JP3229154B2 - 電気加工装置の加工液供給装置及び加工液供給方法 - Google Patents

電気加工装置の加工液供給装置及び加工液供給方法

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JP3229154B2
JP3229154B2 JP05339395A JP5339395A JP3229154B2 JP 3229154 B2 JP3229154 B2 JP 3229154B2 JP 05339395 A JP05339395 A JP 05339395A JP 5339395 A JP5339395 A JP 5339395A JP 3229154 B2 JP3229154 B2 JP 3229154B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被加工物を加工液中に
浸漬するとともに被加工物と工具電極との間隙に所定の
電圧を印加し両極間に発生する放電や電解現象を利用し
て加工を行なうようにした電気加工装置における加工液
供給装置に関するものであり、特に従来からの加工にお
ける加工性能を劣化させることなく、貯留するべき加工
液の量を少なくし、設置面積がより小さく、また作業効
率の高い加工液供給装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の油系の加工液を使用し被
加工物を浸漬して放電加工を行なうワイヤカット放電加
工装置における加工液供給装置の一般的な例を示す構成
図である。なお、電解加工装置等の他の電気加工装置に
ついては、必要と思われる部分のみ明細書中に記載し、
詳細な説明は省略している。
【0003】1は加工槽であり、図示しないテーブルを
介して基台上に載置されている。この加工槽1は、上記
テーブルを駆動することにより水平方向に移動可能にな
されているが、加工槽1を固定とする構造にしたものも
ある。
【0004】被加工物3は、図示しない取付台上に固定
され、加工槽1内に設置される。加工槽1は、被加工物
3の出し入れを可能とするために、その壁面の少なくと
も1面が開放可能にされているが、加工中は被加工物3
が加工液に浸漬されるように加工液が充満されるため、
加工液が漏出しないように開放部分を密着させて液密に
なるように構成される。
【0005】加工槽1は、加工室1Aと堰板1Cで形成
された排出室1Bを有しており、一般に堰板1Cの高さ
を調節することにより加工液面の高さを規定するように
している。
【0006】使用済みの加工液を回収している間に清浄
な加工液を加工槽1へ送液するために、加工液槽2は、
仕切板2Cにより使用済みの加工液を回収する汚液槽2
Aと浄化された加工液を再供給するための清浄液槽2B
に分けられている。そのため、加工液槽2は、予め所定
量以上の加工液が貯留されていなければならず、加工槽
1の容量より充分多い容量を有していなければならな
い。
【0007】管路Eはドレンであり、加工槽1の排出室
1Bと加工液槽2の汚液槽2Aとをドレン弁DVを介し
て接続している。加工が終了して被加工物を取り出す際
には、堰板1Cの下側箇所を開放して、加工槽1の加工
室1Aに貯留されていた加工液が管路Eを通って汚液槽
2Aに排出される。従って、汚液槽2Aは、加工槽1の
容量と略同じかそれ以上の容量を有していなければなら
ない。
【0008】汚液槽2Aの加工液は、ポンプDPにより
汲み上げられ、管路Fを通って清浄液槽2Bに送液され
る。管路Fには、フィルタ装置6が設けられており、使
用済みの加工液中に含まれる加工屑や汚濁物が瀘過され
て除去される。なお、ポンプDPの破損を防止し、また
ポンプDPで送液される加工液の流量を安定したものと
するために、リリーフ弁RVが設けられたリリーフ管路
が設けられている。
【0009】清浄液槽2Bに貯留される加工液は、ポン
プCPによって汲み上げられて加工槽1へ供給される。
上記と同様にリリーフ弁RVが設けられたリリーフ管路
を有している。
【0010】9は加工液冷却装置で、加工による熱など
により温度が上昇した状態で貯留されている加工液を所
定の温度まで冷却するものである。なお、水系加工液を
使用した電気加工を行なう場合には、加工液の電気伝導
度が加工に伴って変化するので、イオン交換樹脂を用い
た純水器を清浄液槽2Bに併設し、清浄液槽2Bの加工
液を循環させて加工液を所定の比抵抗値に維持するよう
に構成される。
【0011】管路Gは、被加工物3が加工液に浸漬する
程度に加工槽1に加工液を送液するために設けられた送
液管路である。また、管路Hは、被加工物3と工具電極
とで形成される加工間隙に常に清浄な加工液を供給する
ために設けられた加工液噴流管路である。従って、加工
開始前には、加工液を急送するように、送液用の電磁弁
V6を開放し、噴流用の電磁弁V7を閉鎖した状態とし
ておく。
【0012】管路Hは途中で分岐し、上部噴流ノズル7
及び下部噴流ノズル8へ接続される。従って、管路Hの
加工液は、噴流調整弁FVを介して所定の圧力に維持さ
れてノズル7及び8より加工液噴流として供給される。
【0013】加工を開始する前は、加工液は加工液槽2
に貯留されており、加工槽1には加工液がない状態とな
っている。被加工物3が取付台に固定されると、加工槽
1は液密の状態にされ、送液用の電磁弁V6を開放し、
噴流用の電磁弁V7を閉鎖する。そして、ポンプCPを
駆動して加工液を加工槽1に急送する。
【0014】堰板1Cは、被加工物3の設置状態に合わ
せて所定の高さに調整されており、所定の加工液が送液
されると、加工室1Aの加工液は、堰板1Cをオーバフ
ローして排出室1Bへ流出するので、加工液が加工槽1
から床面に溢出する恐れがない。
【0015】加工槽1に所定量の加工液が貯留され被加
工物3が加工液に浸漬された後、送液用の電磁弁V6を
閉鎖するとともに噴流用の電磁弁V7を開放して加工可
能な状態とする。この時、送液用の電磁弁V6と噴流用
の電磁弁V7を適宜作動させることで、加工液の供給方
式を選択し得るものであり、上記2つの電磁弁V6、V
7を共に開放して加工を行なうこともできる。なお、こ
のような加工液の供給方式の選択の幅は、ポンプの容量
や加工液の調整機構などの回路を構成する部材にも影響
を受けるものであり、管路Gと管路Hを同時には使用で
きないこともある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来は、一般に以上の
ように構成されているので、加工槽に比べて充分多い量
の加工液を加工液槽に貯留しなければならず、加工液槽
が大きくなり、加工液を多く、設置スペースを広く必要
とする。さらに、加工槽自体も加工液をオーバフローさ
せて排出させるための排出室を必要として、その分大き
く構成されなければならない。
【0017】これに対して、例えば、特開平3−270
829号公報に開示された装置のように加工液槽を高く
したり、特開平4−171123号公報に開示された装
置のように汚液槽と清浄液槽を段状に配置したりして、
設置床面積を小さくするようにした装置が提案されてい
る。しかし、これらの装置にあっても、やはり加工液槽
に貯留する加工液の量を加工槽の容量より充分多くしな
ければならず、加工液を余分に必要とした。また、これ
らの装置は、加工液槽が高くなり過ぎて、加工液の補充
や交換あるいは清掃などのメインテナンス作業が容易に
行ないにくいものであった。
【0018】また、特公平5−55254号公報に開示
された態様の装置は、加工槽と加工液槽を兼用する構成
を有しており、同特許の発明の装置は、加工槽が上下動
し得るものである。このような加工槽と加工液槽を兼用
するものは、初期の電気加工装置においても一般的であ
った。しかし、加工槽と加工液槽を兼用しているため
に、加工槽の加工液の浄化が不十分で、加工が進行する
のにしたがって加工精度が劣化するなど加工性能を低下
させ、また加工液の劣化も速いという欠点を有してい
る。また、被加工物の取付等を行なうようにするため、
複雑な構成になるという問題がある。
【0019】さらに、電気加工の内でも放電加工におい
ては、加工液中に微細な粉末を混入して加工を行なうこ
とがあり、この場合には上述した公知の装置では対応で
きず、例えば特開平2−30423号公報に開示された
ような粉末加工用の加工液槽を設置しなければならなか
った。
【0020】他に、例えば、特開平4−310319号
公報、実開平6−57525号公報に開示された装置な
ど、省スペースを図る種々の装置が提案されているが、
構成が複雑になったり、加工性能や作業効率あるいはメ
インテナンス性を劣化させるなど不十分であった。
【0021】本発明の加工液供給装置は、加工液の浄化
が不十分になるなどして加工性能が劣化したり、加工液
槽が極端に高くなったり複雑な構造になったりしてメイ
ンテナンス性が劣化したり、あるいは加工槽に加工液を
満載するまでの時間や使用済み加工液の再生と供給の効
率を劣化させることなく、使用する加工液の量を少なく
でき、設置面積をより小さくすることを目的とするもの
である。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の加工液供給装置は、被加工物を加工液に浸
漬して加工を行なうように構成された電気加工装置の加
工液供給装置において、加工槽と、該加工槽の容量と略
同量の加工液を貯留可能な加工液槽と、第1の弁と第2
の弁とを介して上記加工液槽より上記加工槽に加工液を
供給する第1の管路と、第3の弁と第4の弁を介して上
記加工槽の加工液を循環させる第2の管路と、該第2の
管路に設けられるフィルタ装置と、上記第3の弁と第5
の弁とを介して上記加工槽より上記加工液槽へ加工液を
排出する第3の管路と、上記第1ないし第3の管路に設
けられた共通のポンプとを設けたものである。
【0023】また、別の手段として、加工槽と、該加工
槽の容量と略同量の加工液を貯留可能な加工液槽と、第
1の弁と第2の弁とを介して上記加工液槽より上記加工
槽に加工液を供給する第1の管路と、第3の弁と第4の
弁とを介して上記加工槽の加工液を循環させる第2の管
路と、該第2の管路に設けられるフィルタ装置と、上記
第2の弁と上記第1の弁とを介して上記加工槽より上記
加工液槽へ加工液を排出する第3の管路と、上記第1な
いし第3の管路の途中に設けられた共通の正逆転可能な
ポンプとを備えたものである。
【0024】さらに、上記の弁を制御弁とし、上記第1
ないし第3の管路に設けられた共通のポンプと、上記加
工槽に設けられた該加工槽の加工液の上限及び下限をそ
れぞれ検出する少なくとも2つの液面検出器と、該液面
検出器の検出信号に基づいて上記制御弁ないし上記ポン
プを制御する制御装置とを設けることにより、より効果
的にその目的が達成される。
【0025】この時、上記加工槽の加工液を循環させる
第2の管路から分岐され、加工間隙に加工液噴流を供給
するための第4の管路を設けることにより、より適切な
加工を実現できる。
【0026】また、本発明の加工液供給方法は、被加工
物を加工液に浸漬して加工を行なうようにした電気加工
方法において、加工槽において少なくとも被加工物を浸
漬し得る量の加工液を上記加工槽と略同量の容量を有す
る加工液槽に貯留するステップと、上記加工槽と加工液
槽とを接続する第1の管路途中に設けられた弁を解放す
るとともにポンプを駆動し上記加工液槽の加工液を上記
加工槽に供給して被加工物を加工液に浸漬させるステッ
プと、上記被加工物と工具電極とに所定の電圧を印加し
て被加工物に加工を行なうステップと、上記加工中に上
記加工槽の一箇所と別の一箇所とを接続する第2の管路
途中に設けられた弁を開放するとともに上記ポンプを駆
動し上記加工槽の加工液を循環させて汚れた加工液を浄
化するステップと、上記加工槽と上記加工液槽とを接続
する第3の管路途中に設けられた弁を開放するとともに
上記ポンプを駆動し上記加工槽の加工液を上記加工液槽
に排出するステップとを有するものである。
【0027】
【作用】本発明の装置によれば、加工液を供給する第1
の管路と、加工液を循環して浄化させる第2の管路と、
加工液を排出する第3の管路とが、その管路の一部をそ
れぞれ共有する構成であるので、1つのポンプにより加
工液の急送、循環、攪拌、排出を行なえる。そして、加
工を行なう時には、第1の管路により加工液槽の略全て
の加工液を加工槽に供給し、加工中には、第2の管路に
より加工液槽に戻すことなく使用済みの加工液を浄化し
て再供給し、あるいは加工槽内の加工液を攪拌し、加工
後は、第3の管路により加工槽の略全ての加工液を加工
液槽に排出するから、高効率で高精度に加工液の供給、
循環、攪拌、排出が行なわれる。
【0028】したがって、加工液槽は加工槽と略同量の
容量を有していればよく、特殊な構造が不要でありなが
ら、設置面積が小さくなる。また、加工液を供給、循
環、攪拌、排出するための機器をより少なくできるの
で、機器の設置面積もまた小さくなる。さらに、ポンプ
で加工槽から加工液槽へ加工液を排液する構成であるか
ら、加工液槽の高さを高くすることができ、加工液槽の
設置面積が小さくなる。
【0029】そして、特に本発明の請求項3に記載され
た装置によれば、液面検出器を設けて加工槽の液面を調
整するように各制御弁あるいはポンプを制御する構成で
あるから、加工槽にオーバフロー用の排出室が不要とな
って、より加工槽の大きさが小さくすることができ、加
工液の溢出事故の危険もない。また、加工液供給時及び
循環浄化時は、上部液面検出器により加工槽に必要な加
工液が供給されたことが検知されて加工液の送給を停止
され、加工液排出時は下部液面検出器により加工槽に不
要な加工液が残留していないことが検知されて加工液の
排出が停止されるので、加工液の供給、循環、攪拌、排
出が高効率に行なわれる。
【0030】なお、加工液の噴流管路を循環管路に分岐
させて設けることにより、簡易な構成で加工液噴流を供
給することができ、特定の大きさのあるいは材質の微粉
末のみ除去し得るフィルタ装置を循環管路上に設置する
ことにより、加工液に特定の粉末を混入した放電加工に
も使用することができる。さらに、加工液冷却装置を循
環管路上に設けることにより、加工中の加工液を所定の
温度に維持し、加工環境を維持することにより精度よい
加工を行なうことができる。
【0031】また、本発明の加工方法によれば、加工槽
や加工液槽に貯留される加工液の供給、循環、攪拌、排
出を、加工液の溢出事故を発生させることなく効率的に
かつ適切に行なうことができるので、使用する加工液の
量が加工槽の容量と略同量でよくなり、設置面積を小さ
くできる。
【0032】
【実施例】図1は、本発明の油系の加工液を使用し被加
工物を浸漬して放電加工を行なうワイヤカット放電加工
装置における加工液供給装置の一実施例を示す構成図で
ある。
【0033】加工槽1には被加工物が設置され、加工中
は加工液に浸漬される。加工槽1には液面検出器として
上部フロートスイッチ4、下部フロートスイッチ5が設
けられ、加工開始前の加工液の送給時、及び加工中の被
加工物3を浸漬している時は、上部フロートスイッチ4
により上限を検出している。この上部フロートスイッチ
4は、所定の範囲で設置位置を調整できるようになって
おり、被加工物3の板厚に応じて加工槽1に貯留する加
工液の液面を設定できる。
【0034】加工液槽2は、実施例では下部の形状が漏
斗状で、底部に加工液や汚物が残留しにくい構造になっ
ている。また、設置面積をより小さくするため、加工槽
1に対して比較的縦長状の構造としている。この加工液
槽2は、図上では、加工槽の下側に位置しているように
記載されているが、加工液槽2から加工液を供給する場
合も加工液槽2に加工液を回収する場合にもポンプPで
送液するようになされているから、加工槽1の高さには
影響されず、設置条件を考慮して装置の配置に適当な位
置に設置され得る。なお、使用する加工液が水系の加工
液である場合には、空気中の炭酸ガスにより比抵抗値が
低下したり微生物の増殖などにより劣化したりするの
で、特に加工液に絶縁性を要求されるような加工の場合
には、加工液槽2の上部は、通常は閉塞されるように蓋
状の部材を設けておくとよい。
【0035】加工槽1と加工液槽2とは、略同量か若干
加工液槽2の方が大きい容量とされ、例えば、加工槽1
の容量が200lのときは、加工液槽2の容量を200
〜220l程度になるように構成しておくことが好まし
い。
【0036】管路Aは、図2(1)に示すように第1の
管路を形成するものであり、その管路上には基本的に2
つの電磁弁(制御弁)V1とV2、及び1つのポンプP
が設けられている。この第1の管路は、加工液槽2に貯
留されている加工液を加工槽1へ供給するための加工液
供給用管路であり、通常、加工槽1に加工液がない状態
の時に加工液を急送し、速やかに加工槽1に加工液を貯
留させて被加工物3が加工液に浸漬された状態にする時
に使用される。
【0037】管路Bは、図2(2)に示すように第2の
管路を形成するものであり、その管路上には基本的に2
つの電磁弁V3とV4、1つのポンプP、及びフィルタ
装置6が設けられている。この第2の管路は、主に加工
槽1の汚れた使用済み加工液を一旦加工槽1外に排出
し、加工屑を含む汚れた加工液を浄化して再び加工槽1
に戻すための加工液循環管路として用いられる。また、
液に微粉末を所定量混入した加工液を用いて加工を行な
う、いわゆる粉末加工においては、混入された微粉末が
沈澱することを防止するために加工槽を攪拌することに
も利用される。
【0038】したがって、この構成によれば、ポンプP
は管路A上にあり、加工液槽2から加工槽1に加工液を
急送するときのポンプと共有していることになる。ま
た、この管路には必要に応じて加工液冷却装置9が設け
られ、加工や供給ポンプの発する熱で温度が上昇した加
工液を所定の温度まで冷却するようにしている。
【0039】管路Cは、図2(3)に示すように第3の
管路を形成するものであり、その管路上には基本的に2
つの電磁弁V3とV5、及び1つのポンプPが設けられ
ている。そして、電磁弁V3は管路Bの弁と共通であ
り、ポンプPは管路A及び管路Bの送液ポンプと共通で
ある。この第3の管路は、加工槽1の加工液を加工液槽
2に戻すための排液用管路であるが、加工槽1に或る排
出口は、管路Aにおける加工液の供給口と同じであり、
そのため加工槽1には、加工液排出専用のドレン口を特
に設ける必要がない。
【0040】管路Dは、図2(2)に示すように第2の
管路から分岐する第4の管路を形成するものであり、そ
の管路上には加工液噴流の強さを調整するための流量制
御弁又は絞り弁と逆止弁で構成される加工液噴流調整装
置10を備えている。この時、管路上や加工液噴流ノズ
ル装置7、8に噴流の圧力あるいは流量を検出するセン
サを設け、このような流量調整弁を制御して自動的に加
工液噴流の強さを調整するように構成することができ
る。
【0041】加工液制御装置11は、各電磁弁とポンプ
及び上下フロートスイッチに接続される。そして、複数
の制御スイッチを有する操作スイッチ装置12または上
下のフロートスイッチ4、5の信号を入力することによ
り、加工液の供給、循環または攪拌、排出の目的に応じ
て制御信号O1ないしO7を出力し、電磁弁V1ないし
V5の開閉とポンプPおよび加工液冷却装置9の駆動及
び停止を制御するものである。なお、NC装置を具備し
た装置においては、NCプログラムに基づく指令により
NC装置からの指令信号を制御信号に変換して各制御弁
及びポンプ、加工液冷却装置9を制御するように構成す
ることもでき、自動加工や無人運転を行なうようなとき
に有益である。
【0042】図3は、制御装置の動作を説明するフロー
チャートであり、以下に上記した本実施例における制御
装置11の動作について説明する。
【0043】制御装置11の電源が投入されると、操作
スイッチ装置12上の複数のスイッチ、加工液供給スイ
ッチ、加工液循環スイッチ、加工液排出スイッチがそれ
ぞれオフの状態にされる(S1)。また、全ての電磁弁
V1ないしV5を閉鎖し、ポンプPを停止状態にする、
あるいはその状態を確認しておく(S2)。
【0044】被加工物3を加工槽1内に設置し、加工液
を加工槽1に供給するときには、操作スイッチ装置12
の加工液供給スイッチを押圧する(S3)。そして、こ
の供給スイッチが押圧されると(S4)、制御装置11
は、制御信号O1、O2、O6を出力し、電磁弁V1及
びV2を開放するとともにポンプPを駆動させる(S
5)。これにより、加工液槽2内の加工液は、第1の管
路Aを通って加工槽1に送液される。
【0045】このとき、複数のスイッチは同時に入力さ
れた状態にならないように構成され、他のスイッチが入
力されたときには、加工液供給スイッチをオフさせて送
液を中止する(S1)。そして、一旦、電磁弁を全て閉
鎖しポンプを停止させた後(S2)、後から入力された
スイッチの指令に基づいて電磁弁及びポンプを制御す
る。
【0046】その後、予め所要の高さに設定された上部
フロートスイッチ4が加工液面を検出し検出信号I1を
出力すると(S6)、制御装置11は、この信号I1に
基づいて制御信号O1、O2、O6を出力して、電磁弁
V1及びV2を閉鎖するとともにポンプPを停止する
(S7)。そして、加工液供給スイッチをオフの状態に
する(S1)。このようなことから、加工液が加工槽1
に貯留されている状態で加工液供給スイッチを入力して
も、加工液槽2から加工槽1への送液動作は直ちに停止
され、加工液の溢出やポンプの空運転などの事故が生じ
ない。
【0047】次に、加工液が加工槽1に貯留された状態
で、加工を行なう場合には、操作スイッチ12の加工液
循環スイッチを押圧する(S3)。上述の通り、このと
き他のスイッチはオフの状態であるから、この加工液循
環スイッチが入力されると(S8)、制御装置11は、
上部フロートスイッチ4からの検出信号I1を入力し、
加工液が加工槽1に貯留されているかどうかを検知する
(S9)。
【0048】もし、検出信号I1が加工液面を検出した
状態にあれば、制御装置11は、制御信号O3、O4、
O6を出力し、電磁弁V3及びV4を開放するとともに
ポンプPを駆動させ(S10)、同時に加工液冷却装置
を駆動させる(S11)。これにより、加工槽1内の
加工液は、第2の管路Bあるいはそこから分岐する第4
の管路Dを通って加工槽1に再供給される。
【0049】一方、上部フロートスイッチ4が加工液面
を検出していない場合には、加工槽1に充分な加工液が
貯留されていないものと検知され、ブザーやランプを発
して報知し(S15)、加工液循環スイッチをオフにす
る(S1)。このとき、加工液槽2内にも下限を検出す
るフロートスイッチを設置して加工液槽2内に所定の加
工液があるかどうかを検出できるようにしておけば、自
動的に加工液供給スイッチを入力して加工液を加工槽1
に送液し、送液が完了した後に加工液の循環を開始する
ようにすることもできる。
【0050】加工が終了し、加工液循環スイッチがオフ
にされた場合には(S12)、制御信号O3、O4、O
6が出力され、電磁弁V3、V4を閉鎖するとともにポ
ンプPを停止させる(S13)。これと同時に、制御信
号O7が出力されて加工液冷却装置9を停止させる(S
14)。なお、途中で別のスイッチが押圧されたときに
は、加工液循環スイッチが切られ(S1)、電磁弁V
3、V4は閉鎖されるとともにポンプPが停止される
(S2)。そして、別の押圧されたスイッチの入力に基
づいて電磁弁及びポンプを制御する。
【0051】加工槽1に貯留された加工液を排出する場
合には、操作スイッチ装置12の加工液排出スイッチを
押圧する(S3)。そして、加工液供給スイッチと加工
液循環スイッチは切られている状態となっているので、
加工液排出スイッチが入力されると(S16)、制御装
置11は、制御信号O3、O5、O6を出力し、電磁弁
V3及びV5を開放するとともにポンプPを駆動する
(S17)。これにより、加工槽1内の加工液は、第3
の管路Cを通って加工液槽2へ送液される。
【0052】その後、加工槽1の最下部に設置された下
部フロートスイッチ5が加工液面を検出しなくなり、検
出信号I2が出力されなくなると(S18)、制御装置
11は、制御信号O3、O5、O6を出力して、電磁弁
V3及びV4を閉鎖するとともにポンプPを停止する
(S19)。そして、加工液排出スイッチをオフの状態
にする(S1)。これにより、加工液の溢出やポンプの
空運転が防止される他、加工液槽2から加工槽1に加工
液が逆流することが阻止される。
【0053】以下に加工の手順に従って本発明の加工液
供給及び排出の方法を説明する。加工を行なうには、ま
ず、被加工物3を加工槽1内に設置した後、加工槽1を
液密状態にする。即ち、制御装置11からの制御信号に
より電磁弁V1とV2を開放するとともにポンプPを駆
動することにより、管路Aを介して加工液槽2に貯留さ
れた加工液を加工槽1に急送する。この時、電磁弁V1
とV2以外は閉鎖された状態である。そして、上部フロ
ートスイッチ4が加工液面を検出したら、制御装置11
は、その検出信号を受けてポンプPを停止させるととも
に電磁弁V1とV2を閉鎖するように制御する。
【0054】続いて、被加工物3が加工液に浸漬された
状態でワイヤ電極と被加工物3とに放電加工用電圧を印
加するとともに、両者を相対移動させることにより所望
の形状に放電加工を行なう。なお、放電加工用電源装
置、ワイヤ電極送り装置、ワイヤ電極と被加工物とを相
対移動させる各相対移動装置と、それらを制御する方法
についての詳細な説明は省略する。
【0055】加工中は、加工により加工屑が発生した
り、また加工により加工液の温度が上昇したりして加工
の環境が悪化するので、制御装置は電磁弁V3及びV4
を開放するとともにポンプPを駆動して、管路Bに沿っ
て加工槽1の加工液を循環させるようにする。なお、こ
の間、他の制御弁は閉鎖されている。したがって、加工
槽1の加工液は、ポンプPにより強制的に排出され、加
工液冷却装置9により所定温度に冷却されるとともに、
フィルタ装置6により浄化されて、加工槽1に再供給さ
れる。また、加工液は、分岐点から管路Dを介して加工
液噴流ノズル7、8より加工間隙に供給される。
【0056】さらに、加工液冷却装置9で冷却された加
工液は、管路Dに沿って加工液噴流として加工間隙に供
給される。そして、上述した粉末加工においては、混入
された微粉末が徐々に加工槽1に沈澱し、加工液中の実
質的な特定の微粉末の混入濃度が低下する。そこで、管
路Bによる加工液の再供給工程により、加工槽1内の加
工液を攪拌するようにすることができる。そのため、例
えば、管路Bの加工槽1の開口部を先細り状にしたり、
加工槽1の隅部に沿って加工液が吐出されるようにした
りすることにより、加工槽1内の加工液に渦流を発生さ
せるようにすれば、攪拌の効果をより高めることができ
る。
【0057】管路Bにおいては、例えばフィルタ装置6
を特定の粒径の微粉末を除去するセラミック製のフィル
タ装置などのフィルタ装置や金属粉のみを除去する磁気
フィルタ装置などを用いたり、フィルタ装置6を切換使
用可能な管路構成にしたりするなど、実施例の構成を応
用することにより、粉末加工と粉末を使用しない加工と
を容易に切り換えて実施できるようにする構成とするこ
とができる。このような管路Bにおけるフィルタ装置や
加工液冷却装置の設置箇所や個数を含めた液回路配置
は、各装置の能力、加工の目的、使用する加工液などに
応じて、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜設計され
得るものである。
【0058】次いで、1つの加工工程あるいは一連の加
工が終了した後に加工液を排出する必要が生じた時に
は、制御装置は、操作スイッチなどの入力などによる指
令に基づいて電磁弁V3とV5を開放すると同時にポン
プPを駆動し、管路Cを介して加工槽1の加工液を加工
液槽2に排液する。そして、下部フロートスイッチ5が
加工槽1の加工液が排出されたことを検出したら、その
検出信号を受けて、制御装置はポンプPを停止し電磁弁
V3とV5を閉鎖して、加工液槽2の加工液の逆流を阻
止する。
【0059】このように、加工液の急送と排出とが加工
槽1において開口部を共有するために、別途ドレンやオ
ーバフロー用の排出室が不要である。さらに、下部フロ
ートスイッチ5が加工槽1の液面の下限を検出し、加工
槽1に加工液が残留していないことを検知し得るから、
加工槽1に加工液が逆流する事故が発生する危険性が極
めて低い。
【0060】次回に加工を行なう時に、加工液に混入し
た加工屑や微粉末を除去したい時には、管路Aにより加
工液を供給しないで電磁弁V1と電磁弁V4を開放し、
管路Aと管路Bとを用いて加工液をフィルタ装置6に供
給することで、微粉末の除去が成し遂げられる。また、
加工槽1の洗浄を行なう時にも、管路Aだけでなく、管
路Aと管路Bとを利用できる。
【0061】以上のように、この実施例の構成によれ
ば、従来と同等の加工液の管理が可能でありながら、使
用する加工液は加工槽1の容量と略同量でよい。また、
加工液槽2の設置位置や仕様に柔軟性を与えることがで
きる上に、加工液の供給、循環、攪拌、排出が1つのポ
ンプで行なうことができる。なお、水系加工液を使用し
加工液の比抵抗値を所定の範囲に維持する必要がある場
合には、純水器を管路B上に設置するとよい。
【0062】図4は、本発明の別の実施例を示す構成図
であり、油系の加工液を使用し被加工物を浸漬して放電
加工を行なうワイヤカット放電加工装置における加工液
供給装置の例である。なお、図1と同様の装置や部材
は、同一の符号を用いてある。
【0063】管路Aは、図5(1)に示すように第1の
管路を形成するものであり、その管路上には基本的に2
つの電磁弁V1とV2、及び1つの正逆転可能なポンプ
Pが設けられている。この第1の管路は、加工液槽2に
貯留されている加工液を加工槽1へ供給するための加工
液供給用管路であり、通常、加工槽1に加工液がない状
態の時に加工液を急送し、速やかに加工槽1に加工液を
貯留させて被加工物3が加工液に浸漬された状態にする
時に使用される。
【0064】管路Bは、図5(2)に示すように第2の
管路を形成するものであり、その管路上には基本的に2
つの電磁弁V3とV4、1つの正逆転可能なポンプ、及
びフィルタ装置6が設けられている。この第2の管路
は、主に加工槽1の汚れた使用済み加工液を一旦加工槽
1外に排出し、加工屑を含む汚れた加工液を浄化して再
び加工槽1に戻すための加工液循環管路として用いられ
る。また、粉末加工では加工槽1を攪拌することに利用
される。
【0065】この実施例における加工液排出用の第3の
管路は、図2(3)に示すように,加工液を加工液槽2
から加工槽1に供給する管路Aと同一管路である。すな
わち、ポンプPを逆方向に駆動させることにより、第1
の管路における加工液の送液方向とは反対の方向に加工
液を送液することにより、加工槽1の加工液を加工液槽
2に排出するものである。
【0066】管路Dは、図5(2)に示すように第2の
管路から分岐する加工液噴流用の第4の管路を形成する
ものであり、その管路上には加工液噴流の強さを調整す
るための絞り弁と逆止弁とで構成される加工液噴流調整
装置10を備えている。この時、液圧や流量を検出する
センサを設けて加工液噴流の強さを自動的に調整できる
ように構成し得ることはいうまでもない。
【0067】図6は、本実施例における制御装置11の
動作を説明するフローチャートである。制御装置11の
電源が投入されると、操作スイッチ装置12上の複数の
スイッチ、加工液供給スイッチ、加工液循環スイッチ、
加工液排出スイッチがそれぞれオフの状態にされる(S
1)。また、全ての電磁弁V1ないしV4を閉鎖し、ポ
ンプPを停止状態にする、あるいはその状態を確認して
おく(S2)。
【0068】被加工物を加工槽1内に設置し、加工液を
加工槽1に供給するときには、操作スイッチ装置12の
加工液供給スイッチを押圧する(S3)。そして、この
供給スイッチが押圧されると(S4)、制御装置11
は、制御信号O1、O2、O6を出力し、電磁弁V1及
びV2を開放するとともに両方向に送液可能なポンプP
を正方向に駆動させる(S5)。これにより、加工液槽
2内の加工液は、第1の管路Aを通って加工槽1に送液
される。このとき、複数のスイッチは同時に入力された
状態にならないように構成されているのは、先の実施例
装置と同様である。
【0069】その後、予め所要の高さに設定された上部
フロートスイッチ4が加工液面を検出し検出信号I1を
出力すると(S6)、制御装置11は、この信号I1に
応じて制御信号O1、O2、O6を出力して、電磁弁V
1及びV2を閉鎖するとともにポンプPを停止する(S
7)。そして、加工液供給スイッチをオフの状態にする
(S1)。
【0070】次に、加工液が加工槽1に貯留された状態
で、加工を行なう場合には、操作スイッチ12の加工液
循環スイッチを押圧する(S2)。上述の通り、このと
き他のスイッチはオフの状態であるから、この加工液循
環スイッチが入力されると(S8)、制御装置11は、
上部フロートスイッチ4からの検出信号I1を入力し、
加工液が加工槽1に貯留されているかどうかを検知する
(S9)。
【0071】もし、検出信号I1が加工液面を検出した
状態にあれば、制御装置11は、制御信号O3、O4、
O6を出力し、電磁弁V3及びV4を開放するとともに
ポンプPを正方向に駆動させ(S10)、また同時に、
制御信号O7を出力して加工液冷却装置9を駆動させる
(S11)。これにより、加工槽1内の加工液は、第2
の管路Bあるいはそこから分岐する第4の管路Dを通っ
て加工槽1に再供給される。
【0072】
【0073】一方、上部フロートスイッチ4が加工液面
を検出していない場合には、ランプ等で報知し(S1
5)、加工液循環スイッチをオフにする(S1)。この
ときに、自動的に送液を行なって、加工液循環を行なう
ようにすることができることは、先の実施例の場合と同
じである。
【0074】加工が終了し、加工液循環スイッチがオフ
にされた場合には(S12)、制御信号O3、O4、O
6、O7が出力され、電磁弁V3、V4を閉鎖するとと
もにポンプPを停止させ(S13)、同時に加工液冷却
装置9を停止させる(S14)。なお、途中で別のスイ
ッチが押圧されたときには、加工液循環スイッチが切ら
(S1)、電磁弁V3、V4は閉鎖されるとともにポ
ンプPが停止される(S2)。そして、別の押圧された
スイッチの入力に基づいて電磁弁及びポンプを制御する
(S3)
【0075】加工槽1に貯留された加工液を排出する場
合には、操作スイッチ装置12の加工液排出スイッチを
押圧する(S3)。加工液排出スイッチが入力されると
(S16)、制御装置11は、制御信号O1、O2、O
を出力し電磁弁V1びV2を開放するとともにポンプ
Pを逆の方向に駆動する(S17)。すなわち、加工液
の急送時と同一管路上を逆の方向に加工液を送液するも
のであり、加工液が加工槽1から加工液槽2へと戻され
る。
【0076】その後、加工槽1の最下部に設置された下
部フロートスイッチ5が加工液面を検出しなくなり、検
出信号I2が出力されなくなると(S18)、制御装置
11は、制御信号O1、O2、O6を出力して、電磁弁
V1及びV2を閉鎖するとともにポンプPを停止する
(S19)。そして、加工液供給スイッチをオフの状態
にする(S1)。
【0077】なお、以上のステップの内、ステップ7と
ステップ19の動作は、ステップ2における全ての電磁
弁を閉鎖するとともにポンプを停止させる動作によって
も達成されるので、制御のステップから省略することも
できる。
【0078】加工液槽2より加工液を急送して加工槽1
に加工液を満たすためには、電磁弁V1とV2を開放す
るとともポンプPを正方向に駆動させ、管路Aを介して
行なう。この時、電磁弁V1とV2以外は閉鎖された状
態にしておく。そして、上部フロートスイッチ4が加工
液面を検出したらポンプPを停止させるとともに電磁弁
V1とV2を閉鎖する。
【0079】加工を行なっている最中に、加工槽1の加
工液を循環させる、あるいは加工槽1内の加工液を攪拌
させる場合には、電磁弁V3及びV4を開放するととも
にポンプPを正方向に駆動して、管路Bを介して行な
う。なお、この間、他の制御弁は閉鎖されている。した
がって、加工槽1の加工液は、ポンプPにより強制的に
排出され、加工液冷却装置9により所定温度に冷却され
るとともに、フィルタ装置6により浄化されて、加工槽
1に再供給される。なお、管路B上に設定された分岐点
から加工液供給ノズル7、8の吐出口までを結ぶ管路D
を介して、加工液噴流を加工間隙に供給し得る。
【0080】加工の終了などにより加工液を加工槽1か
ら排出する必要が生じた場合には、電磁弁V1とV2を
開放するとともにポンプPを逆方向に駆動して、管路A
を介して行なう。加工槽1の下部フロートスイッチ5が
加工槽1内の加工液が排出されたことを検知したら、電
磁弁V1とV2を閉鎖し、ポンプPを停止する。
【0081】以上のように、この実施例の装置及び方法
の構成によれば、加工液の急送と排出の工程が同一の管
路で行なえ、液回路の構成をより簡易化して、装置の規
模をより縮小化することができる。
【0082】このように、本発明の構成は、概して第1
の管路ないし第3の管路を電磁弁と共通の1つのポンプ
とで形成し、加工液の供給、循環、攪拌、排出を行なう
もので、このような液回路のバリエーションは、本発明
の主旨に逸脱しない範囲で、種々の回路及び部材の配置
が可能である。したがって、本発明の主旨に逸脱しない
範囲で、各装置の配置と配管が任意に行なえ、その自由
度も大きい。なお、実施例ではワイヤカット放電加工装
置について説明したが、形彫放電加工装置や電解加工装
置などの被加工物を加工液に浸漬して加工を行なう他の
電気加工装置についても使用できるものである。
【0083】
【効果】本発明の装置は、以上のように構成されている
ので、第1に、加工液の循環、噴流の供給、攪拌などの
加工中の作業は、加工槽の加工液を加工液槽に戻して使
用するのではなく、循環中に浄化して再供給するので、
使用する加工液の量を加工槽に貯留する量と略同量にす
ることができる。そのため、経済的であるばかりでな
く、加工液槽をより小さくすることができるから、装置
全体の設置面積を大幅に小さくすることができる。
【0084】第2に、加工液槽の容量をより少なくする
ことにより、加工槽をコンパクトにでき、操作性やメイ
ンテナンス性能がより向上する。また、加工液槽を下部
の形状を漏斗状に構成すれば、加工液槽の清掃作業を簡
易化することができ、より一層、作業効率を向上させる
ことができる。
【0085】第3に、加工槽の液面を検出して制御弁や
ポンプを加工液の供給、循環、攪拌、排出に応じて動作
させる構成によれば、オーバフローのための排出室を不
要にして、より省スペース化が達成できる。また、従来
のドレン部の構成に必要だった堰板などの部材が不要と
なるので、加工槽をより簡易な構成にでき、操作性に優
れるとともに経済的にも有益である。
【0086】第4に、ポンプによる強制的な排液を行な
う構成であるので、従来のようにドレンを介して行なう
自然落下式の加工液の排出を行なう必要がないので、よ
り短時間で加工液の排出作業が行なえ、作業効率が向上
するものである。また、この構成によれば、例えば、加
工槽に対して上下の何れかに設置できるなど加工液槽の
設置場所に柔軟性を有し、より好適な装置の配置が可能
となる。
【0087】第5に、加工液の供給、循環、攪拌、排出
を1つのポンプで行なえるように構成されているので、
構成装置の簡素化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加工液供給装置の一実施例を示す構成
図である。
【図2】図1の実施例の装置における第1ないし第4の
管路を示した図である。
【図3】図1の装置における制御装置11の動作を示す
フローチャートである。
【図4】本発明の加工液供給装置の別の実施例を示す構
成図である。
【図5】図4の実施例の装置における第1ないし第4の
管路を示した図である。
【図6】図4の装置における制御装置11の動作を示す
フローチャートである。
【図7】従来のワイヤカット放電加工装置における加工
液供給装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1,加工槽 2,加工液槽 3,被加工物 4,上部フロートスイッチ 5,下部フロートスイッチ 6,フィルタ装置 7,上部加工液噴流ノズル 8,下部噴流ノズル 9,加工液冷却装置 10,加工液噴流調整装置 11,制御装置 12,操作スイッチ装置 V,バルブ P,ポンプ O,出力信号 I,入力信号
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23H 7/36 B23H 1/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物を加工液に浸漬して加工を行な
    うように構成された電気加工装置の加工液供給装置にお
    いて、加工槽と、該加工槽の容量と略同量の加工液を貯
    留可能な加工液槽と、第1の弁と第2の弁とを介して上
    記加工液槽より上記加工槽に加工液を供給する第1の管
    路と、第3の弁と第4の弁を介して上記加工槽の加工液
    を循環させる第2の管路と、該第2の管路に設けられる
    フィルタ装置と、上記第3の弁と第5の弁とを介して上
    記加工槽より上記加工液槽へ加工液を排出する第3の管
    路と、上記第1ないし第3の管路に設けられた共通のポ
    ンプとを備えたことを特徴とする加工液供給装置。
  2. 【請求項2】 被加工物を加工液に浸漬して加工を行な
    うように構成された電気加工装置の加工液供給装置にお
    いて、加工槽と、該加工槽の容量と略同量の加工液を貯
    留可能な加工液槽と、第1の弁と第2の弁とを介して上
    記加工液槽より上記加工槽に加工液を供給する第1の管
    路と、第3の弁と第4の弁とを介して上記加工槽の加工
    液を循環させる第2の管路と、該第2の管路に設けられ
    るフィルタ装置と、上記第2の弁と上記第1の弁とを介
    して上記加工槽より上記加工液槽へ加工液を排出する第
    3の管路と、上記第1ないし第3の管路の途中に設けら
    れた共通の正逆転可能なポンプとを備えたことを特徴と
    する加工液供給装置。
  3. 【請求項3】 被加工物を加工液に浸漬して加工を行な
    うように構成された電気加工装置の加工液供給装置にお
    いて、加工槽と、該加工槽の容量と略同量の加工液を貯
    留可能な加工液槽と、該加工液槽より上記加工槽に加工
    液を供給する第1の管路と、フィルタ装置を有し上記加
    工槽の加工液を循環または攪拌させる第2の管路と、上
    記加工槽より上記加工液槽へ加工液を排出する第3の管
    路と、上記第1ないし第3の管路にそれぞれ設けられた
    少なくとも4つの制御弁と、上記第1ないし第3の管路
    に設けられた共通のポンプと、上記加工槽に設けられた
    該加工槽の加工液の上限及び下限をそれぞれ検出する少
    なくとも2つの液面検出器と、該液面検出器の検出信号
    に基づいて上記制御弁ないし上記ポンプを制御する制御
    装置とを備えたことを特徴とする加工液供給装置。
  4. 【請求項4】 上記第2の管路において、上記加工槽と
    該加工槽と上記ポンプの間に設けられた弁との間の上記
    管路上に分岐点を設け、該分岐点と加工液噴流吐出口と
    を接続する第4の管路を備えたことを特徴とする請求項
    1ないし請求項3に記載の加工液供給装置。
  5. 【請求項5】 被加工物を加工液に浸漬して加工を行な
    うようにした電気加工における加工液供給方法におい
    て、加工槽において少なくとも被加工物を浸漬し得る量
    の加工液を上記加工槽と略同量の容量を有する加工液槽
    に貯留するステップと、上記加工槽と加工液槽とを接続
    する第1の管路途中に設けられた弁を解放するとともに
    ポンプを駆動し上記加工液槽の加工液を上記加工槽に供
    給して被加工物を加工液に浸漬させるステップと、上記
    被加工物と工具電極とに所定の電圧を印加して被加工物
    に加工を行なうステップと、上記加工中に上記加工槽の
    一箇所と別の一箇所とを接続する第2の管路途中に設け
    られた弁を開放するとともに上記ポンプを駆動し上記加
    工槽の加工液を循環させて汚れた加工液を浄化するステ
    ップと、上記加工槽と上記加工液槽とを接続する第3の
    管路途中に設けられた弁を開放するとともに上記ポンプ
    を駆動し上記加工槽の加工液を上記加工液槽に排出する
    ステップとを有したことを特徴とする加工液供給方法。
  6. 【請求項6】 上記加工中に上記加工槽の一箇所と別の
    一箇所とを接続する第2の管路途中に設けられた弁を開
    放するとともに上記ポンプを駆動し上記加工槽の加工液
    を循環させて上記加工槽の加工液を攪拌するステップを
    有したことを特徴とする請求項5に記載の加工液供給方
    法。
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