JPH0732176A - ビーム溶接部材の製造方法 - Google Patents

ビーム溶接部材の製造方法

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JPH0732176A
JPH0732176A JP5173371A JP17337193A JPH0732176A JP H0732176 A JPH0732176 A JP H0732176A JP 5173371 A JP5173371 A JP 5173371A JP 17337193 A JP17337193 A JP 17337193A JP H0732176 A JPH0732176 A JP H0732176A
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work
curved
welding
flange
welded
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JP5173371A
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English (en)
Inventor
Mitsugi Fukahori
貢 深堀
Katsunori Hanakawa
勝則 花川
Masahiro Osumi
正宏 大隅
Toshisuke Nakanishi
利介 中西
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フランジ部13a・14aが互いに同方向に
湾曲する湾曲部13b・14bを介して本体部13c・
14cとつながるサイドフレームアウタ13とレインフ
ォースメント14とを、湾曲部13b外面の曲率半径が
湾曲部14b内面の曲率半径以下となるようにして形成
し、フランジ部13a・14a同士が重なり合い、かつ
湾曲部13bの外面が湾曲部14bの内面と重なり合う
ように配し、湾曲部13b・14bにビーム照射を行っ
て、両者を溶接する。 【効果】 湾曲部13b・14b同士を溶接することに
より溶接部材の強度を高めることができ、かつフランジ
部13a・14a同士を溶接する場合よりフランジ部1
3a・14aの幅を狭くできる。湾曲部13b・14b
同士は密着し易く、この部位の溶接が良好に行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザあるいは電子ビ
ーム等の高密度エネルギービームの照射によって溶接を
行うビーム溶接部材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の車体の組み立てにおいて
は、電気溶接であるスポット溶接が主として行われてい
る。このスポット溶接では、例えば図8に示すように、
ワーク51とワーク52とを溶接する場合、これらワー
ク51・52に、溶接機の電極53・54により挟み込
むための広い幅のフランジ部51a・52aを形成する
必要がある。このため、所定の剛性を有する部材を形成
する場合に、重量増を招来するものとなっている。ま
た、溶接作業時においては、上記両電極53・54の移
動スペースを確保する必要があり、ワークの形状や溶接
位置等が制限され易くなっている。
【0003】そこで、上記のように重ね合わされるワー
ク51・52に対しては、図9に示すように、レーザあ
るいは電子ビーム等の高密度エネルギービーム55の照
射によるビーム溶接を行うことが提案されている。即
ち、このビーム溶接では、ワーク56・57におけるフ
ランジ部56a・57aの幅は、ビーム照射により溶接
し得る寸法に設定されていればよく、狭くできる。これ
により、重量の軽減が可能である。また、ビーム溶接
は、ワークから離れた位置よりビームを照射するもので
あるから、ワークの形状および溶接位置等による制限を
受け難くなっており、上記の各問題を解消することがで
きる。
【0004】一方、上記のビーム溶接方法では、ビーム
照射による非接触溶接法であるため、溶接するワーク間
のギャップ量が大きくなると、良好な溶接を行うことが
できない。例えば、図10(a)に示す0.8mm厚の
SPC鋼板58・59を幅方向に溶接長20mmでビー
ム溶接した場合、両鋼板58・59間のギャップ量と、
同図(a)に矢印で示す長手方向の引張り剪断強度との
関係は、同図(b)に示すものとなる。そこで、ビーム
溶接の際には、上記のギャップ量を小さく抑えるため、
例えば特開昭60−49883号公報に開示されている
ように、重ね合わせて溶接するワークのフランジ部同士
を加圧ローラにて圧接させながら、フランジ部にレーザ
を照射することが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図11に示
すように、互いに重なり合う平坦なフランジ部61a・
62aが湾曲部61b・62bを介して本体部61c・
62cとつながっている2枚のワーク61・62に対し
ての上記公報に開示されたビーム溶接において、これら
ワーク61・62を溶接して形成する部材の剛性を高め
ようとする場合、フランジ部61a・62aにおける湾
曲部61b・62bの近傍部位を、同図に示すようにフ
ランジ部62aとの対向位置からの、もしくは図12に
示すようにフランジ部61aとの対向位置からのレーザ
照射により溶接することになる。この場合、フランジ部
61a・62aの対向面同士が沿い合う状態は一般に均
一ではなく、これを補うために上記のように加圧ローラ
によって両者を強制的に圧接させていること、およびフ
ランジ部61a・62a自体の剛性が低いことにより、
図13に示すように、フランジ部61a・62aが変形
し、フランジ部61a・62aにおける溶接部、即ちビ
ード63の一方側もしくは両側に離間部64が生じてし
まう。このため、ワーク61・62により形成される溶
接部材の疲労強度が低下するという問題点を有してい
る。
【0006】従って、本発明は、ビーム溶接により形成
されるビーム溶接部材が高い強度を備えることができ、
フランジ部での変形によるフランジ同士の離間部の発生
を防止し、ビーム溶接部材の疲労強度の低下を防止し得
るビーム溶接部材の製造方法の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明のビーム溶接部材の製造方法は、
フランジ部が湾曲部を介して本体部とつながる一方側ワ
ークと、フランジ部が、上記一方側ワークの湾曲部と同
方向に湾曲する湾曲部を介して本体部とつながる他方側
ワークとを、一方側ワークの湾曲部外面の曲率半径が他
方側ワークの湾曲部内面の曲率半径以下となるようにし
て形成し、一方側ワークと他方側ワークとを、それぞれ
の上記フランジ部同士が重なり合い、かつ一方側ワーク
の湾曲部外面が他方側ワークの湾曲部内面と重なり合う
ように配し、これら重なり合う湾曲部にビーム照射を行
って、湾曲部同士を溶接することを特徴としている。
【0008】また、請求項2の発明のビーム溶接部材の
製造方法は、フランジ部が湾曲部を介して本体部とつな
がる一方側ワークと、フランジ部が、上記一方側ワーク
の湾曲部と同方向に湾曲する湾曲部を介して本体部とつ
ながる他方側ワークとを、一方側ワークの湾曲部外面の
曲率半径が他方側ワークの湾曲部内面の曲率半径よりも
大きくなるようにして形成し、一方側ワークと他方側ワ
ークとを、それぞれの上記フランジ部同士が重なり合
い、かつ一方側ワークの湾曲部外面が他方側ワークの湾
曲部内面と重なり合うように配し、これら重なり合う湾
曲部にビーム照射を行って、湾曲部同士を溶接すること
を特徴としている。
【0009】
【作用】請求項1の構成によれば、一方側ワークと他方
側ワークとが、フランジ部同士ではなく、フランジ部と
本体部との間の湾曲部同士によって溶接されるので、こ
れによって形成される溶接部材の強度を高めることがで
きるとともに、フランジ部同士を溶接する場合よりもフ
ランジ部の幅を狭くすることができる。さらに、フラン
ジ部が変形してこの部位にフランジ部同士の離間部が生
じるといったことがなく、溶接部の疲労強度が高くな
る。
【0010】また、一方側ワークの湾曲部外面の曲率半
径が他方側ワークの湾曲部内面の曲率半径以下となって
いるので、溶接のために一方側ワークの湾曲部外面と他
方側ワークの湾曲部内面とを重ね合わせたときには、フ
ランジ部同士を重ね合わせる場合よりも、湾曲部同士の
密着部を得易い。従って、湾曲部にビーム照射を行って
溶接した場合には、溶接性が良好となる。このようなこ
とから、強度の高い溶接部材を得ることができる。
【0011】請求項2の構成によれば、請求項1の構成
の場合と同様、一方側ワークと他方側ワークとが、フラ
ンジ部同士ではなく、フランジ部と本体部との間の湾曲
部同士によって溶接されるので、これによって形成され
る溶接部材の強度を高めることができるとともに、フラ
ンジ部同士を溶接する場合よりもフランジ部の幅を狭く
することができる。さらに、フランジ部での離間部の発
生が防止され、溶接部の疲労強度が高くなる。
【0012】また、一方側ワークの湾曲部外面の曲率半
径が他方側ワークの湾曲部内面の曲率半径よりも大きく
なっているので、一方側ワークの湾曲部外面と他方側ワ
ークの湾曲部内面とを重ね合わせたときには、これら湾
曲部間に適切に空隙部が形成される。従って、一方側ワ
ークと他方側ワークとが低融点の亜鉛メッキ等のメッキ
鋼板である場合、もしくは両湾曲部の対向面に油分等の
異物が付着している場合、ビーム照射の際にこれによっ
て生じる蒸気が空隙部を通じて確実に外部へ排出され
る。これにより、溶接部でのブローホールの発生が防止
され、溶接部での溶接強度が確保される。従って、本製
造方法は、溶接によりメッキ層等が蒸気化するワークの
溶接に適する。
【0013】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の一実施例を図1ないし図6に基づ
いて以下に説明する。ビーム溶接に使用されるビーム溶
接装置は、図2に示すように、レーザ発振器1、反射鏡
2、レンズ3、ミラーモータ4、レンズモータ5、ビー
ム状態モニタ6および制御装置7を備えている。
【0014】レーザ発振器1は、レーザを発生して図示
しないレーザトーチから出力するものであり、反射鏡2
は、レーザ発振器1から出力されたレーザをワーク8の
所定溶接部に導くものであり、レンズ3は、反射鏡2に
より反射されたレーザをワーク8の溶接部に収束させる
ものである。また、ミラーモータ4は、レーザの照射位
置を変化させるために反射鏡2を回転させるものであ
り、レンズモータ5は、レーザがワーク8の溶接部に収
束するように、レンズ3を移動させるものであり、ビー
ム状態モニタ6は、ワーク8の溶接部に照射されている
レーザの出力、およびレーザによる溶接状態等の光学式
モニタである。さらに、制御装置7は、ビーム状態モニ
タ6による検出状態等に基づいて、ミラーモータ4およ
びレンズモータ5の作動を制御するとともに、レーザ発
振器1の作動制御を行うものである。
【0015】次に、上記のビーム溶接装置によるビーム
溶接部材の製造方法について説明する。ここでは、図3
に示す車体11のセンタピラー12を製造するものとす
る。センタピラー12は、図4に示すように、一方側ワ
ークとしてのサイドフレームアウタ13、センタピラー
12の強度向上のためにサイドフレームアウタ13に沿
って設けられた他方側ワークとしてのレインフォースメ
ント14、および上記サイドフレームアウタ13と共に
閉断面を形成するサイドフレームインナ15により形成
されている。
【0016】これらサイドフレームアウタ13、レイン
フォースメント14およびサイドフレームインナ15
は、各々のフランジ部13a・14a・15aが重ね合
わされた状態でレーザ溶接される。これら各部材は、互
いに重なり合う平坦なフランジ部13a・14a・15
aが湾曲部13b・14b・15bを介して所定形状の
本体部13c・14c・15cとつながっている。湾曲
部13b・14bは、図1(a)にも示すように、同じ
方向に湾曲しており、湾曲部13bにおける外面側の曲
率半径をR1 、湾曲部14bにおける内面側の曲率半径
をR2 とすると、これらR1 、R2 の関係は、 R1 ≦R2 となっている。
【0017】尚、センタピラー12は、車体11の剛性
に対する寄与度が高く、一方、視界向上の点からは可能
な限り細くすることが望まれている。そこで、本実施例
において、上記R1 、R2 は、R1 =3mm、R2 =4
mmに設定している。
【0018】次に、上記サイドフレームアウタ13とレ
インフォースメント14とをビーム溶接する際には、サ
イドフレームアウタ13とレインフォースメント14と
を、図1 (a)に示すように、フランジ部13a・14
a同士が重なり合い、かつ湾曲部13bの外面が湾曲部
14bの内面と重なり合うように配し、これらフランジ
部13a・14aを図示しないクランプ手段によってク
ランプする。このとき、湾曲部13bの曲率半径R1
湾曲部14bの曲率半径R2 とが上記の関係を有してい
るので、湾曲部13b・14bには、同図(b)に示す
ように、完全な密着部16が生じる。
【0019】次に、湾曲部14bの外面との対向位置に
前記レーザトーチを配する。そして、このレーザトーチ
から、湾曲部13b・14b同士の上記密着部16を狙
ってレーザ照射を行うとともに、レーザトーチ9とサイ
ドフレームアウタ13およびレインフォースメント14
とをフランジ部13a・14aの長手方向に相対移動さ
せて、同図(c)に示すように、湾曲部13b・14b
同士を溶接する。この溶接によって生じるビード17
は、レーザ照射側である湾曲部14bの外面側で広く、
湾曲部13bの内面側に向かって徐々に幅が狭くなって
いる。
【0020】その後、上記のものとは反対側の湾曲部1
3b・14bも同様にして溶接し、さらに、レインフォ
ースメント14のフランジ部14aとサイドフレームイ
ンナ15のフランジ部15aとを溶接してセンタピラー
12を形成する。
【0021】尚、上記の湾曲部13b・14b同士の溶
接においては、湾曲部14b側からレーザ照射を行った
が、同図(d)に示すように、逆に、湾曲部13b側か
らレーザ照射を行ってもよい。
【0022】上記のように、本ビーム溶接部材の製造方
法では、サイドフレームアウタ13とレインフォースメ
ント14とをこれら各部材における両側端部のフランジ
部13a・14aよりも部材内方部位である湾曲部13
b・14bにて溶接しているので、これらによって形成
されるセンタピラー12の強度を高めることができると
ともに、フランジ部13a・14aの幅を狭くすること
ができる。さらに、湾曲部13b・14bが変形してこ
の部位にフランジ部13a・14a同士の離間部が生じ
るといったことがなく、溶接部の疲労強度が高くなる。
【0023】また、サイドフレームアウタ13およびレ
インフォースメント14の湾曲部13b・14bはプレ
スによる成形性が良好であり、高精度で成形される。従
って、湾曲部13b・14b同士を重ね合わせた場合の
密着性は、フランジ部13a・14a同士の密着性より
も高くなる。これにより、フランジ部13a・14a同
士を溶接する場合と比較して、湾曲部13b・14b同
士の溶接品質は高いものとなる。また、上記クランプ手
段は、フランジ部13a・14a同士を強固に圧接させ
る必要がなく、簡易なものでよい。このようなことか
ら、強度の高いセンタピラー12を得ることができる。
【0024】尚、上記の実施例では、サイドフレームア
ウタとレインフォースメントとの溶接を例として説明し
たが、本製造方法は、その他、強度を重視しない他の部
材をビーム溶接により形成する場合にも適用することが
できる。例えば、2枚の部材の重なり合うフランジ部同
士を溶接したい場合に、重なり合う湾曲部同士を予めビ
ーム照射による点溶接にて仮付けし、その後、フランジ
部同士を本溶接するといった方法を採用すれば、上記フ
ランジ部同士を良好に溶接することができる。
【0025】即ち、例えば、図5(a)に示すように、
2枚の部材の本溶接すべきフランジ部21・22に対し
て予め点溶接を行い、同図(b)に示すように、これら
点溶接部23・24間を本溶接部25として矢印方向に
連続的に溶接した場合、点溶接部24付近に空隙部26
が生じ、溶接欠陥となる。
【0026】これに対し、上記2枚の部材の重なり合う
図示しない湾曲部同士を予め点溶接し、その後上記フラ
ンジ部21・22同士を本溶接する方法では、上記点溶
接による変形は、上記湾曲部が剛性の高い部分である部
材内方部位すなわち本体部との近傍部位であることか
ら、フランジ部へは伝播し難い。また、本溶接の際、図
6(a)に示すように、フランジ部21・22は拘束さ
れていないので、同図(b)に示すように、本溶接部2
6には溶接欠陥が生じない。
【0027】〔実施例2〕本発明の他の実施例を図7に
基づいて以下に説明する。尚、説明の便宜上、前記の実
施例に示した部材と同一の機能を有する部材には、同一
の符合を付記し、その説明を省略する。
【0028】本実施例の製造方法によって製造されるビ
ーム溶接部材としてのセンタピラー12は、図7に示す
ように、図1に示したサイドフレームアウタ13に代え
てサイドフレームアウタ31を備え、レインフォースメ
ント14に代えてレインフォースメント32を備えてい
る。これらサイドフレームアウタ31およびレインフォ
ースメント32の形状は、上記サイドフレームアウタ1
3およびレインフォースメント14とぼぼ同様である
が、それぞれの湾曲部31b・32bの曲率半径の関係
が前記の場合とは異なっている。
【0029】即ち、湾曲部31bにおける外面側の曲率
半径をR3 、湾曲部32bにおける内面側の曲率半径を
4 とすると、これらR3 、R4 の関係は、 R3 >R4 となっている。
【0030】上記サイドフレームアウタ31とレインフ
ォースメント32とをビーム溶接する際には、これら両
者を、図7(a)に示すように、フランジ部31a・3
2a同士が重なり合い、かつ湾曲部31bの外面が湾曲
部32bの内面と重なり合うように配し、これらフラン
ジ部31a・32aをクランプ手段によってクランプす
る。このとき、R3 、R4 の上記の関係から、湾曲部3
1b・32bの間には間隙部33が生じる。
【0031】次に、同図(b)もしくは同図(c)に示
すように、湾曲部32bもしくは湾曲部31bとの対向
位置から湾曲部31b・32bを狙ってレーザ照射を行
い、湾曲部31b・32b同士を溶接する。この場合、
サイドフレームアウタ31とレインフォースメント32
とが亜鉛メッキ等の低融点のメッキが施されたメッキ鋼
板、もしくは溶接部となる湾曲部31b・32bの対向
面に油分等の異物が付着しているものであると、レーザ
照射の際に、上記メッキ層もしくは異物の蒸気が発生す
るものの、この蒸気は、両湾曲部31b・32b間の間
隙部33を通じて外部へ排出される。従って、上記の蒸
気による溶接部でのブローホールの発生が防止される。
但し、間隙部33によるギャップ量がレーザ照射側の部
材における板厚のほぼ40%以上になると、この部材の
溶接部に貫通孔が生じてしまうといったこともあるた
め、所望の溶接強度を確保し得るように、上記R3 、R
4 を設定する必要がある。
【0032】上記のように、本実施例のビーム溶接部材
の製造方法によれば、実施例1に示した方法と同様、サ
イドフレームアウタ31とレインフォースメント32と
が湾曲部31b・32bにて溶接されることによりセン
タピラー12の強度を高めることができ、かつフランジ
部31a・32aの幅を狭くできる。さらに、フランジ
部31a・31aに離間部が生じるといったことがな
く、溶接部の疲労強度が高くなる。また、本製造方法
は、湾曲部31b・32bに形成される間隙部33によ
り溶接部でのブローホールの発生を防止できるので、溶
接によりメッキ層等が蒸気化する部材の溶接に適する。
【0033】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明のビーム
溶接部材の製造方法は、フランジ部が湾曲部を介して本
体部とつながる一方側ワークと、フランジ部が、上記一
方側ワークの湾曲部と同方向に湾曲する湾曲部を介して
本体部とつながる他方側ワークとを、一方側ワークの湾
曲部外面の曲率半径が他方側ワークの湾曲部内面の曲率
半径以下となるようにして形成し、一方側ワークと他方
側ワークとを、それぞれの上記フランジ部同士が重なり
合い、かつ一方側ワークの湾曲部外面が他方側ワークの
湾曲部内面と重なり合うように配し、これら重なり合う
湾曲部にビーム照射を行って、湾曲部同士を溶接する構
成である。
【0034】これにより、溶接にて形成される溶接部材
の強度を高めることができるとともに、フランジ部同士
を溶接する場合よりもフランジ部の幅を狭くすることが
できる。さらに、フランジ部が変形してこの部位にフラ
ンジ部同士の離間部が生じるといったことがなく、溶接
部の疲労強度を高くすることができる。また、溶接のた
めに一方側ワークの湾曲部外面と他方側ワークの湾曲部
内面とを重ね合わせたときには、フランジ部同士を重ね
合わせる場合よりも、湾曲部同士の密着部を得易く、湾
曲部をビーム溶接した場合には、溶接性が良好となる。
従って、これによっても溶接部材の強度を高めることが
できるという効果を奏する。
【0035】また、請求項2の発明のビーム溶接部材の
製造方法は、フランジ部が湾曲部を介して本体部とつな
がる一方側ワークと、フランジ部が、上記一方側ワーク
の湾曲部と同方向に湾曲する湾曲部を介して本体部とつ
ながる他方側ワークとを、一方側ワークの湾曲部外面の
曲率半径が他方側ワークの湾曲部内面の曲率半径よりも
大きくなるようにして形成し、一方側ワークと他方側ワ
ークとを、それぞれの上記フランジ部同士が重なり合
い、かつ一方側ワークの湾曲部外面が他方側ワークの湾
曲部内面と重なり合うように配し、これら重なり合う湾
曲部にビーム照射を行って、湾曲部同士を溶接する構成
である。
【0036】これにより、請求項1の発明と同様、溶接
にて形成される溶接部材の強度を高めることができると
ともに、フランジ部同士を溶接する場合よりもフランジ
部の幅を狭くすることができる。さらに、フランジ部が
変形してこの部位にフランジ部同士の離間部が生じると
いったことがなく、溶接部の疲労強度を高くすることが
できる。また、一方側ワークの湾曲部外面と他方側ワー
クの湾曲部内面とを重ね合わせたときには、これら湾曲
部間に適切に空隙部が形成され、一方側ワークと他方側
ワークとが低融点の亜鉛メッキ等のメッキ鋼板である場
合、もしくは両湾曲部の対向面に油分等の異物が付着し
てい場合、ビーム照射の際にこれによって生じる蒸気が
空隙部を通じて確実に外部へ排出される。これにより、
溶接部でのブローホールの発生が防止され、溶接部での
溶接強度が確保される。従って、本製造方法は、溶接に
よりメッキ層等が蒸気化するワークの溶接に適するとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a)は、本発明の一実施例を示すもので
あって、レーザ溶接するサイドフレームアウタとレイン
フォースメントとにおける湾曲部同士の曲率半径の関係
を示す要部の断面図、同図(b)は同図(a)に示した
湾曲部における密着部を拡大して示す断面図、同図
(c)は同図(a)に示した湾曲部に対してレーザ溶接
を行った状態を示す要部の断面図、同図(d)は同図
(c)に示した方向とは逆の方向からレーザ溶接を行っ
た状態を示す要部の断面図である。
【図2】上記のレーザ溶接を実施するためのレーザ溶接
装置を示すブロック図である。
【図3】上記のレーザ溶接により製造されるセンタピラ
ーを備えた車体を示す斜視図である。
【図4】図3に示したセンタピラーの横断面図である。
【図5】同図(a)はワークの重なり合うフランジ部に
対して、仮付けのための点溶接を行った状態を示す断面
図、同図(b)は同図(a)に示した点溶接部間を本溶
接した状態を示す断面図である。
【図6】同図(a)はワークの重なり合うフランジ部同
士を溶接する場合に、図示しない湾曲部同士を点溶接し
た場合のフランジ部を示す断面図、同図(b)は同図
(a)に示したフランジ部同士を本溶接した状態を示す
断面図である。
【図7】同図(a)は、本発明の他の実施例を示すもの
であって、レーザ溶接するサイドフレームアウタとレイ
ンフォースメントとにおける湾曲部同士の曲率半径の関
係を示す要部の断面図、同図(b)は同図(a)に示し
た湾曲部に対してレーザ溶接を行った状態を示す要部の
断面図、同図(c)は同図(b)に示した方向とは逆の
方向からレーザ溶接を行った状態を示す要部の断面図で
ある。
【図8】従来のスポット溶接による部材の製造方法を示
すワーク要部の断面図である。
【図9】従来のビーム溶接部材の製造方法を示すワーク
要部の断面図である。
【図10】同図(a)は、ビーム溶接する両ワーク間の
ギャップ量と引張り剪断強度との関係の説明に使用する
図、同図(b)は同図(a)に示したギャップ量と引張
り剪断強度との関係を示すグラフである。
【図11】従来のビーム溶接部材の製造方法を示すワー
ク要部の断面図である。
【図12】図11での方向とは逆方向からのビーム照射
による従来のビーム溶接部材の製造方法を示すワーク要
部の断面図である。
【図13】図12に示した溶接部を拡大して示す断面図
である。
【符号の説明】
12 センタピラー(溶接部材) 13 サイドフレームアウタ(一方側ワーク) 13a フランジ部 13b 湾曲部 13c 本体部 14 レインフォースメント(他方側ワーク) 14a フランジ部 14b 湾曲部 14c 本体部 15 サイドフレームインナ 17 ビード 31 サイドフレームアウタ(一方側ワーク) 31a フランジ部 31b 湾曲部 31c 本体部 32 レインフォースメント(他方側ワーク) 32a フランジ部 32b 湾曲部 32c 本体部 33 間隙部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 利介 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フランジ部が湾曲部を介して本体部とつな
    がる一方側ワークと、フランジ部が、上記一方側ワーク
    の湾曲部と同方向に湾曲する湾曲部を介して本体部とつ
    ながる他方側ワークとを、一方側ワークの湾曲部外面の
    曲率半径が他方側ワークの湾曲部内面の曲率半径以下と
    なるようにして形成し、一方側ワークと他方側ワークと
    を、それぞれの上記フランジ部同士が重なり合い、かつ
    一方側ワークの湾曲部外面が他方側ワークの湾曲部内面
    と重なり合うように配し、これら重なり合う湾曲部にビ
    ーム照射を行って、湾曲部同士を溶接することを特徴と
    するビーム溶接部材の製造方法。
  2. 【請求項2】フランジ部が湾曲部を介して本体部とつな
    がる一方側ワークと、フランジ部が、上記一方側ワーク
    の湾曲部と同方向に湾曲する湾曲部を介して本体部とつ
    ながる他方側ワークとを、一方側ワークの湾曲部外面の
    曲率半径が他方側ワークの湾曲部内面の曲率半径よりも
    大きくなるようにして形成し、一方側ワークと他方側ワ
    ークとを、それぞれの上記フランジ部同士が重なり合
    い、かつ一方側ワークの湾曲部外面が他方側ワークの湾
    曲部内面と重なり合うように配し、これら重なり合う湾
    曲部にビーム照射を行って、湾曲部同士を溶接すること
    を特徴とするビーム溶接部材の製造方法。
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