JP3225453B2 - 二重架構式構造物 - Google Patents

二重架構式構造物

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JP3225453B2 JP11475294A JP11475294A JP3225453B2 JP 3225453 B2 JP3225453 B2 JP 3225453B2 JP 11475294 A JP11475294 A JP 11475294A JP 11475294 A JP11475294 A JP 11475294A JP 3225453 B2 JP3225453 B2 JP 3225453B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高層建物、特に超高層
建物の制振に用いて好適な二重架構式構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】高層建物、特に超高層建物はメガ架構形
式をとることが多い。ここで、メガ架構形式としては、
例えば、複数の柱を接近して配置して一群の柱とし、こ
の一群の柱の断面積を比較的大きくしたものがある。
【0003】メガ架構に作用する外乱要因としては、風
荷重が支配的になることが多いので、前記メガ架構の変
形をほぼ弾性限度内に納める設計とならざるを得ない場
合が多い。しかし、このように、メガ架構の変形をほぼ
弾性限度内に納める設計とした場合には、建物の内部減
衰が非常に小さなものとならざるを得ず、このようなメ
ガ架構に地震や風等の外乱振動が作用したとき、当該振
動が制振されずに地震や風に対して過度の応答を示して
しまうといった問題がある。したがって、地震や風に対
する応答を適正な範囲に納めなければならないので、設
計上の自由度が狭まるとともに、適用範囲内に納めるた
めに、余分な構造部材等を付加しなければならず、コス
トの増大を招くといった問題がある。
【0004】ところで、地震や風による建物に生ずる振
動を抑制するために、建物の層間変形を利用した制振装
置(ダンパ)を付加するものが案出されているが、高層
建物特に超高層物における変形は柱の軸方向への伸縮を
原因とする曲げ変形が支配的であり、大きな層間変形が
発生せず、したがって、層間変形を利用した制振装置を
付加しても建物に生ずる振動を有効に抑制することがで
きないといった欠点がある。この欠点を解消するため
に、図4に示すように、柱10a及び梁10bを備える
主架構10の内部に形成される空間に、居室・居住区空
間を画成するための建物本体11を主架構10から下方
に延びる吊り部材12を介して支持してなる二重架構式
構造物が案出されている。(例えば、特公平5ー207
3号公報等参照)。この種の構造物では、主架構10か
ら下方へ延びる吊り部材12によって建物本体11を吊
り下げることにより、吊り下げた建物本体11の固有周
期を伸長させ、もって、地震動が有している短周期成分
による建物本体11への応答を低減させることができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の制振構造物にあっては、次の問題点があった。
すなわち、従来一般には、主架構10により建物本体1
1を吊り下げる場合、建物本体11の上端部を吊り部材
12を介して吊り下げる構造にしているので、吊り部材
12の長さは主架構1の梁10bと建物本体とのクリア
ランスCによって定まってしまい、建物本体11の固有
周期は吊り部材12の長さのみによって決定される関係
上、建物本体11の固有周期調整のための自由度が極め
て低く、所望する振動抑制効果が得にくいという問題点
である。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、建物本体の長周期化を容易に実現でき、建物本体の
周期調整範囲を自由に広げることができる二重架構式構
造物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、柱及び梁を備える主架構の内部に形成される空間
に、居室・居住区空間を画成する建物本体の少なくとも
一部が主架構により吊り部材を介して支持される二重架
構式構造物であって、前記建物本体の柱を中空状に形成
し、該中空状の柱の内側に前記吊り部材を挿入させると
ともに、吊り部材が挿入された中空状の柱の内部に粘性
体を注入したことを特徴とする。請求項記載の発明で
は、主架構と建物本体との間にダンパを設置したことを
特徴とする。
【0008】
【作用】本発明では、建物本体の柱を中空状とし、この
中空状の柱の内側に建物本体の少なくとも一部を支持す
る吊り部材を挿入させているので、主架構と建物本体の
上部とのクリアランスがいかなる値に設定される場合で
もその値に拘らず、建物本体を支持する吊り部材の長さ
を自由に設定できる。また、吊り部材が挿入された中空
状の柱の内部に粘性体を注入しているので、吊り部材の
動きが粘性体によって拘束されるようになる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明にかかる二重架構式構造物の概略構
成を示す。図において、符号1は主架構である。主架構
1は、長期・短期荷重に対して設計された柱1a及び梁
1bを備える。主架構1の内部に形成される空間には、
居室・居住区空間を画成する建物本体2が、主架構1の
梁1bに連結されてそこから下方に延びる鋼線,鋼棒等
の引張強度の強い材料からなる吊り部材3によって支持
されている。建物本体2の内部は、柱2a、梁2b、該
梁2bと一体的に形成されたスラブ、及び壁によって複
数に区分けされ、これにより前記居室あるいは居住区空
間が画成される。
【0010】建物本体2を構成する前記柱2aは、例え
ば円形断面あるいは角形断面の鋼管柱等によって中空状
に形成されている。中空状の柱2aの内部には前記吊り
部材3が挿入され、吊り部材3の下端は、建物本体2の
スラブと一体に構成された梁2bに連結されている。吊
り部材3を挿入された中空状の柱2aの内部にはオイル
等の粘性体4が注入されている。
【0011】前記主架構1と建物本体2との間には複数
のダンパ5,…が設置されている。すなわち、主架構1
の梁1bと一体に構成されたスラブからはL字状に形成
された連結部材6が上方に突出して設けられ、また、建
物本体2の下端のスラブからはL字状に形成された連結
部材7が下方に突出して設けられ、それら連結部材6,
7の互いに同軸状に配される水平部6a,7aの間にダ
ンパ5が介装されている。
【0012】ダンパ5はオイルを利用したもの、鋼材を
利用したもの、あるいは積層ゴムを利用したもの等種々
あるが、いずれを用いてもよい。また、ダンパ5の配置
方向は便宜上図において左右方向を向くように設置して
いるが、これに限られることなく、紙面に直交する方
向、あるいは、複数あるダンパの内、いくつかを紙面に
直交する方向に向くように設置し、残りを左右方向に向
くように設置してもよい。また、図1では建物本体2の
下側にダンパ5を配置しているが、これに限られること
なく、建物本体2の高さ方向中間部分と主架構1との間
にダンパ5を設けてもよい。
【0013】しかして、上記構成の二重架構式構造物に
よれば、建物本体2を構成する柱2aを中空状に形成
し、この中空状の柱2aの内部に建物本体2を支持する
吊り部材3を挿入させているので、主架構1と建物本体
2とのクリアランスCがいかなる値に設定される場合で
もその値に関係することなく、建物本体2を支持する吊
り部材3の長さを自由に設定できる。このように建物本
体2を支持する吊り部材3の長さを自由に設定できるの
で、建物本体2の固有周期調整のための自由度が極めて
高くなる。
【0014】また、上記のように主架構1と建物本体2
とのクリアランスCがいかなる値に定められる場合でも
その値に関係することなく、建物本体2を支持する吊り
部材3の長さを自由に設定できることは、逆に言えば、
クリアランスCを設定するにあたって、吊り部材3の長
さに関係なく任意の値に設定できる。また、建物本体2
の柱2aの内部に吊り部材3が挿入されているため、建
物本体2の内部から吊り部材3が見えなくなり、デザイ
ン上の点からも好ましい。また、振幅が一定以上大きく
なった場合には、建物本体2の柱2aの上端と吊り部材
3が接触し、吊り部材3の実質的な長さが初期の値より
も短くなるため、建物本体2の固有周期が短くなる。こ
の結果、吊り部材3によって吊られる部分が非線形の振
動性状を示し、振幅が大きくなり過ぎるのを未然に抑制
することができる。
【0015】なお、上記実施例では、吊り部材3の下端
を建物本体2の上側の階のスラブの位置で連結させて支
持しているが、これに限られることなく、図2に示すよ
うに、吊り部材3の下端を下側の室のスラブ位置で連結
させて支持するようにしてもよく、さらに図3に示すよ
うに、室の中間位置で連結させて支持するようにしても
よく、吊り部材3の長さが、吊り下げる建物本体2の固
有周期を決定するのに必要な長さとなるように定めれば
よい。
【0016】また、上記実施例では、建物本体2の全て
を吊り部材3によって支持させているが、これに限られ
ることなく、建物本体2の大部分あるいは一部のみを吊
り部材3によって吊り支持するようにしてもよい。
【0017】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、建物本体
の柱を中空状に形成し、この中空状の柱の内側に建物本
体の少なくとも一部を支持する吊り部材を挿入させてい
るので、主架構と建物本体とのクリアランスがいかなる
値に定められる場合でもその値に関係することなく、吊
り部材の下端の連結位置を調整することによって該吊り
部材の長さを自由に調整でき、もって、建物本体の周期
調整範囲を自由に広げることができる。また、柱の内側
に吊り部材があるため、建物本体の上部と主架構とのク
リアランスが少なくて済み、また、吊り部材が外部から
見えないためデザイン上からも好ましい。さらに、振幅
が一定以上大きくなった場合には、柱の上端と吊り部材
が接触し、建物本体の吊られた部分が非線形の振動性状
を示すこととなるため、振動が大きくなり過ぎることを
未然に抑制できる。
【0018】また、吊り部材が挿入された中空状の柱の
内部に粘性体を注入しているので、吊り部材の動きが粘
性体によって拘束され、もって簡単な付加減衰機構を実
現できる。
【0019】請求項記載の発明では、主架構と建物本
体との間にダンパを設置しているので、建物本体の制振
をより効率的に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる二重架構式構造物の実施例を示
す概略図である。
【図2】本発明にかかる二重架構式構造物の他の実施例
を示す概略図である。
【図3】本発明にかかる二重架構式構造物のさらに他の
実施例を示す概略図である。
【図4】二重架構式構造物の従来例を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 主架構 1a 柱 1b 梁 2 建物本体 2a 柱 2b 梁 3 吊り部材 4 粘性体 5 ダンパ C クリアランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04H 9/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱及び梁を備える主架構の内部に形成さ
    れる空間に、居室・居住区空間を画成する建物本体の少
    なくとも一部が主架構により吊り部材を介して支持され
    る二重架構式構造物であって、 前記建物本体の柱を中空状に形成し、該中空状の柱の内
    側に前記吊り部材を挿入させるとともに、吊り部材が挿
    入された中空状の柱の内部に粘性体を注入したことを特
    徴とする二重架構式構造物。
  2. 【請求項2】 請求項記載の二重架構式構造物におい
    て、 前記主架構と建物本体との間にダンパを設置したことを
    特徴とする二重架構式構造物。
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