JP3219418B2 - 亜鉛アルカリ電池 - Google Patents

亜鉛アルカリ電池

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JP3219418B2
JP3219418B2 JP5100491A JP5100491A JP3219418B2 JP 3219418 B2 JP3219418 B2 JP 3219418B2 JP 5100491 A JP5100491 A JP 5100491A JP 5100491 A JP5100491 A JP 5100491A JP 3219418 B2 JP3219418 B2 JP 3219418B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極活物質として亜
鉛、電解液としてアルカリ水溶液、陽極活物質として二
酸化マンガン,酸化銀,酸化水銀,或いは水酸化ニッケ
ル等を用いた亜鉛アルカリ電池に関し、特にゲル状陰極
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】亜鉛アルカリ乾電池の陰極としては、一
般に所謂ゲル状陰極が用いられている。このゲル状陰極
の具体的な構造は、例えば、粒径約20〜50μmの微
粉末から成る架橋型ポリアクリル酸(日本純薬製,ジュ
ンロンPW150)等のゲル化剤によって高粘度化した
ゲル状アルカリ電解液中に、汞化した亜鉛粉末を分散さ
せた構造となっている。このような構造とすれば、電解
液中のイオンの拡散が容易となると共に陰極の表面積が
拡大するので、強放電下においても分極が小さくなる。
また、陰極の取扱いは液体と同様に取り扱えば良いの
で、生産時における取扱性が向上する。
【0003】ところで、上記亜鉛アルカリ電池等では、
電解液中で水素ガス発生を伴う自己放電が生じるが、こ
れを放置すると電池内部圧が高くなるので、これを放置
することはできない。したがって、従来は、電池内に水
銀を添加することにより、上記自己放電反応を抑制して
いた。この場合、亜鉛アルカリ電池の負極には上記の如
く亜鉛粉を用いているので、板状亜鉛を用いるマンガン
電池に比べて陰極亜鉛の表面積が大きくなる。したがっ
て、水銀を多量に使用する必要が生じる。
【0004】しかしながら、近年、使用済み乾電池中の
水銀による環境汚染が問題となっており、亜鉛アルカリ
電池においても水銀含有量の低減が求められるようにな
ってきた。このような環境問題が生じた時点での陰極亜
鉛の汞化率は5〜10wt%であったが、種々の研究によ
り、今日では、汞化率を0.6wt%にまで低減するよう
な電池が提案されるに至った。例えば、特開平1−42
114号公報に示されるように、亜鉛中に鉛,アルミニ
ウムを含有した亜鉛合金を、インジウム−水銀合金にて
汞化したようなものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、環境汚
染の問題が大きくクローズアップされた今日では、水銀
を全く含有しない電池が強く期待されている。この場
合、前記亜鉛合金を改良すれば水銀量を更に減少させる
ことが可能であると考えられるが、完全に無汞化した場
合には、亜鉛の耐蝕性が悪くなって水素ガスの発生を抑
制できなくなると共に、所期の放電特性を得ることがで
きないといった課題が発生する。
【0006】本発明はかかる現状に鑑みてなされたもの
であり、耐蝕性や放電特性を低下させることなく無汞化
を達成できる亜鉛アルカリ電池を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、亜鉛合金粉末を主体とする陰極活物質を、
アルカリ電解液とゲル化剤とから成るゲル状電解液に分
散させたゲル状陰極を有する亜鉛アルカリ電池におい
て、前記亜鉛合金粉末は、亜鉛の粒子表面を平滑化させ
る金属及び/又は亜鉛の水素過電圧を高める金属と亜鉛
とが合金化され、且つその表面にはインジウムが添加さ
れた構造を成すと共に、前記ゲル化剤として、三次元構
造を有する顆粒状ゲル化剤が含有されいることを特徴と
する。
【0008】また、本発明は、前記亜鉛の粒子表面を平
滑化させる金属として、0.01〜0.05wt%のアル
ミニウム又はカルシウムを用い、且つ前記インジウムの
添加量を0.05〜0.30wt%の範囲に規定すると共
に、前記亜鉛合金粉末の嵩比重を3.20±0.30g/
ccの範囲に規定し、且つ前記三次元構造を有する顆粒状
ゲル化剤は、粒径が100〜850μmの架橋型ポリア
クリル酸,架橋型ポリアクリル酸ソーダ,及びグラフト
化デンプンから成る群から選択され、その添加量はゲル
化剤の総量に対して40〜60wt%の範囲に規定するこ
とを特徴とする。
【0009】更に、本発明は、前記亜鉛の粒子表面を平
滑化させる金属として0.01〜0.05wt%のカルシ
ウムを、前記亜鉛の水素過電圧を高める金属として0.
01〜0.10wt%の鉛或いは0.005〜0.05wt
%のビスマスをそれぞれ用い、且つ前記インジウムの添
加量を0.05〜0.30wt%の範囲に規定すると共
に、前記亜鉛合金粉末の嵩比重を3.20±0.30g/
ccの範囲に規定し、且つ前記三次元構造を有する顆粒状
ゲル化剤は、粒径が100〜850μmの架橋型ポリア
クリル酸,架橋型ポリアクリル酸ソーダ,及びグラフト
化デンプンから成る群から選択され、その添加量はゲル
化剤の総量に対して40〜60wt%の範囲に規定するこ
とを特徴とする。
【0010】更にまた、本発明は、前記亜鉛の粒子表面
を平滑化させる金属及び/又は亜鉛の水素過電圧を高め
る金属として、0.01〜0.10wt%の鉛、或いは
0.01〜0.10wt%の鉛及び0.005〜0.05
wt%のビスマス、又は0.01〜0.10wt%の鉛及び
0.01〜0.05wt%のアルミニウムを用い、且つ前
記インジウムの添加量を0.05〜0.30wt%の範囲
に規定すると共に、前記亜鉛合金粉末の嵩比重を3.2
0±0.30g/ccの範囲に規定し、且つ前記三次元構造
を有する顆粒状ゲル化剤は、粒径が100〜850μm
の架橋型ポリアクリル酸,架橋型ポリアクリル酸ソー
ダ,及びグラフト化デンプンから成る群選択され、その
添加量はゲル化剤の総量に対して40〜60wt%の範囲
に規定することを特徴とする。
【0011】
【作用】上記第1発明構成であれば、以下の作用があ
る。亜鉛合金粉末が亜鉛の粒子表面を平滑化させる金
属を含んでいるので、反応面積が減少し、水素ガス発生
量を抑制することができる。亜鉛合金粉末が亜鉛の水
素過電圧を向上させる金属を含んでいるので、水素を多
量に消費でき、水素ガス発生量を抑制することができ
る。亜鉛合金粉末の表面には、亜鉛合金粉末間の接触
を良好に保ち電極内での導電性を向上させると共に、亜
鉛合金粉末の表面における水素過電圧を高めるインジウ
ムが添加されているので、この点からも水素ガス発生量
を抑制することができる。ゲル化剤として三次元構造
を有する顆粒状ゲル化剤が含有されいるが、この顆粒状
ゲル化剤はアルカリ電解液を吸収してある程度膨潤する
と、それ以上は拡がらなくなり、その状態が長時間保持
される。そして、亜鉛合金粉末はこの膨潤したゲル化剤
により常に圧力を受けるので、亜鉛合金粉末間及び亜鉛
合金粉末と集電体との接触が良好に保たれる。
【0012】尚、亜鉛の粒子表面を平滑化させる金属、
亜鉛の水素過電圧を向上させる金属、及びインジウムの
量が、多過ぎたり少な過ぎたりすると、水素ガス発生量
が多くなり、放電特性が低下する。したがって、上記金
属の量は、本第2発明〜第4発明の範囲内であることが
望ましい。また、亜鉛合金粉末の嵩比重が2.90未満
では、亜鉛粒子の形状が針状に近くなって表面積が大き
くなる結果、水素ガス発生量の抑制効果が少なくなる。
一方、亜鉛合金粉末の嵩比重が3.50を超えると、亜
鉛粒子の形状が球状に近くなって表面積が小さくなり過
ぎる結果、放電特性が低下する。したがって、亜鉛合金
粉末の嵩比重は、本第2発明〜第4発明に示す如く2.
90以上3.50以下であることが望ましい。
【0013】更に、顆粒状ゲル化剤の粒径が100μm
未満であれば、所期の放電特性が得られなく、また顆粒
状ゲル化剤の粒径が850μmを超えると、ゲル状陰極
とした後の膨潤で粒径が大きくなりすぎるので亜鉛粉末
の充填量が低下して、放電特性が低下する。したがっ
て、顆粒状ゲル化剤の粒径は、本第2発明〜第4発明に
示す如く100〜850μmの範囲であることが好まし
く、またその添加量は、ゲル化剤の総量に対して40〜
60wt%の範囲であるのが望ましい。
【0014】
【実施例】(第1実施例)本発明の第1実施例を、図1
〜図9に基づいて、以下に説明する。 〔実施例1〕図1は本発明の亜鉛アルカリ電池の一例で
あるLR6タイプの電池の断面図である。この図1にお
いて1は陽極缶であり、この陽極缶1内には二酸化マン
ガンを主体とする陽極5と、セパレータ6と、亜鉛を含
む陰極7とが配設されている。また、上記陽極缶1の開
口部には封口ガスケット3を介して陰極端子板2が取り
付けられており、この陰極端子板2は集電棒4を介して
上記陰極7と電気的に接続されている。
【0015】ここで、上記陰極7を以下のようにして作
製した。先ず、0.02wt%のアルミニウムを含有した
亜鉛粉末と、所定量のインジウムとを回転ドラム中に装
填した後、回転ドラム内の温度が180℃となるように
昇温させつつこれを回転させ、両者を混合した。このよ
うな処理により、インジウムは融点(154.6℃)以
上に加熱されるので、亜鉛粒子の表面にインジウムが付
着して亜鉛合金粉末が作成される。この亜鉛合金粉末に
おけるインジウムの割合は0.10wt%であり、また、
この亜鉛合金粉末の嵩比重をJISZ2504規定の器
具にて測定したところ3.20g/ccであった。尚、
上記処理において、回転ドラム内は窒素雰囲気とした。
【0016】次に、40%のKOH水溶液に酸化亜鉛を
飽和させた電解液を、公知の微粉末架橋型ポリアクリル
酸と顆粒状ゲル化剤(架橋型ポリアクリル酸ソーダであ
って粒径は500μm)とを重量比で1:1の割合で混
合したゲル化剤によってゲル化し、このゲル中に上記亜
鉛合金粉末を分散させる。これにより陰極7が作製され
る。
【0017】一方、上記陽極5は、二酸化マンガンに黒
鉛を混合し、これを加圧成型することにより作製した。
このようにして作製した電池を、以下(A1 )電池と称
する。 〔実施例2〕亜鉛合金粉末を、以下のようにして作成す
る他は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。
【0018】先ず、0.02wt%のアルミニウムを含有
した亜鉛粉末を、所定量のインジウム塩(例えば、硫酸
インジウム)が溶解された水溶液中に投入した後、この
水溶液を30分間攪拌して、亜鉛粉末の表面にインジウ
ムを付着させた。次に、このようにして作成した亜鉛合
金粉末を純水で水洗し、更にアセトンで置換した後、4
5℃で一昼夜乾燥させることにより作成した。尚、この
亜鉛合金粉末におけるインジウムの割合は0.10wt%
であり、また、この亜鉛合金粉末の嵩比重は3.20g
/ccであった。
【0019】このようにして作製した電池を、以下(A
2 )電池と称する。 〔比較例〕亜鉛合金粉末の代わりに汞化亜鉛粉末(イン
ジウム0.02wt%,鉛0.05wt%,アルミニウム
0.05wt%,水銀0.6wt%)を用い、且つこの亜鉛
合金粉末を微粉末架橋ポリアクリル酸に分散させる他
は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。
【0020】このようにして作製した電池を、以下
(X)電池と称する。 〔実験1〕上記本発明の(A1 )電池,(A2 )電池及
び比較例の(X)電池の放電特性を調べたので、その結
果を下記表1に示す。尚、実験条件は、定抵抗(3.9
Ω)で、電池電圧が0.9Vまで放電するという条件で
ある。
【0021】
【表1】
【0022】表1より明らかなように、本発明の
(A1 )電池,(A2 )電池は比較例の(X)電池と略
同等の放電持続時間を有していることが確認された。ま
た、(A1 )電池と(A2 )電池とは同等の放電持続時
間を示しており、亜鉛合金粉末の作成方法によって電池
性能に差異はないことが確認された。 〔実験2〕上記本発明の(A1 )電池,(A2 )電池及
び比較例の(X)電池の水素ガス発生量を調べたので、
その結果を下記表2に示す。尚、実験は、40wt%のK
OH溶液に酸化亜鉛を飽和させた電解液を5ml用い、こ
の電解液に上記各電池に用いる亜鉛合金粉末,汞化亜鉛
粉末を10g浸漬し、60℃で30日間放置するという
条件である。
【0023】
【表2】
【0024】表2より明らかなように、本発明の
(A1 )電池,(A2 )電池に用いる亜鉛合金粉末は比
較例の(X)電池に用いる汞化亜鉛粉末と略同等程度に
まで水素ガス発生量が低減していることが確認された。
また、(A1 )電池と(A2 )電池とに用いる亜鉛合金
粉末間による差異はないことが認められる。 〔実験1及び実験2のまとめ〕上記実験1及び実験2よ
り、本発明の(A1)電池,(A2 )電池は水銀を添加
していないにも関わらず、放電特性と水素ガス発生量と
の面において、比較例の(X)電池と略同等の性能を有
していることが確認された。
【0025】尚、上記両実験には示さないが、アルミニ
ウムの代わりにカルシウムを用いた電池でも、上記と同
様の効果があることを実験により確認している。次に、
インジウムの添加方法,インジウムやアルミニウムの最
適濃度,及びゲル化剤の最適濃度等を調べるべく、下記
実験3〜実験11を行った。 〔実験3〕本実験では、インジウムの添加方法による差
異を調べるべく、下記に示す電池を作製した後に、各電
池の放電特性を調べたので、その結果を下記表3に示
す。尚、実験条件は、前記実験1と同様の条件であり、
の電池〜の電池におけるインジウムの添加量は0.
10wt%とした。アルミニウムを含有しない亜鉛粉末
表面に、上記実施例1と同様の方法でインジウムを添加
する他は、前記実施例1と同様の電池。アルミニウム
を含有しない亜鉛粉末表面に、上記実施例2と同様の方
法でインジウムを添加する他は、前記実施例1と同様の
電池。アルミニウムを含有しない純粋の亜鉛粉末に、
インジウムを合金化した亜鉛合金粉末を用いる他は、前
記実施例1と同様の電池。亜鉛合金粉末の代わりに純
粋の亜鉛粉末を用いる(インジウムは添加せず)他は、
前記実施例1と同様の電池。上記(X)電池と同じ電
池。
【0026】
【表3】
【0027】表3より明らかなように、インジウムを合
金化したの電池ではインジウムを添加しないの電池
よりも放電持続時間が長くなっているが、水銀を含有す
るの電池に比べて不十分である。これに対して、イン
ジウムを亜鉛粉末の表面に添加したの電池及びの電
池ではの電池と略同等の放電持続時間となっているこ
とが認められる。したがって、インジウムは亜鉛粒子の
表面に添加させるのが好ましいことがわかる。また、
の電池との電池とは同一の放電持続時間であり、添加
方法による差異はないことが確認された。 〔実験4〕インジウムの濃度を変化させると共にアルミ
ニウムを添加しない他は、前記実施例1及び実施例2と
同様の電池を多数作製し、これら電池を用いて放電特性
を調べたので、その結果を図2に示す。尚、実験条件は
前記実験1と同様の条件である。また、電池に用いる亜
鉛合金粉末と顆粒状ゲル化剤との具体的内容について下
記表4に示す。
【0028】
【表4】
【0029】図2より明らかなように、何れの方法で亜
鉛合金粉末を作成しても、インジウムの添加量が0.0
5〜0.30wt%の範囲で放電特性が優れていることが
認められる。また、上記表1より、汞化亜鉛を陰極に用
いた(X)電池では放電持続時間が5.25hrである
が、インジウムの濃度が上記範囲内であれば汞化亜鉛を
陰極に用いた電池と余り遜色がないことが認められる。 〔実験5〕インジウムの濃度を変化させると共にアルミ
ニウムを添加しない他は、前記実施例1及び実施例2と
同様の亜鉛合金粉末を多数作製し、これら亜鉛合金粉末
を用いて水素ガス発生量を調べたので、その結果を図3
に示す。尚、実験条件は、前記実験2と同様の条件であ
る。また、亜鉛合金粉末の具体的内容について下記表5
に示す。
【0030】
【表5】
【0031】図3より明らかなように、何れの方法で亜
鉛合金粉末を作成しても、インジウムの添加量が0.0
5〜0.80wt%の範囲であれば、水素ガス発生量が約
0.3μl/g・日であり、その量が少なくなっている
ことが認められる。 〔実験4,5のまとめ〕上記実験4より、放電特性の面
からはインジウムの添加量が0.05〜0.30wt%の
範囲であることが望ましく、また上記実験5より、水素
ガス発生量の面からはインジウムの添加量が0.05〜
0.80wt%の範囲であることが望ましい。したがっ
て、両者を考慮すると、インジウムの添加量は0.05
〜0.30wt%の範囲であることが望ましい。
【0032】但し、前記表2に示すように汞化亜鉛粉末
を用いた電池の水素ガス発生量は0.12μl/g・日
であり、上記の如くインジウムの濃度を特定しただけで
は、十分に水素ガス発生量を抑制することができない。
そこで、下記実験6、7に示すように、亜鉛粉末にアル
ミニウムまたはカルシウムを添加して、両者の最適濃度
を調べた。 〔実験6〕アルミニウムを種々の濃度で亜鉛と合金化さ
せる他は、前記実施例1及び実施例2と同様の亜鉛合金
粉末を多数作製し、これら亜鉛合金粉末を用いて水素ガ
ス発生量を調べたので、その結果を図4に示す。また、
アルミニウムを含む亜鉛合金粉末をの代わりにカルシウ
ムを含む亜鉛合金粉末を多数作製し、同様に水素ガス発
生量を調べたので、その結果を図5に示す。尚、実験条
件は、前記実験2と同様の条件である。また、亜鉛合金
粉末の具体的内容について下記表6に示す。
【0033】
【表6】
【0034】図4及び図5から明らかなように、アルミ
ニウムまたはカルシウムを予め亜鉛と合金化すれば、何
れの方法で亜鉛合金粉末を作成しても、水素ガス発生量
が更に減少する。特に、アルミニウム及びカルシウムの
量が0.01〜0.05wt%であれば、水素ガス発生量
は約0.16μl/g・日であり、汞化亜鉛粉末(0.
12μl/g・日)と遜色がないことを確認した。
【0035】したがって、アルミニウム及びカルシウム
の量は、0.01〜0.05wt%の範囲であることが望
ましい。 〔実験7〕インジウム−アルミニウムを含む亜鉛合金粉
末を用い、これら合金の嵩比重を変化させて水素ガス発
生量を調べたので、その結果を図6に示す。また、アル
ミニウムを含む亜鉛合金粉末の代わりにカルシウムを含
む亜鉛合金粉末についても、同様の方法で調べたので、
その結果を図6に併せて示す。尚、実験条件は、前記実
験2と同様の条件であり、亜鉛合金粉末は前記実施例1
の方法で作成した。また、亜鉛合金粉末の具体的内容に
ついて下記表7に示す。
【0036】
【表7】
【0037】図6より明らかなように、何れの亜鉛合金
粉末でも、嵩比重が2.90g/cc以上であれば、水
素ガス発生量は0.16μl/g・日であり、汞化亜鉛
粉末(嵩比重:3.20g/ccであって、水素ガス発
生量が0.12μl/g・日)と遜色がないことを確認
した。尚、実験には示さないが、前記実施例2の方法で
作成した亜鉛合金粉末を用いた場合であっても、上記と
同様の結果となることを実験により確認している。 〔実験8〕インジウム−アルミニウムを含む亜鉛合金粉
末を用い、この合金の嵩比重を変化させて、前記実施例
1と同じLR6タイプの電池を多数作製した。そして、
これらの電池を用いて放電特性を調べたので、その結果
を図7に示す。また、アルミニウムを含む亜鉛合金粉末
の代わりにカルシウムを含む亜鉛合金粉末を用いた電池
についても、同様に放電特性を調べたので、その結果を
図7に併せて示す。尚、実験条件は、前記実験1と同様
の条件である。また、電池に用いる亜鉛合金粉末と顆粒
状ゲル化剤との具体的内容について下記表8に示す。
【0038】
【表8】
【0039】図7より明らかなように、何れの電池で
も、嵩比重が3.50g/cc以下であれば、放電持続
時間が約5.20hrであり、汞化亜鉛と遜色がないこ
とを確認した。尚、実験には示さないが、前記実施例2
の方法で作成した亜鉛合金粉末を用いた場合であって
も、上記と同様の結果となることを実験により確認して
いる。 〔実験7及び実験8のまとめ〕上記実験7より、水素ガ
ス発生量の面からは亜鉛合金粉末の嵩比重が2.90g
/cc以上であることが望ましく、また実験8より、放
電特性の面からは嵩比重が3.50g/cc以下である
ことが望ましい。したがって、両者を考慮すると、亜鉛
合金粉末の嵩比重は2.90g/cc以上3.50g/
cc以下の範囲であることが望ましい。 〔実験9〕顆粒状ゲル化剤の粒径を変える他は、前記実
施例1と同じLR6タイプの電池を多数作製し、これら
の電池を用いて放電特性を調べたので、その結果を表1
0に示す。また、アルミニウムの代わりにカルシウムを
用いた電池についても、同様の方法で調べたので、その
結果を表10に併せて示す。尚、電池に用いる亜鉛合金
粉末と顆粒状ゲル化剤との具体的内容について下記表9
に示す。
【0040】
【表9】
【0041】尚、具体的な実験方法は、以下の通りであ
る。先ず、顆粒状ゲル化剤として架橋型ポリアクリル酸
ソーダを用い、この架橋型ポリアクリル酸ソーダの粒径
を32〜50,50〜100,100〜250,250
〜500,500〜850,850〜1000μmにタ
イラー標準篩によって分け、公知の微粉末ポリアクリル
酸と重量比で1:1の割合で混合してゲル化剤を作成し
た後、各ゲル化剤を用いてLR6タイプの電池を作製す
る。そしてこれらの電池を用いて、前記実験1と同様の
条件で放電させた。尚、比較として、公知の微粉末ポリ
アクリル酸のみでゲル化陰極を作製し、この陰極を用い
た電池を用いて同様の試験を行った。
【0042】
【表10】
【0043】表10から明らかなように、粒径が100
μm以上であれば、放電特性が向上していることが認め
られる。ただし、粒径が850μmを超えると、ゲル状
陰極とした後の膨潤で粒径が大きくなりすぎるので亜鉛
粉末の充填量が低下して、放電特性が低下する。したが
って、顆粒状ゲル化剤の粒径は、100〜850μmの
範囲であることが好ましい。 〔実験10〕顆粒状ゲル化剤として、架橋型ポリアクリ
ル酸ソーダ、架橋型ポリアクリル酸、グラフト化デンプ
ン、及びカルボキシルセルロースを用いる他は、前記実
施例1と同様にして電池を作成する。そして、これらの
電池を、60℃で30日間保存した後の放電特性を調べ
たので、その結果を表12に示す。また、アルミニウム
を含む亜鉛粉末の代わりにカルシウムを含む亜鉛粉末を
用いた電池についても、同様の方法で調べたので、その
結果を表12に併せて示す。尚、放電試験の実験条件
は、前記実験1と同様の条件であり、比較のために汞化
亜鉛粉末を用いた前記(X1 )電池についても同様に調
べた。また、電池に用いる亜鉛合金粉末と顆粒状ゲル化
剤との具体的内容について下記表11に示す。
【0044】
【表11】
【0045】
【表12】
【0046】上記表12から明らかなように、顆粒状ゲ
ル化剤として架橋型ポリアクリル酸ソーダ、架橋型ポリ
アクリル酸、グラフト化デンプンを用いた電池では、比
較電池と略同等であり、保存後の放電特性が優れている
ことが認められるのに対して、カルボキシルセルロース
を用いた電池では、保存後の放電特性が著しく低下して
いることが認められる。
【0047】これは、カルボキシルセルロースは、60
℃という高温のアルカリ電解液中で分解してゲル状の状
態を保持できなくなる結果、亜鉛合金粉末が沈降すると
いう理由によるものと考えられる。したがって、顆粒状
ゲル化剤としては、架橋型ポリアクリル酸ソーダ、架橋
型ポリアクリル酸、グラフト化デンプンを用いるのが好
ましい。 〔実験11〕顆粒状ゲル化剤の濃度を変化させる他は、
前記実施例1と同様の電池を多数作成し、これら電池を
用いて放電特性を調べたので、その結果を図8に示す。
また、架橋型ポリアクリル酸ソーダに代えて、架橋型ポ
リアクリル酸、グラフト化デンプンを用いた電池につい
ても同様に調べたので、その結果を図8に併せて示す。
更に、アルミニウムの代わりにカルシウムを用いた電池
についても、同様の方法で調べたので、その結果を図9
に示す。尚、電池に用いる亜鉛合金粉末と顆粒状ゲル化
剤との具体的内容について下記表13に示す。
【0048】
【表13】
【0049】図8及び図9から明らかなように、何れの
顆粒状ゲル化剤及び何れの亜鉛合金粉末であっても、ゲ
ル化剤濃度の40〜60wt%の範囲で放電持続時間が長
くなっていることが認められる。したがって、顆粒状ゲ
ル化剤の濃度はゲル化剤濃度の40〜60wt%の範囲で
あることが望ましい。
【0050】(第2実施例)本発明の第2実施例を、図
10〜図16に基づいて、以下に説明する。 〔実施例1〕亜鉛粉末として、アルミニウムを含有した
亜鉛粉末の代わりに、鉛(0.05wt%)とカルシウム
(0.02wt%)とを含有した亜鉛粉末を用いる他は、
前記第1実施例の実施例1と同様の電池を作製した。
【0051】このようにして作製した電池を、以下(B
1 )電池と称する。 〔実施例2〕亜鉛粉末として、アルミニウムを含有した
亜鉛粉末の代わりに、鉛(0.05wt%)とカルシウム
(0.02wt%)とを含有した亜鉛粉末を用いる他は、
前記第1実施例の実施例2と同様の電池を作製した。
【0052】このようにして作製した電池を、以下(B
2 )電池と称する。 〔比較例〕前記第1実施例の比較例に示す(X)電池を
用いた。 〔実験1〕上記本発明の(B1 )電池,(B2 )電池及
び比較例の(X)電池の放電特性を調べたので、その結
果を下記表14に示す。尚、実験条件は、前記第1実施
例の実験1と同様の条件である。
【0053】
【表14】
【0054】表14より明らかなように、本発明の(B
1 )電池,(B2 )電池は比較例の(X)電池と略同等
の放電持続時間を有していることが確認された。また、
(B 1 )電池と(B2 )電池とは同等の放電持続時間を
示しており、亜鉛合金粉末の作成方法によって、放電持
続時間に差異はないことが確認された。 〔実験2〕上記本発明の(B1 )電池,(B2 )電池及
び比較例の(X)電池の水素ガス発生量を調べたので、
その結果を下記表15に示す。尚、実験条件は、前記第
1実施例の実験2と同様の条件である。
【0055】
【表15】
【0056】表15より明らかなように、本発明の(B
1 )電池,(B2 )電池に用いる亜鉛合金粉末は、比較
例の(X)電池に用いる汞化亜鉛粉末より水素ガス発生
量が低減していることが確認された。また、(B1 )電
池と(B2 )電池とに用いる亜鉛合金粉末間による差異
はないことが認められる。 〔実験1及び実験2のまとめ〕上記実験1及び実験2よ
り、本発明の(B1)電池,(B2 )電池は水銀を添加
していないにも関わらず、放電特性と水素ガス発生量と
の面において、比較例の(X)電池と略同等かそれ以上
の性能を有していることが確認された。
【0057】尚、上記両実験には示さないが、鉛とカル
シウムとを含有した亜鉛粉末の代わりにビスマスとカル
シウムとを含有した亜鉛粉末を用いた電池でも、上記と
同様の効果があることを実験により確認している。次
に、鉛,カルシウム,ビスマスの最適濃度、及びゲル化
剤の最適濃度等を調べるべく、下記実験3〜実験10を
行った。 〔実験3〕前記第1実施例の実験3〜実験5より、イン
ジウムを亜鉛粉末の表面に添加(添加量0.05〜0.
30wt%)が好ましいが、インジウムだけでは十分に水
素ガス発生量を抑制することができないことが確認され
た。そこで、本実験3及び下記実験4、5に示すよう
に、亜鉛粉末に鉛とカルシウム、或いはビスマスとカル
シウムを添加すると共に、各金属の最適濃度を調べた。
【0058】鉛を種々の濃度で亜鉛と合金化させる他
は、前記実施例1と同様の亜鉛合金粉末を多数作製し、
これら亜鉛合金粉末を用いて水素ガス発生量を調べたの
で、その結果を図10に示す。尚、実験条件は、前記第
1実施例の実験2と同様の条件である。また、亜鉛合金
粉末の具体的内容について下記表16に示す。
【0059】
【表16】
【0060】図10から明らかなように、鉛及びカルシ
ウムを予め亜鉛と合金化すれば、水素ガス発生量が減少
する。特に、鉛の量が0.01〜0.10wt%であれ
ば、水素ガス発生量は約0.10〜0.12μl/g・
日であり、汞化亜鉛粉末(0.12μl/g・日)より
優れていることを確認した。したがって、鉛の量は、
0.01〜0.10wt%の範囲であることが望ましい。 〔実験4〕カルシウムを種々の濃度で亜鉛と合金化させ
る他は、前記実施例1と同様の亜鉛合金粉末を多数作製
し、これら亜鉛合金粉末を用いて水素ガス発生量を調べ
たので、その結果を図11に示す。尚、実験条件は、前
記第1実施例の実験2と同様の条件である。また、亜鉛
合金粉末の具体的内容について下記表17に示す。
【0061】
【表17】
【0062】図11から明らかなように、鉛及びカルシ
ウムを予め亜鉛と合金化すれば、水素ガス発生量が減少
する。特に、カルシウムの量が0.01〜0.05wt%
であれば、水素ガス発生量は約0.09〜0.11μl
/g・日であり、汞化亜鉛粉末(0.12μl/g・
日)より優れていることを確認した。したがって、カル
シウムの量は、0.01〜0.05wt%の範囲であるこ
とが望ましい。 〔実験5〕鉛とカルシウムとを含有した亜鉛粉末の代わ
りにビスマスとカルシウムとを含有した亜鉛粉末を用
い、且つビスマスを種々の濃度で亜鉛と合金化させる他
は、前記実施例1と同様の亜鉛合金粉末を多数作製し、
これら亜鉛合金粉末を用いて水素ガス発生量を調べたの
で、その結果を図12に示す。尚、実験条件は、前記第
1実施例の実験2と同様の条件である。また、亜鉛合金
粉末の具体的内容について下記表18に示す。
【0063】
【表18】
【0064】図12から明らかなように、ビスマス及び
カルシウムを予め亜鉛と合金化すれば、水素ガス発生量
が減少する。特に、ビスマスの量が0.005〜0.0
5wt%であれば、水素ガス発生量は約0.09〜0.1
1μl/g・日であり、汞化亜鉛粉末(0.12μl/
g・日)より優れていることを確認した。したがって、
カルシウムの量は、0.005〜0.05wt%の範囲で
あることが望ましい。 〔実験6〕インジウム,鉛,カルシウムを含む亜鉛合金
粉末を用い、この合金の嵩比重を変化させて水素ガス発
生量を調べたので、その結果を図13に示す。また、イ
ンジウム,鉛,カルシウムを含む亜鉛合金粉末の代わり
にインジウム,ビスマス,カルシウムを含む亜鉛合金粉
末についても、同様の方法で調べたので、その結果を図
13に併せて示す。尚、実験条件は、前記第1実施例の
実験2と同様の条件である。また、亜鉛合金粉末の具体
的内容について下記表19に示す。
【0065】
【表19】
【0066】図13より明らかなように、何れの亜鉛合
金粉末でも、嵩比重が2.90g/cc以上であれば、
水素ガス発生量は0.09〜0.11μl/g・日であ
り、汞化亜鉛粉末(嵩比重:3.20g/ccであっ
て、水素ガス発生量が0.12μl/g・日)より優れ
ていることを確認した。 〔実験7〕インジウム,鉛,カルシウムを含む亜鉛合金
粉末を用い、この合金の嵩比重を変化させて、前記実施
例1と同じLR6タイプの電池を多数作製した。そし
て、これらの電池を用いて放電特性を調べたので、その
結果を図14に示す。また、インジウム,鉛,カルシウ
ムを含む亜鉛合金粉末の代わりにインジウム,ビスマ
ス,カルシウムを含む亜鉛合金粉末を用いた電池につい
ても、同様に放電特性を調べたので、その結果を図14
に併せて示す。尚、実験条件は、前記第1実施例の実験
1と同様の条件である。また、電池に用いる亜鉛合金粉
末と顆粒状ゲル化剤との具体的内容について下記表20
に示す。
【0067】
【表20】
【0068】図14より明らかなように、何れの電池で
も、嵩比重が3.50g/cc以下であれば、放電持続
時間が5.20hr以上であり、汞化亜鉛と遜色がない
ことを確認した。 〔実験6及び実験7のまとめ〕上記実験6より、水素ガ
ス発生量の面からは亜鉛合金粉末の嵩比重が2.90g
/cc以上であることが望ましく、また実験7より、放
電特性の面からは嵩比重が3.50g/cc以下である
ことが望ましい。したがって、両者を考慮すると、亜鉛
合金粉末の嵩比重は2.90g/cc以上3.50g/
cc以下の範囲であることが望ましい。 〔実験8〕顆粒状ゲル化剤の粒径を変える他は、前記実
施例1と同じLR6タイプの電池を多数作製し、これら
の電池を用いて放電特性を調べたので、その結果を表2
2に示す。また、インジウム,鉛,カルシウムを含む亜
鉛合金粉末の代わりにインジウム,ビスマス,カルシウ
ムを含む亜鉛合金粉末を用いた電池についても、同様の
方法で調べたので、その結果を表22に併せて示す。
尚、具体的な実験方法は、前記第1実施例の実験9と同
様の条件である。また、電池に用いる亜鉛合金粉末と顆
粒状ゲル化剤との具体的内容について下記表21に示
す。
【0069】
【表21】
【0070】
【表22】
【0071】表22から明らかなように、粒径が100
μm以上であれば、放電特性が著しく向上していること
が認められる。ただし、粒径が850μmを超えると、
ゲル状陰極とした後の膨潤で粒径が大きくなりすぎるの
で亜鉛粉末の充填量が低下して、放電特性が低下する。
したがって、顆粒状ゲル化剤の粒径は、100〜850
μmの範囲であることが好ましい。 〔実験9〕顆粒状ゲル化剤として、架橋型ポリアクリル
酸ソーダ、架橋型ポリアクリル酸、グラフト化デンプ
ン、及びカルボキシルセルロースを用いる他は、前記実
施例1と同様にして電池を作成する。そして、これらの
電池を、60℃で30日間保存した後の放電特性を調べ
たので、その結果を表24に示す。また、インジウム,
鉛,カルシウムを含む亜鉛合金粉末の代わりにインジウ
ム,ビスマス,カルシウムを含む亜鉛合金粉末を用いた
電池についても、同様の方法で調べたので、その結果を
表24に併せて示す。尚、放電試験の実験条件は、前記
第1実施例の実験1と同様の条件であり、比較のために
汞化亜鉛粉末を用いた前記(X1 )電池についても同様
に調べた。また、電池に用いる亜鉛合金粉末と顆粒状ゲ
ル化剤との具体的内容について下記表23に示す。
【0072】
【表23】
【0073】
【表24】
【0074】上記表24から明らかなように、顆粒状ゲ
ル化剤として架橋型ポリアクリル酸ソーダ、架橋型ポリ
アクリル酸、グラフト化デンプンを用いた電池では、比
較電池と略同等であり、保存後の放電特性が優れている
ことが認められるのに対して、カルボキシルセルロース
を用いた電池では、保存後の放電特性が著しく低下して
いることが認められる。
【0075】これは、前記第1実施例の実験10で示す
理由と同様の理由によるものと考えられる。したがっ
て、顆粒状ゲル化剤としては、架橋型ポリアクリル酸ソ
ーダ、架橋型ポリアクリル酸、グラフト化デンプンを用
いるのが好ましい。 〔実験10〕顆粒状ゲル化剤の濃度を変化させる他は、
前記実施例1と同様の電池を多数作成し、これら電池を
用いて放電特性を調べたので、その結果を図15に示
す。また、架橋型ポリアクリル酸ソーダに代えて、架橋
型ポリアクリル酸、グラフト化デンプンを用いた電池に
ついても同様に調べたので、その結果を図15に併せて
示す。更に、インジウム,鉛,カルシウムを含む亜鉛合
金粉末の代わりにインジウム,ビスマス,カルシウムを
含む亜鉛合金粉末を用いた電池についても、同様の方法
で調べたので、その結果を図16に示す。尚、電池に用
いる亜鉛合金粉末と顆粒状ゲル化剤との具体的内容につ
いて下記表25に示す。
【0076】
【表25】
【0077】図15及び図16から明らかなように、何
れの顆粒状ゲル化剤及び何れの亜鉛合金粉末であって
も、ゲル化剤濃度の40〜60wt%の範囲で放電持続時
間が長くなっていることが認められる。したがって、顆
粒状ゲル化剤の濃度はゲル化剤濃度の40〜60wt%の
範囲であることが望ましい。
【0078】(第3実施例)本発明の第3実施例を、図
17〜図24に基づいて、以下に説明する。 〔実施例1〕亜鉛粉末として、アルミニウムを含有した
亜鉛粉末の代わりに、鉛(0.05wt%)とアルミニウ
ム(0.02wt%)とを含有した亜鉛粉末を用いる他
は、前記第1実施例の実施例1と同様の電池を作製し
た。
【0079】このようにして作製した電池を、以下(C
1 )電池と称する。 〔実施例2〕亜鉛粉末として、アルミニウムを含有した
亜鉛粉末の代わりに、鉛(0.05wt%)とアルミニウ
ム(0.02wt%)とを含有した亜鉛粉末を用いる他
は、前記第1実施例の実施例2と同様の電池を作製し
た。
【0080】このようにして作製した電池を、以下(C
2 )電池と称する。 〔比較例〕前記第1実施例の比較例に示す(X)電池を
用いた。 〔実験1〕上記本発明の(C1 )電池,(C2 )電池及
び比較例の(X)電池の放電特性を調べたので、その結
果を下記表26に示す。尚、実験条件は、前記第1実施
例の実験1と同様の条件である。
【0081】
【表26】
【0082】表26より明らかなように、本発明の(C
1 )電池,(C2 )電池は比較例の(X)電池と略同等
の放電持続時間を有していることが確認された。また、
(C 1 )電池と(C2 )電池とは同等の放電持続時間を
示しており、亜鉛合金粉末の作成方法によって放電持続
時間に差異はないことが確認された。 〔実験2〕上記本発明の(C1 )電池,(C2 )電池及
び比較例の(X)電池の水素ガス発生量を調べたので、
その結果を下記表27に示す。尚、実験条件は、前記第
1実施例の実験2と同様の条件である。
【0083】
【表27】
【0084】表27より明らかなように、本発明の(C
1 )電池,(C2 )電池に用いる亜鉛合金粉末は、比較
例の(X)電池に用いる汞化亜鉛粉末より水素ガス発生
量が低減していることが確認された。また、(C1 )電
池と(C2 )電池とに用いる亜鉛合金粉末間による差異
はないことが認められる。 〔実験1及び実験2のまとめ〕上記実験1及び実験2よ
り、本発明の(C1)電池,(C2 )電池は水銀を添加
していないにも関わらず、放電特性と水素ガス発生量と
の面において、比較例の(X)電池と略同等かそれ以上
の性能を有していることが確認された。
【0085】尚、上記両実験には示さないが、鉛とアル
ミニウムとを含有した亜鉛粉末の代わりに鉛とビスマス
とを含有した亜鉛粉末、及び鉛のみを含有した亜鉛粉末
を用いた電池でも、上記と同様の効果があることを実験
により確認している。次に、鉛,ビスマス,アルミニウ
ムの最適濃度、及びゲル化剤の最適濃度等を調べるべ
く、下記実験3〜実験10を行った。 〔実験3〕前記第1実施例の実験3〜実験5より、イン
ジウムを亜鉛粉末の表面に添加(添加量0.05〜0.
30wt%)が好ましいが、インジウムだけでは十分に水
素ガス発生量を抑制することができないことが確認され
た。そこで、本実験3及び下記実験4、5に示すよう
に、亜鉛粉末に鉛,鉛とビスマス,鉛とアルミニウムを
添加すると共に、各金属の最適濃度を調べた。
【0086】亜鉛粉末として鉛が添加された亜鉛粉末を
用い、且つ鉛を種々の濃度で亜鉛と合金化させる他は、
前記実施例1と同様の亜鉛合金粉末を多数作製し、これ
ら亜鉛合金粉末を用いて水素ガス発生量を調べたので、
その結果を図17に示す。尚、実験条件は、前記第1実
施例の実験2と同様の条件である。また、亜鉛合金粉末
の具体的内容について下記表28に示す。
【0087】
【表28】
【0088】図17から明らかなように、鉛を予め亜鉛
と合金化すれば、水素ガス発生量が減少する。特に、鉛
の量が0.01〜0.10wt%であれば、水素ガス発生
量は約0.15μl/g・日であり、汞化亜鉛粉末
(0.12μl/g・日)と略同等であることを確認し
た。したがって、鉛の量は、0.01〜0.10wt%の
範囲であることが望ましい。 〔実験4〕亜鉛粉末として鉛とビスマスとが添加された
亜鉛粉末を用い、且つビスマスを種々の濃度で亜鉛と合
金化させる他は、前記実施例1と同様の亜鉛合金粉末を
多数作製し、これら亜鉛合金粉末を用いて水素ガス発生
量を調べたので、その結果を図18に示す。尚、実験条
件は、前記第1実施例の実験2と同様の条件である。ま
た、亜鉛合金粉末の具体的内容について下記表29に示
す。
【0089】
【表29】
【0090】図18から明らかなように、鉛とビスマス
とを予め亜鉛と合金化すれば、水素ガス発生量が減少す
る。特に、ビスマスの量が0.005〜0.05wt%で
あれば、水素ガス発生量は約0.07〜0.10μl/
g・日であり、汞化亜鉛粉末(0.12μl/g・日)
より優れていることを確認した。したがって、ビスマス
の量は、0.005〜0.05wt%の範囲であることが
望ましい。 〔実験5〕アルミニウムを種々の濃度で亜鉛と合金化さ
せる他は、前記実施例1と同様の亜鉛合金粉末を多数作
製し、これら亜鉛合金粉末を用いて水素ガス発生量を調
べたので、その結果を図19に示す。尚、実験条件は、
前記第1実施例の実験2と同様の条件である。また、亜
鉛合金粉末の具体的内容について下記表30に示す。
【0091】
【表30】
【0092】図19から明らかなように、鉛及びアルミ
ニウムを予め亜鉛と合金化すれば、水素ガス発生量が減
少する。特に、アルミニウムの量が0.01〜0.05
wt%であれば、水素ガス発生量は約0.09〜0.11
μl/g・日であり、汞化亜鉛粉末(0.12μl/g
・日)より優れていることを確認した。したがって、ア
ルミニウムの量は、0.01〜0.05wt%の範囲であ
ることが望ましい。 〔実験6〕インジウム,鉛,アルミニウムを含む亜鉛合
金粉末を用い、これら合金の嵩比重を変化させて水素ガ
ス発生量を調べたので、その結果を図20に示す。尚、
実験条件は、前記第1実施例の実験2と同様の条件であ
る。また、インジウム,鉛,アルミニウムとを含む亜鉛
合金粉末の代わりに、インジウム,鉛を含む亜鉛合金粉
末,及びインジウム,鉛,ビスマスを含む亜鉛合金粉末
を用いた電池についても、同様の方法で調べたので、そ
の結果をそれぞれ図23及び図24に示す。亜鉛合金粉
末の具体的内容について下記表31に示す。
【0093】
【表31】
【0094】図20より明らかなように、何れの亜鉛合
金粉末でも、嵩比重が2.90g/cc以上であれば、
水素ガス発生量は0.08〜0.16μl/g・日であ
り、汞化亜鉛粉末(嵩比重:3.20g/ccであっ
て、水素ガス発生量が0.12μl/g・日)と同等か
それ以上であることを確認した。 〔実験7〕インジウム,鉛,アルミニウムを含む亜鉛合
金粉末を用い、この合金の嵩比重を変化させて、前記実
施例1と同じLR6タイプの電池を多数作製した。そし
て、これらの電池を用いて放電特性を調べたので、その
結果を図21に示す。尚、実験条件は、前記第1実施例
の実験1と同様の条件である。また、インジウム,鉛,
アルミニウムとを含む亜鉛合金粉末の代わりに、インジ
ウム,鉛を含む亜鉛合金粉末,及びインジウム,鉛,ビ
スマスを含む亜鉛合金粉末を用いた電池についても、同
様の方法で調べたので、その結果を図21に併せて示
す。更に、電池に用いる亜鉛合金粉末と顆粒状ゲル化剤
との具体的内容について下記表32に示す。
【0095】
【表32】
【0096】図21より明らかなように、何れの電池で
も、嵩比重が3.50g/cc以下であれば、放電持続
時間が5.20hr以上であり、汞化亜鉛と遜色がない
ことを確認した。 〔実験6及び実験7のまとめ〕上記実験6より、水素ガ
ス発生量の面からは亜鉛合金粉末の嵩比重が2.90g
/cc以上であることが望ましく、また実験7より、放
電特性の面からは嵩比重が3.50g/cc以下である
ことが望ましい。したがって、両者を考慮すると、亜鉛
合金粉末の嵩比重は2.90g/cc以上3.50g/
cc以下の範囲であることが望ましい。 〔実験8〕顆粒状ゲル化剤の粒径を変える他は、前記実
施例1と同じLR6タイプの電池を多数作製し、これら
の電池を用いて放電特性を調べたので、その結果を表3
4に示す。また、インジウム,鉛,アルミニウムとを含
む亜鉛合金粉末の代わりに、インジウム,鉛を含む亜鉛
合金粉末,及びインジウム,鉛,ビスマスを含む亜鉛合
金粉末を用いた電池についても、同様の方法で調べたの
で、その結果を表34に併せて示す。尚、具体的な実験
方法は、前記第1実施例の実験9と同様の条件である。
また、電池に用いる亜鉛合金粉末と顆粒状ゲル化剤との
具体的内容について下記表33に示す。
【0097】
【表33】
【0098】
【表34】
【0099】表34から明らかなように、粒径が100
μm以上であれば、放電特性が著しく向上していること
が認められる。ただし、粒径が850μmを超えると、
ゲル状陰極とした後の膨潤で粒径が大きくなりすぎるの
で亜鉛粉末の充填量が低下して、放電特性が低下する。
したがって、顆粒状ゲル化剤の粒径は、100〜850
μmの範囲であることが好ましい。 〔実験9〕顆粒状ゲル化剤として、架橋型ポリアクリル
酸ソーダ、架橋型ポリアクリル酸、グラフト化デンプ
ン、及びカルボキシルセルロースを用いる他は、前記実
施例1と同様にして電池を作成する。そして、これらの
電池を、60℃で30日間保存した後の放電特性を調べ
たので、その結果を表36に示す。また、インジウム,
鉛,アルミニウムとを含む亜鉛合金粉末の代わりに、イ
ンジウム,鉛を含む亜鉛合金粉末,及びインジウム,
鉛,ビスマスを含む亜鉛合金粉末を用いた電池について
も、同様の方法で調べたので、その結果を表36に併せ
て示す。尚、放電試験の実験条件は、前記第1実施例の
実験1と同様の条件であり、比較のために汞化亜鉛粉末
を用いた前記(X1 )電池についても同様に調べた。ま
た、電池に用いる亜鉛合金粉末と顆粒状ゲル化剤との具
体的内容について下記表35に示す。
【0100】
【表35】
【0101】
【表36】
【0102】上記表36から明らかなように、顆粒状ゲ
ル化剤として架橋型ポリアクリル酸ソーダ、架橋型ポリ
アクリル酸、グラフト化デンプンを用いた電池では、比
較電池と略同等であり、保存後の放電特性が優れている
ことが認められるのに対して、カルボキシルセルロース
を用いた電池では、保存後の放電特性が著しく低下して
いることが認められる。
【0103】これは、前記第1実施例の実験10で示す
理由と同様の理由によるものと考えられる。したがっ
て、顆粒状ゲル化剤としては、架橋型ポリアクリル酸ソ
ーダ、架橋型ポリアクリル酸、グラフト化デンプンを用
いるのが好ましい。 〔実験10〕顆粒状ゲル化剤の濃度を変化させる他は、
前記実施例1と同様の電池を多数作成し、これら電池を
用いて放電特性を調べたので、その結果を図22に示
す。また、架橋型ポリアクリル酸ソーダに代えて、架橋
型ポリアクリル酸、グラフト化デンプンを用いた電池に
ついても同様に調べたので、その結果を図22に併せて
示す。更に、また、インジウム,鉛,アルミニウムとを
含む亜鉛合金粉末の代わりに、インジウム,鉛を含む亜
鉛合金粉末,及びインジウム,鉛,ビスマスを含む亜鉛
合金粉末を用いた電池についても、同様の方法で調べた
ので、その結果をそれぞれ図23及び図24に示す。
尚、電池に用いる亜鉛合金粉末と顆粒状ゲル化剤との具
体的内容について下記表37に示す。
【0104】
【表37】
【0105】図22〜図24から明らかなように、何れ
の顆粒状ゲル化剤及び何れの亜鉛合金粉末であっても、
ゲル化剤濃度の40〜60wt%の範囲で放電持続時間が
長くなっていることが認められる。したがって、顆粒状
ゲル化剤の濃度はゲル化剤濃度の40〜60wt%の範囲
であることが望ましい。
【0106】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、水素ガス発
生量が減少する(即ち、自己放電が抑制される)ので、
亜鉛の耐蝕性が向上すると共に、亜鉛合金粉末間及び亜
鉛合金粉末と集電体との接触が良好に保たれるので、放
電特性が向上する。この結果、耐蝕性や放電特性を低下
させることなく無汞化を達成できるといった優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の亜鉛アルカリ電池の一例であるLR6
タイプの電池の断面図である。
【図2】インジウム濃度と放電持続時間との関係を示す
グラフである。
【図3】インジウム濃度と水素ガス発生量との関係を示
すグラフである。
【図4】アルミニウム濃度と水素ガス発生量との関係を
示すグラフである。
【図5】カルシウム濃度と水素ガス発生量との関係を示
すグラフである。
【図6】亜鉛合金粉末の嵩比重と水素ガス発生量との関
係を示すグラフである。
【図7】亜鉛合金粉末の嵩比重と放電持続時間との関係
を示すグラフである。
【図8】顆粒状ゲル化剤濃度と放電持続時間との関係を
示すグラフである。
【図9】顆粒状ゲル化剤濃度と放電持続時間との関係を
示すグラフである。
【図10】鉛濃度と水素ガス発生量との関係を示すグラ
フである。
【図11】カルシウム濃度と水素ガス発生量との関係を
示すグラフである。
【図12】ビスマス濃度と水素ガス発生量との関係を示
すグラフである。
【図13】亜鉛合金粉末の嵩比重と水素ガス発生量との
関係を示すグラフである。
【図14】亜鉛合金粉末の嵩比重と放電持続時間との関
係を示すグラフである。
【図15】顆粒状ゲル化剤濃度と放電持続時間との関係
を示すグラフである。
【図16】顆粒状ゲル化剤濃度と放電持続時間との関係
を示すグラフである。
【図17】鉛濃度と水素ガス発生量との関係を示すグラ
フである。
【図18】ビスマス濃度と水素ガス発生量との関係を示
すグラフである。
【図19】アルミニウム濃度と水素ガス発生量との関係
を示すグラフである。
【図20】亜鉛合金粉末の嵩比重と水素ガス発生量との
関係を示すグラフである。
【図21】亜鉛合金粉末の嵩比重と放電持続時間との関
係を示すグラフである。
【図22】顆粒状ゲル化剤濃度と放電持続時間との関係
を示すグラフである。
【図23】顆粒状ゲル化剤濃度と放電持続時間との関係
を示すグラフである。
【図24】顆粒状ゲル化剤濃度と放電持続時間との関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
5 陽極 6 セパレータ 7 陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢 野 睦 守口市京阪本通2丁目18番地 三洋電機 株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−267856(JP,A) 特開 平2−267863(JP,A) 特開 昭61−10859(JP,A) 特開 平3−57160(JP,A) 特開 平4−284357(JP,A) 特開 平4−284358(JP,A) 特開 平4−284359(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/42 H01M 6/06 B22F 1/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛合金粉末を主体とする陰極活物質
    を、アルカリ電解液とゲル化剤とから成るゲル状電解液
    に分散させたゲル状陰極を有する亜鉛アルカリ電池にお
    いて、前記亜鉛合金粉末は、亜鉛の粒子表面を平滑化さ
    せる金属及び/又は亜鉛の水素過電圧を高める金属と亜
    鉛とが合金化され、且つその表面にはインジウムが添加
    された構造を成すと共に、前記ゲル化剤として、三次元
    構造を有する顆粒状ゲル化剤が含有されいることを特徴
    とする亜鉛アルカリ電池。
  2. 【請求項2】 前記亜鉛の粒子表面を平滑化させる金属
    として、0.01〜0.05wt%のアルミニウム又はカ
    ルシウムを用い、且つ前記インジウムの添加量を0.0
    5〜0.30wt%の範囲に規定すると共に、前記亜鉛合
    金粉末の嵩比重を3.20±0.30g/ccの範囲に規定
    し、且つ前記三次元構造を有する顆粒状ゲル化剤は、粒
    径が100〜850μmの架橋型ポリアクリル酸,架橋
    型ポリアクリル酸ソーダ,及びグラフト化デンプンから
    成る群から選択され、その添加量はゲル化剤の総量に対
    して40〜60wt%の範囲に規定することを特徴とする
    請求項1記載の亜鉛アルカリ電池。
  3. 【請求項3】 前記亜鉛の粒子表面を平滑化させる金属
    として0.01〜0.05wt%のカルシウムを、前記亜
    鉛の水素過電圧を高める金属として0.01〜0.10
    wt%の鉛或いは0.005〜0.05wt%のビスマスを
    それぞれ用い、且つ前記インジウムの添加量を0.05
    〜0.30wt%の範囲に規定すると共に、前記亜鉛合金
    粉末の嵩比重を3.20±0.30g/ccの範囲に規定
    し、且つ前記三次元構造を有する顆粒状ゲル化剤は、粒
    径が100〜850μmの架橋型ポリアクリル酸,架橋
    型ポリアクリル酸ソーダ,及びグラフト化デンプンから
    成る群から選択され、その添加量はゲル化剤の総量に対
    して40〜60wt%の範囲に規定することを特徴とする
    請求項1記載の亜鉛アルカリ電池。
  4. 【請求項4】 前記亜鉛の粒子表面を平滑化させる金属
    及び/又は亜鉛の水素過電圧を高める金属として、0.
    01〜0.10wt%の鉛、或いは0.01〜0.10wt
    %の鉛及び0.005〜0.05wt%のビスマス、又は
    0.01〜0.10wt%の鉛及び0.01〜0.05wt
    %のアルミニウムを用い、且つ前記インジウムの添加量
    を0.05〜0.30wt%の範囲に規定すると共に、前
    記亜鉛合金粉末の嵩比重を3.20±0.30g/ccの範
    囲に規定し、且つ前記三次元構造を有する顆粒状ゲル化
    剤は、粒径が100〜850μmの架橋型ポリアクリル
    酸,架橋型ポリアクリル酸ソーダ,及びグラフト化デン
    プンから成る群選択され、その添加量はゲル化剤の総量
    に対して40〜60wt%の範囲に規定することを特徴と
    する請求項1記載の亜鉛アルカリ電池。
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