JP3220474B2 - ガルバノミラー装置 - Google Patents

ガルバノミラー装置

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JP3220474B2 JP13530091A JP13530091A JP3220474B2 JP 3220474 B2 JP3220474 B2 JP 3220474B2 JP 13530091 A JP13530091 A JP 13530091A JP 13530091 A JP13530091 A JP 13530091A JP 3220474 B2 JP3220474 B2 JP 3220474B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガルバノミラー装置に
関するものであり、特に2以上の方向に回動可能に構成
されたガルバノミラー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンパクトディスクや追記型光デ
ィスク、あるいは、書換の可能な光磁気ディスク等の光
学的記録媒体、およびこれらの媒体に対して情報の記録
/再生を行う光学的情報記録再生装置の研究、開発が盛
んである。このような光学的記録媒体は、その記録容量
を増すために、トラックの間隔がミクロンオーダーまで
近接しており、情報を正確に記録再生するために、一般
に光学ヘッドをディスクの半径方向に広範囲に駆動する
粗アクチュエータと精密なトラッキング動作を行うため
の精アクチュエータとを使用する。このような精アクチ
ュエータの一つとしてガルバノミラー装置がある。
【0003】一般にはガルバノミラーはトラッキング動
作のみに使用するため、一つの軸回りに回動するように
構成されており、光ビームを一軸方向に走査する。しか
し、例えばビデオディスク等では時間軸方向の制御を行
う必要があるために、2軸方向に回動可能なガルバノミ
ラー装置が提案されている。
【0004】このようなガルバノミラー装置の一例とし
て、特開昭57−40762号公報に開示されたものを
図11に示す。この例では角柱形の弾性回動部材40,
41を互いに直角方向に2段に配置してL字形のミラー
42を支持し、これらの回動部材40,41を支持する
ブロック43,44の各端部にコイル43a,43a,
44a,44aをとりつけて、このコイルに流れる電流
を制御してミラー42を2軸方向に回動させるものであ
る。
【0005】2軸方向に回動可能なガルバノミラー装置
の他の例として、特開昭53−108403号公報に示
されたものを図12(a),(b)に示す。この例では
ピボット支持されたミラー50の裏面にリング状のマグ
ネット51が固定されており、固定部52に設けた2対
の駆動コイル53,54,55,56に流れる電流を制
御することよってミラー50を2軸方向に回動させるも
のである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来例のう
ち、特開昭57−40762号公報に示された装置は、
回動部材40,41を2段にしているため、小型化しに
くく、また、回動方向によって回動軸の位置が違うた
め、ビームがシフトするという問題がある。一方特開昭
53−108403号公報に示された装置は、可動部に
マグネット51を配置しているため、軽量化しにくく、
感度や駆動周波数の帯域等の点で不利であるという問題
がある。
【0007】本発明は、構造が簡単で、小型かつ制御性
のよい2以上の方向に回動可能に構成されたガルバノミ
ラー装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決する手段および作用】上記目的を達成する
請求項1に係るガルバノミラー装置は、反射ミラーと、
該反射ミラーを支持する支持部と、該支持部に形成した
ヒンジ部と、該ヒンジ部を通り前記反射ミラーの反射面
に平行な仮想平面からほぼ同一の距離に配置され、前記
反射ミラー側面を通るように該反射ミラーに結合された
少なくとも2個のコイルと、これらの各コイルのミラー
側面に位置する部分に対向するように配置した永久磁石
とを具え、前記各コイルは前記反射面に向かう方向から
見て前記支持部を取り囲むようにほぼ矩形状に形成さ
れ、前記反射ミラーを前記ヒンジ部を通る少なくとも2
つの直線を軸として回動可能に構成したことを特徴とす
るものである。
【0009】請求項1の発明によると、反射ミラーはヒ
ンジ部を有する支持部に支持され、少なくとも2個のコ
イルはヒンジ部を通り反射ミラーの反射面に平行な仮想
平面からほぼ同一の距離に、反射ミラー側面を通るよう
に反射面に向かう方向から見て支持部を取り囲むように
ほぼ矩形状に反射ミラーに固定され、これらコイルのミ
ラー側面に位置する部分に磁束を作用させるように固定
部に永久磁石が配置されるので、構造の簡略化、小型
化、可動部の軽量化が可能となり、制御性の高いミラー
駆動が可能になると共に、コイルの巻装が容易にでき、
組み立て作業を簡単にできる。
【0010】
【実施例】以下、図面にしたがって、本発明の実施例を
詳細に説明する。
【0011】図1〜図5は、本発明のガルバノミラー装
置の一実施例の構成を示したものである。図1は本発明
のガルバノミラー装置を使用した光学的記録再生装置の
光学ヘッドの動きを示す概念図である。光学ヘッド1は
半導体レーザ、信号検出部等を含む一体型ヘッドであ
り、2本のガイドレール2によって支持されている。デ
ィスク4の回転中心部にはスピンドルモータ3があり、
ディスクを回転させている。ガイドレール2は、ディス
ク4の半径方向に対して最外周位置での角度θの方向に
取り付けられており、スピンドルモータ3と干渉しない
ように配置されている。図1中の矢印A及びBは、その
位置におけるトラッキング方向を示す。
【0012】図2は光学ヘッド1の詳細を示す図であ
る。光学ヘッド1は、半導体レーザ5、コリメータレン
ズ10、ビームスプリッタ6、信号検出用光電変換素子
7、ガルバノミラー8、対物レンズ9によって構成され
ている。本光学ヘッド1においては、フォーカシングは
図示しないアクチュエータで対物レンズ9をディスク面
に垂直な方向に駆動することにより行い、トラッキング
は半導体レーザ5から発せされるレーザビームをガルバ
ノミラー8により走査することにより行う。
【0013】図3はガルバノミラー装置の詳細を示す図
である。本ガルバノミラー装置は、円形のガルバノミラ
ー8の反射面の裏面にほぼ矩形状(ロの字状)に巻回し
た複数のコイル11を図3に示すように、それぞれミラ
ー支持部12を取り囲むようにガルバノミラー8の中心
に対して対称に配置し、各コイル11の両側を曲げてこ
の曲げ部を、ミラー8の側面に沿わせて固定する。ミラ
ー支持部12は、例えば熱可塑性ポリエステルエラスト
マ(常温ではゴム弾性を示し、高温では可塑化されて溶
融成形可能となる材料)を材料として、モールド成形さ
れたヒンジ部13を介してベース14に一体的に支持さ
れており、ミラー8はほぼ任意の方向に回動することが
可能である。ベース14はさらに筒状のハウジング15
に固定されている。リング状のバックヨーク18の内側
に多極着磁マグネット16を接着して磁気回路を形成す
る。
【0014】図5は、本実施例のガルバノミラー装置を
組立てた状態を示す断面図である。ミラー8をミラー支
持部12に固定して、バックヨーク18と多極着磁マグ
ネット16とを、マグネット16がミラー8の側面に固
定されたコイル11に対向するような形でハウジング1
5に固定する。図4に平面図で示すように組立状態では
マグネット16の各磁極がコイル11の折り曲げ部とそ
れぞれ1対1に対応するようにする。このようにして、
ガルバノミラー8をヒンジ部13を有するミラー支持部
12に回動可能に支持すると共に、そのヒンジ部13を
通りガルバノミラー8の反射面に平行な仮想平面からほ
ぼ同一の距離に複数のコイル11をガルバノミラー8に
固定し、固定部であるベース14側に多極着磁マグネッ
ト16を配置する。
【0015】図4において、例えばコイル11cに電流
を流すと、コイルの両側で逆向きの力を発生し、図中x
軸方向を回動軸としてミラーが回動する。このように、
電流を流すコイルを変えることによって回動軸を変える
ことのできる構成となっている。一つのコイルに電流を
流すだけでは回動軸を有限個しか設定できないが、隣接
する2個のコイルに同時に電流を流し、この電流値の比
を制御することによって、回動軸を任意に設定すること
が可能である。
【0016】次に、本実施例の装置の動作について説明
する。本装置においては、図1に示すように、ガイドレ
ール2がディスクの半径方向に対して角度を持って取り
付けられているため、トラッキッグの方向をトラックに
垂直にするためには、図1の矢印A,Bで示すようにガ
イドレールの方向に対して角度を持つ方向にビームを走
査する必要があり、かつ、ディスクの内周と外周とでは
この角度を変化させる必要がある。この角度は図6に示
すように、各トラックの曲率と、ガイドレールの延在方
向に平行なディスク4の半径rと光ヘッド1が移動す
るラインS−S間の距離dとから一義的に決まる。
従って予め両者の関係をROMに格納しておき、シーク
動作中に例えばトラッククロスパルスをカウントするこ
とによってトラック番号を検出し、これに対応するトラ
ッキング方向をROMより読み出すようにする。
【0017】本実施例ではガルバノミラーを立ち上げミ
ラーとして使用しているため、ガルバノミラーの回動軸
を、そのディスク面への射影がトラックの接線方向と一
致するように設定すると、走査方向をトラックに垂直な
方向にすることが可能である。従って、ROMより読み
出した値を基にガルバノミラーの回動軸の方向を決定
し、これに対応したコイルに電流を流すことにより、ミ
ラー8を回動させれば良い。
【0018】図7は本発明に先立って開発したガルバノ
ミラー装置を用いる光学ヘッドを示す斜視図である。こ
の光学ヘッドでは、半導体レーザ5から発せられた光
を、半導体基板20に固定したプリズム19によって、
ガルバノミラー8に導き、ここで反射させてディスク1
のトラックに照射するように構成している。ガルバノミ
ラー8も、共通の半導体基板20にマイクロマシニング
によって形成したヒンジ部を介して支持されており、静
電アクチュエータによってミラー8を回動させるように
したものである。
【0019】図8にこのヒンジ部の製造プロセスを示
す。まず、半導体基板20に円形の凹部21を形成し、
この凹部21の平坦な底面の円周に沿って静電アクチュ
エータの電極22を形成する(図8(a),(b))。
次にポリシリコン層23の析出とエッチングを繰り返し
て階段状の突起24を作る(図8(c)〜(h))。次
いで犠牲層となるSiO層25を形成した後(図8
(i))、中央部25′をエッチングし(図8
(j))、さらにポリシリコン層26を析出させ(図8
(k))、中央付近を残してエッチングし(図8
(l))、更に犠牲層25を除去すると(図8
(m))、ヒンジ部27を有する支持部が完成する。そ
の後、ヒンジ部27を有する支持部にミラー8を接着し
て(図8(n))、ミラー8を回動可能に支持すること
により、ヒンジ部27を通りミラー8の反射面に平行な
仮想平面からほぼ同一の距離に固定部に配置された少な
くとも3個の電極を有するガルバノミラー装置が完成す
る。
【0020】半導体基板20の凹部21に形成した電極
22に電圧を印加することによって電極には電荷が生
じ、ミラー表面は誘電体で構成されているので電極に対
抗する位置には誘電分極により逆極性の電荷が誘起され
る。これによって電極とミラーの間に静電引力が生じ、
この力を利用してミラー8を回動させる。電圧を印加す
る電極を変えることによって回動軸が変化するため、上
述した実施例と同様に、ガルバノミラーの回動軸を決定
し、それに対応した1つあるいは2つの電極22に適当
な電圧を印加すればよい。
【0021】図9は図1に示した実施例の変形例の構成
を示す図である。上記の実施例は光学系全体を駆動する
一体型光学ヘッドに関するものであったが、本発明はこ
の形式に限定されるものではなく、図9に示すように、
光源5、検出系6,7等は固定とし、対物レンズ9、立
ち上げミラーのみを可動とする分離型光学ヘッドと呼ば
れるものにも利用可能である。本実施例では可動光学系
の立ち上げミラーの部分に本発明のガルバノミラー装置
を使用したものであり、その動作は、上記実施例の動作
と同様である。
【0022】また、図10は図1に示した実施例の他の
変形例の構成を示す図である。この変形例においては分
離型光学ヘッドの固定側にガルバノミラー装置を配置
し、立ち上げミラーを固定とするものであり、やはり、
ガルバノミラー8の回動軸を変えることによって同様の
効果が得られる。なお、図10において符号30は、ガ
ルバノミラー8で反射された光ビームを対物レンズ9に
導くための立ち上げミラーである。
【0023】本発明におけるガルバノミラー装置の構成
は、以上述べたものに限定されるものではなく、例えば
180°離れた反対側のコイルを別々のコイルで構成す
ることも可能である。また、コイルの配置や個数は、図
示したものに限定されるものではない。さらに、本発明
のガルバノミラー装置の応用は、以上に述べたものに限
定されるものではなく、例えば、従来のようにトラッキ
ング制御と時間軸制御とに使用可能であることは言うま
でもない。
【0024】
【発明の効果】上述したように、本発明のガルバノミラ
ー装置によれば、反射ミラーをヒンジ部を有する支持部
に支持し、少なくとも2個のコイルをヒンジ部を通り反
射ミラーの反射面に平行な仮想平面からほぼ同一の距離
に、反射ミラー側面を通るように反射面に向かう方向か
ら見て支持部を取り囲むようにほぼ矩形状に反射ミラー
に固定し、これらコイルのミラー側面に位置する部分に
磁束を作用させるように固定部に永久磁石を配置するよ
うにしたので、構造の簡略化、小型化、可動部の軽量化
が可能となり、制御性の高いミラー駆動が可能になると
共に、コイルの巻装が容易にでき、組み立て作業が簡単
にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のガルバノミラー装置を適
用した光学的記録再生装置の光学ヘッドの動きを示す図
である。
【図2】 図1に示す光学ヘッドの構成を示す図であ
る。
【図3】 本発明のガルバノミラー装置の詳細を示す分
解斜視図である。
【図4】 本発明のガルバノミラー装置の詳細を示す平
面図である。
【図5】 本発明のガルバノミラー装置の詳細を示す側
断面図である。
【図6】 ディスクの半径方向とガイドレールとがなす
角度を説明するための図である。
【図7】 本発明に先立って開発したガルバノミラー装
置を適用した光学ヘッドの構成を示す図である。
【図8】 図7に示すガルバノミラー装置のヒンジ部の
製造工程を示す図である。
【図9】 本発明の変形例の構成を示す図である。
【図10】 本発明の他の変形例の構成を示す図であ
る。
【図11】 従来の2方向に回動可能に構成したミラー
の構成を示す図である。
【図12】 従来の2方向に回動可能に構成したミラー
の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 光学ヘッド 2 ガイドレール 3 スピンドルモータ 4 ディスク 5 半導体レーザ 6 ビームスプリッタ 7 光電変換素子 8 ガルバノミラー 9 対物レンズ 10 コリメータレンズ 11 コイル 12 ミラー支持部 13 ヒンジ部 14 ベース 15 ハウジング 16 マグネット 18 バックヨーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/09

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射ミラーと、該反射ミラーを支持する
    支持部と、該支持部に形成したヒンジ部と、該ヒンジ部
    を通り前記反射ミラーの反射面に平行な仮想平面からほ
    ぼ同一の距離に配置され、前記反射ミラー側面を通るよ
    うに該反射ミラーに結合された少なくとも2個のコイル
    と、これらの各コイルのミラー側面に位置する部分に対
    向するように配置した永久磁石とを具え、前記各コイル
    は前記反射面に向かう方向から見て前記支持部を取り囲
    むようにほぼ矩形状に形成され、前記反射ミラーを前記
    ヒンジ部を通る少なくとも2つの直線を軸として回動可
    能に構成したことを特徴とするガルバノミラー装置。
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