JP3221976B2 - 触媒担体及びその製造方法 - Google Patents

触媒担体及びその製造方法

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JP3221976B2
JP3221976B2 JP13405393A JP13405393A JP3221976B2 JP 3221976 B2 JP3221976 B2 JP 3221976B2 JP 13405393 A JP13405393 A JP 13405393A JP 13405393 A JP13405393 A JP 13405393A JP 3221976 B2 JP3221976 B2 JP 3221976B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,排気ガス浄化用触媒等
に用いられる耐熱性に優れた触媒担体及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来技術】従来,自動車の排ガス浄化用の触媒担体と
しては,アルミナが多く用いられてきた。また,その他
にも,チタニア,ジルコニア等の金属酸化物からなる触
媒担体の使用が試みられている。その一例としては,ア
ルミナ,シリカ,チタニア及びアルミナ─シリカ担体が
提案されている(特開昭62─201648号公報)。
これらの触媒担体は,通常塩の加水分解やゾル─ゲル法
等により製造され,その比表面積は最大200m2 /g
程度と比較的高い。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,アルミナ担体
を除いて,チタニア,ジルコニア等の金属酸化物は,耐
熱性が不充分である。そして,これらの金属酸化物は,
比表面積を大きくしようとすると,粒子径を小さくする
ことが必要である。しかし,粒子径を小さくするとシン
タリングし易くなり,表面の熱安定性が低下し,耐熱性
が不十分となる。
【0004】また,アルミナについては,例外的に製造
工程を調整することにより,微細な結晶子からなるネッ
トワーク構造を形成させることができるため,比表面積
が比較的に大きく,かつ熱安定性も良好なものを得るこ
とが可能である。しかし,アルミナについても,触媒活
性を向上させるために,より高い比表面積が要求されて
いる。本発明は,かかる従来の問題点に鑑み,高い比表
面積を有し,かつ耐熱性に優れた触媒担体及びその製造
方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題の解決手段】本発明は,多数の細孔を有する多孔
材料の細孔表面に対して金属酸化物よりなる被覆膜を被
覆してなり,上記多孔材料は,珪素四面体からなる層状
シートが折れ曲り,部分的に上下の層状シートと結合し
た構造であり,かつ層間に多数の細孔を備えている,骨
格組成がSiO2である層状シリカ多孔体であって,か
,上記多孔材料における珪素と上記被覆膜である金属
酸化物における金属元素とは酸素を介して架橋結合を形
成することにより上記金属酸化物上記細孔表面に化学
的に結合していることを特徴とする触媒担体にある。
【0006】本発明の触媒担体においては,上記特定の
層状シリカ多孔体からなる多孔材料が細孔を有し,高い
比表面積を有している。また,上記多孔材料の細孔表面
,該多孔材料の珪素と上記金属酸化物の金属元素と
,酸素を介して架橋結合することにより,化学的に結
合して,金属酸化物の被覆膜を形成ている。上記多孔
材料の比表面積は,400〜1500m2/gが好まし
い。400m2/g未満の場合には,該触媒担体に触媒
成分を担持させた触媒の触媒機能が低下するおそれがあ
る。一方,1500m2/gを越える場合には,実用上
の有効性が少ない。また,多孔材料は多数の細孔を有し
ている。該細孔の平均直径は,1〜10nmであること
が好ましい。1nm未満の場合には,上記触媒の触媒機
能が低下するおそれがある。一方,10nmを越える場
合には,実用上の有効性が少ない。また,上記触媒担体
は,200〜1200m2/gという高い比表面積を有
している。
【0007】上記多孔材料は,上記特定の層状シリカ多
孔体ある。この層状シリカ多孔体は,珪素四面体Si
4からなる層状シートが折れ曲がり,部分的に上下の
層状シートと結合した構造であり,かつ層間に多数の細
孔を備えている(図2,図3参照)。層状シリカ多孔体
は,骨格の組成がSiO2である(図4参照)。
【0008】上記金属酸化物としては,上記架橋結合を
行わせる金属元素(L)を含有する,マグネシア,アル
ミナ,チタニア,ジルコニア,酸化スズ,酸化ニオブ,
酸化硼素,酸化イットリウム,酸化ランタン,酸化セリ
ウムなどのグループから選ばれる1種又は2種以上を用
いる。上記金属元素(L)としては,マグネシウム(M
g),アルミニウム(Al),チタン(Ti),ジルコ
ン(Zr),ニオブ(Nb),硼素(B),イットリウ
ム(Y),ランタン(La),セリウム(Ce)などが
ある。
【0009】上記金属酸化物の量としては,多孔材料の
細孔を被覆するために,(金属酸化物の分子数)/(S
iO2 数)が,少なくとも1/5以上が好ましい。望ま
しくは,全面被覆のため1以上にするとよい。金属酸化
物が前記の量であるとき,多孔材料の細孔表面は金属酸
化物で被覆されるために,担持される触媒金属を高度に
分散させた状態で担持できる。このため,優れた活性を
有する触媒を提供することができる。さらに,触媒金属
のシンタリングも防止できるため,耐熱性にも優れてい
る。
【0010】多数の細孔を有する多孔材料の細孔表面に
対して金属酸化物よりなる被覆膜を被覆してなると共
に,上記多孔材料は,珪素四面体からなる層状シートが
折れ曲り,部分的に上下の層状シートと結合した構造で
あり,かつ層間に多数の細孔を備えている,骨格組成が
SiO2である層状シリカ多孔体であって,上記多孔材
料における珪素と上記被覆膜である金属酸化物における
金属元素とは酸素を介して架橋結合を形成することによ
り上記金属酸化物が上記細孔表面に化学的に結合してい
る,触媒担体を製造する方法であって,上記多孔材料の
細孔表面に金属酸化物を形成させるための被覆材料を
被覆すると共に上記多孔材料の珪素と上記金属酸化物の
金属元素とを酸素を介して架橋結合させることにより両
者を化学的に結合させ,次いで酸化処理を行うことによ
り多孔材料の細孔表面に上記金属酸化物の被覆膜を形成
することを特徴とする触媒担体の製造方法がある。
【0011】上記被覆材料としては,前記金属酸化物の
金属元素(L)を含む金属塩化物,又は前記金属酸化物
の金属原子を含むアルコキシド等がある。上記の製造方
法によれば,層状シリカ多孔体からなる多孔材料の珪素
と上記被覆材料の金属元素とが,前記のごとく酸素を介
して架橋結合を形成する。これにより,金属酸化物は,
多孔材料の細孔表面と化学的に強固に結合し,被覆膜を
形成する。
【0012】上記に関して,例えば,多孔材料が層状シ
リカ多孔体であり,被覆材料が金属のエトキシド(Ln+
(OEt)n )である場合について説明する。即ち,ま
ず多孔材料の表面に被覆材料を加熱蒸着し,これによ
り,被覆材料(Ln+(OEt)n )が多孔材料の細孔表
面のシラノール基(Si−OH)と,下記に示す反応式
に従って架橋結合を形成する。 Si−OH + Ln+(OEt)n → Si−OLn+(OEt)n-1 また,加熱温度は,上記架橋結合を効果的に形成させる
ために,200〜400℃であることが好ましい。ま
た,同様に反応は不活性雰囲気中で行うことが好まし
い。
【0013】次いで,酸化処理を行うことにより,未反
応のエトキシル基が酸化される。これにより,多孔材料
の細孔表面に,前記した金属酸化物の被覆膜が形成され
る。上記酸化処理は,例えば被覆材料により表面を被覆
された多孔材料に,乾燥空気を接触させることにより行
う。
【0014】また,蒸着後に,加水分解をし,再度同様
の操作を繰り返すことにより,第2被覆膜を形成するこ
とができる。即ち,被覆材料における未反応のエトキシ
ドを加水分解する。これにより,金属酸化物の第1被覆
膜の表面に水酸基(−OH)を形成させる。
【0015】次に,再度蒸着,酸化処理を行うことによ
り,第1蒸着膜のシラノール基が,再度蒸着された被覆
材料のエトキシドと架橋結合を形成する。これにより,
第1蒸着膜の表面に第2蒸着膜が形成される。次いで,
これを酸化処理する。このような操作を繰り返すことに
より,多孔材料の表面に,1層或いは数層からなる所望
厚みの金属酸化物の層を形成することができる。また,
エトキシド以外の上記被覆材料を用いた場合にも,同様
の金属酸化物が形成される。
【0016】上記被覆処理には,化学蒸着法又は液相法
等がある。化学蒸着法とは,例えば上記エトキシド蒸着
と同様加熱蒸着をする方法をいう。液相法とは,例えば
エトキシドのアルコール水溶液中での反応によって付着
層を形成する方法をいう。
【0017】尚,被覆材料がアルコキシドである場合に
は,アルコキシドのシラノール基との反応が,蒸着法で
も溶液中でも生じるので,化学蒸着法,又はアルコール
溶液等の溶液中で行う液相法を行うことが好ましい。被
覆材料として金属塩化物を用いた場合には,溶液中での
反応により架橋結合を形成することは困難であるため,
主に化学蒸着法を行うことが好ましい。
【0018】上記,多孔材料としての層状シリカ多孔体
を製造するに当たっては,まず,カネマイト等の結晶性
層状珪酸塩を,イオン交換反応,例えばアルキルトリメ
チルアンモニウム水溶液中で加熱攪拌処理することによ
り,その層状結晶の層間に有機物陽イオンを導入すると
ともに,SiO2 の層間架橋を形成させる(層間拡張工
程)。次いで,得られた固形分を濾過,乾燥後,焼成す
る(焼成工程)。これにより層状シリカ多孔体が得られ
る。
【0019】以下,上記層状シリカ多孔体の製造方法の
具体例について詳説する。層間拡張工程においては,イ
オン交換反応を行なうことにより,珪素四面体層の層間
に含まれるナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンを
除去し,その代わり有機物陽イオンを導入する。
【0020】有機物陽イオンはアルカリ金属イオンより
も嵩高のため,結晶性層状珪酸塩の層間は拡幅される。
これにより,シート層は有機物陽イオンを取り囲む形で
湾曲する。上記結晶性層状珪酸塩は,粘土と異なり水に
対する膨潤性がないため,一般的には層間拡張が困難で
あるが,上記イオン交換反応による有機物陽イオン導入
という手段により,層間拡張が可能となる。
【0021】それと同時に,有機物陽イオンが導入され
た部分を除く,隣合うシート層中のシラノール(Si−
OH)同志が,脱水縮合されシロキサン結合(Si−O
−Si)が形成される。これにより,隣合うシート層同
志が,部分的にシロキサン結合により結合され,三次元
的ハニカム状の層間架橋構造を形成する。
【0022】上記結晶性層状珪酸塩としては,珪素四面
体層の層間にナトリウムイオンを含んだ結晶性層状珪酸
ナトリウム,例えばカネマイトNaHSiO5 ・3H2
O,ジ珪酸ナトリウムNa2 Si4 5 ,マカタイトN
2 Si4 5 ・5H2 O,アイラアイトNa2 Si8
17・xH2 O,マガディアイトNa2 Si1423・x
2 O,ケニヤアイトNa2 Si2041・xH2 O等が
代表的であるが,これらに限定されない。
【0023】上記結晶性層状珪酸塩のうち,特にカネマ
イトのように,層状結晶が単一の珪素四面体層から成る
ものは単位重量当たりの表面積が大きいので,これを用
いて製造した層状シリカ多孔体も比表面積が大きくな
る。カネマイトを用いて製造される層状シリカ多孔体の
場合,単一層構造が保持されたままで,上下のシート層
が部分的に接合し,非接合部には有機物に基づく細孔が
残されて,全体として蜂の巣状の断面を呈する多孔構造
をとる。
【0024】上記結晶性層状珪酸塩における含水率は1
0wt%以上であることが好ましい。10wt%以上で
あれば,結晶性層状珪酸塩が,次の層間拡張工程の際に
水によく分散し,層間のアルカリ金属イオンと有機物陽
イオンとのイオン交換がスムーズに短時間で行なわれ
る。10wt%未満では,結晶性層状珪酸塩が凝集し,
次の層間拡張工程において,水中での分散性が低下し,
有機物陽イオンとアルカリ金属イオンとのイオン交換が
起こりにくくなる。
【0025】その結果,層状シリカ多孔体の比表面積が
1000m2 /g以上となり,また,アルカリ金属イオ
ンの残存量が0.2wt%以下となる。そのため,80
0℃以上の高温下でも細孔は安定であり,優れた耐熱性
を有するものとなる。
【0026】上記有機物陽イオンの種類は限定されない
が,好ましくは有機アンモニウムイオン,特にアルキル
アンモニウムイオン等が,試料調節の容易さやイオン交
換能力の高さ等の点から優れている。また,有機物陽イ
オンは,上記の他に,アルキルトリメチルアンモニウ
ム,ヘキサデシルトリメチルアンモニウム,テトラデシ
ルトリメチルアンモニウム,ジメチルジアルキルアンモ
ニウム,ベンジルトリメチルアンモニウム,アルキルア
ンモニウム等を用いることができる。
【0027】有機物陽イオンの分子サイズや分子量は,
層間拡張の程度,言い換えれば層状シリカ多孔体におけ
る細孔の径を直接に規定するので,有機物陽イオンの分
子サイズや分子量の選択によって細孔の径を自由に設計
することができる。即ち,単一種類の有機物陽イオンを
用いれば,細孔の直径分布を狭い範囲でほぼ均一に設計
できる。逆に,分子サイズや分子量の異なる複数種類の
有機物陽イオンを併せて用いれば,幅広い直径分布をも
たせることができる。また,上記イオン交換の際,pH
を8〜9に調節することが好ましい。更に,その後30
〜90℃にて加熱処理を行なうことが好ましい。
【0028】次に,焼成工程においては,まず,固形分
を濾過し,乾燥する。次いで,これを空気中で焼成す
る。上記焼成は,通常500〜800℃位の温度で数時
間行なうのが良い。焼成温度があまりに高いと多孔体の
構造が崩壊する恐れがあり,逆に焼成温度が低すぎると
多孔体の構造が十分に固定されないおそれがある。焼成
環境については別段の限定はなく,空気中で焼成しても
良いが,有機物陽イオンの分解を促進するため,酸素付
加やオゾン添加の雰囲気下で焼成しても良い。
【0029】
【作用及び効果】本発明においては,上記多孔材料は多
数の細孔を有しているため,高い比表面積を有する。そ
して,細孔表面には金属酸化物が全面に被覆している。
そのため,金属酸化物は,広大な表面を形成することが
でき,触媒担体表面として,高い比表面積を有するもの
となる。それ故,従来と比べて著しく多くの触媒成分を
担持させることができる。
【0030】それ故,本発明の触媒担体は触媒の担持機
能に優れている。また,担持した触媒について,極めて
効率よくその性能を発揮させることができる。また本発
明においては,多孔材料として層状シリカ多孔体を用い
ているので,その細孔径は約1nm〜数nmの大きさで
ある。そのため,その表面に上記金属酸化物を一層ない
し数層被覆しても,上記多孔体の比表面積は著しく低下
することがなく,触媒担体の比表面積は200〜120
0m2/gという高い値を有している。
【0031】例えば,本発明の触媒担体に,排ガス浄化
用触媒を担持させた場合には,自動車等の内燃機関から
排出される,炭化水素,一酸化炭素,又は窒素酸化物等
を含む排ガスを効率良く浄化することができる。また,
多孔材料として層状シリカ多孔体を用いているので,金
属酸化物の金属元素(L)は,多孔材料の細孔表面の珪
素(Si)と酸素を介して架橋している。そのため,金
属酸化物は,多孔材料の表面に化学的に強固に結合す
る。そのため,触媒担体は800℃以上という高温耐熱
性を発揮する。
【0032】また,本発明の触媒担体の製造方法によれ
ば,上記のごとく優れた効果を有する触媒担体を得るこ
とができる。従って,本発明によれば,高い比表面積を
有し,かつ耐熱性に優れた触媒担体及びその製造方法を
提供することができる。
【0033】
【実施例】
実施例1 本発明にかかる触媒担体について,図1〜図4を用いて
説明する。本例の触媒担体10は,図1に示すごとく,
多数の細孔92を有する層状シリカ多孔体9の細孔表面
に金属酸化物1が被覆されてなる。上記層状シリカ多孔
体9は,図2,図3に示すごとく,多数の細孔92を有
する多孔材料であり,基本的に板状のシート層91が重
なったハニカム状の構造を有する。そして,シート層9
1は,細く湾曲しており,上のシート層91と下のシー
ト層91が部分的に結合点93で結合することにより,
三次元的な骨格を形成している。
【0034】各シート層91の層間と上記結合点93と
の間には,細孔92が形成されている。細孔92は,シ
ート層91が拡幅することにより形成されている。上記
細孔92の平均直径は3nmである。その骨格組成は,
図4に示すごとく,SiO2 である。層状シリカ多孔体
9の比表面積は1200m2 /g以上である。上記金属
酸化物は,アルミナである。
【0035】次に,上記触媒担体の製造方法について説
明する。まず,多孔材料としての層状シリカ多孔体を製
造する。即ち,粉末ケイ酸ソーダ(Na2 O/SiO2
=2.00)を電気炉で700℃,6時間焼成し,δ─
Na2 SiO2 結晶を得た。次に,この結晶150gを
1.5リットルの水に浸漬し,3時間攪拌した。次い
で,固形分を濾過し,自然乾燥し,含水率を10%以下
とした。これにより,結晶性層状珪酸塩としてのカネマ
イト(NaHSi2 5 ・3H2 O)が得られた。
【0036】次いで,層間拡張工程において,上記カネ
マイト10g(乾燥重量)を有機物陽イオン(CH3(C
2)15+ ( CH3) 3)の水溶液1リットルに分散さ
せ,2N−HCl水溶液を加えてpHを8.5に調整
し,そのまま攪拌しながら70℃で3時間加熱した。次
に,焼成工程において,その固形分を濾過し,1リット
ルの水で4回洗浄した。次に,上記固形分を,空気流通
下で700℃で焼成し,層状シリカ多孔体を合成した。
【0037】次に,上記層状シリカ多孔体の表面に,金
属酸化物を形成させるための被覆材料を被覆し,酸化処
理を行う。即ち,熱天秤に吊るした白金バスケット内に
上記層状シリカ多孔体を数g入れた。次いで,白金バス
ケット内を真空中で十分に排気しながら,300℃まで
昇温し,層状シリカ多孔体の水分を十分に脱気した。
【0038】次いで,300℃でアルミニウムイソプロ
ポキシドを導入した。これにより,アルミニウムイソプ
ロポキシドのアルミニウムと,層状シリカ多孔体の細孔
表面の珪素とを酸素を介して架橋結合させた。そして,
層状シリカ多孔体の重量変化を注意深く観察し,重量が
ほぼ一定になったところで,上記反応が終了したものと
し,アルミニウムイソプロポキシドの導入を停止した。
【0039】次いで,300℃で乾燥空気を導入し,未
反応のアルミニウムイソプロポキシドの酸化処理を行っ
た。これにより,層状シリカ多孔体の表面に,金属酸化
物としてのアルミナを形成させた。これにより,触媒担
体を得た。次に,該触媒担体の比表面積を測定したとこ
ろ,520m2 /gであった。また,触媒担体を大気中
900℃まで加熱した場合にも,比表面積の低下はな
く,耐熱性に優れていた。
【0040】尚,比較のために,アルミニウムイソプロ
ポキシドを出発原料として,これを加水分解し,加熱脱
水してγ─Al2 3 を調製した。このγ─Al2 3
の比表面積を測定したところ,200m2 /gであり,
比較的高い値を示した。しかし,このものの比表面積
は,本発明にかかる上記触媒担体には,はるかに及ばな
かった。
【0041】実施例2 本例の触媒担体は,多孔材料の細孔表面に金属酸化物と
してのチタニアを被覆してなる。上記触媒担体を製造す
るに当たっては,実施例1と同様の層状シリカ多孔体,
及び熱天秤を備えた真空ラインを使用した。そして,上
記実施例1と同様に所定の層状シリカ多孔体を熱天秤の
白金バスケットに入れて,真空脱気しながら,250℃
まで加熱した。300℃に到達した後も,水分を除去す
るために,更に真空脱気を行った。
【0042】脱気後,四塩化チタン(TiCl4 )を3
00℃で導入した。四塩化チタンの導入は四塩化チタン
溶液に,キャリアーガスとしての窒素(N2 )をバブリ
ングさせて行った。これにより,四塩化チタンと,層状
シリカ多孔体の細孔表面とを化学的に結合させた。そし
て,層状シリカ多孔体の重量変化を注意深く観察した。
重量がほぼ一定になったところで,上記反応が終了した
ものとし,四塩化チタンの導入を停止した。
【0043】次いで,300℃で水蒸気を含んだ窒素
(N2 )ガスを導入し,未反応の四塩化チタンの塩素を
水分と十分に反応させた。次に,乾燥空気に切り換えて
この温度で脱水を行ない,層状シリカ多孔体の表面に,
金属酸化物としてのチタニアを形成させ,触媒担体を得
た。次に,該触媒担体の比表面積を測定したところ,4
00m2 /gであった。また,触媒担体を大気中900
℃まで加熱した場合にも,比表面積の低下はみられなか
った。
【0044】尚,比較のために,チタニウムイソプロポ
キシドを加水分解し,水酸化チタンを得た。次いで,こ
れを250℃で加熱脱水して,酸化チタン粉末を得た。
該酸化チタン粉末の比表面積は,100m2 /gであ
り,酸化チタンの粉末としては比較的高い比表面積であ
った。しかし,本例の上記触媒担体の比表面積には,遙
に及ばない。また,この酸化チタン粉末の比表面積は,
空気中で加熱すると800℃で急激に低下した。これ
を,本例の触媒担体と比較すると,本例の触媒担体は,
耐熱性が著しく優れていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の触媒担体の部分拡大断面図。
【図2】図3の部分拡大図。
【図3】実施例1の層状シリカ多孔体の積層構造を示す
説明図。
【図4】実施例1の層状シリカ多孔体の骨格構造を示す
説明図。
【符号の説明】
1...金属酸化物, 10...触媒担体, 9...層状シリカ多孔体, 91...層状シート, 92...細孔,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福嶋 喜章 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 福本 和広 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 小野田 誠次 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 杉浦 正洽 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 永見 哲夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 平山 洋 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−238810(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86 B01D 53/94

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の細孔を有する多孔材料の細孔表面
    対して金属酸化物よりなる被覆膜を被覆してなり,上
    記多孔材料は,珪素四面体からなる層状シートが折れ曲
    り,部分的に上下の層状シートと結合した構造であり,
    かつ層間に多数の細孔を備えている,骨格組成がSiO
    2である層状シリカ多孔体であって, かつ,上記多孔材料における珪素と上記被覆膜である金
    属酸化物における金属元素とは酸素を介して架橋結合を
    形成することにより上記金属酸化物上記細孔表面に化
    学的に結合していることを特徴とする触媒担体。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記層状シリカ多孔
    体におけるSiO2の数に対する上記被覆金属酸化物の
    分子数の比(金属酸化物の分子数/SiO2数)は1/
    5以上であることを特徴とする触媒担体。
  3. 【請求項3】 多数の細孔を有する多孔材料の細孔表面
    対して金属酸化物よりなる被覆膜を被覆してなると共
    に,上記多孔材料は,珪素四面体からなる層状シートが
    折れ曲り,部分的に上下の層状シートと結合した構造で
    あり,かつ層間に多数の細孔を備えている,骨格組成が
    SiO2である層状シリカ多孔体であって,上記多孔材
    料における珪素と上記被覆膜である金属酸化物における
    金属元素とは酸素を介して架橋結合を形成することによ
    り上記金属酸化物が上記細孔表面に化学的に結合してい
    る,触媒担体を製造する方法であって, 上記多孔材料の細孔表面に金属酸化物を形成させるた
    めの被覆材料を被覆すると共に上記多孔材料の珪素と上
    記金属酸化物の金属元素とを酸素を介して架橋結合させ
    ることにより両者を化学的に結合させ,次いで酸化処理
    を行うことにより多孔材料の細孔表面に上記金属酸化物
    の被覆膜を形成することを特徴とする触媒担体の製造方
    法。
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