JP3226394U - 厨房用排気装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気フード内で排気が滞留させることなく、簡単に排気の捕集効率をアップできる厨房用排気装置を提供する。【解決手段】厨房用排気装置20は、排気ダクト5に連通する排気口を有する排気フード21と、排気口に接続されるチャンバ22と、チャンバに取り付けられるグリスフィルタ3とを有し、チャンバには、傾斜面22aと垂直面22bを有し、傾斜面には大開口22cが設けられ、垂直面には小開口22dが設けられて、大開口にはメイングリスフィルタ、小開口にはサブグリスフィルタ23が取り付けられる。【選択図】図1
Description
本考案は、例えば業務用厨房において調理用熱源から発生する水蒸気や油煙等を排気するための厨房用排気装置に関する。
図3(a)〜(c)は、業務用厨房における排気装置10の概略構成を示す図である。フード外へ漏れた排気を再捕集して、調理用熱源から発生する排気を効率良く取り込むことができるようにすることを課題として、厨房に配備された調理用熱源50の上方の天井部分に取り付けられ、排気口を囲んで設けられた囲壁部1aを有する排気フード1において、囲壁部1aの外面に、天井4に向って囲壁部1aより離れる方向に傾斜する整流板1bを設け、排気フード1で捕集されなかった漏れ排気を、整流板1bの傾斜面に沿って案内しながらフード内に導くようにしたものである(特許文献1)。
特許文献1に係る発明は、課題であるフード外へ漏れた排気を、排気フード1に傾斜した整流板1bを設けたことによって、排気ファンの吸引作用により、整流板1bの傾斜面に沿って排気フード1の内部に向かう矢印aのような空気の流れを形成し、漏れ排気が、天井付近に滞留することを抑えることができる優れた効果を有する。
しかしながら、このように効率よく排気フード1内に排気が捕集された場合においても、排気量が非常に大きい場合には、排気フード1内の排気が全て、チャンバ2内に捕集されず、排気フード1内で滞留してしまうことがある。例えば、図3(b)に示すように、チャンバ2は、側面視で逆台形状のボックス形状を有しており、天井側の面には、排気ダクト5に連通する図示しない排気出口が設けられている。さらに、天井に対し、傾斜するように設けられた二面2aと、これらの二面をつなぐ2つの左右側面2b(逆台形状)が設けられ、左右側面は天井に対し垂直に設けられている。傾斜する二面2a(便宜上、これら二面を正面および背面という。)には、開口2cが設けられており、そこには、例えば、特開2004−130257に開示されているようなグリスフィルタ3が着脱自在に取り付けられる。チャンバ2にグリスフィルタ3が取り付けられたものをグリスフィルタユニットfという。
一方、開口2cが設けられない左右側面2b付近では、図3(c)が示すように一部の排気zが吸引されず排気フード1内に滞留してしまう。このような滞留排気が多くなると、排気に含まれる油や水蒸気が、排気フード1内に付着し、結露が生じたりするなどして衛生上好ましくない。また、排気量が多い場合、せっかく排気フード1内に捕集した排気が、再度、排気フード1外に漏れ出てしまうこともある。
そこで、図4(a)に示すような排気装置11が考えられる。この排気装置11は、排気ダクト6、排気ファン7、排気フード8を有しており、排気ダクト6の内端側には逆漏斗状の拡開部6aが形成されていて、この拡開部6aは排気ダクト6に取付けた排気フード8内に突出した状態で配置されており、この拡開部6aの開口部に、筒状のグリスフィルタ9を図示しない吊下げ用フック等の適宜の手段により着脱可能に取り付けて使用されている(特許文献2)。
特許文献2に係る発明は、排気フード内に特許文献1にあるようなチャンバを用いず、排気ダクト6の一部である拡開部6aに直接、筒状のグリスフィルタ9を吊り下げ、排気ファンによって排気フード8内に捕集された排気は、筒状のグリスフィルタ9の全周面から吸引されるため、適切な処理風量であれば排気フード8内に排気が滞留しにくい効果がある。
しかしながら、特許文献2に係る示す排気装置11では、大きな処理風量に対応したい場合であっても、筒状グリスフィルタ9の直径を無限に大きくするわけにはいかず、おのずと限界がある。チャンバを設けていないことから、大きな処理風量に対応するには、図4(b)に示すように、天井裏に排気ダクト6´を枝分かれさせるなど、排気ダクトに接続される排気口の数を増やすほかない。
そこで、本考案では、天井裏の排気ダクトの数を増やすなどの大掛かりな工事をせずとも、排気フード内で排気が滞留させることなく、簡単に排気の捕集向率をアップできる厨房用排気装置を提供することを課題とする。
本考案に係る厨房用排気装置は、排気ダクトに連通する排気口を有する排気フードと、排気口に接続されるチャンバと、チャンバに取り付けられるグリスフィルタとを有し、チャンバには、傾斜面と垂直面を有し、傾斜面には大開口が設けられ、垂直面には小開口が設けられて、大開口にはメイングリスフィルタ、小開口にはサブグリスフィルタが取り付けられることを特徴とする。
本発明に係るグリスフィルタによれば、排気フード内での排気の滞留を抑制して排気の捕集率を向上させて、排気フード内に油や水蒸気が付着するのを最小限にすることができ、衛生的なフード内環境を維持できる。
図1(a)は、本考案に係る厨房用排気装置20、図1(b)グリスフィルタユニットF1を示している。図中、図3や図4と同一部分または対応する部分には同一符号を付してある。厨房用排気装置20は、調理用熱源の上方位置の天井4に取り付けられた排気フード21と、天井裏の排気ダクト5に対応する図示しない排気口に接続されたチャンパ22を有している。チャンバ22にはグリスフィルタ3が着脱自在に取り付けられる開口22cと天井裏に設置される排気ダクトにつながる図示しない排気出口が設けられている。この排気出口は、排気フード21の上面に設けられている排気口と対応し、グリスフィルタ3で油煙等が取り除かれた排気は、排気出口および排気口を介して排気ダクト5に導かれ、ダクト内に配備されている図示しない排気ファン(シロッコファンなど)によって屋外へ排出される。
チャンバ22は、天井4に対し、傾斜して設けられる正面(22a)と背面の二面と、この二面をつなぐ左右側面22bを有し、左右側面22bは天井4に対し垂直に設けられる。本実施形態では、正面および背面の傾斜面(22a)にグリスフィルタ3が取り付けられるだけでなく、左右側面の垂直面(22b)にもそれぞれ開口(22d)設けられて、グリスフィルタ(23)が取り付けられる。グリスフィルタユニットF1の底面は、傾斜がつけられてオイルパンが設けられるなどの公知の油受け対策がなされている。便宜上、傾斜面を二面有するフィルタユニットF1を両面式フィルタユニットという。
垂直面である左右側面22bは、図3(b)に示すように、逆台形の形状を有しているため、垂直面に設けられる開口22dは、傾斜面に設けられる開口22cよりも小さく、よって垂直面22bに取り付けられるグリスフィルタ23は、正面・背面(22a)に取り付けられるグリスフィルタ3よりも小さいものとなっている。便宜上、傾斜面22aに設けられる開口22cを大開口、垂直面に設けられる開口22dを小開口といい、それぞれの開口に取り付けられるグリスフィルタをメイングリスフィルタ3、サブグリスフィルタ23ということにする。なお、サブグリスフィルタ23は、メイングリスフィルタ3を小型化したもので、図1(b)で示すように、矩形の形状を有しているが、これに限定されない。台形状や三角形状あるいは円形状であってもよく、あくまで例示である。
次に、図2に示す厨房用排気装置30は、チャンバ32の傾斜面32aが一面しかない点で片面式フィルタユニットF2という。片面式では、排気ダクト5の設置位置により、チャンバ32の背面側が厨房室の壁4´に沿って垂直面として構成されている。グリスフィルタ3が取り付けられる傾斜面32aは正面一面しかないため、片面式という。そして垂直面32bである左右側面には、小開口32dがそれぞれ設けられ、サブグリスフィルタ23がそれぞれに取り付けられている。
両面式、片面式のいずれにおいても、本考案では、垂直面である左右側面にもグリスフィルタが取り付けられる開口が設けられるため、側面側に溜まっている油煙や水蒸気を含む排気を効率的に最短流路で排気できる。従来の側面に開口を開けていない厨房用排気装置に比べ、同じ風量でいかに速く排気できるかを実験した結果、約1.2〜1.4倍も早く排気できることが確認された。
蒸気が排気フード内で滞留する時間が長くなると、液化し、結露が発生しやすい環境になるが、素早く排気できることで結露の発生を抑制できる。さらに、油煙が排気フード内に付着することもより抑制され、排気フード内の衛生環境が従来よりも長く良い状態で維持できることにも貢献できる。
さらに、左右側面にも開口を設けることで、チャンバ全体の開口面積が増え、従来であればメイングリスフィルタのみを通過していた風量が、サブグリスフィルタにも分散されて通過するため、従来のものと同風量で圧力損失を比較すると、約2倍、本考案の圧力損失は小さい結果を示した。これは、同じ容量の排気ファンであれば捕集効率の向上を意味する。高い捕集効率を得られることから、排気ファンのサイズをコンパクトにするという選択肢も可能となった。
以上の実施形態では、業務用の厨房に用いられる排気装置を例に挙げたが、本発明は業務用厨房に限らない。排気フードの形状や排気ダクトの位置もすべて例示であってこれらに限定されない。
20、30 厨房用排気装置
21、31 排気フード
22、32 チャンバ
3 メイングリスフィルタ
23 サブグリスフィルタ
4 天井
5 排気ダクト
21、31 排気フード
22、32 チャンバ
3 メイングリスフィルタ
23 サブグリスフィルタ
4 天井
5 排気ダクト
Claims (1)
- 排気ダクトに連通する排気口を有する排気フードと、
前記排気口に接続されるチャンバと、
前記チャンバに取り付けられるグリスフィルタと、を有する 厨房用排気装置であって、
前記チャンバには、傾斜面と垂直面を有し、
前記傾斜面には大開口が設けられ、
前記垂直面には小開口が設けられ、
前記グリスフィルタは、前記大開口に取り付けられるメイングリスフィルタと、前記小開口に取り付けられるサブグリスフィルタであることを特徴とする厨房用排気装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020000986U JP3226394U (ja) | 2020-03-19 | 2020-03-19 | 厨房用排気装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020000986U JP3226394U (ja) | 2020-03-19 | 2020-03-19 | 厨房用排気装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3226394U true JP3226394U (ja) | 2020-06-25 |
Family
ID=71103463
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020000986U Active JP3226394U (ja) | 2020-03-19 | 2020-03-19 | 厨房用排気装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3226394U (ja) |
-
2020
- 2020-03-19 JP JP2020000986U patent/JP3226394U/ja active Active
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