JP3222271B2 - ビーム溶接方法 - Google Patents

ビーム溶接方法

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JP3222271B2 JP16665393A JP16665393A JP3222271B2 JP 3222271 B2 JP3222271 B2 JP 3222271B2 JP 16665393 A JP16665393 A JP 16665393A JP 16665393 A JP16665393 A JP 16665393A JP 3222271 B2 JP3222271 B2 JP 3222271B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザあるいは電子ビ
ーム等の高密度エネルギービームの照射によって溶接を
行うビーム溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の車体の組み立てにおいて
は、電気溶接であるスポット溶接が主として行われてい
る。このスポット溶接では、例えば図10に示すよう
に、ワーク51とワーク52とを溶接する場合、これら
ワーク51・52に、溶接機の電極53・54により挟
み込むための広い幅の溶接しろ51a・52aを形成す
る必要がある。このため、車体の重量増を招来してい
る。また、上記両電極53・54の移動スペースを確保
する必要があり、ワークの形状や溶接位置等が制限され
易くなっている。
【0003】そこで、上記のように重ね合わされるワー
ク51・52に対しては、レーザあるいは電子ビーム等
の高密度エネルギービームの照射によるビーム溶接を行
うことが提案されている。即ち、このビーム溶接によれ
ば、上記溶接しろ51a・52aは、ビームを照射して
溶接できる幅であればよく、狭くできる。また、ワーク
から離れた位置よりビームを照射するものであるから、
ワークの形状および溶接位置等による制限を受け難くな
っており、上記の各問題を解消することができる。
【0004】一方、自動車の車体は、プレス成形された
部材を組み合わせて形成されることから、溶接継手部の
溶接では多数枚重ねとなる。例えば、図11に示すよう
に、自動車の車体におけるセンタピラー61では、高い
強度を得るため、サイドフレームアウタ62とサイドフ
レームインナ63とからなる閉断面構造を備えており、
さらに強度の向上を図るため、上記両部材の間に、レイ
ンフォースメント64を備えている。従って、溶接継手
部、即ちフランジ部62a・63a・64aは3枚重ね
となる。このような3枚重ねのフランジ部62a・63
a・64aに対するビーム溶接方法としては、特開平4
−270088号公報に開示されているように、単に、
各フランジ部62a・63a・64aの重ね合わせ方向
の一方から上記ビームを照射する方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ビーム溶接方法では、ビーム照射側の部材からその反対
側の部材に向かって、ビーム照射により発生する熱が順
次伝達されて各部材が溶融するものであるため、図12
にも示すように、ビーム照射による部材の溶け込みの幅
が徐々に狭くなっていく。このため、ビーム照射側から
離れた部位の部材間においては、溶接面積が狭くなり十
分な溶接強度を確保できない虞がある。また、この問題
を解決するために、照射するビームの出力を高くするこ
と、上記のビーム照射方向の反対側からもビーム照射を
行うこと、あるいは高価ではあるがビーム径を小さく集
光できるメニスカスレンズを光学系に使用し、同一出力
に対する部材の溶融幅を狭くかつ深くすることなどが考
えられる。しかしながら、重ね合わせる部材の板厚が厚
い場合、あるいは重ね合わせる部材の枚数が多くなった
場合、これらの方法では、対応することができない。
【0006】一方、他のビーム溶接方法として、特開昭
58−103988号公報には、重ね合わされた部材の
端面との対向方向から重ね合わせ部に向かって直接ビー
ム照射を行う方法が開示されている。しかしながら、こ
のビーム溶接方法は、部材同士の狭い重ね合わせ部にビ
ーム照射を行うものであるため、ビーム照射位置を高精
度で制御する必要がある。従って、重ね合わされた各部
材間の全てに対してこのビーム溶接方法を適用すること
は、生産性の低下を招来するといった問題点を有してい
る。
【0007】従って、本発明は、多数枚重ね合わされた
部材同士を溶接する場合において、各溶接部での溶接強
度の不足を防止することができ、かつ生産性を高めるこ
とができるビーム溶接方法の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のビーム溶接方法
は、上記の課題を解決するために、高密度エネルギービ
ームにてワークを3枚重ね合わせた状態に溶接するビー
ム溶接方法であって、上記3枚のワークを予め重ね合わ
せた状態に配し、これらワークの重ね合わせ方向におけ
る一方側端部に位置するワーク側からワークの重ね合わ
せ方向にビームを照射して、これら3枚のワークを溶接
する第1工程と、上記一方側端部に位置するワークに対
して他方側に位置するワーク同士を、ワーク端面との対
向方向からワークの重ね合わせ部へのビーム照射にて溶
接する第2工程とを含み、第1工程により生じる第1ビ
ードが他方側端部のワークまで達するとともに、第2工
程により生じる第2ビードが第1ビードと交差するよう
に設定されていることを特徴としている。
【0009】
【作用】上記の構成によれば、ワークを3枚重ね合わせ
た状態に溶接する際、これらワークの重ね合わせ方向に
おける一方側端部に位置するワークと、このワークの他
方側に位置するワークとは、その重ね合わせ方向におけ
る上記一方側からの高密度エネルギービーム照射にて溶
される。この場合、ビーム照射位置の精度は比較的低
くてもよく、溶接を簡単な制御で迅速に行うことができ
る。
【0010】また、上記一方側端部に位置するワークに
対して他方側に位置するワーク同士は、ワーク端面との
対向方向からワークの重ね合わせ部へのビーム照射にて
溶接される。この場合、隣接する各ワーク同士を確実に
溶接することができる。その反面、各ワークの重ね合わ
せ部にビーム照射を行わなければならず、ビーム照射位
置を高精度で制御する必要があり、前記の溶接方法に対
して生産性が低くなる。従って、上記の両溶接方法を併
用することにより、溶接強度において高い信頼性を備え
つつ、生産性を高めることができる。
【0011】また、上記の両溶接方法を行っていること
により、ワークの溶接部においては、硬度の高い部分で
あるビードが縦横に分布する。従って、あらゆる方向の
入力加重に対して高い強度を備えることができる。
【0012】
【実施例】〔実施例〕 本発明の一実施例を図1ないし図6に基づいて以下に説
明する。本実施例のビーム溶接に使用されるビーム溶接
装置は、図4に示すように、レーザ発振器1、反射鏡
2、レンズ3、ミラーモータ4、レンズモータ5、ビー
ム状態モニタ6および制御装置7を備えている。
【0013】レーザ発振器1は、レーザを発生して図示
しないレーザトーチから出力するものであり、反射鏡2
は、レーザ発振器1から出力されたレーザをワーク8の
所定溶接部に導くものであり、レンズ3は、反射鏡2に
より反射されたレーザをワーク8の溶接部に収束させる
ものである。また、ミラーモータ4は、レーザの照射位
置を変化させるために反射鏡2を回転させるものであ
り、レンズモータ5は、レーザがワーク8の溶接部に収
束するように、レンズ3を移動させるものであり、ビー
ム状態モニタ6は、ワーク8の溶接部に照射されている
レーザの出力、およびレーザによる溶接状態等の光学式
モニタである。さらに、制御装置7は、ビーム状態モニ
タ6による検出状態等に基づいて、ミラーモータ4およ
びレンズモータ5の作動を制御するとともに、レーザ発
振器1の作動制御を行うものである。
【0014】次に、上記のビーム溶接装置による溶接方
法について説明する。ここでは、図5に示すセンタピラ
ー11を形成するための溶接を行うものとする。センタ
ピラー11は、図6に示すように、サイドフレームアウ
タ12、このサイドフレームアウタ12と共に閉断面を
形成するサイドフレームインナ13、および強度向上の
ために上記両部材間に設けられるレインフォースメント
14からなる。そして、センタピラー11は、上記各部
材のフランジ部12a・13a・14a同士を溶接する
ことにより形成される。
【0015】センタピラー11を形成する際には、図1
(a)に示すように、例えば先ずサイドフレームアウタ
12とレインフォースメント14とを重ね合わせ、これ
ら両者のフランジ部12a・14aの重ね合わせ方向に
おける一方側、即ちフランジ部12aの外面との対向方
向側に前記レーザトーチを配する。そして、このレーザ
トーチからフランジ部12a・14aに対してレーザ照
射を行うとともに、レーザトーチとサイドフレームアウ
タ12およびレインフォースメント14とをフランジ部
12a・14aの長手方向に相対移動させて、両フラン
ジ部12a・14aを溶接する。これにより生じるビー
ド15は、フランジ部12aの外面側で幅が広く、フラ
ンジ部14a方向に向かって幅が徐々に狭くなり、フラ
ンジ部14aにおけるサイドフレームインナ13との対
向側面付近まで達するものとなる。
【0016】次に、サイドフレームアウタ12と溶接さ
れたレインフォースメント14に対してサイドフレーム
インナ13を重ね合わせ、これら両者のフランジ部14
a・13aの端面との対向側に前記レーザトーチを配す
る。そして、このレーザトーチからフランジ部14a・
13aの重ね合わせ部に対してレーザ照射を行うととも
に、レーザトーチと、サイドフレームアウタ12、レイ
ンフォースメント14およびサイドフレームインナ13
とをフランジ部14a・13aの長手方向に相対移動さ
せて、同図(b)に示すように、両フランジ部14a・
13aを溶接する。これにより生じるビード16は、上
記のビード15と同様、フランジ部14a・13aの端
面側で幅が広く、この端面とは反対側の端面方向に向か
って幅が徐々に狭くなり、上記ビード15のフランジ部
14a側端部付近まで達するものとなる。
【0017】その後、溶接されたフランジ部12a・1
3a・14aには、同図(c)に示すように、端部処理
用のシーミングウェルト17が取り付けられる。
【0018】上記のように、本ビーム溶接方法では、重
ね合わされた3枚のフランジ部12a・14a・13a
を溶接する際に、一方側の2枚のフランジ部12a・1
4aに対しては、3枚のフランジ部12a・14a・1
3aが溶接されたときに外面側となるフランジ部12a
との対向位置からフランジ部12a・14aの重ね合わ
せ方向にレーザを照射する第1の溶接方法を行う一方、
他方側の2枚のフランジ部14a・13aに対しては、
これら両フランジ部14a・13aの端面との対向位置
からフランジ部14a・13aの重ね合わせ部にレーザ
を照射する第2の溶接方法を行っている。従って、隣接
する各フランジ部12a・14a・13a同士を確実に
溶接し得るとともに、高い生産性を備えることができ
る。
【0019】即ち、上記第1の溶接方法のみによる溶接
では、ビーム照射位置の精度は比較的低くてもよいもの
の、3枚重ねのフランジ部12a・13a・14aを溶
接するには溶接強度の点で問題がある。一方、上記第2
の溶接方法のみによる溶接では、隣接する各フランジ部
12a・13a・14a同士を確実に溶接し得るもの
の、各フランジ部12a・13a・14aの重ね合わせ
部にビーム照射を行わなければならず、ビーム照射位置
を高精度で制御する必要があり、第1の溶接方法に対し
て生産性は低くなる。従って、上記第1および第2の溶
接方法を併用することにより、溶接強度において高い信
頼性を備えつつ、生産性を高めることができる。
【0020】また、上記第1および第2の溶接方法を行
っていることにより、フランジ部12a・13a・14
aにおいては、硬度の高い部分であるビード15および
ビード16が縦横に分布する。従って、あらゆる方向の
入力加重に対して高い強度を備えることができる。
【0021】また、フランジ部12a・13a・14a
に対し、高出力のレーザ照射で上記第1の溶接方法を行
うことのみによってフランジ部12a・13a・14a
を溶接する場合と比較して、他方側のフランジ部13a
・14aの接合面積を適切に拡大でき、高い接合強度を
容易かつ確実に得ることができる。
【0022】また、一方側のフランジ部12a・1
同士、および他方側のフランジ部13a・14a同士を
個別に溶接するので、レーザ溶接装置のレーザ発振器1
は、低出力のものでも対応可能である。
【0023】また、他方側の2枚のフランジ部14a・
13aを、上記第2の溶接方法にて溶接するときには、
フランジ部14a・13aの対向面側に存在するメッキ
層あるいは油分等の異物が気化することによって生じる
ガスが、外部へ排出され易くなる。従って、高出力のレ
ーザ照射で上記第1の溶接方法を行うことのみによって
フランジ部12a・13a・14aを溶接する場合と比
較して、上記ガスによるブローホールが溶接部に生じ難
く、高い溶接強度を安定して得ることができる。
【0024】また、図6に示すようなセンタピラー11
に対してフランジ部12a・13a・14aの溶接を行
う場合、溶接強度を確保する上では、フランジ部12a
・13a・14aから閉断面を形成するための湾曲が始
まる部位付近を溶接するのが有効である。そこで、上記
第1の溶接方法での溶接を上記の部位に行った場合に
は、図1(c)に示すシーミングウェルト17にて上記
溶接跡を覆い難く、この溶接跡により外観が低下するこ
とになる。これに対し、上記の部位にレーザ出力を調整
して第2の溶接方法での溶接を行った場合には、溶接跡
が外面側には生じない。従って、上記のように、他方側
のフランジ部14a・13aの溶接を第2の溶接方法で
行った場合には、少なくとも、他方側の外面の外観を向
上することができる。
【0025】尚、3枚のフランジ部12a・13a・1
4aを重ね合わせて溶接する手順としては、上述したも
のの他、図2に示すように、先ず、フランジ部14a・
13aを第2の溶接方法にて溶接した後、レインフォー
スメント14にサイドフレームアウタ12を重ね合わせ
て、図1(b)に示すように、それらのフランジ部14
a・12aを第1の溶接方法にて溶接するものを採用す
ることができる。
【0026】また、他の方法として、図3に示すよう
に、3枚のフランジ部12a・13a・14aを予め重
ね合わせた状態に配し、フランジ部12a側からの高出
力のレーザ照射での前記第1の溶接方法にて、フランジ
部12a・13a・14aを溶接する(第1工程)とと
もに、高出力のレーザ照射での前記第2の溶接方法に
て、フランジ部14a・13aを溶接する(第2工程)
方法を採用してもよい。この場合、レーザ溶接装置のレ
ーザ発振器1には高出力のものが必要であるものの、第
1の溶接方法により生じるビード15(第1ビード)
フランジ部12aからフランジ部14aを経てフランジ
部13aまで達するとともに、第2の溶接方法により生
じるビード16(第2ビード)が上記ビード15と交差
する位置まで深くなるものとすることができるので、フ
ランジ部12a・13a・14aの溶接強度をさらに高
めることができる。
【0027】〔参考例〕 本発明の参考例を図7ないし図9に基づいて、以下に説
明する。尚、説明の便宜上、前記の実施例に示した部材
と同一の機能を有する部材には同一の符号を付記し、そ
の説明を省略する。
【0028】本参考例においては、4枚のワークを重ね
合わせて溶接する方法について説明する。この方法とし
ては、例えば図7ないし図9に示す3通りの方法があ
る。
【0029】1番目の方法では、図7(a)に示すよう
に、先ず、重ね合わせて溶接すべき4枚のワーク21〜
24のうちの一方側の2枚のワーク21・22同士、お
よび他方側の2枚のワーク23・24同士をそれぞれ個
別に、前記第1の溶接方法にて溶接する。
【0030】次に、同図(b)に示すように、ワーク2
1と溶接されたワーク22と、ワーク24と溶接された
ワーク23とを重ね合わせ、これら両ワーク22・23
を前記第2の溶接方法にて溶接して、4枚のワーク21
〜24の溶接を終了する。
【0031】2番目の方法では、図8(a)に示すよう
に、先ず、重ね合わせて溶接すべき4枚のワーク21〜
24のうちの中央側の2枚のワーク22・23同士を前
記第2の溶接方法にて溶接する。
【0032】次に、同図(b)に示すように、ワーク2
2にワーク21を重ね合わせ、前記第1の溶接方法にて
ワーク22にワーク21を溶接するとともに、ワーク2
3にワーク24を重ね合わせ、同様に、前記第1の溶接
方法にてワーク23にワーク24を溶接して、4枚のワ
ーク21〜24の溶接を終了する。
【0033】3番目の方法では、図9(a)に示すよう
に、先ず、重ね合わせて溶接すべき4枚のワーク21〜
24のうちの一方側の2枚のワーク21・22同士を前
記第1の溶接方法にて溶接する。
【0034】次に、同図(b)に示すように、ワーク2
2にワーク23を重ね合わせ、前記第2の溶接方法にて
ワーク22にワーク23を溶接するとともに、ワーク2
3にワーク24を重ね合わせ、同様に、前記第2の溶接
方法にてワーク23にワーク24を溶接して、4枚のワ
ーク21〜24の溶接を終了する。
【0035】尚、図7(a)に示すのべ2回の第1の溶
接方法による溶接、図8(b)に示すのべ2回の第1の
溶接方法による溶接、および図9(b)に示すのべ2回
の第2の溶接方法による溶接は、1台のレーザ溶接装置
により各々個別に行うもの、あるいは2台のレーザ溶接
装置により同時に行うものの何れであってもよい。
【0036】また、以上の参考例においては、3枚およ
び4枚のワークを重ね合わせて溶接する各場合について
示したが、さらに5枚重ね、6枚重ねというように、3
枚以上のワークを重ね合わせて溶接する場合に適用可能
である。
【0037】
【発明の効果】本発明のビーム溶接方法は、以上のよう
に、高密度エネルギービームにてワークを3枚重ね合わ
せた状態に溶接するビーム溶接方法であって、上記3枚
のワークを予め重ね合わせた状態に配し、これらワーク
の重ね合わせ方向における一方側端部に位置するワーク
側からワークの重ね合わせ方向にビームを照射して、こ
れら3枚のワークを溶接する第1工程と、上記一方側端
部に位置するワークに対して他方側に位置するワーク同
士を、ワーク端面との対向方向からワークの重ね合わせ
部へのビーム照射にて溶接する第2工程とを含み、第1
工程により生じる第1ビードが他方側端部のワークまで
達するとともに、第2工程により生じる第2ビードが第
1ビードと交差するように設定されている構成である。
【0038】これにより、ワークの重ね合わせ方向にお
ける一方側端部に位置するワークと、このワークの他方
側に位置するワークに対しては、ビーム照射位置の精度
を低くして、溶接を簡単な制御で迅速に行うことができ
る。また、上記一方側端部に位置するワークに対して他
方側に位置するワーク同士も確実に溶接することができ
る。従って、上記の両溶接方法を併用することにより、
溶接強度において高い信頼性を備えつつ、生産性を高め
ることができる。また、上記の両溶接方法を行っている
ことにより、ワークの溶接部においては、硬度の高い部
分であるビードが縦横に分布する。従って、あらゆる方
向の入力加重に対して高い強度を備えることができると
いった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a)は、本発明の一実施例のビーム溶接
方法を示すものであって、3枚のワークを重ね合わせて
溶接する場合の第1段階の溶接動作を示すワーク要部の
横断面図、同図(b)は第2段階の溶接動作を示すワー
ク要部の横断面図、同図(c)は溶接動作終了後に行う
ワークの端部に対する処理動作を示すワーク要部の横断
面図である。
【図2】図1(a)に示した溶接手順の他の例を示すワ
ーク要部の横断面図である。
【図3】図1に示した溶接方法の他の例を示すワーク要
部の横断面図である。
【図4】上記の溶接方法を実施するためのレーザ溶接装
置を示すブロック図である。
【図5】上記の溶接方法により形成されるセンタピラー
を備えた車体の斜視図である。
【図6】上記のセンタピラーの横断面図である。
【図7】同図(a)は、本発明の参考例のビーム溶接方
法を示すものであって、4枚のワークを重ね合わせて溶
接する場合の第1段階の溶接動作を示すワーク要部の横
断面図、同図(b)は第2段階の溶接動作を示すワーク
要部の横断面図である。
【図8】同図(a)は、図7(a)に示した第1段階の
溶接動作の他の例を示すワーク要部の横断面図、同図
(b)は上記第1段階の溶接動作に続く第2段階の溶接
動作の他の例を示すワーク要部の横断面図である。
【図9】同図(a)は、図7(a)に示した第1段階の
溶接動作のさらに他の例を示すワーク要部の横断面図、
同図(b)は上記第1段階の溶接動作に続く第2段階の
溶接動作のさらに他の例を示すワーク要部の横断面図で
ある。
【図10】従来のスポット溶接方法を示す縦断面図であ
る。
【図11】従来のビーム溶接方法にて形成される自動車
のセンタピラーを示す横断面図である。
【図12】従来のビーム溶接方法を示す上記センタピラ
ー要部の横断面図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器 2 反射鏡 3 レンズ 4 ミラーモータ 5 レンズモータ 7 制御装置7 8 ワーク 11 センタピラー 12 サイドフレームアウタ 12a フランジ部 13 サイドフレームインナ 13a フランジ部 14 レインフォースメント 14a フランジ部 15 ビード(第1ビード) 16 ビード(第2ビード)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高密度エネルギービームにてワークを3枚
    ね合わせた状態に溶接するビーム溶接方法であって、 上記3枚のワークを予め重ね合わせた状態に配し、これ
    らワークの重ね合わせ方向における一方側端部に位置
    るワーク側からワークの重ね合わせ方向にビームを照射
    して、これら3枚のワークを溶接する第1工程と、 上記一方側端部に位置するワークに対して他方側に位置
    するワーク同士を、ワーク端面との対向方向からワーク
    の重ね合わせ部へのビーム照射にて溶接する第2工程と
    を含み、 第1工程により生じる第1ビードが他方側端部のワーク
    まで達するとともに、第2工程により生じる第2ビード
    が第1ビードと交差するように設定されている ことを特
    徴とするビーム溶接方法。
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