JP6499350B1 - 組立式家具及びこれに用いる組立金具 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、各種家具類の組み立て方法として、長尺材と継手材に同一径のダボ挿入孔を設け、これらをダボによって連結する方法が開示されている。
特許文献2には、折り畳みパイプ棚の管継手として、管継手本体を軸受孔の中心から縦方向に二分割して形成し、左右に分かれて半円形となった軸受孔に回動軸を挟み込みながら、管継手本体の合わせ面に穿たれた係止穴に係止ピン等を圧入して合体一体化させることができるものが開示されている。
このような形状とすることにより、ダボ孔を形成する面積を大きく取ることができる。
これにより、ダボを挿入する際に、ダボがダボ孔を介して前記梁結合部を梁に近づく方向に押圧することとなり、より強固な結合が実現される。
本発明は、また、上記の組み立て部材3つ以上と、3本以上の脚と、3本以上の梁と、天板とから製作される組立式椅子を提供するものである。
この組立式家具は、部材点数が少なく簡素な構造であり、組立作業に熟練していない使用者でも容易に組立・解体を行うことが可能である。特に、梁と組立金具との結合に冠しては、ほぞを用いるよりも簡素で強度が大きい結合方法となっている。
1.組立式木製テーブルの構成
図1は、本実施形態の組立式木製テーブルの全体構成を概略的に示す図である。
図1において、組立式木製テーブルは、4本の木製の脚と、4本の木製の梁と、脚と梁との継手となる組立金具と、木製の天板とから構成されている。天板は取り外された状態で示している。
4隅に位置する組立金具は、それぞれ、1本の脚及び2本の梁と連結されている。4本の梁の上に天板が配置され、梁に固定される。4本の梁にかかる天板の荷重は、各組立金具を介して各脚に伝わる。
図2に示すように、各梁の下方からビスを打ち込んで天板を固定することができる。尚、天板の固定方法はこれに限られず、組立・解体を妨げない任意の固定方法を採用することができる。例えば、特許文献1に開示されている固定方法に倣って、各梁の上面に打ち込んだビスを天板下面に設けたビス穴に嵌合させる構造としてもよい。あるいは、天板と梁の間に固定用部材(金具含む)を介した構造としてもよい。
図3は、組立金具の構成を概略的に示す図である。
図3において、組立金具は、四角柱型の脚結合部と、脚結合部の上端付近から伸出する2つの梁結合部とを有している。
尚、組立金具は金属製であり、例えば、鉄、ステンレス、各種の合金などの金属材料を用いることができる。
図4に示すように、2つの梁結合部は、脚結合部の四角柱形状の隣り合う2側面それぞれの上端付近から、側面に対して垂直方向に伸出する板状部材である。その平面形状は、上縁が先端まで直線的に伸長するのに対し、下縁が脚結合部との接続部分から先端に向かうにつれて弧を描くように上昇し先端部に至るようになっている。各梁結合部には、ダボ孔が形成されている。ダボ孔は、横の孔径が縦の孔径より若干大きめとなるように形成されているのが望ましい。その理由については、後述する。
図5は、梁の端部の形状を概略的に示す図である。
図5において、梁は端部において上面に溝を有している。この溝は、梁結合部を収容するためのものであり、その深さは、梁結合部の形状に対応して、端部から内部に向かって浅くなっている。尚、後述する組立構造を見れば、梁の上面から下面まで貫通した溝を構成することも可能である。但しその場合、加工は容易となるが、梁の強度が下がり、組立作業の容易さ(後述)が失われる。
また、梁の端部付近の側面にはダボ穴が形成されている。ダボ穴は、溝を跨いで形成されている。
続いて、本実施形態の組立式木製テーブルの組立及び固定方法について説明する。
全体の手順としては、まず、4本の脚の頭部に組立金具を取り付け固定し、脚と脚の間に梁を渡すようにして梁と組立金具とを固定し、最後に天板を掲置して梁に固定する。
図6及び図7は、梁と組立金具との固定方法を示す図である。尚、図6においては、組立金具の梁結合部の一方のみを示し、他方の図示を省略している。
図6に示すように、組立金具の梁結合部を梁の端部の溝に嵌め入れることができる。このとき、梁結合部のダボ孔と梁の端部のダボ穴とを重ね合わせるようにする。上記の通り、梁の端部の溝は梁結合部の形状に対応して形成されているので、組立作業に熟練していない使用者でも、この位置決めを比較的容易に行うことができる。梁結合部のダボ孔と梁の端部のダボ穴とを重ね合わせた状態で、ダボを挿入する。ダボは、梁の端部の溝より手前部分のダボ穴を貫通し、梁結合部のダボ孔を貫通し、梁の端部の溝より奥部分のダボ穴に嵌合して固定される。ダボ、梁の端部のダボ穴をともに先端に向かってやや先細る形状にすることで、ダボを押し込んで固く固定することが可能である。
組立金具の梁結合部のダボ孔と梁の端部のダボ穴は、ほぼ同じであるが、若干相違する寸法形状としている。上述したように、梁結合部のダボ孔は、横の孔径が縦の孔径より若干大きめとなるように形成されている
図8(a)に示すように、ダボ挿入前の状態においては、梁結合部の扁平状のダボ孔の中心は、梁の端部の真円状のダボ穴の中心に対してやや左側に位置する。両者の重なり具合を見ると、右端が扁平状のダボ孔によって僅かに閉塞されている。
図示するように、ダボの径は、梁の端部のダボ穴より僅かに小さい。
尚、テーブルの脚、梁及び天板を木製としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、高強度プラスチック製としても同等の組立式テーブルが得られるものと考えられる。天板については、材料・材質に何らの制限も無く、金属製その他の天板を用いてもよい。また、組立金具は金属製としたが、他の高強度材料で代替することも可能である。
また、脚及び梁として角柱材を示しているが、円柱材その他任意の形状の長尺物を用いることができる。その形状に応じて組立金具を設計すればよい。
上記の実施形態のほか、組立金具については、以下のような変形例が考えられる。
図9は、本発明の実施形態である組立式木製テーブルにおける組立金具の様々な変形例を例示列挙する図である。尚、図9においては、組立金具の梁結合部の一方のみを示し、他方の図示を省略している。
図9(a)に示すように、梁結合部の平面形状は、上縁が先端まで直線的に伸長するのに対し、下縁が脚結合部との接続部分から先端に向かうにつれて直線的に上昇し先端部に至るようになっていてもよい(直角三角形状)。上記の実施形態に比べて、加工が容易になるという利点があるが、ダボ孔の径は制限される。
図9(b)に示すように、梁結合部の平面形状は、上縁、下縁ともに先端まで直線的に伸長するようになっていてもよい(長方形状)。加工が容易になるという利点がある。
当然ながら、梁の端部の溝はこれらの梁結合部の形状に対応して形成する。
また、組立金具の脚結合部の上下両方に脚を嵌合できる形態もあり得る。
このように多形態の組立金具を揃えることで、図10に示すように、多様な組立構造が実現可能となり、テーブルに限らず、様々な種類の組立式家具が提供される。
例えば、4本の脚、4本の梁、4つの組立金具及び天板からなる組立式木製椅子を作製することができる。
尚、脚及び梁は4本に限られず、少なくとも3本の脚、3本の梁、3つの組立金具を用いれば、テーブル、椅子その他の組み立て式家具を作製することができる。
Claims (6)
- 少なくとも1の長尺の縦方向部材と少なくとも1の長尺の横方向部材とを連結する組立部材であって、
縦方向部材の一端が嵌合可能な開口を有する筒状の縦方向部材結合部と、
前記縦方向部材結合部の側面から伸出し、横方向部材の一端に形成された溝に嵌合可能である板状の横方向部材結合部と、
を有しており、
前記横方向部材結合部は、前記横方向部材の溝に嵌合した状態において横方向部材に形成されているダボ穴と連通するよう配置された当該ダボ穴と略同形状のダボ孔を有しており、ダボを当該ダボ穴及びダボ孔に対して貫通させて挿入することにより、前記横方向部材結合部と横方向部材とが固定されることを特徴とする組立部材。
- 少なくとも1の脚と少なくとも1の梁とを連結する組立部材であって、
脚の一端が嵌合可能な開口を有する筒状の脚結合部と、
前記脚結合部の側面から伸出し、脚の一端に形成された溝に嵌合可能である板状の梁結合部と、
を有しており、
前記梁結合部は、前記梁の溝に嵌合した状態において梁に形成されているダボ穴と連通するよう配置された当該ダボ穴と略同形状のダボ孔を有しており、ダボを当該ダボ穴及びダボ孔に対して貫通させて挿入することにより、前記梁結合部と梁とが固定されることを特徴とする組立部材。
- 前記梁結合部は、その平面形状において、上縁が先端まで直線的に伸長し、下縁が脚結合部との接続部分から先端に向かうにつれて弧を描くように上昇し、上縁及び下縁の先端が突端を形成していることを特徴とする請求項2に記載の組み立て部材。
- 前記梁結合部のダボ孔は、横の孔径が縦の孔径より僅かに大きくなるように形成されており、
前記脚結合部を前記梁の溝に嵌合し、かつ、ダボ挿入前の状態において、前記梁結合部のダボ孔の中心位置が、前記梁のダボ穴の中心位置よりも、前記脚結合部に近い側に僅かに乖離していることを特徴とする請求項2又は3に記載の組み立て部材。 - 請求項2から4のいずれか1項に記載の組み立て部材3つ以上と、3本以上の脚と、3本以上の梁と、天板とから製作される組立式テーブル。
- 請求項2から4のいずれか1項に記載の組み立て部材3つ以上と、3本以上の脚と、3本以上の梁と、天板とから製作される組立式椅子。
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