JPH08133294A - 物品収納バケット用中仕切り体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 物品収納バケット１０の底面１１上に装着
し、板材で区画した物品収納ポケット９に、自動車部品
等の物品を収納する中仕切り体１において、物品２０の
不収納時に物品収納ポケット９を不存在にして、運搬復
路において、物品収納ポケット９群が占有する無駄空間
を解消して、運搬コストの低減を図る。 【構成】 底面１１に載置する収納底板２の上に、下端
を固定して格子状に交差する経板３と緯板４を設け、こ
の経板３と緯板４は相互の交差部位に形成してかみ合う
スロット状切欠部５と窓状切欠部６を有して起立・倒伏
自在であり、起立姿勢の経板３と緯板４によって物品収
納ポケット９を形成し、指先で経板３と緯板４を倒伏姿
勢にすることによって、物品収納ポケット９群を不存在
にして小形化コンパクト化する構造が特徴である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車部品や機械部品
等の有形固形体の物品を、収納バケットに入れて運搬し
たり保管するのに際し、その収納バケットの内部を所要
形状に区画するのに使用する物品収納バケット用中仕切
り体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、自動車部品や小形の機器物品等の
有形固形物を運搬したり保管する場合には、所要サイズ
の物品収納バケット（主として樹脂板で枠囲いした方形
立方体のバケツ形状をなし、機械部品・小物資材等を入
れる四角箱型の容器）は、運搬・保管すべき物品の形状
サイズに適合した物品収納ポケットを区画する別体の中
仕切り体を装着し、その収納ポケットに物品を収納する
構造が広く普及している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】以上の従来の中仕切り
体は、収納すべき物品の形状・サイズに合せて固定した
区画形状を有し、物品を収納しない空の場合でも、その
区画を形成している板材の組合せを分解しない限り、折
りたたみ等ができないので、例えば、多量の自動車部品
を遠距離運搬した復路において、その空の中仕切り体が
嵩ばるので、収納バケットのバケット空間へ次の収納バ
ケットを入れて積み重ねて、空の収納バケット群の全体
容積を少くする方法が採れず、積荷が往路と同様に嵩ば
るので、運搬コストが節減できない難点がある。

【０００４】さらに、従来の中仕り体は、収納すべき物
品に合せた固定形状を有するので、同一の中仕り体に収
納できる物品の種類・点数が制限されて汎用性に欠け、
その上、収納した物品と区画空間のサイズが「ピタッ」
と整合しないと、運搬中にがたつくので、そのがたつき
による物品の損傷や変形防止の為に、クッション材を介
装させる等の特別の対策を要して、物品の収納作業と取
り出し作業が煩雑になる不具合がある。

【０００５】本発明は、以上の従来技術の難点を解消す
る中仕切り体を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】以上の技術課題を解決す
る本発明の物品収納バケット用中仕り体は「物品収納バ
ケットの底面に載置する収納底板の上面に、下端を固定
して起立・倒伏自在の経板と緯板を交差状に配設して、
起立姿勢の前記経板と前記緯板によって、所要形状の物
品収納ポケットを区画形成すると共に、前記経板と前記
緯板は、相互にかみ合って相互の起立・倒伏を自在にな
す係合切欠部を有する構造」の第一発明と、

【０００７】「物品収納バケットの底面に載置する収納
底板の上面に、伸縮自在にして、伸長状態において、前
記収納底板の上面を区画して物品収納ポケットを形成す
る拡縮区画板を立設すると共に、前記拡縮区画板の伸縮
方向の前記収納底板の側縁部分を、圧縮状態の前記拡縮
区画板の格納部に形成した構造」の第二発明からなって
いる。

【０００８】即ち、以上の第一・第二発明の中仕切り体
は、それぞれの物品収納ポケットに、物品を収納すると
共に、物品を取り出した空状態の場合は、その経板と緯
板の倒伏によってコンパクトな圧縮形状にしたり、前記
の拡縮区画板の圧縮収納によってコンパクトな圧縮形状
になし、再び物品を収納するときは、その圧縮形状のも
のをワンタッチ的に起立、または、伸長させて、物品収
納ポケットを収納底板上に即時ワンタッチ的に再現でき
る構造を特徴としている。

【０００９】そして、前記第二発明の具体的態様として
は、その拡縮区画板を、単一板材のジグザク板にした
り、または、収納底板の側縁と平行し、かつ、収納底板
上をスライド自在に立設した縦壁板間を、折り曲げ自在
の横壁板によって連結する構造が採択され、さらに、前
記の格納部は、収納底板の側縁に立設した起立側板に、
圧縮した拡縮区画板を添えて格納する形状にしたり、そ
の起立側板と平行する折曲ラインを収納底板に設け、そ
の折曲ラインから曲げることによって、圧縮した拡縮区
画板を三方枠囲いして収納セットする構造が採択され
る。

【００１０】さらに、前記第二発明のものは、拡縮区画
板の圧縮格納姿勢をセットロックする「ベルベットファ
スナー」等からなるセットロック部を設けたり、その拡
縮区画板を収納底板の左半部分と右半部分に載置する一
対になし、収納底板の左側縁部分と右側縁部分を、それ
ぞれの拡縮区画板の格納部になす態様、または、収納底
板を格納部の方向へ折りたたんで全体をコンパクトにす
る態様、または、拡縮区画板を伸縮弾性を有するものに
することがある。

【００１１】

【作用】以上の第一・第二発明の中仕り体は、物品を取
り出した空状態において、収納底板上に存在した物品収
納ポケット群を解消不存在にして、コンパクトな圧縮・
格納状態にすることができる。従って、物品運搬の復路
において、物品収納バケットの相互を、バケット空間を
利用して積み重ねて、無駄空間を解消する効率的な運搬
が可能になる。

【００１２】そして、本発明の中仕切り体は、物品収納
する場合には、その圧縮状態のものを開放して、起立さ
せたり、引き伸ばすことによって、ワンタッチ的に物品
収納ポケット群が即時形成できると共に、物品取り出し
後はワンタッチ的に圧縮状態にすることができる。従っ
て、物品収納バケットを反復利用する場合の物品収納作
業と物品取り出し後の後始末作業が極めてし易くなる。

【００１３】そして、前記第二発明のものの拡縮区画板
を、伸縮弾性を有するものにしておくと、圧縮格納時の
圧縮ぐせによって、折曲ポイントを中心として圧縮方向
へ縮もうとする弾性を温存するので、収納した物品と区
画板が軽く圧接して、物品を弾支保持する状態を呈し、
運搬中のがたつきが防止できると共に、がたつき防止の
ための特別のクッション材の介着が無用なる。そして、
その弾性を有する拡縮区画板は、その伸縮度の調整によ
って、物品収納ポケットの個個の形状・サイズを弾性変
形させることができるので、同一形態の中仕切り体が、
形状・サイズの異なる多種類の物品収納に共用できる。

【００１４】

【実施例】以下、実施例に基づいて詳しく説明する。ま
ず、前記第一発明の一実施例を示す図１を参照して、方
形板の底面１１を枠囲いして上方開口した物品収納バケ
ット１０の中に装着する本発明の中仕切り体１は、底面
１１に載置する方形の収納底板２を有し、この収納底板
２の上面に下端を固定して起立・倒伏自在となる経板３
と緯板４が格子状に配設され、起立姿勢の経板３と緯板
４によって、所要サイズの物品収納ポケット９が形成さ
れる構造を有している。

【００１５】そして、この経板３と緯板４は、相互の交
差部分に設けた、経板３の上半部分のスロット状切欠部
５と、緯板４の下半部分の「四分の一円形」の窓状切欠
部６が相互にかみ合い係合し、経板３と緯板４が、指先
によって自在に起立したり倒伏できるようになってい
る。そして（図１の（Ｃ）（Ｄ）参照）、経板３・緯板
４を起立させて物品収納ポケット９に物品２０を収納す
ると共に、物品２０を取り出した後は、経板３・緯板４
を倒伏姿勢になして、コンパクトに圧縮できる。

【００１６】以上の図１実施例のものは前記の作用があ
り、収納バケット１０に装着したまま緯板４等の起立・
倒伏が自在にして、物品２０を取り出した空状態では、
中仕切り体１が小形化して物品収納ポケット９が不存在
となるので、収納バケット１０の空のバケット空間を利
用して順次積み重ね、多量の収納バケット１０を小容積
にまとめて運搬したり格納することができる。

【００１７】つぎに、図２を参照して前記第二発明の一
実施例を説明する。即ち、収納バケット１０の底板１１
に載置する収納底板２の一側縁に、収納底板２に対して
起立する帯状の起立側板１３が設けられ、この起立側板
１３に端部を連結して、収納底板２上をスライドして弾
性伸縮する「ジグザク板」からなる拡縮区画板７が設け
られている。そして、この拡縮区画板７は、手で引き伸
ばして伸長拡大すると、そのジグザク板間が物品収納ポ
ケット９になり、手で押えて圧縮状態にすると（図２の
（Ｂ）参照）起立側板１３に添着してコンパクトに圧縮
収納できるようになっている。

【００１８】そして、起立側板１３の近傍の収納底板２
には、起立側板１３と平行する折曲ライン１２が設けら
れ、この折曲ライン１２から底板２を９０°折り曲げる
ことによって、圧縮姿勢の拡縮区画板７が、起立側板１
３と底板２の一部によって三方枠囲いして収納格納する
格納部１４になる構造を有している。なお、この実施例
のものには、起立側板１３側の係止突片１５と底板２側
の係止部１６を対としてベルベツトファスナーからなる
前記収納格納姿勢のセットロック部が設けてある。

【００１９】続いて、図３を参照して、前記図２実施例
の他の態様を説明する。即ち、図２実施例と同様な起立
側板１３と伸縮弾性を有する拡縮区画板７と折曲ライン
１２を有するものにおいて、この図３のものは、折曲ラ
イン１２が複数になると共に、起立側板１３の外側の係
止部１６Ｂと、収納底板２の他の側縁に設けた係止部１
６Ａ（係止部１６Ａ・１６Ｂはベルベットファスナー）
からなるセットロック部を有し、拡縮区画板７を圧縮セ
ットして収納底板２を折り曲げると、係止部１６Ａ・１
６Ｂがセットロックして、収納底板２が折りたたみセッ
トされ、その内側に、圧縮姿勢の拡縮区画板７が格納で
きるようになっている。

【００２０】続いて、図４を参照して、前記第二発明の
他の実施例を説明する。即ち、図２実施例と同様に、起
立側板１３に拡縮区画板７の端部を連結し、かつ、起立
側板１３の近傍の折曲ライン１２を９０°折り曲げるこ
とによって、圧縮姿勢の拡縮区画板７を三方枠囲いする
格納部１４とするものにおいて、この実施例の拡縮区画
板７は、起立側板１３と平行する２個の縦壁板１８間
を、弾性を有して折れ曲げ自在の横壁板１７で連結し、
収納底板２上をスライドして伸長した縦・横壁板１７・
１８が区画する空間を物品収納ポケット９となした構造
を有している。

【００２１】そして、その縦壁板１８を手で引き伸ばし
た伸長状態の拡縮区画板７の物品収納ポケット９に物品
２０を収納すると共に、物品２０を取り出し後は、拡縮
区画板７を手で押して圧縮状態にして格納部１４に収納
セットするようになっている。

【００２２】以上の図２・図３・図４実施例のものは、
図１実施例のものと同様に、拡縮区画板７の伸縮による
物品収納ポケット９の形成・解消不存在がワンタッチ的
に可能にして、収納バケット１０に装着したままその伸
縮が可能であり、物品収納しないときは、簡便に小形化
コンパクト化できるので、物品搬送の復路における無駄
空間を解消することができる。

【００２３】そして、拡縮区画板７は、拡いた状態にな
ると、折り曲げ点を起点として圧縮収納姿勢に戻ろうと
する復元弾性力を生じ、かつ、物品収納ポケット９の形
状・サイズは若干の範囲で可変となるので、収納物品の
形状・サイズの変化に対応できると共に、収納物品のが
たつきを防止し、がたつき防止のために物品２０にクッ
ション材を介装する等の特別の対策が無用になり、物品
の収納取り出し作業が簡素化できる。

【００２４】そして、前記図３実施例のものは、係止片
１５等の突片形状のものがなく、規格化量産した樹脂板
材によって簡易に形成可能であり、量産成形型等が不用
になるので、中仕切り体が低コストに量産提供できると
共に、収納底板２の折りたたみによって、全体がコンパ
クトになって取扱い易くなる。

【００２５】つぎに、図５を参照して前記第二発明の他
の実施例を説明する。即ち、この図５実施例のものは、
収納底板２の左半部分と右半部分に、対をなす拡縮区画
板７が設けられ、それぞれ個別に伸縮できると共に、圧
縮姿勢になると、収納底板２の左側縁と右側縁に立設し
た起立側板１３に沿って収納されるようになっている。
なお、この図５実施例の拡縮区画板７は、細かいピッチ
で起立側板１３と平行する縦壁板１８間を、柔軟な帯布
の横壁板１７で連結し、その空間部分を物品収納ポケッ
ト９になした構造を有し、小物物品の収納に適する。

【００２６】なお、本発明の前記実施例の中仕切り体１
は、ポリプロピレン低発泡体の樹脂板等によって、収納
底板２・拡縮区画板７が形成されている。

【００２７】なお、本発明の中仕切り体は、前記の実施
例に限定されず、前記図３実施例における拡縮区画板７
を、図５実施例の拡縮区画板７と同様な縦壁板１８と柔
軟な横壁板１７からなるものにしたり、図５実施例の拡
縮区画板７を、図６のように高くして、大形物品の収納
用にすることがある。

【００２８】

【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明の物品収納
バケット用中仕切り体は、物品不収納時には、ワンタッ
チ的に小形・コンパクト化して、物品収納ポケットの無
駄空間を不存在にすることができるので、自動車部品等
を運搬する場合の復路の積荷容積を減縮して運搬コスト
を低減することができる。そして、第二発明の中仕切り
体は、形状・サイズが異なる多種類物品の収納に共用可
能にして、物品収納コストの低減を促進し、さらに、そ
の拡縮区画板に伸縮弾性を付与することによって、運搬
中の物品のがたつきを防止すると共に、がたつき防止の
ための特別のクッション対策を無用にして、物品収納・
取り出し作業性と物品運搬性の向上を図る諸効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】第一発明一実施例の中仕切り体を示し、（Ａ）
は経板と緯板を倒伏した縮小状態の斜視図、（Ｂ）は経
板と緯板を起立させた状態の斜視図、（Ｃ）（Ｄ）は使
用状態の正面図

【図２】第二発明一実施例の中仕切り体を示し、（Ａ）
は拡縮区画板を伸長した使用状態の斜視図、（Ｂ）は縮
小小形化する手順と縮小状態を示す斜視図、（Ｃ）
（Ｄ）は使用状態の正面図

【図３】第二発明の他の実施例の中仕切り体を示し、
（Ａ）は拡縮区画板を伸長した状態の斜視図、（Ｂ）は
拡縮区画板を縮小した状態の斜視図、（Ｃ）は拡縮区画
板を格納セットした状態の正面図

【図４】第二発明の他の実施例の中仕切り体を示し、
（Ａ）は拡縮区画板を伸長した状態の斜視図、（Ｂ）は
拡縮区画板を縮小格納する手順と格納状態の斜視図、
（Ｃ）（Ｄ）は使用状態の正面図

【図５】第二発明の他の実施例の中仕切り体を示し、
（Ａ）は拡縮区画板を伸長した状態の正面図、（Ｂ）は
拡縮区画板を伸長した状態の平面図、（Ｃ）は拡縮区画
板を縮小した状態の平面図、（Ｄ）は拡縮区画板を縮小
した状態の正面図、（Ｅ）は拡縮区画板を格納セットし
た状態の平面図

【図６】第二発明の他の実施例の中仕切り体を示し、
（Ａ）は拡縮区画板を伸長した状態の正面図、（Ｂ）は
拡縮区画板を格納セットした状態の正面図

【符号の説明】

１ 中仕切り体 ２ 収納底板 ３ 経板 ４ 緯板 ５ スロット状切欠部 ６ 窓状切欠部 ７ 拡縮区画板 ９ 物品収納ポケット １０ 物品収納バケット １１ 底面 １２ 折曲ライン １３ 起立側板 １５ 係止片 １６ 係止部 １７ 横壁板 １８ 縦壁板 ２０ 物品

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 物品収納バケットの底面に載置する収納
   底板の上面に、下端を固定して起立・倒伏自在の経板と
   緯板を交差状に配設して、起立姿勢の前記経板と前記緯
   板によって、所要形状の物品収納ポケットを区画形成す
   ると共に、前記経板と前記緯板は、相互にかみ合って相
   互の起立・倒伏を自在になす係合切欠部を有する構造を
   特徴とする物品収納バケット用中仕切り体。
2. 【請求項２】 物品収納バケットの底面に載置する収納
   底板の上面に、伸縮自在にして、伸長状態において、前
   記収納底板の上面を区画して物品収納ポケットを形成す
   る拡縮区画板を立設すると共に、前記拡縮区画板の伸縮
   方向の前記収納底板の側縁部分を、圧縮状態の前記拡縮
   区画板の格納部に形成した構造を特徴とする物品収納バ
   ケット用中仕切り体。
3. 【請求項３】 拡縮区画板が単一板材のジグザク板から
   なる請求項２の物品収納バケット用中仕切り体。
4. 【請求項４】 収納底板の側縁と平行する縦壁板間を、
   折れ曲げ自在の横壁板で連結した拡縮区画板からなる請
   求項２の物品収納バケット用中仕切り体。
5. 【請求項５】 収納底板の左半部分と右半部分に載置す
   る一対の拡縮区画板を設け、前記収納底板の左側縁部分
   と右側縁部分を、圧縮姿勢の前記左半部分と右半部分の
   拡縮区画板の格納部になした請求項２の物品収納バケッ
   ト用中仕切り体。
6. 【請求項６】 収納底板の側縁に、帯状の起立側板を立
   設すると共に、前記起立側板と平行する折曲ラインを、
   前記収納底板に設け、前記折曲ラインの曲げによって、
   圧縮姿勢の拡縮区画板を、前記起立側板と前記収納底板
   によって、三方枠囲いして格納部となす請求項２・請求
   項３・請求項４・請求項５のいずれかの物品収納バケッ
   ト用中仕切り体。
7. 【請求項７】 圧縮格納姿勢の拡縮区画板のセットロッ
   ク部を設けた請求項２・請求項３・請求項４・請求項５
   ・請求項６のいずれかの物品収納バケット用中仕切り
   体。
8. 【請求項８】 収納底板を格納部の方向へ折りたたみ自
   在にした請求項２・請求項３・請求項４・請求項５・請
   求項６・請求項７のいずれかの物品収納バケット用中仕
   切り体。