JP3223242B2 - トルク検出器 - Google Patents

トルク検出器

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JP3223242B2
JP3223242B2 JP7104197A JP7104197A JP3223242B2 JP 3223242 B2 JP3223242 B2 JP 3223242B2 JP 7104197 A JP7104197 A JP 7104197A JP 7104197 A JP7104197 A JP 7104197A JP 3223242 B2 JP3223242 B2 JP 3223242B2
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Honda Lock Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力軸および出力
軸間のトーションバーが捩れ変形するのに応じてそれら
の軸の軸線方向にコアを変位させることにより、トルク
を検出するようにしたトルク検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかるトルク検出器は、たとえば
実公平6−23929号公報等により既に知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは、
たとえばアルミニウム合金等の鋳造金属に切削加工等を
施して形成されるハウジングに、入力軸およびハウジン
グ間に設けられるベアリングが圧入されており、ハウジ
ングの製造コストが比較的高いものとなっていた。そこ
で、コスト低減を図るために、少なくともボビンを覆う
部分のハウジングを合成樹脂により形成し、合成樹脂製
のハウジングにボビン、コイルおよび前記ベアリングを
一体にモールド結合することが考えられている。ところ
が、合成樹脂製ハウジングへのベアリングのモールド結
合を図ろうとすると、ハウジングの成形時にベアリング
が高温度の溶融樹脂に曝されることになり、ベアリング
内のグリースが軟化して流れだしたり、グリースの性能
が劣化する等の問題が生じる。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、ハウジングを合成樹脂化するとともに、その
合成樹脂から成るハウジングにボビン、コイルおよびベ
アリングを一体にモールド結合せしめてコスト低減を図
った上で、そのモールド成形時のベアリングへの熱影響
を極力軽減し得るようにしたトルク検出器を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、コイルが巻装されるボビン内に入力軸が
同軸に挿入され、該入力軸と同軸である出力軸がトーシ
ョンバーを介して前記入力軸に連結され、前記トーショ
ンバーの捩れ変形に伴なう入力軸および出力軸の相対角
変位量に応じて入力軸の軸線に沿う位置を変化させるコ
アが前記入力軸および前記ボビン間に配置され、前記ボ
ビンおよびコイルを覆うハウジングおよび入力軸間にベ
アリングが設けられるトルク検出器において、略円筒状
のコイル巻装部、該コイル巻装部に同軸に連なる略円筒
状の延長筒部、ならびに該延長筒部の内面から半径方向
内方に張出す規制鍔部を有して合成樹脂により形成され
るボビンと、前記コイル巻装部に巻装されるコイルと、
前記規制鍔部に外輪の内端を当接させて前記延長筒部の
先端部に嵌合される前記ベアリングとが、前記外輪の外
端の一部に係合する係合鍔部を有する合成樹脂製のハウ
ジングに一体にモールド結合されることを特徴とする。
【0006】このような構成によれば、ボビンおよびコ
イルが合成樹脂製のハウジングに一体にモールド結合さ
れるとともに、規制鍔部および係合鍔部間に挟まれて軸
方向位置を定められるようにしたベアリングがハウジン
グに一体にモールド結合されることになる。しかも合成
樹脂によるハウジングのモールド成形時に、ベアリング
の外輪の大部分と高温である溶融合成樹脂との間には、
合成樹脂から成るので熱伝導率が比較的低く、断熱材と
しての機能を発揮する延長筒部が介在しており、前記溶
融合成樹脂は、ベアリングの外輪の外端の一部に係合す
る係合鍔部を形成する部分でのみベアリングに直接接触
するだけであり、高温の溶融合成樹脂からベアリングへ
の伝熱量を極力抑えることができ、ベアリングに充填さ
れているグリースへの熱影響を軽減することが可能とな
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0008】図1ないし図12は本発明の一実施例を示
すものであり、図1はトルク検出器の縦断側面図、図2
は入力軸および可動部材の係合状態を示す横断面図、図
3は図2の3−3線断面図、図4は一対のコイルの接続
回路を示す図、図5はハウジングおよびボビンの縦断面
図、図6は図5の6矢視図、図7はボビンを図6と同一
方向から見た図、図8は図5の8矢視図、図9は型開き
状態での金型装置の縦断面図、図10は型締め過程に在
る状態での図9に対応した縦断面図、図11は型締め状
態での図9に対応した縦断面図、図12は図11の12
矢視部拡大図であって(a)は規制鍔部の非変形状態を
示す図、(b)は規制鍔部の変形状態を示す図である。
【0009】先ず図1において、このトルク検出器は、
たとえば車両のパワーステアリング系に介設されるもの
であり、図示しないステアリングハンドル側に連なる入
力軸15と、図示しない車輪側に連なって入力軸15と
同軸に配置される出力軸16と、入力軸15および出力
軸16間を連結するトーションバー17とを備え、入力
軸15に入力されるトルクに応じてトーションバー17
が捩れ変形することに伴なう入力軸15および出力軸1
6間に生じる相対角変位量を、前記入力トルクに応じた
値として検出するものである。
【0010】入力軸15は、中空の略円筒状に形成され
ており、合成樹脂により略円筒状に形成されるハウジン
グ18の軸方向一端側にベアリング19を介して回転自
在に支承されつつ、ハウジング18内に突入される。し
かもベアリング19より軸方向外方側でハウジング18
および入力軸15間にはダストシール20が設けられ
る。
【0011】トーションバー17は入力軸15内に挿入
されており、入力軸15およびトーションバー17の一
端は連結ピン21で相互に連結され、入力軸15の他端
およびトーションバー17間には金属製のリング状軸受
メタル22が設けられる。すなわちトーションバー17
の一端側は入力軸15とともに回転するのに対し、トー
ションバー17の捩れ変形に応じてトーションバー17
の他端部および入力軸15の他端は相対角変位可能であ
る。
【0012】前記ハウジング18は、金属製の支持体2
3に締結されるものであり、該支持体23は車両の図示
しない車体に固定的に支持される。而して出力軸16
は、ベアリング24を介して支持体23に回転自在に支
承されており、この出力軸16の一端部にトーションバ
ー17の他端部がセレーション25を介して結合され
る。
【0013】ハウジング18には、合成樹脂から成るボ
ビン26と、該ボビン26に巻装される第1および第2
コイル27,28とが一体にモールド結合されるもので
あり、該ボビン26と入力軸15の他端部との間には合
成樹脂から成る可動部材29が配置され、該可動部材2
9の外面にリング状のコア30が固着される。
【0014】ところで、出力軸16の一端部には、その
一直径線に沿って出力軸16の外面から外方に突出する
一対の規制ピン31,31が装着されており、それらの
規制ピン31,31の先端部を係合させる規制溝32,
32が、出力軸16の軸方向に沿って長く延びて前記可
動部材29の内面に設けられる。したがって可動部材2
9およびコア30は、出力軸16との相対回転が不能で
あるが規制ピン31,31が規制溝32,32で案内さ
れる範囲で出力軸16との軸方向相対移動が可能であ
る。しかも出力軸16および支持体23間に設けられて
いるベアリング24の内輪で受けられたリテーナ33と
前記可動部材29との間には、コイルばね34が設けら
れており、このコイルばね34のばね力により可動部材
29すなわちコア30は、出力軸16から離反する方向
に付勢される。
【0015】図2および図3において、可動部材29の
内面には、螺旋状の案内溝35が設けられており、該案
内溝35に嵌合するピン36が入力軸15に装着され
る。したがって、入力軸15へのトルク入力に応じたト
ーションバー17の捩れ変形により入力軸15および出
力軸16間に相対角変位が生じたときに、その相対角変
位量に応じて可動部材29およびコア30が入力軸15
の軸線に沿う位置を変化させることになる。
【0016】図4を併せて参照して、両コイル27,2
8は、入力軸15の軸方向に離隔してボビン26に巻装
されており、それらのコイル27,28と、基準抵抗3
8,39とでブリッジ回路が構成され、基準抵抗38,
39の接続点には入力端子40が、両コイル27,28
の接続点には入力端子41が、基準抵抗38および第1
コイル27の接続点には検出端子42が、第2コイル2
8および基準抵抗39の接続点には検出端子43がそれ
ぞれ接続される。
【0017】一方の入力端子40には、たとえば10V
の一定電圧が入力され、他方の入力端子42にはたとえ
ば10Vおよび接地状態(0V)を交互に繰返す電圧が
入力されるものであり、そのようなパルス状の入力電圧
に対して、第1コイル27および基準抵抗38、ならび
に第2コイルおよび基準抵抗39は、それぞれ一次遅れ
要素として作用する。
【0018】一方、入力軸15へのトルク入力に応じた
トーションバー17の捩れ変形によって、コア30は、
入力軸15の軸線に沿う位置すなわち第1および第2コ
イル27,28に対する相対位置を変化させるものであ
り、そのような相対位置変化が両コイル27,28の周
辺に磁気的変化を生じさせ、両コイル27,28のイン
ダクタンスがそれぞれ変化する。而してインダクタンス
変化に伴って上記一次遅れ要素の時定数が変化し、両検
出端子42,43の過渡応答電圧に差が生じることにな
り、該過渡応答電圧のうちボトム電圧における差電圧を
得ることにより、入力トルクに対応した信号を得ること
ができる。
【0019】図5ないし図7を併せて参照して、ボビン
26は、略円筒状のコイル巻装部26aと、該コイル巻
装部26aの一端に同軸に連なる略円筒状の第1延長筒
部26bと、前記コイル巻装部26aの他端に同軸に連
なる略円筒状の第2延長筒部26cとを有して、全体と
して段付きの略円筒状に形成されるものであり、コイル
巻装部26aの外面には、該コイル巻装部26aの外面
に巻装される第1および第2コイル27,28間を仕切
る仕切り壁部26dが半径方向外方に突出するようにし
て一体に設けられる。
【0020】第1延長筒部26bの先端部には、入力軸
15およびハウジング18間に設けられるベアリング1
9が、その軸方向外端をわずかに第1延長筒部26bの
先端から突出させるようにして嵌合されるものであり、
そのベアリング19における外輪19aの内端を受ける
規制鍔部26eが、第1延長筒部26bの内面から半径
方向内方に張出すようにして第1延長筒部26bに一体
に設けられる。また第2延長筒部26cの外面には複数
のリブ26f,26f…が放射状に突出するようにして
一体に設けられる。
【0021】図8をさらに併せて参照して、前記ボビン
26と、該ボビン26のコイル巻装部26aに巻装され
ている第1および第2コイル27,28と、ボビン26
の第1延長筒部26bに嵌合されるベアリング19と
は、ボビン26の内周面を内面に臨ませるようにして、
ハウジング18に一体にモールド結合される。
【0022】このハウジング18は、ボビン26の軸方
向全長を覆って略円筒状に形成されるハウジング主部1
8aと、ハウジング主部18aの軸方向一端側に臨む係
合面44ならびに前記軸方向他端側に臨む締結面45を
両面に有してハウジング主部18aの軸方向他端側に一
体に設けられるフランジ部18bと、ボビン26に巻装
されているコイル27,28に連なる端子46…を臨ま
せてハウジング主部18aの軸方向一端寄り外面から外
方に突出するカプラ部18cとを有して合成樹脂により
形成される。
【0023】前記端子46…は、図4で示すように、コ
イル27,28の接続点、基準抵抗38およびコイル2
7の接続点、ならびに基準抵抗38およびコイル28の
接続点にそれぞれ接続される。
【0024】ハウジング主部18aの周方向に間隔をあ
けた複数箇所たとえば3箇所でフランジ部18bには、
前記締結面45を支持体23のフランジ47に締結せし
めるボルト48…(図1参照)をそれぞれ挿通させる金
属製円筒状のカラー49…がそれぞれ一体にモールド結
合される。
【0025】このようなフランジ部18bは、締結強度
を持たせるために厚肉に形成されるのであるが、ボビン
26の各リブ26f,26f…は、厚肉であるフランジ
部18bに埋封されることになる。すなわちボビン26
に放射状に設けられている各リブ26f,26f…は、
それらのリブ26f,26f…の先端を結ぶ形状がフラ
ンジ部18bの外形形状にほぼ対応して小さくなるよう
に形成されており、ハウジング18およびボビン26の
一体モールド結合時にフランジ部18bの周方向に間隔
をあけた複数箇所に各リブ26f,26f…がそれぞれ
埋封されることになる。
【0026】さらにハウジング18におけるハウジング
主部18aの内面には、ボビン26の第1延長筒部26
bに嵌合されているベアリング19における外輪19a
の外端の外周側の一部に係合する係合鍔部18dが、半
径方向内方に張出すようにして一体に形成される。
【0027】図9において、上記ハウジング18を成形
するための金型装置は、該ハウジング18の軸方向一端
側を形成するための固定型51と、フランジ部18bに
おける締結面45を含むハウジング18の他端側を形成
すべく固定型51の下方で昇降可能な可動型52と、ハ
ウジング18の外側面および前記フランジ部18bの係
合面44を形成すべく可動型52上に摺動可能に支持さ
れる複数の摺動型53…とを備える。
【0028】可動型52には、両コイル27,28が巻
装されるとともにベアリング19を嵌合させた状態に在
るボビン26に嵌合する嵌合突部52aと、各カラー4
9…にそれぞれ嵌合してそれらのカラー49…を位置決
めする位置決め突部52b…とが一体に設けられてお
り、ボビン26および各カラー49…は、可動型52上
に支持される。しかも嵌合突部52aの上端部は、ボビ
ン26の軸方向長さにばらつきがあったとしても、規制
鍔部26eには接触しないように形成される。
【0029】このような金型装置の型開き状態では、図
9で示すように可動型52が下方位置に在り、また各摺
動型53…も可動型52上で外側方に退避した位置に在
る。而して型締め時には、図10で示すように可動型5
2が上昇を開始するとともに、各摺動型53…が可動型
52上で前記退避位置から相互に近接する側に摺動し、
可動型52が固定型51に接触する前に、各摺動型53
…が所定の型締め位置まで摺動する。その後、可動型5
2がさらに上昇を続けることにより、図11で示すよう
に可動型52が固定型51に接触して型締めが完了する
ことになる。この型締め状態で、固定型51、可動型5
2および各摺動型53…により、ハウジング18の外面
形状に対応したキャビティ54が形成される。
【0030】ところで、可動型52で支持されているボ
ビン26の上端部に嵌合されているベアリング19の上
端すなわち外端に接触する円盤状の第1接触部51a
が、固定型51に設けられており、可動型52における
嵌合突部52aには、ボビン26の他端すなわち下端に
接触する第2接触部52cが環状段差部として設けられ
ている。しかも固定型51および可動型52の型締め状
態での第1および第2接触部51a,52c間の距離L
1 (図11参照)は、ハウジング18との一体モールド
成形前の前記ボビン26の他端およびベアリング19の
外端間の距離L2(図9参照)の設定許容最小値以下に
設定されている。
【0031】また摺動型53には、ハウジング18のフ
ランジ部18bにおける係合面44を形成するための係
合面形成部53aが、可動型52側に臨んで設けられる
とともに、該係合面形成部53aに下端を開口せしめる
とともに上端を摺動型53の上端に開口させた摺動孔5
5が上下に延びて設けられる。該摺動孔55は、下端を
係合面形成部53aに開口させた小径孔部55aと、上
端を摺動型53の上端に開口させた大径孔部55bとが
相互間に段差を形成して同軸に連設されて成るものであ
り、該摺動孔55には、可動型52上に位置決め載置さ
れたカラー49を該可動型52との間で軸方向両側から
挟むことが可能な押しピン56が摺動可能に保持され
る。すなわち押しピン56は、小径孔部55aおよひ大
径孔部55bにそれぞれ摺動可能に嵌合するように段付
きの棒状に形成されており、押しピン56および摺動型
53間には、押しピン56を上方に向けて付勢するコイ
ルばね57が設けられる。
【0032】押しピン56は、図9で示したように固定
型51および可動型52が型締め前に在る状態では、該
押しピン56の上端を摺動型53の上端から上方に突出
させた位置に在るが、図11で示したように、固定型5
1および可動型52が型締め状態となったときには、コ
イルばね57のばね力に抗して固定型51で下方に押さ
れて押しピン56が係合面形成部53aから下方に突出
することになり、それによりカラー49が可動型52お
よび押しピン56間に挟まれることになる。
【0033】また各摺動型53…の型締め時に可動型5
2上のカラー49…の上方を通過する部分で係合面形成
部53aの一部は、型締め時のカラー49…との干渉を
回避すべく、カラー49…の軸方向長さの許容最大値よ
りも大なる間隔を可動型52との間にあけるように形成
されている。この結果、ハウジング18の型成形後に
は、図8の斜線で示すように、カラー49…よりも内方
側で係合面44から隆起した部分18e…が形成される
ことになる。
【0034】次にこの実施例の作用について説明する
と、合成樹脂製のボビン26と、該ボビン26のコイル
巻装部26aに巻装される第1および第2コイル27,
28と、ハウジング18および入力軸15間に設けられ
るベアリング19とが、ハウジング18に一体にモール
ド結合されることになり、アルミニウム合金等の鋳造金
属に切削加工等を施して形成されるハウジングにベアリ
ングを圧入するようにしたものと比べて、ハウジングの
製造コストおよびベアリングの組付性を向上することが
できる。
【0035】しかもボビン26が備える第1延長筒部2
6bに、その内面から半径方向内方に張出す規制鍔部2
6eが一体に設けられており、外輪19aの内端を規制
鍔部26eに当接させるようにしてベアリング19が第
1延長筒部26bの先端部に嵌合されるものであり、ハ
ウジング18には、前記外輪19aの外端の一部に係合
する係合鍔部18dが形成され、規制鍔部26eおよび
係合鍔部18d間に挟まれることによりベアリング19
の軸方向位置が定められることになる。
【0036】ところで、ハウジング18の成形時には、
ベアリング19の外輪19aの大部分と高温である溶融
合成樹脂との間には、合成樹脂から成るので熱伝導率が
比較的低く、断熱材としての機能を発揮する第1延長筒
部26bが介在している。したがって前記溶融合成樹脂
は、ベアリング19の外輪19aの外端の一部に係合す
る係合鍔部18dを形成する部分でのみベアリング19
に直接接触するだけであり、高温の溶融合成樹脂からベ
アリング19への伝熱量が極力抑えられ、ベアリング1
9に充填されているグリースへの熱影響を軽減すること
が可能となり、ベアリング19内のグリースが軟化して
流れだしたり、グリースの性能が劣化する等の問題が生
じることを極力避けることができる。
【0037】またハウジング18を成形するための金型
装置において、可動型52で支持されているボビン26
の上端部に嵌合されているベアリング19の上端に接触
する第1接触部51aが固定型51に設けられるととも
に、ボビン26の下端に接触する第2接触部52cが可
動型52における嵌合突部52aに設けられており、固
定型51および可動型52の型締め状態での第1および
第2接触部51a,52c間の距離L1 (図11参照)
は、ハウジング18との一体モールド成形前の前記ボビ
ン26の下端およびベアリング19の上端間の距離L2
(図9参照)の設定許容最小値以下である。したがっ
て、固定型51および可動型52の型締め時には、図1
2で示すように、第1接触部51aがベアリング19の
上端に必ず接触することになる。而して前記距離L
1 が、前記距離L2 の設定許容最小値と等しいときに
は、図12(a)で示すようにボビン26の規制鍔部2
6eが撓むことはないものの、ボビン26の下端からベ
アリング19の上端までの距離は一定であり、さらに前
記距離L1 が、前記距離L2 の設定許容最小値未満であ
ったときには、図12(b)で示すように、第1接触部
51aからベアリング19に下方に向けての荷重が作用
することになり、ベアリング19における外輪19aの
内端を当接させている規制鍔部26eが軸方向内方側に
撓んで変形することになり、前記距離L2 が許容公差内
でばらついても規制鍔部26eの変形によってその寸法
のばらつきを吸収することが可能である。したがってボ
ビン26のコイル巻装部26aおよび延長筒部26b,
26cに変形が生じることが防止されるとともに、ハウ
ジング18の軸方向に沿うコイル27,28の位置を一
定に定めることができる。
【0038】ハウジング18には、支持体23との締結
のための厚肉のフランジ部18bが一体に設けられる
が、ボビン26には、該フランジ部18bに埋封される
複数の放射状のリブ26f,26f…が一体に設けられ
ている。したがって、厚肉であるフランジ部18bがそ
の周方向に間隔をあけた複数箇所のリブ26f,26f
…で仕切られることになり、各リブ26f,26f…を
除く部分でのフランジ部18bの薄肉化および肉厚の均
等化を図ることができ、したがってハウジング18の成
形時に厚肉であるフランジ部18bにひけが発生するこ
とを極力抑制することができ、それによりハウジング1
8の成形精度を向上することができる。
【0039】さらに係合面44および締結面45を両面
に有するフランジ部18bには、複数の金属製円筒状の
カラー49…が一体にモールド結合されるが、締結面4
5を含むハウジング18の他端側を形成すべく昇降可能
な可動型52上に、各カラー49…が位置決め載置さ
れ、ハウジング18の外側面および前記係合面44を形
成すべく可動型52に摺動可能に支持される複数の摺動
型53…に、可動型52の型締め時に固定型51で下方
に押されて可動型52との間に各カラー49…を挟む押
しピン56…が上方に弾発付勢されつつ昇降可能に設け
られている。したがってフランジ部18bの締結面45
を形成する可動型52にカラー49…の下端が確実に接
触せしめられ、ハウジング18の成形後には、フランジ
部18bの締結面45にカラ49ー…の端部が面一に臨
むことになる。すなわちカラー49…の軸方向長さにば
らつきが生じても、該カラー49…の基準面を常に締結
面45とすることができ、フランジ部18b…の支持体
23のフランジ47への締結時に締結面45を変形させ
ることなく支持体23に確実に接触させることができ
る。
【0040】しかも係合面44を形成すべく摺動型53
…に設けられている係合面形成部53a…において、摺
動型53…の型締め時に可動型52上の前記カラー49
…の上方を通過する部分は、その型締め時のカラー49
…との干渉を回避すべく、カラー49…の軸方向長さの
許容最大値よりも大なる間隔を可動型52との間にあけ
るように形成されている。したがって、摺動型53…お
よびカラー49…の相互干渉を回避して摺動型53…を
円滑に型締め作動せしめることができるだけでなく、カ
ラー49…よりも内方側で係合面44の一部を隆起させ
た部分18e…がフランジ部18bに形成されることに
より、ボルト48…による締結部でフランジ部18bの
強度増大を図ることができる。
【0041】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0042】たとえば上記実施例では、一対のコイル2
7,28のインダクタンスをコア30の移動に応じて変
化させるようにしたトルク検出器について説明したが、
本発明は、実公平6−23929号公報で開示されてい
るような差動トランス方式のトルク検出器についても適
用可能である。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ボビンお
よびコイルが合成樹脂製のハウジングに一体にモールド
結合されるとともに、規制鍔部および係合鍔部間に挟ま
れて軸方向位置を定められるようにしたベアリングがハ
ウジングに一体にモールド結合されるようにして製造コ
ストの低減を図ることが可能となるとともに、断熱材と
しての機能を発揮する延長筒部を溶融合成樹脂とベアリ
ングとの間に介在せしめ、溶融合成樹脂がベアリングの
外輪の外端の一部にのみ直接接触するだけにして、溶融
合成樹脂からベアリングへの伝熱量を極力抑え、ベアリ
ングに充填されているグリースへの熱影響を軽減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トルク検出器の縦断側面図である。
【図2】入力軸および可動部材の係合状態を示す横断面
図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】一対のコイルの接続回路を示す図である。
【図5】ハウジングおよびボビンの縦断面図である。
【図6】図5の6矢視図である。
【図7】ボビンを図6と同一方向から見た図である。
【図8】図5の8矢視図である。
【図9】型開き状態での金型装置の縦断面図である。
【図10】型締め過程に在る状態での図9に対応した縦
断面図である。
【図11】型締め状態での図9に対応した縦断面図であ
る。
【図12】図11の12矢視部拡大図であって(a)は
規制鍔部の非変形状態を示す図、(b)は規制鍔部の変
形状態を示す図である。
【符号の説明】
15・・・入力軸 16・・・出力軸 17・・・トーションバー 18・・・ハウジング 18d・・・係合鍔部 19・・・ベアリング 19a・・・ベアリングの外輪 26・・・ボビン 26a・・・コイル巻装部 26b・・・延長筒部 26e・・・規制鍔部 27,28・・・コイル 30・・・コア

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイル(27,28)が巻装されるボビ
    ン(26)内に入力軸(15)が同軸に挿入され、該入
    力軸(15)と同軸である出力軸(16)がトーション
    バー(17)を介して前記入力軸(15)に連結され、
    前記トーションバー(17)の捩れ変形に伴なう入力軸
    (15)および出力軸(16)の相対角変位量に応じて
    入力軸(15)の軸線に沿う位置を変化させるコア(3
    0)が前記入力軸(15)および前記ボビン(26)間
    に配置され、前記ボビン(26)およびコイル(27,
    28)を覆うハウジング(18)および入力軸(15)
    間にベアリング(19)が設けられるトルク検出器にお
    いて、略円筒状のコイル巻装部(26a)、該コイル巻
    装部(26a)に同軸に連なる略円筒状の延長筒部(2
    6b)、ならびに該延長筒部(26b)の内面から半径
    方向内方に張出す規制鍔部(26e)を有して合成樹脂
    により形成されるボビン(26)と、前記コイル巻装部
    (26a)に巻装されるコイル(27,28)と、前記
    規制鍔部(26e)に外輪(19a)の内端を当接させ
    て前記延長筒部(26b)の先端部に嵌合される前記ベ
    アリング(19)とが、前記外輪(19a)の外端の一
    部に係合する係合鍔部(18d)を有する合成樹脂製の
    ハウジング(18)に一体にモールド結合されることを
    特徴とするトルク検出器。
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