの使用に限定されず、複数種を
併用してもよい。
リウレタン分子中に配置され、ウレタン結合を与える原
料ポリオールは、特に限定はされないが、その代表的な
ものとしては、以下のものが挙げられる。ポリテトラメ
チレンエーテルグリコール(以下、「PTMG」と略称
する)およびその共重合体、ポリプロピレングリコール
およびその共重合体を初めとするエーテル系ポリオー
ル、さらには、ポリブチレンアジペートグリコールおよ
びその共重合体、ネオペンチルアジペートグリコールお
よびその共重合体、特開平4−41714号公報の第3
頁第1欄第13行〜同頁第4欄第4行等に開示されてい
るポリエステル系ポリオール、ポリエステル系ポリオー
ルの1種であるポリカーボネート系ポリオール、ポリシ
ロキサン系ポリオール等の公知のポリオール等。これら
のポリオールの中で、エーテル系ポリオールとして好ま
しいものとしては、PTMGおよびその共重合体等が挙
げられる。PTMGの共重合体の代表的なものとして
は、エチレンオキシドをPTMGの末端に付加したも
の、テトラヒドロフラン(以下、「THF」と称する)
と3−メチルTHFとの共重合PTMG等が挙げられ
る。ポリオールとしてPTMGおよび/またはその共重
合体を用いたポリウレタン繊維は、低温特性に優れ、耐
カビ性がより高く、弾性回復性により優れ、しかも耐加
水分解性が高い。
チル基等の側鎖が付いたポリエステル系のポリオールが
挙げられる。このようなポリオールとしては、特開平4
−41714号公報の第3頁第1欄第13行〜同頁第4
欄第4行等に開示されたポリエステル系ポリオール、お
よび、ネオペンチルアジペートグリコールを初めとする
ネオペンチルグリコールと各種の脂肪族ジカルボン酸と
の共重合グリコール、また、ネオペンチルグリコールを
共重合したポリカプロラクトンジオール等が代表的なも
のとして挙げられる。このようなエステル系ポリオール
は、耐カビ性もより高く、耐塩素性、耐光性に優れ、し
かも耐加水分解性が高いので、特に好ましいものの一つ
である。
および弾性回復性等を考慮して、800〜3500のも
のが好ましい。特に、側鎖のないポリオールについて
は、好ましい分子量は800〜2500である。これら
の範囲の分子量のものを使用すると、ポリウレタン繊維
の低温特性が特に優れたものとなるからである。
一成分ではなく数平均分子量800〜2500と数平均
分子量1600〜4000のものとの複数成分からな
り、かつポリオール全体としての数平均分子量が120
0〜2600のものである。
量からなるポリオールより、幾つかの分子量からなるも
のを混ぜたポリオールからなるもののほうが、ポリウレ
タン繊維の伸度も高くなり、またその耐久性も向上し、
さらに糸の外観も高透明性となり好ましい。
ールを用いる場合、数平均分子量が2200のポリオー
ルを単独で用いるより、1800と3000のポリオー
ルをブレンドしてなる数平均分子量2200のものを用
いることが好ましいのである。
して、低分子量のポリオールを主体とし、高分子量のポ
リオールを少数とすることが好ましい。
の時は、2500未満のポリオールを主体にし、250
0超のポリオールを少なくするようにすることが好まし
い。
は、ポリウレタンの1分子内において、1種類のみの使
用に限定されるものではなく、複数種のポリオール残
基、たとえば、エーテル系ポリオール残基とエステル系
ポリオール残基が併用されていてもよい。用途に応じて
は、エーテル系ポリオール残基とエステル系ポリオール
残基が併用されている方が良い場合もある。
ある付加比率は、特に高い耐熱性が要求される時には高
いことが好ましい。
式(II)で表されるものである。
の数には、鎖伸長剤のジオールに基づく水酸基の数は含
まれない。) この付加比率は、繊維の融点の低下および粘着性の増加
を防止する観点から1.7以上とするのが好ましい。
から3以下とするのが好ましい。
維を得る観点から、付加比率は1.8〜2であることが
好ましい。
3であることが好ましい。ここで、この明細書中、ハー
ド比率とは、前記式(I)中の繰り返し単位数n2 とn
1 との比(n2 /n1 )を指す。ハード比率が上記の範
囲であると、ポリウレタンの強度がより高くなり、ま
た、耐熱性も高くなるからである。このような効果をよ
り高くするために特に好ましいハード比率は0.9〜
1.8である。ハード比率を0.9〜1.8とする方法
としては、具体的には幾つかの方法が挙げられ特に限定
されるものではない。
0万であることが好ましい。数平均分子量がこの範囲で
あると、強度はもとより、実用においても耐久性が著し
く向上するからである。この向上効果をより高くするた
めに特に好ましいのは6万〜12万である。なお、ポリ
ウレタンの数平均分子量は、たとえば、ゲル浸透クロマ
トグラフィー法(以下、「GPC法」と略す)により標
準ポリスチレンで検量線を作成して測定することができ
る。
びn2 は、両方とも1〜10の範囲とする。
であると、ポリウレタンの強度が不足したり、軟化点が
低すぎたり、伸度が不足したりするので、所望の繊維が
得られない。
化点が低くなりすぎるので、所望の繊維が得られない。
ンの軟化点が高くなりすぎ、また、伸度が低くなるの
で、所望の繊維が得られない。
しいn1 の範囲は1〜5である。また、好ましいn2 の
範囲は1〜5である。このような値であると、特に良好
なポリウレタン繊維になるからである。
n1 およびn2 の両方とも平均値である。したがって、
整数とは限らない。
加水分解法で求めることができる。
上、伸度は300%以上であることが好ましい。強度お
よび伸度がこれらの範囲であると、ポリウレタン繊維を
布帛にした時に、この布帛の耐久性が向上するだけでな
く、ポリウレタン繊維を布帛にする工程でのポリウレタ
ン繊維の破壊も大幅に減少し、このため、布帛の耐久性
が大幅に向上する利点があるからである。また、得られ
る布帛の品位も向上する。
50℃であることが好ましい。軟化点が130℃以上で
あると、他の繊維と、本発明の繊維との併用が容易にな
るからである。また、軟化点が250℃以下であると、
熱によって形態を容易に固定できる利点があるからであ
る。これらの観点から特に好ましい軟化点は150〜2
30℃である。なお、ポリウレタン繊維の軟化点は、た
とえば、サーモメカニカルアナライザー(Thermomechani
cal analyzer) 法(以下、「TMA法」と略称する)に
より測定することができる。
れたものであることが好ましい。乾式紡糸により作られ
たポリウレタン繊維は、乾燥時に適度の熱を受けている
ためか、熱安定性が高い利点があるからである。また、
このようなポリウレタン繊維は、強度がより高く、しか
も耐久性もより高い繊維となるからである。
繊維においてその特徴をより発揮する。すなわち、繊度
が、好ましくは30d以下(この明細書中、単位「d」
はデニールを意味する)、より好ましくは20d以下、
さらにもっと好ましくは15d以下の繊維において、従
来の繊維に比較して、特に実用耐久性が高くなる。この
ような細いポリウレタン繊維は、特にゾッキ用途に好適
である。特に繊度が3〜30dのポリウレタン繊維をゾ
ッキに展開すると、良好な履き心地と高い耐久性のゾッ
キが得られる。
は、その繊維がモノフィラメントまたは2本合着された
ものであることである。
フィラメントであれば、高透明性でかつ薄いゾッキとな
るので好ましい。また、2本のモノフィラメントが製造
工程で合着(接合)された糸の場合も同様な特性となり
好ましい。
を高くすることができるので好ましい。
からなるものであるが、本発明の効果を損なわない範囲
で、ベンゾトリアゾール系薬剤等の紫外線吸収剤;ヒン
ダードアミン系薬剤等の耐光剤;ヒンダードフェノール
系薬剤等の酸化防止剤;酸化チタン、酸化鉄等の各種顔
料;硫酸バリウム;酸化亜鉛;酸化セリウム;銀イオン
を含有する無機物等の機能性無機薬剤;滑剤;各種シリ
コーン油;鉱物油;各種の帯電防止剤等が含有されてい
てもよい。
製造する方法について説明する。
れるわけではないが、たとえば、溶媒に溶解したポリウ
レタンを乾式紡糸することにより作られる。
法としては、特に限定はされないが、たとえば、以下の
2つの方法が挙げられる。
に溶解してポリウレタン溶液を得、このポリウレタン溶
液を乾式紡糸する方法である。
中で合成してポリウレタン溶液を得、このポリウレタン
溶液を乾式紡糸する方法である。
示される構造式を有するものが用いられる。
1.7〜3、ハード比率(n2 /n1)が0.65〜
3、数平均分子量が3万〜20万、軟化点が130〜2
50℃のものとする。
ては、溶融重合法であれ、溶液重合法であれ、公知の方
法が適用でき、限定されるものではない。重合の処方に
ついても、特に限定はされず、たとえば、ポリオールと
ジイソシアネートとを反応させた後、ジオールからなる
鎖伸長剤を添加し、ポリウレタンとする方法、また、ポ
リオールと、ジイソシアネートと、ジオールからなる鎖
伸長剤とを同時に反応させることによりポリウレタンを
合成する方法等が挙げられ、いずれの方法によるもので
もよい。
た同様に異種のジオールを併用する時、さらに異種のジ
イソシアネートを併用する時の方法も特に限定されるも
のではなく任意の方法が使用できる。
て任意の分子量のポリオールとする時も同様である。例
えば、ポリオールを先に混合した後にジイソシアネート
と反応させても良いし、また、分子量の異なったポリオ
ールとジイソシアネートおよびジオールを同時に反応さ
せてもよい。
する時には別々に反応させて、しかる後に混合すること
が好ましい。
ウレタン繊維の製造方法に全て共通するものである。
は、特に限定されるわけではないが、ジメチルアセトア
ミド(以下、「DMAC」と略称する)、ジメチルホル
ムアミド(以下、「DMF」と略称する)およびジメチ
ルスルホキシド(以下、「DMSO」と略称する)から
なる群から選ばれた少なくとも1種からなるものが好ま
しい。このような溶媒を用いて乾式紡糸すると、安定に
良好な繊維が得られるからである。このような観点か
ら、上記の溶媒の中でも特に好ましい溶媒はDMACで
ある。これは、ポリウレタンを溶媒に溶解する場合に限
らず、後述の第2の方法のように、溶媒中でポリウレタ
ンを合成する場合も同様である。
れるものではなく、たとえば、攪拌中の溶媒中にポリウ
レタンを添加する方法、攪拌中の溶液に超音波をかける
方法、ホモミキサーのように高速の剪断力を利用する方
法、スタティックミキサーを用いる方法等の公知の手段
が適用できる。必要に応じては、溶解助剤を併用しても
よい。ポリウレタンとして粉体やチップ状のものを用い
ることにより、ポリウレタンを溶解しやすくすることも
有効である。本発明の効果を妨げない範囲で、上記溶媒
と併せて、その他の溶媒を用いてもよい。
に応じて、MDI、HMDI、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート等を代表とする
ジイソシアネートやその誘導体(たとえば、両末端にM
DIを付加してなる、MDI付加ブタンジオール、MD
I付加エチレングリコール、MDI付加ポリプロピレン
グリコール);トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート付加ブタン
ジオール、さらには、グリセリンにMDIを付加してな
るMDI付加グリセリン等をはじめとするトリイソシア
ネート等の化合物等を添加してもよい。
液は、口金から吐出させ、乾式紡糸する。以上が第1の
方法である。
タンを合成した後、得られた反応溶液(生成したポリウ
レタンが溶解した溶液)を乾式紡糸する方法である。
加比率が1.7〜3となるように添加し、反応させる。
この反応の手法も特に限定されるものではなく、公知の
手法が適用できる。その代表的なものとしては、たとえ
ば、通常の攪拌による方法、攪拌中の溶液に超音波をか
ける方法、ホモミキサーを併用する方法、スタティック
ミキサーを用いる方法、2軸のエクストルーダーを用い
る方法、ニーダーを用いる方法等が挙げられる。
が付加されたジイソシアネート付加ポリオールを溶媒に
溶解する。好ましい溶媒は、特に限定されるわけではな
いが、この溶媒がそのまま乾式紡糸時のポリウレタン溶
液の溶媒となるので、前述した第1の方法で乾式紡糸さ
れるポリウレタン溶液の好ましい溶媒として挙げたもの
と同じである。
溶解する方法も特に限定されるものではなく、前述の第
1の方法においてポリウレタンを溶解する方法として挙
げたものと同様の方法等が好ましく用いられる。
(I)で、かつ、ハード比率が0.65〜3になるよう
にジオールを添加して鎖伸長させる。ハード比率を0.
65〜3とする場合には、ジイソシアネートと鎖伸長剤
であるジオールを適宜添加し、鎖伸長させる。また、ジ
イソシアネートと鎖伸長剤であるジオールとを予め反応
させて得られる、末端がジオールの低分子ウレタンを鎖
伸長剤として使用することも有効である。すなわち、こ
のような鎖伸長工程においては、鎖伸長剤であるジオー
ルのみならず、必要に応じて、MDI、HMDI、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート等を代表とするジイソシアネートやその誘導体(た
とえば、両末端にMDIを付加してなる、MDI付加ブ
タンジオール、MDI付加エチレングリコール、MDI
付加ポリプロピレングリコール);トリフェニルメタン
トリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシア
ネート付加ブタンジオール、さらには、グリセリンにM
DIを付加してなるMDI付加グリセリン等をはじめと
するトリイソシアネート等の化合物等を添加してもよ
い。また、モノイソシアネート、モノアミン、モノオー
ル等の末端封鎖剤等を必要に応じて添加することも有効
である。
ンの数平均分子量が3万〜20万となるように反応させ
る。
るものではなく、公知の手法が適用できる。
階法を用いることができる。
17号公報に開示されているようにポリオールとジオー
ルを溶媒に溶解し次にジイソシアネートを添加し重合す
る方法がある。
ポリオールとジオールとジイソシアネートとの比率は上
記同様である。かかる方法は簡単であり、安価に生産出
来るメリットがある。
ウレタンの軟化点が130〜250℃となるように行
う。ポリウレタンの軟化点をこのような温度にするため
には、事前にテストをし、ポリオールとジイソシアネー
トと鎖伸長剤であるジオールの各々の種類およびそれら
の比率を決めることが必要である。
を口金から吐出させ、乾式紡糸する。以上が第2の方法
である。
法とも、特定のポリウレタンが溶解してなるポリウレタ
ン溶液を用い、これを乾式紡糸するという点では共通
し、しかも、その乾式紡糸方法も双方に共通するので、
以下では、これら両方法に分離せずに、両方法に共通す
る事項について述べる。
たポリウレタンの原料として用いられる、ジオール鎖伸
長剤、ジイソシアネートおよびポリオールについては、
前述した通りである。
リオール繊維が要求される時には、ポリウレタン原料の
ジイソシアネートとしてMDIおよび/またはHMDI
を用い、ジオール鎖伸長剤としてEG、PDO、BDO
およびBHEBからなる群から選ばれた少なくとも1種
(特に好ましくは、EG)を用い、ポリオールとして下
記のものから選ばれた少なくとも1種を用いて得られた
ポリウレタンの溶液を乾式紡糸することが好ましい。
PTMGおよび/またはその共重合体、分子量が800
〜3500で側鎖として少なくとも1つのメチル基を有
するポリエステルジオール等。
好な特性を示すことは前述の通りである。
1400〜2600であり、かつ該ポリオールは単一成
分ではなく数平均分子量800〜2500と数平均分子
量1600〜4000のものとの複数成分からなるもの
が好ましい。
として、1種の分子量からなるポリオールより、幾つか
の分子量からなるものを混ぜたポリオールからなるもの
のほうが、伸度も出やすく、また耐久性も高くなり、ま
た糸の外観も高透明性となり好ましいことは前記した通
りである。
子量に対して、低分子量のポリオールを主体とし、高分
子量を少数とすることが好ましい。
2500未満のポリオールを主体にし、2500超過の
ポリオールを少なくするようにすることが好ましい。
かる構成をとることにより、製法的にも下記のような利
点が発揮されるのである。すなわち、溶液中に各種の添
加剤を付与しても溶液が安定し、紡糸性が高くなるので
ある。
温度は、(ポリウレタンの軟化点±70)℃であること
が好ましい。このような温度で加熱すると、紡糸時の糸
切が少なくなり、また、糸の温度も上がり、伸度も上が
るからである。この観点から、特に好ましい加熱温度
は、(ポリウレタンの軟化点±50)℃である。なお、
上記加熱温度は、乾式紡糸における紡糸筒の壁面温度で
ある。
でき、かつ、伸度の高い繊維を得る観点から、ドラフト
比は5〜150であることが好ましく、引取速度は30
0〜2000m/分であることが好ましい。
は、ポリウレタンの組成にもよるが、低ドラフト比で紡
糸することが好ましい。その際の好ましいドラフト比は
7〜50である。一方、伸度の比較的少ない繊維を希望
する時には、高ドラフト比で紡糸することが好ましい。
その際の好ましいドラフト比は30〜100である。こ
のように、糸の使用目的に応じて好ましいドラフト比が
選定される。なお、これらは、用いるポリウレタンの種
類によっても異なるので、所望の目的に応じて設定すれ
ばよい。
金から吐き出された糸が最初に触れるゴデローラー(口
金から吐き出され乾燥処理された糸が最初に触れる糸の
速度を規定するローラー)の速度を意味し、巻取機の巻
取速度を意味するのではない。なお、ゴデローラーの速
度と巻取機の速度が同一であっても何ら構わない。
ゴデローラーの速度よりも巻取機の速度を速くすること
である。この観点から、より好ましい速度比率(巻取機
の速度/ゴデローラーの速度)は1.2〜5である。特
に、より高強度の糸とする時には、両者間で速度差をつ
けることは有効なことである。そして、特に好ましい速
度比率は1.3〜2.5である。このような方式で糸を
巻き取ると、糸の強度は非常に高くなる。
は、孔径(D)が0.1〜0.35mmφ、かつ、孔径
(D)と孔長(L)との比率L/Dが1.1〜5の口金
を用いることが好ましい。特に、数平均分子量が5万以
上のポリウレタンを紡糸する時には、L/Dが1.2〜
4の口金を用いることが好ましい。このような口金で紡
糸すると、より高強度、かつ、より高伸度の繊維が容易
に作れるからである。
性の糸巻体(チーズ)とするには巻取機と巻取トラバー
スの速度を調整し、巻取糸体の平均綾角が5〜18゜と
なるように巻取ることが好ましい。
ラバースの速度とトラバースの幅(糸巻体の幅)であ
る。
5〜18°となるようにするのである。そして特に好ま
しい綾角は6〜12°である。かかる綾角になるように
巻取ると、伸度が高く、かつ解舒性の安定した繊維とな
るのである。
は、本発明の効果を損なわない範囲で、前述の、ベンゾ
トリアゾール系薬剤等の紫外線吸収剤;ヒンダードアミ
ン系薬剤等の耐光剤;ヒンダードフェノール系薬剤等の
酸化防止剤;酸化チタン、酸化鉄等の各種顔料、硫酸バ
リウム;酸化亜鉛;酸化セリウム;銀イオンを含有する
無機物等の機能性無機薬剤;滑剤;各種シリコーン油;
鉱物油;各種の帯電防止剤等を適宜添加されていてもよ
い。
公知の手法が適用できる。代表的なものとしては、前述
した、通常の攪拌による方法、攪拌中の溶液に超音波を
かける方法、ホモミキサーを併用する方法、さらにスタ
ティックミキサーを用いる方法、2軸のエクストルーダ
ーを用いる方法、ニーダーを用いる方法等が挙げられ
る。
構造式のポリウレタンからなっていて、繊維の小角X線
散乱像において、層線状散乱像を示すとともに子午線方
向の長周期が7〜16nmであるか、または、眉毛状4
点散乱像を示すとともに子午線方向の長周期が7〜16
nm、かつ、赤道線方向の長周期が13〜30nmであ
ると、形態固定性が高く、力学的な耐久性はもとより、
カビ等に対しても充分な耐性があり、しかも高い強度、
伸度および弾性回復性を有するとともに、細くしても、
これらの特性を保持する優れた耐久性ポリウレタン繊維
となる。
優れた性能を示す理由(繊維の構造と性能との詳細な関
係)は、まだ明らかではないが、このポリウレタン繊維
の構造と耐久性との関係についてあえて言及すれば、以
下のように推定される。すなわち、小角X線散乱像が層
線状散乱像または眉毛状4点散乱像を示すポリウレタン
繊維においては、繊維中のハードセグメントがマクロ的
に見ると比較的均一に分布しており、しかもソフトセグ
メントがタイ分子の役割を充分に果している。そのた
め、繊維にかかる外力にうまく抵抗するので耐久性が高
くなる。
が、本発明は、下記実施例に限定されない。
PTMG2000gとMDI503gを窒素シールされ
た攪拌容器中に投入し、85℃で反応させ、MDI末端
のプレポリマーを得た。次に、このプレポリマー200
0gをDMAC3840gに溶解し、さらに、鎖伸長剤
としてEGを、ハード比率が1.0になるように68.
7g添加し、反応させ、さらに末端封鎖剤としてブタノ
ールを添加することにより、ポリウレタン溶液を得た。
ウレタンの数平均分子量をGPC法で測定したところ、
ポリスチレン換算で約8万であった。また、TMA法に
より測定したポリウレタンの熱軟化点は195℃であっ
た。
(D)=0.25mmφ、孔長(L)=0.45mm、L/
D=1.8の口金を用いて加熱温度(紡糸筒の壁面温
度)200℃で乾式紡糸したところ、良好に紡糸でき、
ポリウレタン繊維を得た。
度は950m/分、速度比率(巻取速度/引取速度)は
1.36であり、ドラフト比は18であった。
が18dのモノフィラメントで強度が36gすなわち
2.0g/d、伸度が410%であった。
述の方法により撮影し、得られた写真のネガから長周期
を前述の方法により算出した。
にみるように、典型的な眉毛状4点散乱像を示した。こ
の散乱像において、子午線方向の長周期は11nm、赤
道線方向の長周期は17nmであった。
d、10フィラメント)を巻き付けてシングルカバード
ヤーンにし、このシングルカバードヤーンとナイロン糸
を用い、染料で酸性染色し、交編パンストを試作し、こ
れを実用テストしたところ、10日間の実用に耐えた。
が美しく見えた。
PTMG2000gとMDI503gを窒素シールされ
た攪拌容器中に投入し、85℃で反応させ、MDI末端
のプレポリマーを得た。次に、このプレポリマー200
0gをDMAC3890gに溶解し、さらに、ハード比
率が1.1になるように鎖伸長剤としてEG75.6g
とMDI20gを添加し、反応させ、さらに末端封鎖剤
としてブタノールを添加することにより、ポリウレタン
溶液を得た。
ウレタンの数平均分子量をGPC法で測定したところ、
ポリスチレン換算で約10万であった。また、TMA法
により測定したポリウレタンの熱軟化点は200℃であ
った。
0.20mmφ、孔長(L)=0.50mm、L/D=2.
5の口金を用いて加熱温度(紡糸筒の壁面温度)200
℃で乾式紡糸したところ、良好に紡糸でき、ポリウレタ
ン繊維を得た。
度は900m/分、速度比率(巻取速度/引取速度)は
1.64であり、ドラフト比は18であった。
が17dのモノフィラメントで強度が37.4gすなわ
ち2.2g/d、伸度が370%であり、極めて高強度
であった。
述の方法により撮影したところ、実施例1と同様の眉毛
状4点散乱像を得た。また、子午線方向の長周期および
赤道線方向の長周期の両方とも実施例1と同様であっ
た。
d、7フィラメント)を巻き付けてシングルカバードヤ
ーンにし、このシングルカバードヤーンを用いて、さら
にゾッキを試作し、含金酸性染料で染色し、これを実用
テストしたところ、15日間の実用に耐えた。
った。
PTMG1800gとBHEB250gをニーダー中で
混合し、さらに、付加比率が2.0になるようにMD1
615gを添加し、充分反応させた。その後、反応混合
物を水中に押し出し、カットして、チップ状のポリウレ
タンを得た。
法で測定したところ、ポリスチレン換算で約6万であっ
た。また、TMA法により測定したポリウレタンの熱軟
化点は190℃であった。
00gに溶解し、得られたポリウレタン溶液を実施例1
と同様にして乾式紡糸することにより、ポリウレタン繊
維を得た。
0dのモノフィラメントで強度が32gすなわち1.6
g/d、伸度が350%であった。
述の方法により撮影した結果(写真のポジ)を図4に示
す。この図にみるように、眉毛状4点散乱像を示した。
この散乱像において、子午線方向の長周期は10nm、
赤道線方向の長周期は19nmであった。
d、10フィラメント)を巻き付けてシングルカバード
ヤーンにし、実施例1と同様にして交編パンストを試作
し、これを実用テストしたところ、7日間の実用に耐え
た。
熱温度(紡糸筒の壁面温度)を230℃に、巻取速度を
680m/分に、それぞれ変更し、2本の糸を仮撚によ
り合着させたこと以外は実施例2と同様にして、ポリウ
レタン繊維を得た。
が20dで、2本の糸が合着された糸であり、強度が3
1gすなわち1.6g/d、伸度が440%であった。
すなわち、伸度が高く、高強度のポリウレタン繊維が得
られた。
述の方法により撮影した結果(写真のポジ)を図5に示
す。この図にみるように、層線状散乱像を示した。この
散乱像において、斑点長比は2.5、長短径比は1.
7、子午線方向の長周期は13nmであった。
d、7フィラメント)を巻き付けてシングルカバードヤ
ーンにし、このシングルカバードヤーンを用いてゾッキ
を試作し、これを実用テストしたところ、15日間の実
用に耐えた。
のPTMGを333g、エチレングリコール28gを3
300gのDMACに溶解し、次に229gのMDIを
追加し、次にこの溶液を60〜70℃で9時間攪拌しな
がら反応させ、さらに、ブタノールを添加し末端封鎖し
た。
2200であった。また、付加比率はほぼ2であり、ま
た、ハード比率はほぼ1であった。
で測定したところ、数平均分子量は約9万であった。ま
た、熱軟化点は190℃であった。
φ、孔長が0.45mm、すなわちL/D=1.8の口
金を用いて加熱温度220℃で乾式紡糸したところ、良
好に紡糸できた。
00m/m(速度比率=1.5)であった。また、糸の
ケークの平均綾角は9°であった。得られた繊維のデニ
ールは18デニールのモノフィラメント糸であった。
の眉毛状4点散乱像を示した。
6g/d、伸度は400%であった。
d、7フィラメント)を巻きつけ、シングルカバードヤ
ーンにし、酸性染料で染色しゾッキとし、実用テストし
たところ15日の実用に耐えた。
に富み、また良好に着色でき良好なものであった。
クストルーダー型の溶融紡糸機にかけ、230℃で紡糸
することにより、ポリウレタン繊維を得た。その際、引
取速度は650m/分、巻取速度は850m/分、速度
比率(巻取速度/引取速度)は1.31であった。ま
た、ドラフト比は40であった。
0dのモノフィラメントで強度が21gすなわち約1.
1g/d、伸度が340%であった。
述の方法により撮影した結果(写真のポジ)を図6に示
す。この図にみるように、典型的な2点散乱像を示し
た。この散乱像において、子午線方向の長周期は11n
mであった。
糸を巻き付けてシングルカバードヤーンにし、実施例1
と同様にして交編パンストを試作し、これを実用テスト
したところ、3日間の実用で破壊された。
TMG800gとMD1200gを窒素シールされた攪
拌容器中に投入し、85℃で反応させ、MDI末端のプ
レポリマーを得た。次に、このプレポリマーをDMAC
1900gに溶解し、さらに、鎖伸長剤としてエチレン
ジアミン30gを添加し、反応させ、さらに末端封鎖剤
としてジエチルアミンを添加することにより、ポリウレ
タン溶液を得た。
ウレタンの数平均分子量をGPC法で測定したところ、
ポリスチレン換算で約3万であった。また、TMA法に
より測定したポリウレタンの熱軟化点は245℃であっ
た。
0.25mmφ、孔長(L)=0.45mm、L/D=1.
8の口金を用いて加熱温度(紡糸筒の壁面温度)210
℃で乾式紡糸し、2本の糸を仮撚により合着させたとこ
ろ、良好に紡糸でき、ポリウレタン繊維を得た。
度は880m/分、速度比率(巻取速度/引取速度)は
1.26であり、ドラフト比は18であった。
が20dで2本の10dの糸が合着されたものであっ
た。また、強度が22gすなわち1.1g/d、伸度が
500%であり、極めて高強度であった。
述の方法により撮影したところ、比較例1とほぼ同様の
散乱像を得た。また、子午線方向の長周期は9nmであ
った。
糸を巻き付けてシングルカバードヤーンにし、実施例1
と同様にして交編パンストを試作し、これを実用テスト
したところ、3日間の実用で破壊された。このパンスト
は、実施例1、3および比較例1のパンストに比べてサ
イズが小さいものであり、着用時、やや履きにくいもの
であった。その理由は、熱軟化温度が高いためと推定さ
れる。
リウレタン繊維とは異なる特定の構造を有することによ
り、形態固定性が高く、力学的な耐久性はもとより、カ
ビ等に対しても充分な耐性があり、しかも高い強度、伸
度および弾性回復性を有するとともに、細くしても、こ
れらの特性を保持する。
ポリウレタン繊維を安定に容易に製造することができ
る。
に利用可能である。その例を以下に列挙する。ゾッキ、
ストッキング、パンティーストッキング、水着、スキー
ズボン、レオタード、靴下、作業服、煙火服、洋服、ウ
ールとの併用による紳士・婦人用スーツ等の衣服、ウェ
ットスーツ、ブラジャー、ガードル、パンツ等の締め付
け用紐、紙おしめ等のサニタリー品の漏れ防止用締め付
け部材、ゴルフズボン、疑似餌、造花、人工皮膚、人工
血管、人工心臓、電気絶縁材料、ワイピングクロス、コ
ピークリーナー、ガスケット、安全衣服の締め付け部
材、実験着の締め付け部材、防水資材の締め付け部材、
包帯、ヘアキャップの締め付け部材、手袋の締め付け部
材、果樹用袋の締め付け部材など。
により示す層線状散乱像の一例を表す模式図である。
により示す眉毛状4点散乱像の一例を表す模式図であ
る。
ある。
ある。
ある。
ある。
Claims (27)
- 【請求項1】下式(I)で示されるポリウレタンからな
る繊維であって、その小角X線散乱像において、層線状
斑点からなる層線状散乱像を示し、かつ、子午線方向の
長周期が7〜16nmであることを特徴とする耐久性ポ
リウレタン繊維。 −(P−U−R1 −U−)n1−(R2 −U−R3 −U)n2− …(I) (式中、Pはポリオール残基、R1 およびR3 は互いに
同一でも異なってもよいジイソシアネート残基、R2 は
ジオール残基、Uはウレタン結合をそれぞれ表し、n1
は1〜10の範囲の繰り返し単位数、n2 は1〜10の
範囲の繰り返し単位数である。) - 【請求項2】層線状斑点の中心線の長さと該層線状斑点
の最大幅との比である斑点長比が1.5以上である請求
項1記載の耐久性ポリウレタン繊維。 - 【請求項3】1対の層線状斑点の中心線を結び、長径お
よび短径がそれぞれ赤道線および子午線に重なる楕円を
描くことができ、この楕円の前記長径と短径との比であ
る長短径比が1.3以上である請求項1または2記載の
耐久性ポリウレタン繊維。 - 【請求項4】下式(I)で示されるポリウレタンからな
る繊維であって、その小角X線散乱像において、眉毛状
4点散乱像を示し、子午線方向の長周期が7〜16n
m、かつ、赤道線方向の長周期が13〜30nmである
ことを特徴とする耐久性ポリウレタン繊維。 −(P−U−R1 −U−)n1−(R2 −U−R3 −U)n2− …(I) (式中、Pはポリオール残基、R1 およびR3 は互いに
同一でも異なってもよいジイソシアネート残基、R2 は
ジオール残基、Uはウレタン結合をそれぞれ表し、n1
は1〜10の範囲の繰り返し単位数、n2 は1〜10の
範囲の繰り返し単位数である。) - 【請求項5】ジイソシアネート残基R1 およびR3 の各
々としてジフェニルメタンジイソシアネート残基および
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート残基からなる
群から選ばれた少なくとも1種が配置され、ジオール残
基R2 としてエチレングリコール残基、1,3−プロパ
ンジオール残基、1,4−ブタンジオール残基、ネオペ
ンチルグリコール残基、1,2−プロピレングリコール
残基、1,4−シクロヘキサンジメタノール残基、1,
4−シクロヘキサンジオール残基、1,4−ビス(β−
ヒドロキシエトキシ)ベンゼン残基、ビス(β−ヒドロ
キシエチル)テレフタレート残基およびパラキシリレン
ジオール残基からなる群から選ばれた少なくとも1種が
配置されている請求項1から4までのいずれかに記載の
耐久性ポリウレタン繊維。 - 【請求項6】ポリオール残基Pとしてポリテトラメチレ
ンエーテルグリコール残基およびポリテトラメチレンエ
ーテルグリコール共重合体残基からなる群から選ばれた
少なくとも1種が配置され、ジイソシアネート残基R1
およびR3 としてジフェニルメタンジイソシアネート残
基が配置され、ジオール残基R2 としてエチレングリコ
ール残基が配置されている請求項5記載の耐久性ポリウ
レタン繊維。 - 【請求項7】ポリオール残基Pの分子量が800〜35
00であり、ポリウレタンの数平均分子量が3万〜20
万である請求項1から6までのいずれかに記載の耐久性
ポリウレタン繊維。 - 【請求項8】ポリオール残基Pが単一成分ではなく数平
均分子量800〜2500と数平均分子量1600〜4
000のものとの複数成分からなり、かつポリオール残
基P全体としての数平均分子量が1200〜2600で
ある請求項1から7までのいずれかに記載の耐久性ポリ
ウレタン繊維。 - 【請求項9】下式(II)で表される付加比率が1.7〜
3であり、ハード比率(n2 /n1 )が0.65〜3で
ある請求項1から8までのいずれかに記載の耐久性ポリ
ウレタン繊維。 付加比率=(ジイソシアネートに基づくNCO基の数) /(ポリオールに基づく水酸基の数) …(II) (ただし、上記式(II)中、ポリオールに基づく水酸基
の数には、鎖伸長剤のジオールに基づく水酸基の数は含
まれない。) - 【請求項10】強度が1.5g/d以上であり、伸度が
300%以上である請求項1から9までのいずれかに記
載の耐久性ポリウレタン繊維。 - 【請求項11】乾式紡糸されたものである請求項1から
10までのいずれかに記載の耐久性ポリウレタン繊維。 - 【請求項12】軟化点が130〜250℃である請求項
1から11までのいずれかに記載の耐久性ポリウレタン
繊維。 - 【請求項13】繊度が30デニール以下である請求項1
から12までのいずれかに記載の耐久性ポリウレタン繊
維。 - 【請求項14】繊維がモノフィラメントまたは2本合着
されたものである請求項1から13までのいずれかに記
載の耐久性ポリウレタン繊維。 - 【請求項15】繊度が3〜30デニールであり、ゾッキ
に用いられる請求項14記載の耐久性ポリウレタン繊
維。 - 【請求項16】溶媒にポリウレタンが溶解してなるポリ
ウレタン溶液を乾式紡糸することによりポリウレタン繊
維を製造する方法において、前記ポリウレタンが、下式
(I)で示される構造式を有するとともに、下式(II)
で表される付加比率1.7〜3、ハード比率(n2 /n
1 )0.65〜3、数平均分子量3万〜20万および軟
化点130〜250℃を有するものであることを特徴と
する耐久性ポリウレタン繊維の製造方法。 −(P−U−R1 −U−)n1−(R2 −U−R3 −U)n2− …(I) (式中、Pはポリオール残基、R1 およびR3 は互いに
同一でも異なってもよいジイソシアネート残基、R2 は
ジオール残基、Uはウレタン結合をそれぞれ表し、n1
は1〜10の範囲の繰り返し単位数、n2 は1〜10の
範囲の繰り返し単位数である。) 付加比率=(ジイソシアネートに基づくNCO基の数) /(ポリオールに基づく水酸基の数) …(II) (ただし、上記式(II)中、ポリオールに基づく水酸基
の数には、鎖伸長剤のジオールに基づく水酸基の数は含
まれない。) - 【請求項17】ポリウレタン溶液が、ポリオールとジイ
ソシアネートとを付加比率が1.7〜3となるように反
応させて得られたジイソシアネート付加ポリオールを溶
媒に溶解した後、ジオールを添加し、鎖伸長反応させる
ことにより得られたものである請求項16記載の耐久性
ポリウレタン繊維の製造方法。 - 【請求項18】ポリウレタン溶液が、ポリオールとジオ
ールとジイソシアネートとを有機溶媒中で反応させるこ
とにより得られたものである請求項16に記載の耐久性
ポリウレタン繊維の製造方法。 - 【請求項19】ポリウレタン溶液の溶媒が、ジメチルア
セトアミド(DMAC)、ジメチルホルムアミド(DM
F)およびジメチルスルホキシド(DMSO)からなる
群から選ばれた少なくとも1種からなるものである請求
項16〜18のいずれかに記載の耐久性ポリウレタン繊
維の製造方法。 - 【請求項20】ポリウレタン溶液の溶媒がジメチルアセ
トアミド(DMAC)であり、乾式紡糸の際の加熱温度
が(ポリウレタンの軟化点±70)℃である請求項19
記載の耐久性ポリウレタン繊維の製造方法。 - 【請求項21】ポリウレタンの鎖伸長剤のジオールとし
て、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビ
ス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートおよびパラ
キシリレンジオールからなる群から選ばれた少なくとも
1種を用いる請求項16から20までのいずれかに記載
の耐久性ポリウレタン繊維の製造方法。 - 【請求項22】ポリウレタンの原料ジイソシアネートと
してジフェニルメタンジイソシアネートおよび/または
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを用い、ポリ
ウレタンの鎖伸長剤のジオールとしてエチレングリコー
ルを用い、ポリウレタンの原料ポリオールとして分子量
800〜3500の、ポリテトラメチレンエーテルグリ
コールおよび/またはその共重合体を用いる請求項21
記載の耐久性ポリウレタン繊維の製造方法。 - 【請求項23】数平均分子量が800〜2500のポリ
オールと1600〜4000のポリオールを混合し、全
体としての数平均分子量が1200〜2600としたポ
リオールを用いることを特徴とする請求項16〜22の
いずれかに記載の耐久性ポリウレタン繊維の製造方法。 - 【請求項24】乾式紡糸の際、ドラフト比5〜150、
かつ、引取速度300〜2000m/分の条件下で引き
取る請求項16から23までのいずれかに記載の耐久性
ポリウレタン繊維の製造方法。 - 【請求項25】乾式紡糸の際、孔径(D)が0.1〜
0.35mmφ、孔径(D)と孔長(L)の比率L/Dが
1.1〜5の口金を用いる請求項16から24までのい
ずれかに記載の耐久性ポリウレタン繊維の製造方法。 - 【請求項26】乾式紡糸の際、ゴデローラーに対する巻
取機の速度比(巻取機の速度/ゴデローラーの速度)を
1.2〜5として巻き取る請求項16から25までのい
ずれかに記載の耐久性ポリウレタン繊維の製造方法。 - 【請求項27】巻取糸体の平均綾角度が5〜18°とな
るように巻取ることを特徴とする請求項16〜26まで
のいずれかに記載の耐久性ポリウレタン繊維の製造方
法。
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-
1995
- 1995-03-02 JP JP07064595A patent/JP3658733B2/ja not_active Expired - Lifetime
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