JP3222360U - 木製八角棒の連結構造及びその工作物 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着剤を使用しないため組み立てた後に分解が可能であり、板との組合せ性にも優れ、木の自然な風合いを持つ、木製八角棒の連結構造及びその工作物を提供する。【解決手段】正八角形の断面からなる木製八角棒1と、奥に行くに従って狭くなるテーパ穴5を有する合成樹脂製管継手4と、からなる木製八角棒1の連結構造であって、木製八角棒1の一端が合成樹脂製管継手4に差し込まれると、木製八角棒1の角部がテーパ穴5の斜面に沿って弾性的に圧縮変形されることで連結される。【選択図】図2

Description

本考案は、木製八角棒の連結構造とその連結構造により組み立てられる棚等の工作物の技術に関する。
昔から木の角材や板などを使って多種多様な工作物が作られてきた。木材を使用した工作物は自然な風合いを持つという優れた特色を有する。木材のなかでも特に杉等の針葉樹材は柔らかく切断も楽であり加工性に優れる。ところが、この柔らかい性質のため、釘やビスで接合した場合には点接合のためグラグラし、釘の頭もめり込んでしまう。ホゾ凹凸による接合もあるが、断面が欠損して弱くなり、素人には製作の難易度も高い。
そこで、接着剤により接着しながら組み立てることができ、容易にいろいろな工作物を作ることが可能な、合成樹脂製のパイプと継手がホームセンター(DIY店)などで市販されるようになった。(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載された工作物を構成するパイプは、薄肉鋼管の外周にAAS樹脂を被覆し、内面に防食塗装をした樹脂被覆金属パイプである。また、継手は、同じくAAS樹脂の射出成型品であって、L型、T型等の多くのタイプのものが用意されている。製作可能な工作物の構造、大きさ等の自由度が高いことから、特許文献1に記載された工作物は、棚、運搬車など広い用途に使用されている。
実開昭62−31567号公報
しかし、特許文献1の工作物は、接着剤を用いて組み立てるものであるため、完成すると分解することができない。
また、円形のパイプから構成されているため、板と組み合わせたとき線接触となりパイプに対する板の安定性に欠ける。
さらに、工業製品である樹脂製のパイプと継手から構成されているため、インテリアとして使用する場合などでは自然な風合いの面では物足りない。
そこで、本考案は、接着剤を使用しないため組み立てた後に分解が可能であり、板との組合せ性にも優れ、木の自然な風合いを持つ、木製八角棒の連結構造及びその工作物を提案する。
第1の考案に係る木製八角棒の連結構造では、正八角形の断面からなる木製八角棒と、 奥に行くに従って狭くなるテーパ穴を有する合成樹脂製管継手と、からなる木製八角棒の連結構造であって、前記木製八角棒の一端が前記合成樹脂製管継手に差し込まれると、前記木製八角棒の角部が前記テーパ穴の斜面に沿って弾性的に圧縮変形されることで連結されることを特徴とする。
第1の考案に係る木製八角棒の連結構造では、木製八角棒の角部が前記テーパ穴の斜面に沿って弾性的に圧縮変形されることで連結され、接着剤を使用しないため組み立てた後に分解が可能である。また、木製八角棒の面で板を受ける構造となるので、板と組み合わせたとき、面接触となり安定性に優れる。さらに、木材の持つ木目模様、香りにより自然な風合いを楽しむことができる。
第2の考案に係る木製八角棒と合成樹脂製管継手を用いた工作物は、第1の考案に係る木製八角棒の連結構造により組み立てられることを特徴とする。
第2の考案に係る木製八角棒と合成樹脂製管継手を用いた工作物は、汎用性に富むため、多くの種類のインテリアあるいはエクステリアに適用することができる。
第3の考案に係る木製八角棒と合成樹脂製管継手を用いた工作物は、棚であることを特徴とする。
第3の考案に係る木製八角棒と合成樹脂製管継手を用いた工作物としての棚は、展示棚、鑑賞棚、収納棚など多くの種類の棚に適用することができる。
本考案の木製八角棒の連結構造及びその工作物では、接着剤を使用しないため組み立てた後に分解が可能であり、板との組合せ性にも優れ、木の自然な風合いを楽しむことができる。そして、本考案の木製八角棒の連結構造及びその工作物は、柔らかい杉等の木製八角棒であっても十分な連結強度を備え、製作も容易である。
木製四角棒から木製八角棒又は、木製丸棒を製作するときの加工内容を対比して説明する図である。 本考案に係る木製八角棒の連結構造の説明図である。 本考案に係る連結構造から抜き出した木製八角棒の状態を説明する図である。 木製八角棒と板とを組み合わせた状態を説明する図である。 実施例に係る木製八角棒と合成樹脂製管継手を用いた棚である。
図1は、木製四角棒10から木製八角棒1、又は木製丸棒11を製作するときの加工内容を対比して説明する図である。図1(b)に示すように、木製四角棒10で木製丸棒11を製作する場合、専門的な機械と技術、口径ごとの高価な刃物12が必要となる。ところが、木製八角棒1の場合、図1(a)に示すように、木製四角棒10の4つの角を面取りする構造となるので、単一の刃物13で多くの口径に対応ができる。このように、木製八角棒1は、木製丸棒11に比べて、製作の容易さ及びコストの面で優れている。さらに、木製八角棒1は、木製四角棒10と木製丸棒11の中間的な性質を備えている。
図2は、本考案に係る木製八角棒1の連結構造2の説明図である。図2(a)は、合成樹脂製管継手4の継手部3の、奥に行くに従って狭くなるテーパ穴5を長手方向に沿った断面で図示している。右側には、木製八角棒1の一端も図示している。
合成樹脂製管継手4は、水道用の硬質塩化ビニル管の継手(以下、「塩ビ管継手」という。)として用いられる一般的なものを使用することができる。塩ビ管継手は市販品であるため、ホームセンターなどで安価に手に入れることができる。また、管継手として一定の強度があり、耐久性も備えている。
図2(a)に示すように、継手部3は、外径φDの筒状に形成されている。テーパ穴5は、入口の内径φd1、底の内径φd2、テーパ穴の深さLに形成されている。テーパは(d2−d1)/Lで表される。
例えば、呼び径25の塩ビ管継手の場合だと、外径φD=44mm、入口の内径φd1=32.55mm、テーパ1/T=1/34に形成されている。この場合、底の内径φd2=31.37mmとなる。
図2(b)は、塩ビ管継手4の継手部3に木製八角棒1を差し込んだ状態を、継手部3の開口側から見た図である。木製八角棒1の対角寸法eは、継手3の入口の内径φd1の寸法とほぼ同じに設定される。この実施例の木製八角棒1では、対角寸法e=32mmとされる。その場合、図2(b)に示される木製八角棒1の2面幅S≒29.6mmとなる。木製八角棒1の材料は、木材ではあれば、広く針葉樹材、広葉樹材のものを使用することができる。特に針葉樹材は柔らかく取扱いが容易であるため、本実施の形態では杉材を用いる。
図2(a)に示した状態から、木製八角棒1の一端が塩ビ管継手4のテーパ穴5に差し込まれると、木製八角棒1の8カ所の先端側角部6がテーパ穴5の斜面7に沿って弾性的に圧縮変形される。すると、木製八角棒1の先端角部6からテーパ穴5の斜面7に対して木材の持つ弾性による復元力が作用するので、両者間に強い摩擦力が生じる。このため、塩ビ管継手4と木製八角棒1は、強く連結されることとなる。
図3は、本考案に係る連結構造2から抜き出した木製八角棒1の一端の状態を説明する図である。先端側角部6は、塩ビ管継手4のテーパ穴によって稜線がつぶれて角が丸く平らに変形している。ところで、木製丸棒11と塩ビ管継手4とを組み合わせた場合、変形する部分が円周全範囲となるため、刺し込むために必要な力が大きくなりすぎてしまう。それに対し、木製八角棒1は適度な範囲が変形するため差し込むために必要な力が適度な大きさとなるので、木製丸棒に比べ工作性に優れる。
図3に示す抜き出した状態では、木製八角棒1の一端は元の形状に近づくように少し復元する。そのため、木製八角棒1の一端を再度塩ビ管継手4のテーパ穴に差し込むと、木製八角棒1の角部が再びテーパ穴5の斜面に沿って弾性的に圧縮変形される。そのため、再度、木製八角棒1と塩ビ管継手4とを連結することができる。
このように、本考案に係る木製八角棒1の連結構造2によれば、木製八角棒1の角部がテーパ穴5の斜面7に沿って弾性的に圧縮変形されるので、接着剤を使用しないで連結することができる。そのため、組み立てた後に分解することが可能である。また分解したあとも、何度でも組み立てることができる。
図4は、木製八角棒1と板14とを組み合わせた状態を説明する図である。木製八角棒1の上側の平面15に板14の下面が接している。このように、木製八角棒1の平面15で板14を受ける構造となるので、板14と組み合わせたとき、面接触となり安定性に優れる。また、側面にパネルを取り付けたり補強板を取り付けたりする場合にも、木製八角棒1の面がパネル面や板面と面接触し両面テープやビスなどによる取付けが効果的に行える。
以下、図5に従って一実施例を説明する。20は、本考案に係る木製八角棒と合成樹脂製管継手(塩ビ管継手)を用いた工作物の例としての棚である。図5に示されるように、棚20は、左右対象形となっている。そこで、まず棚20の左部分に着目して、下から上に向かって順番にその構成を説明する。
棚20の左部分では、木製八角棒21、木製八角棒22と木製八角棒23とがT型塩ビ管継手24によって連結されている。また、木製八角棒22、木製八角棒25と木製八角棒26とがT型塩ビ管継手24によって連結されている。さらに、木製八角棒26と木製八角棒23とがL型塩ビ管継手7によって連結されている。
棚20の右部分も、左部分と同じく木製八角棒、T型塩ビ管継手24及びL型塩ビ管継手7によって左右対象形となるよう構成されている。棚20の左部分と右部分とは、2本の木製八角棒25によって連絡されている。
左右の木製八角棒23に渡って板30が載せられている。板30は上下2枚となっている。前後の木製八角棒25に渡って板31が載せられている。図5に示すように、塩ビ管継手のL型とT型とを変えることで、必要段数の段積みが可能であり、ビスや工具の必要がない。
このように、木製八角棒と合成樹脂製管継手(塩ビ管継手)を用いた工作物としての棚を製作することができる。その場合、展示棚、鑑賞棚、収納棚など多くの棚に適用することができる。また、これらの棚は、接着剤を使用しないため組み立てた後に分解が可能であり、板との組合せ性にも優れ、木の自然な風合いを楽しむことができる。そして、本考案の木製八角棒の連結構造及びその工作物は、柔らかい杉等の木材であっても十分な連結強度を備え、製作も容易である。
展示会、見本市に出展する際の展示物を陳列する展示棚として使用する際、美観を演出し、どの角度からも見えるようにできる。また、現場での組み立てと分解が容易であり、持ち運びが軽いといった特徴をも有する。
1:木製八角棒(杉八角棒)
2:連結構造
4:合成樹脂製管継手(塩ビ管継手)
5:テーパ穴
6:先端側角部
7:斜面
20:棚(工作物)


Claims (3)

  1. 正八角形の断面からなる木製八角棒と、
    奥に行くに従って狭くなるテーパ穴を有する合成樹脂製管継手と、からなる木製八角棒の連結構造であって、
    前記木製八角棒の一端が前記合成樹脂製管継手に差し込まれると、前記木製八角棒の角部が前記テーパ穴の斜面に沿って弾性的に圧縮変形されることで連結されることを特徴とする、木製八角棒の連結構造。
  2. 請求項1に記載された木製八角棒の連結構造により組み立てられることを特徴とする、木製八角棒と合成樹脂製管継手を用いた工作物。
  3. 前記工作物は棚であることを特徴とする、請求項2に記載された木製八角棒と合成樹脂製管継手を用いた工作物。
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