JP3219083B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP3219083B2
JP3219083B2 JP2000028801A JP2000028801A JP3219083B2 JP 3219083 B2 JP3219083 B2 JP 3219083B2 JP 2000028801 A JP2000028801 A JP 2000028801A JP 2000028801 A JP2000028801 A JP 2000028801A JP 3219083 B2 JP3219083 B2 JP 3219083B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、演奏者の技量に合わ
せて演奏内容を音源駆動情報に変換する電子楽器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年の電子楽器は、楽器として高い表現
力を実現するため、様々なセンサを備え、そのセンサの
検出値に応じて楽音信号の音量,音色,効果などを制御
するようにしている。たとえば、電子鍵盤楽器の場合、
従来の鍵盤には各鍵のオン/オフを検出するセンサしか
設けられていなかったのに対し、近年の鍵盤では鍵オン
時のベロシティを検出するセンサや鍵オン中の押圧力
(アフタタッチ)を検出するセンサなどが設けられ、例
えば、ベロシティに応じて楽音信号の音量や音色を制御
し、アフタタッチに応じてビブラートなどの効果を制御
するように設定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように多くのセン
サを備えた演奏操作子を上手く操作すれば、非常に表情
のある演奏が可能になるが、その反面、技量の未熟な初
心者などはこれら多くのセンサが却って演奏の妨げにな
る場合がある。たとえば、初心者は鍵オンの強さ(ベロ
シティ)を上手くコントロールできないため、ベロシテ
ィの強弱によって楽音に表情をつけることはおろか、一
定のベロシティで演奏することもできないためベロシテ
ィセンサのない鍵盤で演奏したときよりも稚拙さが目立
つ演奏になってしまう欠点があった。
【0004】特に、近年実用化されている物理モデル音
源(特開昭63−40199号など)においてこのこと
が顕著である。物理モデル音源は、自然楽器の発音の物
理的構造、すなわち、擦弦楽器の弦の振動、管楽器の管
内の空気柱の振動、ピアノの弦の振動とフレームの共鳴
などを数値演算でシミュレートし、その演算結果の振動
波形データを楽音信号として出力するものであり、この
ような物理モデル音源を搭載した電子楽器では、音高、
演奏強度(イニシャルタッチ,アフタタッチ等)、ノー
トオン、ノートオフといった通常の電子楽器の必要な演
奏情報(通常演奏情報)に加えて、模倣しようとする自
然楽器、例えば擦弦楽器の場合には、弓の圧力と速度、
管楽器ではアンブシュアと息圧等のエネルギ情報など、
その楽器に特有の演奏情報(特別演奏情報)を音源に入
力する必要がある。これらの情報により、物理モデル音
源では、発生する振動波形に多様な表情付けが可能であ
る反面、物理モデルに安定した楽音発生動作をさせるた
めにはエネルギ情報の値をある範囲内に維持する必要が
あり、この範囲から大きく外れると物理モデルが正常に
動作しなくなってしまう。このため、物理モデルに安定
した楽音発生動作をさせるためにはエネルギ情報を微妙
に調整しつつ演奏する必要があり、演奏に熟練を要し
た。
【0005】このため、上記特別演奏情報を物理モデル
の楽音発生動作を維持するの適した範囲の値に絞り込む
ように変換して物理モデル音源に供給するようにした電
子楽器が提案されている(特開平3−225398号公
報)が、このように変換範囲を制限すると、特別演奏情
報をどのように変化させてもそれに応じて生成されるエ
ネルギ情報の変化範囲が狭くなり、演奏者が演奏操作子
で制御できる制御範囲が限定されてしまい、練習により
演奏操作に習熟しても楽器としての表現力を上げること
ができない欠点があった。さらに、習熟した演奏者は、
物理モデルの特異な動作、たとえば、管楽器のかすれた
音や弦楽器の倍音振動などのシミュレーションを利用し
た演奏を行いたい場合があるが、上記のように変換範囲
を制限するとこれが不可能になる欠点があった。
【0006】この発明は、演奏の上達の具合にあわせ
て、演奏情報の加工態様を変更し、初心者,熟練者の双
方に適した演奏が可能な電子楽器を実現することを目的
とする。
【0007】
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、演奏情報を
入力する演奏操作子と、該演奏操作子から入力される演
奏情報を所定の加工態様で加工して音源駆動情報に変換
する演奏情報加工手段と、該演奏情報加工手段から入力
される音源駆動情報に応じた楽音信号を形成出力する音
源と、前記演奏情報加工手段の加工態様を複数種類記憶
した加工態様記憶手段と、該加工態様記憶手段に記憶さ
れた複数の加工態様のなかから前記演奏情報加工手段に
供給する加工態様を前記音源が形成する楽音の振幅変動
に応じて選択する加工態様選択手段と、を備えたことを
特徴とする。
【0009】この発明は、演奏情報を入力する演奏操作
子と、該演奏操作子から入力される演奏情報を加工して
音源駆動情報に変換する演奏情報加工手段と、該演奏情
報加工手段から入力される音源駆動情報に応じた楽音信
号を形成出力する音源と、前記演奏情報加工手段の加工
態様を複数種類記憶した加工態様記憶手段と、該加工態
様記憶手段に記憶された複数の加工態様のなかから前記
演奏情報加工手段に供給する加工態様を前記音源が形成
する楽音の振幅変動に応じて選択する加工態様選択手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0010】この発明は、演奏情報を入力する演奏操作
子と、該演奏操作子から入力される演奏情報を所定の加
工態様で加工して音源駆動情報に変換する演奏情報加工
手段と、該演奏情報加工手段から入力される音源駆動情
報に応じた楽音信号を形成出力する音源と、前記演奏情
報加工手段の加工態様を複数種類記憶した加工態様記憶
手段と、該加工態様記憶手段に記憶された複数の加工態
様のなかから前記演奏情報加工手段に供給する加工態様
を前記音源が形成する楽音の周波数または振幅と前記演
奏操作子から入力された演奏情報との差または比に基づ
いて選択する加工態様選択手段と、を備えたことを特徴
とする。
【0011】この発明は、演奏情報を入力する演奏操作
子と、該演奏操作子から入力される演奏情報を所定の加
工態様で加工して音源駆動情報に変換する演奏情報加工
手段と、該演奏情報加工手段から入力される音源駆動情
報に応じた楽音信号を形成出力する音源と、前記演奏情
報加工手段の加工態様を複数種類記憶した加工態様記憶
手段と、該加工態様記憶手段に記憶された複数の加工態
様のなかから前記演奏情報加工手段に供給する加工態様
、前記音源が形成する楽音の周波数変動、前記音源が
形成する楽音の振幅変動、前記音源が形成する楽音の周
波数または振幅と前記演奏操作子から入力された演奏情
報との差または比、を含む複数の判定要素の検出値にそ
れぞれ独自の重みを乗じた値に基づいて選択する加工態
様選択手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】この発明の電子楽器は、演奏操作子から入
力した演奏情報を所定の加工態様で加工することにより
音源駆動情報に変換し、この音源駆動情報を音源に与え
て楽音信号を形成する。音源は、与えられた音源駆動情
報に応じた音量・音色・効果の楽音信号を形成出力す
る。ここで、加工態様としては、例えば、どのような
演奏情報に対しても標準的な楽音信号が形成されるよう
な態様、演奏情報をそのまま音源駆動情報として与え
演奏態様を直接楽音信号に反映するような態様など複数
の加工態様を適用することができ、これらは加工態様記
憶手段に記憶されている。
【0013】音源として、物理モデル音源を備えた場
合、演奏情報加工手段は入力された演奏情報をエネルギ
情報に変換する。物理モデル音源は入力されるエネルギ
情報の値が適正範囲でなければ正常な振動波形を出力し
ないため、加工態様を上記のように「どのような演奏
情報が入力されても上記適正範囲に補正する」ように決
定することにより、演奏が未熟な初心者が演奏しても安
定した演奏が可能になる。一方、加工態様を上記のよ
うに「入力された演奏情報の大小を強く反映して適正範
囲から外れる場合であってもそのエネルギ情報に変換す
る」ように決定することにより、演奏の自由度が大きく
なって電子楽器の表現力が向上し、高度の演奏技量に対
応した楽音信号を形成出力するようになる。
【0014】そして、演奏情報加工手段に供給する加工
態様を、楽音形成時間、楽音の周波数変動、楽音の振幅
変動、楽音と演奏情報との比較、マニュアル操作など種
々の要素に応じて選択することにより、演奏者の技量や
好みに応じて楽器の機能を設定することができ、演奏者
に最も適した設定を選択することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の実施形態である
電子楽器のブロック図である。この電子楽器は、物理モ
デル音源1を備えている。この物理モデル音源1は、振
動発生の物理的構造を数値演算でシミュレートした音源
である。物理モデル音源1は形成した振動波形を放射部
演算器14に出力する。放射部演算器14は演算結果を
物理モデル音源1にフィードバックするとともに、この
演算結果をD/A変換器(DAC)17に楽音信号とし
て出力する。DAC17は入力されたディジタルの楽音
信号をアナログの楽音信号に変換する。該アナログの楽
音信号はサウンドシステム18に入力される。サウンド
システムではこのアナログ信号を増幅して放音する。
【0016】物理モデル音源1は楽器の振動体をシミュ
レートする演算器であり、放射部演算器14は、楽器の
楽音出力部や共鳴部をシミュレートする演算器である。
ともに、DSPで構成されている。物理モデル音源1,
放射部演算器14は、適当なアルゴリズムおよび係数を
設定することにより、どのような楽器をシミュレートす
ることもできるが、説明を簡略化するために、以下の説
明では管楽器をシミュレートしているものとする。した
がって、物理モデル音源1は管楽器の管部の空気振動を
シミュレートする演算器となり、放射部演算器14は管
楽器の朝顔部の空気振動をシミュレートする演算器とな
る。物理モデル音源1は、通常演奏情報として音高情報
を入力し、エネルギ情報として息圧情報,アンブシュア
情報を入力して振動波形を形成する。物理モデル音源1
は、息圧情報が一定値を超えたときノートオンとなり一
定値を下回ったときノートオフとなる。また、息圧情報
およびアンブシュア情報の変化に応じて発音レベルや周
波数が変化する。上記通常演奏情報は鍵盤4から入力さ
れる。鍵盤4は直接物理モデル音源1に接続されてい
る。また、エネルギ情報は、加工器6が特別演奏情報を
変換することによって生成する。特別演奏情報はジョイ
スティック5から入力される。ジョイスティック5は、
x軸データとy軸データを発生する。x軸データがアン
ブシュア情報にほぼ対応し、y軸データが息圧情報にほ
ぼ対応する。加工器6は、加工テーブルおよび係数を用
いてx軸データ,y軸データをアンブシュア情報,息圧
情報に変換する。加工テーブルおよび係数は、セレクタ
10を介して係数メモリ11,テーブルメモリ12から
加工器6に入力される。係数メモリ11,テーブルメモ
リ12は、それぞれ複数種類の係数,加工テーブルを記
憶している。セレクタ10は技量判定器2から入力した
技量情報に基づいて1組の係数および加工テーブルを選
択する。この係数,加工テーブルの選択により、加工器
6の加工態様すなわち特別演奏情報→エネルギ情報の変
換態様が決定される。すなわち、セレクタ10が加工態
様決定手段に対応する。また、セレクタ10は、選択情
報として技量情報のほか音色選択情報を音色選択スイッ
チ3から、発音時間情報を後述の時間計測器13から読
み込む。音色選択情報は、音色すなわちシミュレートす
る楽器により選択すべき係数や加工テーブルが異なるた
めである。発音時間情報は、発音開始時の振動発生のた
めに必要なエネルギ情報と発音継続中の振動維持のため
に必要なエネルギ情報とは異なる場合が多いため、これ
に応じた係数や加工テーブルを選択する必要があるため
である。
【0017】加工器6が出力するエネルギ情報(アンブ
シュア情報,息圧情報)は、物理モデル音源1のほか、
時間計測器13および技量判定器2に入力される。時間
計測器13は、息圧情報が一定値を超えてノートオンと
なってからの時間(発音時間)を計測する。発音時間情
報は技量判定器2およびセレクタ10に入力される。
【0018】上述したように物理モデル音源1および放
射部演算器14は、適当なアルゴリズムおよび係数を設
定することによりどのような楽器の振動発生の物理的構
造でもシミュレートすることができる。アルゴリズム情
報および係数は、アルゴリズムメモリ8および係数メモ
リ9に複数種類ずつ記憶されている。そのうち1つがセ
レクタ7によって選択され、物理モデル音源1に入力さ
れる。セレクタ7には、音色選択スイッチ3から音色選
択情報が入力されている。音色の選択は、すなわち、シ
ミュレートする楽器の選択であるため、セレクタ7は音
色選択情報に基づいて、前記アルゴリズムメモリ8およ
び係数メモリ9から1組のアルゴリズム情報,係数を選
択する。
【0019】上述した音色選択情報,通常演奏情報,特
別演奏情報,エネルギ情報は全て技量判定器2に入力さ
れる。技量判定器2には、このほか物理モデル音源(D
SP)1のオーバーフロー情報とともに、物理モデル音
源1から放射部演算器14に出力される振動波形の周波
数情報およびレベル情報が各々周波数検出器16および
レベル検出器15から入力される。物理モデル音源1の
DSPは1〜数個の加算器および1〜数個の乗算器で構
成されており、楽器の構造をシミュレートする数値演算
は全てこの加算器,乗算器で実行される。エネルギ情報
として適正範囲から外れた値が入力されると演算結果が
オーバーフローし、DSPはオーバーフロー信号を発生
する。1サンプリングタイミングの演算で何度オーバー
フローが生じたかを物理モデル音源1が積算しており、
この値をオーバーフロー情報として技量判定器2に出力
する。したがって、この物理モデル音源1が44.1k
Hzのサンプリングクロックで動作する場合、オーバー
フロー情報は約22.7μs毎に出力されることにな
る。レベル情報はレベル検出器15によって検出され
る。周波数情報は周波数検出器16によって検出され
る。なお、オーバーフロー回数の積算を100サンプリ
ングタイミング程度継続し、約2ms毎に出力するよう
にしてもよい。技量判定器2はこれらの情報に基づいて
演奏者の演奏技量を判定する。技量判定器2は、演奏者
が適正な演奏操作をしているか否かを音色選択情報,通
常演奏情報,特別演奏情報,エネルギ情報などに基づい
て判断し、適正な楽音信号が合成されているかを周波数
情報,レベル情報に基づいて判断する。また、オーバー
フロー情報は物理モデル音源1が適正な動作をしている
か否かを判断するために用いられる。判断手法の詳細は
後述する。技量情報は、上述したようにセレクタ10に
入力される。セレクタ10は技量情報に基づいて1組の
加工テーブルおよび係数を選択し、加工器6に入力す
る。
【0020】図2は、エネルギ情報であるアンブシュア
情報と息圧情報の適正範囲および加工テーブルによる変
換範囲を示す図である。図3は加工テーブルの例を示す
図である。
【0021】図2(A)はエネルギ情報である息圧情報
とアンブシュア情報の適正範囲の関係を示す図である。
息圧情報の適正範囲とアンブシュア情報の適正範囲は図
示のように正の相関関係を有している。すなわち、アン
ブシュア情報が大きいとき息圧情報も大きく、アンブシ
ュア情報が小さいとき息圧情報も小さくしなければ物理
モデルを振動させることができない。この相関関係は発
音開始直後に大きい。発音継続中であれば、多少相関が
ずれても物理モデルの振動を維持できる。
【0022】加工テーブルは演奏者が入力する特別演奏
情報(x軸データ,y軸データ)を変換してアンブシュ
ア情報,息圧情報を生成するために使用される。図2
(B)は加工テーブルの変換範囲を示す図である。加工
テーブルは、演奏者の演奏技量などに応じて複数種類設
けられている。同図には初心者用,中級者用,上級者用
の3種類の加工テーブルの変換範囲を示している。上級
者用の加工テーブルは特別演奏情報をほぼそのままエネ
ルギ情報に変換する。すなわち、x軸データ(入力アン
ブシュア)に係数を乗じてアンブシュア情報とし、y軸
データ(入力息圧)に係数を乗じて息圧情報とする。ア
ンブシュア情報の生成にy軸データは影響せず、息圧情
報の生成にx軸データは影響しない。したがって、アン
ブシュア情報,息圧情報の両方が適正範囲になるか否か
は全く演奏者の技量に掛かっている。
【0023】これに対して、初心者用の加工テーブルは
どのような特別演奏情報の入力があっても必ず適正範囲
のエネルギ情報が生成されるように変換範囲を圧縮制限
する。このテーブルでは、x軸データ,y軸データの両
方を考慮してアンブシュア情報,息圧情報を生成するよ
うにしている。図3(A)は、この息圧情報生成用の加
工テーブルを示している。加工テーブルはx軸データ,
y軸データ,息圧情報の軸を有する3次元のテーブルで
ある。入力息圧であるy軸データが0のときはx軸デー
タ(入力アンブシュア)の大小に拘らず息圧情報は0で
ある。y軸データが立ち上がると息圧情報は速やかに適
正範囲に立ち上がる。また、その息圧情報はx軸データ
が大きくなるにつれて大きくなる。
【0024】中級者用の加工テーブルはこの中間であ
り、ある程度x軸データ,y軸データの両方を考慮して
アンブシュア情報,息圧情報を生成するが、完全に適正
範囲に納まる程度までは変換範囲制限していない。テー
ブルメモリ12にはこのような加工テーブルが記憶され
ているが、セレクタ10に入力される技量情報が大きく
なるほど、より上級向けの加工テーブルが選択されるよ
うになる。なお、図2(C)は上記適正範囲を四辺形で
模倣した簡略型の加工テーブルの変換範囲を示してい
る。また、図3(B)は同簡易型加工テーブルの例を示
している。
【0025】ここで、前記技量判定器2の技量判定方式
について説明する。技量判定器2は、物理モデル音源1
が振動波形を出力している期間に、入力される各種情報
に基づいて以下の判定要素のうち1つまたは複数を検出
し、これに基づいて技量を判定する。
【0026】鍵盤4を用いて指定した音高と物理モデ
ル音源1が出力する振動波形の周波数情報との差 上記周波数情報の揺れ具合 ジョイスティック5から入力される特別演奏情報の値
と上記振動波形のレベル情報との比 上記レベル情報のふらつき 上記特別演奏情報の値の数値範囲、および、発音時間
情報に基づいて選択された加工テーブルと上記特別演奏
情報によって生成されたエネルギ情報が適正範囲から外
れる頻度 物理モデル音源1内でオーバーフローが発生する頻度 2つ以上の判定要素の検出値にそれぞれ独自の重みを乗
じて合成した値に基づいて技量を判定するようにしても
よい。また、各判定要素の検出値にローパスフィルタ処
理等を施して過去の検出値を現在の検出値と合成するこ
とにより、ある期間にわたる検出結果を割り出し、これ
に基づいて技量を判定するようにしてもよい。
【0027】上記判定要素により、以下のような演奏技
量を判定することができる。 の判定要素:実際に発音した楽音の周波数が発音しよ
うとして指定した周波数にどの程度一致しているか の判定要素:発音を継続している間の周波数の安定度 の判定要素:特別演奏情報の入力値に見合う発音レベ
ルが得られているかどうか 特別演奏情報の入力値をうまく制御しないと物理モデル
を効率的に振動させることが出来ず、入力した特別演奏
情報のレベルに対して小さな発音レベルになってしま
う。例えば、アンブシュアが不足しているといくら息圧
を上げても十分な音量が得られないため、アンブシュア
と息圧のバランスを検出することもできる。 の判定要素:一連の音符の演奏における音量レベルの
連続性 定常レベルの発音のみならず、音量レベルが速やかに移
行するか否かでクレッシェンド,デクレッシェンド等の
技法がうまく行われているかを検出することもできる。 の判定要素:特別演奏情報を適正範囲に入れるように
ジョイスティック5がコントロールされているかどうか の判定要素:エネルギ情報を適正範囲に入れるように
コントロールされているかどうか。
【0028】なお、この実施形態では判定に用いる振動
波形を物理モデル音源1の出力から採取しているが、物
理モデルを構成するループ回路のその他の部分から取り
出したり、ループ部に供給する波形をエネルギ情報に基
づいて生成する部分等、物理モデル内のどの箇所から取
り出してもよい。また、DSPのオーバーフロー回数を
検出するようにしているが、オーバーフローのみならず
アンダーフローなどの異常レベルを全て検出するように
してもよい。
【0029】また、複数の演奏者が1台の電子楽器を使
用する場合もあるので、各演奏者毎に技量を記憶するメ
モリを用意し、演奏者が代わる毎に、検出されている前
の演奏者の技量を対応する記憶領域に記憶するととも
に、新たな演奏者の技量を対応する領域から読み出し
て、技量判定器2に設定するようにしてもよい。
【0030】また、加工手段における演奏情報の加工
は、テーブルによる方法に限らず、様々な演算式,関数
等を使用することができる。その場合、加工態様の制御
は、演算式中の係数を制御することで実現できる。その
他、複数のテーブルを適宜結合して所定の加工特性を作
るようにしてもよい。また、加工手段は、エネルギ情報
を目的とする数値範囲に完全に押し込めるものである必
要はなく、初心者レベルに対応している場合でも外れた
数値がとれるようにしてもよい。
【0031】なお、上記実施形態では技量に応じてセレ
クタ10が加工テーブルを自動的に選択しているが、図
4に示すように複数の加工テーブルと選択スイッチを備
え、選択スイッチを手動操作して加工テーブルの一つを
選択するようにしてもよい。この場合は、演奏者が自ら
思う技量に応じて、あるいは、音源をどこまで制御した
いかで使用する加工テーブルを選択することができる。
なお、図4は弦楽器の構造をシミュレートする物理モデ
ル音源を備えた例を示したため、入力されるエネルギ情
報は弓速情報,弓圧情報であるが、弦楽器以外の物理モ
デル音源を用いた場合には、それに対応する情報が入力
されるものとする。
【0032】この発明に用いる音源として、一般的に演
奏が困難な物理モデル音源を適用し、初心者であっても
平均的な楽音信号を形成出力することが可能になるとと
もに、熟練者にとっては自然楽器と同等の自由度を有し
表現力の高い電子楽器を提供することができるようにし
たが、この発明に適用される音源は物理モデル音源に限
定されるものではなく、どのような音源を適用すること
も可能である。
【0033】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、演奏情
報を音源駆動情報に変換する加工態様を楽音形成時間、
楽音の周波数変動、楽音の振幅変動、楽音と演奏情報と
の比較、マニュアル操作など種々の要素に応じて選択す
ることができるため、演奏者の技量や好みに応じて楽器
の機能を設定することができ、演奏者に最も適した設定
を選択することができる。上記の要素で演奏者の技量を
判断して加工態様を選択するようにすれば、演奏が未熟
な初心者でも安定した演奏が可能であるとともに、高度
な演奏技量を有する熟練者にとっては、自由度が高く、
高い表現力を有する電子楽器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である電子楽器のブロック
【図2】同電子楽器の加工方式を説明する図
【図3】同電子楽器の加工テーブルを示す図
【図4】加工テーブルを主導切換する電子楽器の構成を
示す図
【符号の説明】
1−物理モデル音源 2−技量判定器 6−加工器 10−(加工テーブルを選択する)セレクタ 12−テーブルメモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 7/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演奏情報を入力する演奏操作子と、 該演奏操作子から入力される演奏情報を所定の加工態様
    で加工して音源駆動情報に変換する演奏情報加工手段
    と、 該演奏情報加工手段から入力される音源駆動情報に応じ
    た楽音信号を形成出力する音源と、 前記演奏情報加工手段の加工態様を複数種類記憶した加
    工態様記憶手段と、 該加工態様記憶手段に記憶された複数の加工態様のなか
    から前記演奏情報加工手段に供給する加工態様を前記音
    源が形成する楽音の周波数変動に応じて選択する加工態
    様選択手段と、 を備えたことを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 演奏情報を入力する演奏操作子と、 該演奏操作子から入力される演奏情報を所定の加工態様
    で加工して音源駆動情報に変換する演奏情報加工手段
    と、 該演奏情報加工手段から入力される音源駆動情報に応じ
    た楽音信号を形成出力する音源と、 前記演奏情報加工手段の加工態様を複数種類記憶した加
    工態様記憶手段と、 該加工態様記憶手段に記憶された複数の加工態様のなか
    から前記演奏情報加工手段に供給する加工態様を前記音
    源が形成する楽音の振幅変動に応じて選択する加工態様
    選択手段と、 を備えたことを特徴とする電子楽器。
  3. 【請求項3】 演奏情報を入力する演奏操作子と、 該演奏操作子から入力される演奏情報を所定の加工態様
    で加工して音源駆動情報に変換する演奏情報加工手段
    と、 該演奏情報加工手段から入力される音源駆動情報に応じ
    た楽音信号を形成出力する音源と、 前記演奏情報加工手段の加工態様を複数種類記憶した加
    工態様記憶手段と、 該加工態様記憶手段に記憶された複数の加工態様のなか
    から前記演奏情報加工手段に供給する加工態様を前記音
    源が形成する楽音の周波数または振幅と前記演奏操作子
    から入力された演奏情報との差または比に基づいて選択
    する加工態様選択手段と、 を備えたことを特徴とする電子楽器。
  4. 【請求項4】 演奏情報を入力する演奏操作子と、 該演奏操作子から入力される演奏情報を所定の加工態様
    で加工して音源駆動情報に変換する演奏情報加工手段
    と、 該演奏情報加工手段から入力される音源駆動情報に応じ
    た楽音信号を形成出力する音源と、 前記演奏情報加工手段の加工態様を複数種類記憶した加
    工態様記憶手段と、 該加工態様記憶手段に記憶された複数の加工態様のなか
    から前記演奏情報加工手段に供給する加工態様を、前記
    音源が形成する楽音の周波数変動、前記音源が形成する
    楽音の振幅変動、前記音源が形成する楽音の周波数また
    は振幅と前記演奏操作子から入力された演奏情報との差
    または比、を含む複数の判定要素の検出値にそれぞれ独
    自の重みを乗じた値に基づいて選択する加工態様選択手
    段と、 を備えたことを特徴とする電子楽器。
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