JP3220773B2 - 絞り優先制御可能なシャッタ装置 - Google Patents

絞り優先制御可能なシャッタ装置

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JP3220773B2
JP3220773B2 JP18658793A JP18658793A JP3220773B2 JP 3220773 B2 JP3220773 B2 JP 3220773B2 JP 18658793 A JP18658793 A JP 18658793A JP 18658793 A JP18658793 A JP 18658793A JP 3220773 B2 JP3220773 B2 JP 3220773B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銀塩フィルムを使用す
るカメラ、電子スチールカメラ、ビデオカメラ等に使用
して好適な絞り優先制御可能なシャッタ装置の改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の絞り優先制御可能なシャッタ装置
においては、撮影光路を開閉するシャッタ羽根とは別に
絞り羽根を用意する方法が採られて来た。
【0003】例えば実開昭58−62325号公報の開
示技術では、絞り羽根を兼用する第1シャッタ羽根と撮
影光路を開閉する第2シャッタ羽根とを設置し、絞り優
先プログラム線図に則った制御モード(以下、「絞り優
先モード」と略称する)時には、第1シャッタ羽根を予
め定められた撮影時の絞り開口位置まで開いて停止さ
せ、その状態で、第2シャッタ羽根を閉じ状態から全開
状態に開かせると共にフィルムへの露光量が適正値にな
った時点で閉ざすようにして、露出動作を終了させるよ
うに構成している。
【0004】一方、特開平2−89034号公報の開示
実施例の技術では、絞り優先モード時に、制御の容易な
ステッピングモータと絞り兼用シャッタ羽根とを用い、
絞り兼用シャッタ羽根の開き動作をステッピングモータ
の各ステップ位置に強制的に停止させることにより絞り
優先制御を行う方法が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
開示技術では、絞り設定用の第1シャッタ羽根と撮影光
路を開閉する第2シャッタ羽根との2種類のシャッタ羽
根を設置しなければならず、しかも、これらのシャッタ
羽根を作動させるための複雑なカム機構等のメカ手段も
設けなければならないという構造上の問題が一方におい
て存在することになり、他方では、これに伴ってこれら
2種類のシャッタ羽根やメカ手段を複雑に駆動制御しな
ければならないという制御上の問題も生じて来る。
【0006】一方、後者の開示技術では、全体の機構そ
のものは簡単化されるという利点はあるが、絞り優先モ
ード時に、絞り兼用シャッタ羽根(以下、「シャッタ羽
根」と略称する)の開き動作をステッピングモータの各
ステップ位置に強制的に停止させる関係で、例えば図7
に示すように、シャッタ羽根の開口波形がダンピング波
形になるという現象が生じるという問題が生じる。
【0007】この場合、ダンピング波形が発生すると、
そのときの実効F値と撮影時に設定した所望F値との間
にF値差が生じてシャッタ秒時の領域中に不適正な露光
量になる秒時領域ができてしまい、選択したシャッタ秒
時の如何では露出精度が実用上無視できない程度に狂っ
てしまうという結果をもたらす。
【0008】そのため、特開平2−89034号公報の
実施例では、ステッピングモータにブレーキパルスを付
与することにより、ステッピングモータの各ステップ位
置でのダンピング波形の発生を抑止するようにしている
が、このような発生抑止手段を用いるときには、各ステ
ップ位置毎にブレーキパルスのパルス時間(付与時間)
を変える必要があるため、各ステップ毎に複雑なパルス
時間の調整をしなければならないという制御上の難問題
が生じる。
【0009】何となれば、カメラに装備されるシャッタ
羽根機構には、各機構毎の運動慣性や摩擦等にバラツキ
が出るのが普通であり、加えて、ステッピングモータの
側にも各ステップ毎のトルクの出方にバラツキが出るた
め、ブレーキパルスのパルス時間の調整は、各カメラの
シャッタ羽根機構毎に或いは各ステップ毎に行わなけれ
ばならないからである。
【0010】また、後者の開示技術では、ブレーキパル
スを発生させるための専用のブレーキパルス発生回路手
段を設けてこれを通常のステッピングモータのドライブ
回路に付加しなければならないという構造上の問題も生
じることになる。
【0011】そのため、全体の機構そのものが簡単化さ
れるというステッピングモータと絞り兼用シャッタ羽根
とを用いて、しかも、シャッタ羽根の開口波形がダンピ
ング波形になるという現象に起因する諸問題点を手際よ
く回避することができる有効な解決策の出現が久しく要
望されていた。
【0012】ここで、シャッタ羽根のダンピング運動に
起因して生じる露出制御上の諸問題点を、図8および図
9を用いて詳しく説明する。今、ユーザーが、少なくと
も2枚構成から成る絞り兼用シャッタ羽根(以下、単に
「シャッタ羽根」と略称する)をステッピングモータで
開閉する形式のシャッタ装置において、絞り優先モード
を選択し且つ所望のF値(例えば、F5.6 )を設定し
て、シャッタ装置を作動させたものと仮定する。
【0013】さて、このような条件下でシャッタ装置を
作動すると、2枚のシャッタ羽根は、先ず、ステッピン
グモータの正回転により所望F値F5.6 に対応する開口
位置まで開き、ステッピングモータが回転停止したとき
に、この停止時のステップ位置に対応した開口位置にて
強制的に停止させられ、この強制停止位置(以下、「ホ
ールド位置」という)でホールドされることになる。
【0014】このとき、シャッタ羽根は、図8に示すよ
うに、先ず、羽根開閉時のシャッタ羽根機構の運動慣性
のために予め設計されたホールド位置をオーバーするB
1 領域の位置まで開き、その後、このオーバー開き動作
の反動で、シャッタ羽根はB1 領域の位置からホールド
位置を通り過ぎてB2 領域の位置まで閉じ方向に変位す
る。
【0015】そしてさらに、シャッタ羽根は、このB2
領域の位置からホールド位置を少しオーバーするB3 領
域の位置まで開き方向に再び変位し、その後、このB3
領域の位置からホールド位置に少しを通り過ぎたB4 領
域の位置まで閉じ方向に変位するというバウンド動作を
を繰り返しながらホールド位置に収斂して行き、その位
置で安定的に静止するという動作を行う。これを「シャ
ッタ羽根のダンピング運動」と云う。
【0016】この場合、そのときのシャッタ秒時が図8
のA1 の波形になるような秒時値であると仮定すると、
ホールド位置を超えたB1 の領域の量だけ撮影光が余計
にフィルム面に入射することになり、また、そのときの
シャッタ秒時が例えばA2 の波形になるような秒時値で
あれば、ホールド位置を超えたB1 の領域の過剰量から
ホールド位置に達しないB2 の領域の不足量を差し引い
た分だけ撮影光が余計にフィルム面に入射する結果とな
る。
【0017】しかし、通常のシャッタ装置では、シャッ
タ羽根がこのホールド位置に保持されていることを前提
として適正露光値の演算を行うように設計されているか
ら、シャッタ羽根のダンピング運動によって余計な量の
撮影光が入射すると、実際の露光量で決定される実効F
値と設計時の予定露光量で演算される所望F値F5.6と
の間にF値差が生じることになる。従って、より正確な
適正露光値を得るためには、このF値差を実用上差し支
えのない範囲内に収めた上で露光動作を行わなければな
らない。
【0018】しかしながら、ダンピング運動に起因する
実効F値をシャッタ装置を設計する段階において任意に
変更する訳には行かないから、実際には、撮影時に使用
するシャッタ秒時の値を変えることにより、実効F値と
所望F値とを実用上差し支えのない範囲にまで接近化さ
せる必要性が生じる。
【0019】これを図8の例で説明すると、A3 の波形
になるような秒時値以上の長さを持つシャッタ秒時を用
いて露光動作を行う必要性が出て来ると云うことにな
り、具体的には、実効F値と所望F値とを所定範囲にま
で接近化させ得る秒時値を持つシャッタ秒時を選択し、
このシャッタ秒時を用いて露光動作を行う必要性が出て
来ると云うことになる。
【0020】一方、ピンホールに近い開口径の領域で
は、図9に示すように、シャッタ羽根が最初にホールド
位置をオーバーするB11領域の位置からホールド位置に
達しないB12領域の位置まで閉じ方向に変位する過程
で、一度シャッタ羽根が閉じてしまい、次の開き動作で
あるB12領域の位置からホールド位置を少しオーバーす
るB13領域の位置までの開き動作の過程で、再びシャッ
タ羽根が開くという二重露光現象が生じる。
【0021】そのため、絞り優先モードにおいて、ユー
ザーにより設定された所望F値がピンホールに近い開口
径のF値であるようなときには、この二重露光現象が生
じて露出制御上の不具合を惹き起すことになる。従っ
て、この二重露光現象を避けるためには、ユーザーの設
定する所望F値の開口径を常に二重露光現象が生じない
程度の開口径に設定しなければならない。
【0022】これを図9の例で説明すると、シャッタ羽
根がB13領域の位置からホールド位置に少し達しないB
14領域の位置に変位した後、再びB15領域の位置(ホー
ルド位置)に変位してこの位置で安定的に静止するもの
と仮定したとき、シャッタ秒時をこのB15領域内の秒時
値に設定しなければならないことになる。
【0023】具体的には、予め、二重露光現象が生じる
虞のある限界F値を求めておき、ユーザーの設定した所
望F値とこの限界F値とを比較して、若し、所望F値で
の開口径がこの限界F値の開口径よりも小さくなるよう
なときには、所望F値を限界F値よりも大きな開口径を
持つF値に変更するなどして、この二重露光現象を生じ
させないようにする必要性が出て来る。
【0024】従って、少なくとも2枚構成から成るシャ
ッタ羽根をステッピングモータで開閉する形式のシャッ
タ装置においては、シャッタ羽根のダンピング運動に起
因する実用上差し支えのあるF値差やピンホール近傍で
発生する二重露光現象を排除することが必要不可欠な課
題となる。
【0025】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、その第1の目的は、少なくとも2枚構成から
成る絞り兼用シャッタ羽根とステッピングモータを用い
ながら、絞り優先モード時における絞り兼用シャッタ羽
根のダンピング運動に起因する露出精度の劣化による撮
影の失敗を未然に防止することのできる絞り優先制御可
能なシャッタ装置を提供することにある。
【0026】そして、第2の目的は、少なくとも2枚構
成から成る絞り兼用シャッタ羽根とステッピングモータ
を用いながら、絞り優先モード時におけるピンホール近
傍における二重露光現象に起因する露出精度の劣化によ
る撮影の失敗を未然に防止することのできる絞り優先制
御可能なシャッタ装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明は、撮影光路を開閉する少なくとも2
枚の絞り兼用シャッタ羽根と、複数のステップ位置によ
りこの絞り兼用シャッタ羽根の最大開口値に至るまでの
各開口値を設定するステッピングモータと、被写体輝度
を測光する測光回路手段とを具えた絞り優先制御可能な
シャッタ装置において、所定の絞り優先プログラム線図
に則った制御モードに基づいて所望F値を設定し得る所
望F値設定手段と、前記測光手段からの被写体輝度情報
に基づいて、前記所望F値設定手段で設定された所望F
値に対応する適正露光時のシャッタ秒時値を演算する露
出演算手段と、前記絞り優先プログラム線図に則って、
先ず前記絞り兼用シャッタ羽根を前記ステッピングモー
タの各ステップ位置まで開き、前記絞り兼用シャッタ羽
根が前記各ステップ位置まで開いたときには、前記絞り
兼用シャッタ羽根を前記各ステップ位置にホールドし、
前記露出演算手段で演算されたシャッタ秒時値に応じた
ホールド秒時値の経過後に、前記絞り兼用シャッタ羽根
を閉成位置に閉じさせるように前記ステッピングモータ
を駆動制御するシーケンス制御手段と、前記絞り兼用シ
ャッタ羽根が前記ステッピングモータの各ステップ位置
にホールドされたとき、このホールド動作に起因して生
じるダンピング運動の開口波形とシャッタ開口時間との
関係で定まる実効F値を、予め前記各ステップ位置毎の
モデル実効F値として求めてこれを記憶する第1メモリ
ーと、この第1メモリーに記憶された各ステップ位置毎
のモデル実効F値と前記所望F値との間のF値差が所定
基準値内にあるか否かを判定するF値差判定手段とを設
け、前記モデル実効F値と前記所望F値との間のF値差
が前記所定基準値内にあるときに、前記所望F値に対応
するシャッタ秒時値を用いて前記絞り兼用シャッタ羽根
を開閉させるように構成したことを特徴とするものであ
る。
【0028】また、上記第1の目的をよりよく達成する
ために、本発明は、撮影光路を開閉する少なくとも2枚
の絞り兼用シャッタ羽根と、複数のステップ位置により
この絞り兼用シャッタ羽根の最大開口値に至るまでの各
開口値を設定するステッピングモータと、被写体輝度を
測光する測光回路手段とを具えた絞り優先制御可能なシ
ャッタ装置において、所定の通常プログラム線図に則っ
た制御モードと所定の絞り優先プログラム線図に則った
制御モードとを選択的に設定し得るモード選択設定手段
と、前記絞り優先プログラム線図に則った制御モードに
基づいて所望F値を設定し得る所望F値設定手段と、前
記通常プログラム線図に則った制御モードが選択された
ときには、前記測光手段からの被写体輝度情報に基づい
て、前記通常プログラム線図に則った適正露光時のF値
とシャッタ秒時値との組合せを演算的に決定し、一方、
前記絞り優先プログラム線図に則った制御モードが選択
されたときには、前記測光手段からの被写体輝度情報に
基づいて、前記所望F値に対応する適正露光時のシャッ
タ秒時値を演算する露出演算手段と、前記通常プログラ
ム線図に則った制御モードと前記絞り優先プログラム線
図に則った制御モードとを選択的に実行することがで
き、前記通常プログラム線図に則った制御モードのとき
には、このときのプログラム線図に則って、先ず前記絞
り兼用シャッタ羽根を前記ステッピングモータの各ステ
ップ位置まで開き、前記絞り兼用シャッタ羽根が前記各
ステップ位置まで開いたときには、直ちに前記絞り兼用
シャッタ羽根を閉成位置に閉じさせるように前記ステッ
ピングモータを駆動制御し、一方、前記絞り優先プログ
ラム線図に則った制御モードが選択されたときには、こ
のときのプログラム線図に則って、先ず前記絞り兼用シ
ャッタ羽根を前記ステッピングモータの各ステップ位置
まで開き、前記絞り兼用シャッタ羽根が前記各ステップ
位置まで開いたときには、前記絞り兼用シャッタ羽根を
前記各ステップ位置にホールドし、前記露出演算手段で
演算されたシャッタ秒時値に応じたホールド秒時値の経
過後に、前記絞り兼用シャッタ羽根を閉成位置に閉じさ
せるように前記ステッピングモータを駆動制御するシー
ケンス制御手段と、前記絞り兼用シャッタ羽根が前記絞
り優先プログラム線図に則って前記ステッピングモータ
の各ステップ位置にホールドされたとき、このホールド
動作に起因して生じるダンピング運動の開口波形とシャ
ッタ開口時間との関係で定まる実効F値を、予め前記各
ステップ位置毎のモデル実効F値として求めてこれを記
憶する第1メモリーと、この第1メモリーに記憶された
各ステップ位置毎のモデル実効F値と前記所望F値との
間のF値差が、所定基準値内にあるか否かを判定するF
値差判定手段と、前記F値差が前記所定基準値を超えた
ときに、前記絞り優先プログラム線図に則った制御モー
ドを前記通常プログラム線図に則った制御モードに自動
的に切換え得るモード自動切換手段とを設け、前記絞り
優先プログラム線図に則った制御モードの場合において
前記F値差が前記所定基準値内にあるときには、前記所
望F値に対応するシャッタ秒時値を用いて前記絞り兼用
シャッタ羽根を開閉させ、また、前記F値差が前記所定
基準値を超えたときには、前記モード自動切換手段によ
り、前記絞り優先プログラム線図に則った制御モードか
ら前記通常プログラム線図に則った制御モードに自動的
に切換えるように構成したことを特徴とするものであ
る。
【0029】上記第2の目的を達成するために、本発明
は、撮影光路を開閉する少なくとも2枚の絞り兼用シャ
ッタ羽根と、複数のステップ位置によりこの絞り兼用シ
ャッタ羽根の最大開口値に至るまでの各開口値を設定す
るステッピングモータと、被写体輝度を測光する測光回
路手段とを具えた絞り優先制御可能なシャッタ装置にお
いて、所定の絞り優先プログラム線図に則った制御モー
ドに基づいて所望F値を設定し得る所望F値設定手段
と、前記測光手段からの被写体輝度情報に基づいて、前
記所望F値設定手段で設定された所望F値に対応する適
正露光時のシャッタ秒時値を演算する露出演算手段と、
前記絞り優先プログラム線図に則って、先ず前記絞り兼
用シャッタ羽根を前記ステッピングモータの各ステップ
位置まで開き、前記絞り兼用シャッタ羽根が前記各ステ
ップ位置まで開いたときには、前記絞り兼用シャッタ羽
根を前記各ステップ位置にホールドし、前記露出演算手
段で演算されたシャッタ秒時値に応じたホールド秒時値
の経過後に、前記絞り兼用シャッタ羽根を閉成位置に閉
じさせるように前記ステッピングモータを駆動制御する
シーケンス制御手段と、前記絞り兼用シャッタ羽根が前
記ステッピングモータの各ステップ位置にホールドされ
たとき、このホールド動作により生じるダンピング運動
に起因して二重露光現象が生じるようなF値の限界値
を、予め二重露光限界F値として求めてこれを記憶する
第2メモリーと、この第2メモリーに記憶された二重露
光限界F値と前記所望F値とを比較して、そのときの所
望F値が前記二重露光限界F値以内にあるか否かを判定
する二重露光現象判定手段とを設け、前記所望F値が前
記二重露光限界F値以内にあるときに、前記所望F値を
用いて前記絞り兼用シャッタ羽根を開閉させるように構
成したことを特徴とするものである。
【0030】また、上記第2の目的をよりよく達成する
ために、撮影光路を開閉する少なくとも2枚の絞り兼用
シャッタ羽根と、複数のステップ位置によりこの絞り兼
用シャッタ羽根の最大開口値に至るまでの各開口値を設
定するステッピングモータと、被写体輝度を測光する測
光回路手段とを具えた絞り優先制御可能なシャッタ装置
において、所定の通常プログラム線図に則った制御モー
ドと所定の絞り優先プログラム線図に則った制御モード
とを選択的に設定し得るモード選択設定手段と、前記絞
り優先プログラム線図に則った制御モードに基づいて所
望F値を設定し得る所望F値設定手段と、前記通常プロ
グラム線図に則った制御モードが選択されたときには、
前記測光手段からの被写体輝度情報に基づいて、前記通
常プログラム線図に則った適正露光時のF値とシャッタ
秒時値との組合せを演算的に決定し、一方、前記絞り優
先プログラム線図に則った制御モードが選択されたとき
には、前記測光手段からの被写体輝度情報に基づいて、
前記所望F値に対応する適正露光時のシャッタ秒時値を
演算する露出演算手段と、前記通常プログラム線図に則
った制御モードと前記絞り優先プログラム線図に則った
制御モードとを選択的に実行することができ、前記通常
プログラム線図に則った制御モードのときには、このと
きのプログラム線図に則って、先ず前記絞り兼用シャッ
タ羽根を前記ステッピングモータの各ステップ位置まで
開き、前記絞り兼用シャッタ羽根が前記各ステップ位置
まで開いたときには、直ちに前記絞り兼用シャッタ羽根
を閉成位置に閉じさせるように前記ステッピングモータ
を駆動制御し、また、前記絞り優先プログラム線図に則
った制御モードが選択されたときには、このときのプロ
グラム線図に則って、先ず前記絞り兼用シャッタ羽根を
前記ステッピングモータの各ステップ位置まで開き、前
記絞り兼用シャッタ羽根が前記各ステップ位置まで開い
たときには、前記絞り兼用シャッタ羽根を前記各ステッ
プ位置にホールドし、前記露出演算手段で演算されたシ
ャッタ秒時値に応じたホールド秒時値の経過後に、前記
絞り兼用シャッタ羽根を閉成位置に閉じさせるように前
記ステッピングモータを駆動制御するシーケンス制御手
段と、前記絞り兼用シャッタ羽根が前記ステッピングモ
ータの各ステップ位置にホールドされたとき、このホー
ルド動作により生じるダンピング運動に起因して二重露
光現象が生じるようなF値の限界値を、予め二重露光限
界F値として求めてこれを記憶する第2メモリーと、こ
の第2メモリーに記憶された二重露光限界F値と前記所
望F値とを比較して、そのときの所望F値が前記二重露
光限界F値以内にあるか否かを判定する二重露光現象判
定手段と、前記二重露光現象判定手段の判定結果が前記
二重露光限界F値を超えたときに、前記絞り優先プログ
ラム線図に則った制御モードを前記通常プログラム線図
に則った制御モードに自動的に切換え得るモード自動切
換手段とを設け、前記絞り優先プログラム線図に則った
制御モードの場合において、前記二重露光現象判定手段
の判定結果が前記二重露光限界F値内にあるときには、
前記所望F値を用いて前記絞り兼用シャッタ羽根を開閉
させ、また、前記二重露光現象判定手段の判定結果が前
記二重露光限界F値を超えたときには、前記モード自動
切換手段により、前記絞り優先プログラム線図に則った
制御モードから前記通常プログラム線図に則った制御モ
ードに自動的に切換え得るように構成したことを特徴と
する本発明は、ものである。
【0031】
【作用】上記のように構成された絞り優先制御可能なシ
ャッタ装置は、シャッタ羽根がステッピングモータの各
ステップ位置にホールドされたとき、このホールド動作
に起因して生じるダンピング運動の開口波形とシャッタ
開口時間との関係で定まる実効F値を、予め各ステップ
位置毎のモデル実効F値として求めておいてこれらのモ
デル実効F値を第1メモリーに記憶して置く。
【0032】そして、絞り優先プログラム線図に則った
制御モード時に、F値差判定手段を用いてユーザーが設
定した所望F値とこのモデル実効F値とを比較すること
により、所望F値に対応する適正シャッタ秒時値を使用
したときに、シャッタ羽根のダンピング運動の影響を受
けて不適正な露光値になるか否かを瞬時に判定する。
【0033】この場合、所望F値でのシャッタ秒時値と
モデル実効F値でのシャッタ秒時値とを直接比較するの
ではなく、所望F値と開口時間を加味したモデル実効F
値との比較という方法で判定する。
【0034】そして、このときのF値差判定手段での判
定結果が、所望F値に対応するシャッタ秒時値を用いて
もシャッタ羽根のダンピング運動の影響を受けないと云
うことであれば、所望F値に対応するシャッタ秒時値を
用いて、そのまま制御シーケンスを続行させるようにす
る。
【0035】しかし、このときのF値差判定手段での判
定結果が、所望F値に対応するシャッタ秒時値ではシャ
ッタ羽根のダンピング運動の影響を受けて不適正な露光
値になると云うときには、例えば、モード自動切換手段
を用いて、シャッタ装置の制御モードを、絞り優先プロ
グラム線図に則った制御モードから開口波形が三角波形
になる通常プログラム線図に則った制御モードに自動的
に切換えるようにするものである。
【0036】また、少なくとも開口波形が台形波形にな
る絞り優先プログラム線図に則った制御モードによりシ
ャッタ羽根を開閉するように構成された絞り優先制御可
能なシャッタ装置において、先ず、シャッタ羽根が任意
のシャッタ開口時点でステッピングモータの各ステップ
位置にホールドされたとき、このホールド動作により生
じるダンピング運動に起因して二重露光現象が生じるよ
うなF値の限界値を、予め二重露光限界F値として求め
てこれを第2メモリーに記憶して置く。
【0037】そして、絞り優先プログラム線図に則った
制御モード時に、二重露光現象判定手段を用いて、ユー
ザーが設定した所望F値とこの二重露光限界F値とを比
較することにより、所望F値に対応するシャッタ秒時値
を使用したときに、シャッタ羽根のダンピング運動の影
響を受けて二重露光現象が生じるか否かを瞬時に判定す
る。
【0038】このとき、二重露光現象判定手段での判定
結果が、所望F値を用いても二重露光現象が生じないと
云うことであれば、所望F値を用いてそのまま制御シー
ケンスを続行させるようにする。
【0039】しかし、このときの二重露光現象判定手段
での判定結果が、所望F値では二重露光現象が発生する
と云うときには、例えば、モード自動切換手段を用い
て、シャッタ装置の制御モードを、絞り優先プログラム
線図に則った制御モードから開口波形が三角波形になる
通常プログラム線図に則った制御モードに自動的に切換
えるようにするものである。
【0040】
【実施例】以下、図示の実施例に基づいて本発明に係る
絞り優先制御可能なシャッタ装置の構成および作用を説
明する。
【0041】なお、以下の説明で「通常モード」という
のは、シャッタ羽根1、2の開口波形を通常プログラム
線図に則った三角波形に形成するように制御するモード
を指し、また、「絞り優先モード」というのは、シャッ
タ羽根1、2の開口波形を絞り優先プログラム線図に則
った台形波形に形成するように制御するモードを指すも
のとする。
【0042】図1は、本発明の絞り優先制御可能なシャ
ッタ装置に係る第1実施例の概略構成を示す斜視構成図
である。図1において、1および2は、撮影光路上に対
向的に配設された絞り兼用シャッタ羽根で、右側シャッ
タ羽根1と左側シャッタ羽根2とが、それぞれの羽根閉
成位置から羽根最大開口位置まで相対的に開閉運動を行
う2枚構成のシャッタ羽根として構成されている。
【0043】3は右側シャッタ羽根1の基部と実質的に
一体化された状態で設けられた右側羽根支持レバーで、
シャッタ地板(図示なし)に植設された適宜の右側枢軸
4によって右側シャッタ羽根1と一体的に回転し得るよ
うに軸支されている。
【0044】この右側羽根支持レバー3は、右側枢軸4
の周りに位置するレバー基部に右側枢軸4を中心として
回転するギア部3aを具えている。
【0045】5は左側シャッタ羽根2の基部と実質的に
一体化された状態で設けられた左側羽根支持レバーで、
上述の右側枢軸4と並行に植設された適宜の左側枢軸6
によって左側シャッタ羽根2一体的に回転し得るように
軸支されている。
【0046】この左側羽根支持レバー5は、左側枢軸6
の周りに位置するレバー基部に左側枢軸6を中心として
回転するギア部5aを具え、このギア部5aが右側羽根
支持レバー3のギア部3aと常時噛合するように構成さ
れている。そして、2つの枢軸4、6を除く各部材は、
シャッタ地板上に添着された適宜の滑りシート7の上で
それぞれ回転運動を行うように構成されている。
【0047】8は左右の羽根支持レバー3、5(シャッ
タ羽根1、2でもある)の上下方向への不要な変位を自
身の下面と滑りシート7との間で抑止するための羽根抑
え板で、適宜のスペーサ9を介して、左右の羽根支持レ
バー3、5の上方を覆うような状態でシャッタ地板上に
設けられ且つ取付け小ねじ10によって固定されてい
る。
【0048】11および12は、2つの枢軸4、6の上
方端部を回転可能に軸支する右側および左側の軸受け部
材で、係合羽根抑え板8に形成された取付け穴8a、8
bを貫通するような状態で係合羽根抑え板8上に取付け
られている。
【0049】この2つの軸受け部材11、12は、各々
に形成された軸受け孔(符号なし)にそれぞれの枢軸
4、6の上方端部を嵌入させることにより、それぞれの
枢軸4、6を軸支するように構成されている。
【0050】13は左右のシャッタ羽根1、2を開閉さ
せるためのステッピングモータで、後述するモータドラ
イバ26によって正逆方向に回転させられるように構成
されている。このステッピングモータ13の出力軸に
は、ピニオンギア14が固定的に取付けられ、このピニ
オンギア14が右側羽根支持レバー3のギア部3aと常
時噛合するように、シャッタ地板上に取付けられてい
る。なお、羽根抑え板8には、ステッピングモータ13
上のピニオンギア14が緩く貫入するための逃げ穴8c
が形成されている。15はステッピングモータ13とモ
ータドライバ26とを接続するための適宜の給電ライン
である。
【0051】図2に示すのは、図1に示す第1実施例の
機械的構成部分を駆動制御するための回路構成図であ
る。図2において、21は被写体輝度を測光する測光回
路手段としての測光手段で、その時々の被写体輝度情報
を、適宜のA/Dコンバータ22を介してデジタル信号
に変換され後述のCPU25に出力されるように構成さ
れている。なお、この測光手段21およびA/Dコンバ
ータ22は、それ自体公知の適宜の構造のものとして構
成されている。
【0052】23はシャッタ装置の制御モードを通常モ
ードにするのか絞り優先モードにするのかを選択的に設
定するモード選択設定手段で、その選択情報をCPU2
5に出力するように構成されている。
【0053】24は絞り優先モードのときに所望のF値
を設定するための所望F値設定手段で、例えばユーザー
のマニュアル操作で設定されるように構成され、そのと
き設定された所望F値の情報がCPU25に出力される
ように構成されている。
【0054】25は内部に後述すねシーケンス制御手段
25a、第1メモリー25b、露出演算回路25c、F
値差判定手段25d、モード自動切換手段25e、警告
指示手段25f、第2メモリー25g、二重露光現象判
定手段25hの各手段を有するCPUで、適宜のマイコ
ンから構成されている。なお、E1 は、このCPU25
を作動させるための直流電源である。
【0055】このように構成されたCPU25におい
て、シーケンス制御手段25aは、通常モードおよび絞
り優先モードに則った制御シーケンスの実行を含むシャ
ッタ装置全体の制御を司るように構成されている。
【0056】また、第1メモリー25bは、ステッピン
グモータ13の各ステップ位置(シャッタの開口時点)
毎に設定されたモデル実効F値を予め記憶するように構
成されている。
【0057】この場合、各ステップ位置毎のモデル実効
F値は、シャッタ羽根1、2がステッピングモータ13
の各ステップ位置にホールドされたとき、このホールド
動作に起因して生じるダンピング運動を、予め数多くの
実験例により確認し、確認されたダンピング運動により
定まる各ステップ位置各開口時間(シャッタ秒時値)毎
の実効F値を用いて設定されることになる。
【0058】また、露出演算手段25cは、モード選択
設定手段23により通常モードが設定されたときには、
測光手段21からの被写体輝度情報に基づいて、そのと
きの適正露光値(EV値)を演算し、この適正露光値に
適合するF値とシャッタ秒時値との組合せを決定するよ
うに構成されている。
【0059】そしてさらに、シャッタ羽根1、2を、そ
のときに決定されたF値に対応する開口位置(ステッピ
ングモータ13のステップ位置)まで、例えば図3に示
す通常プログラム線図に則った三角波形で開かせるのに
必要なステッピングモータ13への正方向駆動パルス数
と、シャッタ羽根1、2が開口位置まで開いた時に殆ど
同時にステッピングモータ13を反転させるタイミング
と、シャッタ羽根1、2を開口位置から閉じさせるのに
必要なステッピングモータ13への逆方向駆動パルス数
とを決定するようにも構成されている。
【0060】一方、この露出演算手段としての露出演算
回路25cは、絞り優先モードが選択されたときには、
測光手段21からの被写体輝度情報に基づいてそのとき
の適正露光値(EV値)を演算し、そのときに設定され
た所望F値に対応するシャッタ秒時値を演算するように
構成されている。
【0061】そしてさらに、シャッタ羽根1、2を、所
望F値に対応する開口位置(ステップ位置)まで、例え
ば図4に示す絞り優先プログラム線図に則った台形波形
で開かせるのに必要なステッピングモータ13への正方
向駆動パルス数と、所望F値に対応するシャッタ秒時値
を得るために、所定の開口位置に開いたシャッタ羽根
1、2をそのまま開口位置に保持し続けるホールド秒時
値(例えば、図6に示す「Ht5.6 」〜「Ht11」)
と、このホールド秒時値Ht5.6 〜Ht11の経過後に、
シャッタ羽根1、2を閉成位置に向って閉じさせるのに
必要なステッピングモータ13への逆方向駆動パルス数
を決定するようにも構成されている。
【0062】なお、ステッピングモータ13への正逆方
向の駆動パルスは、いずれのモードの場合にも、例えば
図6に示すように、ステッピングモータ13のA相コイ
ルに供給するA相用パルスとB相コイルに供給するB相
用パルスとの組合せパルスとして形成されることにな
る。
【0063】また、F値差判定手段25dは、絞り優先
モードが選択されたときに、第1メモリー25bに記憶
されている各ステップ位置(各開口時間)毎のモデル実
効F値とユーザーの設定した所望F値とを比較して、両
者間のF値差が所定の基準値を超えるか否かの判定を瞬
時に行うように構成されている。
【0064】この場合、所定の基準値は、第1メモリー
25bに記憶された各ステップ位置毎のモデル実効F値
と、設計時の予定露光量で演算された所望F値F5.6 と
の間のF値差を、実用上差し支えのない範囲内に収め得
るような閾値として設定されることになる。
【0065】そして、両者間のF値差が基準値内にある
ときには、そのまま制御シーケンスを継続すべき旨の判
定結果をシーケンス制御手段25aに出力し、若し、両
者間のF値差が基準値を超えたときには、「ダンピング
運動の影響が大きくて不適正な露出になる」という判定
結果を、後述のモード自動切換手段25eまたは警告指
示手段25fに出力するように構成されている。
【0066】また、モード自動切換手段25eは、F値
差判定手段25dから、「所望F値に対応するシャッタ
秒時ではダンピング運動の影響が大きくて不適正な露出
になる」と云う判定結果が出力されたとき、並びに、後
述の二重露光現象判定手段25hから「二重露光現象が
発生する」と云う判定結果が出力されたときに、これら
の判定出力に基づいて、制御シーケンスを絞り優先モー
ドから通常モードに自動的に切換えるべき旨の情報をシ
ーケンス制御手段25aに出力するように構成されてい
る。
【0067】警告指示手段25fは、F値差判定手段2
5dから、「所望F値に対応するシャッタ秒時ではダン
ピング運動の影響が大きくて不適正な露出になる」と云
う判定結果が出力されたときには、この判定出力に基づ
いて、後述する警告手段27に対して、例えば「所望F
値を小絞りの方向に変更すべきである」との警告を発す
べき旨の指示情報を出力する。
【0068】また、後述の二重露光現象判定手段25h
から、「二重露光現象が発生する」と云う判定結果が出
力されたときには、この判定出力に基づいて、警告手段
27に対して、例えば「所望F値を大きな開口径の方向
に変更すべきである」との警告を発すべき旨の指示情報
を出力するように構成されている。
【0069】また、第2メモリー25gは、絞り兼用シ
ャッタ羽根1、2がステッピングモータ13の各ステッ
プ位置にホールドされたとき、このホールド動作により
生じるダンピング運動に起因して二重露光現象が生じる
ようなF値の限界値を二重露光限界F値として予め記憶
するように構成されている。
【0070】また、二重露光現象判定手段25hは、絞
り優先モードが選択されたときに、第2メモリー25g
に記憶された二重露光限界F値とユーザーの設定した所
望F値とを比較して、そのときの所望F値が二重露光限
界F値以内にあるか否かの判定を瞬時に行うように構成
されている。
【0071】そして、所望F値が二重露光限界F値以内
にあるときには、所望F値のまま制御シーケンスを継続
すべき旨の情報をシーケンス制御手段25aに出力し、
若し、所望F値が二重露光限界F値を超えたときには、
「二重露光現象が発生する」と云う判定結果を、モード
自動切換手段25eまたは警告指示手段25fに出力す
るように構成されている。
【0072】26はステッピングモータ13を正逆方向
に回転駆動させるためのモータドライバで、CPU25
からの指令に基づいて、その時々の制御シーケンスに従
った駆動パルスをステッピングモータ13に付与し得る
ように構成されている。なお、E2 は、このモータドラ
イバ26を作動させるための直流電源である。
【0073】27は適宜の表示または音声等を用いてユ
ーザーに警告を発し得るように構成された警告手段で、
警告指示手段25fから出力される指示情報に基づい
て、例えば「所望F値を小絞りの方向に変更すべきであ
る」、「所望F値を大きな開口径の方向に変更すべきで
ある」との警告を行うように構成されている。
【0074】次に、このように構成された第1実施例に
係る絞り優先制御可能なシャッタ装置の動作ないし作用
を、図5に示すフローチャートに従って説明する。
【0075】例えば電源スイッチをオンしてカメラを始
動させると、測光手段21が、被写体輝度を測光してそ
の情報をA/Dコンバータ22を介してデジタル化して
CPU25に出力する[ステップ:S1]。この状態に
おいて、ユーザーがモード選択設定手段23を用いて絞
り優先モードか或いは通常モードかを選択する[ステッ
プ:S2]。
【0076】『通常モード』そして、通常モードが選択
されると、CPU25は、シャッタ装置の制御シーケン
スを、シャッタ羽根1、2が図3に示す通常プログラム
線図に則って開閉するような制御モードに設定する。
【0077】従って、この状態においてシャッタレリー
ズ操作を行うと、CPU25の露出演算手段25cが、
測光手段21に測光を指示し、測光手段21からは、被
写体輝度情報を得る[ステップ:S1]。
【0078】この測光手段21から出力されたそのとき
の被写体輝度情報に基づいて、このときの適正露光値
(EV値)に適合するF値とシャッタ秒時値との組合せ
を図3の通常プログラム線図に則って演算する[ステッ
プ:S3]。
【0079】そしてさらに、シャッタ羽根1、2をこの
ときに演算されたF値に対応する開口位置(ステップ位
置)まで開かせるのに必要なステッピングモータ13の
正方向の駆動パルス数(逆方向の駆動パルス数でもあ
る)を演算し、同時に、シャッタ羽根1、2が開口位置
まで開いた直後の時点で、ステッピングモータ13を反
転させるというタイミングをも決定する。
【0080】従って、シーケンス制御手段25aは、こ
の決定を受けて演算された正方向の駆動パルスをモータ
ドライバ26に出力して、ステッピングモータ13を初
期位相から駆動パルス数だけ正方向に回転させるように
制御する。
【0081】そのため、ステッピングモータ13は、付
与された駆動パルス数だけ初期位相から正方向に回転し
て、その回転力をピニオンギア14を介して右側羽根支
持レバー3のギア部3aに伝達し、同時にこのギア部3
aを介して左側羽根支持レバー5のギア部5aに伝達す
る。
【0082】従って、右側羽根支持レバー3は、右側枢
軸4を中心として時計方向に、また、左側羽根支持レバ
ー5は左側枢軸6を中心として反時計方向にそれぞれ回
転し、各々のシャッタ羽根1、2を互いに離れる方向に
回動してそのときに決定されたF値に対応する開口位置
まで開かせる。
【0083】さて、シャッタ羽根1、2が目的の開口位
置まで開くと、シーケンス制御手段25aは、直ちにモ
ータドライバ26に対して逆方向の駆動パルスを出力す
るように制御するから、ステッピングモータ13は、シ
ャッタ羽根1、2が目的の開口位置に開くと殆ど同時に
付与された駆動パルス数だけ逆方向に回転して初期位相
に復帰する。
【0084】従って、両方の羽根支持レバー3、5は、
ステッピングモータ13が初期位相に復帰する過程で互
いに閉じ方向に回転して、シャッタ羽根1、2をそれぞ
れの閉成位置に向って閉じさせる。
【0085】この場合、シャッタ羽根1、2の開き動作
の完了と殆ど同時にステッピングモータ13が反転して
その逆方向回転力をシャッタ羽根1、2に伝達するか
ら、シャッタ羽根1、2のダンピング現象はこの逆方向
回転力により抑止されて、シャッタ羽根1、2の開口波
形が三角波形となる。
【0086】このようなシャッタ羽根1、2の開閉動作
は、全ての「F値とシャッタ秒時値との組合せ」の場合
に対して同様に行われるから、通常モードの場合には、
シャッタ羽根1、2の開口波形が常に三角波形となり、
この状態で図3に示す通常プログラム線図に則ったその
ときのシャッタ秒時値を実現することになる[ステッ
プ:S4]。
【0087】『絞り優先モード』一方、絞り優先モード
が選択されると、CPU25は、「絞り優先モード?」
のステップをYESに分岐し、シャッタ装置の制御シー
ケンスを、シャッタ羽根1、2が図4に示す絞り優先プ
ログラム線図に則って開閉するような制御モードに設定
する。
【0088】従って、この状態においてユーザーが所望
F値(例えば、F5.6 )を設定すると、先ず、CPU2
5の露出演算手段25cが、測光手段21がそのときの
被写体輝度を測光してその情報をCPU25に出力する
から、露出演算手段25cは、この被写体輝度情報に基
づいてこのときの適正露光値(EV値)を演算し、その
ときに設定された所望F値F5.6 に対応するシャッタ秒
時値を図4の絞り優先プログラム線図に則って演算す
る。
【0089】そしてさらに、図6に示すように、シャッ
タ羽根1、2を、所望F値F5.6 に対応する開口位置ま
たは開口時間(ステップ位置)まで開かせるのに必要な
正方向の駆動パルス数(7個)と、シャッタ羽根1、2
を開口位置に保持するためのホールド秒時値Ht5.6
と、ホールド秒時値Ht5.6 の経過後に、シャッタ羽根
1、2を閉成位置に向って閉じさせるのに必要な逆方向
の駆動パルス数(7個)をも決定する[ステップ:S
5]。
【0090】そして、シーケンス制御手段25aは、シ
ャッタレリーズ操作が行われる前後の段階でF値差判定
手段25dを作動させるように制御する。そのため、F
値差判定手段25dは、第1メモリー25bに記憶され
ている各ステップ位置毎(開口時間)のモデル実効F値
と、ユーザーの設定した所望F値F5.6 とを比較して、
両者間のF値差が所定の基準値を超えるか否かの判定を
瞬時に行う。
【0091】このとき、両者間のF値差が基準値内にあ
れば、ステップ6をYESに分岐し、制御シーケンスを
そのまま継続すべき旨の判定結果をシーケンス制御手段
25aに出力する[ステップ:S6]。その後、シーケ
ンス制御手段25aは、二重露光現象判定手段25hを
作動させるように制御する。
【0092】そのため、二重露光現象判定手段25h
は、第2メモリー25gに記憶されている二重露光限界
F値とこのとき設定された所望F値F5.6 とを比較し
て、所望F値F5.6 が二重露光限界F値以内にあるか否
かの判定を瞬時に行う。このとき、所望F値F5.6 が二
重露光限界F値以内にあれば、ステップ7をYESに分
岐し、この所望F値F5.6 を用いて制御シーケンスをそ
のまま継続すべき旨の情報をシーケンス制御手段25a
に出力する。
【0093】そして、F値差判定手段25dと二重露光
現象判定手段25hから制御シーケンスをそのまま継続
すべき旨の情報が出力されると、シーケンス制御手段2
5aは、正方向の駆動パルス数(各7個)をモータドラ
イバ26を介してステッピングモータ13に付与して、
ステッピングモータ13を駆動パルス数だけ正方向に回
転させるように制御する。
【0094】従って、ステッピングモータ13は、7パ
ルスだけ初期位相から正方向に回転し、通常モードの場
合と同様の動作を経て、シャッタ羽根1、2を所望F値
F5.6 に対応する開口位置まで開かせ、シャッタ羽根
1、2が所望F値F5.6 の開口位置まで開くとその時点
で急速に停止する。
【0095】このとき、シャッタ羽根1、2は、シャッ
タ羽根機構の羽根開き運動慣性のために、図7に示すよ
うなダンピング運動を行いながら所望F値F5.6 の開口
位置で停止することになるが、既に、F値差判定手段2
5dによりこのときのダンピング運動では適正露光値に
影響が出ないことが確認され、さらに、二重露光現象判
定手段25hによりこのときの所望F値F5.6 では二重
露光現象が発生しないことが確認されているので、シー
ケンス制御手段25aは、そのまま制御を継続する。
【0096】さて、シャッタ羽根1、2が所望F値F5.
6 の開口位置にまで達すると、シーケンス制御手段25
aは、その時点からホールド秒時値Ht5.6 のカウント
を開始すると共にこのホールド秒時値Ht5.6 が経過す
ると、モータドライバ26を介して、ステッピングモー
タ13に逆方向の駆動パルスを7パルス付与するように
制御する。
【0097】従って、ステッピングモータ13は、付与
されたパルス数だけ逆方向に回転して初期位相に復帰
し、この復帰過程において通常モードの場合と同様の動
作を行って、シャッタ羽根1、2を所望F値F5.6 の開
口位置から閉じさせる。
【0098】この結果、シャッタ羽根1、2は、所望F
値F5.6 に対応するシャッタ秒時値を実現することにな
る。この場合、シャッタ羽根1、2の開口波形は、ホー
ルド秒時値Ht5.6 の秒時長さを上底とした台形波形と
なる。
【0099】そして、このようなシャッタ羽根1、2の
開閉動作は、いずれの所望F値を設定したときにも同様
に行われるから、絞り優先モードの場合には、シャッタ
羽根1、2の開口波形は、全てのステップ位置において
台形波形となり、この状態で図4の絞り優先プログラム
線図に則ったそのときのシャッタ秒時値を実現すること
になる[ステップ:S8]。
【0100】ところで、F値差判定手段25dおよび二
重露光現象判定手段25hからモード自動切換手段25
eに対して、それぞれ「このシャッタ秒時ではダンピン
グ運動の影響が大きくて不適正な露出になる」および
「二重露光現象が発生する」との判定結果が出力された
場合、モード自動切換手段25eを具えているシャッタ
装置では、モード自動切換手段25eおよび二重露光現
象判定手段25hが、それぞれシーケンス制御手段25
aに対して制御シーケンスを絞り優先モードから通常モ
ードに自動的に切換えるべき旨の情報を出力する。
【0101】従って、このときには、シーケンス制御手
段25aは、シャッタ装置の制御モードを絞り優先モー
ドから通常モードに自動的に切換えて、シャッタ羽根
1、2を図3の通常プログラム線図に則って開閉制御す
る[ステップ:S3に戻る]。
【0102】一方、F値差判定手段25dおよび二重露
光現象判定手段25hから警告指示手段25fに対し
て、それぞれ「このシャッタ秒時ではダンピング運動の
影響が大きくて不適正な露出になる」および「二重露光
現象が発生する」との判定結果が出力された場合、警告
手段27を具えているシャッタ装置では、警告指示手段
25fが、警告手段27に対してこれらの判定結果に対
応した警告を行う旨の指示情報を出力する。
【0103】そのため、警告手段27は、F値差判定手
段25dからの判定結果に対しては、「所望F値を小絞
りの方向に変更すべきである」との警告を表示または音
声の形で行うことになり、また、二重露光現象判定手段
25hからの判定結果に対しては、「所望F値を大きな
開口径の方向に変更すべきである」との警告を表示また
は音声の形で行うことになる。
【0104】従って、「所望F値を小絞りの方向に変更
すべきである」との警告に接したユーザーは、既に設定
してある所望F値F5.6 を1段絞り込んでF8 に変更
し、また、「所望F値を大きな開口径の方向に変更すべ
きである」との警告に接したユーザーは、例えばそのと
きに設定されていた所望F値が例えばF11であれば、そ
れを1段開いてF8 に変更する[ステップ:S9]、
[ステップ:S10]。
【0105】このように制御するのは、このときF値差
判定手段25dから出力された判定結果が、所望F値F
5.6 に対応するシャッタ秒時値がシャッタ羽根1、2の
ダンピング現象に影響されるほど短い秒時値であること
を意味し、また、このとき二重露光現象判定手段25h
から出力された判定結果が、例えば所望F値F11の開口
径が二重露光現象が発生するほどピンホールに近い領域
にあることを意味するからである。
【0106】ところで、図10に示すのは本発明の第2
実施例である。この図10において使用する符号のうち
図1の符号と同じ符号を使用する部材は、図1に示す部
材と同じ機能ないし作用を有する部材であるから、説明
上の煩雑さを避ける意味でその詳細な説明を省略する。
【0107】図10においては、右側シャッタ羽根1お
よび左側シャッタ羽根2は、シャッタ地板16上に植設
された右側枢軸4および左側枢軸6により回転可能に軸
支され、さらに、それぞれの軸支点の近傍領域に、互い
の一部が重なり合うような状態で開閉カム溝1a、2a
が形成されるように構成されている。
【0108】17は適宜の枢軸18により回転可能に軸
支されたセクターレバーで、適宜の付勢ばね19により
常に時計方向に回転し得るように構成されている。この
セクターレバー17の一方の腕部17aは、後述する制
御ピン34と係接し得る長さに形成され、また、他方の
腕部17bには、2つのシャッタ羽根1、2の開閉カム
溝1a、2a内に同時に嵌入する羽根開閉ピン31が植
設されている。
【0109】この羽根開閉ピン31は、セクターレバー
17が枢軸18の周りに揺動したときに、2つの開閉カ
ム溝1a、2a内を変位してシャッタ羽根1、2を開閉
するように構成されている。
【0110】32はステッピングモータ13のピニオン
ギア14と噛合する最終段ギアで、適宜の枢軸33によ
り回転可能に軸支され、しかも、その上面に制御ピン3
4を有するように構成されている。
【0111】なお、この第2実施例の機械的構成部分を
駆動制御する電気的システムは、第1実施例の場合と同
様な電気的システムとして構成されている。さて、この
第2実施例においてステッピングモータ13が初期位相
から正方向に所定量だけ回転すると、その回転力がピニ
オンギア14を介して最終段ギア32に伝達されて、最
終段ギア32を枢軸33の周りに時計方向に回転させ
る。
【0112】そのため、最終段ギア32上の制御ピン3
4が、セクターレバー17の一方の腕部17aと係接し
てセクターレバー17を枢軸18の周りを時計方向に回
転させる。
【0113】その結果、セクターレバー17の他方の腕
部17b上の羽根開閉ピン31が2つの開閉カム溝1
a、2a内を変位して、シャッタ羽根1、2を、それぞ
れの枢軸4、枢軸6の周りに互いに離れる方向にセクタ
ーレバー17のこのときの回転量だけ回転し、シャッタ
羽根1、2をそのときの適正露光値に対応した開口位置
まで開かせることになる。
【0114】この場合、モード選択設定手段23により
通常モードが選択されているときには、ステッピングモ
ータ13が、シャッタ羽根1、2が所定の開口位置まで
開いた時点で逆方向に反転するから、セクターレバー1
7は、付勢ばね19の付勢力により初期位置に向って復
帰することになる。従って、シャッタ羽根1、2は、こ
のセクターレバー17の復帰過程において互いに接近す
る方向に回転して閉成位置に復帰することになる。
【0115】なお、このときには、付勢ばね19の付勢
力がシャッタ羽根1、2のダンピング運動を抑止するか
ら、シャッタ羽根1、2の開口波形は三角波形となり、
この状態で図3に示す通常プログラム線図に則ったシャ
ッタ秒時値を実現することになる。
【0116】一方、モード選択設定手段23により絞り
優先モードが選択されているときには、シャッタ羽根
1、2が所定の開口位置まで開いた時点で、シーケンス
制御手段25aが、モータドライバ26を介してステッ
ピングモータ13に所定のホールド秒時値Ht5.6 〜H
t11を付与するから、ステッピングモータ13は、この
ホールド秒時値Ht5.6 〜Ht11の経過後に逆方向に反
転して初期位相に復帰することになる。
【0117】従って、シャッタ羽根1、2は、通常モー
ドの場合と同様な動作を経て閉成位置に復帰する。この
結果、シャッタ羽根1、2の開口波形は、ホールド秒時
値Ht5.6 〜Ht11の秒時長さを上辺とする台形波形に
なり、この状態で図4の絞り優先プログラム線図に則っ
たシャッタ秒時値を実現することになる。なお、絞り優
先モードの場合にも、付勢ばね19の付勢力がシャッタ
羽根1、2のダンピング運動を抑止する効果を発揮する
ことになる。
【0118】以上、図示実施例について説明したが、本
発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸
脱しない範囲内で種々に変形実施することが可能であ
る。例えば、図示実施例では、[ステップ:S6]と
[ステップ:S7]と[ステップ:S9]と[ステッ
プ:S10]とをそれぞれ番号通りの順序に配列してい
るが、これら2組のステップ群は、それぞれの前後関係
を逆配列にしてもよい。
【0119】
【発明の効果】以上述べたように、本発明を用いるとき
は、第1に、少なくとも2枚のシャッタ羽根とステッピ
ングモータを用いた構成の比較的簡単な絞り優先制御可
能なシャッタ装置を用いながら、従来技術のように、極
めて煩雑な調整を必要とするダンピング抑止手段を用い
て、ステッピングモータの各ステップ位置毎にブレーキ
パルスを与えてシャッタ羽根のダンピング運動を抑止す
るということなしに、絞り優先モード時におけるシャッ
タ羽根のダンピング運動に起因する露出精度の劣化を防
止することができるという優れた効果を奏する。
【0120】第2に、少なくとも2枚のシャッタ羽根と
ステッピングモータを用いた構成の比較的簡単な絞り優
先制御可能なシャッタ装置を用いながら、絞り優先モー
ド時におけるピンホール近傍の二重露光現象に起因する
露出精度の劣化による撮影の失敗を未然に防止すること
ができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の絞り優先制御可能なシャッタ装置に係
る第1実施例の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す絞り優先制御可能なシャッタ装置の
機械的構成部分を駆動制御するための回路ブロック図で
ある。
【図3】通常モードにおけるF値とシャッタ秒時値との
組合せを示す通常プログラム線図である。
【図4】絞り優先モードにおけるF値とシャッタ秒時値
との組合せを示す絞り優先プログラム線図である。
【図5】図1に示す絞り優先制御可能なシャッタ装置の
動作ないし作用を示すフローチャート図である。
【図6】絞り優先モードにおいてステッピングモータに
付与される正・逆方向の駆動パルスと設定されたF値で
のホールド秒時値を示すタイムチャート図である。
【図7】絞り優先モードにおけるシャッタ羽根の開口波
形を示す開口波形図である。
【図8】従来技術における絞り優先モードにおけるシャ
ッタ羽根のダンピング現象を説明するための説明図であ
る。
【図9】絞り優先モードにおけるピンホール近傍の二重
露光現象を説明するための説明図である。
【図10】本発明の絞り優先制御可能なシャッタ装置に
係る第2実施例の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 右側シャッタ羽根 2 左側シャッタ羽根 1a、2a 開閉カム溝 3 右側羽根支持レバー 3a ギア部 4 右側枢軸 5 左側羽根支持レバー 5a ギア部 6 左側枢軸 7 滑りシート 8 羽根抑え板 8a、8b 取付け穴 8c 逃げ穴 9 スペーサ 10 取付け小ねじ 11、12 右側、左側の軸受け部材 13 ステッピングモータ 14 ピニオンギア 15 給電ライン 16 シャッタ地板 17 セクターレバー 18 枢軸 19 付勢ばね 21 測光手段 22 A/Dコンバータ 23 モード選択設定手段 24 所望F値設定手段 25 CPU 25a シーケンス制御手段 25b 第1メモリー 25c 露出演算手段 25d F値差判定手段 25e モード自動切換手段 25f 警告指示手段 25g 第2メモリー 25h 二重露光現象判定手段 26 モータドライバ 27 警告手段 31 羽根開閉ピン 32 最終段ギア 33 枢軸 34 制御ピン E1 、E2 直流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 9/24 G03B 9/62

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影光路を開閉する少なくとも2枚の絞
    り兼用シャッタ羽根と、複数のステップ位置によりこの
    絞り兼用シャッタ羽根の最大開口値に至るまでの各開口
    値を設定するステッピングモータと、被写体輝度を測光
    する測光回路手段とを具えた絞り優先制御可能なシャッ
    タ装置において、 所定の絞り優先プログラム線図に則った制御モードに基
    づいて所望F値を設定し得る所望F値設定手段と、 前記測光手段からの被写体輝度情報に基づいて、前記所
    望F値設定手段で設定された所望F値に対応する適正露
    光時のシャッタ秒時値を演算する露出演算手段と、 前記絞り優先プログラム線図に則って、先ず前記絞り兼
    用シャッタ羽根を前記ステッピングモータの各ステップ
    位置まで開き、前記絞り兼用シャッタ羽根が前記各ステ
    ップ位置まで開いたときには、前記絞り兼用シャッタ羽
    根を前記各ステップ位置にホールドし、前記露出演算手
    段で演算されたシャッタ秒時値に応じたホールド秒時値
    の経過後に、前記絞り兼用シャッタ羽根を閉成位置に閉
    じさせるように前記ステッピングモータを駆動制御する
    シーケンス制御手段と、 前記絞り兼用シャッタ羽根が前記ステッピングモータの
    各ステップ位置にホールドされたとき、このホールド動
    作に起因して生じるダンピング運動の開口波形とシャッ
    タ開口時間との関係で定まる実効F値を、予め前記各ス
    テップ位置毎のモデル実効F値として求めてこれを記憶
    する第1メモリーと、 この第1メモリーに記憶された各ステップ位置毎のモデ
    ル実効F値と前記所望F値との間のF値差が所定基準値
    内にあるか否かを判定するF値差判定手段とを設け、 前記モデル実効F値と前記所望F値との間のF値差が前
    記所定基準値内にあるときに、前記所望F値に対応する
    シャッタ秒時値を用いて前記絞り兼用シャッタ羽根を開
    閉させるように構成したことを特徴とする絞り優先制御
    可能なシャッタ装置。
  2. 【請求項2】 撮影光路を開閉する少なくとも2枚の絞
    り兼用シャッタ羽根と、複数のステップ位置によりこの
    絞り兼用シャッタ羽根の最大開口値に至るまでの各開口
    値を設定するステッピングモータと、被写体輝度を測光
    する測光回路手段とを具えた絞り優先制御可能なシャッ
    タ装置において、 所定の通常プログラム線図に則った制御モードと所定の
    絞り優先プログラム線図に則った制御モードとを選択的
    に設定し得るモード選択設定手段と、 前記絞り優先プログラム線図に則った制御モードに基づ
    いて所望F値を設定し得る所望F値設定手段と、 前記通常プログラム線図に則った制御モードが選択され
    たときには、前記測光手段からの被写体輝度情報に基づ
    いて、前記通常プログラム線図に則った適正露光時のF
    値とシャッタ秒時値との組合せを演算的に決定し、一
    方、前記絞り優先プログラム線図に則った制御モードが
    選択されたときには、前記測光手段からの被写体輝度情
    報に基づいて、前記所望F値に対応する適正露光時のシ
    ャッタ秒時値を演算する露出演算手段と、 前記通常プログラム線図に則った制御モードと前記絞り
    優先プログラム線図に則った制御モードとを選択的に実
    行することができ、前記通常プログラム線図に則った制
    御モードのときには、このときのプログラム線図に則っ
    て、先ず前記絞り兼用シャッタ羽根を前記ステッピング
    モータの各ステップ位置まで開き、前記絞り兼用シャッ
    タ羽根が前記各ステップ位置まで開いたときには、直ち
    に前記絞り兼用シャッタ羽根を閉成位置に閉じさせるよ
    うに前記ステッピングモータを駆動制御し、一方、前記
    絞り優先プログラム線図に則った制御モードが選択され
    たときには、このときのプログラム線図に則って、先ず
    前記絞り兼用シャッタ羽根を前記ステッピングモータの
    各ステップ位置まで開き、前記絞り兼用シャッタ羽根が
    前記各ステップ位置まで開いたときには、前記絞り兼用
    シャッタ羽根を前記各ステップ位置にホールドし、前記
    露出演算手段で演算されたシャッタ秒時値に応じたホー
    ルド秒時値の経過後に、前記絞り兼用シャッタ羽根を閉
    成位置に閉じさせるように前記ステッピングモータを駆
    動制御するシーケンス制御手段と、 前記絞り兼用シャッタ羽根が前記絞り優先プログラム線
    図に則って前記ステッピングモータの各ステップ位置に
    ホールドされたとき、このホールド動作に起因して生じ
    るダンピング運動の開口波形とシャッタ開口時間との関
    係で定まる実効F値を、予め前記各ステップ位置毎のモ
    デル実効F値として求めてこれを記憶する第1メモリー
    と、 この第1メモリーに記憶された各ステップ位置毎のモデ
    ル実効F値と前記所望F値との間のF値差が、所定基準
    値内にあるか否かを判定するF値差判定手段と、 前記F値差が前記所定基準値を超えたときに、前記絞り
    優先プログラム線図に則った制御モードを前記通常プロ
    グラム線図に則った制御モードに自動的に切換え得るモ
    ード自動切換手段とを設け、 前記絞り優先プログラム線図に則った制御モードの場合
    において前記F値差が前記所定基準値内にあるときに
    は、前記所望F値に対応するシャッタ秒時値を用いて前
    記絞り兼用シャッタ羽根を開閉させ、また、前記F値差
    が前記所定基準値を超えたときには、前記モード自動切
    換手段により、前記絞り優先プログラム線図に則った制
    御モードから前記通常プログラム線図に則った制御モー
    ドに自動的に切換えるように構成したことを特徴とする
    絞り優先制御可能なシャッタ装置。
  3. 【請求項3】 撮影光路を開閉する少なくとも2枚の絞
    り兼用シャッタ羽根と、複数のステップ位置によりこの
    絞り兼用シャッタ羽根の最大開口値に至るまでの各開口
    値を設定するステッピングモータと、被写体輝度を測光
    する測光回路手段とを具えた絞り優先制御可能なシャッ
    タ装置において、 所定の絞り優先プログラム線図に則った制御モードに基
    づいて所望F値を設定し得る所望F値設定手段と、 前記測光手段からの被写体輝度情報に基づいて、前記所
    望F値設定手段で設定された所望F値に対応する適正露
    光時のシャッタ秒時値を演算する露出演算手段と、 前記絞り優先プログラム線図に則って、先ず前記絞り兼
    用シャッタ羽根を前記ステッピングモータの各ステップ
    位置まで開き、前記絞り兼用シャッタ羽根が前記各ステ
    ップ位置まで開いたときには、前記絞り兼用シャッタ羽
    根を前記各ステップ位置にホールドし、前記露出演算手
    段で演算されたシャッタ秒時値に応じたホールド秒時値
    の経過後に、前記絞り兼用シャッタ羽根を閉成位置に閉
    じさせるように前記ステッピングモータを駆動制御する
    シーケンス制御手段と、 前記絞り兼用シャッタ羽根が前記ステッピングモータの
    各ステップ位置にホールドされたとき、このホールド動
    作により生じるダンピング運動に起因して二重露光現象
    が生じるようなF値の限界値を、予め二重露光限界F値
    として求めてこれを記憶する第2メモリーと、 この第2メモリーに記憶された二重露光限界F値と前記
    所望F値とを比較して、そのときの所望F値が前記二重
    露光限界F値以内にあるか否かを判定する二重露光現象
    判定手段とを設け、 前記所望F値が前記二重露光限界F値以内にあるとき
    に、前記所望F値を用いて前記絞り兼用シャッタ羽根を
    開閉させるように構成したことを特徴とする絞り優先制
    御可能なシャッタ装置。
  4. 【請求項4】 撮影光路を開閉する少なくとも2枚の絞
    り兼用シャッタ羽根と、複数のステップ位置によりこの
    絞り兼用シャッタ羽根の最大開口値に至るまでの各開口
    値を設定するステッピングモータと、被写体輝度を測光
    する測光回路手段とを具えた絞り優先制御可能なシャッ
    タ装置において、 所定の通常プログラム線図に則った制御モードと所定の
    絞り優先プログラム線図に則った制御モードとを選択的
    に設定し得るモード選択設定手段と、 前記絞り優先プログラム線図に則った制御モードに基づ
    いて所望F値を設定し得る所望F値設定手段と、 前記通常プログラム線図に則った制御モードが選択され
    たときには、前記測光手段からの被写体輝度情報に基づ
    いて、前記通常プログラム線図に則った適正露光時のF
    値とシャッタ秒時値との組合せを演算的に決定し、一
    方、前記絞り優先プログラム線図に則った制御モードが
    選択されたときには、前記測光手段からの被写体輝度情
    報に基づいて、前記所望F値に対応する適正露光時のシ
    ャッタ秒時値を演算する露出演算手段と、 前記通常プログラム線図に則った制御モードと前記絞り
    優先プログラム線図に則った制御モードとを選択的に実
    行することができ、前記通常プログラム線図に則った制
    御モードのときには、このときのプログラム線図に則っ
    て、先ず前記絞り兼用シャッタ羽根を前記ステッピング
    モータの各ステップ位置まで開き、前記絞り兼用シャッ
    タ羽根が前記各ステップ位置まで開いたときには、直ち
    に前記絞り兼用シャッタ羽根を閉成位置に閉じさせるよ
    うに前記ステッピングモータを駆動制御し、また、前記
    絞り優先プログラム線図に則った制御モードが選択され
    たときには、このときのプログラム線図に則って、先ず
    前記絞り兼用シャッタ羽根を前記ステッピングモータの
    各ステップ位置まで開き、前記絞り兼用シャッタ羽根が
    前記各ステップ位置まで開いたときには、前記絞り兼用
    シャッタ羽根を前記各ステップ位置にホールドし、前記
    露出演算手段で演算されたシャッタ秒時値に応じたホー
    ルド秒時値の経過後に、前記絞り兼用シャッタ羽根を閉
    成位置に閉じさせるように前記ステッピングモータを駆
    動制御するシーケンス制御手段と、 前記絞り兼用シャッタ羽根が前記ステッピングモータの
    各ステップ位置にホールドされたとき、このホールド動
    作により生じるダンピング運動に起因して二重露光現象
    が生じるようなF値の限界値を、予め二重露光限界F値
    として求めてこれを記憶する第2メモリーと、 この第2メモリーに記憶された二重露光限界F値と前記
    所望F値とを比較して、そのときの所望F値が前記二重
    露光限界F値以内にあるか否かを判定する二重露光現象
    判定手段と、 前記二重露光現象判定手段の判定結果が前記二重露光限
    界F値を超えたときに、前記絞り優先プログラム線図に
    則った制御モードを前記通常プログラム線図に則った制
    御モードに自動的に切換え得るモード自動切換手段とを
    設け、 前記絞り優先プログラム線図に則った制御モードの場合
    において、前記二重露光現象判定手段の判定結果が前記
    二重露光限界F値内にあるときには、前記所望F値を用
    いて前記絞り兼用シャッタ羽根を開閉させ、また、前記
    二重露光現象判定手段の判定結果が前記二重露光限界F
    値を超えたときには、前記モード自動切換手段により、
    前記絞り優先プログラム線図に則った制御モードから前
    記通常プログラム線図に則った制御モードに自動的に切
    換え得るように構成したことを特徴とする絞り優先制御
    可能なシャッタ装置。
  5. 【請求項5】 互いの一部分が重なり合う状態に構成さ
    れた一対の開閉カム溝をそれぞれに具えた前記2枚の絞
    り兼用シャッタ羽根と、 枢軸により往復回転可能に軸支され且つ前記2枚の絞り
    兼用シャッタ羽根の各々の開閉カム溝に同時に嵌入する
    羽根開閉ピンを具えた第1回転部材と、 この第1回転部材を前記2枚の絞り兼用シャッタ羽根の
    閉じ方向に付勢する付勢部材と、 前記ステッピングモータにより往復方向に回転されるよ
    うに設けられ、前記2枚の絞り兼用シャッタ羽根を開く
    ときに、前記付勢部材の付勢力に抗して、第1回転部材
    を前記2枚の絞り兼用シャッタ羽根の開き方向に回転さ
    せ得る第2回転部材とを有するように構成したことを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載された絞り
    優先制御可能なシャッタ装置。
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