JP3229005B2 - 音叉型水晶振動子およびその製造方法 - Google Patents

音叉型水晶振動子およびその製造方法

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JP3229005B2
JP3229005B2 JP11051592A JP11051592A JP3229005B2 JP 3229005 B2 JP3229005 B2 JP 3229005B2 JP 11051592 A JP11051592 A JP 11051592A JP 11051592 A JP11051592 A JP 11051592A JP 3229005 B2 JP3229005 B2 JP 3229005B2
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tuning
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文雄 木村
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セイコーインスツルメンツ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腕時計、マイクロコン
ピュータ、コードレステレフォン、自動車無線等の情報
機器に利用される音叉型水晶振動子の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来のエッチング加工によって形成され
るZ板系音叉型水晶振動子は、数十kHzから数百kH
zの発振周波数を持つ水晶振動子であり、その振動モー
ドは屈曲振動である。図5に音叉型水晶振動子の切り出
し方位の概略図を示す。図5において、1は水晶振動子
片であり、カット角θは、通常x軸を回転軸として反時
計回りに約−20゜から+20゜の範囲内に設定され
る。
【0003】このように、水晶振動子片1の形状方位
は、純粋なZ板すなわち、θ=0の近傍に設定されてい
る。これが、Z板系音叉型水晶振動子の切り出し方位の
概略である(以下、この振動子を音叉型水晶振動子また
は音叉という)。このように切り出された水晶板をエッ
チング加工によって形成される音叉型水晶振動子は、図
6に示すような音叉形状となる。
【0004】図6(a)において、エッチング加工特有
の現像として、図中の斜線部で示したエッチング残り5
が生じる。これを断面でみると図6(b)、図6(c)
のようになる。特にA部に生じるエッチング残りの形状
が特徴的である。このようなエッチング残り形状は、図
5で示したカット角及び水晶単結晶の持つ構造異方性に
起因するものであり、エッチング加工においては、避け
がたいものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】既に説明したように、
上記のようにカットされ、エッチングにより形成された
音叉型水晶振動子片をインナーリードに半田付けまたは
導電性接着材で接着し、キャップをかぶせ半田付等によ
り密封し、音叉型水晶振動子が完成する。このような構
造の音叉型水晶振動子に外部からの印加圧力、衝撃力が
加わると発振周波数が変化するという課題があった。特
に、腕時計等の高密度回路実装に用いる音叉型水晶振動
子は直接回路基板に固定するため、後述する試験方法
で、発振周波数変化が±2PPM以下という要求を十分
に満足しなかった。
【0006】本発明は、上記課題を解決して外部からの
印加圧力、衝撃力に対し、発振周波数の変化が少ない音
叉型水晶振動子の実現を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の音叉型水晶振動
子が上記目的を達成するために採用した手段は、エッチ
ング加工によって形成される音叉型水晶振動子におい
て、音叉股幅寸法Dとエッチング加工によって生じたエ
ッチング残り寸法Hとの比D/Hを6〜14にしたこと
を特徴とする。
【0008】
【作用】上記の構成であるので、エッチング加工時間を
上記条件に合うよう制御すれば、外部からの印加圧力、
衝撃力に対し、発振周波数の変化が少ない音叉型水晶振
動子が実現できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図1〜図4により詳細に説明
する。既に説明したように、所定の方位でカットされ、
エッチングにより形成された音叉型水晶振動子片1が図
1に示されている。図1において、振動子片は2個の腕
部3からなり、その長さをL、幅をWとする。2個の腕
部3の間にはエッチング加工により切り取られる股部4
があり、その幅をDとする。股部4の先端は幅Dと接す
る円弧となっている。このような音叉形状のマスクを使
用してエッチング加工をすると前述のようにエッチング
残りが生ずる。音叉片の幅方向のエッチング残りをS、
音叉片の長さ方向のエッチング残りをHとする。
【0010】エッチング時間を制御することにより、エ
ッチング残り寸法S,Hを変化させることができる。こ
れを利用して、様々な音叉寸法形状の振動子片を作り、
マウントし、キャップをかぶせて封止した。これらの音
叉型水晶振動子ユニットを図2の測定方法により測定し
た。図2は、音叉型水晶振動子ユニットの測定方法の模
式図で、基台14の上に音叉型水晶振動子ユニット11
を乗せ、その端子は発振回路16及び周波数カウンタ1
7に接続されており、発振周波数が測定できる。これに
1kg荷重15を付加する。この1kg荷重15の付加
の前後に周波数の変化を測定すれば、印加加圧に対する
音叉型水晶振動子の良否が判定できる。
【0011】このようにして、様々な音叉寸法形状の振
動子片を使った音叉型水晶振動子を測定した結果を図3
に示す。外部からの印加圧力によって発振周波数が大き
く変わるのは、エッチング残りが振動子全体の力学的な
バランスを変化させること、特に図6のA部の形状が重
要であることに着目し、股幅寸法Dとエッチング残り寸
法Hとの比D/Hをパラメータとした。
【0012】図3は、本発明を含む各種の音叉型水晶振
動子の外部からの印加圧力に対する周波数変化を示す図
である。図3から周波数変化が、1.2PPM以下であ
る範囲はBであり、これはD/Hでは6〜14の範囲で
あることがわかる。上記の結果を利用して32kHz音
叉型水晶振動子の1実施例として、 D= 120μm H= 12μm (D/H=10) L=2370μm W= 235μm S= 2μm となるようエッチング加工時間を制御して、多数の振動
子を作った。これらを図2の測定方法で測定した。周波
数変化の度数分布を従来例と比較して示したのが図4で
ある。図4から、周波数変化は要求の±2PPMを十分
に満足していることがわかる。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば音
叉型水晶振動子の股幅寸法Dとエッチング残り寸法Hの
比D/Hを6〜14にすることにより、外部からの印加
圧力、衝撃力に対して周波数変化の少ない音叉型水晶振
動子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水晶振動子の平面図である。
【図2】振動子ユニットの測定方法の模式図である。
【図3】本発明を含む周波数変化を示す図である。
【図4】本発明を含む周波数変化の度数分布図である。
【図5】音叉型水晶振動子の切り出し方位の概略図であ
る。
【図6】エッチング残りを説明する(a)は平面図、
(b)はB−B’断面図、(c)はC−C’断面図であ
る。
【符号の説明】
1 水晶振動子片 4 股部 5 エッチング残り D 股幅寸法 H エッチング残り寸法
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 3/00 - 3/04 H03H 9/00 - 9/215

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音叉型水晶振動子において、音叉の2個
    の腕部が幅Dの間隔を有し、 前記音叉型水晶振動子の股部の前記水晶振動子表面の円
    弧の最下部と、前記股部の頂点との間隔Hを有し、 かつD/Hが6から14である音叉型水晶振動子。
  2. 【請求項2】 前記音叉型水晶振動子はx軸を回転軸と
    して−20°から+20°回転したカット角でカットさ
    れたものであることを特徴とする請求項1記載の音叉型
    水晶振動子。
  3. 【請求項3】 エッチングによる音叉型水晶振動子の製
    造方法において、 前記音叉型水晶振動子の腕部の間隔Dと、 股部の音叉片の長さ方向のエッチング残りをHとした
    時、D/Hを6から14にする音叉型水晶振動子の製造
    方法。
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