JP3225792U - フィルタ装置及び濾過装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タンク内における気泡の発生を防止することができるフィルタ装置を提供する。【解決手段】フィルタ装置1は、タンクの上面からタンクの内部に突出するように設けられる第1濾過ユニット10を備え、第1濾過ユニットは、側面に複数の開口部が設けられた有底略筒状の第1フィルタケース121と、第1フィルタケースの外側に設けられ、側面に開口部が設けられていない第2フィルタケース122と、第1フィルタケース及び第2フィルタケースの上部の開口端を覆う蓋部材14と、第1フィルタケースの内部に設けられる略筒形状のフィルタエレメント11と、フィルタエレメントの中空部に流体を流入させ、高さ方向において第1フィルタケースの底面とフィルタエレメントとの間に設けられる流入管15と、を有する。第1フィルタケースと第2フィルタケースとの間には隙間12fを有し、第2フィルタケースの下端は、フィルタエレメントの下端よりも下側に配置される。【選択図】図2
Description
本考案は、フィルタ装置及び濾過装置に関する。
特許文献1には、側面に複数の開口部が設けられた有底略筒形状のフィルタケースの内部に略筒形状のフィルタエレメントが設けられ、高さ方向においてフィルタケースの底面とフィルタエレメントとの間に設けられる流入部からフィルタエレメントの中空部に作動油を流入させ、作動油が濾材を内側から外側に通過することで濾過され、濾過後の作動油が外筒から外側に向けて流出するフィルタ装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、フィルタ装置の内側から外側に向けて作動油を流すため、濾過後の作動油がタンクにぶつかり、これにより作動油に空気が巻きこまれて気泡が発生してしまう。また、油圧回路の動作を停止したときにフィルタ装置の内部に空気が溜まると、再稼働時に溜まった空気が作動油と共に流出し、作動油に空気が巻きこまれて気泡が発生してしまう。作動油に空気が巻きこまれて気泡が発生すると、ポンプが空気を吸うことによりポンプに故障が生じたり、油圧回路内で気泡が破裂等して作動油の温度や圧力が一時的に極度に高くなることによる部品の損傷等が生じてたりして支障が出る。
本考案はこのような事情に鑑みてなされたもので、タンク内における気泡の発生を防止することができるフィルタ装置及び濾過装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本考案に係るフィルタ装置は、例えば、タンクの上面から前記タンクの内部に突出するように設けられる第1濾過ユニットを備え、前記第1濾過ユニットは、側面に複数の開口部が設けられた有底略筒状の第1フィルタケースと、前記第1フィルタケースの外側に設けられた略筒状の第2フィルタケースであって、側面に開口部が設けられていない第2フィルタケースと、前記第1フィルタケース及び第2フィルタケースの上部の開口端を覆う蓋部材と、前記第1フィルタケースの内部に設けられる略筒形状のフィルタエレメントと、前記フィルタエレメントの中空部に流体を流入させる流入部であって、高さ方向において前記第1フィルタケースの底面と前記フィルタエレメントとの間に設けられる流入部と、を有し、前記第1フィルタケースと前記第2フィルタケースとの間には隙間を有し、前記第2フィルタケースの下端は、前記フィルタエレメントの下端よりも下側に配置されていることを特徴とする。
本考案に係るフィルタ装置によれば、タンクの上面からタンクの内部に突出するように設けられる第1濾過ユニットは、内部にフィルタエレメントが設けられており、側面に複数の開口部を有する有底略筒状の第1フィルタケースの外側に、側面に開口部が設けられていない略筒状の第2フィルタケースが離れて設けられている。フィルタエレメントの中空部に流体を流入させる流入部は、高さ方向において第1フィルタケースの底面とフィルタエレメントとの間に設けられており、第2フィルタケースの下端はフィルタエレメントの下端よりも下側に配置されている。これにより、濾過後の作動油がタンクの側面に当たることにより空気が巻き込まれ、タンク内で気泡が発生することを防止することができる。また、第2フィルタケースの下端がフィルタエレメントの下端よりも下側に配置されているため、第2フィルタケースの下端は油圧装置の停止時の油面よりも下側となり、油圧装置の停止時にフィルタ装置内部の油面が下がること、すなわちフィルタ装置1の内部へ空気が流入し、フィルタ装置の内部に空気溜まりができることを防止することができる。
ここで、前記フィルタエレメントは、略筒状の濾材と、前記濾材と略同じ高さを有し、前記濾材の内側に設けられる略筒状の内筒と、を有し、前記内筒は、略全面に孔が形成された第1領域と、孔が形成されていない第2領域と、を有し、前記第2領域は、前記内筒の下端を含むように、前記第1領域の下側に設けられていてもよい。これにより、第1フィルタケースと第2フィルタケースとの間の隙間に溜まったイニシャルエアや作動油を上方から押し下げ、フィルタ装置の外部へ排出することができる。
ここで、前記第2領域は、前記内筒の高さ全体の略2/3以下であてもよい。これにより、第1フィルタケースと第2フィルタケースとの間の隙間に溜まったイニシャルエアや作動油を上方から押し下げ、フィルタ装置の外部へ確実に排出することができる。
ここで、前記流入部は、前記第1フィルタケースの底面よりも下側に、前記第1フィルタケースの中心軸と略直交するように設けられた略管状の流入管を有し、前記第2フィルタケースの下端は、前記第1フィルタケースの底面より下側に配置されており、前記流入管と前記第2フィルタケースの下端との間に隙間を有し、前記第1フィルタケースの中心軸と略直交する方向から見て、前記第1フィルタケースと前記第2フィルタケースとの間に形成された隙間と、前記流入管と前記第2フィルタケースの下端との間に形成された隙間とは、大きさが略一致してもよい。これにより、流入管を作動油の流れのガイドとし、第1フィルタケースと第2フィルタケースとの間の隙間から流出した作動油を流入管に沿って流すことができる。
ここで、前記フィルタエレメントと前記第1フィルタケースとの間に隙間を有し、平面視において、前記第1フィルタケースと前記第2フィルタケースとの間に形成された隙間は、前記フィルタエレメントと前記第1フィルタケースとの間に形成された隙間より狭くてもよい。これにより、濾過後の作動油を第1フィルタケースと第2フィルタケースとの間の隙間に確実に流入させることができる。
ここで、前記第1濾過ユニットの下側に、平面視において前記第1濾過ユニットと重なるように設けられる略筒状の第2濾過ユニットを備えてもよい。これにより、気泡が第2濾過ユニットに流入し難くなり、かつ、タンクを小型化にすることができる。
上記課題を解決するために、本考案に係る濾過装置は、タンクと、前記タンクの上面から前記タンクの内部に突出するように設けられる第1濾過ユニットを備え、前記第1濾過ユニットは、側面に複数の開口部が設けられた有底略筒状の第1フィルタケースと、前記第1フィルタケースの外側に設けられた略筒状の第2フィルタケースであって、側面に開口部が設けられていない第2フィルタケースと、前記第1フィルタケース及び第2フィルタケースの上部の開口端を覆う蓋部材と、前記第1フィルタケースの内部に設けられる略筒形状のフィルタエレメントと、前記フィルタエレメントの中空部に流体を流入させる流入部であって、高さ方向において前記第1フィルタケースの底面と前記フィルタエレメントとの間に設けられる流入部と、を有し、前記第1フィルタケースと前記第2フィルタケースとの間に隙間を有し、前記第2フィルタケースの下端は、前記フィルタエレメントの下端よりも下側に配置されていることを特徴とする。これにより、タンク内における気泡の発生ことを防止することができる。
本考案によれば、タンク内における気泡の発生を防止することができる。
以下、本考案の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。以下、流体として作動油を例に説明するが、本考案は、作動油以外の様々な流体に適用することができる。
<第1の実施の形態>
図1は、本考案の一実施形態である濾過装置の概略を示す図である。濾過装置は、タンク100と、タンク100の内部に設けられたフィルタ装置1と、を有する。なお、図1では、タンク100の要部を透視している。
図1は、本考案の一実施形態である濾過装置の概略を示す図である。濾過装置は、タンク100と、タンク100の内部に設けられたフィルタ装置1と、を有する。なお、図1では、タンク100の要部を透視している。
以下、鉛直方向をz方向とし、鉛直上方弧を+z方向とする。また、z方向に垂直な方向をx方向及びy方向とし、x方向とy方向とは直交するものとする。
タンク100は、図示しない作業機械(例えば、油圧装置)に設置されるものであり、この油圧装置へ供給する作動油の油圧回路内に設けられた、作動油を貯留するためのタンクである。油圧回路において、作動油は、油圧装置を通ってタンク100へ導入される。
タンク100は、例えば箱形であり、内部が空洞である。タンク100の内部には、主としてフィルタ装置1が設けられる。
タンク100の上面100aには、フィルタ装置1が挿入される開口部100bが形成される。上面100aの上面にフィルタ装置1の蓋部材14等(後に詳述)が設けられることで、フィルタ装置1がタンク100に固定される。
次に、フィルタ装置1について説明する。フィルタ装置1は、主として、第1濾過ユニット10と、第2濾過ユニット20と、第3ユニット30と、を有する。第1濾過ユニット10及び第3ユニット30は、有底略円筒形状であり、第2濾過ユニット20は略円筒形状である。
第2濾過ユニット20及び第3ユニット30は、第1濾過ユニット10の下側に、平面視において(+z方向又は−z方向から見て)第1濾過ユニット10と重なるように設けられる。第2濾過ユニット20は、タンク100の底面100c近傍に設けられる。第3ユニット30は、第1濾過ユニット10と第2濾過ユニット20との間に設けられる。
第1濾過ユニット10、第2濾過ユニット20及び第3ユニット30は、中心軸の向きが略同一あり、その中心軸axはz方向に沿っている。本実施の形態では、第1濾過ユニット10、第2濾過ユニット20及び第3ユニット30の中心軸が略一致しているが、これらは略一致しなくてもよい。
図2は、フィルタ装置1の概略を示す断面図である。図2においては、断面を示すハッチングを省略している。
第1濾過ユニット10は、フィルタエレメント11と、フィルタケース12と、蓋部材14と、流入管15と、バルブ16と、を有する。
フィルタエレメント11は、全体として略筒状(ここでは、略円筒形状であるが、略円筒形状には限定されない)の部材であり、フィルタケース12の内部に設けられる。フィルタエレメント11は、主として、内筒111と、濾材112と、プレート113、114と、を有する。
濾材112は、作動油を濾過するためのものであり、径方向に厚みを有する略円筒形状である。濾材112は、合成樹脂や紙等を用いた濾紙をひだ折りにし、ひだ折りにした濾紙の両端を連結して円筒状に丸めることによって形成される。
内筒111は、金属製の略円筒形状の部材であり、濾材112の内側に設けられる。内筒111の高さと濾材112の高さとは、略同じである。
内筒111は、作動油が通過する孔111aが略全面に形成された第1領域A1と、孔111aが形成されていない第2領域A2と、を有する。第2領域A2は、内筒111の下端を含むように、第1領域A1の下側に設けられる。
本実施の形態では、第2領域A2は、内筒111の高さ全体の略1/4であるが、第2領域A2の高さはこれに限られない。ただし、ダスト等が外に漏れ出さないようにするためには、第2領域A2は、内筒111の高さ全体の略1/4以上であることが望ましい。
内筒111と濾材112との間に隙間を有する。これにより、濾過面積が実質的に減少することを防止する。
内筒111及び濾材112の下端にはプレート113が設けられ、上端にはプレート114が設けられる。プレート113及びプレート114は、略円板状又は有底略円筒形状の部材であり、樹脂又は金属を用いて形成される。プレート113及びプレート114は、それぞれ、略中央に開口部113a、114aが形成される。
フィルタケース12は、全体として有底略筒形状(ここでは有底略円筒形状であるが、略円筒形状には限定されない)の部材であり、金属により形成される。フィルタケース12は、主として、第1ケース121と、第2ケース122と、第3ケース123と、取付部材124、125と、を有する。第1ケース121の上側に第2ケース122が一体形成される。第1ケース121及び第2ケース122は本考案における第1フィルタケースに相当し、第3ケース123は本考案における第2フィルタケースに相当する。
第1ケース121は、有底略円筒形状の部材であり、底面12aにバルブ16が設けられる。バルブ16は、第1ケース121の内部の圧力(空間S1)と、タンク100の内部(空間S2、図1参照)の圧力との差に応じて開閉する。
第1ケース121の側面12bには、流入管15が設けられる開口12cが形成される。流入管15は、フィルタエレメントの中空部に流体を流入させる流入部である。流入管15は、略管状であり、第1ケース121及び第2ケース122の中心軸と略直交するように設けられている。流入管15は、高さ方向(z方向)において底面12aとフィルタエレメント11との間に設けられる。流入管15は、タンク100の側面101eを貫通しており(図1参照)、フィルタケース12の内部とタンク100の外部とを連通する。流入管15から流入した作動油は、空間S1内において、第1ケース121の内部を通過してフィルタエレメント11の中空部に導かれる。本実施の形態では、流入管15は略円筒形状であるが、流入管15は略管状であればよく、例えば角パイプ状であってもよい。
第2ケース122は、略円筒形状の部材であり、内部にフィルタエレメント11が設けられる。
第2ケース122の側面12dには、複数の孔12eが形成される。孔12eには、金属の線材を織ることにより形成された金網(図示省略)が設けられる。濾材112を通過した作動油は、孔12e内の金網の隙間を通過する。この孔12e内の金網の隙間は、複数の開口部に相当する。
第3ケース123は、略円筒形状の部材であり、第2ケース122の外側に設けられている。第3ケース123の側面には、開口部が設けられていない。第2ケース122と第3ケース123との間に隙間を有する。第2ケース122と第3ケース123との間の隙間は、内筒111と濾材112との間の隙間より広い。また、第2ケース122と第3ケース123との間の隙間は、フィルタエレメント11と第2ケース122との間の隙間より狭い。これにより、第2ケース122を通過した作動油を第3ケース123に当てることができる。
第3ケース123の下端の位置は、油圧装置の停止時の油面よりも下側である必要がある。側面視において(図2の紙面手前側から見て)、油圧装置の停止時の油面はフィルタエレメント11と重なるため、第3ケース123の下端はフィルタエレメント11の下端より下側に位置する。ここでは、第3ケース123の下端を第2ケース122の下端より下側に配置する。
図3は、フィルタ装置1の部分拡大図である。図3においては、断面を示すハッチングを省略している。第3ケース123の下端は、第2ケース122の下端より下側、かつ、流入管15より上側に配置されている。流入管15と第3ケース123の下端面との間に隙間を有し、第2ケース122の中心軸axと略直交する方向(図3の紙面手前側)から見て、第2ケース122と第3ケース123との間に形成された隙間g1と、流入管15と第3ケース123の下端面との間に形成された隙間g2とは、大きさが略一致する。これにより、流入管15が作動油の流れのガイドとなり、第2ケース122と第3ケース123との間の隙間から流出した作動油を流入管15に沿って横向きに流すことができる(図3の2点鎖線矢印参照)。
図2の説明に戻る。第2ケース122の下側端面には、取付部材125が設けられる。取付部材125は、略円盤形状の底面部125aと、底面部125aの内周面に沿って、上向きに突出する円筒部125bと、を有する。底面部125aには、フィルタエレメント11(ここでは、プレート113の下面)が取付部材116を介して載置される。円筒部125bは、開口部113aに挿入される。これにより、第1ケース121の内部と、フィルタエレメント11の中空部とが連通する。
側面12dの上端近傍には、取付部材124が設けられる。蓋部材14は、取付部材124を介して上面100aに取り付けられる。なお、取付部材124は必須ではない。
蓋部材14は、フィルタケース12の上部の開口端を覆う略板状の部材である。蓋部材14は、フィルタケース12に対して着脱可能に設けられる。
蓋部材14は、第1蓋141と、第2蓋142と、を有する。第1蓋141は、略円盤形状であり、略中央に中空部141aが形成される。第2蓋142の略中央には、下側に向けて突出する略円柱形状の突出部142a、142bが形成される。突出部142aは中空部141aに挿入される。突出部142bは、開口部114aに挿入される。
蓋部材14(ここでは、第2蓋142)がフィルタケース12から取り外されると、フィルタエレメント11がフィルタケース12の上部の開口端から抜き出せるようになる。蓋部材14がフィルタケース12に取り付けられると、フィルタエレメント11は、第2蓋142と取付部材125とにより挟持されることで、第2ケース122の内部に設けられる。
なお、本実施の形態では、蓋部材14は、略円盤形状の第1蓋141と第2蓋142とを有するが、蓋部材14の形態はこれに限られない。例えば、蓋部材14は一部品でもよい。
第2濾過ユニット20は、例えば、油圧ポンプへの異物の進入を防止するためのサクションストレーナである。第2濾過ユニット20は、主として、金属製の略円筒形状の本体部21と、本体部21の外側に設けられる濾材22と、を有する。
本体部21は、金属製の略円筒形状の部材であり、側面に複数の孔21aが形成される。濾材22は、金属の線材を織ることにより形成された金網をひだ折りにし、ひだ折りにした金網の両端を連結して円筒状に丸めることによって形成される。
タンク100の底面100cには、流出部100dが形成される(図2参照)。流出部100dは、底面100cからタンク100の内部に突出するように形成され、本体部21の中空部に挿入される。流出部100dと本体部21との間には、第2濾過ユニット20によって濾過された液体がタンク100の内部に漏れないように、シール部材23(例えば、Oリング)が設けられる。
なお、本実施の形態では、本体部21に挿入される流出部100dが底面100cに形成されるが、流出部100dの位置はこれに限られない。例えば、側面101eの下端部近傍に略L字形状の流出部が形成され、その先端が本体部21の中空部に挿入されてもよい。
第3ユニット30は、金属製の有底略円筒形状の部材であり、第1ケース121の底面12aの下側に設けられる。第3ユニット30は、第1濾過ユニット10と第2濾過ユニット20とを連結する。本実施の形態では、第3ユニット30と本体部21とが一体形成されるが、第3ユニット30と本体部21とは別部品でもよい。
第3ユニット30の側面には、作動油が通過する孔30aが複数形成される。バルブ16が開くと、空間S1に存在する流体が第3ユニット30の内部の空間に流入し、その後孔30aを通過して空間S2に流入する。
次に、このように構成されたフィルタ装置1の機能について、図1、2を用いて説明する。図1、2の矢印は、作動油の流れを示す。
油圧装置の動作中は、作動油が油圧回路内を流れている。作動油は、図2に示すように、流入管15及び開口12cを介して空間S1に流入する。流入管15は、高さ方向においてフィルタケース12の底面12aとフィルタエレメント11との間に設けられる。
最初にフィルタ装置1を使用するときには、フィルタエレメント11の中空部には空気が含まれる。このイニシャルエアは、作動油の流入に伴って孔12eを介して空間S1から第2ケース122と第3ケース123との間の隙間に排出される。排出された空気は、第2ケース122と第3ケース123との間の隙間(空間S3)に溜まる。空間S1が作動油で満たされると、空間S3に溜まった空気が作動油により上方から押し下げられる。そのため、イニシャルエアは、大きな気泡となって第3ケース123の下端部から空間S2に排出される。このとき排出される気泡が大きいため、空間S2に排出された直後に上方に移動する。したがって、イニシャルエアが濾過後の作動油に混入しない。
作動油は、フィルタエレメント11の内側から外側へ向って流れることで濾過される。濾過後の作動油は、側面12dに形成された複数の開口部(ここでは、孔12eに設けられた金網の隙間)から空間S3に流入する。
図2に示すように、作動油が通過する孔111aは第1領域A1にしか形成されていない。したがって、空間S3に流入した作動油は、上方から押し下げられるようにして、第3ケース123の下端部における第1ケース121と第3ケース123との間の隙間12fから下向きの流れとなって空間S2(図1参照)に流出する。これにより、作動油は、第1濾過ユニット10により濾過されて、タンク100内に貯留される。このとき、作動油は下向きに流れており、また一部の作動油は流入管15に沿って横向きに流れるため、作動油がタンク100の側面に勢いよく当たることはない。
空間S2(タンク100内)に貯留された作動油は、第2濾過ユニット20で濾過され、流出部100dから流出する。これにより、濾過後の作動油は再度油圧装置へ供給される。
流入管15からの作動油の流入を止めると、タンク100の油面が下がる。第3ケース123の下端の位置が油圧装置の停止時の油面よりも下側であり、第3ケース123の側面には孔が設けられていないため、第3ケース123を介して第2ケース122の内側に空気が流入しない。その結果、流入管15からの作動油の流入を止めても、フィルタ装置1内では油面がほとんど下がらない。したがって、フィルタ装置1内部で油面が上下動することによるフィルタ装置1内への空気の流入、すなわち作動油への気泡の混入を防止する。
本実施の形態によれば、第2ケース122の外側に第3ケース123を設けることで、孔12eを内側から外側に通過した濾過後の作動油を第2ケース122と第3ケース123との間の隙間に流入させ、その後第3ケース123の下端部から下向きに流出させる。これにより、濾過後の作動油がタンク100の側面に当たることにより空気が巻き込まれ、作動油への気泡の混入を防止することができる。また、第3ケース123の下端がフィルタエレメント11の下端より下側に配置されているため、濾過後の作動油を第2ケース122と第3ケース123との間の隙間に確実に流入させることができる。
また、本実施の形態によれば、第2ケース122の外側に第3ケース123を設けることで、作動油の流れを整流し、作動油の流量が大きい場合であっても作動油の流れが乱流になることを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、第3ケース123の下端の位置が油圧装置の停止時の油面よりも下側であり、第3ケース123の側面には孔が設けられていないため、フィルタ装置1内部の油面が下がること、すなわちフィルタ装置1内部へ空気が流入し、フィルタ装置1の内部に空気溜まりができることを防止することができる。
仮に第3ケース123が設けられていないとすると、タンク100内の油面の低下と共に、孔12eからフィルタ装置1に空気が流入し、フィルタ装置1内の油面が下がり、フィルタ装置1の内部に空気溜まりができてしまう。その結果、再稼働時に空気が作動油と一気にフィルタ装置1から流出し、作動油内に気泡が発生する。それに対し、第2ケース122の外側に第3ケース123を設けることで、フィルタ装置1の内部に空気溜まりができないようにする。
また、本実施の形態によれば、平面視において、第2ケース122と第3ケース123との間に形成された隙間を、フィルタエレメント11と第2ケース122との間に形成された隙間より狭くすることで、濾過後の作動油を第3ケース123に当てて、作動油の流れを整流することができる。
また、本実施の形態によれば、第2ケース122と第3ケース123との間に形成された隙間の大きさと、流入管15と第3ケース123の下端面との間に形成された隙間の大きさとを略一致させることで、流入管15を作動油の流れのガイドとし、第2ケース122と第3ケース123との間の隙間から流出した作動油を流入管15に沿って流すことができる。
なお、本実施の形態では、側面12dに複数の孔12eが形成され、孔12eの内部に金網(図示省略)が設けられることで、第2ケース122の側面に複数の開口部を形成したが、複数の開口部の形態はこれに限られない。例えば、孔12eの内部の金網は必須ではない。また、例えば、側面12d全体を金網で形成することで、第2ケース122の側面に複数の開口部を形成してもよい。また、例えば、孔111aと同様の孔を第2ケース122の側面に多数設けることで、第2ケース122の側面に複数の開口部を形成してもよい。
また、本実施の形態では、第1濾過ユニット10の下側に第2濾過ユニット20及び第3ユニット30を設けたが、第2濾過ユニット20及び第3ユニット30は必須ではない。ただし、タンク100を小型化し、かつ、気泡が第2濾過ユニット20に流入し難くするためには、第2濾過ユニット20を第1濾過ユニット10の下側に設けることが望ましい。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態にかかるフィルタ装置2は、フィルタ装置1に対して内筒111の孔111aが設けられている領域が異なる形態である。以下、第2の実施の形態にかかるフィルタ装置2について説明する。フィルタ装置2は、フィルタ装置1と同様、タンク100の内部に設けられている。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
第2の実施の形態にかかるフィルタ装置2は、フィルタ装置1に対して内筒111の孔111aが設けられている領域が異なる形態である。以下、第2の実施の形態にかかるフィルタ装置2について説明する。フィルタ装置2は、フィルタ装置1と同様、タンク100の内部に設けられている。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図4は、フィルタ装置2の概略を示す断面図である。図2においては、断面を示すハッチングを省略している。
フィルタ装置2は、主として、第1濾過ユニット10Aと、第2濾過ユニット20と、第3ユニット30と、を有する。第1濾過ユニット10Aは、フィルタエレメント11Aと、フィルタケース12と、蓋部材14と、流入管15と、バルブ16と、を有する。
フィルタエレメント11Aは、全体として略円筒状の部材であり、フィルタケース12の内部に設けられる。フィルタエレメント11Aは、主として、内筒111Aと、濾材112と、プレート113、114と、を有する。
内筒111Aは、金属製の略円筒形状の部材であり、濾材112の内側に設けられる。内筒111Aの高さと濾材112の高さとは、略同じである。内筒111Aには、略全面に孔111aが形成されている。
本実施の形態によれば、濾材112を有効活用し、濾過面積を増やすことができる。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態にかかるフィルタ装置3は、フィルタ装置1に対して内筒111の開口部11aが設けられている領域が異なる形態である。以下、第3の実施の形態にかかるフィルタ装置3について説明する。フィルタ装置3は、フィルタ装置1と同様、タンク100の内部に設けられている。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
第3の実施の形態にかかるフィルタ装置3は、フィルタ装置1に対して内筒111の開口部11aが設けられている領域が異なる形態である。以下、第3の実施の形態にかかるフィルタ装置3について説明する。フィルタ装置3は、フィルタ装置1と同様、タンク100の内部に設けられている。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図5は、フィルタ装置3の概略を示す断面図である。図3においては、断面を示すハッチングを省略している。
フィルタ装置3は、主として、第1濾過ユニット10Bと、第2濾過ユニット20と、第3ユニット30と、を有する。第1濾過ユニット10Bは、フィルタエレメント11Bと、フィルタケース12と、蓋部材14と、流入管15と、バルブ16と、を有する。
フィルタエレメント11Bは、全体として略円筒状の部材であり、フィルタケース12の内部に設けられる。フィルタエレメント11Bは、主として、内筒111Bと、濾材112と、プレート113、114と、を有する。
内筒111Bは、金属製の略円筒形状の部材であり、濾材112の内側に設けられる。内筒111Bの高さと濾材112の高さとは、略同じである。内筒111Bは、作動油が通過する孔111aが略全面に形成された第1領域A3と、孔111aが形成されていない第2領域A4と、を有する。第2領域A4は、内筒111の下端を含むように、第1領域A3の下側に設けられる。
なお、図5では、第3ケース123の下端はフィルタエレメント11Bの下端より下側に配置されているが、第3ケース123の下端位置はこれに限られず、第1領域A3と第2領域A4との境界位置よりも下側に配置されていればよい。
本実施の形態によれば、イニシャルエアや空間S3に流入した作動油を上方から押し下げる効果を高くし、イニシャルエアや作動油が空間S3から排出されややすくする。
なお、本実施の形態では、第2領域A4が内筒111Bの高さ全体の略2/3であったが、第2領域A4の広さはこれに限られない。第2領域A4は、内筒111Bの高さ全体の略1/4〜略2/3であればよい。ただし、濾過面積の減少を防ぐため、第2領域A4を内筒111Bの高さ全体の略2/3以下とすることが望ましい。
以上、この考案の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この考案の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、上記の実施例は本考案を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の構成の追加、削除、置換等をすることが可能である。
また、本考案において、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。例えば、「略直交」とは、厳密に直交の場合には限られず、例えば数度程度の誤差を含む概念である。また、例えば、単に直交、平行、一致等と表現する場合において、厳密に直交、平行、一致等の場合のみでなく、略平行、略直交、略一致等の場合を含むものとする。
また、本考案において「近傍」とは、基準となる位置の近くのある範囲(任意に定めることができる)の領域を含むことを意味する。例えば、端近傍という場合に、端の近くのある範囲の領域であって、端を含んでもいても含んでいなくてもよいことを示す概念である。
1、2、3:フィルタ装置
10、10A、10B:第1濾過ユニット
11、11A、11B:フィルタエレメント
12 :フィルタケース
12a :底面
12b :側面
12c :開口
12d :側面
12e :孔
12f :隙間
14 :蓋部材
15 :流入管
16 :バルブ
20 :第2濾過ユニット
21 :本体部
21a :孔
22 :濾材
23 :シール部材
30 :第3ユニット
30a :孔
100 :タンク
100a :上面
100b :開口部
100c :底面
100d :流出部
101e :側面
111、111A、111B:内筒
111a :孔
112 :濾材
113 :プレート
113a :開口部
114 :プレート
114a :開口部
116 :取付部材
121 :第1ケース
122 :第2ケース
123 :第3ケース
124、125:取付部材
125a :底面部
125b :円筒部
141 :第1蓋
141a :中空部
142 :第2蓋
142a :突出部
142b :突出部
10、10A、10B:第1濾過ユニット
11、11A、11B:フィルタエレメント
12 :フィルタケース
12a :底面
12b :側面
12c :開口
12d :側面
12e :孔
12f :隙間
14 :蓋部材
15 :流入管
16 :バルブ
20 :第2濾過ユニット
21 :本体部
21a :孔
22 :濾材
23 :シール部材
30 :第3ユニット
30a :孔
100 :タンク
100a :上面
100b :開口部
100c :底面
100d :流出部
101e :側面
111、111A、111B:内筒
111a :孔
112 :濾材
113 :プレート
113a :開口部
114 :プレート
114a :開口部
116 :取付部材
121 :第1ケース
122 :第2ケース
123 :第3ケース
124、125:取付部材
125a :底面部
125b :円筒部
141 :第1蓋
141a :中空部
142 :第2蓋
142a :突出部
142b :突出部
Claims (7)
- タンクの上面から前記タンクの内部に突出するように設けられる第1濾過ユニットを備え、
前記第1濾過ユニットは、
側面に複数の開口部が設けられた有底略筒状の第1フィルタケースと、
前記第1フィルタケースの外側に設けられた略筒状の第2フィルタケースであって、側面に開口部が設けられていない第2フィルタケースと、
前記第1フィルタケース及び第2フィルタケースの上部の開口端を覆う蓋部材と、
前記第1フィルタケースの内部に設けられる略筒形状のフィルタエレメントと、
前記フィルタエレメントの中空部に流体を流入させる流入部であって、高さ方向において前記第1フィルタケースの底面と前記フィルタエレメントとの間に設けられる流入部と、を有し、
前記第1フィルタケースと前記第2フィルタケースとの間には隙間を有し、
前記第2フィルタケースの下端は、前記フィルタエレメントの下端よりも下側に配置されている
ことを特徴とするフィルタ装置。 - 前記フィルタエレメントは、略筒状の濾材と、前記濾材と略同じ高さを有し、前記濾材の内側に設けられる略筒状の内筒と、を有し、
前記内筒は、略全面に孔が形成された第1領域と、孔が形成されていない第2領域と、を有し、
前記第2領域は、前記内筒の下端を含むように、前記第1領域の下側に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。 - 前記第2領域は、前記内筒の高さ全体の略2/3以下である
ことを特徴とする請求項2に記載のフィルタ装置。 - 前記流入部は、前記第1フィルタケースの底面よりも下側に、前記第1フィルタケースの中心軸と略直交するように設けられた略管状の流入管を有し、
前記第2フィルタケースの下端は、前記第1フィルタケースの底面より下側に配置されており、
前記流入管と前記第2フィルタケースの下端との間に隙間を有し、
前記第1フィルタケースの中心軸と略直交する方向から見て、前記第1フィルタケースと前記第2フィルタケースとの間に形成された隙間と、前記流入管と前記第2フィルタケースの下端との間に形成された隙間とは、大きさが略一致する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のフィルタ装置。 - 前記フィルタエレメントと前記第1フィルタケースとの間には隙間を有し、
平面視において、前記第1フィルタケースと前記第2フィルタケースとの間に形成された隙間は、前記フィルタエレメントと前記第1フィルタケースとの間に形成された隙間より狭い
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のフィルタ装置。 - 前記第1濾過ユニットの下側に、平面視において前記第1濾過ユニットと重なるように設けられる略筒状の第2濾過ユニットを備えた
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のフィルタ装置。 - タンクと、
前記タンクの上面から前記タンクの内部に突出するように設けられる第1濾過ユニットを備え、
前記第1濾過ユニットは、
側面に複数の開口部が設けられた有底略筒状の第1フィルタケースと、
前記第1フィルタケースの外側に設けられた略筒状の第2フィルタケースであって、側面に開口部が設けられていない第2フィルタケースと、
前記第1フィルタケース及び第2フィルタケースの上部の開口端を覆う蓋部材と、
前記第1フィルタケースの内部に設けられる略筒形状のフィルタエレメントと、
前記フィルタエレメントの中空部に流体を流入させる流入部であって、高さ方向において前記第1フィルタケースの底面と前記フィルタエレメントとの間に設けられる流入部と、を有し、
前記第1フィルタケースと前記第2フィルタケースとの間には隙間を有し、
前記第2フィルタケースの下端は、前記フィルタエレメントの下端よりも下側に配置されている
ことを特徴とする濾過装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020000211U JP3225792U (ja) | 2020-01-23 | 2020-01-23 | フィルタ装置及び濾過装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020000211U JP3225792U (ja) | 2020-01-23 | 2020-01-23 | フィルタ装置及び濾過装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP3225792U true JP3225792U (ja) | 2020-04-02 |
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JP2020000211U Active JP3225792U (ja) | 2020-01-23 | 2020-01-23 | フィルタ装置及び濾過装置 |
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JP (1) | JP3225792U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7267649B1 (ja) | 2022-03-15 | 2023-05-02 | 株式会社マイ・テクノス | ろ過装置 |
-
2020
- 2020-01-23 JP JP2020000211U patent/JP3225792U/ja active Active
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7267649B1 (ja) | 2022-03-15 | 2023-05-02 | 株式会社マイ・テクノス | ろ過装置 |
JP2023135300A (ja) * | 2022-03-15 | 2023-09-28 | 株式会社マイ・テクノス | ろ過装置 |
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