JP3224083B2 - 板ガラスの欠点検出方法およびその装置 - Google Patents

板ガラスの欠点検出方法およびその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板ガラスの切り粉
などの異物の付着あるいは切り傷などによってその部分
に光が照射されると乱反射を起こすような欠点の検出方
法、および検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フロート法などのガラス製板において、
リボン状ガラスは走行中に切り筋を入れられ、折り割り
装置によって切断される際に傷が多数発生し、このまま
では、加工時あるいは取りつけ作業時等における安全性
に問題があり、さらに強度低下、商品価値低下をも招来
するので、角部を断面V形状のダイヤモンドホィールな
どで面取り加工(シーミング)される。
【0003】このような加工を行う際などに、ガラスの
切り粉などが付着しやすく、付着物をそのままにしてお
くと、後工程の防曇用加熱線条、あるいはアンテナなど
をスクリーン印刷するときに、スクリーンがその異物の
ために破断してしまう恐れがあるので、正確に検出して
取り除く必要がある。
【0004】また、端面部分がシーミングされている場
合、あるいはシーミングせず、切断面が研磨されずその
ままの場合には、その部分に光が照射されると散乱して
しまい、透過方式の検出方法であれ、反射方式の検出方
法であれ、端面部分が正常であっても欠点と判断してし
まうのでこの端面部分(以下、不感帯という)は検査対
象から外す必要がある。
【0005】異物などの検出について、従来各種の出願
がされており、特開平4−34347号にはレーザー光
を照射して反射光と反射散乱光により被検査表面の欠点
と付着異物の識別を行う方法が、特開平8−20131
3号には棒状の光源と板ガラスなどの被検査物の欠点部
位と一次元撮像装置を1列に並ぶように配設して棒状光
源の光が直接1次元撮像装置に入射しないようにして検
査する方法と装置が、示されている。
【0006】また、端面部分を検査対象から外す必要が
あるということについては、特開平1−169343号
には、この検出装置はガラス板の切口欠点を検出するも
のであり、斜め方向に配置された細長光源からの光をガ
ラス板に照射し、その透過光量の変化により欠点を検出
するものであるが、板端部のパルスを消去する必要があ
るとの記載がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
4−34347号は基本的に反射光によって検出するも
のであり、内部の欠点を検出することはできず、しかも
後方散乱光との強度比を求める必要があり、光学系、画
像処理が複雑になるのは避けられないものである。
【0008】また、特開平8−201313号は、マス
クによって光源からの光を遮光して直接1次元撮像装置
に入射しないようにする必要があり、マスクが1次元撮
像装置の受光部より大き過ぎると検査部分を不必要にマ
スキングしてしまい、マスクが1次元撮像装置の受光部
より小さい場合には直接光が撮像装置に入射するのでそ
の部分の欠点が検出不能となるので、マスクと1次元撮
像装置の受光部の大きさを厳密に合致させる必要があ
り、光学系が複雑になるばかりか、その調整が煩雑であ
る。
【0009】また、特開平1−169343号は透過光
量により検出する装置であるが、直接光により検査する
ものであり、切り口部分の検査を行うものであり、仮に
このような装置を異物の付着、切り傷などの欠点検出に
転用したとしても、汚れなどを誤検出してしまうのは避
けられない。
【0010】さらにいずれの公知技術にもガラスエッジ
部分をどのようにマスキングするかについては開示され
ていない。本発明はこのような点に鑑みてなされたもの
であり、異物の付着、切り傷などの欠点を簡単な装置に
より、誤検出することなく、正確に検出することがで
き、しかもエッジ部分を正確に把握してこの部分の不感
帯を最小限に小さくすることができる板ガラスの欠点検
出方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決する
ために、本発明は、搬送される板ガラスの幅方向全面
に、棒状光源からの光を照射して板ガラスの欠点により
乱反射させるようにし、光源からの光束の範囲を外れる
ところからカメラによって前記板ガラスの幅方向全域
撮像し、明と暗に2値化することにより板ガラスの欠点
明信号として検出する方法において、前記カメラによ
って得られた明の信号が、板ガラスエッジ部のシーミン
グ部の幅に欠点の許容幅を加えた幅を一定長の幅とし、
その一定長の幅内に発生した場合には一つの明信号とし
て処理して、板ガラス全幅の一定長の幅ごとの明信号の
合計が2個であれば欠点ではなく正常、3個以上であれ
欠点があり異常と判定するようにしたことを特徴とす
る板ガラスの欠点検出方法である。
【0012】また、この方法を具体的に実施するための
検出装置としては、板ガラスを搬送する装置の下部に配
置された、板ガラスの幅より長い管状の光源と、光源の
上方にあって、光束から外れた位置に配置され、乱反射
を明信号として入力するカメラと、カメラからの明暗信
号の出力に対して、板ガラスエッジ部のシーミング部の
幅に欠点の許容幅を加えた幅を一定長の幅とし、その
定長の幅内に発生した明信号を一つのパルス信号に処理
するとともに、板ガラス全幅の前記パルス信号からそ
数が2個のときは欠点ではなく正常であり、3個以上の
ときに欠点があり異常であると判断する画像処理装置を
少なくとも具備するようにしたことを特徴とする板ガラ
スの欠点検出装置である
【0013】
【発明の実施の形態】管状の光源は、蛍光灯などの管状
の細長い管を使用することができ、上方にのみ光が出射
するように、上部の一部でほぼ30°の部分以外が遮光
されたアパチャ管と呼ばれるスリット状の蛍光管などを
使用することができる。また、蛍光灯カバーの部分でほ
ぼ30°の光束が板ガラスの全幅にわたり出射するよう
に光学的に凹面処理を行ったものでもよい。
【0014】光源の配置場所は板ガラス下部に板ガラス
面に平行に置いて、好ましくは板ガラス面に直交する部
分が遮光されるようにすると、板ガラス面に照射される
光がほとんどの面でほぼ同じ強度となるので、画像信号
処理において、基準値の値を変える必要がなく好まし
い。
【0015】カメラについて、1次元のラインセンサー
などを具備するカメラを使用することができ、板ガラス
幅方向に全領域を少なくとも撮像できるように複数のカ
メラを設置するとともに、板ガラス進行方向について
も、複数のカメラを前後に欠点を前後から斜め方向に撮
像することによって、照射される光を乱反射する欠点を
捉えやすいように配置する。
【0016】画像処理装置はカメラからの明暗の信号を
受信して基準値に対して明るいか暗いかを判断して明と
暗に2値化するとともに、2値化された信号に一定長の
幅、例えばエッジ部分のシーミング部分の幅に欠点の許
容幅を加えた幅、すなわちこの部分をスキャンする場合
に一定長の幅内に前記2値化された明信号がある場合に
その信号の数にかかわらず1個のパルスとするととも
に、板ガラスの全幅にわたりこのパルスをカウントし
て、その合計の数が2個であれば正常であり、3個以上
であれば異常であると判定する機能、および表示する機
能などを有する。
【0017】一定長の幅内の2値化信号を1個のパルス
とする方法は、その一定長の幅に相当する時間をディレ
ー時間として、ディレーをかける方法、あるいは2値化
された明信号をディジタル回路により処理して一定長の
幅に明信号が存在する場合に1個のパルスとする方法な
どによればよい。
【0018】本発明で検出できる欠点はガラス切り粉な
どの異物の付着、板ガラス面の切り傷、板ガラスエッジ
部のはまかけ、つの、板ガラス中の泡など、光が照射さ
れたときに乱反射する欠点を検出することができる。
【0019】このような欠点に光が照射されると、正常
な部分は光源の光がカメラに入射しないが、エッジ部分
は正常であっても、シーミングされていたり、シーミン
グされていなくても、切断したまま研磨されていない場
合には、その部分で乱反射して、明信号が場合によって
は複数個カメラに入力されるが、このシーミング部分に
相当する部分の明信号はいくつあっても一つとして処理
される。
【0020】エッジ部以外に欠点があるとこれらの欠点
は形状が複雑であり、特定の方向にのみ乱反射されるこ
とはなく、その欠点の四方に反射されるので、明信号と
して本発明の複数のカメラの少なくとも一つには十分検
出することができる。
【0021】したがって板幅全体で明信号が2の場合に
は、エッジ部の明信号のみであり、正常であり、明信号
が3以上の場合には1以上の欠点があると判定すること
ができる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明を詳細に
説明する。図1は本発明の欠点検出装置を示す要部正面
図、図2は板ガラスが正常な場合の板ガラスと明信号を
示すものであり、(A)は板ガラスの要部断面図、図2
(B)〜(D)はそれぞれ1次元カメラのビデオ信号、
ディレーなし2値化信号、ディレーをかけた2値化信号
である。
【0023】図3は板ガラスに欠点がある場合の板ガラ
スと信号を示すものであり、(A)は板ガラスの要部断
面図、図3(B)〜(D)はそれぞれ1次元カメラのビ
デオ信号、ディレーなし2値化信号、ディレーをかけた
2値化信号を示す。図4は本発明の欠点検出装置を示す
要部側面図である。
【0024】検出装置は光源1とラインセンサーを受光
器として有し、先端に凸レンズが装着されたカメラ2と
画像処理装置3を少なくとも具備するものであり、光源
はアパチャ管と呼ばれる長さが板ガラスの幅より若干長
いスリット式蛍光管を下部に配置し、カメラは視野角が
ほぼ30°で先端に凸レンズを装着したものを板ガラス
幅方向に3列を前後に2組計6台配置する。 (板ガラスに欠点がなく正常な場合) エッジ部が幅aにわたりシーミングされた板ガラス4が
矢印方向に図示しないベルトコンベアなどの搬送装置に
よって搬送され、光源の設置場所までくると、その板ガ
ラスに欠点がなく、正常な場合には、エッジ部分以外は
光源の光が図4の矢印で示す範囲外には出射されないの
で、カメラ2のいずれにも光が入射しないが、エッジ部
分は光源1の光により乱反射されてカメラ2のどれかに
光が入射され、図2(B)に示すように複数の波形のビ
デオ信号がカメラに撮像され、その信号が入力された画
像処理装置により検出レベルLを上回る明信号が図2
)に示すように複数の2値化信号に変換され、さら
にシーミング部分の幅に相当するディレーがかかり、図
2()に示すように、シーミング部の幅内の信号が1
個の信号に変換される。
【0025】このような明信号が両側エッジ部に存在す
るので、板幅方向に2個の明信号が演算されるが、この
場合には正常と判定する。 (板ガラスに欠点が存在する場合) 図3に示すように、エッジ部が幅aにわたりシーミング
されており該部に幅bにわたるはまかけ5があり、エッ
ジ部以外の板ガラス表面にガラス切り粉などの異物6が
付着している場合には、エッジ部分は光源1の光により
さらに複雑に乱反射されて、カメラ2のいずれかに光が
入射され、図3(B)に示すようにはまかけが無い場合
の図2(B)に比較してさらに複雑な複数の波形のビデ
オ信号がカメラに撮像され、その信号が入力された画像
処理装置により検出レベルLを上回る明信号が図3
)に示すように複数の2値化信号に変換され、さら
にシーミング部分の幅に相当するディレーがかかり、図
2()に示すように、ディレー幅毎の明信号の有無に
より2個の信号に変換される。この場合に2値化された
明信号が継続して存在しても、ディレー幅毎に一旦パル
スを閉じるので、最初のディレー幅はシーミング部分の
乱反射とはまかけの一部の乱反射によりパルスが発生
し、次ぎのディレー幅ははまかけによってパルスが発生
するのでこの部分の明信号は2個となる。
【0026】また、異物6が付着した部分では光源から
の光は図4の点線で示すように乱反射されてカメラ2に
入射され、図3(B)に示すように1個あるいは複数の
ビデオ信号がカメラ2から画像処理装置に出力され、2
値化されて、ディレーがかけられ、1個の明信号が演算
される。
【0027】板幅全体では4個の明信号が得られ、異常
部分を2個検出することができる。説明のために欠点が
2個ある場合について説明したが、通常は1個であり、
その場合には明信号は3個となる。
【0028】本発明では、板ガラスが蛇行して搬送され
て、エッジ部分の位置が変わってもエッジ部分を明信号
の存在により正確に追従して把握することができるの
で、その不感帯は蛇行幅などを加えて大きくする必要が
なく、このシーミングされた板ガラスのような場合には
その不感帯をシーミング部分の幅b、例えば1mmと許
容される欠点幅、例えば0.8mmを加えた1.8mm
などと、最小限にすることができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の欠点検出
方法と検出装置は、異物の付着、板ガラス面の切り傷、
板ガラスエッジ部のはまかけ、つの、板ガラス中の泡な
どの欠点を簡単な装置により、正確に検出することがで
き、しかもエッジ部分を的確に把握して不感帯を最小限
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の欠点検出装置を示す要部正面図であ
る。
【図2】板ガラスが正常な場合の板ガラスと信号波形の
関係を示す図であり、(A)は板ガラスの要部断面図、
図2(B)〜(D)はそれぞれ1次元カメラのビデオ信
号、ディレーなし2値化信号、ディレーをかけた2値化
信号である。
【図3】板ガラスに欠点がある場合の板ガラスと信号と
信号波形の関係を示す図であり、(A)は板ガラスの要
部断面図、図3(B)〜(D)はそれぞれ1次元カメラ
のビデオ信号、ディレーなし2値化信号、ディレーをか
けた2値化信号である。
【図4】本発明の欠点検出装置を示す要部側面図であ
る。
【符号の説明】
1 光源 2 カメラ 3 画像処理装置 4 板ガラス 5 はまかけ 6 異物

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送される板ガラスの幅方向全面に、棒状
    光源からの光を照射して板ガラスの欠点により乱反射さ
    せるようにし、光源からの光束の範囲を外れるところか
    らカメラによって前記板ガラスの幅方向全域を撮像し、
    明と暗に2値化することにより板ガラスの欠点を明信号
    として検出する方法において、前記カメラによって得ら
    れた明の信号が、板ガラスエッジ部のシーミング部の幅
    に欠点の許容幅を加えた幅を一定長の幅とし、その一定
    長の幅内に発生した場合には一つの明信号として処理し
    て、板ガラス全幅の一定長の幅ごとの明信号の合計が2
    個であれば欠点ではなく正常、3個以上であれば欠点が
    あり異常と判定するようにしたことを特徴とする板ガラ
    スの欠点検出方法。
  2. 【請求項2】板ガラスを搬送する装置の下部に配置され
    た、板ガラスの幅より長い管状の光源と、光源の上方に
    あって、光束から外れた位置に配置され、乱反射を明信
    号として入力するカメラと、カメラからの明暗信号の出
    力に対して、板ガラスエッジ部のシーミング部の幅に欠
    点の許容幅を加えた幅を一定長の幅とし、その一定長の
    幅内に発生した明信号を一つのパルス信号に処理すると
    ともに、板ガラス全幅の前記パルス信号からそ数が2
    個のときは欠点ではなく正常であり、3個以上のときに
    欠点があり異常であると判断する画像処理装置を少なく
    とも具備するようにしたことを特徴とする板ガラスの欠
    点検出装置。
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