JP3222455U - 医療用シリンジ - Google Patents

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貴章 飯沼
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正彦 島
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貴裕 服部
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Abstract

【課題】国際規格ISO80369−3に準拠したコネクタなどの経腸栄養に用いられるコネクタに接続可能であり、粘度の高い栄養剤を注入する際でも、その注入抵抗を低減させることができる医療用シリンジを提供する。【解決手段】国際規格ISO80369−3に準拠したコネクタに接続可能で、栄養剤の注入に使用されるシリンジである。シリンジは、筒状の本体1aと、前記本体の一端に設けられた栄養剤注入口1bとを具え、栄養剤注入口の内腔11の内面は、絞り部が一切ない平滑で同径の面に形成されている。【選択図】図3

Description

この考案は、医療用シリンジに関し、詳しくは、栄養剤の注入に際し、その注入抵抗を低減することを可能とした技術に係るものである。
近年、医療用コネクタのベットサイドにおける誤接続による医療事故が多数発生し(例えば輸液点滴ラインに経腸栄養剤を誤接続して投与してしまう等)ており、その対応策として誤接続防止コネクタの国際規格化(ISO標準規格80369−3)が進められており、栄養剤の注入用シリンジもその対象となっている。
先行技術文献としては、特開2015−192729号公報(特許文献1)がある。ここに開示されているシリンジは、その接続口が国際規格ISO80369−3に準拠しており、栄養剤を注入する際に接続されたオスコネクタの先端が栄養剤で汚れるのを防止するためにオスコネクタとの接触部分となる口部の基端側内面に内腔を径小とする絞り部を設けている。この絞り部は、具体的には第1メステーパ面と第2メステーパ面によって形成されている。そのため、栄養剤にトロミ剤や増粘剤を加えて粘度を高くした半固形剤では、流動性が低いので、圧力をかけて注入されるが、前記オスコネクタとの接触部分に絞り部が設けられた前記シリンジでは、この絞り部が栄養剤を注入する際に大きな抵抗となり、注入に難渋するという問題がある。
特開2015−192729号公報
そこでこの考案は、前記従来の問題を解決し、国際規格ISO80369−3に準拠したコネクタなどの経腸栄養に用いられるコネクタに接続可能であり、粘度の高い栄養剤を注入する際でも、その注入抵抗を低減させることができるようにすることを技術的課題とする。
前記課題を解決するために、この考案は、国際規格ISO80369−3に準拠したコネクタに接続可能で、栄養剤の注入に使用されるシリンジであって、筒状の本体と、前記本体の一端に設けられた栄養剤注入口とを具え、前記栄養剤注入口の内腔の内面は、絞り部が一切ない平滑で同径の面に形成されていることを特徴とする。
この考案は、前記のようであって、筒状の本体と、前記本体の一端に設けられた栄養剤注入口とを具え、前記栄養剤注入口の内腔の内面は、絞り部が一切ない平滑で同径の面に形成されているため、国際規格ISO80369−3に準拠しない内径の内腔を利用して、先行技術文献(特許文献1)のシリンジではできなかった流動性が低い、粘度の高い栄養剤でもスムーズかつ迅速に注入することが可能となった。
この考案の一実施の形態のシリンジを含む装置全体を示す概略正面図である。 同上のシリンジの分解正面図である。 コネクタに装着した状態を示すシリンジ先端部の拡大断面図である。 シリンジを示し、(A)はシリンジ先端の拡大断面図、(B)は国際規格ISO80369−3に準拠したシリンジ先端の拡大断面図である。
以下、図面を参照しながら、この考案の一実施の形態について説明する。
図1において、1はシリンジである。このシリンジ1は、図2にも示すように、中空円筒状の本体1aと、前記本体の一端に設けられた栄養剤注入口1bと、を具え、注入口1b側がコネクタ2に接続されるようになっている。コネクタ2が後端開口部に装着された胃瘻カテーテルチューブ3は、その先端開口部近くにバルーン4が取り付けられているとともに、該バルーンよりも後端側に腹壁に当接するストッパ5が設けられている。本体1aは、シリンジ1の外筒ともいえるものである。7はシリンジ1と併せて使用するプランジャである。
図3,4に示すように、シリンジ1の栄養剤注入口1bの口部外周面にはネジ10が形成されており、国際規格ISO80369−3に準拠したコネクタ2とネジ10によって接続可能となっている。図3に示すコネクタ2は、コネクタ本体部2aと、該コネクタ本体部に取り付けられるルアーロック部2bと、これら両部によって挟持されて配設される環状のシール部材2cとからなっている。
図4(A)に示すように、シリンジ1の口部である栄養剤注入口1bの内腔11は粘度の高い栄養剤であっても容易に注入可能なように、その内径rが3.06mm〜5.8mmに設定されている。一方、該栄養剤注入口1bのネジ10の外径Rは、国際規格ISO80369−3に準拠したコネクタなどと接続して使用する必要上、9.93mmに設定されている。すなわち、外径Rは栄養ラインなどと接続可能とするために国際規格ISO80369−3に準拠したサイズとしつつも、内径rは栄養剤の注入抵抗を低減させるために国際規格ISO80369−3に準拠せずに独自のサイズにしている。これに対して、図4(B)に示す国際規格ISO80369−3のシリンジ1b´は、本体1aの内腔の内面に内腔を径小とする絞り部12´が設けられ、その内径r´が2.9mmとなっている。そのため、粘度の高い栄養剤を注入する際には大きな抵抗となってしまい、注入に難があるものとなる。
図4(A)から明らかなように、シリンジ1の栄養剤注入口1bの内腔11の内面は、その先端から基端まで従来技術ではあるような絞り部12´が一切ない平滑で同径の面に形成されている。したがって、内腔11を通る栄養剤は何ら余計な抵抗を受けることなくスムーズに通ることが可能である。そのため、栄養剤を胃瘻カテーテルチューブ3内に迅速に注入することができる。
シリンジ1の組み付けについて説明する。シリンジ1と胃瘻カテーテルチューブ3を接続するには、まず、シリンジ1の栄養剤注入口1bをコネクタ2に向けて挿入してやり、ネジ10等によりロックする(この状態を示すのが図3である)。しかる後、胃瘻カテーテルチューブ3の上端開口部にコネクタ2を挿入して装着する。この装着が完了すると、組み付けられた状態になる。
使用に際しては、図1に示すように、胃瘻カテーテルチューブ3をバルーン4のある先端側から腹壁と胃壁を経て胃瘻にバルーン4を含む先端部を挿入してやる。挿入後、バルーン4を膨らませるとともに、ストッパ5を腹壁に当接してバルーン4との間で両壁を挟むようにして固定する。固定したことを確認したうえ、胃瘻カテーテルチューブ3にコネクタ2を装着したシリンジ1を接続してやる。このとき、プランジャ7を押し込みシリンジ内の栄養剤を押し出し、胃瘻カテーテルチューブ3内から胃へと栄養剤を注入させることが可能である。この栄養剤の注入に際し、栄養剤が通過するシリンジ1の栄養剤注入口1bの内腔11は粘度の高い栄養剤であっても容易に注入可能なようにその内径rが3.06mm〜5.8mmに設定され、その内面は内腔11を径小とする絞り部が一切ない平滑で同径の面に形成されているため、注入に何ら支障となることなく、ここを通過することができる。したがって、従前のシリンジ1b´のように注入時に高い抵抗を受けることがない。
しかも、栄養剤注入口1bのネジ10の外径は国際規格ISO80369−3になっているため、国際規格ISO80369−3に適応したコネクタ2を利用可能であり、誤接続をも防止できる。
以上説明したように、この実施の形態のシリンジ1を用いれば、従来の国際規格ISO80369−3のシリンジ1b´ではできないスムーズな栄養剤の注入を可能とすることができ、現状の医療現場で役立てることができる。したがって、この技術分野において極めて利用価値の高い製品を提供することができるという優れた効果が期待することができる。
この実施の形態で示したシリンジ1はあくまでも好ましい一例を示すものであり、その具体的な形状や構造等は実用新案登録請求の範囲内で適宜設計変更が可能であることは云うまでもない。
1 シリンジ
1a 本体
1b 栄養剤注入口
2 コネクタ
3 胃瘻カテーテルチューブ
4 バルーン
5 ストッパ
7 プランジャ
10 ネジ
11 内腔

Claims (1)

  1. 国際規格ISO80369−3に準拠したコネクタに接続可能で、栄養剤の注入に使用されるシリンジであって、筒状の本体と、前記本体の一端に設けられた栄養剤注入口とを具え、前記栄養剤注入口の内腔の内面は、絞り部が一切ない平滑で同径の面に形成されていることを特徴とする医療用シリンジ。
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