JP3229244B2 - コンテナー用折りたたみ中仕切り - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用部品や機
械部品等の物品群を収納して、運搬したり保管するコン
テナーに装着して、それ等の物品を物品収納ポケットに
収納すると共に、その物品を取り出し後はコンパクトに
折りたたみできるコンテナー用折りたたみ中仕切りに関
するものである。なお、本発明におけるコンテナーと
は、主として樹脂板で枠囲いしたバケット形状またはト
レイ形状を有し、機械部品・小物資材等を収納する箱型
の容器をいう。

【０００２】

【従来の技術】従来、自動車部品や小形の機器物品等の
有形固形物を運搬したり保管する場合は、前記のコンテ
ナーに別体の中仕切りを装着し、その中仕切りに設けた
物品収納ポケットに、収納物品を収納してコンテナー内
に収める方法が普及している。そして、その中仕切り
は、物品を取り出した空状態のものが占有する空容積を
解消して、空中仕切りの保管や運搬の効率化を図るた
め、コンテナーから取り出した不使用状態では、コンパ
クトに折りたたみセットできる折りたたみ中仕切りが使
用されている。

【０００３】即ち、その折たたみ中仕切りは、コンテナ
ーの底に載置する底板上に立設して物品収納ポケットを
区画するポケット区画板を、その底板から取り出し可能
にした区画板分離構造のもの、または、その区画板を底
板上に倒伏可能にした区画板倒伏構造のものが使用され
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】以上の従来の折りたた
み中仕切りの前者の区画板分離構造のものは、その区画
板を底板から取り外して折りたたみセットする作業が面
倒にして手数を要すると共に、コンテナーへの収納前に
区画板と底板を組合セットする組立て作業が必要になる
ので、その折りたたみセットと組立による使用準備の作
業が煩雑にして、多量のコンテナーを用いる自動車部品
等の反復運搬には適しない難点がある。

【０００５】そして、従来の折りたたみ中仕切りは、拡
大セットした物品収納ポケット群の形状・サイズが特定
されるので、サイズ・形状が異なる多様な物品に共用で
きない性能上の制限があり、多様な物品を多量運搬する
自動車用部品の場合は極めて多種類の中仕切りを準備せ
ざるを得なく、中仕切りの製作・管理が煩雑化して運搬
コストの向上をもたらす不具合がある。さらに、従来の
折りたたみ中仕切りは、その区画板を板材から打ち抜き
成形する専用型を必要としたり、その区画板を組合せて
中仕切り体にセットする作業が煩雑にしてコスト高にな
る。本発明は、以上の従来技術の難点を解消するコンテ
ナー用折りたたみ中仕切りを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】以上の技術課題を解決す
る本発明のコンテナー用折りたたみ中仕りは「箱型のコ
ンテナーの内部に着脱自在に装着して、拡大状態におい
て前記コンテナーの内部に物品収納ポケット群を区画成
形し、かつ、コンパクトに折りたたみ自在のコンテナー
用折りたたみ中仕切りにおいて、方形状の底板と、該底
板上面を横断するダンボール板の区画板群との組合せか
らなり、前記区画板のそれぞれは、前記底板の裏側を横
断して前記ダンボール板の中しん孔を通した連結紐によ
って前記底板に連結されると共に、前記底板の縦方向に
スライド自在にして、かつ、前記底板に対して起立・倒
伏自在に構成され、さらに、前記底板の両端部分に前記
連結紐の抜け止めストッパーを備え、起立姿勢の前記区
画板の板間空間を物品収納ポケットになす構造」の区画
板スライド型の折りたたみ中仕切りと、

【０００７】「同じくコンテナー用折りたたみ中仕切に
おいて、板幅方向を立てて並設した縦区画板の両端部分
を、連結板によって板間連結した中仕切り主体と、横区
画板との組合せからなり、前記縦・横区画板は相互に組
合せ・分離自在の嵌合スロットを備えると共に、前記連
結板は、段ボール板にして中しん孔に通した連結紐によ
って前記縦区画板に対して起立倒伏自在に連結セットさ
れた構造」の区画板組合せ型の折りたたみ中仕切りにな
っている。

【０００８】即ち、本発明の前記区画板スライド型の折
りたたみ中仕切りは、段ボール板の中しん孔に通した連
結紐によって底板にスライド自在に連結した区画板群
を、底板に対して起立姿勢にすることによって物品収納
ポケット群を区画設定すると共に、その区画板群を倒伏
姿勢にすることによってコンパクトセット可能にし、さ
らに、その区画板のスライドによって多様なサイズ・形
状の物品収納ポケットのワンタッチ設定を可能にしたも
のである。

【０００９】そして、前記の区画板組合せ型の折りたた
み中仕切りは、相互の嵌合スロットによって格子体に組
合せる縦・横区画板の構成になし、その嵌合スロットの
嵌合ポイント選択によって多様な形状・サイズの物品収
納ポケット群のワンタッチ設定を可能にすると共に、縦
区画板間の連結板を倒伏させることによってコンパクト
セット可能にした構造が特徴である。なお、本発明にお
ける段ボール板とは、表紙のライナー間に波形板等の
「中しん」を入れた板体にして、その中しん部分に貫通
する中しん孔を有する公知の段ボールにして、樹脂製・
紙製または薄金属板製のものが使用される。そして、前
記区画板スライド型のものは、底板に段ボール板を用い
たり、区画板の連結紐をゴム紐等の弾性紐にしたり、前
記区画板組合せ型のものは区画板間の連結板を該板間で
伸直・重合自在の二枚板構造の態様を採択する。

【００１０】

【作用】以上の構成の本発明の前記区画板スライド型の
折りたたみ中仕切りは、底板と区画板が連結紐によって
組合せ連結されて区画板が起立・倒伏自在のため、指先
による区画板の起立・倒伏によって使用状態の拡大セッ
トと、不使用時の縮小セットがワンタッチ的に極めて簡
便にできる。そして、その区画板は底板の縦方向にスラ
イド自在のため、板間空間を大小自在にセットしたり、
区画板相互を非平行姿勢にすることによって、形状サイ
ズが異なる多様形態の物品収納ポケット群が自在にワン
タッチ設定できる。

【００１１】そして、その区画板は段ボール板からなる
ので、規格化量産された段ボール板を要所サイズにカッ
トして、連結紐を中しん孔に通して組合せセットするの
みで組立てセット可能となり、従来構造のものより特段
に成形し易くなる。

【００１２】一方、前記区画板組合せ型のものは、折り
たたみセット状態の中仕切り主体を指先で拡げることに
よって連結板が起立して拡大状態になり、その中仕切り
主体に横区画板を差し込みセットするのみで、縦・横区
画板で区画した物品収納ポケット群が簡便に設定できる
と共に、その区画板を抜き取り分離して中仕切り主体を
指先で押し付けると連結板が倒伏して縮小セットでき
る。従って、物品収納のための拡大セットと物品取り出
し後のコンパクトな縮小セットが簡便にできる。そし
て、多数個配設した嵌合スロットを選択することによっ
て、横区画板による区画サイズを変化させて多様な形状
・サイズの物品収納ポケットが、かなりの自由度でワン
タッチ設定できる。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明のコンテナー用折りたたみ
中仕切り（以下、単に中仕切りという）は、以下の実施
形態・実施例のように実施される。

【００１４】まず、前記区画板スライド型の一実施例を
示す図１・図２を参照、樹脂製箱型のコンテナー１０の
上方開口部から出し入れして着脱自在に装着する中仕切
り１は、長方形状の底板部２の上面に、底板部２の短辺
方向を横断して底板部２の両側から若干量突き出す区画
板３が数個並んで設けられ、この区画板３は樹脂製段ボ
ール板にして底板部２に対して起立・倒伏自在に構成さ
れ、その起立姿勢では段ボール板の中しん孔４が底板部
２に対して立ち上がる方向に配設されている。

【００１５】そして、この区画板３を起立させた拡大状
態にしてコンテナー１０の中に入れると、「隣接する区
画板３の板間空間」と「両端の区画板３とコンテナー側
壁１１との対向空間」が任意サイズの物品収納ポケット
６になると共に、コンテナー１０から出して区画板３を
底板部２に重ねるよう倒伏させると、図１の（Ｂ）のよ
うに小形コンパクトに折りたたみセットできるようにな
っている。

【００１６】詳しくは、底板部２は長方形状の樹脂製段
ボール板の底板２Ａ・２Ｂをスリット部８を介して重ね
合せると共に、その重合状態の両端に同材の段ボール板
をスペーサーとして介装したストッパー７を有して一体
に溶着セットされており、スリット部８は底板部２を横
断して貫通すると共に両端のストッパー７の間に連続
し、区画板３のスライド用スリットとして機能する。

【００１７】そして、区画板３のそれぞれは、「底板部
２のスリット部８を通して底板２Ａの裏側を横断して通
して段ボール板の中しん孔４に通して上方に引き出し、
区画板３の上端で結んだ連結紐５」によって底板部２に
連結して組合せられ、スリット部８を案内溝として連結
紐５を滑らすことによって、底板部２の縦方向の図示矢
印Ａ方向にスライド自在になると共に、図示矢印Ｂ方向
に倒れて底板部２の上に重ねることができる。なお、こ
の実施例の区画板３は連結紐５が若干緩めに結紐されて
おり、外力を加えない自由状態において図１の（Ｂ）に
示す倒伏姿勢になり、引き起こして指先で軽く保持する
ことによって起立姿勢が維持できるようになっている。

【００１８】そして区画板３を引き起した拡大状態にし
て区画板３の板間空間を任意に設定してコンテナー１０
に入れ、底板部２をコンテナー底９の上に載置し、区画
板３が隔壁となる物品収納ポケット６に自動車部品・機
械部品等の物品が収納されて使用される。そして、物品
取り出し後は前記の折りたたみ状態にして返送したり格
納される。

【００１９】以上の図１実施例のものは前記の作用があ
り、拡大状態セットと縮小セットが極めて簡便にしてワ
ンタッチ的にできる。そして、区画板３が個別にスライ
ド移動自在にして、区画板３の相互間隔を任意に調整セ
ットしたり、図２の（Ｂ）の点線示のように、区画板３
を相互に非平行姿勢にすることも若干の範囲で可能とな
るので、区画板３が隔壁となる物品収納ポケット６の形
状・サイズが高い自由度で可変設定可能になると共に、
区画板３のスライド操作のとき、連結紐５はストッパー
７によって規制されるので、底板部２から外れるおそれ
はない。従って、簡便なスライド操作によって区画板３
の起立ポイントを任意調整することによって、形状・サ
イズが異なる多様な物品収納に共用できると共に、単一
のコンテナー１０に多様な物品を混載収納する自由度が
向上し、コンテナ用中仕切りとしての性能が特段に向上
する。

【００２０】なお、この区画板スライド型の中仕切り１
は、前記の実施例に限定されず、図３のように区画板３
の中しん孔４を底板部２と平行にして組立てセットし、
連結紐５を区画板３の基端部分に通す形状にしたり、連
結紐５をゴム等の弾性紐にして、自由状態の区画板３が
底板部２に対して起立すると共に、指先で軽く押すこと
によって底板部２の上に倒伏し、その倒伏姿勢の縮小状
態をゴムバンドで仮止めセットする態様にしたり、底板
部２を段ボール板以外の木板・樹脂板・金属板等に変更
する等の変化がある。

【００２１】続いて、図４・図５を参照して区画板組合
せ型の中仕切り１の一実施例を説明する。即ち、この中
仕切り１は長方形の縦区画板１３を板幅方向を立てて任
意間隔Ｐで並設すると共に、その縦区画板１３のそれぞ
れの板間空間１７の両端部位に、板間空間１７を塞ぐ段
ボール板の連結板１５を配設し、この連結板１５の中し
ん孔４に通した連結紐５によって一体にした中仕切り主
体１２と、この中仕切り主体１２に組合せる数枚の長方
形板の横区画板１４の組合せになっている。

【００２２】詳しくは、連結板１５は板間空間１７の中
間で縁部を接続する二枚板形状にして、それぞれが縦区
画板１３に対して起立・倒伏自在であり、両端の縦区画
板１３Ａを指先で撮んで拡げると、伸長した連結板１５
が縦区画板１３・１３Ａに対して概ね直交起立して間隔
Ｐの板間空間１７が膨らむ拡大形態の中仕切り主体１２
になると共に、両側の縦区画板１３Ａを軽く押えつける
と、図１（Ｃ）のように、連結板１５が二つ折れ重合し
て倒伏してコンパクト形態に折りたたみセットできる。

【００２３】そして、この縦区画板１３のそれぞれの上
半部分には、数個（図示のものは６個）の嵌合スロット
１６Ａが共通の横断線１８（中仕切り主体１２の横断
線）上に位置して上方開口して切設されると共に、横区
画板１４のそれぞれの下半部分にも、嵌合スロット１６
Ｂが切設されており、この嵌合スロット１６Ａ・１６Ｂ
をかみ合せて横区画板１４を差し込むと、縦・横区画板
１３・１４が直交して格子体を形成するようになってお
り、その横区画板１４を組合せた中仕切り１をコンテナ
ー１０に装着することによって、任意の形状・サイズの
物品収納ポケット６群が、コンテナー１０内に区画設定
できる構造を有している。

【００２４】以上の図４実施例のものは前記の作用があ
り、縦区画板１３に多数個の嵌合スロット１６Ａを配設
しておき、その嵌合スロット１６Ａを任意に選択するこ
とによって、横区画板１４による区画サイズを調整して
収納物品に適する多様な形状・サイズの物品収納ポケッ
ト６がインスタントに設定できると共に、その横区画板
１４を抜き取って押し付けるのみで、極めて簡便にコン
パクトセットできる。

【００２５】続いて、図６を参照して区画板組合せ型の
他の実施形態を説明する。即ち、図４のものと同様な縦
・横区画板１３・１４と連結板１５からなるものにおい
て、この形態のものは連結板１５が単枚板になってい
る。この図６のものは圧縮セットしたとき、縦区画板１
３間の連結板１５が重合しないので、圧縮セット厚さが
図４のものの厚さより薄くなるものの、圧縮セット長さ
Ｌが連結板１５の長さ分だけ長くなる。

【００２６】

【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明のコンテナ
ー用折りたたみ中仕切りは、使用時の拡大セットと不使
用時の縮小セットの操作が極めて簡便にできると共に、
物品収納ポケットの形状・サイズの可変設定が可能にし
て優れた物品収納性能を有するので、多様な形状・サイ
ズの部品群を多量運搬する自動車部品等の反復輸送に極
めて適し、その上、規格化量産される段ボール板を用い
て成形し易く低コストで提供可能にして、機械部品・自
動車部品等の輸送コストの低減と輸送生産性の向上を促
進する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明一実施例の区画板スライド型コンテナー
用折りたたみ中仕切りを示し、（Ａ）はその使用状態と
構造を示す斜視図、（Ｂ）は縮小セット状態の正面図

【図２】図１実施例の中仕切りの六面図を示し、（Ａ）
は正面図（背面図は正面図と同一にあらわれる）、
（Ｂ）はその平面図、（Ｃ）は底面図、（Ｄ）は右側面
図（左側面図は右側面図と同一にあらわれる）

【図３】本発明の他の実施形態の区画板スライド型コン
テナー用折りたたみ中仕切りを示し、（Ａ）はその正面
図、（Ｂ）は（Ａ）のＣＣ断面図

【図４】本発明一実施例の区画板組合せ型コンテナー用
折りたたみ中仕切りを示し、（Ａ）はその構成部材を示
す斜視図、（Ｂ）はその連結板の拡大斜視図、（Ｃ）は
折りたたみセット状態の正面図、（Ｄ）はその使用状態
の斜視図

【図５】図４実施例の中仕切りの六面図を示し、（Ａ）
はその正面図、（Ｂ）は背面図、（Ｃ）は右側面図（左
側面図は右側面図と同一にあらわれる）、（Ｄ）は平面
図（底面図は平面図と同一にあらわれる）

【図６】本発明の他の実施形態の区画板組合せ型のコン
テナー用折りたたみ中仕切りを示し、（Ａ）はその構成
部材の斜視図、（Ｂ）はその折りたたみセット状態の正
面図

【符号の説明】

１ 折りたたみ中仕切り ２ 底板部 ２Ａ・２Ｂ 底板 ３ 区画板 ４ 中しん孔 ５ 連結紐 ６ 物品収納ポケット ７ ストッパー ８ スリット部 ９ コンテナー底 １０ コンテナー １２ 中仕切り主体 １３・１３Ａ 縦区画板 １４ 横区画板 １５ 連結板 １６Ａ・１６Ｂ 嵌合スロット １７ 板間空間

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 箱型のコンテナーの内部に着脱自在に装
   着して、拡大状態において前記コンテナーの内部に物品
   収納ポケット群を区画形成し、かつ、コンパクトに折り
   たたみ自在のコンテナー用折りたたみ中仕切りにおい
   て、方形状の底板と、該底板上面を横断するダンボール
   板の区画板群との組合せからなり、前記区画板のそれぞ
   れは、前記底板の裏側を横断して前記ダンボール板の中
   しん孔を通した連結紐によって前記底板に連結されると
   共に、前記底板の縦方向にスライド自在にして、かつ、
   前記底板に対して起立・倒伏自在に構成され、さらに、
   前記底板の両端部分に前記連結紐の抜け止めストッパー
   を備え、起立姿勢の前記区画板の板間空間を物品収納ポ
   ケットになす構造を特徴とするコンテナー用折りたたみ
   中仕切り。
2. 【請求項２】 底板が、連結紐を通すスリット部を介し
   て重ね合せた段ボール板からなる請求項１のコンテナー
   用折りたたみ中仕切り。
3. 【請求項３】 箱型のコンテナーの内部に着脱自在に装
   着して、拡大状態において前記コンテナーの内部に物品
   収納ポケット群を区画形成し、かつ、コンパクトに折り
   たたみ自在のコンテナー用折りたたみ中仕切りにおい
   て、板幅方向を立てて並設した縦区画板の両端部分を、
   連結板によって板間連結した中仕切り主体と、横区画板
   との組合せからなり、前記縦・横区画板は相互に組合せ
   ・分離自在の嵌合スロットを備えると共に、前記連結板
   は、段ボール板にして中しん孔に通した連結紐によって
   前記縦区画板に対して起立倒伏自在に連結セットされた
   構造を特徴とするコンテナー用折りたたみ中仕切り。
4. 【請求項４】 連結板が、縦区画板の板間で伸直・重合
   自在の二枚板構造からなる請求項３のコンテナー用折り
   たたみ中仕切り。