JP3230119B2 - 火災検知器 - Google Patents

火災検知器

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、火炎から放射される紫
外線や赤外線などの輻射光を受光ガラス内に配設された
受光素子で検出して火災の発生を検知する火災検知器に
係り、さらに詳しくは、受光ガラスの側方に設けた投光
素子グローブ内に配設した投光素子から投光して受光素
子の動作試験を行なう手段を備えた火災検知器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】トンネルや地下街などには、通常、輻射
式の火災検知器が設置されているが、火災検知器を設置
してから時間が経過すると、受光素子を保護する受光ガ
ラスが外気に含まれる塵埃等の付着により汚損して光の
透過率が徐々に低下し、その結果、受光素子の受光量が
減少して正確な火災検知ができないことがある。
【0003】このようなことから、一部の高機能化され
た火災検知器においては、受光ガラスの側方に設けた擬
似炎光源(投光素子)を点灯し、その光を受光ガラスを
介して受光素子に投光して火災検知器が正常に火災検知
動作を行なうかどうかの動作試験を行なうようにしたも
のがある。
【0004】図7は従来のこの種火災検知器の一例を示
す平面図、図8はそのA−A断面図である。図におい
て、1は上部が開口された円筒状のケース、2は中心部
に穴3を有し、後述の受光ガラス4とともにケース1の
開口部を閉じてケース1とともに筐体を構成するカバ
ー、4はほぼ半球状の受光部5と鍔部6とからなり、透
光性カバーを構成する受光ガラスである。7は中心部に
穴8を有し、受光部5がカバー2の穴3内に挿入された
受光ガラス4の鍔部6を、カバー2との間にOリング9
a,9bを介して挟持し、気密に固定する固定リングで
ある。
【0005】10は中央部に三角形状の突出部を有する
凸状の受光部取付台で、その両斜面には円筒状の受光素
子ケース11a,11bが設けられており、先端部には
特定波長の光のみが通過する光学フィルタ12a,12
bが装着されている。13a,13bは例えば焦電素子
からなり、火炎から放射された輻射光を検出する受光素
子、13c,13dは同じくフォトダイオードからなる
受光素子で、受光部取付台10の斜面の背面に固定され
た副プリント基板14a,14bに搭載され、受光素子
ケース11a,11b内に位置している(なお、受光素
子13b,13dは図示していない)。15は主プリン
ト基板で、受光部取付台10が固定されており、受光部
取付台10を受光ガラス4の受光部5内に収容した状態
で、支柱(図示せず)を介してカバー2に取付けられて
いる。
【0006】18a,18bは擬似炎光源を構成するL
EDの如き投光素子で、主プリント基板15上に立設さ
れたホルダー21a,21b上に取付けられており、固
定リング7に設けた穴7a,7b(7bは図示せず)か
ら、カバー2のねじ穴30a,30b内に突出してい
る。32a,32bは透明又は半透明のガラスからな
り、投光素子18a,18bを覆って気密に保護する投
光素子グローブである。
【0007】この投光素子グローブ32a,32bは、
図9に示すように、上部が半円状に形成された円筒状の
投光部33と鍔部34とからなり、カバー2に設けたね
じ穴30aの下部に設けた段部31上に第1のパッキン
35を介して挿入される。そして、鍔部34上に第2の
パッキン36、ワッシャ37が嵌入され、さらにねじ穴
30aに螺入された固定ねじ38により気密に固定され
ている。
【0008】再び図7、図8において、投光素子グロー
ブ32a,32bが取付けられたカバー2の下面には、
固定リング7との間にOリング9a,9bを介して受光
ガラス4の鍔部6が挟持され、固定される。そして、受
光部取付台10を受光ガラス4の受光部5内に収容する
と共に、投光素子18a,18bを投光素子グローブ3
2,32b内に収容して主プリント基板15を支柱を介
してカバー2に取付ける。ついで、パッキン39を介し
てカバー2の取付腕41a,41b,41c,41dを
ケース1の取付腕40a,40b,40c,40d(4
0a,40b,40dは図示してない)上に重ね、ねじ
42により気密に固定する。そして、投光素子18a,
18bに通電し、その擬似炎光を受光素子13c,13
dに投光して各種の試験を行なう。
【0009】ところで、上記のような火災検知器を、例
えば、トンネル内に設置した場合、車輌などによる塵
埃、排ガス、水しぶき、漏水などが常時発生する劣悪な
環境下に放置されているため、これらが受光ガラス4及
び投光素子グローブ32a,32bに付着して汚損す
る。このため、汚損の程度を検査し、必要に応じて受光
素子13a〜13dの出力信号等を補正しなければなら
ない。
【0010】このような受光ガラス4等の汚損の程度を
試験するには、投光素子18a,18bから受光ガラス
4を介して受光素子13a〜13dに投光し、その発光
強度を徐々に低下させてどの程度で反応しなくなるかを
測定し、これによって汚損の程度を検知する。したがっ
て、投光素子18a,18bの投光当初の発光強度が高
いほど、精度のよい試験ができる。そのため、投光素子
18a,18bと受光素子13a〜13dの光軸を正確
に合わせることにより、最大強度の投光を行なうことが
必要である。
【0011】このように、投光素子18a,18bから
の一定強度の投光に対して、受光素子13a〜13dに
どの程度の受光があるかということを測定することによ
り受光ガラス4等の汚損の程度を試験するようにしてい
るので、投光素子18a,18bの光軸がずれると受光
素子13a〜13dは一定の光を得ることができなくな
り、試験精度が低下することになる。このようなことか
ら、投光素子18a,18bの光軸の維持には従来から
種々工夫がこらされている。
【0012】図10〜図13は投光素子18a,18b
の取付構造の一例を示すものである。ブロック状の下部
ホルダー21の上面には投光素子18の外周形状に対応
した半円状の凹部22が形成されており、その両側には
係止穴23が設けられている。24は下面に設けた突起
部である。25は上部ホルダーで、下面に半円状の凹部
26を有し、その両側には下部ホルダー21の係止穴2
3に対応して突起部27が設けられている。また、プリ
ント基板15には下部ホルダー21の突起部24が嵌入
する貫通穴16及び投光素子18のリード線19が挿入
されるスルーホール17が設けられている。
【0013】上記のような下部ホルダー21は、図11
に示すように、その突起部24をプリント基板15の貫
通穴16に嵌入し、固定する。そして、投光素子18を
下部ホルダー21の凹部22上に載置すると共に、その
リード線19をスルーホール17に挿入する。ついで、
図12に示すように、上部ホルダー25の突起部27を
下部ホルダー21の係止穴23に嵌入し、投光素子18
を挟持する。そして、投光素子18のリード線19をプ
リント基板15にはんだ付けする。このときの状態を図
13に示す。
【0014】図14、図15は投光素子18の他の取付
例を示すもので、ブロック状のホルダー28には投光素
子18を挿入する穴29が設けられており、ホルダー2
8をプリント基板15に固定したのち、投光素子18を
ホルダー28の穴29に挿入すると共に、そのリード線
19をプリント基板15のスルーホール17に挿入して
はんだ付けをしたものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】図10〜図13に示し
た投光素子の取付構造は、下部ホルダー21に投光素子
18を支持させたのち上部ホルダー25を載置してねじ
で固定するようにしているので、投光素子18の着脱が
面倒である。
【0016】また、投光素子18の位置(プリント基板
15からの高さ)は、受光素子13a〜13dの位置に
より一定であるが、上記従来の取付構造は下部ホルダー
21と上部ホルダー25との間に投光素子25を挟持す
るようにしており、また、図14、図15に示した投光
素子の取付構造は、投光素子18を挿入する穴29がホ
ルダー28の上面より下方に設けられているため、いず
れの場合も投光素子18の上方にホルダーの一部が存在
する。このため、ホルダーのカバー2からの突出部が高
くなり、これを覆う投光素子グローブ32a,32bの
カバー2からの突出長も必然的に高くなる。この結果、
運搬時や設置後に車輌等によって飛ばされた小石などに
より、投光素子グローブ32a,32bが割れたり亀裂
を生ずる等の破損の機会が多くなり、その都度交換しな
ければならない。
【0017】本発明は、上記の課題を解決すべくなされ
たもので、投光素子の着脱が容易で光軸を正確に固定す
ることができ、さらに、投光素子を保護する投光素子グ
ローブの筐体上面からの露出長を短くすることのできる
投光素子の取付構造を備えた火災検知器を得ることを目
的としたものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る火災検知器
は、筐体のカバーに装着され一部がカバーの表面に露出
した投光素子グローブと、プリント基板に立設された支
持台の上端部に載置されそのリード線がプリント基板に
電気的に接続された投光素子とを有し、この投光素子を
投光素子グローブ内に挿入して投光素子グローブと投光
素子が接触するか又は近接するようにプリント基板をカ
バーに固定するようにしたものである。
【0019】
【作用】支持台の上端部に投光素子を載置すると、投光
素子の投光中心軸とそのリード線とのなす角度θがほぼ
90°のときは投光素子はほぼ水平に保持され、θ<9
0°のときは投光素子が支持台に押し上げられてほぼ水
平に保持される。また、θ>90°のときは、投光素子
は斜め上方に傾いた状態で保持される。そして、支持台
と共に投光素子を投光素子グローブ内に挿入すると、投
光素子がほぼ水平に保持されている場合は、投光素子は
投光素子グローブに接触するか又は僅かな間隙を隔てて
保持され、また、投光素子が斜め上方に傾いて保持され
ている場合は、投光素子グローブによって押し下げら
れ、投光素子グローブに接触した状態でほぼ水平に保持
される。
【0020】このようにして、プリント基板をカバーに
固定すると、受光素子は支持台と受光素子グローブとの
間に受光素子グローブと接触するか又は僅かに近接した
状態で保持され、光軸が固定される。そして、この投光
素子から受光素子に投光して受光素子の動作試験を行な
う。
【0021】
【実施例】図2は本発明実施例の要部をなす投光素子取
付部の実施例の斜視図、図3はその分解斜視図である。
両図において、51は投光素子18の支持台で、上端部
には投光素子18の外形に対応した形状のほぼ半円状の
凹部52が設けられている。54a,54bはスリット
53a,53bによって弾性が付与された係止片で、そ
の下端部は支持台51の下面より下方まで延出され、係
止部55a,55b(55bは図示せず)が設けられて
いる。56a,56b,56c,56d(56bは図示
せず)は支持台51の下面四隅に突設された係合突起で
あるが、これは省略してもよい。
【0022】18は投光素子、19はそのリード線であ
る。57a,57bは投光素子18のリード線19が接
続される接続端子、58a,58bはその接続金具であ
る。なお、65は動作確認灯である。61はプリント基
板15に設けられ、支持台51の係止片54a,54b
が係止する係止穴、62a,62b,62c,62dは
係止穴61の両側に設けられ、支持台51の係合突起5
6a〜56dが係合する係合穴である。63a,63b
は接続端子57a,57bの接続金具58a,58bが
挿入されるスルーホール、64は動作確認灯65のリー
ド線が挿入されるスルーホールである。
【0023】次に、投光素子18と動作確認灯65の組
立順序の一例を説明する。先ず、接続端子57a,57
aの接続金具58a,58b及び動作確認灯65のリー
ド線66をそれぞれプリント基板15のスルーホール6
3a,63b及び64に挿入し、他の電気部品と共には
んだ付けする。ついで、支持台51の係止片54a,5
4bをプリント基板15の係止穴61に挿入すると共
に、係合突起56a〜56dを係合穴62a〜62dに
嵌入し、裏面において係止片54a,54bの係止部5
5a,55bを係止穴61の縁部に係止させる。これに
より、支持台51はプリント基板15の所定の位置に固
定される。次に、投光素子18を支持台51の凹部52
内に載置し、そのリード線19を接続端子57a,57
bに挿入して接続すれば、組立は完了する。
【0024】なお、図4に示すように、支持台51の一
方の面に断面L字状の保持部51aを設け、投光素子1
8を支持台51の凹部52内に載置したときに、その鍔
部18aをこの保持部51aに嵌入して保持させるよう
にしてもよい。
【0025】図1は上述の投光素子18等を備えたプリ
ント基板15を、カバー2に装着した状態を示す本発明
要部の断面図である。カバー2には下面からねじ穴45
があけられており、その上端部にはねじ穴45より小径
の段部46が形成されている。投光素子グローブ32は
ガラス又は合成樹脂によって形成された透明又は半透明
でほぼ半球状の投光部33と鍔部34とからなり、投光
部33に第1のパッキン47が嵌入された投光素子グロ
ーブ32を下方からねじ穴45内に挿入し、第1のパッ
キン47を段部46に当接させる。そして、第2のパッ
キン48をねじ穴45内に挿入し、ついで、固定ねじ4
9をねじ穴45に螺入して締付けることにより、投光素
子グローブ32は気密かつ水密にカバー2に装着されて
いる。
【0026】このように、投光素子グローブ32はカバ
ー2の下方からねじ穴45内に挿入され、その下から固
定ねじ49を螺入して固定するようにしたので、ねじ穴
45と固定ねじ49のねじ目の間に塵埃等が侵入して固
化するおそれがない。このため、投光素子グローブ32
を交換する場合などには、固定ねじ49を容易に緩める
ことができる。なお、上述のカバー2の下面には受光ガ
ラス4を挟持した固定リング7が取付けられている。
【0027】上記のようなカバー2にプリント基板15
を取付けるには、先ず、プリント基板15に装着した受
光部取付台10を受光ガラス4内に収容すると共に(図
8参照)、投光素子18とこれを支持する支持台51及
び動作確認灯65を投光素子グローブ32内に挿入し、
プリント基板15をカバー2に設けた支柱43にねじ4
4で固定する。このとき、投光素子グローブ32の投光
部33は、投光素子18に接触するか又はきわめて近接
して位置し、光軸が固定される。また、投光部33のカ
バー2の表面からの露出高さは、従来に比べて大幅に低
くなっている。
【0028】ところで、投光素子18のリード線19
は、通常、ほぼ90°に曲げられているが、多数の中に
はこの角度θが90°でないものがあり、また、取扱中
に変化することもある。本発明においては、θ>90°
の場合は、図5に示すように、投光素子18等を投光素
子グローブ32内に挿入する際に、その投光部33によ
り投光素子18が押し下げられて矯正され、ほぼ水平に
支持台51上に保持される。また、θ<90°の場合
は、図6に示すように、投光素子18を支持台51の凹
部52内に載置する際に、投光素子18が支持台51に
押し上げられて矯正され、ほぼ水平に支持台51上に支
持される。
【0029】上記の説明では、支持台51を係止片55
a,55bによりプリント基板15に固定した場合を示
したが、他の手段により固定してもよく、また、投光素
子18のリード線19を接続端子57a,57b、接続
金具58a,58bを介してプリント基板15に接続し
た例を示したが、これらを省略して投光素子18のリー
ド線19を直接プリント基板15に接続してもよい。さ
らに、本発明を実施する火災検知器も図1、図7、図8
に示した構造のものに限定するものではなく、他の構造
の火災検知器にも実施することができる。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る火災検知器は、筐体のカバーに装着され一部がカ
バーの表面に露出した投光素子グローブと、プリント基
板に立設された支持台の上端部に載置されそのリード線
がプリント基板に接続された投光素子とを有し、この投
光素子を投光素子グローブ内に挿入して投光素子グロー
ブと投光素子が接触するか又は近接するようにプリント
基板をカバーに固定するようにしたので、投光素子の着
脱がきわめて容易であり、その上投光素子の光軸を正確
に固定することができる。
【0031】また、投光素子を支持台の上端部に載置す
るようにしたので、プリント基板からの高さが低くな
り、さらに、投光素子グローブに接触するか又は近接す
るように投光素子を位置させるようにしたので、投光素
子グローブのカバー表面からの露出部を低くすることが
できる。このため、運搬時や設置時における投光素子グ
ローブの破損や汚損の機会が少なくなり、寿命を延すこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の要部を示す断面図である。
【図2】図1の投光素子等の取付状態を示す斜視図であ
る。
【図3】図2の分解斜視図である。
【図4】支持台の他の実施例の側面図である。
【図5】本発明の作用説明図である。
【図6】本発明の作用説明図である。
【図7】従来の火災検知器の一例の平面図である。
【図8】図7のA−A断面図である。
【図9】図7の投光素子グローブの取付状態を示す断面
図である。
【図10】従来の投光素子の取付手順を示す説明図であ
る。
【図11】従来の投光素子の取付手順を示す説明図であ
る。
【図12】従来の投光素子の取付手順を示す説明図であ
る。
【図13】従来の投光素子の取付手順を示す説明図であ
る。
【図14】従来の投光素子の他の取付手順を示す説明図
である。
【図15】従来の投光素子の他の取付手順を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 ケース 2 カバー 7 固定リング 15 プリント基板 18 投光素子 19 リード線 32 投光素子グローブ 51 支持台 54a,54b 係止片

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半球状の受光ガラス内に配設された火災
    検知用の受光素子に、前記受光ガラスの側方に設けた投
    光素子グローブ内に配設した投光素子から投光して前記
    受光素子の動作試験を行なうようにした火災検知器にお
    いて、 筐体のカバーに装着され一部が該カバーの表面に露出し
    た投光素子グローブと、 プリント基板に立設された支持台の上端部に載置されそ
    のリード線が該プリント基板に電気的に接続された投光
    素子とを有し、 該投光素子を前記投光素子グローブ内に挿入し、該投光
    素子グローブと前記投光素子が接触するか又は近接する
    ように前記プリント基板をカバーに固定したことを特徴
    とする火災検知器。
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