JP3229880B2 - カンジダアルビカンスの検出方法 - Google Patents

カンジダアルビカンスの検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カンジダアルビカンス
(Candida albicans)をDNAレベル
で特異的に検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カンジダアルビカンスは、免疫不全の患
者にとって重要な病原菌である。このカンジダ症の診断
には、抗原又は抗体を検出する血清学的な方法が従来か
ら使われていた。しかし、抗体検出法では、免疫機能の
低下した患者に抗体産生能の低下が観察されることや、
逆に健康人にも高い抗体価を示す場合があるので、診断
法として問題があった。一方、抗原検出法では、検体内
に病原菌が少なくとも105 個存在しないと検出できな
いという感度上の問題があるので、菌の培養操作等を必
要とした。以上のように、従来、カンジダ症の良好な診
断法は存在しなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、迅速か
つ確実にカンジダアルビカンスを検出するために、カン
ジダアルビカンスのDNAを制限酵素を用いて分解し、
得られたカンジダアルビカンスのDNA断片をクローニ
ングし、それらの各種クローニングDNA断片について
プローブとしての評価を行ったところ、カンジダアルビ
カンスのDNAと特異的にハイブリダイズするプローブ
として用いることのできるDNA断片を見い出した。次
に、このプローブの部分塩基配列を決定し、その部分塩
基配列に相補的なDNAを合成したところ、PCR法の
プライマーとして良好に用いることができることを見い
出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、カン
ジダアルビカンスA血清型M1012株の全DNAを制
限酵素EcoO109Iで分解して得られ、一端より約
0.1kbの位置に制限酵素HincII認識部位を有す
る約0.9kbのDNA断片を標識し、イン・ザイチュー
でプローブとして被検試料と接触させ、前記標識からの
信号を検出することを特徴とする、カンジダアルビカン
スのA血清型及びB血清型の検出方法に関する。本明細
書の塩基配列において、Aはアデニン残基、Cはシトシ
ン残基、Gはグアニン残基そしてTはチミン残基の意味
である。また、本発明者が見出した別の方法は、配列表
における配列番号1の配列で表される塩基配列の少なく
とも15塩基のオリゴヌクレオチド部分を含有する第1
のDNAプライマーと配列表における配列番号2の配列
で表される塩基配列の少なくとも15塩基のオリゴヌク
レオチド部分を含有する第2のDNAプライマーの組み
合わせと、DNAポリメラーゼと、水性液体被検試料と
を含む混合液をDNA増幅工程にかけ、続いて、得られ
た反応液をDNA検査工程にかけることを特徴とする、
カンジダアルビカンスの検出方法である。
【0005】本発明方法で用いる液体被検試料とは、カ
ンジダアルビカンスを含有している疑いのある試料であ
れば特に制限されない。例えば、血液、唾液、咽頭拭い
液、組織切片等を用いることができる。
【0006】前記の別のカンジダアルビカンス検出方法
は、主に、(1)DNA増幅工程と、(2)DNA検査
工程とからなる。このDNA増幅工程(1)では、PC
R(Polymerase Chain Reacti
on)法を用いることができる。PCR法を利用する
と、微量のDNAから目的とするDNA領域のみを自動
的に約百万倍にまで増幅することができる(Scien
ce,239:487−491)。PCR法では、増幅
させるDNA領域を挟んで+鎖に対するプライマー(以
下、第1プライマーと称する)及び−鎖に対するプライ
マー(以下、第2プライマーと称する)の二種類のDN
Aプライマーを用いる。
【0007】前記別法のDNA増幅工程(1)では、第
1プライマーと第2プライマーの組み合わせを用いるこ
とにより、カンジダアルビカンスのミトコンドリアDN
AをEcoO109I処理して得られるDNA断片の1
つであるEO3に由来する約1.8kbの領域のみを特異
的に増幅することができる。
【0008】前記の第1プライマー及び第2プライマー
はそれぞれ15mer〜30merであることができる
が、一般的には20mer〜25merであることが好
ましい。第1プライマー及び第2プライマーは、それぞ
れ配列表における配列番号1及び配列番号2の配列で表
される25塩基の配列のうちの少なくとも15塩基のオ
リゴヌクレオチドを含有していればよい。第1プライマ
ー及び第2プライマーが15mer未満であるとアニー
リングの際の特異性が減少し、非特異的結合が増加す
る。また30merを越えるとプライマー分子間あるい
は分子内での二重鎖を取り易くなるので好ましくない。
本発明方法で用いる第1プライマー及び第2プライマー
のそれぞれを構成する各塩基は、公知の任意の態様で修
飾(例えばビオチン又は発光物質によるラベル化)され
ていてもよい。
【0009】前記別法で用いる前記のそれぞれの第1プ
ライマー及び第2プライマーは、通常のDNA自動合成
機(例えばアプライドバイオシステム社製)を用いて、
公知のDNA合成法(例えばホスホアミダイト法)によ
って調製することができる。
【0010】前記別法ののDNA増幅工程(1)では、
第1プライマー及び第2プライマーと共に、DNAポリ
メラーゼ、例えば耐熱性DNAポリメラーゼを用いて増
幅サイクルを繰り返す。耐熱性ポリメラーゼとしては、
特に95℃までの温度で活性を維持することのできるD
NAポリメラーゼ、例えば、市販のTaqポリメラーゼ
を用いることができる。
【0011】前記別法のDNA増幅工程では前記の第1
プライマーと第2プライマーとの特定の組み合わせ、D
NAポリメラーゼ及び液体被検試料を含む混合液を用い
る。第1プライマー、第2プライマー及びDNAポリメ
ラーゼの使用量は、液体被検試料の種類によって変化す
るが、PCR法によるDNA増幅工程を実行することが
できる範囲で容易に決定することができる。この混合液
は場合により、緩衝液(例えば、トリス塩酸緩衝液)、
安定剤(例えば、ゼラチン)、又は塩類(例えば、塩化
ナトリウム)を含有することができる。
【0012】前記別法では、前記の混合液を用いてPC
R法の増幅サイクルを実施する。増幅サイクルは、 (i)DNAの変性工程(約90℃〜95℃で、約10
秒〜約2分間) (ii)1本鎖DNAの第1プライマー及び第2プライマ
ーとのアニーリング工程(約37℃〜70℃で、約30
秒〜約3分間)、及び (iii )DNAポリメラーゼによるDNA合成工程(約
65℃〜80℃で、約30秒〜約5分間)とからなる。
1サイクル毎にDNA量は2倍に増幅され、nサイクル
後には2n 倍に増幅される。本発明においては、前記の
増幅サイクルを10〜60回、好ましくは20〜40回
繰り返す。最後のサイクルにおいては、工程(iii)での
加熱時間を約5〜10分間に延長してDNA合成が完全
に行われるようにするのが好ましい。
【0013】被検試料中にカンジダアルビカンスが存在
する場合には、前記の増幅サイクル終了後に、約1.8
kbのDNA断片EO3が大量に合成される。このDNA
断片EO3の一部である約1.8kbのDNA断片を次の
DNA検査工程によって検出する。
【0014】DNA検査工程としては、ゲル電気泳動法
及びエチジウムブロマイド染色を利用する方法、サザン
ブロットハイブリッド法、又はジデオキシ法による塩基
配列決定法などを用いることができる。ゲル電気泳動法
を行う場合には、例えば、アガロースゲルを担体とした
サブマリーン型電気泳動、又はアクリルアミドを用いた
スラブ型電気泳動を使用することができる。
【0015】サザンブロットハイブリッド法、又はin
situハイブリッド法を行う場合には、非放射性プ
ローブ(例えば、酵素標識プローブ、ビオチン化プロー
ブ、ジゴキシゲニン化プローブ又は化学発光物質、蛍光
物質でラベルしたプローブ)を用いることができる。更
に、ジデオキシ法による塩基配列決定法を利用する場合
には、蛍光ラベルを使用したDNAオートシークエンサ
ー(アプライドバイオシステムズ社)等を用いることが
できる。
【0016】本発明は更に、カンジダアルビカンス−D
NAの特異的な検出に用いることのできるDNAプロー
ブを提供するものでもある。即ち、カンジダアルビカン
スのミトコンドリアDNAをEcoO109Iで分解し
て得られる約2kbのDNA断片であるEO3を標識して
プローブとして用いることにより、カンジダアルビカン
スのA血清型及びB血清型を特異的に検出することがで
きる。このDNA断片EO3は1.3kb離れて存在する
2つのPvuII認識部位を保有している。また、カンジ
ダアルビカンスの全DNAをEcoO109Iで分解し
て得られる一端より約0.1kbの位置にHincII認
識部位を有する約0.9kbのDNA断片であるEO1を
標識してプローブとして用いることもできる。これらの
DNAプローブEO3及びEO1は、被検試料がPCR
法によるDNA増幅工程を経たものであっても、あるい
はin situハイブリッド法であっても、カンジダ
アルビカンスDNAを特異的に認識することができる。
プローブEO3及びEO1の標識物質としては、従来公
知の任意の物質、例えば32Pなどの放射性物質、好まし
くは非放射性物質(酵素、蛍光色素、発光物質、ビオチ
ン等)を用いることができる。この標識物質から信号を
発生させ、更にその信号を測定する方法も、従来公知の
任意の方法を用いる。
【0017】前記別法においては、被検試料中にカンジ
ダアルビカンスが存在する場合にのみ、前記の第1プラ
イマーと第2プライマーとの組み合わせによりそれぞれ
約1.8kbのDNA断片EO3が短時間のうちに特異的
に大量に増幅合成される。従って、被検試料中における
カンジダアルビカンスの存在を極めて特異的に検出する
ことができる。更に、被検試料中のカンジダアルビカン
ス量が微量であってもDNA断片EO3が増幅合成され
るので高感度である。また、本発明方法においては、
(場合により増幅した)カンジダアルビカンス−DNA
に特異的な標識DNAプローブEO3又はEO1を用い
るので、極めて正確にカンジダアルビカンスを検出する
ことができる。更に前記の第1及び第2プライマーを用
いる増幅工程と前記のプローブEO3を用いる検査工程
とを併用すると、検査の所要時間はエチジウム染色の場
合は4〜5時間程度であり、サザンブロットハイブリッ
ド法まで行う場合でも48〜50時間程度であり、迅速
に結果を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。以下の実施例において使用した標準菌株は、以下の
とおりである。カンジダアルビカンスM1012A血清
型、カンジダアルビカンスM1445B血清型、カンジ
ダトロピカリス(C.tropicalis)M101
7、カンジダギラモンディー(C.guillierm
ondii)M1023、カンジダクルセイ(C.kr
usei)M1005、カンジダパラプシロシス(C.
parapsilosis)M1015、カンジダシュ
ードトロピカリス(C.pseudotropical
is)M1004、カンジダグラブラタ(C.glab
rata)M4002、サッカロミセスセレビシアエ
(Saccharomyces cerevisia
e)LL20〔文献1〕、黄色ブドウ球菌(Staph
ylococcus aureus)ATCC2592
3、大腸菌(Escherichia coli)JM
109、緑膿菌(Pseudomonas aerug
inosa)ATCC27853、クリプトコッカスネ
オフォルマンス(Cryptococcus neof
ormans)NIH−68〔文献2〕、ヒト口腔偏平
上皮癌HSC−2細胞株〔JCRB細胞バンク〕〔文献
3〕。
【0019】また、以下の実施例において用いた各種の
供試カンジダ菌株は、明治薬科大学、(株)ヤトロン及
び理化学研究所(JCM:Japan Collect
ion of Microorganisms)の保存
株である〔文献4及び5〕。カンジダ菌株の同定は、通
常の生物学的方法〔文献6〕及びポリクローナル因子血
清〔カンジダチェック:(株)ヤトロン〕を用いる血清
学的方法〔文献5〕によって行った。酵母の培養はサブ
ロー培地〔Difco社〕中で27℃にて行い〔文献
4〕、細菌の培養は普通栄養液体培地〔栄研(株)〕中
で37℃にて行った。
【0020】《実施例1:DNAの調製》カンジダアル
ビカンスA血清型(A型)M1012株〔明治薬科大学
から入手〕をザイモリエース(Zymolyase)に
よりスフェロプラストとした後〔文献7〕、Cryer
らの方法〔文献8〕に従い、全DNAを調製した。即
ち、プロテイナーゼK(Merck & Co)の存在
下でスフェロプラストを1%(w/v)SDSで溶解
し、その溶解物をクロロホルム−イソアミルアルコール
(24:1)で処理してタンパク質を除去した後、膵R
Nase(SigmaChem.Co:50μg/ml)
処理、RNaseTI(BoehringerMann
heim:100U/ml)処理及びα−アミラーゼ(B
oehringer Mannheim:0.03U/
ml)処理を行った。クロロホルム−イソアミルアルコー
ル抽出とRNase処理を3回繰り返し、エタノールで
沈澱させ、得られた精製DNAをエタノール沈澱によっ
て集め、TE−バッファー(10mMトリスHCl−1mM
−Na2 EDTA,pH8.0)に溶解し、遺伝子ライブ
ラリーの作成に用いた。他のカンジダ菌株については、
前記と同様のスフェロプラスト溶解物をクロロホルム−
フェノール(1:1)で抽出処理してタンパク質を除い
た後、膵RNaseで処理し、エタノール沈澱により粗
DNAを調製し、これらを後述のハイブリダイゼーショ
ン及びPCR法に用いた。クリプトコッカスネオフォル
マンス(C.neoformans)、ヒト由来細胞株
及び各種細菌の粗DNAは、Restrepoらの方法
〔文献9〕及びManiatisらの方法〔文献10〕
により調製した。
【0021】《実施例2:多コピーDNA断片のクロー
ン化》前記実施例1で得られたカンジダアルビカンスM
1012の全DNAをEcoO109Iで分解し、1%
アガロースゲルで電気泳動した。アガロース上に生じた
不連続なDNA断片バンドのうち、約0.9kb及び約2
kbの長さのDNA断片バンド(各々図1にEO1とEO
3で示す)からDNAを抽出し、各々の接着末端をクレ
ノー断片により平滑末端化した。各DNA断片をpUC
118のSmaI部位に連結した後、大腸菌(E.co
li)JM109に移入し、約0.9kb断片及び約2kb
断片を有するプラスミドのライブラリーを作製した。約
0.9kb挿入断片のライブラリーからは各種制限酵素の
切断で同一の切断パターンを示す4つのプラスミドが得
られたことからこれらを同一クローンとみなし、代表的
な1つのプラスミドを選びその挿入断片をEO1と命名
した。同様の方法で、約2.0kb挿入断片のライブラリ
ーから同一のプラスミド3つを得、そのうちの1つの挿
入断片をEO3と命名した(図1参照)。
【0022】《実施例3:DNAプローブの標識》カン
ジダアルビカンス由来のEO1(0.9kbDNA断片)
とEO3(2kbDNA断片)をランダムプライマーDN
Aラベリングキット〔宝酒造(株)〕を用いて〔α−32
P〕dCTP(Amersham Internati
onalplc:3,000 Ci/ミリモル)で標識
し、ニックカラム(Pharmacia LKB)で精
製した。
【0023】《参考例1:EO3の特異性》各種菌株よ
り得たDNAにつきドットブロットハイブリダイゼーシ
ョンを行い、DNA断片EO3の種特異性を調べた。即
ち、前記実施例1で調製した粗DNAの熱変性物各5μ
l(0.1μg及び1.0μg)を、予めアルカリ処理
したナイロン膜(Hybond−N:Amersha
m)上にスポットした後、80℃で20分間乾燥して固
定した(ドットブロッテイング)。続いて、この膜に対
し、前記実施例3で標識したプローブEO3で68℃に
て20分間、Maniatisらの方法〔文献10〕に
より、ハイブリダイゼーションを行った。プローブの比
活性は1x109 cpm/μgDNAであった。ハイブ
リダイゼーション後に膜を洗浄し、X線フィルム〔フジ
RX:富士写真フィルム(株)〕に対し−80℃で密着
させた。結果を図2及び表1に示す。プローブEO3は
カンジダアルビカンスA血清型及びB血清型の標準株D
NAに特異的に結合した(図2;Aのa−1,a−
2)。しかし、他の医学的に重要なカンジダ属に属する
6種の菌株(C.tropicalisなど、a−3〜
b−4)、S.cerevisiae(c−1)、S
t.aureus(c−2)、E.coli(c−
3)、P.aeruginosa(c−4)、Cr.n
eoformans(f−3)及びヒト由来細胞株(f
−4)の各標準株DNAのいずれに対しても結合しなか
った。またプローブEO3はカンジダアルビカンスA血
清型(d−1〜e−1)及びB血清型(e−2〜f−
2)の保存株10株のすべてのDNAに結合した。プロ
ーブEO3によるドットブロット分析の比較実験の結果
を表1に示す。この結果はプローブEO3がカンジダア
ルビカンス(両血清型を含む)に特異的であることを示
している。
【0024】同様の結果はEO1をプローブとした場合
にも示された(図2;B)。プローブEO1もカンジダ
アルビカンスに特異的ではあるが、カンジダアルビカン
スDNA1.0μg(各対の下側のスポット)に対する
プローブEO1の結合度は、同種のDNA0.1μg
(各対の上側のスポット)に対するプローブEO3の結
合度よりも弱かった。プローブEO1とプローブEO3
の標識比活性は等しいので、DNA断片EO3はDNA
断片EO1よりもゲノム内のコピー数がはるかに多いも
のと考えられる。
【0025】《参考例2:EO3の由来》DNA断片E
O3が核DNA又はミトコンドリアDNA(mtDNA)
のどちらに由来するかを調べるために、カンジダアルビ
カンスA血清型及びB血清型数株の全DNAをEcoR
Iで切断し、プローブEO3を用いてサザンブロットハ
イブリダイゼーション分析を行った。EcoRI切断産
物を電気泳動し、エチジウムブロマイド染色を行った結
果、Willsらの報告した〔文献11及び12〕カン
ジダアルビカンスmtDNAの5つのEcoRI切断々片
(E1〜E5)の大きさに対応する大きさを有する5本
の不連続なバンドが検出された(図3;Aのレーン3及
びレーン4)。サザンブロット分析を行ったところ、プ
ローブEO3は、カンジダアルビカンスA血清型及びB
血清型株ともに、これら5本のうちの2本のバンド、す
なわちE2(10.0kb)とE3(8.1kb)の位置に
結合することが示された(図3;B)。更に、DNA断
片EO3の制限酵素切断地図を作成した結果、DNA断
片EO3は相互に約1.3kb離れた2つのPvuII部位
〔文献12の図7と同様〕を保有していた(図4;
A)。これらの結果からDNA断片EO3はカンジダア
ルビカンスmtDNAに由来しているものと推定される。
【0026】《参考例3:プライマーの合成》DNA断
片EO3の両端領域の部分塩基配列をダイデオキシ法
〔文献13〕により決定した(図4;A)。この配列に
基づき、PCR法で用いる一対のプライマー(20me
r)2種をDNA合成装置で作製した。即ち、381A
型自動DNA合成装置(Applied Biosys
tems,Inc.)に、アデニンCPGカラムを装着
してプライマー(1a)〔TAGGTGAGAC ATATCACAGA 〕及
びプライマー(2a)〔GTTATATCGC TAGTATATGA 〕を合
成した。
【0027】アンモニア水(約30%)2.5mlを入れ
たディスポシリンジ(2.5ml)を、合成工程が完了し
たCPGカラムに接続し、アンモニア水をカラム内に押
し出して、合成したDNAフラグメントを溶出した。回
収したDNAアンモニア溶液の入ったバイアル瓶を密栓
し、55℃で6時間加温した後、室温まで冷やしてから
濃縮した。濃縮物を凍結乾燥し、10mMトリエチルアン
モニウムアセテート(以下、TEA−Aと称す)(pH
7.4)に溶解し、沈澱を除いてから、L−6200型
高速液体クロマトグラフィー装置(日立製作所)(以
下、HPLCと称す)に分離用カラム(YMC−Pac
k ODS−AM313:YMC社)を装着し、5%ア
セトニトリルを含んだ95mM−TEA−Aとアセトニト
リルとによる濃度勾配を用いて精製し、メインピークを
集めた。得られた沈渣に80%酢酸(アセトニトリルで
調整)を加えて懸濁させ、室温で30分間保持してから
減圧乾燥した。乾燥物を10mM−TEA−Aに溶解し、
ジエチルエーテルで抽出してから減圧乾燥した。乾燥し
たDNA試料をTEA−Aに溶解し、沈澱を除いてか
ら、2回目のHPLCによる精製を行い、メインピーク
を集めた。こうして得られた精製DNAプライマーを減
圧乾燥して保存し、後記の実施例で用いた。
【0028】《参考例4:EO3のPCR法への応用》
TaqDNAポリメラーゼ(耐熱性:Perkin−E
lmer)0.625Uを反応液25μl〔50mM−K
Cl、1.5mMMgCl2 、10mMトリスHCl(pH
8.3)、0.001%(w/v)ゼラチン、各々0.
2mMのdGPT、dATP、dTTP及びdCTP(P
erkin−Elmer)、標的DNA250pg及び各
プライマー1 μM を含む〕に加えた。DNAをPCRプ
ロセッサー(Bio Oven:Bio Therm)
中で、 熱変性:92℃で45秒間、 アニーリング(二重鎖形成反応):50℃で30秒
間、及び プライマー伸張反応:72℃で90秒間のサイクルを
35回繰り返し行って増幅させた。最終サイクルでは、
PCRの残存産物を完全な二重鎖とするため更に72℃
で7分間反応させた。
【0029】前記実施例1で得た粗DNA(表1に示し
たものと同じ)を用い、35サイクルのPCR処理の
後、そのPCR産物をアガロースゲル電気泳動により分
析した。結果を図5及び表2に示す。図5から明らかな
通り、カンジダ属の7菌種を始めとする12標準株のう
ちカンジダアルビカンスA血清型及びB血清型のDNA
にのみ1.8kb断片が検出され、その他の株では増幅さ
れたバンドは認められなかった。表2には、標準株以外
に多数の株についてPCR処理を行い、そのPCR産物
をアガロースゲルで分析した結果を示す。カンジダアル
ビカンスA血清型及びB血清型の31株全てにおいて
1.8kb断片の増幅が観察された。一方、カンジダアル
ビカンスに属していない菌株及びヒト細胞株において
は、増幅されたDNA断片は全く検出されなかった。
【0030】《参考例5:3種のPCR産物の同定》前
記参考例4で用いたカンジダアルビカンスA血清型及び
B血清型の菌株には、PCR産物にわずかな大きさの相
違が見出された。図5のAの右端に示したようにこれら
のPCR産物を、その大きさの違いにより3種(L型、
M型及びS型)に大別した。図5から明らかなとおり、
前記実施例1においてDNA断片EO3のクローン化に
用いたカンジダアルビカンスM1012菌株のPCR処
理からはM型のPCR産物が得られた。次に、L型、M
型及びS型の各PCR産物をHincII、PvuII及び
BglII−PvuIIにより切断して解析した(図6)。
その結果を示す制限酵素地図(図4;B)から明らかな
通り、1つのHincII部位を含む短い断片(図4Bの
斜線領域aで示す)がS型産物で欠け、またもう1つの
短い断片(同図の斜線領域bで示すBglII−Hinc
II断片内の一部)がM型産物及びS型産物の両方に欠け
ていることが分かる。PCR法で陽性となった28株の
PCR産物について同様の解析を行った結果、すべての
PCR産物が図6に示す3型のいずれか1つに一致し
た。これらの結果は、このような大きさの多様化に関わ
る領域はDNA断片EO3の制限酵素地図上のある限ら
れた領域、BglII−HincII断片内の一部及び(又
は)HincII部位を含む一部に存在していることを示
している。
【0031】次にこれらの増幅された断片がEO3領域
に由来していることを示すために、PCR陽性31株す
べてのPCR産物について、EO3をプローブとしたサ
ザンブロットハイブリダイゼーションを行った。表2と
図5のBに示すように、プローブEO3は増幅された
1.8kb断片のすべてと結合した。しかし結合した断片
の大きさは図5のAに示したエチジウムブロマイド染色
断片に対応したサイズ多様性を示した。従って、これら
の結果から、増幅された1.8kb断片はDNA断片EO
3内の同一の領域に由来していること、またその断片に
は、その大きさにわずかな多様性があるものの、カンジ
ダアルビカンスのすべての株に特異的に含まれているこ
とが明らかにされた。
【0032】《参考例6:PCRの感度》カンジダアル
ビカンスDNAを検出するPCRの感度を調べるため
に、カンジダアルビカンス精製DNAの10倍希釈系列
(105 〜101 fg/μl)を作り、各々の2.5μl
をPCR法反応液25μlに加え、各増幅産物をアガロ
ース電気泳動及びEO3をプローブとするサザンブロッ
トハイブリダイゼーションで解析した(図7)。エチジ
ウムブロマイド染色による検出限界は2.5pg〔DNA
(1pg/μl)含有液2.5μlを反応液に添加する場
合に相当〕であるのに対し、サザンハイブリダイゼーシ
ョンでは理論的に酵母の1細胞に相当するDNA量と推
測される25fg(25×10-15 g)であった。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】前記別法では、プライマー(1a)とプ
ライマー(2a)との組合せを用いるPCR法により、
カンジダアルビカンスmtDNA由来の約2kbのDNA領
域(EO3)内の約1.8kbの領域を特異的に増幅する
ことができる。このDNA領域(EO3)はカンジダア
ルビカンスA血清型及びB血清型のいずれにおいても特
異的に存在するのに対し、他のカンジダ属に属する菌に
は存在しない。従って、本発明のプライマーによって該
領域を増幅し、DNA検査工程として好ましくは本発明
プローブを使用すると、試料中に少量のDNAしか存在
しなくても、カンジダアルビカンスを特異的に検出する
ことができる。
【0036】本発明によると、カンジダアルビカンスmt
DNA由来の約2kbのDNA断片EO3、及びカンジダ
アルビカンス全DNA由来の約0.9kbのDNA断片E
O1は、それぞれカンジダアルビカンスA血清型及びB
血清型のいずれのDNAに対しても特異的であるので、
DNA断片EO3又はEO1をプローブとすることによ
り、カンジダアルビカンスを特異的に検出することがで
きる。
【0037】更に、前記PCR法と前記プローブEO3
とを組み合わせると、精製DNAの検出限界はわずか2
5fg(1細胞相当のDNA)であり、極めて高感度でカ
ンジダアルビカンスの検出を行うことができる。なお、
DNA断片EO3内の1.8kb断片は、ヒト由来の細胞
には存在しない。従って、カンジダアルビカンスを臨床
材料からPCR法で特異的に検出する際に、混同を生じ
る恐れがない。以上のように、本発明は特異性と感度の
優れた新しいカンジダアルビカンスの迅速検出及びカン
ジダ症の迅速診断手段を提供することができる。
【0038】前記の参考文献は以下のとおりである。 文献1:Szostak,J.W.,et al, 1979, Insertion of a g
enetic marker into theribosomal DNA of yeast. Plas
mid 2:536-554 文献2:Kagaya,K.,et al, 1985, Characterization of
pathogenic constituents of Cryptococcus neoforman
s strains. Microbiol. Immunol. 29:517-532 文献3:Miyakawa,Y.,et al, 1986, Production and ch
aracterization of agglutinating monoclonal antibod
ies against predominant antigenic factors for Cand
ida albicans. J.Clin. Microbiol. 23:881-886 文献4:Kagaya,K.,et al, 1989, Immunologic signifi
cance of diverse specificity of monoclonal antibod
ies against mannans of Candida albicans. J.Immuno
l. 143:3353-3358 文献5:Meyer,S.,et al, 1984, Genus 4 Candida Berk
hout, p. 585-844. In N.J.W.Kreger-van Rij(ed.), Th
e yeasts: a taxonomic study, 3rd ed. Elsevier Scie
nce Publishers B.V., Amsterdam 文献6:Kaufman,L.,et al, 1986, Serodiagnosis of f
ungal diseases, p. 446-466, In N.R.Rose, et al (e
d.), Manual of clinical laboratory immunology, 3rd
ed. American Society for Microbiology, Washingto
n, D.C. 文献7:Torres-Bauza,L.J.,et al, 1980, Protoplasts
from yeast and mycelial forms of Candida albican
s. J. Gen. Microbiol. 119:341-349 文献8:Cryer,D.R.,et al, 1975, Isolation of yeast
DNA, In D. M. Prescott(ed.), Methods in cell biol
ogy, Vol. 12, Academic Press, New York 文献9:Restrepo,B.I.,et al, 1989, Cloning of 18S
rDNAs from the pathogenic fungus Cryptococcus neof
ormans. J. Bacteriol. 171:5596-5600 文献10:Maniatis,T.,et al, 1982, Molecular cloni
ng: a laboratory manual. Cold Spring Harbor Labora
tory, Cold Spring Harbor, N.Y. 文献11:Wills,J.W.,et al, 1984, Repetitive DNA o
f Candida albicans: nuclear and mitochondrial comp
onents, J. Bacteriol. 157:918-924 文献12:Wills,J.W.,et al, 1985, Circular mitocho
ndrial genome of Candida albicans contains a large
inverted duplication, J. Bacteriol. 164:7-13 文献13:Sanger,F.,et al, 1977,DNA sequencing wit
h chain terminating inhibitors, Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 74:5463-5467
【0039】
【配列表】
<110> IATRON LABORATORIES, INC. <120> Method for detecting Candida albicans <130> IAT9112D1 <160> 2 <210> 1 <211> 25 <212> DNA <213> Candida albicans <400> 1 ATAGGTGAGA CATATCACAG ATTAT <210> 2 <211> 25 <212> DNA <213> Candida albicans <400> 2 CATGGTTATA TCGCTAGTAT ATGAC
【図面の簡単な説明】
【図1】カンジダアルビカンスDNA由来の多コピーを
有するクローン化DNA断片のアガロースゲル電気泳動
の結果を示す図面に代わる写真である。レーン1及びレ
ーン2は各々DNAサイズスタンダードであり、レーン
1がHindIII 分解λDNAで、レーン2がEcoT
14I分解λDNAである。レーン3はカンジダアルビ
カンスM1012株の全DNAのEcoO109I分解
物である。レーン4及びレーン5は、挿入断片EO1及
び挿入断片EO3を有するプラスミドのEcoRI−P
stI分解物及びEcoRI−HindIII 分解物であ
る。
【図2】プローブの種特異性をドットブロットハイブリ
ダイゼーションによって分析した結果を示す図面に代わ
る写真であり、(A)はプローブEO3、(B)はプロ
ーブEO1の結果をそれぞれ示す。各プローブに関する
比放射能は1×109 cpm/μgDNAであった。各
種菌株からのDNAを0.1μg(各対の上部)及び
1.0μg(各対の下部)の量で膜上にドットブロッテ
ィングした。ブロッティングしたDNAは以下のとおり
である。 a−1:カンジダアルビカンスM1012A血清型、 a−2:カンジダアルビカンスM1445B血清型、 a−3:カンジダトロピカリス(C.tropical
is)M1017、 a−4:カンジダギラモンディー(C.guillie
rmondii)M1023、 b−1:カンジダクルセイ(C.krusei)M10
05、 b−2:カンジダパラプシロシス(C.parapsi
losis)M1015、 b−3:カンジダシュードトロピカリス(C.pseu
dotropicalis)M1004、 b−4:カンジダグラブラタ(C.glabrata)
M4002、 c−1:サッカロミセスセレビシアエ(Sacchar
omyces cerevisiae)LL20、 c−2:黄色ブドウ球菌(Staphylococcu
s aureus)ATCC25923、 c−3:大腸菌(Escherichia coli)
JM109、 c−4:緑膿菌(Pseudomonas aerug
inosa)ATCC27853、 d−1からf−2のDNAはカンジダアルビカンスA血
清型の菌株5種(d−1からe−1)とカンジダアルビ
カンスB血清型の菌株5種(e−2からf−2)由来の
ものである。f−3はクリプトコッカスネオフォルマン
ス、f−4はヒト細胞株HSC−2のDNAである。
【図3】カンジダアルビカンスDNAのEcoRI分解
物とEO3とのハイブリダイゼーションの結果を示す図
面に代わる写真である。(A)はカンジダアルビカンス
全DNAのEcoRI分解物を電気泳動した結果を示
し、(B)はプローブEO3を用いたサザンブロットハ
イブリダイゼーションの結果を示す。レーン1及びレー
ン2はそれぞれサイズスタンダードとしてのλDNAH
indIII 分解物及びEcoT14I分解物であり、レ
ーン3及びレーン4はそれぞれカンジダアルビカンスA
血清型およびB血清型である。mtDNA由来であること
が示されている個々の断片E1〜E5の位置を、Wil
lらが報告したサイズに従って示した。
【図4】(A)はカンジダアルビカンスのEO3断片の
制限酵素認識部位及びその部分的なヌクレオチド配列を
示す説明図である。左端及び右端の黒い太線部分はpU
C118であり、中央の白抜き部分はクローン化断片E
O3であり、白抜き部分の両端近傍の各黒丸はPCR用
プライマーの位置である。矢印を伴ったヌクレオチド配
列(20mer)はPCRプライマーの配列である。
(B)は図6に示すPCR産物の制限酵素分析に基づい
て、3種のPCR産物における変異を比較したものであ
る。斜線部aはS型PCR産物に欠失する領域であり、
斜線部bはS型及びM型のPCR産物に欠失する領域で
ある。
【図5】カンジダアルビカンスの粗DNAからPCR法
によって特異的に増幅した1.8kb断片を示す図面に代
わる写真である。(A)はPCR法によって生産したD
NA断片のエチジウムブロマイド染色の結果を示し、
(B)はPCR産物とプローブEO3とのサザンブロッ
ト分析の結果を示す。λBstPIは、DNAサイズス
タンダードであり、λDNAのBstPI分解物であ
る。DNAサイズスタンダードλBstPIの左側は以
下の参照菌株である。 C.alb(A):カンジダアルビカンスA血清型、 C.alb(B):カンジダアルビカンスB血清型、 C.trp:カンジダトロピカリス(C.tropic
alis)、 C.glm:カンジダギラモンディー(C.guill
iermondii)、 C.kr:カンジダクルセイ(C.krusei)、 C.pp:カンジダパラプシロシス(C.paraps
ilosis)、 C.pt:カンジダシュードトロピカリス(C.pse
udotropicalis)、 C.glb:カンジダグラブラタ(C.glabrat
a)、 S.cer:サッカロミセスセレビシアエ(Sacch
aromyces cerevisiae)、 S.aur:黄色ブドウ球菌(Staphylococ
cus aureus)、 E.coli:大腸菌(Escherichia co
li)、 Ps.aer:緑膿菌(Pseudomonas ae
ruginosa)、 DNAサイズスタンダードλBstPIの右側はカンジ
ダアルビカンスA血清型及びB血清型のそれぞれ5種の
保存菌株を示す。L,M及びSは、DNAのサイズによ
って分類したPCR産物の位置を示す。
【図6】3種のPCR産物の制限酵素分析の結果を示す
図面に代わる写真である。カンジダアルビカンスA20
7菌株(レーン3、6及び9)からのL型、カンジダア
ルビカンスM1012菌株(レーン4、7及び10)か
らのM型、そしてカンジダアルビカンス8624菌株
(レーン5、8及び11)からのS型の各増幅産物をH
indIII (レーン3〜レーン5)、PvuII(レーン
6〜レーン8)及びBglII−PvuII(レーン9〜レ
ーン11)で分解し、アガロースゲル上で電気泳動にか
けた。レーン1及びレーン2はDNAサイズスタンダー
ドであり、レーン1はλDNAのHindIII 分解物、
レーン2はλDNAのBstPI分解物である。
【図7】カンジダアルビカンスDNAをPCR法で増幅
した後に、エチジウムブロマイド染色(A)及びプロー
ブEO3とのサザンブロットハイブリダイゼーションに
よって、PCR法でのDNA検出感度を試験した結果を
示す図面に代わる写真である。精製DNAの10倍連続
希釈シリーズ(105 〜101 fg/μl)2.5μl
及びTE緩衝液を反応混合物25μlに加えてからPC
R法によって増幅した。PCR産物の各5μlをアガロ
ースゲル上で電気泳動にかけた。λBstはDNAサイ
ズスタンダードであり、λDNAのBstPI分解物で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Journal of Infect ious Disease,(1989), Vol.159,No.3,p.488−494 Journal of Clinic al Microbiology, (1990),Vol.28,No.6,p. 1204−1213 Journal of Bacter iology,(1985),Vol.164, No.1,p.7−13 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 - 15/90 C12Q 1/04 C12Q 1/68 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カンジダアルビカンスA血清型M101
    2株の全DNAを制限酵素EcoO109Iで分解して
    得られ、一端より約0.1kbの位置に制限酵素Hin
    cII認識部位を有する約0.9kbのDNA断片を標識
    し、イン・ザイチューでプローブとして被検試料と接触
    させ、前記標識からの信号を検出することを特徴とす
    る、カンジダアルビカンスのA血清型及びB血清型の検
    出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Journal of Bacteriology,(1985),Vol.164, No.1,p.7−13
Journal of Clinical Microbiology,(1990),Vol.28,No.6,p.1204−1213
Journal of Infectious Disease,(1989),Vol.159,No.3,p.488−494

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