JP5075043B2 - 触媒担体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、触媒担体の製造方法、特には内燃機関等からの排ガスを浄化するための排ガス浄化用触媒において用いられる触媒担体の製造方法に関する。
従来、自動車の排ガス浄化用触媒としては、排ガス中の一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)の酸化と窒素酸化物(NOx)の還元とを同時に行う三元触媒が用いられている。このような触媒としては、例えば、コージェライト製ハニカム基材の上にアルミナ(Al23)等の多孔質酸化物からなるコート層(担体層)を形成し、当該コート層に白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)等の貴金属を担持させたものが広く知られている。また、このようなコート層を構成する酸化物として、アルミナ以外にも、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物の使用が試みられている。
しかしながら、このような排ガス浄化用触媒では、触媒機能を発現するコート層において、触媒担体の細孔径や細孔分布等の構造制御がほとんどなされていない。このため、従来の排ガス浄化用触媒では、コート層に担持されている触媒金属の能力を十分に発揮できていないという問題があった。
一方、制御された細孔径や細孔分布を有する多孔質材料として、ゼオライトなどのミクロポーラス材料や、MCMシリーズ及びSBAシリーズなどのメソポーラスシリカが知られている。特にメソポーラスシリカは、鋳型として用いられる界面活性剤の種類を変更することで、得られる多孔質材料の細孔の大きさや形状を容易に制御できることが知られている。しかしながら、これらの多孔質材料は、シリカ(SiO2)を主成分としており、アルミナ等の多孔質材料と比べて酸性質が強く触媒機能も低いため、排ガス浄化用触媒において使用するには適していない場合が多い。そこで、将来を見据えた高性能な排ガス浄化用触媒を得るために、ナノレベルで構造が制御された触媒担体が求められている。
特許文献1では、多数の細孔を有する多孔質材料の細孔表面に金属酸化物を被覆してなることを特徴とする触媒担体、及びこのような触媒担体を製造するための方法が記載されている。
特許文献2では、メソポーラス多孔体と、固溶体微粒子である基粒子及びこの基粒子の表面に配置された触媒金属からなる触媒粒子とを備え、前記触媒粒子が前記メソポーラス多孔体の細孔内に配置されてなる触媒体が記載され、基粒子としてCe−Zr酸化物固溶体を使用することが記載されている。
特許文献3では、メソポーラスシリカの細孔内部に貴金属の触媒成分とセリウム−ジルコニウム複合酸化物が担持されてなる触媒が記載されている。
特開平6−320013号公報 特開2005−152725号公報 特開2001−224962号公報
特許文献1では、化学蒸着法や液相法によって多孔質材料の細孔表面に金属酸化物を形成させるための被覆材料を化学的に付着させ、次いで酸化処理を行うことにより当該多孔質材料の細孔表面に金属酸化物の被覆膜を形成することが記載されている。しかしながら、このような方法では、多孔質材料の細孔内部を含む触媒担体全体を金属酸化物で均一に被覆することは難しく、したがって、多孔質材料上への均一な金属酸化物被膜の形成について依然として改善の余地があった。
特許文献2では、Ce−Zr酸化物固溶体微粒子の分散液をメソポーラス多孔体の細孔内に含浸させている。すなわち、特許文献2に記載の方法では、Ce−Zr酸化物固溶体が微粒子の状態でメソポーラス多孔体の細孔内に導入されるので、当該Ce−Zr酸化物固溶体をメソポーラス多孔体の細孔のより内部まで導入することが困難である。
特許文献3では、セリウム−ジルコニウム複合酸化物の原料を溶解した超臨界流体をメソポーラスシリカに接触させ、当該原料をメソポーラスシリカの細孔内に固定している。すなわち、特許文献3に記載の方法は、超臨界状態での処理を必要とするものであり、工程が複雑である。
そこで、本発明は、多孔質材料、特には制御されたナノ細孔構造を有する多孔質材料の細孔表面に、当該多孔質材料とは異なる金属酸化物の被膜を均一に形成した触媒担体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は下記にある。
(1)多孔質材料の細孔表面に該多孔質材料とは異なる金属酸化物を被覆してなる触媒担体の製造方法であって、(a)前記多孔質材料を少なくとも1種の金属塩を含む溶液中に浸漬して乾燥する工程、(b)前記乾燥された多孔質材料をアンモニア及び水の存在下で60〜100℃の温度において加熱してアンモニア及び水を含む混合蒸気にさらす工程、及び(c)得られた生成物を焼成する工程を含むことを特徴とする、触媒担体の製造方法。
)前記工程(b)が加圧容器内で実施されることを特徴とする、上記(1)に記載の方法。
)前記多孔質材料が規則的なナノ細孔構造を有することを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の方法。
)前記多孔質材料がメソポーラスシリカ又はゼオライトであることを特徴とする、上記(1)〜()のいずれか1つに記載の方法。
)前記少なくとも1種の金属塩が、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、マグネシウム、イットリウム及びセリウムの化合物並びにそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、上記(1)〜()のいずれか1つに記載の方法。
)前記少なくとも1種の金属塩がジルコニウム化合物とセリウム化合物の組み合わせであり、かつ前記金属酸化物がセリア−ジルコニア複合酸化物であることを特徴とする、上記()に記載の方法。
本発明の方法によれば、骨格となる多孔質材料の構造をそのまま使用するとともに、その細孔表面に当該多孔質材料とは異なる特性を有する金属酸化物を均一にコーティングした触媒担体を得ることができる。したがって、本発明の方法を用いることで、従来、特定の用途において使用することが困難であった多孔質材料を、種々の用途において使用することが可能となる。特に、本発明の方法によれば、メソポーラスシリカの細孔表面にセリア−ジルコニア複合酸化物を数nmの厚さで被覆した触媒担体を得ることができる。このような触媒担体によれば、セリア−ジルコニア複合酸化物の表面積が高く、それゆえ、当該触媒担体及びそれに貴金属を担持した排ガス浄化用触媒の酸素吸放出能を顕著に改善することが可能である。
以下、本発明の方法は、排ガス浄化用触媒において用いられる触媒担体の製造について詳しく説明されるが、本発明の方法は、このような特定用途の触媒担体の製造に何ら限定されるものではなく、多孔質材料、特には制御された細孔構造を有する多孔質材料の細孔表面に当該多孔質材料とは異なる金属酸化物がコーティングされてなる任意の複合材料の製造において幅広く適用できることは言うまでもない。
本発明の多孔質材料の細孔表面に該多孔質材料とは異なる金属酸化物を被覆してなる触媒担体の製造方法は、(a)前記多孔質材料を少なくとも1種の金属塩を含む溶液中に浸漬して乾燥する工程、(b)前記乾燥された多孔質材料をアンモニア及び水の存在下で該アンモニア及び水の少なくとも一部を蒸発させるのに十分な温度において加熱する工程、及び(c)得られた生成物を焼成する工程を含むことを特徴としている。
従来のアルミナ等を用いた触媒担体の製造では、当該触媒担体の細孔径や細孔分布を任意に制御することが非常に困難であるため、その細孔径は一定でなく、一般に幅広い分布を有する。それゆえ、このような触媒担体に担持された触媒金属の能力を十分に発揮することができていないという問題があった。
本発明者らは、多孔質材料、特にはメソポーラスシリカ等の規則的なナノ細孔構造を有する多孔質材料を、アルミナやジルコニアの供給源である金属塩を含む溶液中に浸漬して乾燥し、それをアンモニア及び水の存在下で当該アンモニア及び水の少なくとも一部を蒸発させるのに十分な温度において加熱し、そして焼成することにより、多孔質材料の細孔表面にアルミナ又はジルコニアからなる金属酸化物の被膜を均一に形成できることを見出した。
図1は、多孔質材料の例としてメソポーラスシリカSBA−15を用いた場合の本発明の方法による触媒担体の製造プロセスを示す模式図である。ここで、SBA−15は、一般に孔径が約4〜30nmの一次元細孔が六方最密的に配列した構造を有するナノ細孔構造体である。図1について詳しく説明すると、まず、SBA−15の多孔質材料1と、金属塩3を含む溶液とを混合して撹拌及び乾燥し、多孔質材料1の細孔2に金属塩3を付着させる。次いで、これをアンモニアと水の存在下において加熱し、当該アンモニアと水の少なくとも一部を蒸発させて、このような雰囲気下で多孔質材料1と金属塩3を反応させ、それらを化学的に結合させる。最後に、得られた生成物を焼成することにより多孔質材料1の細孔表面に金属塩3を酸化物として固着させる。
本発明の方法によれば、多孔質材料としては、特に限定されないが、例えば、規則的な細孔構造、特には規則的なナノ細孔構造を有する材料を使用することが好ましい。このように制御された規則的な細孔構造を持つ多孔質材料を本発明の方法において使用することで、規則的な細孔構造はそのままにして、その細孔表面を当該多孔質材料とは異なる特性を有する金属酸化物で均一にコーティングすることができる。したがって、本発明の方法を用いることにより、不均一な細孔構造を有する多孔質材料と比べて、得られる触媒の活性を顕著に改善することができる。
本発明において用いられる「ナノ細孔」という語は、一般的には2〜50nmのメソ細孔を言うものであり、特には2〜10nmの細孔径を言うものである。
本発明の方法によれば、多孔質材料としては、特に限定されないが、例えば、メソポーラスシリカ又はゼオライトを使用することが好ましい。
本発明において用いられる「メソポーラスシリカ」という語は、二酸化ケイ素(シリカ)を材質として、一般に直径2〜50nmの均一で規則的な細孔(メソ孔)を有する物質のことを言うものである。
本発明の方法においては、メソポーラスシリカとしては、例えば、SBA−15、SBA−16、MCM−41、MCM−48、FMS−16等を使用することができる。これらのメソポーラスシリカは、当業者に公知の任意の方法によって製造することができ、一般的には界面活性剤を鋳型としたゾルゲル法によって製造することができる。
具体的には、水溶液中に臨界ミセル濃度以上の濃度で界面活性剤を溶解させてミセル粒子を形成する。しばらく静置するとミセル粒子が充填構造をとり、コロイド結晶となる。ここで溶液中にシリカ源としてテトラエトキシシラン(TEOS)等を加え、微量の酸あるいは塩基を加えて、コロイド粒子の隙間でゾルゲル反応を進行させシリカゲル骨格を形成させる。最後に高温で焼成することにより、鋳型として使用した界面活性剤を分解・除去して純粋なメソポーラスシリカを得ることができる。
メソポーラスシリカの製造においては、当該メソポーラスシリカの鋳型として用いられる界面活性剤の種類を変更することで、界面活性剤の種類に応じた一定の大きさと構造を有するミセル粒子が形成されるので、得られるメソポーラスシリカの細孔の大きさや形、充填構造を比較的容易に制御することができる。それゆえ、本発明の方法における多孔質材料としてメソポーラスシリカを使用することで、用途に応じた細孔径及び/又は細孔分布を有する触媒担体を得ることができる。
メソポーラスシリカと同様に多孔質材料として知られ、二酸化ケイ素を主な骨格とし、一般に直径2nm以下の細孔(ミクロ孔)を有するゼオライトも同様に、本発明の方法における多孔質材料として使用することができる。
本発明の方法においては、ゼオライトとしては、特に限定されないが、例えば、ZSM−5、モルデナイト、Y型ゼオライト等を使用することができる。
ゼオライトは、排ガス浄化用触媒の用途では、特にディーゼルエンジン用触媒において使用されたものが公知である。一方、ガソリンエンジンは、ディーゼルエンジンの場合と比べて排ガスの組成が異なり、また排ガスの温度も高温となる。それゆえ、ガソリンエンジン用触媒では、シリカを主成分とするゼオライトやメソポーラスシリカには条件が過酷となり好ましくない。本発明の方法によれば、触媒担体の骨格としてメソポーラスシリカやゼオライトの多孔質材料を使用した場合でも、当該多孔質材料の細孔表面を一般に三元触媒等で用いられるアルミナや、さらにはジルコニア等の金属酸化物で均一にコーティングすることができる。したがって、従来、触媒担体としてゼオライトやメソポーラスシリカを使用することができなかった特定の用途において、これらの多孔質材料を使用することが可能となる。
本発明の方法において用いられる金属塩としては、特に限定されないが、一般に触媒担体として用いられている金属酸化物を構成する任意の金属の化合物を使用することができる。このような金属化合物の例としては、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、マグネシウム、イットリウム及びセリウムからなる群より選択される金属の硝酸塩、塩化物、オキシ硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
上記の金属塩を含む溶液において用いられる溶媒としては、当該金属塩を溶解させることができる任意の溶媒、例えば、水などの水性溶媒又はエタノール等のアルコール溶媒を使用することができる。金属塩は、これらの溶媒に溶解された後、多孔質材料に導入される。より詳しくは、金属塩は、所定濃度の溶液において、最終的に金属酸化物として上記多孔質材料の細孔表面を均一に被覆するのに十分な量において導入される。特に限定されないが、一般的には、金属塩を含む溶液は、最終的に得られる金属酸化物の含有量が当該金属酸化物と多孔質材料の合計質量に対して10〜63wt%の範囲になるような量において多孔質材料に導入することができる。このようにして金属塩を含む溶液に多孔質材料を浸漬した後、それを乾燥することで金属塩を多孔質材料の細孔内部に分散させて付着させることができる。このような乾燥は、例えば、多孔質材料を浸漬した溶液を60〜100℃の温度下で撹拌しながら溶媒を蒸発させて除去した後、さらに100〜120℃の温度で1〜12時間実施することができる。
本発明の方法においては、2種以上の複数の金属塩を使用することも可能である。この場合、これら複数の金属塩を含む混合溶液中に多孔質材料を浸漬して撹拌及び乾燥してもよいし、あるいはまた、1つの金属塩を含む溶液中に多孔質材料を浸漬して撹拌及び乾燥した後、得られた多孔質材料をさらに別の金属塩を含む溶液中に浸漬して撹拌及び乾燥することにより2種以上の複数の金属塩を多孔質材料に導入してもよい。
2種以上の複数の金属塩を用いる本発明の方法の好ましい態様としては、ジルコニウム化合物とセリウム化合物の組み合わせが挙げられる。本発明の方法において金属塩としてジルコニウム化合物とセリウム化合物を組み合わせることで、セリア−ジルコニア複合酸化物が多孔質材料、特にはメソポーラスシリカの表面全体に均一にコーティングされた触媒担体を得ることができる。
一般に、三元触媒等の排ガス浄化用触媒では、排ガス中の酸素濃度の変動を吸収して触媒の排ガス浄化能力を高めるために、排ガス中の酸素濃度が高いときには酸素を吸蔵し、排ガス中の酸素濃度が低いときには酸素を放出する、いわゆる酸素貯蔵能を有するセリア−ジルコニア(CeO2−ZrO2)複合酸化物等の材料が用いられている。酸素の吸放出はこのような材料の表面で起こるが、従来のCeO2−ZrO2複合酸化物はその表面積が小さく、吸放出される酸素の量が少ないという問題がある。
本発明者らは、本発明の方法における金属塩としてジルコニウム化合物とセリウム化合物を組み合わせた場合に、得られる触媒担体の比表面積が従来のセリア−ジルコニア複合酸化物と比べて非常に高く、それゆえ、当該触媒担体及びそれに貴金属を担持した排ガス浄化用触媒の酸素吸放出能を顕著に改善できることを見出した。
図21は、本発明の方法によってメソポーラスシリカの表面にセリア−ジルコニア複合酸化物を被覆した触媒担体を示す模式図である。触媒担体10は、メソポーラスシリカ11と、当該メソポーラスシリカ11の細孔12の表面に均一にコートされたセリア−ジルコニア複合酸化物13とから構成されている。
本発明の方法によってメソポーラスシリカにセリア−ジルコニア複合酸化物を導入することで、図21に示すように、メソポーラスシリカの細孔表面を数nm程度の厚さを有するセリア−ジルコニア複合酸化物で被覆することができるので、セリア−ジルコニア複合酸化物の表面積を顕著に増大させることが可能である。このような表面積の増大に伴い、セリア−ジルコニア複合酸化物の酸素吸放出の起点が増加し、結果として触媒担体の酸素吸放出能が向上する。また、触媒担体の骨格として高い熱的安定性を有するメソポーラスシリカを利用することで、その表面にコーティングされるセリア−ジルコニア複合酸化物の安定性もさらに向上させることができる。
本発明の方法によれば、上記のようにして金属塩が導入された多孔質材料は、アンモニア及び水の存在下で当該アンモニア及び水の少なくとも一部を蒸発させるのに十分な温度において加熱される。
1つ又は複数の金属塩が導入された多孔質材料をアンモニア及び水の存在下で上記温度において加熱することで、金属塩と多孔質材料を反応させてそれらを化学的に結合させることができる。何ら特定の理論に束縛されることを意図するものではないが、上記のような雰囲気下において多孔質材料を加熱処理することで、アンモニアと水を含む混合蒸気により金属塩が加水分解され、多孔質材料の細孔表面に金属塩を構成する金属の水酸化物が形成される。そして、多孔質材料の表面上に存在するOH基と、この金属水酸化物のOH基とが脱水縮合して結合が形成されると考えられる。多孔質材料としてメソポーラスシリカ等のシリカを主成分とする材料を用いた場合には、このようなメソポーラスシリカの表面に存在するシラノール(Si−OH)基のOH基と金属水酸化物のOH基とが脱水縮合してSi−O−M(Mは金属水酸化物を構成する金属元素)の結合、すなわち、多孔質材料と金属水酸化物の間に酸素原子を介した結合が形成されると考えられる。
上記の加熱は、アンモニアと水の少なくとも一部を蒸発させて混合蒸気として存在させ、金属塩と多孔質材料を反応させてそれらを化学的に結合させるのに十分な温度及び時間において実施することができる。例えば、このような加熱は、60〜100℃の温度で1〜12時間実施することができる。
本発明の方法によれば、上記の加熱処理は、オートクレーブ等の加圧容器内で実施することが好ましい。
何ら特定の理論に束縛されることを意図するものではないが、上記のように加圧容器内において加熱することで、アンモニアと水を含む蒸気が加圧され、このような加圧蒸気によって、多孔質材料に付着した金属塩を当該多孔質材料の細孔のより内部まで移動させることができると考えられる。したがって、このようにすることで多孔質材料の表面全体に金属塩を確実かつ均一に分散させることができる。
図2は、オートクレーブ等の加圧容器を使用した場合の本発明の方法を実施するための装置を示すものである。図2について詳しく説明すると、1つ又は複数の金属塩が付着された多孔質材料からなる試料4を一方の端部が開放された容器5内に導入し、当該容器5をアンモニア水6を含む加圧容器7内に封入する。次いで、この加圧容器7を、例えば、油浴中で所定の温度及び時間にわたって加熱することができる。
本発明の方法によれば、1つ又は複数の金属塩が導入された多孔質材料をアンモニア及び水の存在下で当該アンモニア及び水の少なくとも一部を蒸発させるのに十分な温度において加熱した後、得られた生成物を焼成することにより当該多孔質材料の細孔表面に金属酸化物の被膜が形成され固着される。
このような焼成は、多孔質材料の細孔表面に金属酸化物の被膜を形成して固着させるのに十分な温度及び時間において実施することができる。例えば、焼成は500〜800℃の温度で3〜12時間実施することができる。
本発明の他の態様においては、上記のようにして得られた触媒担体に活性成分として触媒金属を担持することにより、種々の用途において活性の向上した触媒を得ることができる。
本発明の方法によれば、従来、規則的な細孔構造を有するメソポーラスシリカやゼオライトなどの多孔質材料を使用することができなかった用途において、このような多孔質材料を使用することができるようになる。したがって、規則的な細孔構造、特には規則的なナノ細孔構造を有する多孔質材料を触媒担体の骨格として使用することで、当該触媒担体に担持される触媒金属の性能を十分に発揮することができるようになり、それゆえ、触媒性能の顕著に向上した触媒を得ることが可能となる。
例えば、排ガス浄化用触媒のような用途においては、上記の触媒担体に、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)及びそれらの組み合わせからなる群より選択された金属を担持してもよい。これらの金属の担持は、当業者に公知の任意の方法により行うことができる。
例えば、これら金属の担持は、金属源として上記金属を陽イオンとして含む化合物を用い、この化合物の所定濃度の溶液に上記触媒担体を浸漬させ、その後、乾燥及び焼成等するか、又は金属源として上記金属の錯体を用い、この錯体の所定濃度の溶液に上記触媒担体を浸漬させ、その後、乾燥及び焼成等することによって行うことができる。これらの金属は、例えば0.01〜10wt%の担持量において上記触媒担体に担持することができる。
これら金属の化合物又は錯体を含む溶液に浸漬された本発明の方法による触媒担体の焼成及び乾燥は、上記金属を当該触媒担体に担持するのに十分な温度及び時間において実施することができる。例えば、乾燥は60〜150℃の温度で0.5〜5時間実施することができ、焼成は400〜600℃の温度で0.5〜5時間実施することができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例では、多孔質材料としてメソポーラスシリカであるSBA−15を使用し、これにアルミナ又はジルコニアをコーティングした触媒担体を調製してその物性及び特性について調べた。
[SBA−15の調製]
多孔質材料としてのSBA−15を以下のようにして調製した。鋳型となる界面活性剤としては、EO20−PO70−EO20(EO:エチレンオキシド、PO:プロピレンオキシド)の構造を有するブロックコポリマー(BASF社製、P123)を用いた。この界面活性剤P123 2gを濃塩酸12.3gと水51.5gの溶液に溶解して撹拌し、シリカ源としてテトラエトキシシラン(TEOS)25.7gを加え、40℃で24時間、さらに100℃で24時間静置して沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾過して洗浄し100℃で乾燥して乾燥粉末を得た。次いで、この乾燥粉末を空気中500℃で5時間焼成し、鋳型として使用した界面活性剤P123を除去して、メソ細孔(細孔径:約2〜50nm)を有する粉末状のSBA−15を得た。
[実施例1]
[SBA−15−Al23触媒担体の調製]
まず、金属塩として所定量の塩化アルミニウム六水和物(AlCl3・6H2O)を水に溶解して撹拌し、これに上で調製した多孔質材料SBA−15の粉末1gを添加した。次いで、この混合溶液を撹拌しながら80℃の温度で乾燥して水分を除去し、これをさらに100℃で12時間乾燥した。次いで、得られた試料を一方の端部を開放した容器内に充填し、当該容器をアンモニア水を含むオートクレーブ内に封入した。次いで、オートクレーブを油浴中100℃の温度で7時間にわたって加熱した。加熱後、オートクレーブから試料を取り出して、これを空気中500℃で5時間焼成し、アルミナの含有量がSBA−15とアルミナの合計質量に対して12、24、36及び63wt%のSBA−15とアルミナからなる各触媒担体を得た。
[触媒担体の物性及び特性評価]
SBA−15及び実施例1で得られた各触媒担体について、細孔分布計(島津製作所製)を用いて、細孔分布、比表面積及び細孔容積を測定した。その結果を図3及び表1に示す。
図3は、SBA−15及び実施例1で調製した各触媒担体の細孔分布を示す図である。図3は、横軸に細孔径(nm)を示し、縦軸に細孔容積(cm3/g)を示している。図3から明らかなように、アルミナを全く含んでいないSBA−15のみからなる試料では、約9nmの付近に細孔径の鋭いピークが得られ、均一な細孔構造を有していることが認められた。このSBA−15を骨格として本発明の方法によりアルミナを導入した各触媒担体では、アルミナの導入量が増加するとともに細孔径のピークが左側、すなわち、小さい方へシフトする傾向が見られた。これは、本発明の方法によってSBA−15の細孔表面がアルミナでコーティングされたためと考えられる。また、アルミナを導入することでSBA−15のみの場合と比べて細孔分布が幾分広がる傾向が見られたが、各触媒担体において依然としてSBA−15の細孔構造が維持されていることを確認した。
表1は、SBA−15及び実施例1で調製した各触媒担体の比表面積(m2/g)、細孔容積(cm3/g)、ミクロ細孔容積(cm3/g)を示している。また、比較としてアルミナ単独での各値を示す。なお、ここで「ミクロ細孔容積」とは、2nm以下の細孔の容積を言うものである。表1に示すとおり、SBA−15にアルミナを加えることで、得られる触媒担体の比表面積は大きく減少したが、各触媒担体においてアルミナ単独のものと比べ高い比表面積を得ることができた。アルミナ導入量の増加とともに比表面積が幾分増加しているのは、アルミナの導入によりアルミナ分の表面積が増加したことに起因するものと考えられる。また、アルミナの導入とともに細孔容積が減少しているのは、SBA−15の細孔表面がアルミナによってコーティングされたためと考えられる。
図4は、SBA−15及び実施例1の各触媒担体に関するX線回折(XRD)パターンを示す図である。SBA−15では、(100)、(110)及び(200)面に回折ピークを検出し、これらの回折ピークからSBA−15のヘキサゴナル構造を確認した。実施例1の各触媒担体では、アルミナの導入によりSBA−15の細孔表面が覆われたことで(110)及び(200)面に相当する回折ピークの減少が観測されたものの、骨格となるSBA−15の構造が依然として維持されていることを確認した。
図5は、実施例1の各触媒担体に関する広角X線回折パターンを示す図である。図5では、2θ=20〜25°の間にSBA−15に起因する回折ピークを観測したが、アルミナに起因する回折ピーク(40°以上の高角度側)は、アルミナを63wt%導入するまで観測されず、しかも非常にブロードなピークであった。このことから、導入したアルミナは多孔質材料のSBA−15上に高分散に微粒子の状態で存在しているものと考えられる。
図6は、SBA−15及び実施例1で調製した各触媒担体のフーリエ変換赤外分光(FT−IR)による赤外吸収スペクトルを示す図である。図6では、SBA−15の赤外吸収スペクトルにおいて965cm-1にシラノール(Si−OH)結合の吸収バンドに帰属されるピークを検出した。また、SBA−15にアルミナを導入した各触媒担体において、この吸収ピークが消失していることを観測した。このような吸収ピークの消失は、SBA−15中のSi原子とアルミナ中のAl原子との間で酸素原子を介したSi−O−Alの結合が形成されたことに起因するものと考えられる。さらに、このようなシラノール基はSBA−15の表面全体に存在していることから、上記のSi−O−Al結合はSBA−15の表面全体に形成されていると考えられ、それゆえ、SBA−15の表面全体がアルミナによって均一に覆われていると考えられる。
図7は、実施例1で調製したアルミナ導入量36wt%のSBA−15−Al23触媒担体における透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。図7のTEM写真から明らかなように、SBA−15にアルミナを導入した触媒担体において、SBA−15の骨格構造に由来する縞模様を観測した。このことからも、本発明の方法によってSBA−15にアルミナを導入した触媒担体が、SBA−15の細孔構造を依然として維持していることを確認した。
[アンモニア昇温脱離(NH3−TPD)法による触媒担体の評価]
アンモニア昇温脱離(NH3−TPD)法によりSBA−15及び実施例1で調製した各触媒担体の表面特性を評価した。その結果を図8に示す。比較としてバルクAl23の脱離スペクトルを併せて示している。図8から明らかなように、SBA−15のみからなる試料では、アンモニアの脱離ピークがほとんど観測されなかったのに対し、アルミナを導入した各触媒担体でバルクAl23の場合と類似のアンモニア脱離挙動を観測した。
図3〜8の結果から、本発明の方法によって調製することで、骨格となるSBA−15の規則的な細孔構造を壊さずに、その細孔表面がアルミナで均一にコーティングされたSBA−15とAl23からなる触媒担体を得ることができた。
[実施例2]
[SBA−15−Al23触媒担体の調製]
金属塩の溶媒としてアルコール溶媒を用いたこと以外は実施例1とほぼ同様にして、SBA−15−Al23触媒担体を調製した。まず、金属塩として所定量の無水塩化アルミニウム(AlCl3)をエタノールに溶解して撹拌し、これに上で調製した多孔質材料SBA−15の粉末1gを添加した。次いで、この混合溶液を撹拌しながら40℃の温度で乾燥してエタノールを除去し、これをさらに100℃で12時間乾燥した。次いで、得られた試料を一方の端部を開放した容器内に充填し、当該容器をアンモニア水を含むオートクレーブ内に封入した。次いで、オートクレーブを油浴中100℃の温度で7時間にわたって加熱した。加熱後、オートクレーブから試料を取り出して、これを空気中500℃で5時間焼成し、アルミナの含有量がSBA−15とアルミナの合計質量に対して12、24、36及び63wt%のSBA−15とアルミナからなる各触媒担体を得た。
[触媒担体の物性及び特性評価]
SBA−15及び実施例2で得られた各触媒担体について、実施例1の場合と同様に、細孔分布、比表面積及び細孔容積を測定した。その結果を図9及び表2に示す。
図9は、SBA−15及び実施例2で調製した各触媒担体の細孔分布を示す図である。実施例1の場合と同様、アルミナを導入することで細孔径のピークが小さい方へシフトし、細孔分布が幾分広がる傾向が見られたが、各触媒担体において依然としてSBA−15の細孔構造が維持されていることを確認した。
表2についても同様に、SBA−15にアルミナを加えることで、得られる触媒担体の比表面積は大きく減少したが、各触媒担体においてアルミナ単独のものと比べ高い比表面積を得ることができた。また、アルミナの導入とともに細孔容積が減少した。
図10及び11は、それぞれ実施例2の各触媒担体に関するX線回折(XRD)パターン及び広角X線回折パターンを示す図である。これらの図についても実施例1の場合と同様の傾向を観測した。したがって、実施例2の各触媒担体においても、骨格となるSBA−15の構造が依然として維持され、導入したアルミナは多孔質材料のSBA−15上に高分散に微粒子の状態で存在していると考えられる。
図12は、SBA−15及び実施例2で調製した各触媒担体のフーリエ変換赤外分光(FT−IR)による赤外吸収スペクトルを示す図である。図12についても実施例1の場合と同様の傾向を観測した。それゆえ、SBA−15の表面全体がアルミナによって均一に覆われていると考えられる。
図13は、実施例2で調製したアルミナ導入量36wt%のSBA−15−Al23触媒担体における透過型電子顕微鏡(TEM)写真であり、実施例1の場合と同様、SBA−15の骨格構造に由来する縞模様を観測した。
図9〜13の結果から、本発明の方法によって調製することで、骨格となるSBA−15の規則的な細孔構造を壊さずに、その細孔表面がアルミナで均一にコーティングされたSBA−15とAl23からなる触媒担体を得ることができた。
[実施例3]
[SBA−15−ZrO2触媒担体の調製]
まず、金属塩として所定量のオキシ硝酸ジルコニウム二水和物(ZrO(NO32・2H2O)を水に溶解して撹拌し、これに上で調製した多孔質材料SBA−15の粉末1gを添加した。次いで、この混合溶液を撹拌しながら80℃の温度で乾燥して水分を除去し、これをさらに100℃で12時間乾燥した。次いで、得られた試料を一方の端部を開放した容器内に充填し、当該容器をアンモニア水を含むオートクレーブ内に封入した。次いで、オートクレーブを油浴中100℃の温度で7時間にわたって加熱した。加熱後、オートクレーブから試料を取り出して、これを空気中500℃で5時間焼成し、ジルコニアの含有量がSBA−15とジルコニアの合計質量に対して12、24、36及び63wt%のSBA−15とジルコニアからなる各触媒担体を得た。
[触媒担体の物性及び特性評価]
SBA−15及び実施例3で得られた各触媒担体について、実施例1及び2の場合と同様に、細孔分布、比表面積及び細孔容積を測定した。その結果を図14及び表3に示す。
図14は、SBA−15及び実施例3で調製した各触媒担体の細孔分布を示す図である。実施例1及び2におけるSBA−15−Al23触媒担体の場合と同様、ジルコニアを導入することで細孔径のピークが小さい方へシフトする傾向が見られ、ジルコニアを63wt%導入した場合に、細孔分布が広がる傾向が見られた。しかしながら、図14のSBA−15−ZrO2触媒担体では、実施例1及び2の場合と比べて、小さい方へシフトした細孔径のピークが非常にシャープであり、よく制御された細孔分布を有することがわかる。このことから、本発明の方法によりジルコニアを導入した触媒担体では、実施例1及び2のSBA−15−Al23触媒担体と比べて、SBA−15の細孔表面に極めて均一にジルコニアがコーティングされていることがわかる。
表3についても同様に、SBA−15にジルコニアを加えることで、得られる触媒担体の比表面積は大きく減少したが、各触媒担体においてジルコニア単独のものと比べ高い比表面積を得ることができた。また、ジルコニアの導入とともに細孔容積が減少した。
図15は、SBA−15及び実施例3の各触媒担体に関するX線回折(XRD)パターンを示す図である。図15では、実施例1及び2のSBA−15−Al23触媒担体の場合と異なり、ジルコニアを63wt%導入するまで、SBA−15の(100)、(110)及び(200)面における回折ピークの減少はほとんど観測されなかった。このことから、本発明の方法によりジルコニアを導入した触媒担体では、骨格となるSBA−15の構造を極めて安定に維持できることを確認した。
図16は、実施例3の各触媒担体に関する広角X線回折パターンを示す図である。図16から明らかなように、ジルコニアを63wt%導入した場合においても、ジルコニアに起因する回折ピークは観測されなかった。したがって、ジルコニアは、高含有量の場合においてもSBA−15上に非常に高分散に微粒子の状態で存在していると考えられる。
図17は、SBA−15及び実施例3で調製した各触媒担体のフーリエ変換赤外分光(FT−IR)による赤外吸収スペクトルを示す図である。図17についても実施例1及び2のSBA−15−Al23触媒担体の場合と同様に、SBA−15にジルコニアを導入することで、965cm-1のシラノール(Si−OH)結合に関する吸収ピークの消失を観測した。したがって、本発明の方法によって調製することで、Si−O−Zr結合が形成されて、SBA−15の表面全体がジルコニアによって均一に覆われていると考えられる。
図18は、実施例3で調製したジルコニア導入量36wt%のSBA−15−ZrO2触媒担体における透過型電子顕微鏡(TEM)写真であり、実施例1及び2の場合と同様に、SBA−15の骨格構造に由来する縞模様を観測した。
[アンモニア昇温脱離(NH3−TPD)法による触媒担体の評価]
アンモニア昇温脱離(NH3−TPD)法によりSBA−15及び実施例3で調製した各触媒担体の表面特性を評価した。その結果を図19に示す。比較としてバルクZrO2の脱離スペクトルを併せて示している。図19から明らかなように、SBA−15のみからなる試料では、アンモニアの脱離ピークがほとんど観測されなかったのに対し、ジルコニアを導入した各触媒担体でバルクZrO2の場合と類似のアンモニア脱離挙動を観測した。
[耐熱性の評価]
本発明の方法によって得られたSBA−15−ZrO2触媒担体の耐熱性を調べるために、実施例3で調製したジルコニアの含有量が12、24及び36wt%の各触媒担体について、水蒸気下800℃で熱処理した後の表面特性の変化をアンモニアTPDによって調べた。その結果を図20に示す。比較として、バルクZrO2について上記熱処理なしのアンモニアTPD曲線と水蒸気下800℃で熱処理した後のアンモニアTPD曲線を併せて示している。
図20から明らかなように、バルクZrO2では、水蒸気下800℃での熱処理によってアンモニアの吸着サイトが大きく減少した。対照的に、実施例3で調製したジルコニアの含有量が12及び24wt%の触媒担体では、このような熱処理によってもアンモニアの吸着サイトがバルクZrO2よりも多く残っていた。したがって、本発明の方法によりジルコニアを導入した触媒担体では、ジルコニアの耐熱性が向上することがわかった。
図14〜20の結果から、本発明の方法によって調製することで、骨格となるSBA−15の規則的な細孔構造を壊さずに、その細孔表面が極めて均一にジルコニアでコーティングされ、耐熱性の向上したSBA−15とZrO2からなる触媒担体を得ることができた。
[実施例4]
[SBA−15−CeO2−ZrO2触媒担体の調製]
まず、金属塩としてオキシ硝酸ジルコニウム二水和物(ZrO(NO32・2H2O)0.18gと硝酸セリウム六水和物(Ce(NO33・6H2O)0.28gを25mLの蒸留水に溶解し、これに上で調製した多孔質材料SBA−15の粉末2gを添加した。次いで、この混合溶液を60℃で撹拌しながら水分を蒸発させ、これをさらに100℃で12時間乾燥した。このときのCeO2−ZrO2複合酸化物のコート量がSBA−15の質量に対して12wt%であることを確認した。次に、得られた試料に対して上記の工程をさらに2回繰り返し、CeO2−ZrO2複合酸化物をSBA−15の質量に対して36wt%コートした。
次いで、得られた粉体を乳鉢で微粉化し、これを5ccのガラス製サンプル管に1.5g入れた。このサンプル管を50ccのテフロン(登録商標)容器内筒のSUSジャケット(オートクレーブ用圧力容器)に入れ、テフロン(登録商標)容器底にアンモニア水を10cc注入してこれを密閉した。次いで、このオートクレーブ用圧力容器を100℃の空気循環型オーブンに投入して5時間静置した。放冷後、サンプル管のみを取り出し、これを空気中500℃で5時間焼成し、CeO2−ZrO2複合酸化物のコート量がSBA−15の質量に対して36wt%のSBA−15とCeO2−ZrO2複合酸化物からなる触媒担体を得た。
[実施例5]
[SBA−15−CeO2−ZrO2触媒担体の調製]
硝酸セリウム六水和物(Ce(NO33・6H2O)0.28gの代わりに硝酸セリウムアンモニウム(Ce(NH42(NO36)0.36gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、すなわち、3価のセリウム化合物の代わりに4価のセリウム化合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、CeO2−ZrO2複合酸化物のコート量がSBA−15の質量に対して36wt%のSBA−15とCeO2−ZrO2複合酸化物からなる触媒担体を得た。
[触媒担体の分析]
実施例4及び5で得られた各触媒担体について、それらの結晶状態をX線回折(理学製RINT2100)によって確認した。その結果を図22及び23に示す。以下、本明細書及び図面において、実施例4の触媒担体を36wt% Ce(III)CeO2−ZrO2、実施例5の触媒担体を36wt% Ce(IV)CeO2−ZrO2として表記する。
図22は、SBA−15並びに実施例4及び5の各触媒担体に関する低角X線回折パターンを示す図である。実施例1及び2におけるSBA−15−Al23触媒担体の場合と同様、セリア−ジルコニア複合酸化物を導入することでSBA−15の(110)及び(200)面に相当する回折ピークの減少が観測されたものの、骨格となるSBA−15の構造が依然として維持されていることを確認した。
図23は、実施例4及び5の各触媒担体に関する広角X線回折パターンを示す図である。図23では、ジルコニアに起因する回折ピークは観測されず、セリアに起因する回折ピークのみが観測され、しかもそれは非常にブロードなピークであった。従来の共沈法等で合成されたセリア−ジルコニア複合酸化物は一般に固溶体を形成することが知られている。しかしながら、上記の結果から、本発明の方法によって形成されたセリア−ジルコニア複合酸化物では、このような固溶体は形成されず、しかもセリアが非常に微細な結晶としてSBA−15上に高分散に存在していると考えられる。また、図22及び23のX線回折の結果から、セリア原料として3価のセリウム化合物(実施例4)及び4価のセリウム化合物(実施例5)のいずれを用いて調製した場合でも、各触媒担体において骨格となるSBA−15の構造が維持されることを確認した。
[細孔分布測定]
SBA−15並びに実施例4及び5の各触媒担体について、それらの細孔分布を細孔分布計(Quantachrome社製Autosorb−1)によって確認した。その結果を図24〜27に示す。
図24は、SBA−15の窒素吸脱着等温線を示す図である。図24は、横軸に相対圧(p/p0)を示し、縦軸に吸着量(cc/g)を示している。なお、図中には、SBA−15の比表面積の値も併せて示している。図24を参照すると、吸着側と脱着側の等温線の間に不一致(すなわち、ヒステリシス)がみられ、それゆえSBA−15にメソ孔が存在することを確認した。
図25及び26は、実施例4で得られた触媒担体の窒素吸脱着等温線を示す図であり、図27は、実施例5で得られた触媒担体の窒素吸脱着等温線を示す図である。図25〜27は、横軸に相対圧(p/p0)を示し、縦軸に吸着量(cc/g)を示している。なお、図25〜27では、実施例4及び5の各触媒担体におけるSBA−15上のセリア−ジルコニア複合酸化物の被覆状態を解析するため、実施例4及び5で得られた触媒担体を、さらに図中に示す温度及び時間においてアンモニア水蒸気処理を施した後の窒素吸脱着等温線を示している。また、図中にm2/gで示した値は、各触媒担体の比表面積値である。
図25〜27の各触媒担体において、図24の場合と同様に、吸着側と脱着側の等温線の間にヒステリシスがみられ、各触媒担体においてSBA−15の構造に由来するメソ孔の存在を確認した。
図28は、セリア−ジルコニア複合酸化物で被覆していないSBA−15を水蒸気又はアンモニア水蒸気によって処理した場合の低角X線回折パターンを示す図である。図中の実線は、水蒸気処理又はアンモニア水蒸気処理を施していないSBA−15のX線回折パターンを示し、点線は水蒸気処理(100℃−5時間)を施したSBA−15のX線回折パターンを示し、破線はアンモニア水蒸気処理(100℃−5時間)を施したSBA−15のX線回折パターンを示している。図28に示す結果から、水蒸気で処理したSBA−15は、SBA−15の(110)及び(200)面に相当する回折ピークの減少が観測されたものの、骨格となるSBA−15の構造が依然として維持されていることを確認した。しかしながら、アンモニア水蒸気で処理したSBA−15では、その構造が崩壊していることがわかる。
これに対し、図25〜27では、各触媒担体にアンモニア水蒸気処理を施したにもかかわらず、各触媒担体においてSBA−15の構造に由来するメソ孔が存在し、骨格となるSBA−15の構造が依然として維持されていることを確認した。これらの結果から、本発明の方法によってセリア−ジルコニア複合酸化物が導入されたSBA−15では、SBA−15の規則的なナノ細孔構造がセリア−ジルコニア複合酸化物によってアンモニア水蒸気等の攻撃から保護されていると考えられる。すなわち、これは、SBA−15の表面全体がセリア−ジルコニア複合酸化物によってコーティングされていることを示唆するものである。また、図24と図25及び27とを比較すると、図25及び27では、吸着側の等温線(図中右側の等温線)の立ち上がりが図24と比べてやや低相対圧側に引いていることから、実施例4及び5の触媒担体では、SBA−15の構造に由来するメソ孔の大きさが小さくなっていることがわかる。すなわち、セリア−ジルコニア複合酸化物は、SBA−15のメソ孔を維持しつつ、その表面を数nmの厚さで被覆していると考えられる。また、図24〜27に示すSBA−15及び各触媒担体の比表面積を参照すると、SBA−15にセリア−ジルコニア複合酸化物を導入することで、得られる触媒担体の比表面積が大きく減少した。しかしながら、各触媒担体において、従来の共沈法で合成したセリア−ジルコニア複合酸化物単独の比表面積(一般に45m2/g程度)と比べ高い比表面積を得ることができた。
[酸素放出能の評価]
実施例4及び5の各触媒担体並びにこれらの触媒担体に塩化白金酸を用いてPtを0.1wt%含浸担持した各触媒について、それらの酸素放出能を評価した。なお、比較例として、従来の共沈法で合成したCeO2−ZrO2複合酸化物及びこれに上と同様にしてPtを0.1wt%含浸担持した触媒を用いた。
上記の試料10〜30mgを石英ガラス管にセットし、空気流通下500℃で1時間前処理した後、5%H2/Arバランスの試験ガス流通下において50〜850℃まで10℃/分の昇温速度で昇温した。発生した水をモレキュラーシーブによって捕捉し、その量を測定することで各試料の酸素放出量を算出した。また、各試料の酸素放出開始温度についても併せて測定した。なお、酸素放出開始温度は、試料出口側の水素量の変化を熱伝導度検出器(TCD)によって観測し、水素量が変動し始める点とした。酸素放出量の測定結果を下表4に示す。
表4から明らかなように、実施例4及び5で得られた各触媒担体では、Ptの有無にかかわらず、従来の共沈法で合成したCeO2−ZrO2複合酸化物に比べて非常に高い酸素放出量を得ることができた。また、実施例4及び5の触媒担体の酸素放出開始温度については、Ptを担持しない場合に約500℃であったのに対し、Ptを担持した場合には約275℃であり、Ptを担持することで酸素放出能が向上することがわかった。
本発明の方法による触媒担体の製造プロセスを示す模式図である。 本発明の方法を実施するための装置を示す。 SBA−15及び実施例1で調製した各触媒担体の細孔分布を示す図である。 SBA−15及び実施例1の各触媒担体に関するX線回折(XRD)パターンを示す図である。 実施例1の各触媒担体に関する広角X線回折パターンを示す図である。 SBA−15及び実施例1で調製した各触媒担体のフーリエ変換赤外分光(FT−IR)による赤外吸収スペクトルを示す図である。 実施例1で調製したアルミナ導入量36wt%のSBA−15−Al23触媒担体における透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 SBA−15及び実施例1で調製した各触媒担体におけるアンモニア昇温脱離(NH3−TPD)の測定結果を示す図である。 SBA−15及び実施例2で調製した各触媒担体の細孔分布を示す図である。 実施例2の各触媒担体に関するX線回折(XRD)パターンを示す図である。 実施例2の各触媒担体に関する広角X線回折パターンを示す図である。 SBA−15及び実施例2で調製した各触媒担体のフーリエ変換赤外分光(FT−IR)による赤外吸収スペクトルを示す図である。 実施例2で調製したアルミナ導入量36wt%のSBA−15−Al23触媒担体における透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 SBA−15及び実施例3で調製した各触媒担体の細孔分布を示す図である。 SBA−15及び実施例3の各触媒担体に関するX線回折(XRD)パターンを示す図である。 実施例3の各触媒担体に関する広角X線回折パターンを示す図である。 SBA−15及び実施例3で調製した各触媒担体のフーリエ変換赤外分光(FT−IR)による赤外吸収スペクトルを示す図である。 実施例3で調製したジルコニア導入量36wt%のSBA−15−ZrO2触媒担体における透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 SBA−15及び実施例3で調製した各触媒担体におけるアンモニア昇温脱離(NH3−TPD)の測定結果を示す図である。 実施例3で調製した触媒担体の水蒸気下800℃で熱処理した後のアンモニアTPD曲線を示す図である。 本発明の方法によってメソポーラスシリカの表面にセリア−ジルコニア複合酸化物を被覆した触媒担体を示す模式図である。 SBA−15並びに実施例4及び5の各触媒担体に関する低角X線回折パターンを示す図である。 実施例4及び5の各触媒担体に関する広角X線回折パターンを示す図である。 SBA−15の窒素吸脱着等温線を示す図である。 実施例4で得られた触媒担体の窒素吸脱着等温線を示す図である。 実施例4で得られた触媒担体の窒素吸脱着等温線を示す図である。 実施例5で得られた触媒担体の窒素吸脱着等温線を示す図である。 セリア−ジルコニア複合酸化物で被覆していないSBA−15を水蒸気又はアンモニア水蒸気によって処理した場合の低角X線回折パターンを示す図である。
符号の説明
1 多孔質材料
2 細孔
3 金属塩
4 試料
5 容器
6 アンモニア水
7 加圧容器
10 触媒担体
11 メソポーラスシリカ
12 細孔
13 セリア−ジルコニア複合酸化物

Claims (6)

  1. 多孔質材料の細孔表面に該多孔質材料とは異なる金属酸化物を被覆してなる触媒担体の製造方法であって、
    (a)前記多孔質材料を少なくとも1種の金属塩を含む溶液中に浸漬して乾燥する工程、
    (b)前記乾燥された多孔質材料をアンモニア及び水の存在下で60〜100℃の温度において加熱してアンモニア及び水を含む混合蒸気にさらす工程、及び
    (c)得られた生成物を焼成する工程
    を含むことを特徴とする、触媒担体の製造方法。
  2. 前記工程(b)が加圧容器内で実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記多孔質材料が規則的なナノ細孔構造を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記多孔質材料がメソポーラスシリカ又はゼオライトであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1種の金属塩が、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、マグネシウム、イットリウム及びセリウムの化合物並びにそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1種の金属塩がジルコニウム化合物とセリウム化合物の組み合わせであり、かつ前記金属酸化物がセリア−ジルコニア複合酸化物であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
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