JP3222769U - 造形材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】3Dプリンター用の造形材料において、新たなバリエーションを有する造形物を得ることが可能な造形材料を提供する。【解決手段】直径0.5〜10mmの線状体であって、該線状体は、付加製造装置に適用して所望の造形物を得るための造形材料1であり、該線状体は熱可塑性合成樹脂によって構成され、該造形材料1がクロミック性と発光性を有する。または、直径0.5〜10mmの線状体であって、該線状体は、付加製造装置に適用して所望の造形物を得るための造形材料1であり、該線状体は熱可塑性合成樹脂によって構成され、熱可塑性樹脂がクロミック色材および発光色材を含む。【選択図】図1
Description
本考案は、付加製造装置(3次元プリンター)に用いるための造形材料に関する。
樹脂成形体は、射出成形、押出成形など各種の方法で成形されており、日用品の分野や産業分野などで幅広く利用されている。少量多品種の成形体を得る方法として、3次元プリンター(3Dプリンター)に代表される立体造形機による成形方法が注目されている。
3Dプリンターの手法には、熱溶解積層法(FDM)、光造形法(SLA)、粉末焼結積層法(SLS)などがあり、それぞれで技術開発が進められている。個人用などではFDM法の造形装置が広く用いられており、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)やポリ乳酸樹脂などの熱可塑性合成樹脂を原料とした線状体が造形材料として知られている。
たとえば特許文献1には、高精度の造形を可能とするための材料として、平均直径が0.069〜0.074インチ(約1.75〜1.90mm)、長さが20フィート(約6.1m)以上、直径の標準偏差が0.0004インチ(0.01mm)以下である造形材料が開示されている。
少量多品種の成形体を得ることができる3Dプリンター用の造形材料には、種々の機能や質感等の種々のバリエーションを有するものが期待される。本考案は、3Dプリンター用の造形材料において、新たなバリエーションを有する造形物を得ることが可能な造形材料を提案することを課題とする。
本考案の造形材料は、直径0.5〜10mmの線状体であって、該線状体は、付加製造装置に適用して所望の造形物を得るための造形材料であり、該線状体は熱可塑性合成樹脂によって構成され、該造形材料がクロミック性と発光性を有することを特徴とする造形材料を要旨とするものである。
また、本考案は、直径0.5〜10mmの線状体であって、該線状体は、付加製造装置に適用して所望の造形物を得るための造形材料であり、該線状体は熱可塑性合成樹脂によって構成され、熱可塑性樹脂がクロミック色材および発光色材を含むことを特徴とする造形材料を要旨とするものである。
また、本考案は、直径0.5〜10mmの線状体であって、該線状体は、付加製造装置に適用して所望の造形物を得るための造形材料であり、該線状体は熱可塑性合成樹脂によって構成され、熱可塑性樹脂がクロミック色材および発光色材を含むことを特徴とする造形材料を要旨とするものである。
本考案の造形材料は、熱可塑性合成樹脂によって構成されてなり、直径0.5〜10mmの線状体である。線状体は、数m〜数百mの連続線状物であり、これを巻いてリール状として、3Dプリンターに取り付けて所望の形状の成形体(造形物)を得る。造形材料の好ましい直径は1mm以上であり、特に直径1.75mmの造形材料は、市販の熱溶解積層法による3Dプリンターに適用できることから好ましい。なお、線状耐は、必要に応じて3mm〜1000mm程度の所定長にカットして使用してもよい。
本考案の造形材料は、クロミック性と発光性を有する。このようなクロミック性と発光性を有する造形材料を用いて得られる造形物もまたクロミック性と発光性とを併せもつものとなり、意匠性に優れるものとなる。
クロミック性は、クロミック色材を熱可塑性合成樹脂に含ませることにより、効果的に達成できる。クロミック性は、熱、光、電気、溶媒和、圧力などが加わることにより変色する性質であり、例えば、サーモクロミック性を有する場合、変色温度以下と変色温度以上とでは外観の色や光沢を変化させることができ、そこに発光性による光沢や色相の奥行きも加わり、高い意匠性を付与することができる。熱以外の刺激に応答するクロミック色材の場合は、自由なタイミングで外観変化を与えることができ、意匠性をさらに高めることができる。
クロミック色材としては、熱であればサーモクロミック色材(例えば、ハロゲノ錯体、ジニトロジアンミン銅(II)錯体、エチレンジアミン類ニッケル(II)錯体、サリチルアルデヒド類錯体、ポリペプチド類のコレステリック液晶、ロイコ染料)、光であればフォトクロミック色材(例えば、アゾベンゼン・スピロピラン・ジアリールエテン)、電気であればエレクトロクロミック色材(例えば、ビオロゲン系化合物、酸化タングステン)、溶媒和であればソルバトクロミック色材(例えば、2,6−ジフェニル−4−(2,4,6−トリフェニルピリジニオ)フェノレート)、圧力であればピエゾクロミック色材(例えば、金属−ジオンジオキシマート錯体)が挙げられる。これらのクロミック色材は1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。
クロミック色材の粒径としては、熱可塑性合成樹脂中に良好に含有でき、溶融紡糸可能な程度であればよいが、最大径は100μm以下が好ましい。最大径を100μm以下とすることにより、溶融紡糸の際に、ノズルパックに目詰まりが生じにくく、良好に溶融紡糸を行うことができ、また3Dプリンターで造形する際にノズル閉塞などのトラブルが起こりにくくなる。このような理由から、より好ましくは50μm以下である。下限は、取り扱い性から、0.01μmがよい。また、熱可塑性合成樹脂との混練性や分散性、耐熱性を調整するための加工や表面処理(例えば、コーティング、マイクロカプセル化、プラズマ処理、マスターバッチ化)などを施してもよい。
熱可塑性合成樹脂中に含ませるクロミック色材の比率は、材料の比重や相性、含ませる際の混練方法、クロミック色材の粒径によって適宜設計すればよいが、熱可塑性合成樹脂100質量部に対してクロミック色材は0.01〜10質量部がよい。
造形材料が有する発光性とは、外部からのエネルギー(例えば光、電子線、応力、熱など)による発光するものであり、外部刺激によって外観を変化させることができる。発光性は、造形材料を構成する熱可塑性合成樹脂に発光色材を含ませる方法が効果的である。
発光性として、例えば、光応答性の発光色材では、紫外線に応答する蛍光色材や燐光色材、可視光に応答する集光性蛍光色材などが挙げられる。蛍光色材や燐光色材としては公知のものを用いればよく、蛍光増白剤や、標識類・各種ディスプレイの発光素子などに使用される有機材料や無機材料、また、量子ドットやCNTなどのナノ材料であっても発光色材として用いることができる。有機材料としては、低分子のものとしては、フルオレセイン類、ローダミン類、クマリン類、ピレン類、シアニン類等が挙げられ、高分子のものとしては、ポリ(1,4−フェニレンビニレン)類、ポリチオフェニン類、ポリフルオレン類等が挙げられる。また、無機材料としては、アルミン酸塩類、シリケート類、ハロリン類、酸窒化物類等が挙げられる。また、抹茶やターメリックなど蛍光特性を有する天然材料の粉体を発光色材として用いてもよい。集光性蛍光色材とは、自然光又は人工光の直射光及び拡散光を成形物(造形材料や造形物)表面で集光し、それを蛍光に変え、その蛍光は長波長で再放出され、成形物内でその大部分が全反射の法則に従って成形物内部を進行し成形物端面へ誘導され、そこで濃密化された状態で放出されるという特性を持つ発光色材である。具体的には、ペリレン系・ナフタルイミド系の染料などが挙げられる。用いる発光色材は、1種であっても、2種以上を併用してもよい。複数種用いる場合は、発光の励起波長や発光波長が重複するものであっても、異なるものであってもよい。
発光色材の粒径としては、熱可塑性合成樹脂中に良好に含有でき、溶融紡糸可能な程度であればよいが、上記したクロミック色材と同様の理由で、最大径は100μm以下が好ましく、より好ましくは50μm以下が好ましく、下限は、取り扱い性から、0.01μmがよい。また、熱可塑性合成樹脂との混練性や分散性、耐熱性を調整するための加工や表面処理(例えば、コーティング、マイクロカプセル化、プラズマ処理、マスターバッチ化)などを施してもよい。
熱可塑性合成樹脂中に含ませる発光色材の比率は、材料の比重や相性、含ませる際の混練方法、発光色材の粒径によって適宜設計すればよいが、熱可塑性合成樹脂100質量部に対して構造色発現色材は0.001〜30質量部がよい。
本考案の造形材料を構成する熱可塑性合成樹脂は、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。なかでも、力学特性の調整の容易さや汎用性の高さから、ポリエステル系樹脂を好適に使用できる。
ポリエステル系樹脂のなかでも、ポリ乳酸は、反りが発生しにくいために好ましく、D体含有量が低いポリL乳酸は、黄色味が帯びにくいため、さらに好ましい。黄色味を帯びにくくするためには、D体含有量が1.5モル%未満であることが好ましい。
また、融点が130〜200℃程度のポリエステル共重合体を好ましく用いることができる。造形時に、3Dプリンターは熱可塑性合成樹脂の融点以上の温度に設定する必要があるが、造形材料を構成する熱可塑性合成樹脂の融点の上限を200℃以下とすることにより、3Dプリンターの設定温度を極めて高温状態にする必要がないため好ましい。融点が130〜200℃程度のポリエステル共重合体としては、本出願人が提案している特願2018−527633号に記載されているポリエステル共重合体を好ましく用いることができる。このポリエステル共重合体は、酸成分としてテレフタル酸を含み、ジオール成分としてエチレングリコール及び1,4−ブタンジオールを含むポリエステル共重合体であり、好ましい融点が130〜200℃であり、また、ガラス転移温度は50℃以下、結晶化温度は120℃以下である。このため、得られる造形物をガラス転移温度以上に加温すると、容易に形状変更が可能となる。
したがって、造形材料を構成する熱可塑性合成樹脂として、このポリエステル共重合体を用い、ポリエステル共重合体に、サーモクロミック色材と発光色材を含ませて、ポリエステル共重合体の形状変更可能な温度とサーモクロミック色材の変色温度を揃えると、色や光沢の変化に加えて形状や剛性の変化も起こり、意匠性が大きく向上する。したがって、造形材料を構成する熱可塑性合成樹脂として、このポリエステル共重合体を用いれば、得られる造形物は、クロミック色材としてサーモクロミック色材を含む場合、加温・柔軟化させて形状変更した際に、形状の曲率や端面の向きが変化することで色調や光沢などが変化するため、単なる形状変更では得られない外観変化が起こり、意匠性がより向上したものとなり好ましい。
なお、このポリエステル共重合体には、本考案の目的を損なわない範囲で他のモノマー成分を含んでもよく、例えばジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサングリコール、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸、ε−カプロラクトンなどが挙げられ、これらの成分を適宜用いることにより、結晶性、剛性、温度特性などの性状を調整することが可能である。
造形材料を構成する熱可塑性合成樹脂は、2種以上の合成樹脂からなるポリマーブレンド物であってもよい。また、熱可塑性合成樹脂中には、クロミック色材と発光色材以外に、本考案の目的を阻害しない範囲において、染料、顔料、蛍光色素、蓄光顔料、相溶化剤、展着剤、滑剤、充填剤、酸化防止剤、光吸収剤、安定剤、難燃剤、pH調整剤、抗菌剤、防腐剤、保存料、香料、可塑剤、粘度調整剤、透明化剤、帯電防止剤、結晶核剤等の添加剤が含まれてもよい。ただし、クロミック色材および発光色材の発色をより効果的に強く発現させるためには、熱可塑性合成樹脂の透明性が高いことが好ましい。よって、目的に応じた透明性や発色が得られるようにポリマーブレンドや添加剤処方を決定するとよい。例えば、造形材料に使用する熱可塑性合成樹脂がポリ乳酸のような硬くて脆い樹脂であり、かつ色材を比較的多量に添加する場合、得られる造形材料は、製造時や取り扱い時において、屈曲などの負荷がかかった際に、破断や欠損しやすいものとなりやすいため、本考案が目的とする性能を損なわない範囲で、可塑剤、柔軟化剤、低剛性・高靱性のポリマー、熱可塑性エラストマーなどを添加して耐屈曲性や耐衝撃性などを補うことが好ましく、ブレンドした材料の界面での反射が透明性を損ねる場合、相溶化剤などで界面の親和性を高めて透明性を向上させてもよい。
造形材料を構成する線状体は、単相の形態であっても、また、芯鞘型やサイドバイサイド型など、複数の重合体を複合化した複相の形態でもよい。複相の形態の造形材料を得る方法としては、複合ノズルを用いて溶融押出する方法、コーティングにより複相とする方法、複数本の線状体を圧着・接着・溶着などの方法で一体化する方法などがあげられる。
造形材料が複相の形態の場合、クロミック色材や発光色材を含む熱可塑性合成樹脂は複数の相のうち少なくともいずれか1相に配されればよく、また、クロミック色材と発光色材とをそれぞれ異なる相に配しても、同じ相に配してもよい。構造色発現色材からなる相の体積比率の総計が30%以上であれば、付加製造後に十分に機能を発揮しうるため好ましく、より好ましくは50%以上である。
また、単相または複相の線状体の最外層にクロミック色材や発光色材を担持させて、造形材料としてもよい。担持させる方法としては、熱接着、化学接着、化学結合、圧着、密着、ディッピング、吸尽などがあげられる。
本考案の造形材料は、主として熱可塑性合成樹脂からなる原料を溶融して、これを紡糸ノズルから押し出すことによって連続した線状体のものを得ることができる。例えば、原料を溶融紡糸法によって紡糸した後、延伸して熱可塑性合成樹脂を結晶化させて線状体を得る、あるいは紡糸した後に未延伸の状態で線状体を得る。未延伸で採取した線状体を事後の熱処理で結晶化させてもよい。
3Dプリンターによる造形材料として、種々の機能や質感等の種々のバリエーションを有することが期待される中、本考案における種々のクロミック性や発光性による外観変化が発揮される造形材料によれば、新たなバリエーションを有する造形物を得ることが可能となる。本発明の造形材料により得られる造形物をインテリア、装飾品やアート作品などに使用する場合の意匠性が増し、付加価値の高いものとなる。
本考案について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、以下の実施例、比較例において、3Dプリンターによる造形性試験に際しては、XYZprinting社製の3Dプリンター「DavinciPro」を用いて造形物を作成した。
実施例1
ポリエステル系共重合体チップ(テレフタル酸50モル%、エチレングリコール25モル%、1,4−ブタンジオール25モル%からなる共重合ポリエステル、比重1.38、融点180℃)100質量部に、展着剤(松村石油社製 商品名「モレスコホワイトP−350P」)を0.1質量部、クロミック色材(松井色素化学工業所社製 商品名「クロミカラーPPConc BWグレード #37 G−0」)1重量部、集光性蛍光色材(BASF社製 商品名「Lumogen F Yellow 170」)を0.01質量部添加したものを用いて、エクストルーダー型紡糸機にて、紡糸温度200℃で溶融紡糸し、未延伸にて、ストランド状物を得た。この未延伸のストランド状物は、20℃環境で観察すると全体に半透明の黄緑色であり、紫外線照射下で黄緑色の発光が見られた。また切断した端面では若干の集光性発光が見られた。これを50℃環境におくと半透明の橙色に変色し、紫外線発光や端面の集光性発光もやや強くなった。
ポリエステル系共重合体チップ(テレフタル酸50モル%、エチレングリコール25モル%、1,4−ブタンジオール25モル%からなる共重合ポリエステル、比重1.38、融点180℃)100質量部に、展着剤(松村石油社製 商品名「モレスコホワイトP−350P」)を0.1質量部、クロミック色材(松井色素化学工業所社製 商品名「クロミカラーPPConc BWグレード #37 G−0」)1重量部、集光性蛍光色材(BASF社製 商品名「Lumogen F Yellow 170」)を0.01質量部添加したものを用いて、エクストルーダー型紡糸機にて、紡糸温度200℃で溶融紡糸し、未延伸にて、ストランド状物を得た。この未延伸のストランド状物は、20℃環境で観察すると全体に半透明の黄緑色であり、紫外線照射下で黄緑色の発光が見られた。また切断した端面では若干の集光性発光が見られた。これを50℃環境におくと半透明の橙色に変色し、紫外線発光や端面の集光性発光もやや強くなった。
次いで、該ストランド状物を熱風乾燥機に導入し、無荷重の状態で75℃にて60分間の熱処理を行い、空冷して、直径1.75mmの円形断面の連続した線状体である造形材料を得た。得られた造形材料は、熱処理による結晶化によって白濁化してマット調となっており、20℃環境で観察すると全体にマットな黄緑色であり、黄緑色の紫外線発光が少々見られた。切断した端面での発光はほとんど見られなかった。これを50℃環境におくと、マットな橙色に変色し、紫外線発光は橙色に変化した。切断した端面の発光は見られなかった。また20℃環境に戻すと徐々に元のマットな黄緑色に戻った。得られた造形材料を、3Dプリンターにより造形試験(造形温度200℃)を行ったところ、良好に造形可能で所望の形状の半透明の黄緑色の造形物が得られた。造形物において、再溶融加工によってベース樹脂が非晶化されて半透明化したことで紫外線発光や集光性発光が造形材料よりも強く発するものとなり、20℃では黄緑色、50℃では橙色の紫外線発光や集光性発光が見られた。
実施例2
実施例1と同じ構成の原料を用いて、エクストルーダー型紡糸機にて、紡糸温度200℃で溶融紡糸し、温浴延伸して、直径1.75mmの円形断面の連続した線状体である造形材料を得た。造形材料は、20℃環境で観察すると全体に半透明な黄緑色であり、黄緑色の紫外線発光が見られた。切断した端面で若干の発光色が見られた。これを50℃環境におくと橙色に変色し、紫外線発光は橙色に変化し、切断した端面の発光も強くなった。また20℃環境に戻すと徐々に元の黄緑色に戻った。
実施例1と同じ構成の原料を用いて、エクストルーダー型紡糸機にて、紡糸温度200℃で溶融紡糸し、温浴延伸して、直径1.75mmの円形断面の連続した線状体である造形材料を得た。造形材料は、20℃環境で観察すると全体に半透明な黄緑色であり、黄緑色の紫外線発光が見られた。切断した端面で若干の発光色が見られた。これを50℃環境におくと橙色に変色し、紫外線発光は橙色に変化し、切断した端面の発光も強くなった。また20℃環境に戻すと徐々に元の黄緑色に戻った。
得られた造形材料を、3Dプリンターにより造形試験(造形温度200℃)を行ったところ、良好に造形可能で所望の形状の半透明の黄緑色の造形物が得られた。造形物においても紫外線発光や集光性発光が見られ、20℃では黄緑色の、50℃では橙色の紫外線発光や集光性発光が見られた。
比較例1
ポリ乳酸樹脂(比重1.24、融点165℃)のみを用いて、実施例1と同様にして、エクストルーダー型紡糸機にて溶融紡糸し、延伸せずに、直径1.75mmの無色の造形材料を得た。得られた造形材料を、実施例1と同様に3Dプリンターにて造形試験を行ったところ、問題なく造形できるものの、一般的な市販のPLAフィラメントと同様の外観で、特に意匠性は見られなかった。
ポリ乳酸樹脂(比重1.24、融点165℃)のみを用いて、実施例1と同様にして、エクストルーダー型紡糸機にて溶融紡糸し、延伸せずに、直径1.75mmの無色の造形材料を得た。得られた造形材料を、実施例1と同様に3Dプリンターにて造形試験を行ったところ、問題なく造形できるものの、一般的な市販のPLAフィラメントと同様の外観で、特に意匠性は見られなかった。
1:造形材料
2:リール
2:リール
Claims (4)
- 直径0.5〜10mmの線状体であって、該線状体は、付加製造装置に適用して所望の造形物を得るための造形材料であり、該線状体は熱可塑性合成樹脂によって構成され、該造形材料がクロミック性と発光性を有することを特徴とする造形材料。
- 直径0.5〜10mmの線状体であって、該線状体は、付加製造装置に適用して所望の造形物を得るための造形材料であり、該線状体は熱可塑性合成樹脂によって構成され、熱可塑性樹脂がクロミック色材および発光色材を含むことを特徴とする造形材料。
- 熱可塑性合成樹脂が、ポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の造形材料。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の造形材料を用いて得られる造形物が、クロミック性と発光性を有することを特徴とする造形物。
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