JP3225379B2 - ハロゲン化銀カラー感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー感光材料

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JP3225379B2 JP29891192A JP29891192A JP3225379B2 JP 3225379 B2 JP3225379 B2 JP 3225379B2 JP 29891192 A JP29891192 A JP 29891192A JP 29891192 A JP29891192 A JP 29891192A JP 3225379 B2 JP3225379 B2 JP 3225379B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀カラー感光
材料に関し、詳しくは磁気記録層を有するハロゲン化銀
カラー感光材料の圧力耐性と保存時のカブリ耐性の改良
に関する。
【0002】
【発明の背景】米国特許4,947,196号及び国際公開特許9
0/04254号には、写真フィルムの裏面に磁気記録を可能
とする磁性体粒子を含有した磁性層を有するロール状フ
ィルム及び磁気ヘッドを有する撮影用カメラが開示され
ている。
【0003】上記の技術によれば、磁性層に感光材料の
種類やメーカーなどの識別情報、撮影時の条件に係わる
情報、顧客に関する情報、プリント条件に係わる情報、
プリント焼増しの条件に係わる情報などをフィルム上で
磁気的に入/出力することにより、プリント品質の向
上、プリント作業の効率化、ラボ事務処理の効率化等を
はかることが可能となる。
【0004】しかしながら、支持体の裏面に磁気記録層
を有するハロゲン化銀カラー感光材料は製造後、高温高
湿下に放置すると磁気記録層を有しない従来のハロゲン
化銀カラー感光材料に比べて、感度低下が多く見られる
ことが分かった。
【0005】又、前記のカメラ内、或は現像所で現像処
理前の感光材料に磁気ヘッドでの書き込み、消磁または
読み出しを行うと現像後、磁気ヘッドと接触した画像領
域に濃度異常(濃度低下或は濃度増加)を発生することが
明らかになった。
【0006】このような現象は、磁気記録層を持たない
感光材料では見られないことから磁気層に起因する問題
点であり、その改良が望まれていた。
【0007】
【発明の目的】従って本発明の目的は、磁気ヘッドによ
る圧力耐性に優れ、かつ感光材料の経時保存での感度低
下がない磁性層を有するハロゲン化銀カラー感光材料を
提供することである。
【0008】
【発明の構成】本発明の上記の目的は以下の本発明によ
り達成された。
【0009】即ち、透明支持体上にハロゲン化銀乳剤層
を少なくとも一層有し、かつ、透明支持体の少なくとも
一方の側に強磁性微粉末を含む磁性層を有するハロゲン
化銀カラー感光材料において、該乳剤層の少なくとも一
層にセレン化合物により増感されたハロゲン化銀乳剤
含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材
料。
【0010】以下、本発明を詳述する。
【0011】本発明に係るセレン化合物は増感剤として
用いられるものである。すなわち、ハロゲン化銀カラー
感光材料に用いられるハロゲン化銀乳剤粒子は、通常粒
子形成後に化学増感を施すが、この化学増感剤として本
発明にかかるセレン化合物は、用いられる。(以下、本
発明にかかるセレン化合物をセレン増感剤ともいう。)
本発明に於いて使用するセレン増感剤は広範な種類のセ
レン化合物を含む。例えば、これに関しては、米国特許
1,574,944号、同1,602,592号、同1,623,499号、特開昭6
0-150046号、特開平4-25832号、同4-109240号、同4-147
250号等に記載されている。有用なセレン増感剤として
は、コロイドセレン金属、イソセレノシアネート類(例
えば、アリルイソセレノシアネート等)、セレノ尿素類
(例えば、N,N-ジメチルセレノ尿素、N,N,N′-トリエチ
ルセレノ尿素、N,N,N′-トリメチル-N′-ヘプタフルオ
ロセレノ尿素、N,N,N′-トリメチル-N′-ヘプタルオロ
プロピルカルボニルセレノ尿素、N,N,N′-トリメチル-
N′-4-ニトロフェニルカルボニルセレノ尿素等)、セレ
ノケトン類(例えば、セレノアセトン、セレノアセトフ
ェノン等)、セレノアミド類(例えば、セレノアセトア
ミド、N,N-ジメチルセレノベンズアミド等)、セレノカ
ルボン酸類及びセレノエステル類(例えば、2-セレノプ
ロピオン酸、メチル-3-セレノブチレート等)、セレノ
フォスフェート類(例えば、トリ-p-トリセレノフォス
フェート等)、セレナイド類(ジエチルセレナイド、ジ
エチルジセレナイド等)が挙げられる。特に、好ましい
セレン増感剤は、セレノ尿素類、セレノアミド類、及び
セレンケトン類である。
【0012】これらのセレン増感剤の使用技術の具体例
は下記の特許明細書に開示されている。米国特許第1,57
4,944号、同第1,602,592号、同1,623,499号、同3,297,4
46号、同3,297,447号、同3,320,069号、同3,408,196
号、同3,408,197号、同3,442,653号、同3,420,670号、
同3,591,385号、フランス特許第2,693,038号、同2,093,
209号、特公昭52-34491号、同52-34492号、同53-295
号、同57-22090号、特開昭59-180536号、同59-185330
号、同59-181337号、同59-187338号、同59-192241号、
同60-150046号、同60-151637号、同61-246738号、特開
平3-4221号、同3-24537号、同3-111838号、同3-116132
号、同3-148648号、同3-237450号、同4-16838号、同4-2
5832号、同4-32831号、同4-96059号、同4-109240号、同
4-140738号、同4-140739号、同4-147250号、同4-149437
号、同4-184331号、同4-190225号、同4-191729号、同4-
195035号、英国特許255846号、同861984号。尚、H.E.Sp
encer等著Journal of Photographic Science誌、31巻、
158〜169頁(1983)等の研究論文にも開示されている。
【0013】セレン増感剤の使用量は、使用するセレン
化合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わ
るが、一般にハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-4モル
程度を用いる。
【0014】本発明に於けるセレン増感剤を用いる化学
熟成の温度は、40〜90℃の範囲が好ましい。より好まし
くは、45℃以上80℃以下である。また、pHは4〜9、pA
gは6〜9.5の範囲が好ましい。
【0015】前記の種々の増感剤の添加方法は、使用す
る化合物の性質に応じて、水またはメタノール、エタノ
ールなどの有機溶媒の単独または混合溶媒に溶解して添
加する方法でも、或いは、ゼラチン溶液と予め混合して
添加する方法でも、特開平4-140739号に開示されている
方法、即ち、有機溶媒可溶性の重合体との混合溶液の乳
化分散物の形態で添加する方法でも良い。
【0016】本発明の化学増感に於いては、セレン増感
剤の添加量を、化学熟成工程に於いて、硫黄増感剤から
放出される硫黄原子数に対して同等数以下のセレン原子
数を放出し得る量にする。例えば、1分子のセレン増感
剤から2個のセレンを放出し2個のセレン化銀分子を形
成し得るセレン増感剤と1個の硫黄原子を放出し1個の
硫化銀分子を形成し得る硫黄増感剤を併用する場合に
は、前者の添加量を後者のそれに対して1/2モル以下
にする。また、逆に、2個以上の複数の硫黄原子を放出
し得る硫黄増感剤を使用する場合には、セレン増感剤の
添加量(モル)と比べ少ない場合もあり得る。セレン増
感剤の好ましい添加量は、化学熟成工程に於いてから放
出される硫黄原子数に対して1/3以下のセレン原子数
子を放出し得る量である。
【0017】本発明において適用できる硫黄増感剤とし
ては、1,3-ジフェニルチオ尿素、トリエチルチオ尿素、
1-エチル-3-(2-チアゾリル)チオ尿素などのチオ尿素誘
導体、ローダニン誘導体、ジチカルバミン酸類、ポリス
ルフィド有機化合物、チオ硫酸ナトリウム、硫黄単体な
どが好ましい例として挙げられる。尚、硫黄単体として
は、斜方晶系に属するα-硫黄が好ましい。
【0018】その他、硫黄増感剤としては、米国特許1,
574,944号、同2,410,689号、同2,278,947号、同2,728,6
68号、同3,501,313号、同3,656,955号等の各明細書、西
独出願公開(OLS)1,422,869号、特開昭56-24937
号、同55-45016号公報等に記載されている硫黄増感剤も
用いることが出来る。
【0019】本発明の化学増感に於いては、金増感を併
用することにより、更に高感度化できる。有用な金増感
剤としては、塩化金酸、チオ硫酸金、チオシアン酸金等
の他に、米国特許第2,597,856号、同5,049,484号、同5,
049,485号、特公昭第44-15748号、特開平第1-147537
号、同4-70650号、同4-86649号等に開示されている有機
化合物の金錯体などが挙げられる。
【0020】硫黄増感剤及び金増感剤の使用量は、ハロ
ゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件
などによって一様ではないが、通常は、ハロゲン化銀1
モル当り、1×10-4モル〜1×10-9モルであることが好
ましい。更に、好ましくは1×10-5モル〜1×10-8モル
である。
【0021】本発明において、化学増感をハロゲン化銀
吸着性化合物の存在下で施すと、本発明の効果が一層増
す。該ハロゲン化銀吸着性化合物としては、増感色素、
カブリ防止剤及び安定剤などが使用できる。
【0022】増感色素としては、シアニン色素、メロシ
アニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色
素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、ス
チリル色素、ヘミオキソノール色素、オキソノール、メ
ロスチリルおよびストレプトシアニンを含むポリメチン
染料を挙げることができる。
【0023】カブリ防止剤、安定剤としては、例えばテ
トラザインデン類、アゾール類、例えばベンゾチアゾリ
ウム塩、ニトロインダゾール類、ニトロベンズイミダゾ
ール類、クロロベンズイミダゾール類、プロモベンズイ
ミダゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベ
ンズイミダゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾト
リアゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプ
トテトラゾール類(特に1-フェニル-5-メルカプトテト
ラゾール)など、またメルカプトピリミジン類、メルカ
プトトリアジン類、例えばオキサゾリチオンのようなチ
オケト化合物、更にはベンゼンチオスルフィン酸、ベン
ゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミド、ハイ
ドロキノン誘導体、アミノフェノール誘導体、没食子酸
誘導体、アスコルビン酸誘導体を挙げることができる。
【0024】本発明に於いては、ハロゲン化銀溶剤共有
下で化学増感を施すとしばしば良い結果が得られる。
【0025】本発明で用いられるハロゲン化銀溶剤とし
ては、米国特許第3,271,157号、同3,531,289号、同3,57
4,628号各明細書、特開昭54-1019号、同54-158917号各
公報等に記載された(a)有機チオエーテル類、特開昭
53-82408号、同55-77737号、同55-2982号各公報等に記
載された(b)チオ尿素誘導体、特開昭53-144319号公
報に記載された(c)酸素または硫黄原子と窒素原子と
に挟まれたチオカルボニル基を有するハロゲン化銀溶
剤、特開昭54-100717号公報に記載された(d)イミダ
ゾール類、(e)亜硫酸塩、(f)チオシアネート等が
挙げられる。
【0026】以下にこれらの具体的化合物を示す。
【0027】
【化1】
【0028】本発明に於ける磁性層とは、特開昭53-109
604号、特公昭57-6576号、特開昭60-45248号、米国特許
4,947,196号、国際公開特許90/04254号、同91/11750
号、同91/11816号、同92/08165号、同92/08227号等に示
されるような透明磁性層でもよいし特開平4-124642号、
同4-124645号等に示されるようなストライブ状磁性層で
もよい。
【0029】本発明の磁性層が透明層である場合、好ま
しい光学濃度としては1.0以下、より好ましくは0.75以
下、特に好ましくは0.02〜0.30である。
【0030】本発明において磁性層は、強磁性粉末を結
合剤中に分散してなる層である。
【0031】その磁性粉の塗布量は、ハロゲン化銀カラ
ー感光材料100cm2当たり鉄の量として50mg以下、好まし
くは20mg以下、特に好ましくは0.1mg〜5mgである。
【0032】前記強磁性粉末としては、たとえばγ-Fe2
O3粉末、Co被着γ-Fe2O3粉末、Co被着Fe3O4粉末、Co被
着FeOx(4/3<x<3/2)粉末、その他Co含有の酸化鉄、
更にその他のフェライト、例えば六方晶フェライトとし
ては、例えばM型、W型の六方晶系のBaフェライト、Sr
フェライト、鉛フェライト、Caフェライト或は、これら
の固溶体又はイオン置換体が挙げられる。
【0033】六方晶系フェライト磁性粉としてはこれら
の一軸異方性の六方晶系フェライト結晶の構成元素であ
るFe原子の一部を2価金属と、Nb,Sb4及びTaから選ば
れた少なくとも1種の5価金属と、1化学式当たり0.05
〜0.5個の範囲のSn原子で置換した保磁力が200〜2,000
Oeの元素が用いられる。
【0034】六方晶系フェライトにおける2価金属とし
てはMn,Cu,Mg等のフェライト中のFe原子と比較的よく
置換する元素が好ましい。
【0035】六方晶系フェライトにおいて2価金属(M
II)及び5価金属(Mv)の適正な置換量はMIIとMvの
組み合わせにより異なるが、MIIの1化学式当たりおお
むね0.5〜1.2個が好ましい。
【0036】置換元素の置換量の関係を、例えばマグネ
トプランバイト型Baフェライトについてみると、置換体
の化学式はBaFe12-(x+y+z)MIIxMvySnzO19で表され
る。ここにx,y,zはMII,Mv及びSn元素のフェライ
ト1化学式当たりの置換量である。MII,Mv及びSnは
それぞれ2価、5価、4価であり、置換されるFe原子は
3価であるので価格数補償を考慮するとy=(x−z)/
2の関係がなりたつ。即ちMvの置換量はMIIの置換量
とSnの置換量から一義的に決定される。
【0037】前記強磁性粉末の保磁力(Hc)は通常200
エルステッド以上、好ましくは300エルステッド以上で
ある。
【0038】磁性粉の大きさは長径方向で0.3μm以下が
好ましく、更には0.2μm以下が好ましい。
【0039】強磁性粉末のBET法による比表面積は、通
常20m2/g以上、好ましくは25〜80m2/gである。
【0040】前記強磁性粉末の形状については特に制限
はなく、例えば、針状、球状或は楕円体状などのものを
いずれも使用することができる。
【0041】本発明の磁性層には脂肪酸を含有させるこ
とができる。
【0042】前記脂肪酸は、一塩基性であってもよい
し、二塩基性であってもよいが、本発明において好まし
い脂肪酸の炭素原子数は6〜30、特に12〜22である。
【0043】好ましい脂肪酸としては、例えばカプロン
酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、
リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、エライジン酸、
ベヘン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、オクタンジカルボン
酸などが挙げられる。
【0044】これらの中でも、特に好ましいのはミリス
チン酸、オレイン酸、ステアリン酸である。
【0045】又、磁性層に脂肪酸エステルを含有させる
と磁性層の摩擦係数が低下して本発明の磁気記録媒体の
走行性及び耐久性が一段と向上する。
【0046】前記脂肪酸エステルとしては、たとえばオ
レイルオレート、オレイルステアレート、イソセチルス
テアレート、ジオレイルマレエート、ブチルステアレー
ト、ブチルパルミテート、ブチルミリステート、オクチ
ルミリステート、オクチルパルミテート、アミルステア
レート、アミルパルミテート、ステアリルステアレー
ト、ラウリルオレート、オクチルオレート、イソブチル
オレート、エチルオレート、イソトリデシルオレート、
2-エチルヘキシルステアレート、2-エチルヘキシルミリ
ステート、エチルステアレート、2-エチルヘキシルパル
ミテート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルミ
リステート、ブチルラウレート、セチル-2-エチルヘキ
サレート、ジオレイルアジペート、ジエチルアジペー
ト、ジイソブチルアジペート、ジイソデシルアジペート
などが挙げられる。
【0047】これらの中でも、特に好ましいものはブチ
ルステアレート、ブチルパルミテートである。
【0048】前記種々の脂肪酸エステルは1種単独で使
用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0049】本発明の磁性層には前記脂肪酸或は、更に
前記脂肪酸エステルと共に他の潤滑剤を含有させること
ができる。
【0050】他の潤滑剤としては、例えばシリコーン系
潤滑剤、脂肪酸変性シリコーン系潤滑剤、弗素系潤滑
剤、流動パラフィン、スクワラン、カーボンブラックな
どが挙げられる。これらは単独でも、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0051】結合剤としてはセルロースエステル或はゼ
ラチン類のような透明なものが用いられる。
【0052】セルロースエステル或はゼラチンのような
透明なバインダ中で、セルロースエステル用の有機溶剤
或はゼラチン用の水のような前記バインダ用の溶媒を用
いて、細分化された受磁性粒子の分散液を調製すればよ
い。
【0053】粒子の分散、混練、塗布の際に使用する有
機溶媒としては、任意の比率でアセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、
イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン系;メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブ
チルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシク
ロヘキサノールなどのアルコール系;酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピ
ル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等
のエステル系;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチ
ルエーテル、ジオキサンなどのエーテル系;ベンゼン、
トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、ス
チレンなどのタール系(芳香族炭化水素);メチレンク
ロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホ
ルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の
塩素化炭化水素系;N,N-ジメチルホルムアルデヒド、ヘ
キサン等が使用できる。
【0054】混練の方法には特に制限はなく、又、各成
分の添加順序などは適宜設定することができる。
【0055】磁性塗料を調製するに当たっては、通常の
混練機、例えば、二本ロールミル、三本ロールミル、ボ
ールミル、ペブルミル、トロンミル、サンドグラインダ
ー、ツェグバリ(Szegvari)、アトライター、高速イン
ペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、デ
ィスパー、ニーダー、高速ミキサー、リボンブレインダ
ー、コニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、
ブレンダー、ディスパーザー、ホモジナイザー、単軸ス
クリュー押し出し機、二軸スクリュー押し出し機、及び
超音波分散機などを用いることができる。混練分散に関
する技術の詳細は、T.C.PATTON著(テー・シー・パッ
トン),“Paint Flow and Pigment Dispersion" (ペイ
ント・フロー・アンド・ピグメント・ディスパージョ
ン),1964年、John Wiley & Sons(ジョン ウィリー
アンド サンズ)社発行や田中信一著『工業材料』,25
巻,37(1977)などや当該書籍の引用文献に記載されて
おり、連続処理の為これらの混練分散機を適宜組み合わ
せ送液し塗布する。又、米国特許2,581,414号及び同2,8
55,156号などの明細書にも記載がある。本発明において
も上記の書籍や当該書籍の引用文献などに記載された方
法に準じて混練分散を行い磁性塗料を調製できる。
【0056】支持体は塗布に先立って、コロナ放電処
理、プラズマ処理、下塗処理、熱処理、除塵埃処理、金
属蒸着処理、アルカリ処理を行ってもよい。これら支持
体に関しては、例えば西独特許3,338,854A号、特開昭59
-116926号、米国特許4,388,368号、三石幸夫著、『繊維
と工業』、31巻、p50〜55、1975年などに記載されてい
る。
【0057】本発明の磁性粒子を含有する支持体の好ま
しい態様を以下に示す。
【0058】支持体は天然あるいは合成ポリマーからな
ることが好ましく、セルロースエステル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリエチレンフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリパラフェニレンテレフタル
アミド等が好ましいが、酢酸セルロースエステル、ポリ
カーボネート、ポリエチレンテレフタレートがより好ま
しい。
【0059】本発明において磁性粒子は、前記支持体中
に均一に添加させてもよいし、支持体の厚さ方向におい
て一方の面側に集中させてもよいし、中央付近に集中さ
せてもよいが、支持体の写真構成層を塗布する側と反対
側に集中させることが好ましい。支持体の一方の面側に
集中させる方法としては、支持体ポリマーと磁性粒子を
含有するドープをキャスティングした後、重力、磁力等
によって磁性粒子を支持体の一方の面側に集中させる方
法、特公昭30-986号、WO91/11750に示されるように、
磁性粒子を含んだドープと含まないドープを同時にキャ
スティングして支持体の一方の面側に集中させる方法が
あるが、後者の方が高速での製造が可能であり好まし
い。
【0060】本発明においては、磁性粒子を含んだ三酢
酸セルロースエステルドープと含まれない三酢酸セルロ
ースエステルドープを同時に、ドラム又はベルト上にキ
ャスティングして乾燥し支持体を形成することができ、
エンドレスベルト上に2カ所のキャスティング口を設
け、三酢酸セルロースエステルドープを先にキャスティ
ングした後、その上に磁性粒子を含んだ三酢酸セルロー
スエステルドープを後からキャスティングして乾燥し、
本発明の支持体を形成することもできる。
【0061】本発明の支持体の厚さは50〜200μmである
が、好ましくは60〜130μm、特に好ましくは70〜120μm
である。これよりも薄いとハロゲン化銀感光材料の高速
塗布スピードに対して磁気ヘッドによる書き込みや読み
取りの精度が低下して好ましくない。又、これよりも厚
いとハロゲン化銀感光材料としての露光・現像機器適性
が低下する。
【0062】本発明の支持体において、磁性粒子が存在
する層の厚さは2μm以下、好ましくは1.5μm以下、特
に好ましくは1μm以下0.1μm以上である。磁性粒子の
塗布量は10〜1000mg/m2、好ましくは15〜300mg/m2
特に好ましくは20〜100mg/m2である。
【0063】本発明においては、磁性粒子を含有した支
持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層及び非感
光性層からなる写真構成層を塗布してハロゲン化銀感光
材料を製造する製造方法において、製造工程が磁気書き
込み手段と磁気読み取り手段を有し、前記ハロゲン化銀
感光材料の製造管理を行うことによって目的を達成す
る。即ち、本発明の支持体製造後、磁気記録材料でもあ
る支持体に対して磁気書き込み手段によりオンライン又
はオフラインでフォーマッティング及びアドレス化を行
い、写真構成層の塗布工程において、磁気情報により製
造の管理を行うことができる。又、塗布工程における情
報(例えば品種、製造番号、製造日、故障情報等)を磁
気書き込み手段により追加書き込みし、以後の乾燥工
程、断裁包装工程にフィードバックすることもできる。
更には、断裁包装工程において、出荷販売コードを書き
込みしたり、撮影カメラによる磁気記録に備えてフォー
マッティングし直したり、撮影時、現像時、プリント時
等に必要な情報を書き込んだりすることもできる。
【0064】本発明において、製造工程の磁気書き込み
手段や磁気読み取り手段としては磁気ヘッドが有効であ
り、本発明の支持体の巾手方向の一部又は全部にヘッド
を設けることによって達成される。製造工程の各々の磁
気ヘッドはコンピュータに接続され、読み取り情報を表
示し、製造装置の駆動を制御し、又、種々情報を必要箇
所に書き込みすることができる。本発明の製造方法にお
いては、本発明の請求項(1)に示されるハロゲン化銀
感光材料を製造する上で、好ましい方法である。
【0065】本発明において、磁性粒子は酸化鉄を主成
分としたものであるが、内部にアルミニウム、カルシウ
ム、珪素を微量ドーピングしたものは、本発明の目的に
対して好ましく用いられる。又、磁性粒子の針状比は1
〜7が好ましい。
【0066】磁性粒子を含有したドープを流延して乾燥
し磁性層を形成する過程において、対向する磁石によっ
て規則的に磁性粒子を配向させてもよいし、ランダムな
磁場を与えて、いわゆるランダマイズ処理を施すことも
本発明においては有効である。
【0067】本発明においては、支持体を形成するポリ
マーとしては三酢酸セルロースエステルが好ましいが、
ポリエチレンテレフタレートを用いてもよく、この場合
は支持体の製造においては、いわゆる共押し出し方法を
用いることが好ましい。又、ポリエチレンテレフタレー
トの場合は、特開平1-244446号、同1-291248号、同1-29
8350号、同2-89045号、同2-93641号、同2-181749号、同
2-214852号及び特願平2-291135号等に示されるような、
含水率の高いポリエチレンテレフタレートを用いると磁
性粒子の分散安定性が向上して好ましい。
【0068】本発明においては、支持体中に公知の染料
や顔料を少量添加して、ハレーション、イラジエーショ
ン、ライトパイピングを防止することが好ましい。
【0069】本発明においては、磁性粒子を含有するド
ープ中に無機又は有機のマット化剤を添加することによ
って、あるいは磁性層形成後表面をマット化処理するこ
とによって表面粗さをある領域に設定することにより、
磁気ヘッドによる書き込みや読み取りの効率を向上させ
ることができる。
【0070】本発明において、磁性粒子を含有するドー
プと磁性粒子を含有しないドープの、粘度バランスを調
整したり、溶剤組成を変えたり、表面張力を調整した
り、可塑剤含有率を変えることによって、本発明の支持
体の物理特性を調整することができる。
【0071】本発明においては、支持体形成後、オンラ
インで下引き層やバッキング層を塗設することによって
工程が簡略化できる。
【0072】以下、本発明について詳述する。
【0073】−感光層− 本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、フルカラーの
写真感光材料とすることができる。フルカラーの写真感
光材料においては、一般にシアンカプラーを含有する赤
感性層、マゼンタカプラーを含有する緑感性層、イエロ
ーカプラーを含有する青感性層を有している。これらの
各感光性層は一層であっても良いし、又、複数の層から
なるものであってもよい。
【0074】各感光性層の積層順序は特に限定がなく、
目的に応じて種々の積層順序をとることができる。例え
ば支持体側から順に赤感性層、緑感性層、青感性層の順
に積層することができ、また、これとは逆に、支持体側
から順に青感性層、緑感性層、赤感性層の順に積層する
ことができる。
【0075】また、同一の感色性を有する二層の感光層
の間に異なる感色性を有する感光層が挟まれたように設
置してもよい。また、色再現改良の目的で赤感性層、緑
感性層、青感性層の3層に加えて第4の或はそれ以上の
感色性の感光性層を設けることもできる。第4のあるい
はそれ以上の感色性の感光性層を用いる層構成について
は特開昭61-34541号、同61-201245号、同61-198236号、
同62-160448号に記載されており、これらを参考にする
ことができる。
【0076】この場合は第4あるいはそれ以上の感色性
の感光層は、いずれの積層位置に配置しても良い。また
第4あるいはそれ以上の感色性の感光層は単独でも複数
の層からなっていてもよい。
【0077】上記各感光性層の間および最上層、最下層
には各種の非感光性層を設けてもよい。
【0078】これら非感光性層には、特開昭61-43748
号、同59-113438号、同59-113440号、同61-20037号、同
61-20038号などに記載されているようなカプラー、DI
R化合物等が含まれていてもよく、通常用いられるよう
に混色防止剤を含んでいてもよい。また、これら非感光
性層は、RD308119、1002頁 VII-K項に記載されてい
るフィルタ層や中間層等の補助層であってもよい。
【0079】この発明の感光材料においてとり得る層構
成としては、RD308119、1002頁 VII-K項に記載され
ている順層、逆層、ユニット構成等を挙げることができ
る。
【0080】同一の感色性を有する感光層が二層ある場
合、これら感光層は同一のものであってもよく、また、
西独特許923,045号に記載されるような高感度乳剤層、
低感度乳剤層の二層構造であってもよい。この場合、通
常は、支持体に向かって順次感光度が低くなる様に配列
するのが好ましく、また各乳剤層の間には非感光性層が
設けられていてもよい。また、特開昭57-112751号、同6
2-200350号、同62-206541号、同62-206543号等に記載さ
れているように支持体より離れた側に低感度乳剤層、支
持体に近い側に高感度乳剤層を配置してもよい。
【0081】具体例として、支持体から最も遠い側か
ら、低感度青感性層(BL)/高感度青感性層(BH)/高
感度緑感性層(GH)/低感度緑感性層(GL)/高感度赤
感性層(RH)/低感度赤感性層(RL)の順、または、B
H/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/
BL/GH/GL/RL/RHの順に設置することを挙
げることができる。
【0082】また特公昭55-34932号公報に記載されてい
るように、支持体から最も遠い側から青感性層/GH/
RH/GL/RLの順に配列することもできる。また特
開昭56-25738号、同62-63936号公報に記載されているよ
うに、支持体から最も遠い側から青感性層/GL/RL
/GH/RHの順に配列することもできる。
【0083】また特公昭49-15495号公報に記載されてい
るように感度の異なる同一の感色性を有する感光層を3
層用いることができる。これら3層は上層に高感度のハ
ロゲン化銀乳剤層、中層に中感度のハロゲン化銀乳剤
層、下層に低感度のハロゲン化銀乳剤層と配置される。
また、特開昭59-202464号公報に記載されているよう
に、支持体より離れた側から中感度のハロゲン化銀乳剤
層、高感度のハロゲン化銀乳剤層、低感度のハロゲン化
銀乳剤層の順に配置してもよい。
【0084】このような感光度の異なる3層から構成さ
れる場合、これら3層の積層順序は任意であり、例えば
積層順序としては、高感度のハロゲン化銀乳剤層、低感
度のハロゲン化銀乳剤層、中感度のハロゲン化銀乳剤層
の順、或は低感度のハロゲン化銀乳剤層、中感度のハロ
ゲン化銀乳剤層、高感度のハロゲン化銀乳剤層などが挙
げられる。また、同一の感色性を有する感光層を4層以
上とすることもできる。この場合にも、上記の如く配列
は任意である。
【0085】上記のように、それぞれの感光材料の目的
に応じて種々の層構成、配列を選択することができる。
【0086】−ハロゲン化銀粒子− 本発明におけるハロゲン化銀粒子の粒径は、約0.2μm以
下の微粒子あるいは投影面積直径が約10μmに至るまで
の大サイズ粒子でもよい。
【0087】ハロゲン化銀の粒子形状は、立方体、八面
体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、球
状、平板状のような変則的な結晶形を有するもの、双晶
面などの結晶欠陥を有するもの、或はそれらの複合形で
もよい。
【0088】結晶構造は一様なものでも、内部と外部と
が異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造
をなしていてもよい。また、エピタキシャル接合によっ
て組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、
また例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の
化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒
子の混合物を用いてもよい。
【0089】中でも特に、平板状の結晶形を有するハロ
ゲン化銀が好ましく、そのようなハロゲン化銀としては
直径/厚み比が2〜8であり、特に直径/厚み比が3〜
7であるのが好ましい。平板状粒子は、ガトフ著、フォ
トグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリン
グ(Gutoff, Photographic Science and Engineering)
第14巻248〜257頁(1970年);米国特許4,434,226号、同
4,414,310号、同4,433,048号、同4,439,520号および英
国特許2,112,157号などに記載の方法により容易に調製
することができる。
【0090】本発明においては、平板状のハロゲン化銀
粒子を含有するハロゲン化銀乳剤を使用する場合、直径
/厚み比が2〜8である平板状のハロゲン化銀粒子は投
影面積にして全粒子の70%以上の割合で存在するのが好
ましく、さらには直径/厚み比が3〜7である平板状の
ハロゲン化銀粒子が投影面積にして全粒子の70%以上の
割合で存在するのが好ましい。
【0091】本発明においては、現像開始点はハロゲン
化銀粒子の表面の特異箇所及びその近傍に偏らせて形成
されている。
【0092】−ハロゲン化銀乳剤− 本発明におけるハロゲン化銀乳剤は、多分散乳剤でも単
分散乳剤でもよいが、粒径が揃っている単分散乳剤が好
ましい。本発明において好ましい単分散乳剤は、重量平
均粒径dを中心に±20%の粒径範囲内に含まれるハロゲ
ン化銀の重量が全ハロゲン化銀の重量の70%以上を占め
るものであり、80%以上を占めるものが更に好ましく、
90%以上を占めるものが特に好ましい。
【0093】ここで、重量平均粒径dとは、粒径di
有する粒子の頻度niとdi 3との積ni×di が最大に
なるときの粒径diをいう。(有効数字3桁、最小桁は四
捨五入する。)又、ここで粒径diとは、粒子の投影像を
同面積の円像に換算したときの直径である。粒径di
例えばこの粒子を平らな試料台上に重ならないように分
散させ、電子顕微鏡で1万倍〜5万倍に拡大して撮影
し、そのプリント上の粒子直径または面積を実測するこ
とによって得ることができる。(測定粒子個数は無差別
に1,000個以上を選定する。)又、ハロゲン化銀乳剤の粒
径分布が単一のピークを有する場合には、単分散の程度
は下記の式によって計算される分布の広さによっても表
すことができる。
【0094】 {(粒径標準偏差)/(平均粒径)}×100=分布の広さ(%) ここに粒径測定方法は前述の測定方法に従うものとし、
平均粒径は下記式によって計算された算術平均値であ
る。
【0095】平均粒径=(Σd11)/(Σn1) この式によって計算された分布の広さの小さい方が、単
分散性が大きい。
【0096】単分散性を上記分布の広さによって表した
場合に、本発明のハロゲン化銀乳剤は分布の広さが20%
以下であるものが好ましく、15%以下であるものがさら
に好ましい。
【0097】この発明に係るハロゲン化銀乳剤は、平均
沃化銀含有率が4〜20mol%を含む沃臭化銀を含有する
のが好ましく、平均沃化銀含有率が5〜15mol%を含む
沃臭化銀を含有するのが特に好ましい。この発明におけ
るハロゲン化銀乳剤は、この発明の目的を阻害しない範
囲で塩化銀を含有していてもよい。
【0098】本発明におけるハロゲン化銀乳剤は、例え
ばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No.17643、22〜
23頁(1978年12月)“I.乳剤製造 (Emulsion preparatio
n and types) ”、および同(RD)No.18716、648頁、グ
ラフキデ著『写真の物理と化学』ポールモンテル社刊
(P.Glafkides,Chemic et Phisique Photographique,Pau
l Motel,1967)、ダフィン著『写真乳剤化学』、フォー
カルプレス社刊 (G.F.Duffin, Photographic Emulsion
Chemistry Focal Press 1966) 、ゼリクマンら著『写真
乳剤の製造と塗布』、フォーカルプレス社刊(V,L.Zelik
man etal, Making and Coating Photographic Emulsio
n, Focal Press, 1964) などに記載された方法を用い
て調製することができる。 乳剤は米国特許3,574,628
号、同3,665,394号および英国特許1,413,748号などに記
載された単分散乳剤も好ましい。
【0099】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程で、各
種の写真用添加剤を用いることができる。
【0100】このような工程で使用される化合物として
は例えば、前述の(RD)No.17643、同No.18716及び同No.
308119に記載されている各種の化合物を用いることがで
きる。これら3つの(RD)に記載されている化合物の種
類と記載箇所を下記に掲載した。
【0101】 〔項 目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 〔RD18716〕 化学増感剤 996 III−A項 23 648 分光増感剤 996 IV−A-A,B,C,D,H,I,J項 23〜24 648〜9 強色増感剤 996 IV−A−E,J項 23〜24 648〜9 カブリ防止剤 998 VI 24〜25 649 安定剤 998 VI 24〜25 649 色濁り防止剤 1002 VII−I項 25 650 色素画像安定剤 1001 VII−J項 25 増白剤 998 V 24 紫外線吸収剤 1003 VIIIC,XIII−C項 25〜26 光吸収剤 1003 VIII 25〜26 光散乱剤 1003 VIII フィルター染料 1003 VIII 25〜26 バインダー 1003 IX 26 651 スタチック防止剤 1006 XIII 27 650 硬膜剤 1004 X 26 651 可塑剤 1006 XII 27 650 潤滑剤 1006 XII 27 650 活性剤・塗布助剤 1005 XI 26〜27 650 マット剤 1007 XVI 現像剤(感材中に含有) 1011 XXB項 本発明の感光材料には、ホルムアルデヒドガスによる写
真性能の劣化を防止するために、米国特許4,411,987号
や同4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと反応
して、固定化できる化合物を感光材料に添加することが
好ましい。
【0102】本発明におけるハロゲン化銀カラー感光材
料の塗布銀量は特に規定されないが、銀量換算で10g/m2
以下、3g/m2以上であることが好ましく、7g/m2以下、
3g/m2以上であることが特に好ましい。また、ゼラチ
ンバインダーに対する銀の量も特に規定されないが、高
感度乳剤層、低高感度乳剤層、その他目的に応じて、銀
量(重量)/ゼラチン(重量)比で0.01〜5.0の範囲で使用す
ることが好ましい。
【0103】前述した以外のハロゲン化銀粒子の粒径
は、約0.2μm以下の微粒子でも投影面積直径が約10μm
に至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単
分散乳剤でもよい。
【0104】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には
種々のカラーカプラーを使用することができる。
【0105】イエローカプラーとしては、例えば米国特
許3,933,051号、同4,022,620号、同4,326,024号、同4,4
01,752号、同4,248,961号、特公昭58-10739号、英国特
許1,425,020号、同4,314,023号、同4,511,649号、欧州
特許249,473A号、などに記載のものが好ましい。
【0106】マゼンターカプラーとしては5-ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特
許4,310,619号、同4,351,897号、欧州特許第73,636号、
米国特許3,061,432号、同3,725,067号、(RD)24220(19
84年6月)、特開昭60-33552号、(RD)No.24230(1984年
6月)、特開昭60-43659号、同61-72238号、同60-35730
号、同55-118034号、同60-185951号、米国特許4,500,63
0号、同4,540,654号、同4,556,630号、国際公開WO88/
04795号等に記載のものが特に好ましい。
【0107】シアンカプラーとしては、フェノール系及
びナフトール系カプラーが挙げられ例えば、米国特許4,
228,233号、同4,296,200号、同2,369,929号、同2,810,1
71号、同2,772,162号、同2,895,826号、同3,772,002
号、同3,758,308号、同4,334,011号、同4,327,173号、
西独特許公開3,329,729号、欧州特許121,365A号、同24
9,453A号、米国特許3,446,622号、同4,333,999号、同
4,775,616号、同4,451,559号、同4,427,767号、同4,69
0,889号、同4,254,212号、同第4,296,199号、特開昭61-
42658号等に記載されているものが好ましい。
【0108】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、米国特許4, 163,670号、特公昭57-3
9413号、米国特許4,004,929号、同4,138,258号、英国特
許1,146,368号に記載のものが好ましい。また米国特許
4,744,181号に記載のカップリング時に放出された蛍光
色素により発色色素の不要吸収を補正するカプラーや、
米国特許4,777,120号に記載の現像主薬と反応して色素
を形成しうる色素プレカーサー基を離脱基として有する
カプラーを用いることも好ましい。
【0109】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許4,366,237号、英国特許2,125,570
号、欧州特許96,570号、西独特許(公開)3,234,533号に
記載のものが好ましい。
【0110】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は米国特許3,451,820号、同4,080,211号、同4,367,28
2号、同4,409,320号、同4,576,910号、英国特許2,102,1
73号等に記載されている。
【0111】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出するカプラーもまたこの発明で好ましく使用でき
る。現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、特開昭57
-151944号、同57-154234号、同60-184248号、同63-3734
6号、米国特許4,248,962号、同4,782,012号に記載され
たものが好ましい。
【0112】現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進
剤を放出するカプラーとしては、英国特許2,097,140
号、同2,131,188号、特開昭59-157638号、同59-170840
号に記載のものが好ましい。
【0113】その他、本発明の感光材料に用いることの
できるカプラーとしては、米国特許4,130,427号に記載
の競争カプラー、米国特許4,283,472号、同4,338,393
号、同4,310,618号に記載の多当量カプラー、特開昭60-
185950号、特開昭62-24252号等に記載のDIRレドック
ス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出カプラー、
DIRカプラー放出レドックス化合物、もしくはDIR
レドックス放出レドックス化合物、欧州特許173,302A
号に記載の離脱後複色する色素を放出するカプラー、
(RD)No. 11449、同24241、特開昭61-201247号等に記
載の漂白促進剤放出カプラー、米国特許4,553,477号等
に記載のリガンド放出カプラー、特開昭63-75747号に記
載のロイコ色素を放出するカプラー等が挙げられる。
【0114】また、本発明にはさらに種々のカプラーを
使用することができ、その具体例は下記(RD)17643及
び(RD)308119に記載されている。下記にその関連ある
記載箇所を示す。
【0115】 〔項 目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 イエローカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 マゼンタカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 シアンカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 カラードカプラー 1002 VII−G項 VII G項 DIRカプラー 1001 VII−F項 VII F項 BARカプラー 1002 VII−F項 その他の有用残基 1001 VII−F項 放出カプラー アルカリ可溶カプラー 1001 VII−E項 本発明に使用する添加剤は、RD308119XIVに記載されて
いる分散法などにより、添加することができる。
【0116】かくして得られたこの発明における透明支
持体の厚みは、特に限定されるものではないが、通常12
0μm以下、好ましくは40〜120μmであり、更に好ましく
は50〜110μmである。透明支持体の厚さの局所的バラツ
キは5μm以内であることが好ましく、より好ましくは
4μm以内、特に好ましくは3μm以下である。
【0117】透明支持体の厚さを上記範囲内にしておく
と、写真構成層を塗布した後のフィルムの強度、カール
特性に問題を生じず、しかも前記フィルムの総厚の範囲
内に納めることができる。また、透明支持体の厚さの局
所的なバラつきが5μm以内であることによって、写真
構成層を塗布するときに塗布ムラの発生や乾燥ムラの発
生を防止することができる。
【0118】−下引き層− 透明支持体の写真構成層を形成する表面には、必要に応
じて、写真構成層の形成に先んじてコロナ放電等の表面
活性化処理および/または下引き層を塗設することがで
きる。
【0119】この下引き層としては、例えば特開昭59-1
9941号、同59-77439号、同59-224841号及び特公昭58-53
029号にそれぞれ記載の下引き層を好適例として挙げる
ことができる。写真構成層とは反対側の透明支持体の表
面に設けられる下引き層はバック層とも称される。
【0120】−ハロゲン化銀カラー感光材料− この発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、一般用もし
くは映画用のカラーネガフィルム、スライド用もしくは
テレビ用のカラー反転フィルム、カラーペーパー、カラ
ーポジフィルム、カラー反転ペーパーに代表される種々
のカラー感光材料に適用することができる。
【0121】この発明のハロゲン化銀カラー感光材料
は、乳剤層を有する側の全親水性コロイド層の膜厚の総
和が24μm以下であることが好ましく、20μm以下がより
好ましく18μm以下が更に好ましい。また膜膨潤速度T
1/2は30秒以下が好ましく20秒以下がより好ましい。膜
厚は25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した膜厚を意
味し、膜膨潤速度T1/2は、当該技術分野において公知
の手法に従って測定することができる。例えばエー・グ
リーン(A.Green)らによるフォトグラフィック・サイエ
ンス・アンド・エンジニアリング(Photogr.Sci.Eng.)
、19巻、2号124〜129頁に記載の型のスエロメーター
(膨潤計)を使用することにより測定でき、T1/2は発色
現像液で30℃、3分15秒処理した時に到達する最大膨潤
膜厚の90%を飽和膜厚とし、この飽和膜厚の1/2の膜
厚に達するまでの時間とする。
【0122】膜膨潤速度T1/2 は、バインダーとしての
ゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時
条件を変えることによって調製することができる。また
膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率とは、さきに述
べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚
−膜厚)/膜厚に従って計算できる。
【0123】この発明のハロゲン化銀カラー感光材料
は、前述の(RD)17643の28、29頁、および(RD)1871
6、615頁左欄〜右欄に記載された通常の方法によって現
像処理することがきる。
【0124】この発明のハロゲン化銀カラー感光材料を
ロール状の形態で使用する場合にはカートリッジに収納
した形態を取るのが好ましい。カートリッジとして最も
一般的なものは現在の135フォーマットのパトローネで
ある。その他、下記特許で提案されたカートリッジも使
用できる。
【0125】実開昭58-67329号、特開昭58-181035号、
特開昭58-182634号、実開昭58-195236号、米国特許4,22
1,479号、特願昭63-57785号、特願昭63-183344号、特願
昭63-325638号、特願平1-25362号、特願平1-21862号、
特願平1-30246号、特願平1-20222号、特願平1-21863
号、特願平1-37181号、特願平1-33108号、特願平1-8519
8号、特願平1-172595号、特願平1-172594号、特願平1-1
72593号、米国特許4,846,418号、米国特許4,848,693
号、米国特許4,832,275号。
【0126】また1992年1月31日出願(八木 敏彦他)の
「小型の写真用ロールフィルムパトローネとフィルムカ
メラ」にこの発明を適用することができる。
【0127】この発明のハロゲン化銀カラー感光材料を
用いて色素画像を得るには露光後、通常知られているカ
ラー現像処理を行うことができる。この発明のハロゲン
化銀カラー感光材料は前述(RD)17643、28〜29頁、(R
D)18716、647頁及び(RD)308119 XIXに記載された通
常の方法によって現像処理することができる
【0128】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本
発明の実施の態様はこれらに限定されない。
【0129】(支持体−1の製造)酢化度61.4%のセル
ローストリアセテート100部とトリフェニルホスフェー
ト15部をメチレンクロライド-メチルアルコールからな
る混合溶媒738部に完全溶解し、下記有機染料(a),
(b),(c)を少量添加し、ドープを得た。
【0130】
【化2】
【0131】一方、磁性粒子を含んだセルローストリア
セテートドープを以下のようにして作製した。
【0132】 Co−被着γ−Fe2O3 100重量部 (保磁力:610 Oe BET表面積35m2/g,長軸長0.
23μm,針状比7) セルローストリアセテート 210重量部 メチレンクロライド 2100重量部 メチルエチルケトン 1000重量部 以上の成分を一緒に、ディゾルバーで混和し、その後サ
ンドグラインダーで分散し、分散液を得た。粘度はB型
粘度計で測定し、8.8ポイズであった。
【0133】上記分散液の20重量部をとり、それを下記
組成のドープ剤と共にディゾルバーで十分に混和した。
【0134】 セルローストリアセテート 13.8重量部 メチレンクロライド 163.1重量部 シクロヘキサノン 55重量部 エタノール 3.1重量部 次に各ドープを濾過して27℃に保ち、回転する6mのエ
ンドレスステンレスバンド上に設けた2ケの流延口より
均一に流延し、剥離が可能になるまで溶媒を蒸発させた
ところでステンレスバンド上から剥離し、更に乾燥して
磁性粒子を含有した厚さが85μmのセルローストリアセ
テートベースを得た(図1,2)。
【0135】なお、磁性粒子を含んだセルローストリア
セテートドープは乾燥膜厚が1μmになるようにし、流
延後、対向磁石による配向処理を行いつつ乾燥した。磁
性粒子の塗布量は50mg/m2とした。
【0136】各支持体の保磁力は670 Oeであった。
又、光学透過濃度は0.10であった。
【0137】上記各ベースの表面に、ゼラチン20g、水
40g、サルチル酸20g、メタノール600g、アセトン120
0g及びメチレンクロライド200gからなる下引層用塗布
液を塗布し、乾燥した。
【0138】前記トリアセチルセルロースフィルム支持
体の磁性粒子含有層側と反対側に、下記組成の層を支持
体側から順次形成した。
【0139】第1層 アルミナゾルAS−100(酸化アルミニウム) 0.8g (日産化学工業株式会社製)第2層 ジアセチルセルロース 100mg ステアリン酸 10mg シリカ微粒子(平均粒径0.2μm) 50mg (支持体−2の製造)前記支持体−1におけるCo-被着
γ-Fe2O3を全く添加しないこと以外は同様にして支持体
−2を作成した。
【0140】A.ハロゲン化銀乳剤の調製 主として(111)面を有する八面体沃臭化銀乳剤を特開
昭60-138538号公報に記載の方法に従ってダブルジェッ
ト法により調製した。
【0141】得られた乳剤の平均粒径は1.05μm、分布
の広さは9%、コアの沃化銀含有率は30%、シェルの沃
化銀含有率は0.1モル%、平均沃化銀含有率は9モル
%、(111)面の比率は98%であった。この乳剤をEm-
Aと称する。
【0142】また主として(111)面を有する平板状沃
臭化銀乳剤を特開平3-94248号に記載の方法に従ってダ
ブルジェット法によって調製した。
【0143】得られた乳剤の平均粒径は1.32μm、平均
の直径/厚み比は3.3、直径/厚み比が2.0以上の粒子の
投影面積は96%、分布の広さは14%であった。コアの沃
化銀含有率は30%、シェルの沃化銀含有率は0.1モル
%、平均沃化銀含有率は9.0モル%、(111)面の比率
は94%であった。この乳剤をEm-Bと称する。
【0144】B.ハロゲン化銀乳剤の増感 以上のように作成した、Em−A,Bを下記のように増
感した。前記各乳剤に60℃においてハロゲン化銀1モル
当たり、増感色素を後記の量添加し、その20分後にチオ
硫酸ナトリウム2.0×10-6モルを加えて、60分間の熟成
を施した後、更に、塩化金酸5.0×10-7モルとチオシア
ン酸アンモニウム1.0×10-4モルの混合水溶液を加えて
熟成を30分間続行した。
【0145】つぎに熟成終了後、それぞれに安定剤ST
−1と抑制剤AF−1をハロゲン化銀1モルの当たり、
それぞれ500mg、及び10mg加えた。
【0146】このようにEm−Aを増感した乳剤をEm−
101,Em−Bを増感した乳剤をEm−201とする。
【0147】さらに以下のようにチオ硫酸ナトリウムと
N,N-ジメチルセレノ尿素を加えた他はEm−101,Em−2
01と同様にEm−102,103,202及び203を作成した。
【0148】 乳剤種 チオ硫酸ナトリウム N,N-ジメチルセレノ尿素 Em−102 Em−A 1.5×10-6モル 5.0×10-7 Em−103 Em−A 1.0×10-6モル 1.0×10-6 Em−202 Em−B 1.5×10-6モル 5.0×10-7 Em−203 Em−B 1.0×10-6モル 1.0×10-6 (ハロゲン化銀カラー感光材料の作成)前記の透明支持
体1上に下記に示すような組成の各層を設け、多層カラ
ー感光材料である試料101を作成した。
【0149】(感光層の組成)塗布量はハロゲン化銀及び
コロイド銀については、金属銀に換算してg/m2 単位で
表した量を、又、カプラー、添加剤についてはg/m2
位で表した量を、又増感色素については同一層内のハロ
ゲン化銀1モル当たりのモル数で示した。
【0150】 <試料101> 第1層;ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.16 UV吸収剤(UV-1) 0.20 高沸点溶媒(Oil-1) 0.20 ゼラチン 1.23 第2層;中間層 化合物(SC-1) 0.15 高沸点溶剤(Oil-2) 0.17 ゼラチン 1.27 第3層;低感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm、沃化銀含有率8.0モル%) 0.50 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.27μm、沃化銀含有率2.0モル%) 0.21 増感色素(SD-1) 2.8×10-4 増感色素(SD-2) 1.9×10-4 増感色素(SD-3) 1.9×10-5 増感色素(SD-4) 1.0×10-4 シアンカプラー(C-1) 0.48 シアンカプラー(C-2) 0.14 カラードシアンカプラー(CC-1) 0.021 DIR化合物(D-2) 0.020 高沸点溶媒(Oil-1) 0.53 ゼラチン 1.30 第4層;中感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.52μm、沃化銀含有率8.0モル%) 0.62 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm、沃化銀含有率8.0モル%) 0.27 増感色素(SD-1) 2.3×10-4 増感色素(SD-2) 1.2×10-4 増感色素(SD-3) 1.6×10-5 増感色素(SD-4) 1.2×10-4 シアンカプラー(C-1) 0.15 シアンカプラー(C-2) 0.18 カラードシアンカプラー(CC-1) 0.030 DIR化合物(D-2) 0.013 高沸点溶媒(Oil-1) 0.30 ゼラチン 0.93 第5層;高感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(Em−1) 1.27 増感色素(SD-1) 1.3×10-4 増感色素(SD-2) 1.3×10-4 増感色素(SD-3) 1.6×10-5 シアンカプラー(C-2) 0.12 カラードシアンカプラー(CC-1) 0.013 高沸点溶媒(Oil-1) 0.14 ゼラチン 0.91 第6層;中間層 化合物(SC-1) 0.09 高沸点溶媒(Oil-2) 0.11 ゼラチン 0.80 第7層;低感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm、沃化銀含有率8.0モル%) 0.61 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.27μm、沃化銀含有率2.0モル%) 0.20 マゼンタカプラー(M-1) 0.41 カラードマゼンタカプラー(CM-1) 0.12 高沸点溶媒(Oil-2) 0.33 ゼラチン 1.95 第8層;中感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.59μm、沃化銀含有率8.0モル%) 0.87 マゼンタカプラー(M-2) 0.12 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.070 DIR化合物(D-2) 0.025 DIR化合物(D-3) 0.002 高沸点溶媒(Oil-2) 0.10 ゼラチン 1.00 第9層;高感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(Em-1) 1.27 マゼンタカプラー(M-2) 0.10 カラードマゼンタカプラー(CM-1) 0.012 高沸点溶媒(Oil-2) 0.10 ゼラチン 1.00 第10層;イエローフィルター層 黄色コロイド銀 0.08 色汚染防止剤(SC-1) 0.15 ホルマリンスカベンジャー(HS-1) 0.20 高沸点溶媒(Oil-2) 0.19 ゼラチン 1.10 第11層;中間層 ホルマリンスカベンジャー(HS-1) 0.20 ゼラチン 0.60 第12層;低感度青感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm、沃化銀含有率8.0モル%) 0.22 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.27μm、沃化銀含有率2.0モル%) 0.03 増感色素(SD-4) 4.2×10-4 増感色素(SD-5) 6.8×10-5 イエローカプラー(Y-1) 0.75 DIR化合物(D-1) 0.010 高沸点溶媒(Oil-2) 0.30 ゼラチン 1.20 第13層;中感度青感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.59μm、沃化銀含有率8.0モル%) 0.30 増感色素(SD-4) 1.6×10-4 増感色素(SD-6) 7.2×10-5 イエローカプラー(Y-1) 0.10 DIR化合物(D-1) 0.010 高沸点溶媒(Oil-2) 0.046 ゼラチン 0.47 第14層;高感度青感性層 沃臭化銀乳剤(Em−1) 0.85 増感色素(SD-4) 7.3×10-5 増感色素(SD-6) 2.8×10-5 イエローカプラー(Y-1) 0.11 高沸点溶媒(Oil-2) 0.046 ゼラチン 0.80 第15層;第1保護層 沃臭化銀(平均粒径0.08μm、沃化銀含有率1.0モル%) 0.40 紫外線吸収剤(UV-1) 0.026 紫外線吸収剤(UV-2) 0.013 高沸点溶媒(Oil-1) 0.07 高沸点溶媒(Oil-3) 0.07 ホルマリンスカベンジャー(HS-1) 0.40 ゼラチン 1.31 第16層;第2保護層 アルカリ可溶性マット剤(平均粒径2μm) 0.15 ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm) 0.04 滑り剤(WAX-1) 0.04 ゼラチン 0.55 なお上述の感光材料は、さらに、化合物SU-1、Su-
2、粘度調整剤、硬膜剤H-1、H-2、安定剤ST-
1、カブリ防止剤AF-1、AF-2(重量平均分子量1
0,000のもの及び1,100,000のもの)、染料AI-1、AI
-2および化合物DI-1(9.4mg/m2)を含有する。
【0151】上記のUV-1、Oil-1、SC-1、O
il-2、SD-1、SD-2、SD-3、SD-4、C-
1、C-2、CC-1、D-1、D-2、M-1、M-2、C
M-1、D-3、CM-2、SC-2、HS-1、SD-5、
Y-1、SD-6、UV-2、WAX-1、SU-1、Su-
2、H-1、H-2、ST-1、AF-2、AI-1、AI-
2および化合物DI-1の構造を下記に示す。
【0152】
【化3】
【0153】
【化4】
【0154】
【化5】
【0155】
【化6】
【0156】
【化7】
【0157】
【化8】
【0158】
【化9】
【0159】
【化10】
【0160】
【化11】
【0161】(各感光層の塗布)前記ハロゲン化銀カラー
感光材料における第5層、第9層及び第14層に用いるハ
ロゲン化銀乳剤を、下記表1に示すようにかえて、前記
支持体-1、2とを組み合わせて表1に示すような試料1
01〜110を作成した。
【0162】
【表1】
【0163】(ハロゲン化銀カラー感光材料の現像)ハ
ロゲン化銀カラー感光材料である各試料101〜110を135
サイズ24枚撮りの規格に裁断し、フィルムパトローネに
収納して図3のカメラに装填した。フィルムの巾と同じ
35mmの長さの26トラック磁気ヘッドが接触した状態でフ
ィルムの撮影と自動巻き上げ給送を行い、終了後下記に
示す処理工程に従って処理をした。
【0164】
【表2】
【0165】表2において、補充量は写真感光材料1m2
当たりの値である。
【0166】発色現像液、漂白液、定着液、安定液及び
その補充液は下記のようにして調製されたものを使用し
た。
【0167】 〈発色現像液〉 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N- (β-ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロ三酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1リットルとし、pH10.1(処理1)及びpH9.
9(処理2)にそれぞれ調整した。
【0168】 〈漂白液〉 エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム塩 100g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150g 氷酢酸 10ml 水を加えて1リットルとし、アンモニア水を用いてpH
6.0に調整した。
【0169】 〈定着液〉 チオ硫酸アンモニウム 175g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1リットルにし、酢酸を用いてpH6.0に調整
した。
【0170】 〈安定液〉 ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(コニカ〔株〕製) 7.5ml 水を加えて1リットルとした。
【0171】 〈発色現像補充液〉 水 800ml 炭酸カリウム 35g 炭酸水素ナトリウム 3g 亜硫酸カリウム 5g 臭化ナトリウム 0.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.1g 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N- (β-ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 6.3g 水酸化カリウム 2g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは20%
硫酸を用いてpH10.18に調整した。
【0172】 〈漂白補充液〉 水 700ml 1/3ジアミノプロパン四酢酸鉄 (III)アンモニウム 175g エチレンジアミン四酢酸 2g 硝酸ナトリウム 50g 臭化アンモニウム 200g 氷酢酸 56g アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.0に調整した後に
水を加えて1リットルにした。
【0173】 〈定着補充液〉 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 150g チオ硫酸アンモニウム 180g 亜硫酸ナトリウム 20g エチレンジアミン四酢酸 2g アンモニウム水又は氷酢酸を用いてpH6.5に調整した後
水を加えて1リットルにした。
【0174】〈安定補充液〉安定液に同じ。
【0175】(評価)現像して得られた各試料のフィルム
の給送方向と平行の縞模様の濃度ムラを目視観察し下記
の3段階で評価した。
【0176】A:濃度ムラの発生が全くない B:濃度ムラの発生が僅かに見られが問題なし C:濃度ムラの発生が著しい 一方、パトローネに収納した末露光、末現像の試料101
〜108をポリエチレン製の容器に23℃、RH55%の条件下
で密閉し、その後55℃、RH60%の雰囲気下に48時間放置
して保存テストを行い終了後、前記と同じ現像処理を施
して各色画像部の感度低下分(Δ感度)を調べ低下分を百
分率で表わした。得られた結果を表3に示す。
【0177】
【表3】
【0178】表から明らかなように本発明の試料は、比
較試料に比べて濃度ムラの発生がなく、かつ感光材料の
経時保存中における感度低下の少ない磁気記録可能なハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料であることが分かる。
【0179】実施例2 (支持体−3の製造)テレフタル酸ジメチル100重量
部、エチレングリコール64重量部に、酢酸カルシウム水
和物0.1重量部を添加し、常法によりエステル交換反応
を行った。得られた生成物に5-ナトリウムスルホジ(β
-ヒドロキシエチル)イソフタル酸のエチレングリコー
ル溶液(濃度;35重量%)28重量部、ポリエチレングリ
コール(数平均分子量;3,000)8重量部、三酸化アン
チモン0.05重量部、リン酸トリメチルエステル0.13重量
部および水酸化ナトリウム0.02重量部を添加した。次い
で徐々に昇温、減圧にし、280℃、0.5mmHgで重合を行い
ポリエステルを得た。
【0180】このポリエステルを用いて150℃で真空乾
燥した後、280℃で溶融押出し、冷却ドラム上で急冷固
化させ未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルム
を用いて、80℃で縦方向に3.3倍延伸し、さらに90℃で
横方向に3.3倍延伸した後220℃で30秒間熱固定して厚さ
80μmの二軸延伸フィルムを得た。ジエチレングリコー
ル含有量は4モル%であった。
【0181】この二軸延伸フィルムの両面に、下記のよ
うにして下引き層を設けた。
【0182】すなわち、下記組成物を乳化重合して得ら
れた下引き層用樹脂液100重量部、下記界面活性剤0.2重
量部、ヘキサメチレン-1,6-ビス(エチレンウレア)0.3
重量部、水900重量部からなる下引き層用塗布液を湿潤
膜厚20μmとなるように塗布し、その後乾燥した。な
お、以下において下引き層を有する透明支持体を単に透
明支持体と称することがある。
【0183】 〈組成物〉 2-ヒドロキシエチルメタクリレート 75部 ブチルアクリレート 90部 t-ブチルアクリレート 75部 スチレン 60部 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 6部 過硫酸アンモニウム 1部 水 700部 〈界面活性剤〉
【0184】
【化12】
【0185】次に、ゼラチン10重量部、サポニン0.2重
量部、水1,000重量部よりなる下引き層用塗布液を湿潤
膜厚20μmになるように塗布し、その後乾燥した。
【0186】上記支持体の片面に下記磁性層を設けた。
【0187】 〈磁性層〉 γ−Fe2O3 200mg/m2 (保磁力:330 Oe,比表面積 32m2/g) ゼラチン 3.0g/m2 ジ-(2-エチルヘキシル)スルホンコハク酸ナトリウム 200mg/m2 ビスビニルスルホニルメタン 30mg/m2 WAX−1 60mg/m2 (支持体−4の製造)前記支持体−3におけるγ-Fe2O3
を全く添加しないこと以外は同様にして支持体−4を作
成した。
【0188】実施例−1と同様にして、支持体−3,4
と乳剤群C,Dを組合せて試料201〜205を作成した。
【0189】
【表4】
【0190】実施例−1と同様にの評価を行なった結
果、本発明の効果が得られた。
【0191】
【発明の効果】本発明により、磁気記録層を有しながら
磁気ヘッドによる圧力耐性に優れ、かつ感光材料の経時
保存での感度低下の少ないハロゲン化銀カラー感光材料
を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】二つの流延口を用いた支持体の製造例の概略
図。
【図2】1体型流延口を用いた支持体の製造例の概略
図。
【図3】本発明の実施例で用いたカメラの概略図。
【符号の説明】 1,21 ステンレス製エンドレスベルト 2 単一型流延口 3 磁性ドープ用単一型流延口 22 複合型流延口 10 撮影レンズ 20 撮影済みフィルム 30 巻とり軸 40 磁気ヘッド 50 パトローネ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上にハロゲン化銀乳剤層を少
    なくとも一層有し、かつ、透明支持体の少なくとも一方
    の側に強磁性微粉末を含む磁性層を有するハロゲン化銀
    カラー感光材料において、該乳剤層の少なくとも一層に
    セレン化合物により増感されたハロゲン化銀乳剤を含有
    することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
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