JP3222121U - キャピラリーバリアの下部層用粗粒代替構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】二層の境界面に形成される毛管遮水層の遮水性能が高くなり、経時的に二層間の間隙差が変化せずに、長期間に亘って毛管遮水層による遮水機能を持続できると共に、現場での施工も容易に行える、キャピラリーバリアの下部層用粗粒代替構造体を提供する。【解決手段】上下に積層して地中に埋設された大きな間隙を有する下部層と、該下部層より間隙の小さな自然材料の細粒物で構成される上部層とを積層したキャピラリーバリアの下部層用粗粒代替構造体20であって、内部に連続した間隙層23を有するポーラス構造の耐圧マット21と、耐圧マット21の少なくとも上面を被覆し、細粒物の透過を規制する有孔構造の通気シート25とを具備する。【選択図】図2
Description
本考案は各種廃棄物の処分場の表土や覆土式の各種廃棄物貯蔵施設の覆土、農業分野における土壌灌漑施設や土壌の凍上防止施設等に適用可能なキャピラリーバリアに関し、特にキャピラリーバリアの下部層用粗粒代替構造体に関する。
下部層に粗粒層を、上部層に細粒層を二層状に積層させて配し、これら二層の毛管力の差を利用して間隙の異なる両層の境界面上方で浸透水を捕捉し、間隙の大きな粗粒層側に浸透水を透過させない土の毛管遮水層をキャピラリーバリア(Capillary barrier:CB)と称している。
すなわち、細粒層とその下部に粗粒層を重ねた積層地盤では、両層の土粒子の相対的な保水性の違いにより、両層の境界面の上部で浸透水が捕捉されて集積し、最終的にキャピラリーバリアの勾配方向に沿って浸透水が排水される。
キャピラリーバリアは、地盤の遮水性を高くすることができことや側方排水に優れている等の特性を有している。
キャピラリーバリアとしては用途に応じて多種提案されている。
特許文献1,2には粘土と砂材または砂材と礫材(礫、砂利等)といった自然材料同士を組み合せたキャピラリーバリアが開示され、特許文献3には自然材料と樹脂製の立体格子マットを組み合せたキャピラリーバリアが開示されている。
すなわち、細粒層とその下部に粗粒層を重ねた積層地盤では、両層の土粒子の相対的な保水性の違いにより、両層の境界面の上部で浸透水が捕捉されて集積し、最終的にキャピラリーバリアの勾配方向に沿って浸透水が排水される。
キャピラリーバリアは、地盤の遮水性を高くすることができことや側方排水に優れている等の特性を有している。
キャピラリーバリアとしては用途に応じて多種提案されている。
特許文献1,2には粘土と砂材または砂材と礫材(礫、砂利等)といった自然材料同士を組み合せたキャピラリーバリアが開示され、特許文献3には自然材料と樹脂製の立体格子マットを組み合せたキャピラリーバリアが開示されている。
従来のキャピラリーバリアには次のような課題がある。
<1>キャピラリーバリアは種々提案されているが、その何れも二層間の間隙の差が十分に大きいとは言えない。そのため、例えば短時間に大量の降雨があるとキャピラリーバリアの一部から浸水する場合もあり、キャピラリーバリアの遮水効果に改良の余地がある。
<2>キャピラリーバリアは、二層同士の間隙の差が大きければ大きいほど、相対的に間隙の小さい細粒層による水の補足効果が高くなる。
換言すれば、下部層の粗粒層が空気のみであればきわめて高い遮水効果が得られるこが推測されるが、下部層が空気のみでは上部層の細粒層を支えられないために境界面を維持できず、高性能のキャピラリーバリアの実現が困難とされてきた。
<3>キャピラリーバリアに自然材料を用いる場合は大量の重たい礫材を敷き詰めたり、砂材を篩い分けしたりして粒度管理を厳密に行う必要があり、施工に多くの時間と労力を要する。
<4>キャピラリーバリア効果については、細粒層と粗粒層の保水性(粒径)の違いが大きいほど得られやすいが、砂径と礫径の差が大きいと、礫材間に砂材が入り込み、層境界部の保水性の違いが小さくなることで遮水性能が低下し、著しい場合にはキャピラリーバリア性能が喪失する可能性がある。
<5>下部層に立体格子マットを敷設し、上部層に自然材料からなる細粒層を組み合せた特許文献3に記載のキャピラリーバリアでは、立体格子マットの格子空間内に細粒層の細粒物が入り込んでしまい、顕著なキャピラリーバリア効果が得られない。
<1>キャピラリーバリアは種々提案されているが、その何れも二層間の間隙の差が十分に大きいとは言えない。そのため、例えば短時間に大量の降雨があるとキャピラリーバリアの一部から浸水する場合もあり、キャピラリーバリアの遮水効果に改良の余地がある。
<2>キャピラリーバリアは、二層同士の間隙の差が大きければ大きいほど、相対的に間隙の小さい細粒層による水の補足効果が高くなる。
換言すれば、下部層の粗粒層が空気のみであればきわめて高い遮水効果が得られるこが推測されるが、下部層が空気のみでは上部層の細粒層を支えられないために境界面を維持できず、高性能のキャピラリーバリアの実現が困難とされてきた。
<3>キャピラリーバリアに自然材料を用いる場合は大量の重たい礫材を敷き詰めたり、砂材を篩い分けしたりして粒度管理を厳密に行う必要があり、施工に多くの時間と労力を要する。
<4>キャピラリーバリア効果については、細粒層と粗粒層の保水性(粒径)の違いが大きいほど得られやすいが、砂径と礫径の差が大きいと、礫材間に砂材が入り込み、層境界部の保水性の違いが小さくなることで遮水性能が低下し、著しい場合にはキャピラリーバリア性能が喪失する可能性がある。
<5>下部層に立体格子マットを敷設し、上部層に自然材料からなる細粒層を組み合せた特許文献3に記載のキャピラリーバリアでは、立体格子マットの格子空間内に細粒層の細粒物が入り込んでしまい、顕著なキャピラリーバリア効果が得られない。
本考案は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところはつぎのキャピラリーバリアの下部層用粗粒代替構造体を提供することにある。
<1>従来と比べて二層の境界面に形成される毛管遮水層の遮水性能を格段に高められること。
<2>現場での施工が容易で簡単に施工できること。
<3>経時的に二層間の間隙差が変化せずに、長期間に亘って毛管遮水層による遮水機能を持続できること。
<1>従来と比べて二層の境界面に形成される毛管遮水層の遮水性能を格段に高められること。
<2>現場での施工が容易で簡単に施工できること。
<3>経時的に二層間の間隙差が変化せずに、長期間に亘って毛管遮水層による遮水機能を持続できること。
本考案は、上下に積層して地中に埋設された大きな間隙を有する下部層と、該下部層より間隙の小さな自然材料の細粒物で構成される上部層とを積層したキャピラリーバリアの下部層用粗粒代替構造体であって、内部に連続した間隙層を有するポーラス構造の耐圧マットと、前記耐圧マットの少なくとも上面を被覆し、細粒物の透過を規制する有孔構造の通気シートとを具備する。
本考案の他の形態において、前記耐圧マットが剛毛糸を絡み合せてマット状に形成され、前記絡み合った剛毛糸の間に間隙層が形成されている。
本考案の他の形態において、前記剛毛糸の一部の周面が通気シートと接面している。
本考案の他の形態において、前記耐圧マットが遮水板の片面に複数の隆起部が突出して形成されていると共に、遮水板または隆起部の一部に通気孔が形成され、遮水板と通気シートの間に間隙層が形成されている。
本考案の他の形態において、前記通気シートが通気部を有し、該通気部の一部に複数の不透水部が形成されている。
本考案の他の形態において、前記耐圧マットが剛毛糸を絡み合せてマット状に形成され、前記絡み合った剛毛糸の間に間隙層が形成されている。
本考案の他の形態において、前記剛毛糸の一部の周面が通気シートと接面している。
本考案の他の形態において、前記耐圧マットが遮水板の片面に複数の隆起部が突出して形成されていると共に、遮水板または隆起部の一部に通気孔が形成され、遮水板と通気シートの間に間隙層が形成されている。
本考案の他の形態において、前記通気シートが通気部を有し、該通気部の一部に複数の不透水部が形成されている。
本考案は以上の構成より、次の効果のうち少なくとも一つを備える。
<1>上部層を自然材料の細粒物で構成する一方、下部層を粗粒代替構造体で構成することで、耐圧マットの間隙を細粒層の間隙より大きくできるので、粗粒代替構造体と細粒層との境界面に形成される毛管遮水層の遮水性能を格段に高めることができる。
<2>軽量で取り扱いが容易な粗粒代替構造体を用いるので、自然材料を用いた従来の粗粒層を形成する場合と比較して、施工に要する労力と時間を大幅に削減できる。
<3>耐圧マットと細粒層との境界面に介挿した通気シートが細粒物の透過を規制して耐圧マット内への細粒物の浸入を確実に規制できるから、長期間に亘って毛管遮水層による遮水機能を持続することができる。
したがって、長雨等で浸透水が長時間に亘って浸透しても毛管遮水層による遮水性能が損なわれない。
<1>上部層を自然材料の細粒物で構成する一方、下部層を粗粒代替構造体で構成することで、耐圧マットの間隙を細粒層の間隙より大きくできるので、粗粒代替構造体と細粒層との境界面に形成される毛管遮水層の遮水性能を格段に高めることができる。
<2>軽量で取り扱いが容易な粗粒代替構造体を用いるので、自然材料を用いた従来の粗粒層を形成する場合と比較して、施工に要する労力と時間を大幅に削減できる。
<3>耐圧マットと細粒層との境界面に介挿した通気シートが細粒物の透過を規制して耐圧マット内への細粒物の浸入を確実に規制できるから、長期間に亘って毛管遮水層による遮水機能を持続することができる。
したがって、長雨等で浸透水が長時間に亘って浸透しても毛管遮水層による遮水性能が損なわれない。
以下に図面を参照しながら本考案について詳細に説明する。
<1>キャピラリーバリアの概要
図1を参照して説明すると、施工対象の地盤Gは、例えば廃棄物処分場の表土、覆土式有害廃棄物貯蔵施設の覆土、農業分野における土壌等を示している。
本考案に係るキャピラリーバリア10は、地盤Gの所定の深度に埋設された形態で使用されるもので、下部層として位置させた粗粒代替構造体20による粗粒代替層30と、粗粒代替構造体20の上位に積層させて上部層として位置させた細粒層40とからなる。
細粒層40には従来と同様に例えば自然材料の砂材等の細粒物41で構成するが、下部層には従来の自然材料を用いない。下部層には礫材以上の性能を発揮する粗粒代替構造体20を使用する。
図1を参照して説明すると、施工対象の地盤Gは、例えば廃棄物処分場の表土、覆土式有害廃棄物貯蔵施設の覆土、農業分野における土壌等を示している。
本考案に係るキャピラリーバリア10は、地盤Gの所定の深度に埋設された形態で使用されるもので、下部層として位置させた粗粒代替構造体20による粗粒代替層30と、粗粒代替構造体20の上位に積層させて上部層として位置させた細粒層40とからなる。
細粒層40には従来と同様に例えば自然材料の砂材等の細粒物41で構成するが、下部層には従来の自然材料を用いない。下部層には礫材以上の性能を発揮する粗粒代替構造体20を使用する。
<2>粗粒代替構造体
図2を参照して説明すると、粗粒代替構造体20は耐圧性を有する均一厚の耐圧マット21と、耐圧マット21を被覆する通気シート25とを具備する。
図2を参照して説明すると、粗粒代替構造体20は耐圧性を有する均一厚の耐圧マット21と、耐圧マット21を被覆する通気シート25とを具備する。
<2.1>耐圧マット
耐圧マット21は覆土等の上載荷重により圧縮変形しないだけの耐圧性を有すると共に、その内部に上下左右方向に間隙が連続した間隙層23を有するマット状物である。
弾性力の大きな剛毛糸22を不規則に、かつランダムに絡み合せてマット状に成形することで耐圧マット21の内部に連続した間隙層23を維持することができる。
本例ではプラスチック製の剛毛糸22で耐圧マット21を形成した形態について示すが、耐圧マット21は剛毛糸22に限定されるものではなく、公知の各種素材によるポーラス構造体を含むものである。
なお、耐圧マット21の厚さは使途に応じて適宜選択するものとする。
耐圧マット21は覆土等の上載荷重により圧縮変形しないだけの耐圧性を有すると共に、その内部に上下左右方向に間隙が連続した間隙層23を有するマット状物である。
弾性力の大きな剛毛糸22を不規則に、かつランダムに絡み合せてマット状に成形することで耐圧マット21の内部に連続した間隙層23を維持することができる。
本例ではプラスチック製の剛毛糸22で耐圧マット21を形成した形態について示すが、耐圧マット21は剛毛糸22に限定されるものではなく、公知の各種素材によるポーラス構造体を含むものである。
なお、耐圧マット21の厚さは使途に応じて適宜選択するものとする。
<2.2>耐圧マットと細粒層の間隙の関係
間隙層23の間隙率(または間隙比)は細粒層40を構成する細粒物41の間隙率(または間隙比)より格段に大きい関係にある。
耐圧マット21の間隙層23の間隙率は剛毛糸22の糸径や密度を選択することで任意に調整でき、また細粒層40は細粒物41の粒度分布を選択することで間隙率を任意に調整できる。
耐圧マット21と細粒層40との間隙率の差を大きくするのは、二層30,40の境界面に形成される毛管遮水層の遮水性能を高めるためである。
従来の自然材料同士を組み合せたキャピラリーバリアの場合には、礫材で構成された粗粒層の間隙の大きさは、砂材で構成された細粒層の間隙に対して30倍程度の大きさである。本例におけるキャピラリーバリア10では、細粒層の間隙の大きさに対して無限大とも言える間隙の大きさとなる。
間隙層23の間隙率(または間隙比)は細粒層40を構成する細粒物41の間隙率(または間隙比)より格段に大きい関係にある。
耐圧マット21の間隙層23の間隙率は剛毛糸22の糸径や密度を選択することで任意に調整でき、また細粒層40は細粒物41の粒度分布を選択することで間隙率を任意に調整できる。
耐圧マット21と細粒層40との間隙率の差を大きくするのは、二層30,40の境界面に形成される毛管遮水層の遮水性能を高めるためである。
従来の自然材料同士を組み合せたキャピラリーバリアの場合には、礫材で構成された粗粒層の間隙の大きさは、砂材で構成された細粒層の間隙に対して30倍程度の大きさである。本例におけるキャピラリーバリア10では、細粒層の間隙の大きさに対して無限大とも言える間隙の大きさとなる。
<2.3>通気シート
通気シート25は水と細粒層40を構成する細粒物41(砂材)は通さずに空気や水蒸気等の気体を通す通気性のシート状物であり、接着剤等を介して耐圧マット21の全面に固着されている。
微小の透孔を有する通気シート25は耐圧マット21の内部に細粒物41の進入防止を図ると共に、地中の水蒸気やガス等の気体を地表へ透過するために機能する。
本例では耐圧マット21の上面に通気シート25を付設した形態について示すが、耐圧マット21の上下両面に通気シート25を付設してもよい。
また通気シート25を非固着状態で耐圧マット21に重ねて取り付けてもよい。
通気シート25は水と細粒層40を構成する細粒物41(砂材)は通さずに空気や水蒸気等の気体を通す通気性のシート状物であり、接着剤等を介して耐圧マット21の全面に固着されている。
微小の透孔を有する通気シート25は耐圧マット21の内部に細粒物41の進入防止を図ると共に、地中の水蒸気やガス等の気体を地表へ透過するために機能する。
本例では耐圧マット21の上面に通気シート25を付設した形態について示すが、耐圧マット21の上下両面に通気シート25を付設してもよい。
また通気シート25を非固着状態で耐圧マット21に重ねて取り付けてもよい。
通気シート25の素材としては、例えばフリースをランダムに結合した不織布、天然素材または合成素材で編成した織布、樹脂製の通気性シート・フィルム等を使用できるが、実用上は安価な不織布が好適である。
<2.3>耐圧マットと通気シートの接触面積
図3に拡大して示すように通気シート25は、耐圧マット21に対して点接触に近い小さな接触面積を介して接面している。本例では耐圧マット21を構成する剛毛糸22の周面の一部が平らな通気シート25に点接触に近い形態で接面している。
通気シート25と耐圧マット21との接触面積を小さくしたのは、接触部を通じて浸透水が通気シート25を透過して耐圧マット21内に浸水することを規制するためである。
図3に拡大して示すように通気シート25は、耐圧マット21に対して点接触に近い小さな接触面積を介して接面している。本例では耐圧マット21を構成する剛毛糸22の周面の一部が平らな通気シート25に点接触に近い形態で接面している。
通気シート25と耐圧マット21との接触面積を小さくしたのは、接触部を通じて浸透水が通気シート25を透過して耐圧マット21内に浸水することを規制するためである。
[キャピラリーバリアの形成方法]
図1を参照してキャピラリーバリア10の形成方法について説明する。
図1を参照してキャピラリーバリア10の形成方法について説明する。
<1>粗粒代替層の形成
通気シート25を上向きにし、耐圧マット21の下面の露出面を下向きにした状態で粗粒代替構造体20を敷設面G1に沿って敷設して粗粒代替層30を形成する。
この際、粗粒代替構造体20は排水勾配に応じて傾斜させて敷設するか、或いは勾配をつけずに水平に敷設する。
通気シート25を上向きにし、耐圧マット21の下面の露出面を下向きにした状態で粗粒代替構造体20を敷設面G1に沿って敷設して粗粒代替層30を形成する。
この際、粗粒代替構造体20は排水勾配に応じて傾斜させて敷設するか、或いは勾配をつけずに水平に敷設する。
このように本考案では、軽量で取り扱いが容易な粗粒代替構造体20を現場に搬入して敷設するだけの簡単な作業で以て粗粒代替層30を形成できるので、自然材料を用いた従来の粗粒層を形成する場合と比較して、施工に要する労力と時間を大幅に削減することができる。
<2>細粒層の形成
つぎに粗粒代替構造体20の上面に砂材等の細粒物41を層状に敷き詰めた後に締め固めて上部層としての細粒層40を形成する。
細粒物41の形成にあたっては所定の粒度分布(粒径範囲)で構成される細粒物41を使用する。
細粒層40の層厚は適宜でよいが、細粒物41に砂を用いた場合は施工性を考慮して20cm程度の層厚とする。
粗粒代替構造体20の上面が通気シート25で覆われているため、細粒層40を形成する際に細粒物41が耐圧マット21内に入り込まない。
粗粒代替構造体20には細粒層40の載荷重が作用するが、自己耐圧性により耐圧マット21の圧縮変形が最小に抑制されて、耐圧マット21の内部に形成された間隙層23の当初の層厚を維持することができる。
つぎに粗粒代替構造体20の上面に砂材等の細粒物41を層状に敷き詰めた後に締め固めて上部層としての細粒層40を形成する。
細粒物41の形成にあたっては所定の粒度分布(粒径範囲)で構成される細粒物41を使用する。
細粒層40の層厚は適宜でよいが、細粒物41に砂を用いた場合は施工性を考慮して20cm程度の層厚とする。
粗粒代替構造体20の上面が通気シート25で覆われているため、細粒層40を形成する際に細粒物41が耐圧マット21内に入り込まない。
粗粒代替構造体20には細粒層40の載荷重が作用するが、自己耐圧性により耐圧マット21の圧縮変形が最小に抑制されて、耐圧マット21の内部に形成された間隙層23の当初の層厚を維持することができる。
<3>キャピラリーバリアの被覆
粗粒代替層30と細粒層40とを積層してキャピラリーバリア10を形成したら、細粒層40上に覆土または表土等の被覆土G2で被覆して施工を完了する。
粗粒代替層30と細粒層40とを積層してキャピラリーバリア10を形成したら、細粒層40上に覆土または表土等の被覆土G2で被覆して施工を完了する。
[キャピラリーバリアの遮水性能]
図3,4を参照してキャピラリーバリア10の遮水性能について説明する。
図3,4を参照してキャピラリーバリア10の遮水性能について説明する。
<1>毛管遮水層の形成
キャピラリーバリア10は非自然骨材製の粗粒代替構造体20からなる粗粒代替層30と、自然材料製の細粒層40とを組み合せたものである。
粗粒代替層30の間隙率が細粒層40の間隙率より相対的に大きいために、両層30,40の毛管力に大きな差を生じる。
そのため、両層30,40の境界面に浸透水を透過させない毛管遮水層が形成され、両層30,40の境界面の上方で捕捉された浸透水Wは、キャピラリーバリア10の傾斜方向へ向けて流下する。
キャピラリーバリア10は非自然骨材製の粗粒代替構造体20からなる粗粒代替層30と、自然材料製の細粒層40とを組み合せたものである。
粗粒代替層30の間隙率が細粒層40の間隙率より相対的に大きいために、両層30,40の毛管力に大きな差を生じる。
そのため、両層30,40の境界面に浸透水を透過させない毛管遮水層が形成され、両層30,40の境界面の上方で捕捉された浸透水Wは、キャピラリーバリア10の傾斜方向へ向けて流下する。
<2>毛管遮水層の遮水機能が高い理由
一般に下部層と下部層との間隙差が大きくなるほど毛管遮水層による遮水性能が高くなることが知られている。
本考案ではこの点に着目し、下部層の間隙のみを大きくするために、下部層に従来の礫材を用いた粗粒層に代えて粗粒代替構造体20を用いることとした。
上部層である細粒層40には従来と同様に砂材等の自然材料からなる細粒物41を用いるので、細粒層40の間隙は特に特に変わらない。
一般に下部層と下部層との間隙差が大きくなるほど毛管遮水層による遮水性能が高くなることが知られている。
本考案ではこの点に着目し、下部層の間隙のみを大きくするために、下部層に従来の礫材を用いた粗粒層に代えて粗粒代替構造体20を用いることとした。
上部層である細粒層40には従来と同様に砂材等の自然材料からなる細粒物41を用いるので、細粒層40の間隙は特に特に変わらない。
このように下部層の材料として間隙の大きな粗粒代替構造体20を使用するだけで、上部層である細粒層40との間の間隙差を大きくすることができるため、上、下部層に自然材料を組み合せた従来のキャピラリーバリアと比べて毛管遮水層による遮水性能、すなわち細粒層40による浸透水の捕捉性能を格段に向上させることが可能となる。
したがって、両層30,40の境界面に達した浸透水Wは毛管遮水層を透過して粗粒代替層30内へ浸透せず、キャピラリーバリア10の傾斜方向へ向けて流下する(図4)。
通気シート25が細粒層40の透過を規制して両層30,40の間隙差が経時的に変化しないので、例えば長雨が続いて浸透水Wが長時間に亘って浸透しても毛管遮水層による遮水性能が損なわれない。
通気シート25が細粒層40の透過を規制して両層30,40の間隙差が経時的に変化しないので、例えば長雨が続いて浸透水Wが長時間に亘って浸透しても毛管遮水層による遮水性能が損なわれない。
また耐圧マット21の上面が通気シート25と点接触に近い形態で接面しているので、これらの接面部を通じた通気シート25による浸透水の透過を効果的に規制することができる。
[粗粒代替構造体の変形例]
図5を参照して他の粗粒代替構造体20の変形例について説明する。
本例の粗粒代替構造体20は耐圧マット21と耐圧マット21を被覆する通気シート25とを具備することは先の実施例と同様であるが、本例では耐圧マット21が遮水板24にエンボス加工等を施して形成されている。
遮水板24はその片面に間隔を隔てて耐圧性に優れた複数の隆起部24aが突出して形成されていると共に、遮水板24または隆起部24aの一部に微小な通気孔24bが形成されている。
本例では隆起部24aの頂部が通気シート25と接面し、通気シート25と遮水板24の間に連続した間隙層23が形成されている。
隆起部24aは図示した略円錐形に限定されず、多角形を呈する錐体、またはドーム形でもよい。
図5を参照して他の粗粒代替構造体20の変形例について説明する。
本例の粗粒代替構造体20は耐圧マット21と耐圧マット21を被覆する通気シート25とを具備することは先の実施例と同様であるが、本例では耐圧マット21が遮水板24にエンボス加工等を施して形成されている。
遮水板24はその片面に間隔を隔てて耐圧性に優れた複数の隆起部24aが突出して形成されていると共に、遮水板24または隆起部24aの一部に微小な通気孔24bが形成されている。
本例では隆起部24aの頂部が通気シート25と接面し、通気シート25と遮水板24の間に連続した間隙層23が形成されている。
隆起部24aは図示した略円錐形に限定されず、多角形を呈する錐体、またはドーム形でもよい。
本例の粗粒代替構造体20を使用した場合には、既述した実施例の作用効果に加えて耐圧性能が向上するため、地盤のより深部においても十分な間隙を確保することができる。
[キャピラリーバリアの用途例]
既述したキャピラリーバリア10はつぎの用途に適用が可能であるが、以下の用途は例示でありこれらの用途に限定されるものではない。
既述したキャピラリーバリア10はつぎの用途に適用が可能であるが、以下の用途は例示でありこれらの用途に限定されるものではない。
<1>各種処分場の表土への適用例
キャピラリーバリア10を廃棄物処分場等における表土の遮水構造として適用することができる。表土中にキャピラリーバリア10を形成することで、表土で覆われた廃棄物内への浸透水の浸透を効果的に規制することができる。
キャピラリーバリア10を廃棄物処分場等における表土の遮水構造として適用することができる。表土中にキャピラリーバリア10を形成することで、表土で覆われた廃棄物内への浸透水の浸透を効果的に規制することができる。
<2>覆土式貯蔵施設の覆土への適用例
キャピラリーバリア10は覆土式の有害廃棄物貯蔵施設等における覆土の遮水構造としても適用できる。覆土中にキャピラリーバリア10を形成することで、貯蔵施設内への浸透水の浸透を効果的に規制することができる。
キャピラリーバリア10は覆土式の有害廃棄物貯蔵施設等における覆土の遮水構造としても適用できる。覆土中にキャピラリーバリア10を形成することで、貯蔵施設内への浸透水の浸透を効果的に規制することができる。
<3>凍上防止への用途例
キャピラリーバリア10は土壌の凍上防止構造として適用することができる。
例えば複数の盛土を積層した盛土構造体の表層部にキャピラリーバリア10を形成することで、盛土内への上方からの浸透水のみならず、凍上力による土中の下方からの毛管水の浸透を防いで盛土の凍上を効果的に防止することができる。
キャピラリーバリア10は土壌の凍上防止構造として適用することができる。
例えば複数の盛土を積層した盛土構造体の表層部にキャピラリーバリア10を形成することで、盛土内への上方からの浸透水のみならず、凍上力による土中の下方からの毛管水の浸透を防いで盛土の凍上を効果的に防止することができる。
<4>農業分野への用途例
キャピラリーバリア10は生育基盤材である土壌の集水保水構造として適用することができる。
農地の内部にキャピラリーバリア10を形成すればキャピラリーバリア10の上位の土壌中の保水力を高めることができ、特に、乾燥地帯の農地に適用すると植物の生育環境を大幅に改善することができる。
キャピラリーバリア10は生育基盤材である土壌の集水保水構造として適用することができる。
農地の内部にキャピラリーバリア10を形成すればキャピラリーバリア10の上位の土壌中の保水力を高めることができ、特に、乾燥地帯の農地に適用すると植物の生育環境を大幅に改善することができる。
<5>塩分の析出防止の用途例
キャピラリーバリア10は土中の塩分の析出を防止する手段として適用することができる。
乾燥地帯における地盤の表層近くにキャピラリーバリア10を形成することで、地表面の蒸発に伴う、土中の下方からの塩分の析出を防ぐことができる。
キャピラリーバリア10は土中の塩分の析出を防止する手段として適用することができる。
乾燥地帯における地盤の表層近くにキャピラリーバリア10を形成することで、地表面の蒸発に伴う、土中の下方からの塩分の析出を防ぐことができる。
10・・・キャピラリーバリア
20・・・粗粒代替構造体
30・・・粗粒代替層
21・・・耐圧マット
22・・・剛毛糸
23・・・間隙層
25・・・通気シート
40・・・細粒層
41・・・細粒物
G・・・・地盤
G1・・・敷設面
G2・・・被覆土
W・・・・浸透水
20・・・粗粒代替構造体
30・・・粗粒代替層
21・・・耐圧マット
22・・・剛毛糸
23・・・間隙層
25・・・通気シート
40・・・細粒層
41・・・細粒物
G・・・・地盤
G1・・・敷設面
G2・・・被覆土
W・・・・浸透水
Claims (5)
- 上下に積層して地中に埋設された大きな間隙を有する下部層と、該下部層より間隙の小さな自然材料の細粒物で構成される上部層とを積層したキャピラリーバリアの下部層用粗粒代替構造体であって、
内部に連続した間隙層を有するポーラス構造の耐圧マットと、
前記耐圧マットの少なくとも上面を被覆し、細粒物の透過を規制する有孔構造の通気シートとを具備することを特徴とする、
キャピラリーバリアの下部層用粗粒代替構造体。 - 前記耐圧マットが剛毛糸を絡み合せてマット状に形成され、前記絡み合った剛毛糸の間に間隙層が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のキャピラリーバリアの下部層用粗粒代替構造体。
- 前記剛毛糸の一部の周面が通気シートと接面していることを特徴とする、請求項2に記載のキャピラリーバリアの下部層用粗粒代替構造体。
- 前記耐圧マットが遮水板の片面に複数の隆起部が突出して形成されていると共に、遮水板または隆起部の一部に通気孔が形成され、遮水板と通気シートの間に間隙層が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のキャピラリーバリアの下部層用粗粒代替構造体。
- 前記通気シートが通気部を有し、該通気部の一部に複数の不透水部が形成されていることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか一項に記載のキャピラリーバリアの下部層用粗粒代替構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019001439U JP3222121U (ja) | 2019-04-22 | 2019-04-22 | キャピラリーバリアの下部層用粗粒代替構造体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019001439U JP3222121U (ja) | 2019-04-22 | 2019-04-22 | キャピラリーバリアの下部層用粗粒代替構造体 |
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JP2019080001 Continuation | 2018-07-13 |
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Family Applications (1)
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JP2019001439U Active JP3222121U (ja) | 2019-04-22 | 2019-04-22 | キャピラリーバリアの下部層用粗粒代替構造体 |
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2019
- 2019-04-22 JP JP2019001439U patent/JP3222121U/ja active Active
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