JP3222705B2 - 不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法

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JP3222705B2
JP3222705B2 JP29436394A JP29436394A JP3222705B2 JP 3222705 B2 JP3222705 B2 JP 3222705B2 JP 29436394 A JP29436394 A JP 29436394A JP 29436394 A JP29436394 A JP 29436394A JP 3222705 B2 JP3222705 B2 JP 3222705B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、データの電気的な書き
換えができ、かつ、データを半永久的に保持できる不揮
発性半導体記憶装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、浮遊ゲート電極と制御ゲート電極
を有する二重ゲート構造のMOSトランジスタを用いた
不揮発性半導体記憶装置が良く知られている。そこで、
従来の不揮発性半導体記憶装置について、図24〜図3
3を参照しながら説明する。
【0003】図24及び図25は、従来の不揮発性半導
体記憶装置の第1構造を示している。この不揮発性半導
体記憶装置は、最も広く使用されているタイプである。
図24は、不揮発性半導体記憶装置のメモリセルを示す
平面図、図25は、図24のXXVーXXV線に沿う断
面図である。
【0004】このメモリセルは、互いに直列接続された
データ記憶用MOSトランジスタMTと選択用MOSト
ランジスタSTにより構成されている。選択用MOSト
ランジスタSTのソース領域及びデータ記憶用MOSト
ランジスタMTのドレイン領域は、P型半導体基板10
の表面領域のN型領域12,13により構成されてい
る。
【0005】N型領域13上の一部には、10nm程度
の極く薄いシリコン酸化膜17が形成されている。浮遊
ゲート電極19及び制御ゲート電極20は、データ記憶
用MOSトランジスタMTのチャネル領域22上及びシ
リコン酸化膜17上に形成されている。浮遊ゲート電極
19及び制御ゲート電極20は、例えば多結晶シリコン
から構成される。
【0006】浮遊ゲート電極19直下のシリコン酸化膜
17が形成されていない部分及び選択用MOSトランジ
スタSTのゲート電極18直下には、シリコン酸化膜1
7の膜厚の数倍程度の膜厚(数10nm)を有するシリ
コン酸化膜23,16が形成されている。
【0007】N型領域11,12´は、選択用MOSト
ランジスタSTのドレイン領域となり、N型領域14,
15は、データ記憶用MOSトランジスタMTのソース
領域となる。
【0008】このような構成のメモリセルにおいて、デ
ータの消去は、データ記憶用MOSトランジスタMTの
制御ゲート電極20に高電位を与えることにより行う。
即ち、制御ゲート電極20に高電位を与えると、ファウ
ラ・ノルドハイムのトンネル効果により、電子がN型領
域(ドレイン領域)13からシリコン酸化膜17を通過
して浮遊ゲート電極19へ移動する。
【0009】また、データの書き込みは、選択用MOS
トランジスタSTのN型領域(ドレイン領域)11及び
ゲート電極18に高電位を与え、かつ、データ記憶用M
OSトランジスタMTの制御ゲート電極20に0Vを与
えることにより行う。その結果、データ記憶用MOSト
ランジスタMTのN型領域(ドレイン領域)12,13
が高電位になるため、トンネル効果により、電子が浮遊
ゲート電極19からシリコン酸化膜17を通過してドレ
イン領域へ移動する。
【0010】次に、上記メモリセルのソース領域及びド
レイン領域について検討する。データ記憶用MOSトラ
ンジスタMTのN型領域(ドレイン領域)13は、浮遊
ゲート電極19を形成する前に、浮遊ゲート電極19の
直下に形成される。一方、データ記憶用MOSトランジ
スタMTのN型領域(ソース領域)15は、浮遊ゲート
電極19及び制御ゲート電極20をマスクとしてN型不
純物を基板10へ注入することにより自己整合的に形成
される。
【0011】しかし、ソース領域がN型領域15のみで
あると、データ記憶用MOSトランジスタMTのチャネ
ル長は、N型領域13とN型領域15との距離となる。
従って、データ記憶用MOSトランジスタMTのチャネ
ル長は、N型領域13を形成するのためのマスクと、N
型領域15を形成する時のマスクとなる多結晶シリコン
を形成するためのマスクとの合わせずれにより変化す
る。
【0012】従って、データ記憶用MOSトランジスタ
MTのチャネル長が変化すると、メモリセルの特性も変
化するため、ソース領域のみを自己整合的に形成する方
法は好ましくない。
【0013】そこで、通常、浮遊ゲート電極19を形成
する前に、図24の一点鎖線で囲まれた領域DにN型不
純物を注入して、N型領域13とN型領域14を同時に
形成する方法が採用される。
【0014】この方法によれば、データ記憶用MOSト
ランジスタMTのチャネル長は、N型領域13とN型領
域14との距離となる。また、N型領域13,14は、
同一マスクで形成されるため、データ記憶用MOSトラ
ンジスタMTのチャネル長は、常に一定である。従っ
て、マスクの合わせずれによるデータ記憶用MOSトラ
ンジスタMTのチャネル長のバラツキはなくなる。
【0015】しかし、この場合、N型領域14を確実に
浮遊ゲート電極19の直下に形成するため、浮遊ゲート
電極19を形成するのためのマスクの合わせずれ分と、
N型領域13,14を形成するのためのマスクの合わせ
ずれ分だけ、データ記憶用MOSトランジスタMTのチ
ャネル長方向に浮遊ゲート電極19を長くしなければな
らない欠点がある。
【0016】次に、N型領域13と浮遊ゲート電極19
の間の10nm程度の薄いシリコン酸化膜17について
検討する。シリコン酸化膜17は、図24に示す領域F
に開口を有するマスクを用いて膜厚が数10nmの厚い
シリコン酸化膜16,23を除去した後、熱酸化を行う
ことにより形成される。
【0017】しかし、この薄いシリコン酸化膜17は、
N型領域13上、かつ、浮遊ゲート電極19の直下に形
成しなければならない。従って、浮遊ゲート電極19を
形成するためのマスクと領域Fに開口を形成するための
マスクとの合わせずれ分、及び、領域Fに開口を形成す
るためのマスクとN型領域13を形成するのためのマス
クとの合わせずれ分だけ、浮遊ゲート電極19をチャネ
ル方向に長くしなければならない欠点がある。
【0018】以上をまとめると、メモリセルのデータ記
憶用MOSトランジスタMTのチャネル長方向の最小の
大きさは、図26に示すような値に決定される。即ち、
データ記憶用MOSトランジスタMTのチャネル長方向
の最小の大きさは、 ・ 浮遊ゲート電極19及び制御ゲート電極20を形成
するためのマスクと、シリコン酸化膜17を形成する領
域Fに開口を形成するためのマスクとの合わせずれ分
(aで示す)、 ・ シリコン酸化膜17を形成する領域Fの長さ(bで
示す)、 ・ シリコン酸化膜17を形成する領域Fに開口を形成
するためのマスクと、N型領域13を形成するためのマ
スクとの合わせずれ分(cで示す)、 ・ データ記憶用MOSトランジスタMTのチャネル長
(dで示す)、 ・ N型領域14を形成するためのマスクと、浮遊ゲー
ト19及び制御ゲート20を形成するためのマスクとの
合わせずれ分(eで示す) の和で決定される。
【0019】このように、図24及び図25に示される
構造のメモリセルは、自己整合的な構造を有する通常の
MOSトランジスタと比較し、多くの合わせずれを考慮
する必要があり、メモリセルが大きくなる欠点がある。
【0020】次に、データ記憶用MOSトランジスタM
Tのゲート酸化膜の厚さについて検討する。選択用MO
SトランジスタSTのゲート酸化膜は、書き込み動作又
は消去動作時の高電圧に耐えるため、通常の電源電圧
(例えば5V)のみが与えられるMOSトランジスタの
ゲート酸化膜の厚さの数倍の厚さを有している。
【0021】データ記憶用MOSトランジスタMTのゲ
ート酸化膜は、選択用MOSトランジスタSTのゲート
酸化膜と同時に形成される。このため、データ記憶用M
OSトランジスタMTのゲート酸化膜の厚さは、選択用
MOSトランジスタSTのゲート酸化膜の厚さと同じに
なる。
【0022】データ記憶用MOSトランジスタMTを縮
小化するためには、そのゲート酸化膜の厚さをできるだ
け薄くする必要がある。しかし、データ記憶用MOSト
ランジスタMTのゲート酸化膜の厚さは、上述のよう
に、選択用MOSトランジスタSTのゲート酸化膜の厚
さと同じ、即ち通常のMOSトランジスタのゲート酸化
膜の厚さの数倍を有している。このため、データ記憶用
MOSトランジスタMTのチャネル長は、通常のMOS
トランジスタのチャネル長に比べて大きくなる。
【0023】以上のように、図24及び図25に示され
るメモリセルの場合、多くの合わせずれを考慮し、か
つ、大きなチャネル長が必要となるため、セル面積は大
きくならざるを得ない。
【0024】また、ドレイン領域に高電位を与えたとき
の浮遊ゲートの電位は、ドレイン領域と浮遊ゲートとの
間の容量結合により決定される。しかし、上記構造を有
するメモリセルの場合、N型領域13を形成するための
マスクと浮遊ゲート電極19を形成するためのマスクと
の合わせずれに応じて、データ記憶用MOSトランジス
タMTのドレイン領域と浮遊ゲートとの間の容量結合が
変動する。この容量結合の変動は、浮遊ゲート電極から
ドレイン領域への電子の放出量の変動となってあらわれ
る。
【0025】従って、電子の放出後のデータ記憶用MO
SトランジスタMTのしきい値電圧がばらつく欠点があ
る。図27及び図28は、従来の不揮発性半導体記憶装
置の第2構造を示している。図27は、従来の不揮発性
半導体記憶装置を示す平面図、図28は、図27のXX
VIII−XXVIII線に沿う断面図である。
【0026】この従来例は、特開昭63−84168に
開示される“不揮発性半導体記憶装置”を引用したもの
である。この従来例では、図24及び図25の従来例の
問題点、即ちマスクの合わせずれによるメモリセルの書
き込み特性のばらつきを抑えることができる。
【0027】このメモリセルは、図24及び図25の従
来例と同様に、互いに直列接続されたデータ記憶用MO
SトランジスタMTと選択用MOSトランジスタSTに
より構成される。
【0028】データ記憶用MOSトランジスタMTのチ
ャネル領域39上には、膜厚が例えば数10nm程度の
ゲート絶縁膜37を介して浮遊ゲート電極の第1部分4
0Bが設けられている。
【0029】データ記憶用MOSトランジスタMTのド
レイン領域33上の一部には、ゲート絶縁膜37よりも
十分に薄くされた10nm程度のゲート絶縁膜36が形
成されている。ゲート絶縁膜36上には、浮遊ゲート電
極の第2部分40Aが設けられている。
【0030】浮遊ゲート電極の第1部分40Bと第2部
分40Aは、互いに離れた位置に形成されているが、フ
ィールド領域上で互いに電気的に接続されている。浮遊
ゲート電極の第1部分40Bと第2部分40A上には、
絶縁膜42及び制御ゲート電極44が設けられている。
制御ゲート電極44の形状は、浮遊ゲート電極の形状と
等しいのが好ましい。
【0031】選択用MOSトランジスタSTのソース領
域及びデータ記憶用MOSトランジスタMTのドレイン
領域は、P型半導体基板30上に連続して形成されたN
型領域32,33,34により構成されている。N型領
域31,32´は、選択用MOSトランジスタSTのド
レイン領域となり、N型領域35は、データ記憶用MO
SトランジスタMTのソース領域となる。
【0032】上記メモリセルにおいても、N型領域33
は、図24及び図25の従来例と同様に、浮遊ゲート電
極及び制御ゲート電極を形成する前に形成される。この
場合、N型領域33は、マスクを用いて、図27の一点
鎖線で囲まれた領域Eの基板30中にN型不純物を注入
することにより形成される。一方、N型領域32´,3
2,34は、選択ゲート電極41,浮遊ゲート電極40
A,40B及び制御ゲート電極44をマスクにして、基
板30中にN型不純物を注入することにより自己整合的
に形成される。また、N型領域31,35は、所定のマ
スクを用いて、基板30中にN型不純物を注入すること
により形成される。
【0033】この従来例では、浮遊ゲート電極40A,
40Bを形成するためのマスクの合わせずれとN型領域
33を形成するためのマスクの合わせずれが生じる。し
かし、この従来例では、このようなマスクの合わせずれ
が発生しても、データ記憶用MOSトランジスタMTの
N型領域(ドレイン領域)32〜34と浮遊ゲート電極
40A,40Bとの間の容量結合のばらつきが生じな
い。
【0034】なぜなら、N型領域32〜34と浮遊ゲー
ト電極40A,40Bとの容量結合は、N型領域(ドレ
イン領域)33と浮遊ゲート電極の第2の部分40Aと
が重り合っている部分の面積で決まり、かつ、この面積
は、マスクの合わせずれにかかわらず一定であるからで
ある。
【0035】従って、この従来例におけるメモリセルで
は、マスクの合わせずれによるメモリセルの書き込み特
性のばらつきが発生しない。また、この従来例では、N
型領域34,35は、浮遊ゲート電極40A,40B及
び制御ゲート電極44をマスクとして、自己整合的に形
成することができる。従って、N型領域34,35を形
成するためのマスクの合わせずれと浮遊ゲート電極40
A,40B及び制御ゲート電極44を形成するためのマ
スクの合わせずれを考慮しなくてよい。
【0036】以上をまとめると、この従来例のメモリセ
ルにおいて、データ記憶用MOSトランジスタMTのチ
ャネル長方向の最小の大きさは、図29で表される。即
ち、データ記憶用MOSトランジスタMTのチャネル長
方向の最小の大きさは、 ・ 浮遊ゲート電極の第2部分40Aの長さ(aで示
す)、 ・ N型領域33を形成するためのマスクと浮遊ゲート
電極40A,40Bを形成するためのマスクとの合わせ
ずれ分(b,cで示す)、 ・ データ記憶用MOSトランジスタMTのチャネル長
(dで示す) の和で決定される。
【0037】但し、浮遊ゲート電極及び制御ゲート電極
(多結晶シリコン)の加工が可能な最小間隔(eで示
す)がb+cよりも大きい場合には、a+d+eの和で
決定される。
【0038】次に、図24及び図25の従来例と図27
及び図28の従来例とを比較する。図26のa,b,
c,dが、それぞれ図29のc,a,b,dとほぼ同程
度の大きさだとすると、図29のデータ記憶用MOSト
ランジスタMTは、図26のeの部分だけ小さくするこ
とができる。従って、図27及び図28の従来例は、図
24及び図25の従来例よりも、メモリセルの寸法を縮
小できる。
【0039】しかし、図27及び図28の従来例におけ
るメモリセルは、データ記憶用MOSトランジスタMT
のゲート酸化膜37の厚さが大きい。このため、データ
記憶用MOSトランジスタMTのチャネル長は、大きく
なってしまい、メモリセルの面積も図24及び図25の
従来例に比べて大幅に縮小することはできない。
【0040】そこで、従来の不揮発性半導体記憶装置の
第3構造が、John R.Yeargain & Clinton.Kuo,“A Hi
gh Density Floating-Gate EEPROM Cell”,IEDM Techn
icalDigest ;Dec., 1981に提案されている。
【0041】図30は、従来の不揮発性半導体記憶装置
のメモリセルの第3構造を示している。図31は、図3
0のXXXI−XXXI線に沿う断面図である。本メモ
リセルは、互いに直列接続されたデータ記憶用MOSト
ランジスタMTと選択用MOSトランジスタSTにより
構成されている。
【0042】選択用MOSトランジスタSTのソース領
域及びデータ記憶用MOSトランジスタMTのドレイン
領域は、P型半導体基板50上に形成されたN型領域5
2により構成されている。データ記憶用MOSトランジ
スタMTのチャネル領域57上の全体には、10nm程
度の薄いシリコン酸化膜54が形成される。この薄いシ
リコン酸化膜54上には、多結晶シリコンで構成された
浮遊ゲート電極58が形成されている。浮遊ゲート電極
58上には、絶縁膜60及び制御ゲート電極61が形成
されている。
【0043】選択用MOSトランジスタSTのゲート電
極59の直下には、シリコン酸化膜54よりも十分に厚
い絶縁膜、例えば数10nm程度の膜厚のシリコン酸化
膜55が形成されている。
【0044】N型領域51,52´は、選択用MOSト
ランジスタSTのドレイン領域となり、N型領域53
は、データ記憶用MOSトランジスタMTのソース領域
となる。
【0045】このような構造のメモリセルにおいて、デ
ータの消去は、データ記憶用MOSトランジスタMTの
制御ゲート電極61に高電位を与えることにより行う。
データ記憶用MOSトランジスタMTの制御ゲート電極
61に高電位を与えると、ファウラ・ノルドハイムのト
ンネル効果により、電子が、N型領域(ドレイン領域)
52、チャネル領域57及びN型領域(ソース領域)5
3からシリコン酸化膜54を通過して浮遊ゲート58へ
移動する。
【0046】また、データの書き込みは、選択用MOS
トランジスタSTのN型領域(ドレイン領域)51及び
ゲート電極59に高電位を与え、データ記憶用MOSト
ランジスタMTの制御ゲート電極61に0Vを与えるこ
とにより行う。その結果、データ記憶用MOSトランジ
スタMTのN型領域(ドレイン領域)52が高電位にな
るため、トンネル効果により、電子が、浮遊ゲート電極
58からシリコン酸化膜54を通過してN型領域(ドレ
イン領域)52に移動する。
【0047】上記メモリセルの構造では、N型領域52
´,52,53は、それぞれ選択用MOSトランジスタ
STのゲート電極59、データ記憶用MOSトランジス
タMTの浮遊ゲート電極58及び制御ゲート電極61を
マスクとして、自己整合的に形成される。
【0048】また、薄いシリコン酸化膜54は、データ
記憶用MOSトランジスタMTのチャネル領域上の全体
に形成される。従って、図24及び図25の従来例や図
27及び図28の従来例のように、N型領域52´,5
2,53を形成するためのマスクと浮遊ゲート電極を形
成するためのマスクとの合わせずれや、シリコン酸化膜
を形成する領域を指定するためのマスクと浮遊ゲート電
極を形成するためのマスクとの合わせずれを考える必要
がない。
【0049】また、データ記憶用MOSトランジスタM
Tのゲート酸化膜の厚さが、10nm程度と非常に薄い
ため、チャネル長を非常に小さくすることができる。以
上の理由により、本メモリセルのセル面積は、図24及
び図25の従来例や図27及び図28の従来例に比べ
て、非常に小さくなる。
【0050】ところで、薄い酸化膜を有するMOSデバ
イスでは、バンド間トンネリング(Band-to-Band Tunne
ling )によるブレイクダウン現象が知られている。こ
の現象については、R.Shirota,T.Endoh,M.Momodcmi,R.N
akayama,S.Inoue,R.Kirisawa&F.Masuoka,“An Accurat
e Mcdel of SubbreaKdown due to Band-to-Band Tunnel
ing and its Application ”,IEDM,1988に詳細に述べ
られている。
【0051】この現象について簡単に説明する。例え
ば、NチャネルMOSトランジスタにおいて、ソースま
たはドレインにゲート電圧よりも高い電圧を印加する
と、ゲート電極とオーバラップしているソース又はドレ
インの表面領域の空乏層が広がる。また、バレンスバン
ドからコンダクションバンドへ電子がトンネルする現
象、いわゆるバンド間トンネル現象が起こり、この表面
領域において電子・正孔がそれぞれ生成される。そし
て、電子がドレインに移動し、正孔が基板に移動するた
め、基板電流が生じる。
【0052】図30及び図31の従来例では、データ記
憶用MOSトランジスタMTのチャネル領域上の全体に
薄い酸化膜54が形成されている。このため、図32に
示すように、書き込み動作時、データ記憶用MOSトラ
ンジスタMTのN型領域(ドレイン領域)52に高電位
を与えると、浮遊ゲート電極58とオーバラップしたN
型領域(ドレイン領域)52の表面領域の空乏層が広が
り、バンド間トンネルによって基板電流Is が流れる。
【0053】一方、図24及び図25の従来例では、図
33に示すように、データ記憶用MOSトランジスタM
Tのゲート酸化膜23の厚さが数10nm程度と大き
く、データ記憶用MOSトランジスタMTのN型領域
(ドレイン領域)13の端部は、この厚いゲート酸化膜
23下にある。
【0054】従って、N型領域(ドレイン領域)13の
端部の表面領域の空乏層は、あまり広がらない。つま
り、この表面領域の空乏層が電位障壁となるため、N型
領域13の端部の表面領域で発生した正孔は基板へ移動
することなく、バンド間トンネルによる基板電流も流れ
ない。
【0055】図27及び図28の従来例においても、同
様の理由により、基板電流が発生しない。データの書き
込み及び消去を電気的に行う不揮発性半導体記憶装置で
は、書き込み動作及び消去動作に必要な高電位をLSI
内部の昇圧回路によって発生させる場合がある。
【0056】しかし、図30及び図31の従来例では、
上述のように、書き込み動作時に大きな基板電流が発生
するため、LSI内部の昇圧回路によって高電位(書き
込み電流)を供給することは困難である。特に、多数の
メモリセルに同時にデータを書き込むページ書き換え動
作時には、データの書き込みが十分に行われない場合が
ある。
【0057】また、書き込み動作時の基板電流は、LS
Iの消費電力を増加させる。従って、電池駆動のLSI
などの低消費電力が要求されるLSIの場合には、基板
電流の発生は、好ましくない。つまり、図30及び図3
1の従来例では、セル面積を非常に小さくできるが、書
き込み動作時にバンド間トンネリングによる基板電流が
流れるため、LSI内部で高電位を作れない、低消費電
力動作が不可能であるという欠点がある。
【0058】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の不
揮発性半導体記憶装置では、データ書き込み動作時の消
費電流を小さくするように構成すると、メモリセルの面
積が大きくなる欠点があり、逆に、メモリセルの面積を
非常に小さくするように構成すると、データ書き込み時
の消費電流が大きくなってしまうという欠点がある。
【0059】本発明は、上記欠点を解決すべくなされた
もので、その目的は、メモリセルの面積が小さく、デー
タの書き込み時の消費電流が小さい不揮発性半導体記憶
装置を提供し、メモリセルの高集積化、LSI内部での
昇圧動作及び低消費電力動作を可能にすることである。
【0060】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の不揮発性半導体記憶装置は、素子領域とフ
ィールド領域を有する半導体基板と、前記素子領域に形
成される選択用MOSトランジスタと、前記素子領域に
形成されるデータ記憶用MOSトランジスタとから構成
される。
【0061】前記データ記憶用MOSトランジスタは、
ソース領域、ドレイン領域、浮遊ゲート電極及び制御ゲ
ート電極を有する。前記浮遊ゲート電極は、前記ドレイ
ン領域上の第1部分と前記ソース領域及び前記ドレイン
領域間の前記半導体基板上の第2部分とから構成され
る。前記ドレイン領域と前記第1部分の間及び前記半導
体基板と前記第2部分との間には、それぞれ前記選択用
MOSトランジスタのゲート絶縁膜の厚さよりも薄い絶
縁膜のみが配置される。前記素子領域上において前記第
1部分と前記第2部分は、互いに離れている。前記フィ
ールド領域において前記第1部分と前記第2部分は、互
いに結合されている。
【0062】前記データ記憶用MOSトランジスタのド
レイン領域は、前記第1部分の直下を含む領域に配置さ
れる第1領域と、一端が前記第2部分側に配置され、他
端が前記第1領域の一端に結合される第2領域とを含ん
でいる。
【0063】前記第1領域の一端上は、前記第1部分と
前記第2部分の間の空間となっており、前記第2領域の
不純物濃度は、前記第1領域の不純物濃度よりも数分の
1以上低く設定されている。
【0064】前記第1領域は、拡散係数の異なる2種類
以上の不純物から構成され、前記2種類以上の不純物の
うち拡散係数の小さな不純物は、前記データ記憶用MO
Sトランジスタのドレイン領域の表面部の不純物濃度を
決定し、前記2種類以上の不純物のうち拡散係数の大き
な不純物は、前記フィールド領域の直下まで達してい
る。
【0065】本発明の不揮発性半導体記憶装置の製造方
法は、以下の工程を含んでいる。まず、第1導電型の半
導体基板の素子領域に第1絶縁膜を形成し、前記素子領
域に第2導電型の不純物を注入して第1領域を形成す
る。
【0066】次に、前記第1領域上及び前記第1領域に
隣接する領域上の前記第1絶縁膜を除去し、前記素子領
域において露出した前記半導体基板上に、前記第1絶縁
膜の膜厚よりも薄い膜厚を有する第2絶縁膜を形成す
る。
【0067】次に、前記半導体基板上の全体に第1導電
膜を形成し、前記第1導電膜の所定位置ににスリット状
のホールを形成し、前記半導体基板上の全体に第3絶縁
膜を形成し、前記第3絶縁膜上に第2導電膜を形成す
る。
【0068】次に、前記第2導電膜、前記第3絶縁膜、
前記第1導電膜、前記第2絶縁膜及び前記第1絶縁膜を
順次エッチングし、その結果、前記選択用MOSトラン
ジスタのゲート電極並びに前記データ記憶用MOSトラ
ンジスタの制御ゲート電極及び浮遊ゲート電極を形成す
る。前記制御ゲート電極及び前記浮遊ゲート電極は、前
記素子領域上において第1部分と第2部分を有し、前記
第1部分は、前記第1領域上に配置され、前記第1部分
と前記第2部分は、素子領域上において互いに離れ、フ
ィールド領域上において互いに結合される。
【0069】次に、前記選択用MOSトランジスタのゲ
ート電極並びに前記データ記憶用MOSトランジスタの
制御ゲート電極及び浮遊ゲート電極をマスクにして、前
記素子領域に第2導電型の不純物を注入し、その結果、
前記第1部分と前記第2部分の間の前記素子領域に第2
領域を形成し、前記第1部分と前記選択用MOSトラン
ジスタのゲート電極の間の前記素子領域に第3領域を形
成する。
【0070】
【作用】上記構成によれば、浮遊ゲート電極の第1部分
の直下及び第2部分の直下には、選択用MOSトランジ
スタのゲート絶縁膜よりも十分に薄い絶縁膜が形成され
ている。
【0071】これにより、データ記憶用MOSトランジ
スタのチャネル長を縮小させることができる。また、浮
遊ゲート電極の第1部分と第2部分は離れて形成されて
いるため、データ記憶用MOSトランジスタのチャネル
長を決める不純物領域を自己整合的に形成することがで
きる。従って、メモリセルの縮小化を図ることができ
る。
【0072】また、データ記憶用MOSトランジスタの
ドレイン領域は、浮遊ゲート電極の第1部分の直下に形
成される第1領域と、この第1領域と浮遊ゲート電極の
第2部分との間に形成される第2領域とを含んでいる。
しかも、第2領域の不純物濃度は、第1領域の不純物濃
度よりも数分の1以上低い。
【0073】従って、データ書き込み時に、データ記憶
用MOSトランジスタのチャネル長方向のドレイン領域
の一端での基板電流を防止でき;る。つまり、書き込み
電流のみを流すことができるため、消費電流を低くでき
る。
【0074】また、第1領域は、拡散係数の異なる2種
類以上の不純物から構成され、拡散係数の小さな不純物
は、ドレイン領域の表面部の不純物濃度を決定し、拡散
係数の大きな不純物は、フィールド領域の直下まで達し
ている。
【0075】従って、データ書き込み時に、データ記憶
用MOSトランジスタのチャネル幅方向のドレイン領域
の端部での基板電流を防止できる。つまり、書き込み電
流のみを流すことができるため、消費電流を低くでき
る。以上より、メモリセル面積の縮小、データ書き込み
時の消費電流をの低減が達成でき、LSIの内部で昇圧
動作が行え、低消費電力で動作が可能になる。
【0076】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の不揮発
性半導体記憶装置について詳細に説明する。図1〜図3
は、本発明の不揮発性半導体記憶装置の主要部を示して
いる。図1は、本発明の不揮発性半導体記憶装置に使用
されるメモリセルの構造を示す平面図、図2は、図1の
II−II線に沿う断面図、図3は、図1のIII−I
II線に沿う断面図である。
【0077】メモリセルは、互いに直列接続された選択
用MOSトランジスタSTと浮遊ゲート電極及び制御ゲ
ート電極を有するデータ記憶用MOSトランジスタMT
により構成されている。
【0078】60は、例えばP型のシリコン半導体基板
である。基板60の表面領域は、SDG領域(ソース、
ドレイン、ゲート領域)とフィールド領域とから構成さ
れている。基板60のSDG領域には、N型領域61,
62´,62,63,64,65及びチャネル領域6
9,70がそれぞれ形成されている。
【0079】基板60のフィールド領域上には、極めて
膜厚が厚いシリコン酸化膜76が形成されている。N型
領域61,62´は、選択用MOSトランジスタSTの
ドレイン領域を構成している。N型領域62,63,6
4は、選択用MOSトランジスタSTのソース領域及び
記憶用MOSトランジスタMTのドレイン領域を構成し
ている。これらN型領域62,63,64は、一列に連
続して配置されている。N型領域65は、データ記憶用
MOSトランジスタMTのソース領域を構成する。
【0080】まず、N型領域62,63,64の不純物
濃度について説明する。N型領域64の不純物濃度は、
N型領域63の不純物濃度よりも低くなるように設定さ
れている。例えば、N型領域63と64の不純物濃度の
差は、数倍以上に設定する。従って、N型領域63を形
成するための不純物のドーズ量が5×1013cm-2程度
であるとき、N型領域64を形成するための不純物のド
ーズ量は1×1013cm-2程度に設定される。
【0081】N型領域62の不純物濃度は、特定の値又
は範囲に限定されない。即ち、N型領域62の不純物濃
度は、いかなる値であっても、メモリセルは、正常に動
作する。但し、N型領域62とN型領域64の不純物濃
度を同一とすれば、N型領域62とN型領域64を同時
に形成できるため、製造工程の数が削減される利点があ
る。
【0082】次に、薄いシリコン酸化膜66について説
明する。図1の一点鎖線で示す領域AとSDG領域とが
重なった部分の基板60上には、10nm程度の極く薄
いシリコン酸化膜66が形成される。このシリコン酸化
膜66は、N型領域63上の大部分又は全部分、N型領
域64上、及びN型領域64とN型領域65の間の基板
60上(データ記憶用MOSトランジスタMTのチャネ
ル領域70上)に形成されている。
【0083】シリコン酸化膜66は、データの書き込み
時及び消去時に電子の通り道となるとともに、データ記
憶用MOSトランジスタMTのゲート絶縁膜としても機
能する。
【0084】また、シリコン酸化膜66が形成される領
域以外のSDG領域上には、数10nm程度の膜厚のシ
リコン酸化膜68が形成されている。このシリコン酸化
膜68は、選択用MOSトランジスタSTのゲート酸化
膜として機能する。
【0085】N型領域63上及びデータ記憶用MOSト
ランジスタMTのチャネル領域70上には、シリコン酸
化膜66及び浮遊ゲート電極71が形成されている。こ
の浮遊ゲート電極71は、中央部にスリット状の穴を有
する形状に加工されている。
【0086】即ち、SDG領域において、浮遊ゲート電
極71は、第1部分71Aと第2部分71Bとから構成
されている。また、第1部分71Aと第2部分71B
は、フィールド領域上において互いに電気的に接続され
ている。
【0087】以上をまとめると、薄いシリコン酸化膜6
6は、少なくともSDG領域と浮遊ゲート電極の第1及
び第2部分71A,71Bとが重なる領域の基板60上
に形成されていることになる。また、浮遊ゲート電極の
第1部分71Aの直下のシリコン酸化膜66のみがトン
ネル絶縁膜として働き、浮遊ゲート電極の第2部分71
Bの直下のシリコン酸化膜66のみがゲート絶縁膜とし
て働く。
【0088】選択用MOSトランジスタSTのチャネル
領域69上には、数10nm程度の膜厚のシリコン酸化
膜68及び多結晶シリコンから構成されるゲート電極7
2が形成されている。
【0089】浮遊ゲート電極71上には、数10nm程
度の膜厚の絶縁膜74及び多結晶シリコンから構成され
る制御ゲート電極75が形成されている。絶縁膜74
は、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、又はこ
れらの積層膜(ONO膜など)から構成されている。制
御ゲート電極75の形状は、ドレイン、ソースの配列方
向に対して浮遊ゲート電極71の形状とほぼ等しいのが
好ましい。
【0090】選択用MOSトランジスタSTのゲート電
極72上には、絶縁膜74及び多結晶シリコンから構成
されるゲート電極73が形成されている。ゲート電極7
2とゲート電極73は、互いに電気的に接続されてい
る。ゲート電極72は、実質上、選択用MOSトランジ
スタSTのゲート電極として機能する。
【0091】このように、選択用MOSトランジスタS
Tのゲート電極を2層構造にした理由は、データ記憶用
MOSトランジスタMTの浮遊ゲート電極及び制御ゲー
ト電極と、選択用MOSトランジスタSTのゲート電極
を同一の製造工程で同時に形成するためである。選択用
MOSトランジスタSTのゲート電極を2層構造にすれ
ば、製造工程が簡略化される効果がある。但し、選択用
MOSトランジスタSTのゲート電極を単層構造にして
も、メモリセルは、正常に動作する。
【0092】次に、上記構成のメモリセルのデータ記憶
用MOSトランジスタMTのチャネル長方向の大きさに
ついて説明する。データ記憶用MOSトランジスタMT
のチャネル長方向の大きさは、図4に示すように、 ・ 浮遊ゲートの第1部分の長さ(aで示す)、 ・ N型領域63を形成するためのマスクと浮遊ゲート
を形成するためのマスクとの合わせずれ分(b,cで示
す)、 ・ データ記憶用MOSトランジスタMTのチャネル長
(dで示す) の和で決定される。
【0093】但し、浮遊ゲート電極及び制御ゲート電極
(多結晶シリコン)の加工が可能な最小間隔eが、bと
cの和よりも大きい場合には、aとdとeの和で決定さ
れる。
【0094】本発明のメモリセルでは、データ記憶用M
OSトランジスタMTのチャネル長を決めるN型領域6
4及びN型領域65は、浮遊ゲート電極71及び制御ゲ
ート電極75をマスクとして、自己整合的に形成され
る。このため、本発明では、図24及び図25の従来例
の問題点、即ちデータ記憶用MOSトランジスタMTの
N型領域(ソース領域)65を形成するためのマスクと
浮遊ゲート電極71を形成するためのマスクとの合わせ
ずれを考えなくてもよい。従って、メモリセルは、この
マスクの合わせずれ分だけ小さくできる。
【0095】次に、データ記憶用MOSトランジスタM
Tのチャネル長dについて説明する。図24及び図25
の従来例及び図27及び図28の従来例に示すデータ記
憶用MOSトランジスタMTのゲート酸化膜の厚さは、
数10nm程度であるのに対し、図1〜図3のメモリセ
ルのデータ記憶用MOSトランジスタMTのゲート酸化
膜の厚さは、10nm程度である。
【0096】従って、MOSトランジスタの縮小則に従
えば、理想的には、チャネル長を図24及び図25の従
来例及び図27及び図28の従来例の数分の1程度にす
ることができる。つまり、データ記憶用MOSトランジ
スタMTのチャネル長方向の大きさを決定する要素のう
ち最も大きな比率を占めるチャネル長を大幅に縮小でき
るため、メモリセルの面積は、非常に小さくできる。
【0097】次に、データ記憶用MOSトランジスタM
Tのチャネル幅方向の大きさいついて説明する。図24
及び図25の従来例及び図27及び図28の従来例で
は、データ記憶用MOSトランジスタMTのドレイン領
域上の一部に、極めてうすいシリコン酸化膜を形成して
いる。このため、SDG領域の幅は、シリコン酸化膜を
形成するための開口を形成するマスクとSDG領域を形
成するためのマスクとの合わせずれ分だけ、必然的に大
きくなる。
【0098】しかし、本発明では、データ記憶用MOS
トランジスタMTのドレイン上の全体及びチャネル領域
上の全体に極めて薄いシリコン酸化膜を形成している。
このため、SDG領域の幅は、上記マスク合わせ分だけ
小さくできる。
【0099】また、互いに隣接するSDG領域同士の間
隔は、SDG(ソース・ドレイン・ゲート)間の耐圧で
決定される。従って、チャネル幅方向のメモリセルの大
きさをを縮小すれば、互いに隣接するSDG領域同士の
間隔も小さくでき、メモリセルの高集積化に貢献でき
る。
【0100】次に、書き込み動作時の基板電流について
検討する。本発明では、図5に示すように、不純物濃度
の濃いN型領域63のエッジ上は、スリット状の穴、即
ち浮遊ゲート電極71A,71B及び制御ゲート電極7
5が存在しない。
【0101】従って、N型領域63の端部の基板表面に
おいて空乏層があまり広がらないため、この基板表面に
おいて図30及び図31の従来例で述べたようなバンド
間トンネルによる基板電流は流れない。
【0102】一方、N型領域64のエッジ上には、浮遊
ゲート71Bが存在するため、N型領域64の端部の基
板表面では、基板電流が発生する。しかし、N型領域6
4の不純物濃度は、N型領域63の不純物濃度に比べ、
極めて薄い(数分の1以上に薄い)。このため、N型領
域64の端部の基板表面のバンドの曲がりは、緩やかと
なり、バンド間トンネルによる基板電流も極めて小さく
なる。
【0103】また、N型領域63の不純物濃度をできる
だけ濃くすれば、N型領域63の表面の空乏層の広がり
が抑えられ、ドレイン領域と浮遊ゲート電極間の実効電
界が大きくなるので、トンネル効果による書き込み電流
は増大する。従って、データの書き込み又は消去が容易
にできるようになる。
【0104】なお、N型領域63の不純物濃度を濃くし
ても、上述のようにバンド間トンネルによる基板電流は
増大しない。一方、N型領域64の不純物濃度をできる
だけ薄くすれば、バンド間トンネル電流が減少するた
め、消費電力の低減などに貢献できる。書き込み電流
は、N型領域63の不純物濃度に依存しているため、N
型領域64の不純物濃度を薄くしても、書き込み電流が
少なくなることはない。
【0105】このように、書き込み電流は、N型領域6
3の不純物濃度のみに依存し、基板電流は、N型領域6
4の不純物濃度のみに依存するため、N型領域63及び
64の不純物濃度は、個別に最適な値に設定できる。ま
た、N型領域63,64の不純物濃度を最適な値に設定
することによって、書き込み電流の流れ始めるドレイン
電圧を基板電流の流れ始めるドレイン電圧よりも低く設
定することができる。
【0106】次に、データ記憶用MOSトランジスタM
Tのドレイン電圧VDと、書き込み電流IR 及び基板電
流IS との関係について説明する。本発明によれば、N
型領域63,64の不純物濃度を最適な値に設定するこ
とにより、書き込み動作中の基板電流をほとんど流さな
いようにすることも可能である。
【0107】図6及び図7に示すように、ドレイン電圧
VD を上昇させていくと、まず、FNトンネル効果によ
り、書き込み電流IR がドレイン領域63から浮遊ゲー
ト電極71へ流れる。
【0108】このときのドレイン電圧VD では、N型領
域の63,64の不純物濃度の差のため、ほとんど基板
電流Is は流れない。浮遊ゲート電極71の電位は、書
き込み電流IR が流れるに従い、次第に上昇するため、
浮遊ゲート電極71とドレイン領域63の電位差は、次
第に減少する。
【0109】バンド間トンネルによる書き込み電流IR
は、浮遊ゲート電極71とドレイン領域63の電位差が
小さいほど、減少する。従って、浮遊ゲート電極71の
電位VFGが上昇することにより、図7において矢印で示
すように、書き込み電流IRが流れるためのドレイン電
圧VD も上昇する。しかし、同時に、基板電流Is が流
れ始めるドレイン電圧VD も上昇するため、基板電流I
s が流れることはない。
【0110】このように、ドレイン電圧VD を上昇させ
ることにより、十分な書き込み電流Is が流れる。ま
た、浮遊ゲート電極71の電位VFGが上昇すれば、基板
電流Is の流れ始めるドレイン電圧VD も上昇する。結
局、基板電流Is をほとんど流すことなく、データの書
き込み及び消去ができることになる。
【0111】これに対し、図30及び図31の従来例で
は、図8及び図9に示すように、ドレイン電圧VD を上
昇させていくと、まず、基板電流Is が流れ始める。従
って、書き込み電流IR を流してデータの書き込みを行
うには、さらにドレイン電圧VD を上昇させなければな
らず、大きな消費電力が必要になる。
【0112】また、書き込み電流IR と基板電流Is が
一つのドレイン領域(N型領域)52の不純物濃度のみ
に依存するため、一つのドレイン領域52の不純物濃度
を増加させると、書き込み電流IR 及び基板電流Is が
ともに増大し、一つのドレイン領域52の不純物濃度を
減少させると、書き込み電流IR 及び基板電流Is がと
もに減少する。
【0113】従って、ドレイン領域52のN型不純物濃
度をどのように変えようとも、ドレイン電圧VD に対す
る書き込み電流IR と基板電流Is の比は、ほとんど変
化しない。
【0114】通常、図30及び図31の従来例では、書
き込み電流IR が流れ始めるドレイン電圧VD が、基板
電流Is の流れ指めるドレイン電圧VD よりも高いた
め、ドレイン電圧VD を上昇させていった場合、先に基
板電流Is が流れ始める。
【0115】また、ドレイン電圧VD を、LSI内部に
形成された内部昇圧回路により発生させている場合、基
板電圧が、基板電流Is と内部昇圧回路が供給する電流
とがつり合う電圧になると、ドレイン電圧VD の上昇が
ストップする。
【0116】従って、ドレイン電圧の最大値が、書き込
み電流IR が流れ始めるのに十分な電圧よりも低けれ
ば、浮遊ゲート電位VFGも上昇することがなく、書き込
みは不可能となる。また、外部電源により高電圧を供給
した場合、書き込み動作中に非常に大きな基板電流Is
が流れ、低消費電力動作が困難になる。
【0117】さらに、書き込み動作中に大きな基板電流
Is が発生すると、ホットキャリアが酸化膜中へ注入さ
れるなどの欠点が生じ、メモリセルの信頼性を低下させ
る。つまり、図30及び図31の従来例のような大きな
基板電流Is を発生させるメモリセルは、信頼性の向上
という目的が達成できない。
【0118】しかし、本発明では、上述のように、N型
領域の不純物濃度の適切な設定により、書き込み動作中
の基板電流Is をほとんど無くすことができ、内部昇圧
動作、低消費電力動作が可能で、さらに信頼性の高いメ
モリセルを実現できる。
【0119】上記実施例では、SDG領域の左右のフィ
ールド領域で、浮遊ゲート電極71Aと71Bを互いに
接続している。しかし、SDG領域の一方側のフィール
ド領域のみで、浮遊ゲート電極71Aと71Bを接続す
るようにしてもよい。この場合、浮遊ゲート電極は、U
字状になる。
【0120】次に、本発明の不揮発性半導体記憶装置の
製造方法について説明する。まず、図10〜図12に示
すように、P型のシリコン基板60上にフィールド酸化
膜76を形成し、SDG領域とフィールド領域を設定す
る。基板60のSDG領域上にシリコン酸化膜(図示せ
ず)を形成する。一点鎖線で囲まれた領域Bに開口部を
有するマスクを用い、基板60に対してN型不純物を注
入し、領域BとSDG領域とが重なる領域にN型領域6
3を形成する。この後、基板60のSDG領域上のシリ
コン酸化膜(図示せず)を除去する。
【0121】次に、基板60のSDG領域上の全体に数
10nm程度のシリコン酸化膜68を形成する。この
後、一点鎖線で囲まれた領域Aに開口部を有するマスク
を用い、領域AとSDG領域とが重なる領域のシリコン
酸化膜68を除去する。また、シリコン酸化膜68が除
去された領域の基板60上に、あらためて10nm程度
の薄いシリコン酸化膜66を形成する。
【0122】次に、図13〜図15に示すように、基板
60上の全体に、第1層目の多結晶シリコン層71´を
堆積する。続いて、一点鎖線で囲まれた領域Cにスリッ
ト状の開口部を有するマスクを用い、第1層目の多結晶
シリコン層を選択的に除去する。
【0123】次に、図16〜図18に示すように、基板
60上の全体に、膜厚が数10nm程度の絶縁膜74を
形成する。また、絶縁膜74上に第2層目の多結晶シリ
コン層75´を堆積する。
【0124】次に、図19〜図21に示すように、所定
のマスクを用いて、第2層目の多結晶シリコン層75
´、絶縁膜74及び第1層目の多結晶シリコン層71´
を連続的にエッチングし、各メモリセルの浮遊ゲート電
極71A,71B及び制御ゲート電極75と、2層のゲ
ート電極72,73とをそれぞれ自己整合的に形成す
る。
【0125】この後、制御ゲート電極75及びゲート電
極73をマスクにして、基板60に対してN型不純物を
注入し、N型領域62,62´,64をそれぞれ自己整
合的に形成する。このとき、N型領域62,64は、予
め形成されているN型領域63と接続される。
【0126】また、所定のマスクを用いて、基板60に
対してN型不純物を注入し、N型領域61,65を形成
する。以上より、不揮発性半導体記憶装置のメモリセル
が完成する。
【0127】上記方法によれば、N型領域62,62
´,64は、それぞれ自己整合的に同時に形成される。
従って、製造工程の数が減り、マスクの合わせずれも考
慮しなくてよい。また、上記方法の場合、N型領域6
2,62´の不純物濃度とN型領域64の不純物濃度
は、同じになる。もし、N型領域62,62´の不純物
濃度とN型領域64の不純物濃度を変えたい場合には、
所定のマスクを用いて、N型領域62,62´とN型領
域64を別々に形成すればよい。
【0128】図22は、図1のIII−III線に沿う
断面図を詳細に示すものである。上記実施例では、デー
タ記憶用MOSトランジスタMTのチャネル長を縮小す
るため、浮遊ゲート電極71と重なるSDG領域上の全
体に、極めて薄いシリコン酸化膜66を形成している。
【0129】しかし、従来のようにN型領域63を1種
類のN型不純物のみで形成したとすると、以下の欠点が
生じる。即ち、N型領域63を1種類のN型不純物のみ
で形成すると、データ記憶用MOSトランジスタMTの
チャネル幅方向のドレイン領域の端部は、極めて薄いシ
リコン酸化膜66の直下に位置することになる。
【0130】従って、データ記憶用MOSトランジスタ
MTのドレイン領域63に高電位を与え、制御ゲート電
極75に0Vを与えて書き込み動作を行うと、図32に
示すように、ドレイン領域63の端部の空乏層が広が
り、ドレイン領域63の端部、即ちSDG領域とフィー
ルド領域の境界で、バンド間トンネルによる基板電流I
s が流れる。
【0131】そこで、本実施例では、N型領域63を拡
散係数の異なる2種類以上のN型不純物、例えば拡散係
数の小さいヒ素(As)と、拡散係数の大きいリン
(P)とで形成する。
【0132】このとき、図1のIII−III線に沿っ
た断面は、図23に示すようになる。即ち、拡散係数の
大きなN型不純物(例えばリン)により形成されたN型
領域63´の端部は、非常に膜厚の厚いフィールド酸化
膜76の直下に位置するような構造となる。
【0133】このような構造の場合、データ記憶用MO
SトランジスタMTのチャネル幅方向のドレイン領域の
端部は、非常に膜厚の厚いフィールド酸化膜76の直下
に配置されるため、ドレイン領域(N型領域)63,6
3´の端部の空乏層は、あまり広がらず、バンド間トン
ネルによる基板電流は流れない。
【0134】また、本実施例では、データ記憶用MOS
トランジスタMTのドレイン領域に必要な表面部の不純
物濃度を拡散係数の小さなN型不純物により維持し、ド
レイン領域の端部の位置の制御を拡散係数の大きなN型
不純物により制御している。従って、拡散係数の小さな
N型不純物により書き込み特性を良好にし、拡散係数の
大きなN型不純物により基板電流を防止できる。
【0135】一方、このような構造を拡散係数の大きな
1種類のN型不純物(例えばリン)のみで形成しようと
すると、ドレイン領域の表面部の不純物濃度の設定が困
難になるか、又はドレイン領域の端部の位置の制御が困
難になる。
【0136】即ち、ドレイン領域の表面部の不純物濃度
を最適な値にしようとすると、例えばドレイン領域がデ
ータ記憶用MOSトランジスタMTのチャネル部にまで
侵入してしまい、ドレイン領域の拡散による延びを制限
しようとすると、ドレイン領域の表面部の不純物濃度が
低くなり、書き込み電流が十分に得られない。
【0137】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の不揮発
性半導体記憶装置及びその製造方法によれば、次のよう
な効果を奏する。データ記憶用MOSトランジスタのド
レイン領域上及びチャネル領域上に極めて薄いシリコン
酸化膜を形成しているため、チャネル長及びチャネル幅
を共に従来よりも縮小することができる。従って、メモ
リセル面積を縮小可能である。
【0138】また、データ記憶用MOSトランジスタの
ドレイン領域は、高い不純物濃度のN型領域と、この高
い不純物濃度のN型領域よりも数分の1以上低い不純物
濃度のN型領域とから構成されている。高い不純物濃度
のN型領域のチャネル長方向の端部上には、スリット状
の穴があり、浮遊ゲート電極は存在しない。
【0139】また、高い不純物濃度のN型領域を拡散係
数の大きな不純物と拡散係数の小さな不純物により構成
することで、チャネル幅方向の端部上にはフィールド酸
化膜が存在するようにしている。従って、データ書き込
み時の基板電流を防止でき、内部昇圧動作及び低消費電
力動作が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不揮発性半導体記憶装置を示す平面
図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図。
【図4】図1の装置のデータ記憶用MOSトランジスタ
を示す断面図。
【図5】図1の装置の書き込み動作時のドレイン領域の
空乏層の広がりを示す図。
【図6】図1の装置のドレイン電圧VD と書き込み電流
IR ・基板電流Is との関係を示す図。
【図7】図1の装置のドレイン電圧VD と書き込み電流
IR ・基板電流Is との関係を示す図。
【図8】図30の装置のドレイン電圧VD と書き込み電
流IR ・基板電流Is との関係を示す図。
【図9】図30の装置のドレイン電圧VD と書き込み電
流IR ・基板電流Is との関係を示す図。
【図10】本発明の不揮発性半導体記憶装置の製造方法
の一工程を示す平面図。
【図11】図10のXI−XI線に沿う断面図。
【図12】図10のXII−XII線に沿う断面図。
【図13】本発明の不揮発性半導体記憶装置の製造方法
の一工程を示す平面図。
【図14】図13のXIV−XIV線に沿う断面図。
【図15】図13のXV−XV線に沿う断面図。
【図16】本発明の不揮発性半導体記憶装置の製造方法
の一工程を示す平面図。
【図17】図16のXVII−XVII線に沿う断面
図。
【図18】図16のXVIII−XVIII線に沿う断
面図。
【図19】本発明の不揮発性半導体記憶装置の製造方法
の一工程を示す平面図。
【図20】図19のXX−XX線に沿う断面図。
【図21】図19のXXI−XXI線に沿う断面図。
【図22】図1の装置の書き込み動作時のドレイン領域
の空乏層の広がりを示す図。
【図23】図1の装置の書き込み動作時のドレイン領域
の空乏層の広がりを示す図。
【図24】従来の不揮発性半導体記憶装置を示す平面
図。
【図25】図24のXXV−XXV線に沿う断面図。
【図26】図25の装置のデータ記憶用MOSトランジ
スタを示す断面図。
【図27】従来の不揮発性半導体記憶装置を示す平面
図。
【図28】図27のXXVIII−XXVIII線に沿
う断面図。
【図29】図27の装置のデータ記憶用MOSトランジ
スタを示す断面図。
【図30】従来の不揮発性半導体記憶装置を示す平面
図。
【図31】図30のXXXI−XXXI線に沿う断面
図。
【図32】図30の装置の書き込み動作時のドレイン領
域の空乏層の広がりを示す図。
【図33】図24の装置の書き込み動作時のドレイン領
域の空乏層の広がりを示す図。
【符号の説明】
60 …P型シリコン半導体基板、 61〜65 …N型領域、 66,67 …シリコン酸化膜、 69,70 …チャネル領域、 71 …浮遊ゲート電極、 72,73 …ゲート電極、 74 …絶縁膜、 75 …制御ゲート電極、 76 …フィールド酸化膜、 ST …選択用MOSトランジスタ、 MT …データ記憶用MOSトランジス
タ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠山 大介 神奈川県川崎市川崎区駅前本町25番地1 東芝マイクロエレクトロニクス株式会 社内 (56)参考文献 特開 昭63−254770(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8247 H01L 27/115 H01L 29/788 H01L 29/792

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素子領域とフィ−ルド領域を有する半導
    体基板と、 前記素子領域に形成される選択用MOSトランジスタ
    と、 前記素子領域に形成され、ソ−ス領域、ドレイン領域、
    浮遊ゲ−ト電極及び制御ゲ−ト電極を有するデ―タ記憶
    用MOSトランジスタとを備え、 前記浮遊ゲ−ト電極は、前記ドレイン領域上の第1部分
    と、前記ソ−ス領域と前記ドレイン領域の間の前記半導
    体基板上の第2部分とを有し、 前記ドレイン領域と前記第1部分の間、及び前記半導体
    基板と前記第2部分との間には、それぞれ前記選択用M
    OSトランジスタのゲ―ト絶縁膜の厚さよりも薄い絶縁
    膜のみが配置され、 前記第1部分と前記第2部分は、前記素子領域上におい
    て互いに離れ、前記フィ−ルド領域において互いに結合
    されていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装
    置において、 前記デ―タ記憶用MOSトランジスタのドレイン領域
    は、前記第1部分の直下を含む領域に配置される第1領
    域と、一端が前記第2部分側に配置され、他端が前記第
    1領域の一端に結合される第2領域とを含み、 前記第1領域の一端上は、前記第1部分と前記第2部分
    の間の空間となっており、 前記第2領域の不純物濃度は、前記第1領域の不純物濃
    度よりも低く、かつ、前記データ記憶用MOSトランジ
    スタのソース領域の不純物濃度よりも低く設定されてい
    ることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装
    置において、 前記デ―タ記憶用MOSトランジスタのドレイン領域
    は、さらに、一端が前記第1領域の他端に結合し、他端
    が前記選択用MOSトランジスタのゲ―ト電極側に配置
    される第3領域を含んでいることを特徴とする不揮発性
    半導体記憶装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の不揮発性半導体記憶装
    置において、 前記第2領域の不純物濃度と前記第3領域の不純物濃度
    は、同じであることを特徴とする不揮発性半導体記憶装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の不揮発性半導体記憶装
    置において、 前記第1、第2及び第3領域は、前記選択用MOSトラ
    ンジスタのソ−ス領域としても機能することを特徴とす
    る不揮発性半導体記憶装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の不揮発性半導体記憶装
    置において、 前記第1領域の不純物濃度及び前記第2領域の不純物濃
    度は、前記デ―タ記憶用MOSトランジスタのドレイン
    領域に正電位を印加し前記制御ゲ―ト電極に接地電位を
    印加した場合に、前記デ―タ記憶用MOSトランジスタ
    のドレイン領域から基板へ電流が流れ始めるより前に、
    前記デ―タ記憶用MOSトランジスタのドレイン領域か
    ら前記浮遊ゲ―ト電極へ電流が流れ始めるように設定さ
    れていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装
    置において、 前記第1領域は、拡散係数の異なる2種類以上の不純物
    から構成され、前記2種類以上の不純物のうち拡散係数
    の小さな不純物は、前記デ―タ記憶用MOSトランジス
    タのドレイン領域の表面部の不純物濃度を決定し、前記
    2種類以上の不純物のうち拡散係数の大きな不純物は、
    前記フィ−ルド領域の直下まで達していることを特徴と
    する不揮発性半導体記憶装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の不揮発性半導体記憶装
    置において、 前記拡散係数の異なる2種類以上の不純物は、ヒ素とリ
    ンを含んでいることを特徴とする不揮発性半導体記憶装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装
    置において、 前記ドレイン領域と前記第1部分の間の前記絶縁膜は、
    ファウラ・ノルドハイムのトンネル電流を流すためのト
    ンネル絶縁膜として機能し、前記半導体基板と前記第2
    部分との間の前記絶縁膜は、前記デ―タ記憶用MOSト
    ランジスタのゲ−ト絶縁膜として及び前記トンネル絶縁
    膜として機能することを特徴とする不揮発性半導体記憶
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の不揮発性半導体記憶
    装置において、 前記ドレイン領域と前記第1部分の間及び前記半導体基
    板と前記第2部分との間の前記絶縁膜の膜厚は、10n
    であり、前記選択用MOSトランジスタのゲ−ト絶縁
    膜の膜厚は、10nmを超えることを特徴とする不揮発
    性半導体記憶装置。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の不揮発性半導体記憶
    装置において、 前記素子領域において、前記制御ゲ―ト電極の形状は、
    前記浮遊ゲ―ト電極の形状と等しいことを特徴とする不
    揮発性半導体記憶装置。
  12. 【請求項12】 第1導電型の半導体基板の素子領域に
    第2導電型の不純物を注入して第1領域を形成する工程
    と、 前記素子領域に第1絶縁膜を形成する工程と、 前記第1領域上の前記第1絶縁膜を除去する工程と、 前記素子領域において露出した前記半導体基板上に、前
    記第1絶縁膜の膜厚よりも薄い膜厚を有する第2絶縁膜
    を形成する工程と、 前記半導体基板上の全体に第1導電膜を形成し、前記第
    1導電膜の所定位置にスリット状のホ−ルを形成する工
    程と、 前記半導体基板上の全体に第3絶縁膜を形成する工程
    と、 前記第3絶縁膜上に第2導電膜を形成する工程と、 前記第2導電膜、前記第3絶縁膜、前記第1導電膜、前
    記第2絶縁膜及び前記第1絶縁膜を順次エッチングし、
    選択用MOSトランジスタのゲ−ト電極、並びに、前記
    第1領域上の第1部分及び前記第1部分から離れた第2
    部分からなる前記デ−タ記憶用MOSトランジスタの制
    御ゲ−ト電極及び浮遊ゲ−ト電極を形成する工程と、 前記選択用MOSトランジスタのゲ−ト電極、並びに前
    記デ−タ記憶用MOSトランジスタの制御ゲ−ト電極及
    び浮遊ゲ−ト電極をマスクにして、前記素子領域に第2
    導電型の不純物を注入し、前記第1部分と前記第2部分
    の間の前記素子領域に、前記第1領域の不純物濃度より
    も低い不純物濃度を有する第2領域を形成し、同時に、
    前記第1部分と前記選択用MOSトランジスタのゲ−ト
    電極の間の前記素子領域に、前記第1領域の不純物濃度
    よりも低い不純物濃度を有する第3領域を形成する工程
    前記素子領域に第2導電型の不純物を注入し、前記第2
    及び第3領域の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有す
    る前記選択用MOSトランジスタのドレイン領 域及び前
    記データ記憶用MOSトランジスタのソース領域を形成
    する工程と を具備することを特徴とする不揮発性半導体
    記憶装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の不揮発性半導体記
    憶装置の製造方法において、 前記第2及び第3領域は、前記第2及び第3領域の不純
    物濃度が前記第1領域の不純物濃度よりも低くなるよう
    に形成されることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の不揮発性半導体記
    憶装置の製造方法において、 前記第1、第2及び第3領域は、前記選択用MOSトラ
    ンジスタのソ−ス領域及び前記デ−タ記憶用MOSトラ
    ンジスタのドレイン領域として機能するように形成され
    ることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 請求項12に記載の不揮発性半導体記
    憶装置の製造方法において、 前記第1領域は、拡散係数の異なる2種類以上の不純物
    を前記素子領域に注入することにより形成されることを
    特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 選択用トランジスタとデータ記憶用ト
    ランジスタとからなるメモリセルを含む半導体記憶装置
    において、 第1導電型の半導体基板と、 前記半導体基板上に形成され、素子領域を決定するフィ
    ールド絶縁膜と、 前記半導体基板の前記素子領域内に形成される第2導電
    型の第1、第2及び第3不純物領域と、 前記第1及び第2不純物領域の間の第1チャネル領域上
    に配置される前記選択用トランジスタのゲート電極と、 前記第2不純物領域上に配置される第1電極部分、並び
    に、前記第2及び第3不純物領域の間の第2チャネル領
    域上に配置され、前記第1電極部分から離れて配置され
    る第2電極部分からなる前記データ記憶用トランジスタ
    の浮遊ゲート電極と、 前記第2不純物領域と前記浮遊ゲート電極の前記第1電
    極部分との間、及び、前記浮遊ゲート電極の前記第2電
    極部分と前記第2チャネル領域との間に配置される第1
    絶縁膜と、 前記選択用トランジスタのゲート電極と前記第1チャネ
    ル領域との間に配置される第2絶縁膜とを具備し、 前記第1絶縁膜の膜厚は、前記第2絶縁膜の膜厚よりも
    薄いことを特徴とする半導体記憶装置。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の半導体記憶装置に
    おいて、 前記第1絶縁膜の膜厚は、10nmであり、前記第2絶
    縁膜の膜厚は、10nmを超えることを特徴とする半導
    体記憶装置。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載の半導体記憶装置に
    おいて、 前記第2不純物領域は、第1、第2及び第3不純物領域
    部分を含み、前記第1不純物領域部分は、前記第2及び
    第3不純物領域部分の間に配置されることを特徴とする
    半導体記憶装置。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の半導体記憶装置に
    おいて、 前記第1及び第2不純物領域部分の間の接合部分は、前
    記浮遊ゲート電極の前記第1及び第2電極部分の間のス
    ペースの直下に位置していることを特徴とする半導体記
    憶装置。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の半導体記憶装置に
    おいて、 前記第2不純物領域部分と前記半導体基板との間の接合
    部分は、前記浮遊ゲート電極の前記第2電極部分のエッ
    ジの直下に位置していることを特徴とする半導体記憶装
    置。
  21. 【請求項21】 請求項19に記載の半導体記憶装置に
    おいて、 前記第2不純物領域部分の不純物濃度は、前記第1不純
    物領域部分の不純物濃度よりも低く、かつ、前記第1及
    び第2不純物領域の不純物濃度よりも低いことを特徴と
    する半導体記憶装置。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の半導体記憶装置に
    おいて、 前記第3不純物領域部分の不純物濃度は、前記第2不純
    物領域部分の不純物濃度に実質的に等しいことを特徴と
    する半導体記憶装置。
  23. 【請求項23】 選択用トランジスタとデータ記憶用ト
    ランジスタとからなるメモリセルを含む半導体記憶装置
    において、 第1導電型の半導体基板と、 前記半導体基板上に形成され、素子領域を決定するフィ
    ールド絶縁膜と、 前記半導体基板の前記素子領域内に形成される第2導電
    型の第1、第2及び第3不純物領域と、 前記第1及び第2不純物領域の間の第1チャネル領域上
    に配置される前記選択用トランジスタのゲート電極と、 第1不純物濃度を有する前記第2不純物領域の第1不純
    物領域部分上に配置される第1電極部分、並びに、前記
    第1不純物濃度よりも低い第2不純物濃度を有する前記
    第2不純物領域の第2不純物領域部分と第3不純物濃度
    を有する前記第3不純物領域との間の第2チャネル領域
    上に配置され、前記第1電極部分から離れて配置される
    第2電極部分からなる前記データ記憶用トランジスタの
    浮遊ゲート電極とを具備し、前記第1不純物領域部分と前記第1電極部分の間、及
    び、前記第2チャネル領域と前記第2電極部分の間に
    は、それぞれ同じ厚さの絶縁膜が配置されている ことを
    特徴とする半導体記憶装置。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の半導体記憶装置に
    おいて、 前記第2不純物領域は、前記第2不純物濃度を有する第
    3不純物領域部分を有し、前記第1不純物領域部分は、
    前記第2及び第3不純物領域部分の間に配置されている
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載の半導体記憶装置に
    おいて、 前記第2不純物濃度は、前記第3不純物濃度よりも低い
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載の半導体記憶装置に
    おいて、 前記第2不純物領域は、前記データ記憶用トランジスタ
    のドレインとして機能すると共に、前記選択用トランジ
    スタのソースとして機能することを特徴とする半導体記
    憶装置。
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