JP3224887B2 - ストッキング用原糸の捲糸体及びその製造方法 - Google Patents

ストッキング用原糸の捲糸体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はストッキング用のポリウ
レタンカバーリング原糸が捲き取られたパッケージに関
し、特にポリウレタンカバーリング糸のみを用いて編立
てられたストッキングに用いると好適な原糸に関する。
【0002】
【従来の技術】婦人用ストッキングは、ナイロンフィラ
メント糸に強撚を施した実撚トルク糸あるいはナイロン
フィラメント糸に仮撚加工を施したウーリーナイロン糸
が使用されている。ところがかかるストッキングはナイ
ロンの撚トルク力あるいは仮撚糸の捲縮伸縮力を利用し
たストッキングの為、長時間着用時、あるいは水濡れ時
には、膝あるいは足首等にタルミが生ずる欠点が有る。
【0003】一方、かかるタルミを改良したストッキン
グとして、細デニールポリウレタン弾性糸にナイロンフ
ィラメント糸を巻き付けたカバーリング糸とナイロンフ
ィラメント糸を1本交互に編立てたストッキング(以後
交編ストッキングという)が従来知られている。
【0004】かかる交編ストッキングは編立工程にお
いて、カバーリング糸とナイロンフィラメントを1本交
互に編立てたものは適度なフィット性と締付力を有す
る。ところが、交編ストッキングは、物性の異なる異種
の繊維が交互に配置されている為、外観上は、あたかも
コースムラ(韋段)があるかの様に見え、審美性に劣る
欠点が有る。
【0005】かかるコースムラを排しなお且つ優れたフ
ィット性と締付力を有するストッキングとして、上記し
たカバーリング糸とナイロンフィラメント糸を交互に配
することなく、総てカバーリング糸を編立てたストッキ
ング(以後カバーリングストッキングとする)の開発が
試みられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
カバーリングストッキングにおいては、従来のカバーリ
ング糸を、カバーリングストッキングに編立てると、カ
バーリング糸の経方向の伸縮性ムラ、あるいは見掛け繊
度ムラに起因するリング状のコースムラあるいは、1〜
2cm周期の濃淡ムラが現われ、外観の劣ったストッキ
ングしか得られない欠点がある。
【0007】すなち、カバーリング糸とナイロンを1
本交互に配したストッキングにおいては、物性の異なる
2種類の原糸が交互に編立てられている為、前記した様
に、編地にコースムラ様の“韋筋”が存在し、かかるコ
ースムラによって編地欠点が隠されてしまうが、カバー
リングストッキングは、同一物性カバーリング糸を編立
てており編地が均一な為、かかる欠点がコースムラとし
て現われる。かかる欠点を解決すべく、本発明者等は、
均一な弾性糸の紡糸方法、および均一なカバーリング糸
を得る為のポリウレタン弾性糸の捲返し方法、カバーリ
ング方法等を検討した結果、本発明を見出したのであ
る。
【0008】本発明の目的は、捲き取られた状態におい
てその物性が充分に均質であり、これを解舒し原糸とし
て用いてカバーリングストッキングを編立てても、コー
スムラ等の欠点が生じないカバーリング原糸のパッケー
ジを提供することにある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は溶融紡糸され
たポリウレタン弾性糸の周囲に非弾性糸が巻き付いたカ
バーリング糸を捲き取ったパッケージであって、該カバ
ーリング糸を0.85倍に弛緩して加撚下で測定した際
のイナート値が5%以下であることを特徴とするストッ
キング用原糸の捲糸体であり、かかる捲糸体はポリウレ
タン弾性糸を溶融紡糸して一旦捲き取る第1工程、実質
的に加撚することなく該ポリウレタン弾性糸に伸張とこ
れに続く弛緩を施して捲き取る第2工程、該ポリウレタ
ン弾性糸を芯として、他の非弾性糸を巻き付けて捲き取
る第3工程を順次実施するストッキング用原糸の製造方
法であって、第2工程の捲取り部分の綾振角度(θ1
が19度以下、第3工程のポリウレタン弾性糸の送り出
し部分の綾振角度(θ2 )が44度以下とすることによ
り得られる。
【0010】本発明で用いる溶融紡糸されたポリウレタ
ン弾性糸は、溶融状態に有るポリウレタン弾性体を、小
口径口金より空気中に押出し冷却後捲き取る方法、ある
いは、溶融状態に有るポリウレタン弾性体に多官能イソ
シアネート化合物(以後架橋剤と言う)を添加、混合後
小口径口金より空気中に押出し冷却後捲き取る反応紡糸
式溶融紡糸法で製造出来る。
【0011】前記溶融紡糸方法において、架橋剤を添加
しない溶融紡糸法ポリウレタン弾性糸は、力学的、熱的
物性が不十分な為、カバーリングストッキング編立工程
あるいは、ストッキングの熱セット工程でポリウレタン
弾性糸が切断する可能性が有り、本発明では、反応紡糸
式溶融紡糸ポリウレタン弾性糸を用いることが望まし
い。
【0012】かかる紡糸方法に関しては、特公昭58−
46573号等に詳細な記載が有り、特に本発明方法で
は、A硬度80〜95の熱可塑性ポリウレタン弾性体に
多官能イソシアネート化合物をイソシアネート基換算に
て0.4〜1.0重量%添加したモノフィラメントポリ
ウレタン弾性糸が望ましい。
【0013】本発明において、溶融紡糸されたポリウレ
タン弾性糸を使用する理由は、他の紡糸法である湿式紡
糸法ポリウレタン弾性糸あるいは乾式紡糸法ポリウレタ
ン弾性糸に比較して、溶融紡糸法ポリウレタン弾性糸
は、経方向の繊度ムラが著しく少ない弾性糸を得ること
が出来ることに有る。かかる原因は、湿式紡糸法、ある
いは乾式紡糸法では、ポリマー溶液を紡糸口金より押出
した後、溶剤を50%以上除去しなければならないが、
溶融紡糸法では、紡糸口金より押出したポリマーが、そ
のまま冷却固化されて繊維を形成する為、均一性に優れ
ると推定される。
【0014】また、本発明で用いるポリウレタン弾性糸
の繊度は、5〜50dが好ましく、ポリウレタン弾性糸
に巻き付ける非弾性糸は、ナイロン、ポリエステル、ポ
リプロピレン等の合繊繊維、あるいはシルク等の天然繊
維で、3〜40dのモノフィラメント糸、マルチフィラ
メント糸、あるいは、仮撚加工糸などが望ましい。更
に、巻き付けは一重巻だけでなく二重や三重等の多重カ
バーリングであっても良い。
【0015】また、カバーリング糸の捲き取られたパッ
ケージの形態としては、チーズやパーン等があるがチー
ズが最も好ましい。
【0016】本発明において重要なことは、前記の如き
カバーリング糸が次の如き状態で均一にパッケージに捲
き取られている点にある。すなはち、本発明の捲糸体
は、図3に示す装置を用いて、カバーリング糸を解舒し
つつこれを0.85倍に弛緩し、加撚下で測定した際の
イナート値が%以下を示す状態にある。ここで、イナ
ート値は、走行する糸条の繊度斑を静電容量により測定
するもので、測定装置としては、計測工業株式会社のイ
ブテスターモデルKET−80等がある。
【0017】図3はかかる測定装置のセンサー(31)
の設置部分と、その測定方法を示すものであって、捲糸
体(32)は送り出し装置(33)によりころがし取り
により解舒され、解舒されたカバーリング糸(34)
は、ヤーンガイド(35)を経てピンタイプ式仮撚装置
等の加撚装置(36)により加撚され、引取りローラ
(37)より引き取られる。該装置において、センサー
(31)は加撚装置(36)による加撚域(38)に設
置される。また、センサー(31)通過時のカバーリン
グ糸(34)は、送り出し装置(33)の速度(V 7
と引取りローラ(37)の速度(V 8 )の比(V 8 /V
7 )が0.85倍になるように弛緩されている。これ
は、カバーリング糸が編み機で編立られる際の収縮状況
を想定した条件で、このような条件で測定することによ
り、カバーリング糸の繊度斑と編地のースムラとの相
関が良く現れる。
【0018】また、加撚数は一般的なカバリング条件に
準じて設定すれば良いが、通常50〜150T/M程度
であり、100T/Mで測定すればよい。本発明でいう
イナート値は、前記の如くして例えば引き取りローラー
糸速50m/分で3分間測定した測定チャートよりその
最高値と最低値を得、これを平均した値をもっていう。
【0019】以上の如き捲糸体は、例えば次の如き製造
方法により得ることができる。すなはち、本発明方法
は、前述した如くポリウレタン弾性糸を溶融紡糸して一
旦捲き取る第1工程、第1工程で捲き取られたポリウレ
タン弾性糸に伸長と弛緩を施しつつ捲き返す第2工程、
第2工程で捲き取られたポリウレタン弾性糸に非弾性糸
をカバーリングする第3工程からなり、特に第2工程、
第3工程での捲き取り条件を後述の如く限定したもので
ある。
【0020】先ず、第1工程は前述の如く溶融紡糸法を
用い、紡糸されたポリウレタン弾性糸を一旦捲き取る。
紡糸時は、経方向の均一性を向上させる為に、紡糸口金
より押出したポリマーの冷却風を厳密にコントロールす
ると同時に、チーズ等のパッケージに捲取る際、ニップ
点とトラバース巾を結ぶ綾振り角度は小さくすることが
望ましく、20度以下に設定するのが望ましい。綾振角
度が20度を越えると捲取り時の張力変度がポリウレタ
ン弾性糸へのトラバースマークとして現われ、ポリウレ
タン弾性糸の均一性を阻害するおそれがある。
【0021】次に、第2工程について、図1を用いて説
明する。図1は本発明方法の捲き返し工程の一例を示す
説明図である。同図において、11は溶融紡糸してチー
ズに捲取ったポリウレタン弾性糸、12はころがし方式
によるポリウレタン弾性糸送り出し装置、13は引き出
しローラー、14はテイクアップローラー、15はトラ
バース、16は捲返したポリウレタン弾性糸、17は捲
返し用チューブを夫々示す。
【0022】ポリウレタン弾性糸は送り出し装置(1
2)の表面速度(V1 )で送り出され、V1 より早い速
度で回転する引き出しローラー(13)(速度V2 )で
引き伸ばされ、トラバース(15)を経て、V2 より低
速のテイクアップローラー(14)(速度V3 )で駆動
されるチューブ(17)に捲き取られる。その際、引き
出しローラー(13)とトラバース(15)を結ぶ捲取
り部の綾振角度(図1のθ1 )が19度以下でなければ
ならない。捲取部の綾振角度θ1は図1の引き出しロー
ラー(13)とトラバース(14)間距離L0 とトラバ
ース巾L1 によって下式で定義する。
【0023】
【数1】
【0024】捲取部の綾振角度が19度を越えると、捲
返したポリウレタン弾性糸の繊度が不均一になり、その
結果として、カバーリング糸の均一性が損なわれ、カバ
ーリングストッキングにコースムラが現われる。
【0025】更に、本発明方法では、ポリウレタン弾性
糸を伸長しながら引き出し、V2 /V1 で定義されるポ
リウレタン弾性糸の引き出し倍率が1.30以上、更に
好ましくは1.50以上有ることが望ましい。次いで、
伸張されたポリウレタン弾性糸は引き出しローラ(1
3)と捲返し用チューブ(17)の間で弛緩され、チュ
ーブ(17)に捲き取られる。
【0026】その際の条件は、送り出しローラー(1
2)の表面速度(V1 )を基準にして、テイクアップロ
ーラー(14)の速度(V3 )が、5〜15%早いこと
が望ましい。すなわち、一連の処理により、ポリウレタ
ン弾性糸は原長より5〜15%伸張した状態で、チュー
ブ(17)に捲取られることが望ましい。かかる処理に
より、紡糸工程あるいは、その後のエージングにて生じ
たポリウレタン弾性糸の経方向のヒズミが減少し、また
捲返したチーズの状態にて、紡糸工程で生じたヒズミが
復元することが防止される。
【0027】次に、第3工程について、図2を用いて説
明する。図2は本発明方法のカバーリング工程の一例を
示す説明図である。同図において、21は捲返したポリ
ウレタン弾性糸(16)の送り出しローラ、22はプレ
ドラフトローラー、23は中空スピンドル、24はカバ
ード糸、24’はカバード糸を捲取ったH−ボビン、2
5は撚止めのスネルガイド、26はデリベリーローラ
ー、27はトラバース、28はテイクアップローラー、
29はチューブ、30はカバーリング糸を夫々示す。
【0028】捲返されたポリウレタン弾性糸は、送り出
しローラ(21)によって、送り出され、プレドラフト
ローラー(22)間で設定伸率に伸ばされ、次いで、中
空スピンドル(23)を通り、撚止めスネルガイド(2
5)を通って、デリベリーローラー(26)にップさ
れる。その際、回転する中空スピンドル(23)に、取
り付けられたカバート糸(24)が伸張状態に有るポリ
ウレタン弾性糸に、撚止めスネルガイドの下部で巻き付
けられ、カバーリング糸になる。かかるカバーリング糸
はデリベリーローラー(26)を経て、テイクアップロ
ーラー(28)で駆動されるチューブ(29)に捲き取
られる。
【0029】本発明方法では、送り出し綾振り角度θ2
が44度以下でなければならない。送り出し綾振り角度
θ2 は、捲返しポリウレタン弾性糸の延伸点(送り出し
ローラー(21)上)とプレドラフトローラー(22)
を結ぶ距離L2 と、捲返しポリウレタン弾性糸の捲巾
(図1のL1 )によって次式の如く定義される。
【0030】
【数2】
【0031】送り出し綾振角度θ2 が44度を越える
と、ポリウレタン弾性糸の経方向の均一性が損なわれ、
均一なカバーリング糸が得られない。その結果かかるカ
バーリング糸をカバーリングストッキングに編立てる
と、カバーリング糸の不均一性に起因するコースムラが
現われる。
【0032】また、本発明方法では、次の式で示す如く
送り出しローラー(21)の表面速度V4 とプレドラフ
トローラー(22)の表面速度V5 の比(V5 /V4
で定義されるプレ倍率は、前工程である捲返し工程の引
き出し倍率より小さいことが好ましく、又プレ倍率とプ
レドラフトローラー(22)の表面速度V5 とデリベリ
ーローラー(26)の表面速度V6 の比(V6 /V5
で定義されるメイン倍率の積(トータル倍率)は、前工
程の捲返し工程の引き出し倍率より大きいことが望まし
い。かかる条件を外れると、カバーリング糸の経方向
に、ポリウレタン弾性糸の延伸班と推定される班が生
じ、編面のきれいなカバーリングストッキングが得られ
ないおそれがある。
【0033】
【数3】
【0034】かかる現象は、捲返し工程の引き出し倍率
以下の倍率では、比較的低張力で均一に伸ばされるが、
かかる倍率以上にプレ倍率を掛けると、急激に伸張応力
が増加して、ポリウレタン弾性糸にドラフトムラが生じ
ると推定される。又トータル倍率が捲返し工程の引き出
し倍率より小さい条件では、メイン倍率ゾーン(プレド
ラフトローラー(22)とデリベリーローラー(26)
間)のポリウレタン弾性体の伸張応力が低下し、その結
果として、中空スピンドルの回転による内接フリクショ
ン効果により、ポリウレタン弾性糸に伸張班が生じると
推定される。
【0035】尚、カバーリング工程の撚数(中空スピン
ドル回転数(rpm)/デリベリーローラー(26)の
速度)は通常の500〜3500T/Mの範囲で良い
が、特に1000〜2300T/Mが好ましい撚数であ
る。以上の如くして得られたカバーリング原糸は、通常
の多口の丸編機等を用いて、カバーリングストッキング
に編立て、次いで、通常の縫製、染色加工、型セット等
を施して、カバーリングストッキングに仕上げることが
出来る。
【0036】
【実施例】実施例1 ポリテトラメチレングリコールと4,4′−ジフェニル
メタンジイソシアネート(MDI)とビスヒドロキシエ
トキシベンゼンからなるA硬度82の溶融状態に有るポ
リウレタン弾性体に、分子量850のポリテトラメチレ
ングリコールの両末端にMDIを反応させた架橋剤を1
3wt%添加混合した。なおポリマー中へ添加したイソ
シアネート基量は0.81wt%であった。次いで、か
かる溶融体を0.3φの紡糸口金より押出し、冷却、固
化後、綾振角度10.6度の条件で、20d /1fの円
型断面糸を捲取り、捲取ったチーズを27℃×65%R
Hの条件下で1週間エージングして、紡出捲取糸の架橋
反応を進行させた。又比較として、市販の20dの乾式
紡糸法ポリウレタン弾性糸を捲返した(I)。
【0037】次いで、かかるポリウレタン弾性糸を図1
の捲返し機を用いて、捲取りトラバース巾5cmと10
cmの2種類の捲取機を用い、引き出しローラー(1
3)の位置を各種変更して、綾振角度の異なる捲返しポ
リウレタン弾性糸の捲返しチーズを得た。
【0038】更に、前記捲返しポリウレタン弾性糸を図
2のカバーリング機を用い、捲返しポリウレタン送り出
し装置と、プレドラフトローラーの位置を各種変更し
て、送り出し綾角度の異なるカバーリング糸を得た。な
お、中空スピンドルの回転数は2万rpm、撚数は15
00T/Mにした。又、比較例として、前述の溶融紡糸
して捲取ったポリウレタン弾性糸を、捲返すことなくそ
のままカバーリングした。(J)
【0039】次いで、10種類のカバーリング糸を永田
精機の4口編機(スーパー4−II)を用いて、それぞれ
S撚カバーリング糸とZ撚カバーリング糸を1本交互に
配して、カバーリングストッキングに編立て、常法に従
って、プレセット、縫製、染色加工等の工程を経て、そ
れぞれのカバーリング糸に対応するA〜Jのパンティー
ストッキングを得た。
【0040】かかるストッキング全体に巾台紙を入れ、
目視判断にて編地のコースムラ、周期韋段、等の外観評
価して、1〜5級の等級をつけた。なお、かかる等級は
数字の大きい方が良品質で、3級以上が合格レベルと判
断している。
【0041】
【表1】
【0042】評価結果を表1に示した様に、本発明のA
〜D、Fはいづれも3級以上で合格レベルであった。ま
た、Eストッキングは捲返し工程の綾振角度が大きく、
ストッキング編地は不良、Gストッキングは、カバーリ
ング工程の送り出し綾振角度が大きく、ストッキングの
編地不良、Hストッキングはカバーリング工程のプレ倍
率が捲返し工程の伸張倍率より大きく、ストッキングの
編地は不良であった。
【0043】更に、比較例の乾式紡糸ポリウレタン使い
のIストッキングは、特にコースムラが激しく、編地外
観は著しく不良、捲返し工程を経ないで、溶融紡糸チー
ズを、そのままカバーリングしたJストッキングもコー
スムラが激しく、編地外観不良であった。
【0044】又、編立て評価に使用したカバーリング糸
を計測工業株式会社のイブテスターモデルKET−80
を用いた図3の装置にて、カバーリング糸の解舒速度
58.8m/分、引き取りローラ速度50m/分、撚数
100T/Mの条件でそれぞれイナート値を3分間測定
した。また、各条件のカバーリング糸は4口編機に使用
した4つのチーズについて測定し、4本中の最も不良な
イナート値をもって測定値とした。
【0045】イナート値測定結果が示すように、ポリウ
レタン弾性糸の巻返し条件、カバーリング条件とイナー
ト値には相関関係がある。また、カバーリング糸のイナ
ート値と編地測定結果にも相関があり、カバーリング糸
のイナート値が5%以下の本発明のカバーリング糸から
なるカバーリングストッキングは、いづれも合格レベル
であった。
【0046】
【発明の効果】本発明のストッキング用原糸の捲糸体
は、伸縮性、あるいは繊度ムラ等の欠点がない、極めて
均一性に優れた原糸が捲き取られた状態にある。従っ
て、かかる原糸をカバーリングストッキングに編立てる
と、従来欠点とされていたコースムラあるいは周期的韋
段等の欠点のない、極めて優れたカバーリングストッキ
ングが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の捲き返し工程の一例を示す説明図であ
る。
【図2】本発明のカバーリング工程の一例を示す説明図
である。
【図3】イナート値を測定するための装置を示す説明図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 55/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融紡糸されたポリウレタン弾性糸の周
    囲に非弾性糸が巻き付いたカバーリング糸を捲き取った
    パッケージであって、該カバーリング糸を0.85倍に
    弛緩して加撚下で測定した際のイナート値が5%以下で
    あることを特徴とするストッキング用原糸の捲糸体。
  2. 【請求項2】 ポリウレタン弾性糸を溶融紡糸して一旦
    捲き取る第1工程、実質的に加撚することなく該ポリウ
    レタン弾性糸に伸張とこれに続く弛緩を施して捲き取る
    第2工程、該ポリウレタン弾性糸を芯として、他の非弾
    性糸を巻き付けて捲き取る第3工程を順次実施するスト
    ッキング用原糸の製造方法であって、第2工程の捲取り
    部分の綾振角度(θ1 )が19度以下、第3工程のポリ
    ウレタン弾性糸の送り出し部分の綾振角度(θ2 )が4
    4度以下であることを特徴とするストッキング用原糸の
    捲糸体の製造方法。
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