JP3229527B2 - 溶接性に優れた高靱性高張力極厚h形鋼の製造方法 - Google Patents

溶接性に優れた高靱性高張力極厚h形鋼の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、H形鋼の製造方法
に係り、特に、降伏点355MPa以上を有し、かつ、
溶接性に優れた高靱性高張力極厚H形鋼の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】高層建築物の建設に伴い、柱材として利
用されるH形鋼の需要が急激に増加している。建築物の
柱材、梁材にはJIS G 3106で規定される溶接構造用圧延
鋼材を熱間圧延した厚肉のH形鋼が広く利用されてい
る。近年のビルの高層化、巨大化にともない、使用され
るH形鋼は厚肉、高強度化の傾向にある。しかも、耐震
性などの点から、建築構造物の安全性の向上が要求さ
れ、これらH形鋼としては重量の制限または施工面か
ら、強度が高く、しかも溶接性が良く、靱性の高い極厚
H形鋼が要望されている。
【0003】極厚H形鋼で、強度、靱性、溶接性を確保
する方法として、TMCP(ThermoMechanical Control
Process )による製造方法が知られている。フランジ
厚が75mm以下のH形鋼では、合金成分の調整と、未
再結晶温度域での圧下率の制御により、強度、靱性およ
び溶接性を確保していた。例えば、特公昭56−507
77号公報には、溶接性が優れた低温用高張力H形鋼の
製造方法が提案されている。この方法は、Ti、V、N
bのうち1種以上、Ni、Cr、Moの1種以上を添加
し、1000℃からAr1+50℃の温度で、オーステナ
イトの結晶粒成長の時間的余裕を与えることなく1パス
当たり15%以上連続で圧延する、あるいはさらに、仕
上圧延後調節冷却する低温用高張力H形鋼の製造方法で
ある。しかし、この方法では、圧延荷重、圧延トルクが
高くなりすぎて圧延機への負荷が過大になり生産工程上
は問題を残していた。また、フランジ中央部の強度靱性
が他の部位に比べ劣るという問題はまだ解決できていな
い。
【0004】また、特公昭56−35734号公報に
は、オーステナイト域で熱間加工後、少なくともオース
テナイト域温度のうちにフランジ外側からフランジ温度
をAr1点以下MS 点以上まで急冷したのち、空中放冷し
てフランジ強化H形鋼を製造する方法が提案されてい
る。しかし、この方法では、フランジ外側から冷却する
ため、フランジ厚が極厚となると、肉厚中心まで同一組
織とすることは、困難となる。また、冷却制御が難しく
厚み方向の強度が不均一となる、残留応力、歪の発生も
大きく、とくにフランジ外側の組織が脆く硬い組織とな
りやすいという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を有利に解決し、H400×400、H500×500
といった、フランジ肉厚が厚い(肉厚 40mm以上1
25mm以下)極厚H形鋼で、残留応力、歪を発生させ
ることなく、降伏点355MPa以上を有し、かつ、溶
接性に優れた高靱性高張力極厚H形鋼の製造方法を提供
することを目的にする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量%で、
C:0.08〜0.15%、Si:0.15〜0.60
%、Mn:1.00〜1.60%、P:0.010%以
下、S:0.006%以下、V:0.02〜0.08
%、Al:0.04%以下、N:0.0060〜0.0
100%以下、さらに、Cu:0.30〜0.50%、
Ni:0.30〜0.50%、Cr:0.02〜0.2
%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からな
り、かつ、Ceq(%)=(%C)+1/24(%Si)
+1/6(%Mn)+1/40(%Ni)+1/5(%
Cr)+1/4(%Mo)+1/14(%V)で定義さ
れるCeqが0.42%以下である鋼素材を、熱間加工に
より粗形鋼片とし、該粗形鋼片を1170℃以下の温度
に加熱したのち、粗ユニバーサル圧延では、パス間に
〜15sec の短時間のフランジ冷却を施しながら圧延し、
さらに、仕上ユニバーサル圧延では、パス回数を複数回
とし、パス間あるいは圧延終了後2〜15sec の短時間の
フランジ水冷を施しながら、圧延を行うことを特徴とす
る溶接性に優れた高靱性高張力極厚H形鋼の製造方法で
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明における化学成分と
製造条件について述べる。まず、化学成分について限定
理由を説明する。 C:0.08〜0.15% Cは、強度と溶接性に影響する元素であり、0.08%
未満では、目的とする強度が得られない。また、0.1
5%を超えると、溶接性が劣化する。このため、Cは、
0.08〜0.15%の範囲とした。
【0008】Si:0.15〜0.60% Siは、脱酸剤として作用し、強度を増加する元素であ
り、0.15%未満では、その効果が認められない。
0.60%超えると、靱性が劣化する。このため、Si
は、0.15〜0.60%の範囲とした。 Mn:1.00〜1.60% Mnは、強度および靱性を確保するために、1.00%
以上を必要とする。しかし、1.60%超えて添加する
と溶接性、靱性を劣化させる。このため、Mnは、1.
00〜1.60%の範囲とした。
【0009】P:0.010%以下 Pは、粒界に偏析し粒界を脆化させる元素で、できるか
ぎり低減するのが好ましいが、本発明では、0.010
%まで許容できる。 S:0.006%以下 Sは、一般的に介在物となり、靱性、延性に悪影響をお
よぼすため、低減するのが望ましく、0.006%まで
は許容できる。本発明では、Sは硫化物としてVNの析
出核となるため、極端に低減せず、0.004〜0.0
05%含有するのが好ましい。
【0010】Cu:0.30〜0.50 uは、強度増加のために、0.30%以上添加する
が、0.50%を超えての添加は熱間加工性の劣化のた
め表面性状を劣化させるため、0.50%を上限とし
た。
【0011】Ni:0.30〜0.50% Niは強度と、靱性の向上のため、0.30以上添加す
るが、0.50%を超えての添加は、コスト的に高価と
なるため、上限とした。Cr:0.02〜0.20% Crは、強度増加のために添加する。強度増加の効果が
認められるためには、0.02%以上の添加を必要とす
る。しかし、0.20を超えての添加は、溶接性を劣化
させるため、0.20%を上限とした。
【0012】V:0.02〜0.08% Vは、Nと結合し、VNを形成し、析出硬化により強度
増加に寄与する。また、圧延冷却中にVNを形成し結晶
粒を微細化する効果を有している。そのためには、0.
02%以上の添加を必要とするが、0.08%超えての
添加は、靱性を劣化させる。このため、Vは、0.02
〜0.08%の範囲とした。
【0013】Al:0.04%以下 Alは、強力な脱酸作用を有するほか、Nと結合しオー
ステナイト粒を細粒化する効果を示す。しかし、0.0
4%を超えての添加は、靱性を劣化させるため、上限と
した。好ましくは0.005%以上、脱酸のために必要
である。 N:0.0060〜0.0100% Nは、Al、V等と結合し、オーステナイト粒の微細
化、析出硬化に寄与する。Al、V量との関連で本発明
では、0.0060〜0.0100%の範囲とした。
【0014】Ceq:0.42%以下 Ceqは、溶接硬化性を評価するひとつの指標であり、
0.42%を超えると溶接割れ感受性が高くなるととも
に溶接熱影響部靱性が低下するため上限とした。つぎ
に、製造条件について述べる。転炉あるいは、電気炉で
溶製された溶鋼を造塊あるいは連続鋳造により、鋼素材
としたのち、熱間圧延によりビームブランク(BB)形
状の粗形鋼片とする。粗形鋼片を再加熱し、ブレークダ
ウン圧延機(BD)により圧延中間材とし、あるいは、
BDを用いず引き続いて、粗ユニバーサル圧延機
(UR )とエッジャ圧延機の組み合わせからなる粗ユニ
バーサル圧延機群による粗ユニバーサル圧延工程、およ
び仕上ユニバーサル圧延機(UF )による仕上ユニバー
サル圧延工程を組み合わせた圧延工程でH形鋼に圧延成
形される。
【0015】粗形鋼片の加熱温度を1170℃以下とす
る。極厚製品では、大圧下による結晶粒微細化が期待で
きないため、加熱時の初期粒の粗大化を抑えることが肝
要である。1170℃を超える温度に加熱すると、オー
ステナイト初期粒径が粗大となり、圧下率の低い部位で
の靱性が劣化するため、1170℃を上限温度とした。
さらに、好ましくは、1050〜1150℃である。
【0016】ブレークダウン圧延は、数パスの軽圧下が
好ましく、あるいは全く行わなくてもよい。粗ユニバー
サル圧延および仕上ユニバーサル圧延で、圧延のパス間
あるいは圧延終了後短時間の冷却をフランジ外面に施
す。冷却は、水冷あるいは気水スプレーいずれでもよ
い。冷却により、フランジの組織が焼入れ組織とならな
いように冷却時間あるいは水量・スプレー量を調整する
ことが重要である。圧延のパス間で行うため断続的に冷
却が繰り返される。フランジ部の冷却速度は0.2〜
0.5℃/sec、冷却時間は、2〜15secが好適
である。水量は流量密度で、500〜1600l/m2
・minが適当である。特に、圧下量の多い粗ユニバー
サル圧延での冷却が重要で、粗ユニバーサル圧延での1
パスあたりの冷却時間は、2〜15secが好適であ
る。このようなフランジ冷却により、圧延温度の低下が
達成され、肉厚が厚いにもかかわらず、フランジ部の組
織、とくにフィレット部が微細化され靱性が向上する。
【0017】フランジ部の靱性を向上させるためには、
粗ユニバーサル圧延でのフランジ部の圧下率を増加す
る。2〜10%の圧下率/パスを繰返し、累積圧下率5
0%以上行うことが好ましい。50%未満では結晶粒の
微細化がはかれない。仕上ユニバーサル圧延では、パス
回数を複数回とすることが好ましい。粗形鋼片の加熱温
度を低温としたため、仕上圧延温度が低下し、フランジ
形状の不良、圧延荷重・トルクの過大を避けるため、仕
上ユニバーサル圧延は複数パスとした。パス回数は、複
数回、好ましくは3パスあるいは5パスが良い。
【0018】
【実施例】表1に示す化学成分の鋼を転炉により溶製
し、造塊法により鋼素材としたのち、粗形鋼片(サイズ
80×550×750mm)とし、BD圧延・粗ユニバ
ーサル圧延および仕上ユニバーサル圧延により極厚H形
鋼(サイズ:H612×500×50×80)とした。
H形鋼の機械的性質を表に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【発明の効果】本発明により、従来製造が困難であっ
た、フランジ肉厚が厚い(肉厚 40mm以上)にもか
かわらず、降伏点355MPa以上を有し、かつ、溶接
性に優れた高靱性高張力極厚H形鋼を容易に製造できる
ようになり、建築構造用として利用でき、経済的効果は
非常に大きい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22C 38/58 C22C 38/58 (56)参考文献 特開 平5−271754(JP,A) 特開 昭53−57116(JP,A) 特開 平6−228634(JP,A) 特開 平3−191020(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/00,9/00 B21B 1/00 - 3/00 C22C 38/00 - 38/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.08〜0.15%、
    Si:0.15〜0.60%、Mn:1.00〜1.6
    0%、P :0.010%以下、S :0.006%以
    下、V :0.02〜0.08%、Al:0.04%以
    下、N :0.0060〜0.0100%以下、を含有
    し、さらに、Cu:0.30〜0.50%、Ni:0.
    30〜0.50%、Cr:0.02〜0.20%、を
    有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ、
    下式で定義されるCeqが0.42%以下である鋼素材
    を、熱間加工により粗形鋼片とし、該粗形鋼片を117
    0℃以下の温度に加熱したのち、粗ユニバーサル圧延で
    は、パス間に2〜15sec の短時間のフランジ水冷を施し
    ながら圧延し、さらに、仕上ユニバーサル圧延では、パ
    ス回数を複数回とし、パス間あるいは圧延終了後2〜15
    sec の短時間のフランジ水冷を施しながら、圧延を行う
    ことを特徴とする溶接性に優れた高靱性高張力極厚H形
    鋼の製造方法。記Ceq(%)=(%C)+1/24(%
    Si)+1/6(%Mn)+1/40(%Ni)+1/
    5(%Cr)+1/4(%Mo)+1/14(%V)
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