JP3223259B2 - 亜鉛めっき鋼溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

亜鉛めっき鋼溶接用フラックス入りワイヤ

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JP3223259B2 JP21196392A JP21196392A JP3223259B2 JP 3223259 B2 JP3223259 B2 JP 3223259B2 JP 21196392 A JP21196392 A JP 21196392A JP 21196392 A JP21196392 A JP 21196392A JP 3223259 B2 JP3223259 B2 JP 3223259B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は亜鉛めっき鋼溶接用フ
ラックス入りワイヤに関するもので、特に亜鉛または亜
鉛合金のめっき層が厚い鋼板または鋼管の溶接に使用す
るのに好適な亜鉛めっき鋼溶接用フラックス入りワイヤ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、亜鉛めっき鋼溶接用フラックス入
りワイヤは、自動車に使用される亜鉛めっき鋼板、ある
いは住宅産業の軽量鉄骨に使用される亜鉛めっき鋼板等
の溶接に使用されているが、これらの亜鉛めっき鋼板の
めっき層の厚さは8〜16μm程度と薄いものである。
この従来の亜鉛めっき鋼溶接用フラックス入りワイヤ
を、例えば亜鉛めっき層厚さが100〜500μmであ
り、しかもその厚みにムラがある鋼管、例えば造船、空
調配管等に使用されている、いわゆる白ガス管(JIS
G−3452、SGP白管)の溶接に使用した場合、
亜鉛層により溶接金属の馴染み性が劣り、アークスタ
ート性も悪い、亜鉛の気化によりピット、ブローホー
ルが多発する、スパッタの発生が多く、これによりノ
ズルが閉塞してガスシールド性を不良にし、これにより
連続溶接やロボット化ができない、亜鉛の溶接金属へ
の侵入が懸念され、直接溶接が敬遠される、等の問題が
発生していた。このため次のような対策を施して上記問
題に対応している。溶接部及び開先部内の亜鉛めっき
層をグラインダー等の工具で除去してから溶接を行う。
突合せ溶接のルート間隔を大きくしたり、隙間を設け
るなど、気化した亜鉛ガスが逸散しやすい形状に加工す
る。2パス以上の溶接を行い、1パス目の溶接で予熱
効果を引出し、亜鉛を気化させ、2パス以降の溶接で仕
上げる。亜鉛めっき処理を施していない、いわゆる黒
管の状態で溶接をした後に亜鉛めっき処理を行い、めっ
き後に溶接する箇所を少なくする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記亜鉛
めっき鋼溶接用フラックス入りワイヤを用いた上記従来
の溶接作業においては、ピット、ブローホールなどの溶
接欠陥の発生は幾分抑制できるものの、溶接作業前の処
理や溶接作業量の増加を招くという新たな問題が生じ、
その作業性は改善されていない。
【0004】この発明は上記従来の欠点を解決するため
になされたものであって、その目的は、鋼板、鋼管等に
施されている亜鉛または亜鉛合金のめっき層が厚くて
も、ピットやブローホール等の溶接欠陥の発生を抑制で
きると共に、溶接作業性を向上させることが可能な亜鉛
めっき鋼溶接用フラックス入りワイヤを提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこでこの発明の亜鉛め
っき鋼溶接用フラックス入りワイヤは、ワイヤ全体に対
する重量比で、スラグ生成剤を3.0〜12%含有する
と共に、金属チタンまたは金属チタンと金属ボロンとの
混合物を0.4〜2.0%含有し、さらに硅フッ化物、
硼フッ化物の少なくともいずれか一方を0.2〜1.0
%含有するフラックスを、鋼製外皮内に充填してるこ
とを特徴している。なおフラックスの量はワイヤ全体
に対する重量比で18〜20%とするのが好適である。
また上記成分以外に残部としてフラックス中に鉄粉、脱
酸剤、アーク安定剤を含有させるのが好ましく、その総
量はワイヤ全体に対する重量比で9〜15%とするのが
好適である。
【0006】
【作用】上記亜鉛めっき鋼溶接用フラックス入りワイヤ
において金属チタンまたは金属ボロンの総量を0.4〜
2.0%の範囲としたのは、次のような理由による。す
なわちワイヤ全体に対寸る重量比で、フラックス中の金
属チタンまたは金属ボロンの総量が0.4%よりも少な
いとピット及びブローホールが多発し、その総量が2.
0%よりも多いとスパッタか多発するためである。。な
お上記総量が0.4%以上であっても、金属チタンが含
有されていなければピット及びブローホールが多発した
ので、金属チタンは必ず含有させる必要がある。
【0007】また硅フッ化物、硼フン化物の総量を0.
2〜1.0%の範囲としたのは、その総量が0.2%よ
りも少ないと、ピット及びブローホールが多発し、また
その総量が1.0%よりも多いとスパッタが多発するた
めである。なおこれらはいずれか一方の化合物を含有し
ていればよい。
【0008】
【実施例】次にこの発明の亜鉛めっき鋼溶接用フラック
ス入りワイヤの具体的な実施例について、図面を参照し
つつ詳細に説明する。まず耐気孔性及び作業性を比較す
るための溶接試験を実施した。図1は重ね隅肉溶接継手
の形状、寸法(mm)及びトーチ角度を示す説明図であ
る。表1はフラックス中の特定成分の構成と、この構成
のフラックス入りワイヤを用いて溶接した結果を示して
いる。供試鋼板1、1の材質はSS400(JIS G
−3101)であり、寸法は厚さ10mm、幅100m
m、長さ500mmである。亜鉛めっきは両面に施さ
れ、その厚さはそれぞれ200〜500μmである。そ
して供試鋼板1、1を図1に示すように30mm重ねた
継手形状とした。また使用ワイヤは管状であり、その外
皮の材質はSPCC(JIS G−3141)である。
そしてその重量構成はワイヤ全体に対する重量比で、鋼
性外皮が80〜82%、その外皮内に充填されるフラッ
クスが18〜20%である。このフラックスは、スラグ
生成剤、表1の特定成分及びその他の成分(残部)から
成っており、その値はスラグ生成剤が約8%、残部が約
10%であり、特定成分は表1にそれぞれ示している値
である(いずれもワイヤ全体に対する重量比)。なお上
記残部とは、鉄粉、脱酸剤、アーク安定剤等であり、ス
ラグ生成剤とは、SiO、Al、TiO、Z
rOであるがこれらには限定されない。また表1の特
定成分中の硅フッ化物は、具体的にKSiF、Na
SiF等であり、硼フッ化物はNaBF、KBF
等であるが、これらの化合物にも限定はされない。
【0009】また溶接は、ワイヤ径を1.2mm、溶接
電流を180A、溶接電圧を26V、溶接速度を30c
m/min,、シールドガスをCO(20l/mi
n.)とした炭酸ガスアーク溶接法によって行った。
【0010】溶接試験後、耐気孔性、作業性を評価し
た。それらの結果も表1に示す。なお同表中の評価基準
は次の通りである。まずピット及びブローホールの評価
は、溶接長500mm当りの上記欠陥の発生数が0個を
極めて良好として「◎」、1〜2個を良好として
「○」、3〜5個をやや不良として「△」、6個以上を
不良として「×」とした。またスパッタの評価は相対評
価で行った。総合評価は上記項目で1個以上「×」があ
る場合は「×」とし、その他は相対評価とした。表1よ
り次のことが明らかである。
【0011】
【表1】
【0012】まず実施例のNo.2と比較例のNo.2
を比較すると、金属チタンまたは金属ボロンの総量が
0.4%よりも下回るとピット及びブローホールが多発
していることがわかる。さらに実施例のNo.1と比較
例のNo.1を考慮すると、その総量が0.4%以上で
あっても金属チタンは必ず含有されていなければならな
いことがわかる。したがって金属チタンは必ず含有さ
れ、しかも金属チタンと金属ボロンとの総量は0.4%
以上とする必要かある。
【0013】また実施例のNo.4及びNo.14と比
較例のNo.7を比較すると、金属チタンまたは金属ボ
ロンの総量が2.0%を超えるとスパッタが多発してい
る。したがって金属チタンは必ず含有させ、しかも金属
チタンと金属ボロンとの総量は2.0%以下にする必要
がある。
【0014】次に実施例のNo.3、No.6及びN
o.9と比較例のNo.3、No.5及びNo.6を比
較すると、硅フッ化物と硼フッ化物との総量が0.2%
を下回るとピット及びブローホールが多発している。つ
まり硅フッ化物と硼フッ化物との総量は0.2%以上で
なければならないことがわかる。この場合、いずれか一
方の化合物だけであってもよい。
【0015】また実施例のNo.7、No.10及びN
o.12と比較例のNo.4を比較すると、硅フッ化物
と硼フッ化物との総量が1.0%を上回るとスパッタが
多発している。したがって硅フッ化物と硼フッ化物との
総量は1.0%以下でなければならず、この場合、いず
れか一方の化合物を含有していればよい。
【0016】次に継手性能、特に引張強度を比較するた
めに、表1の実施例のNo.6のワイヤを用いて溶接試
験を実施した。
【0017】試験材として、SS400(JIS G
−3101)の場合と、SS400(JIS G−3
101)に亜鉛めっき200〜500μmを施している
場合との2種類を採用し、ワイヤ径を1.2mm、溶接
電流を180A、溶接電圧を26V、シールトガスをC
、ガス流量を20l/min.、パス間温度を約1
50℃で炭酸ガスアーク溶接を行った。その結果、の
場合は引張強さは585N/mmであった。なお溶接
方法及び試験方法は、JIS Z−3111に基づき、
試験片はA1号試験片を採用した。の場合の引張強さ
は503N/mmであった。なお溶接方法及び試験方
法はJIS Z−3121に基づき、試験片は1号試験
片を採用した。上記結果から本発明の亜鉛めっき鋼溶接
用フラックス入りワイヤによれば、亜鉛めっきしていな
い鋼板の場合と同様の充分な引張強度が得られることが
わかる。
【0018】以上の説明のように上記実施例における亜
鉛めっき鋼溶接用フラックス入りワイヤにおいては、従
来では亜鉛または亜鉛合金めっき層の厚さが200〜5
00μmと厚い鋼板または鋼管を溶接する場合に実施し
ていた溶接前の処理を施さず、直接溶接しても溶接欠陥
であるピット及びブローホールの発生を僅少に抑え、ス
パッタの発生も抑制し得るので、その作業性を一段と向
上させることが可能になる。しかも継手部の引張強さも
充分なものが得られる。
【0019】以上にこの発明の具体的な実施例について
説明したが、この発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、この発明の範囲内で種々変更して実施すること
が可能である。例えば上記実施例においては、フラック
ス入りワイヤを管状としているが、鋼製の外皮がフラッ
クスを内包していればよく、ワイヤの形状や内包方法に
は限定されない。
【0020】
【発明の効果】以上のようにこの発明の亜鉛めっき鋼溶
接用フラックス入りワイヤでは、鋼板、鋼管等の亜鉛ま
たは亜鉛合金のめっき層が厚くても、ピット及びブロー
ホールの発生を抑えることができると共に、スパッタの
発生を抑制できるので、その作業性を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】重ね隅肉溶接継手の形状、寸法及びトーチ角度
を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/368

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤ全体に対する重量比で、スラグ生
    成剤を3.0〜12%含有すると共に、金属チタンまた
    は金属チタンと金属ボロンとの混合物を0.4〜2.0
    %含有し、さらに硅フッ化物、硼フッ化物の少なくとも
    いずれか一方を0.2〜1.0%含有するフラックス
    を、鋼製外皮内に充填してることを特徴とする亜鉛め
    っき鋼溶接用フラックス入りワイヤ。
JP21196392A 1992-06-30 1992-06-30 亜鉛めっき鋼溶接用フラックス入りワイヤ Expired - Lifetime JP3223259B2 (ja)

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