JP3229390B2 - 鉄系焼結合金およびその製造方法 - Google Patents
鉄系焼結合金およびその製造方法Info
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Description
に優れた鉄系焼結合金およびその製造方法に関する。
料粉末から一気に製品形状まで成形してしまう短い製造
工程で大量に生産されるところに特長がある。しかし中
には部品の形状あるいは寸法精度の点から焼結後に切削
加工しなければならないものもある。焼結部品は大抵の
場合硬度が高いが、このような部品の場合には切削性が
良いことが条件となる。また焼結部品は摺動部に用いら
れる場合が多く、その場合は耐磨耗性を要求される。
用されるケースが多い。焼結バルブシートは耐磨耗性は
良いが、焼結部品に特有の空孔があるため、断続切削と
なり、切削性が悪い。切削性を良くするためには次の2
つの方法がある。すなわち、鉄系焼結材は空孔が多いこ
とから、切削加工の場合微細な断続切削の作用を受け、
刃具寿命が問題となっている。
にあっては、被削性改善効果はそれほど期待できず、ま
た含油軸受けのように焼結体の空孔を利用した用途には
使用できないということがある。またFeSについては
融点(642℃)が低く、焼結過程で分解してしまうと
いうことで、被削性改善の効果的な方法ではない。
10μm 以下のMnS添加で被削性が改善されるという
技術がすでに公開されているが、耐磨耗性の向上につい
てはあまり効果の無い結果となっている。前述のように
摺動部分に使用される焼結材においては被削性とともに
耐磨耗性も要求されるので、これら2つの特性を同時に
満足する必要がある。
な従来の問題点を解決するためになされたもので、鉄系
焼結合金において、焼結部品本来の特性を変えずに被削
性を改善させ、かつ耐磨耗性も向上させることを目的と
する。
度の影響について鋭意研究を進めた結果、被削性につい
ては、粒度の細かい10μm 以下のMnSが有効であ
り、耐磨耗性については粒度のある程度大きい10〜1
00μm のMnSが有効であることを発見した。よって
本発明は、これら2種の粒度を適度の配合比によって混
在させ、被削性と耐磨耗性の2つの特性を兼ね備えたF
e基焼結材である。
子が5〜50重量%、粒径10〜100μm の粒子が5
0〜95重量%であるMnS粒子が0.1〜5.0重量
%均一に分散した組織状態としたことを特徴とした鉄系
焼結合金であり、また本発明は、粒径10μm 以下の粒
子5〜50重量%、粒径10〜100μm の粒子50〜
95重量%からなるMnS粒子を鉄系焼結原料に0.1
〜5.0重量%均一に混合し成形・焼結することを特徴
とする鉄系焼結合金の製造方法である。
の切削面にあってその刃具磨耗を抑え、切削寿命を伸ば
すが、その粒度が10μm 以下のように細かい方が刃物
と接触する機会が増し、効果を発揮する。10μm 以下
の粒子が全MnS粒子の5%未満ではその効果が少な
く、50%越えではその効果が変わらないため、10μ
m 以下のMnS粒子の全MnS粒子の占める割合を5〜
50%とする。
結果、MnS粒子は固体潤滑作用を有し、Fe基摺動部
にあって自らの耐磨耗性向上は勿論、相手材の攻撃性を
も和らげる効果があることが発見された。この効果はM
nS粒度がある程度大きい方が良く、すなわち10〜1
00μm の粒度が良好で、その全MnS粒子に占める比
率が50%未満では効果が少なく、95%越えではその
効果が変わらないため、その範囲を50〜95%とす
る。
nSの添加量に関しては、MnSが0.1%未満である
と被削性が得られずまた5.0%越えであると焼結に影
響を及ぼして焼結後の硬さ、強度が低下する。よってM
nSの添加量は0.1〜5.0%の範囲とした。上記の
ようなMnS粉末を鉄系原料粉末に混合し、さらに黒
鉛、潤滑剤、Cu粉末などの通常の添加物と混合して焼
結原料とした後の製造工程は、MnSを加えることによ
ってとくに影響されることなく、通常の成形・焼結条件
を用いて良い。
る。対象部品としてガソリンエンジンのバルブシートを
選んだ。バルブシートには比較的高温で用いられる排気
側バルブシートと比較的低温側で用いられる吸気側バル
ブシートの2種があるが、その両方について実験を行っ
た。
−2.5wt%Cu−0.5wt%Mo−残部Feの組
成の原料と、これに0.5wt%のMnSを、粒径10
μm 以下の粒子と粒径10〜100μm の粒子との比率
を変えて添加したもの(表1)および粒径10μm 以下
が30%、粒径10〜100μm が70%の粒子構成と
したMnSの添加量を種々変えたもの(表2)を用い
た。
C−2.0wt%Ni−10.0wt%Cr−0.5w
t%Mo−8.0wt%Co−3.0wt%W−残部F
eの組成の原料と、これに1wt%のMnSを、粒径1
0μm 以下の粒子と粒径10〜100μm の粒子との比
率を変えて添加したもの(表3)および粒径10μm 以
下が15%、粒径10〜100μm が85%の粒子構成
としたMnSの添加量を種々変えたもの(表4)を用い
た。
ス成形し、アンモニア分解ガス焼結炉にて1130℃で
30分焼結した。シート形状は外径30、内径20×厚
さ7mmのドーナツ状であり、下記の切削条件にて外周
切削を行い、100本終了後のチップのフランク磨耗量
を測定した。
し図1に示す。これらから、MnSを添加しないもの、
粒径が10μm 以下の粒子が5%未満のものに比べて、
本発明例の方がチップのフランク磨耗量が少ないことが
わかる。
いた。被験材のバルブシート2を図の如く固定しそれに
熱源3により加熱されたバルブ1を摺動させて行った。
耐磨耗試験の条件は次の通りである。 繰り返し速度 3000rpm 相手バルブ材 SVH35 温度:吸気側バルブシート 200℃ 排気側バルブシート 300℃ 時間 9時間 リフト荷重 60kgf 結果を表1〜表4に示す。耐磨耗性試験結果の1例を比
較し図2に示す。これらからMnSを添加しないもの、
粒径が10μm 以下のみのもの、粒径が10μm 以下の
ものが50%越えのものに比べて、本発明例の方がシー
ト磨耗、バルブ磨耗ともに優れていることがわかる。相
手材のバルブの磨耗量も少ないことが注目される。
性のみならず、耐磨耗性にも効果がある。実際、MnS
の粒度構成を本発明の如くにすることによって、被削性
も耐磨耗性も大幅に改善された。また磨耗の相手材のバ
ルブの磨耗量も減少した。本発明によると、このように
切削の能率、原単位を向上させたばかりでなく、バルブ
シートおよびバルブの寿命も延長することができた。
す特性図
Claims (2)
- 【請求項1】 粒径10μm 以下の粒子が5〜50重量
%、粒径10〜100μm の粒子が50〜95重量%で
あるMnS粒子を0.1〜5.0重量%均一に分散させ
た組織状態としたことを特徴とする鉄系焼結合金。 - 【請求項2】 鉄系粉末原料に粒径10μm 以下の粒子
5〜50重量%、10〜100μm の粒子50〜95重
量%からなるMnS粒子を0.1〜5.0重量%均一に
混合したものを鉄系焼結原料として、成形・焼結するこ
とを特徴とする鉄系焼結合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29339292A JP3229390B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 鉄系焼結合金およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29339292A JP3229390B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 鉄系焼結合金およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06145916A JPH06145916A (ja) | 1994-05-27 |
JP3229390B2 true JP3229390B2 (ja) | 2001-11-19 |
Family
ID=17794174
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29339292A Expired - Fee Related JP3229390B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 鉄系焼結合金およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3229390B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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KR100974231B1 (ko) * | 2008-08-06 | 2010-08-06 | 가야에이엠에이 주식회사 | 내열성 저하를 방지한 필터용 철계 다공질 소결체 제조방법 및 이에 의하여 제조되는 필터용 철계 다공질 소결체 |
JP5649830B2 (ja) * | 2010-02-23 | 2015-01-07 | 株式会社リケン | バルブシート |
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-
1992
- 1992-10-30 JP JP29339292A patent/JP3229390B2/ja not_active Expired - Fee Related
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