JP3230071B2 - 梁材に曲げモーメントを発生させない梁構造 - Google Patents

梁材に曲げモーメントを発生させない梁構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は大スパン梁や橋桁に適用
される梁構造に係るものである。
【０００２】
【従来の技術】従来の張弦梁は図５に示すようにトラス
の束材ａまたは斜材と上弦材ｂ及び張弦材ｃとをピン接
合、あるいは剛接合した後、外部から弦材に張力を与え
てトラス材の曲げモーメントを低減する方式のものであ
った。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の張弦梁は、
上弦材及び束材並に張弦材が一体となって機能し、上弦
材及び張弦材が共に撓み、張弦材には引張力が作用して
梁には曲げ応力が生じるため、相当の剛性と耐力が必要
となる。本発明は前記従来技術の有する問題点に鑑みて
提案されたもので、その目的とする処は、曲げモーメン
トを発生させることがなく、経済的な大スパンの設計が
可能な梁構造を提供する点にある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る梁構造は、梁の上部に所定間隔毎に配
設されたサブビームより垂設された各束材を、前記梁に
上下方向に滑動自在に貫通し、前記各束材の下端を張弦
材にピン接合して構成されている。
【０００５】
【作用】本発明に係る梁構造は前記したように、サブビ
ームより垂設された束材が梁に上下方向に滑動自在に貫
通されているので、サブビームに荷重ｐが作用すると、
束材が下降して同束材の下端がピン接合された張弦材に
張力を生じ、同張弦材の張力によって荷重を支持する。
而して同張弦材は梁端で固定されているので、梁には軸
力のみ生じ、曲げモーメントは発生しない。
【０００６】
【実施例】以下本発明を図示の実施例について説明す
る。１は鉄、木材またはＲＣ造の梁で、同梁１の上部に
所定間隔毎にサブビーム２が同梁１と直交して配設さ
れ、同各サブビーム２より垂設された束材３が前記梁１
に穿設された透孔１ａを介して上下方向に滑動自在に貫
通され、前記各束材３の下端部に一体に取付けられた環
体４に、ワイヤストランド、鋼棒、形鋼等から構成され
た張弦材５が遊挿されてピン接合部が構成され、同張弦
材５の両端が前記梁１の両端部で固定されている。
【０００７】図示の実施例は前記したように構成されて
いるので、サブビーム２に荷重ｐが作用すると、各束材
３は梁１の透孔１ａ内を滑動して下降し、下端部の環体
４を介して張弦材５に引張力Ｔを発生せしめて梁端部に
伝達し、同梁端部に鉛直反力Ｒ及び圧縮力Ｎを発生せし
める。このように梁材には曲げモーメントを発生させ
ず、圧縮力Ｎのみ発生せしめることによって、大スパン
の梁を経済的に設計できる。
【０００８】また本発明は図４に示す如き傾斜した梁に
も適用することができるものであって図中前記実施例と
均等部分には同一符号が付されている。
【０００９】
【発明の効果】本発明に係る梁構造は前記したように、
梁の上部に所定間隔毎に配設されたサブビームより垂設
された束材を、前記梁に上下方向に滑動自在に嵌挿し、
束材下端を張弦材にピン接合したことによって、梁には
軸力のみ発生し、曲げモーメントが発生しない構造とし
て、大スパン構造の梁を構成しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る梁構造の一実施例を示す正面図で
ある。
【図２】図１の部分拡大縦断側面図である。
【図３】前記梁構造の部分拡大斜視図である。
【図４】本発明に係る梁構造の他の実施例を示す正面図
である。
【図５】従来の梁構造を示す正面図である。
【符号の説明】
１ 梁 １ａ 透孔 ２ サブビーム ３ 束材 ４ 環体 ５ 張弦材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 梁の上部に所定間隔毎に配設されたサブ
    ビームより垂設された各束材を、前記梁に上下方向に滑
    動自在に貫通し、前記各束材の下端を張弦材にピン接合
    してなることを特徴とする梁材に曲げモーメントを発生
    させない梁構造。
JP27429693A 1993-11-02 1993-11-02 梁材に曲げモーメントを発生させない梁構造 Expired - Fee Related JP3230071B2 (ja)

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