JP3228275B2 - 捩れ防止ダンパー用電線クランプ - Google Patents

捩れ防止ダンパー用電線クランプ

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修司 北川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送電線の所定位置
に垂錘を配置して送電線の振動を規制するための捻れ防
止ダンパー用電線クランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の重錘式の捩れ防止ダンパー用電
線クランプとしては、電線を直接把持するクランクキャ
ップを備えたクランプ本体の下部に両端に重錘を取り付
けたアームを水平に支持した構造のものが公知である。
【0003】ところで、この捩れ防止ダンパー用電線ク
ランプは、架空送電線のような高所に張設され電線路に
取り付けされるため、取付作業が容易で、且つ、部品の
落下等を招かないシンプルな構造が望まれており、特に
電線把持部分の機構として従来からのボルトによる締め
付け構造に替わり、クランプバネ等の反発力を利用しワ
ンタッチ操作て締め付けを行うボルトレス方式の電線ク
ランプが多く使用されるようになってきており、これに
より、架線工事における作業性の向上を図ることがで
き、また締め付け用ボルト等の緩みにより生ずる電線ク
ランプの脱落事故を極力防止することができ、安全性が
向上するようになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ボ
ルトレス式電線クランプの採用によって電線把持部分の
組立作業性、或いは部品脱落に対する安全性は向上した
ものの、このクランプ本体に取り付けられる振動防止用
の重錘の支持構造としては、依然としてクランプ本体に
アームの基端部に形成したネジ部を螺挿するもの、或い
は圧縮により固定するものが多く使用されているのが現
状である。係る支持構造では、組立作業も煩雑であり、
且つ、長期間の使用で螺挿部が緩んで重錘が回動した
り、更には、アームがクランプ本体より抜け落ちる等の
危険性も有しており、まだまだ安全性の面で問題が有っ
た。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に鑑みて成さ
れたものであって、長期間の使用にあっても重錘の落下
事故を招かない安全性の高い捻れ防止ダンパー用電線ク
ランプを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明では、
送電線(A)を把持するクランプ本体(1)の下部に両
端に重錘(14、14)を取り付けたアーム(5)を水
平に支持して成る捩れ防止ダンパー用電線クランプにお
いて、前記クランプ本体(1)は、その底部に側部に係
合凹部(12)を設けた貫通凹溝(11)を有し、且
つ、前記アーム(5)は、前記貫通凹溝(11)に嵌合
可能で、その中央部に前記係合凹部(12)に係合可能
な凸部(8)を設けた矩形状支持部(6)を有してお
り、当該矩形状支持部(6)の凸部(8)が前記貫通凹
溝(11)の係合凹部(12)に係合されると共に、ク
ランプ本体(1)の側部より貫通ボルト(19)が螺着
されて、前記アーム(5)がクランプ本体(1)に固着
されることを特徴とするものである。
【0007】上記のように、係合凹部と凸部の係合によ
りアームがクランプ本体に係止される構成とすることに
より、アームの取付作業を容易にできると共に、両者を
固定する貫通ボルトが弛んで外れた場合でも、上記係合
機構によりアームの回動やクランプ本体からの脱落を防
止でき、よって、長期使用に対して確実な安全性を確保
できるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る捻れ防止ダン
パー用電線クランプの一実施形態を図1〜図5に基づい
て説明する。図1は本発明の捩れ防止ダンパー用電線ク
ランプの外観斜視図、図2はその平断面図、図3はアー
ムの外観斜視図、図4は本発明の捩れダンパー用電線ク
ランプを送電線に装着した状態を示す正面図、図5はそ
の側断面図である。
【0009】図中、符号1は上部後面に電線把持用の湾
曲フック部2を突設したクランプ本体である。この湾曲
フック部2の前面部に送電線Aを挿入するための開口部
3(電線挿入口3)が形成されており、また、この開口
部3の下縁に突設した支持段部4に電線離脱防止用のク
ランプ押10が回動自在に取り付けてある。
【0010】このクランプ押10は、1本の鋼材ピンを
矩形状に折り曲げ、その両側脚部10a、10aの長さ
を違えて形成したもので、その端部を駒折して段違い状
に前記支持段部4の両側に差し込むことにより、クラン
プ押10が内側への横倒される際の捩れ現象によりバネ
性を持たせることができ、このバネ性をもって送電線A
の挿通後にクランプ押さえ10を元の起立状態に復帰さ
せ、開口部3を閉塞するように構成されている。従っ
て、湾曲フック部2内の把持電線が脱離することはな
い。
【0011】尚、符号18は送電線Aに巻き付けた所定
長のアーマロッド、符号20はアーマロッド用絡み突起
である。
【0012】符号14はアーム5の両端部に取り付けた
重錘である。この重錘14は二つ割りの構成とされ、内
部に形成した支持空間部16の円弧状頸部16aに内蔵
スプリング17の一端を押し付けるようにアーム5の膨
出部7を突き合わせて収納すると共に、二つ割りのもう
一方の重錘14を挟持用ボルト15で締め付けることに
より、アーム5の両側に重錘14を水平に固定できるよ
うになっている。
【0013】ところで、図1に示すように前記クランプ
本体1の底面には送電線Aの張設方向に向けて貫通凹溝
11が設けてあり、さらに、この貫通凹溝11の一側部
には所定サイズの係合凹部12が形成されている。ま
た、このクランプ本体1の側部中央にアーム5をこのク
ランプ本体1に固定するための貫通ボルト19が挿通さ
れる通孔13が前記貫通凹溝11を側部から貫通する形
で穿設されている。
【0014】一方、アーム5は図4に示すように、中央
部に前記貫通凹溝11に嵌合する矩形状の支持部6を有
しており、その一側部に前記係合凹部12に係合可能な
凸部8が形成されている。また、この矩形状支持部6の
中央、即ち、前記クランク本体側部の通孔13に対応す
る位置に前記貫通ボルト19が挿通される通孔9が穿設
されている。
【0015】上記構成において、アーム5の取付は、先
ず、クランプ本体1の貫通凹溝11にアーム5の矩形状
支持部6を下方より挿入して両者を嵌合させる。この
際、貫通凹溝11に矩形状支持部6の凸部8が当接しな
いようアーム位置を少々横方向にずらして凸部8を貫通
凹溝11より外れるようにして挿入する。そして、嵌合
後、アーム5を適正位置に移動(摺動)して貫通凹溝1
1の係合凹部12に矩形状支持部6の凸部8を係合さ
せ、更に、この矩形状支持部6をクランプ本体1側面よ
り挿通した貫通ボルト19にて締め付け、アーム5を貫
通凹溝11に固定する。アーム5をクランプ本体1に固
定した後、アーム5の両端の膨出部7に前記要領にて重
錘14を取り付ける。これで、アーム5のクランプ本体
1への取付が完了する。
【0016】上記のように、係合凹部12と凸部8の係
合によりアーム5がクランプ本体1に係止される構成と
することにより、両者を固定する貫通ボルト19が弛ん
で外れたとしても、アーム5はこの係合機構によりクラ
ンプ本体1に係止されているからアーム5が送電線Aの
振動等で回動することは無い。また、アーム5の横方向
への移動に対しては、アーム5の横変位に対し重錘14
の内側端部がクランプ本体1の側端部に当接するように
凸部8の形成位置を適当に設定することにより、アーム
5が移動してもこのストッパー機構により両者の係合関
係は保持できるから、アーム5がクランプ本体1の貫通
凹溝11より抜け落ちる心配はない。よって長期使用に
対する安全性は十分確保・維持されるものである。
【0017】以上、本実施形態では係合凹部12と凸部
8による上記係止機構をクランプ本体1の片側のみに設
けた構成を示したが、これに限定されるものではなく、
係る係止機構がクランプ本体1の両側に設けてあっても
勿論構わない。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
クランプ本体の下部に両端に重錘を取り付けたアームを
水平に支持して成る捩れ防止ダンパー用電線クランプに
おいて、クランプ本体の貫通凹溝にアームの矩形状支持
部を嵌合すると、クランプ本体に設けた係合凹部と矩形
状支持部に設けた凸部の係合によりアームがクランプ本
体に係止される構成とすることにより、アームのクラン
プ本体への取付作業を容易にできる。且つ、上記係合機
構により、両者を螺着する貫通ボルトが弛んで外れたと
しても、アームは送電線の振動等で回動することは無
く、また、横方向へ移動に対しては、アーム両端に取り
付けた重錘の内側端部がクランプ本体の側端に当接しス
トッパとして機能するため、アームがクランプ本体の貫
通凹溝より抜け落ちることは無い。よって、本発明の電
線クランプは長期間の使用に当たり十分な安全性を維持
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る捩れ防止ダンパー用電線クランプ
の一実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】同、要部を示す一部平断面図である。
【図3】アームの外観斜視図である。
【図4】本発明の捩れ防止ダンパー用電線クランプを送
電線に装着した状態を示す平面図である。
【図5】同、側断面図である。
【符号の説明】
1 クランプ本体 5 アーム 6 矩形状支持部 8 凸部 11 貫通凹溝 12 係合凹部 14 重錘 19 貫通ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 7/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送電線(A)を把持するクランプ本体
    (1)の下部に両端に重錘(14、14)を取り付けた
    アーム(5)を水平に支持して成る捩れ防止ダンパー用
    電線クランプにおいて、 前記クランプ本体(1)は、その底部に側部に係合凹部
    (12)を設けた貫通凹溝(11)を有し、且つ、前記
    アーム(5)は、前記貫通凹溝(11)に嵌合可能で、
    その中央部に前記係合凹部(12)に係合可能な凸部
    (8)を設けた矩形状支持部(6)を有しており、 当該矩形状支持部(6)の凸部(8)が前記貫通凹溝
    (11)の係合凹部(12)に係合されると共に、クラ
    ンプ本体(1)の側部より貫通ボルト(19)が螺着さ
    れて、前記アーム(5)がクランプ本体(1)に固着さ
    れることを特徴とする捩れ防止ダンパー用電線クラン
    プ。
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