JP3218897B2 - 天然ガス充填装置 - Google Patents

天然ガス充填装置

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JP3218897B2 JP29910394A JP29910394A JP3218897B2 JP 3218897 B2 JP3218897 B2 JP 3218897B2 JP 29910394 A JP29910394 A JP 29910394A JP 29910394 A JP29910394 A JP 29910394A JP 3218897 B2 JP3218897 B2 JP 3218897B2
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  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば低圧の元タンク
などから供給を受けた天然ガスを、自動車などに搭載し
たガスボンベなどの小型容器に圧縮して充填する装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、クリーンなエネルギーであるとし
て消費が伸びている天然ガスは、大気汚染の緩和が期待
できるとして自動車の燃料としても注目を浴びるように
なってきた。天然ガスを自動車用燃料として使用するた
めには、元タンクなどに多量に貯蔵している天然ガスを
小型の容器に充填する必要があるが、メタンを主成分と
する天然ガスはプロパンガスと違って容易には液化しな
いため、十分な量のガスを充填するためにはプロパンガ
スより遥かに高い圧力で充填する必要がある。
【0003】このため、この種の天然ガス充填装置とし
ては、例えば図3に示したように多量の天然ガスを貯蔵
した低圧のガスタンク50をブローダウンタンク6を介
して圧縮機7の吸入側に接続し、この圧縮機で圧縮した
天然ガスを自動車60に積載したガスボンベ61などに
所定の圧力、例えば20MPaで充填できるように構成
すると共に、20MPaと云った高圧充填完了時のまま
で充填装置側のカップリング2と自動車側のカップリン
グ64を切り離すと危険であるため、圧縮機7の吸入側
と吐出側とが電磁弁8を開放することで連通するように
構成し、所要時に吐出側の高圧ガスを吸入側の低圧のブ
ローダウンタンク6に流入させて吐出側圧力を下げ、カ
ップリング2・64を切り離し易くしている。
【0004】また、ガスボンベ61にガスを圧縮充填し
ている時に、何らかの異常が生じて吐出側の圧力が高く
なり過ぎると、電磁弁8と並列に設けたリリーフ弁10
が開放され、高圧ガスがブローダウンタンク6に流入し
て吐出側圧力を低下させる安全装置をも備えるように構
成されている。
【0005】なお、図中1と52はカップリング、3は
電磁弁、4はストレーナ、5は逆止弁、9はリリーフ
弁、11と12は圧力センサ、13は圧力スイッチ、1
4は圧力ゲージ、62は逆止弁、63は手動式の開閉弁
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構成の従
来の天然ガス充填装置においては、ガスタンク50に貯
蔵した天然ガスを圧縮充填するときには電磁弁3を開放
して電磁弁8を閉じ、ガスボンベ61への圧縮充填完了
後にカップリング2・64を切り離すときには逆止弁5
があるが、好ましくは電磁弁3を閉じた後電磁弁8を開
放して圧縮機7の吐出側圧力を低下させておく必要があ
り、充填時の制御が煩雑になっていた。また、安全を確
保するために電磁弁8とリリーフ弁10とを並列に配管
接続しており、配管構成が複雑となって施工が煩雑にな
ると云った問題点もあり、これらの解決が課題となって
いた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来技術の
課題を解決するための具体的手段として、非通電時に不
通となり、通電時に連通する第1の出入口と、非通電時
の通常時は双方向に連通し、出口側圧力−入口側圧力>
第1の所定圧力のとき出口から入口方向には不通とな
り、通電時の通常時は双方向に不通で入口側圧力−出口
側圧力>第2の所定圧力のとき、入口から出口方向には
連通する第2の出入口を備えた電磁弁の、前記第1の入
口側を低圧のガス供給源に接続し、前記第1の出口側を
ブローダウンタンクを備えた圧縮機の吸入側に接続し、
前記第2の入口側を被充填容器に接続する前記圧縮機の
吐出側に接続し、前記第2の出口側を前記圧縮機の吸入
側に接続し、且つ、前記電磁弁に通電した状態で前記圧
縮機を起動し、前記圧縮機を停止して前記電磁弁への通
電を停止する制御手段を設けた第1の構成の天然ガス充
填装置と、
【0008】入口側内端部に反入口側から接離して出入
口を開閉する開閉手段を備えて、非通電時に不通とな
り、通電時に連通する第1の出入口と、非通電時の通常
時は双方向に連通し、出口側圧力−入口側圧力>第1の
所定圧力のとき出口から入口方向には不通となり、通電
時の通常時は双方向に不通で入口側圧力−出口側圧力>
第2の所定圧力のとき、入口から出口方向には連通する
第2の出入口を備えた電磁弁の、前記第1の入口側を低
圧のガス供給源に接続し、前記第1の出口側をブローダ
ウンタンクを備えた圧縮機の吸入側に接続し、前記第2
の入口側を被充填容器に接続する前記圧縮機の吐出側に
接続し、前記第2の出口側を前記圧縮機の吸入側に接続
し、且つ、前記電磁弁に通電した状態で前記圧縮機を起
動し、前記圧縮機を停止して前記電磁弁への通電を停止
する制御手段を設けた第2の構成の天然ガス充填装置
と、
【0009】前記第1または第2の構成の天然ガス充填
装置において、電磁弁が圧縮機に設置されるようにした
第3の構成の天然ガス充填装置と、
【0010】前記第1または第2の構成の天然ガス充填
装置において、電磁弁が第1および第2の入口を水平方
向に向けて圧縮機に設置されるようにした第4の構成の
天然ガス充填装置と、を提供することにより、前記した
従来技術の課題を解決するものである。
【0011】
【作用】通電時に電磁弁の第1の出入口が連通して圧縮
機の吸入側が低圧ガス供給源に接続され、第2の出入口
が不通となって圧縮機の吐出側と吸入側とが遮断される
ので、電磁弁に通電して圧縮機を起動させると、圧縮機
の吸入側に接続したガスタンクなどに貯蔵した低圧の天
然ガスが、圧縮機の吐出側に接続した被充填容器に圧縮
して充填される。
【0012】非通電時には電磁弁の第1の出入口が不通
になって圧縮機の吸入側と低圧ガス供給源との接続が切
れ、第2の出入口が連通して圧縮機の吐出側と吸入側と
が連通するので、被充填容器に所定の圧力、例えば20
MPaで天然ガスが圧縮充填されると、電磁弁への通電
を停止すれば圧縮機の吐出側に溜っていた高圧ガスが圧
縮機のブローダウンタンクに流入するので、吐出側の圧
力が低下し被充填容器の切り離しが安全に行えるように
なる。
【0013】また、電磁弁に通電し、第1の出入口を連
通させ、第2の出入口を不通にして行う天然ガスの圧縮
充填時に圧縮機の吐出側圧力、すなわち第2の入口側圧
力が所定の圧力を越えて上昇し、第2の出入口が入口側
圧力−出口側圧力>第2の所定圧力となると、第2の出
入口は入口から出口方向に連通するので、吐出側の高圧
ガスがブローダウンタンクに流入して高圧側圧力が低下
し、危険防止が図られる。
【0014】また、電磁弁への非通電時に、第2の出入
口で出口側圧力−入口側圧力>第1の所定圧力となる
と、連通していたこの部分が不通になるので、次回の充
填に備えて待機しているときなどに、吐出側の圧力が急
に下がって吸入側と吐出側の間に大きな圧力差を生じて
も、ブローダウンタンクに流入して蓄えた天然ガスが電
磁弁・吐出側配管を介して大気中に漏れ出ると云ったこ
とが防止される。
【0015】また、第2の構成の天然ガス充填装置にお
いては、第1の出入口で出口側圧力が入口側圧力より高
いと、開閉手段が入口側内端部に押圧されて第1の出入
口が不通となるので、電磁弁への通電を停止して圧縮機
の吐出側に溜っていた高圧ガスを圧縮機のブローダウン
タンクに流入させたとき、ブローダウンタンク側がガス
タンク側より高圧になるが天然ガスがガスタンクに逆流
することがない。
【0016】
【実施例】以下、図1と図2に基づいて本発明の一実施
例を詳細に説明する。なお、理解を容易にするため、こ
れらの図においても前記図3において説明した部分と同
様の機能を有する部分には、同一の符号を付した。
【0017】図1に例示した本発明の天然ガス充填装置
は、ブローダウンタンク6を例えば下部に備えると共
に、詳細を図2に示す電磁弁8Aを上部に備えた圧縮機
7により、ガスタンク50に貯蔵されている低圧(例え
ば、大気圧より僅かに高い程度)の天然ガスを、自動車
60などに積載した小型ガス容器としてのガスボンベ6
1に圧縮充填するものである。
【0018】図2において、20は金属材料で成形され
た弁本体であり、この弁本体20は第1のガス入口21
aおよび第2のガス入口21bを左右両端面にそれぞれ
開口した第1の入口側流体通路23aと第2の入口側流
体通路23bとが図面横方向に形成され、前記第1の入
口側流体通路23aは内端部において交差し図面下方に
開口した第1のガス出口22aに連通する第1の出口側
流体通路24aの内端部に連通可能に形成され、前記第
2の入口側流体通路23bは内端部において弁孔25・
弁室26を介して、これも図面下方に開口した第2のガ
ス出口22bに連通する第2の出口側流体通路24bの
内端部に連通可能に形成されている。
【0019】また、31は電磁装置であり、この電磁装
置31は電磁コイル32とこの電磁コイル32の中心位
置に配設された固定鉄心33とで構成され、この電磁コ
イル32への通電による励磁により前記固定鉄心33に
引き寄せられるプランジャー34が前記弁室26に挿設
され、このプランジャー34の内部に前記弁孔25と対
向する側(図面左側)に一端が支持されたストッパー3
5と、このストッパー35に図面左側の一端が支持され
てその外周部に配設された第1のスプリング36とが挿
設されると共に、この第1のスプリング36により外方
(図面右方向)に押圧され、前記弁孔25に接して弁孔
25を閉鎖可能な球状部28を有する弁体29が球状部
28の先端部を突出して弁孔25に接離可能に嵌合され
ている。
【0020】さらに、プランジャー34の図面左側端部
が、第1の入口側流体通路23aと第1の出口側流体通
路22aとの連通部分を適宜開閉する開閉手段37の図
面右側端部と螺合により一体化され、且つ、この一体化
されたプランジャー34と開閉手段37とを、前記電磁
装置31への通電がなく電磁コイル32が励磁されてい
ないときに固定鉄心33から離間する方向(図面左方
向)に付勢可能に第2のスプリング38が設けられてい
る。
【0021】なお、一体化されたプランジャー34・開
閉手段37が図面左方向に移動すると、第1の入口側流
体通路23aと第1の出口側流体通路24aとの連通が
遮断される一方、弁体29が弁孔25から離間して第2
の入口側流体通路23bと第2の出口側流体通路24b
とが連通し、プランジャー34・開閉手段37が図面右
方向に移動すると、第1の入口側流体通路23aと第1
の出口側流体通路24aとが連通する反面、弁体29が
弁孔25を塞いで第2の入口側流体通路23bと第2の
出口側流体通路24bとが不通になる寸法に形成されて
いる。
【0022】すなわち、電磁弁8Aは一体化されたプラ
ンジャー34・開閉手段37が図面左方向に移動する
と、第1のガス入口21aと第1のガス出口22aとが
不通となる一方で第2のガス入口21bと第2のガス出
口22bとが連通し、プランジャー34・開閉手段37
が図面右方向に移動すると、今度は第1のガス入口21
aと第1のガス出口22aとが連通して、第2のガス入
口21bと第2のガス出口22bとが逆に不通となるも
のである。
【0023】また、プランジャー34と一体化された開
閉手段37は、フリーな状態で第1のガス入口21aの
側から圧力を受けると第1の入口側流体通路23aの内
端部から反入口側に離間して、第1の入口側流体通路2
3aと第1の出口側流体通路24aとを連通させ、第1
のガス出口22a側から圧力を受けると第1の入口側流
体通路23aの内端部に押圧されて、第1の入口側流体
通路23aと第1の出口側流体通路24aの不通を確実
にする挙動が可能なように配設されている。
【0024】なお、第1のスプリング36による付勢力
がリリーフ圧力に関係し、弁体29の弁孔25径に対応
する断面積と、一次側となる第2の入口側流体通路23
bのガス圧力(高圧側圧力)および2次側となる第2の
出口側流体通路24bのガス圧力(低圧側圧力)の圧力
差と、安全係数との積で得られるものであるが、この場
合は前記圧力差が例えば22MPa以上で弁体29が図
面左方向に押圧され、弁孔25を開放するように構成さ
れている。また、第2のスプリング38が図面左方向に
与える付勢力は、電磁装置31による図面右方向への引
き寄せ力よりは弱くなっている。
【0025】また、前記電磁装置31に対する通電がな
く、したがってプランジャー34・開閉手段37が図面
左方向に移動して第2のガス入口21bと第2のガス出
口22bとが双方向に連通している状態で、第2の出口
側流体通路24bのガス圧力が第2の入口側流体通路2
3bのガス圧力より上昇し、第2のガス出口22bから
第2のガス入口21bの方向にガスが多量に流れ始める
と、流速が増して圧力低下する弁孔25の部分に弁体2
9が吸引されて弁孔25が封鎖され、第2のガス出口2
2bから第2のガス入口21b方向には不通となるよう
に前記第2のスプリングが構成されている。
【0026】そして、電磁装置31のプランジャー34
を引き寄せる固定鉄心33の弁孔25側に、プランジャ
ー34を案内するガイドチューブ40の上端部が螺合固
着されている。また、要部にはフッ素樹脂製などのOリ
ングを適宜配設して、気密性が確保されている。
【0027】したがって、上記構成の電磁弁8Aは、電
源がオフで電磁装置31に通電がない電磁コイル32の
非励磁時には、第2のスプリング38の付勢力によりプ
ランジャー34・開閉手段37は固定鉄心33から離反
する図面左方向に押圧移動されて、第1のガス入口21
aと第1のガス出口22aとが不通となり、第2のガス
入口21bと第2のガス出口22bとが連通する。
【0028】一方、電磁装置31に通電して電磁コイル
32を励磁すると、プランジャー34・開閉手段37は
第2のスプリング38の図面左方向への付勢力に抗して
固定鉄心33に引き寄せられ、弁体29が第1のスプリ
ング36の付勢力により図面右方向に押圧されて弁孔2
5を塞ぎ、前記第2のガス入口21bと前記第2のガス
出口22bとが不通になる。
【0029】但し、電源がオフで通電のない電磁装置3
1の非励磁時で第2のガス入口21bと第2のガス出口
22bとが連通しているときに、第2の出口側流体通路
24bの圧力が第2の入口側流体通路23bの圧力より
高くなると、弁体29が弁孔25を塞いで第2のガス出
口22bと第2のガス入口21bとが不通となり、通電
時の電磁装置31の励磁動作で第2のガス入口21bと
第2のガス出口22bとが不通になっているときに、第
2の入口側流体通路23bの圧力が第2の出口側流体通
路24bの圧力より高く(この場合は22MPa以上)
なると、弁孔25から弁体29に作用する圧力で弁体2
9は第1のスプリング36の付勢力に抗して図面左方向
に押圧され、弁孔25が開いて第2のガス入口21bと
第2のガス出口22bとが連通するようになっている。
【0030】すなわち、この電磁弁8Aは電源オフの非
通電時に第1のガス入口21aと第1のガス出口22a
とが不通になり、第2のガス入口21bと第2のガス出
口22bとが連通し(但し、第2の出口側流体通路24
bの圧力が第2の入口側流体通路23bの圧力より高く
なると、第2のガス出口22bから第2のガス入口21
b方向には不通となる)、電源オンの通電時には第1の
ガス入口21aと第1のガス出口22aとが連通して、
第2のガス入口21bと第2のガス出口22bとが不通
になり、さらに、通電時の電磁装置31の励磁動作で第
2のガス入口21bと第2のガス出口22bとが遮断さ
れているときに、第2のガス入口21bの側の圧力が第
2のガス出口22bより所定の圧力、この場合は22M
Paを越えて上昇すると、弁孔25から弁体29に作用
する圧力で弁体29は第1のスプリング36の付勢力に
抗して図面左方向に押圧されて弁孔25が開き、第2の
ガス入口21bと第2のガス出口22bとが連通する。
【0031】16は、図示しないボタンスイッチなどを
操作することによって圧縮機7の起動/停止を行うため
の制御器であり、圧縮機7が起動する直前に電磁弁8A
に通電し、圧力センサ12が計測する吐出側配管、すな
わち圧縮機7の吐出側とカップリング2との間の圧力が
所定圧、例えば20MPaに達すると、運転中であった
圧縮機7を停止させると共に、電磁弁8Aへの通電を停
止するようにも設けられている。
【0032】なお、圧縮機7の運転は、圧力スイッチ1
3が動作することによっても圧縮機7に供給する電源が
自動的に遮断され、自動停止するように設けられてい
る。また、圧力スイッチ13が動作する圧力は、通常2
0MPa+α、例えば21MPa程度にセットされる。
そして、圧力スイッチ13の動作によって圧縮機7が自
動停止したときにも、電磁弁8Aへの通電を停止するよ
うに前記制御器16は設けられている。
【0033】上記機器構成になる本発明の天然ガス充填
装置を用いて、例えばガスタンク50に貯蔵されている
低圧(例えば、大気圧より僅かに高い程度)の天然ガス
を、自動車60に積載した小型ガス容器としてのガスボ
ンベ61に圧縮充填する要領を以下に説明する。
【0034】カップリング1は、ガスタンク50から配
管されたガス導入管51の先端に設けたカップリング5
2と一般には常時接続しておき、他方のカップリング2
を天然ガスの補充が必要になった自動車60のカップリ
ング64に接続する。
【0035】自動車60の開閉弁63を開ける前に、圧
力センサ12または圧力ゲージ14によって先ず吐出側
配管内の圧力変化を監視する。圧力センサ12と圧力ゲ
ージ14とは、前回のガス充填時に吐出側配管内に残留
した天然ガスの圧力を検出していたので、前記接続後に
圧力低下が確認されると、カップリング2と64との接
続部でガス漏れが生じているので、警報機17を動作し
てこれを報知する。
【0036】そして、例えば圧力センサ12が計測する
圧力の変化の速度と幅とが所定値以下であることを、制
御器16の図示しない比較演算部で確認したり、圧力ゲ
ージ14によって目視で確認されたとき、開閉弁63を
手動で開ける。
【0037】なお、カップリング2と64との接続部で
ガス漏れが起こっていることが確認されたときには、接
続し直したり、カップリング2・64の補修など、適宜
の処置を行って、以下の操作を行うことになる。
【0038】開閉弁63を開放し、カップリング2・6
4を接続したときと同様に吐出側配管内圧力の変化を監
視し、逆止弁62が正常に機能しているか否かを確認す
る。逆止弁62が不調でガス漏れがあれば、吐出側配管
内の圧力が上昇するので、この場合も警報機17を動作
してこれを報知し、充填操作を中断する。
【0039】吐出側配管内の圧力変化が正常範囲内にあ
ることを確認したのち、制御器16を操作して圧縮機7
を起動させる。
【0040】圧縮機7が起動すると、ガスタンク50に
貯蔵されている天然ガスが、ガス導入管51、圧縮機7
の起動に先立って通電制御された電磁弁8Aの連通する
第1のガス入口21aと第1のガス出口22aおよび逆
止弁5を介して圧縮機7に流入し、ここで圧縮されてカ
ップリング2・64・開閉弁63・逆止弁62を通って
ガスボンベ61に圧縮充填される。
【0041】ガスボンベ61に充填された天然ガスの量
が増えるに伴って、圧力センサ12が計測する圧力が上
昇し、所定の圧力、この場合は20MPaに達すると、
制御器16が送信する制御信号によって圧縮機7の運転
が自動的に停止される。なお、ガス充填中の吐出側配管
内の圧力は、圧力ゲージ14によって目視で確認するこ
とができる。
【0042】圧縮機7の運転が停止すると、制御器16
が送信する制御信号に基づいて電磁弁8Aへの通電を停
止し、第1のガス入口21aと第1のガス出口22aと
を不通にすると共に、第2のガス入口21bと第2のガ
ス出口22bとを連通させて、吐出側配管内に20MP
aに圧縮されて残留している高圧の天然ガスをブローダ
ウンタンク6に流入させ、高圧側配管の圧力を下げる。
【0043】ブローダウンタンク6は、吐出側配管の内
容積に比べて十分大きく、例えば6リットル程度の内容
積に形成してあるので、逆止弁5と62との間の圧力、
すなわち圧力センサ11・12が計測する圧力は300
kPa程度に低下する。
【0044】このとき、ブローダウンタンク6とガスタ
ンク50との間には300kPa程度の圧力差が生じる
が、開閉手段37が第1の入口側流体通路23aの内端
部に強い力で押圧されて、第1のガス出口22aと第1
のガス入口21aとの不通を確実にしているので、ブロ
ーダウンタンク6の側からガスタンク50の側に天然ガ
スが逆流する懸念は全くない。
【0045】そして、電磁弁8Aに再度通電し、第2の
ガス入口21bと第2のガス出口22bとを遮断した状
態で圧力センサ11・12が計測する圧力の変化を暫く
監視し、変化の速度と幅とが共に所定値以下であること
を確認し、その後開閉弁63を手動で閉じる。吐出側配
管内の圧力変化は、圧力ゲージ14によって目視で確認
しても良い。
【0046】なお、第2のガス入口21bと第2のガス
出口22bとを不通にした状態で、吐出側配管内で圧力
の上昇が確認されたときには、充填前にガス漏れが検知
されていなくても、高圧充填後に逆止弁62にガス漏れ
が起こっているので、この場合も警報機17を動作して
これを報知し、運転手に伝えて逆止弁62の速やかな修
理を促す。
【0047】そして、最後にカップリング2と64とを
切り離し、一連の天然ガス充填操作を終了する。カップ
リング2と64との切り離しは、吐出側配管内の圧力が
前記したように300kPa程度にまで低下しているの
で、危険は全くない。
【0048】なお、上記天然ガスの充填作業が終了し、
次の充填に備えて待機しているときに何らかの異常で吐
出側配管内の圧力が急に下がって第2の出口側流体通路
24bと第2の入口側流体通路23bとの間で大きな圧
力差が生じても、電磁弁8Aは第2のガス出口22bか
ら第2のガス入口21bの方向には不通となるので、圧
縮充填後にブローダウンタンク6に戻した天然ガスが電
磁弁8Aを通って漏れ出ることはない。
【0049】また、電磁弁8Aに通電して第2のガス入
口21bと第2のガス出口22bとを不通にし、圧縮機
7を起動して天然ガスの圧縮充填を行っているときに、
圧力センサ12・圧力スイッチ13などが不調で吐出側
配管内の圧力が吸入側配管の圧力より所定圧力(この場
合は22MPa)を越えて高くなり始めると、弁体29
が図面左方向に押圧されて弁孔25が開孔し、第2のガ
ス入口21bと第2のガス出口22bとが連通するので
吐出側配管の異常な圧力上昇が防止される。
【0050】ところで、逆止弁62が不調でガス漏れが
あるとガス充填の前に確認されたときには、逆止弁62
を修理したり、正常なものに取り替えたのち充填するの
が望ましいが、電磁弁8Aへの通電が手動で停止できる
ように制御器16をセットして充填するようにすれば、
圧縮機7が所定の20MPaに達して自動停止したあ
と、開閉弁63を先に閉じ、次に電磁弁8Aへの通電を
停止して第2のガス入口21bと第2のガス出口22b
とを連通させることができるので、圧縮機7の吐出側と
開閉弁63との間の吐出側配管内に残っている高圧の天
然ガスをブローダウンタンク6に流入させることが可能
であり、ガスボンベ61からの逆流を防止して、吐出側
配管内の圧力を安全に低下させることができる。
【0051】また、リリーフ弁9は電磁弁8Aを介して
圧縮機7の吐出側から吸入側に流入した天然ガスによっ
て、耐圧構造となっていないブローダウンタンク6内の
圧力が所定圧、例えば600kPaに上昇したときに開
放され、ブローダウンタンク6に溜った天然ガスを例え
ば大気中に放出してこれを保護するものである。
【0052】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱
しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、圧
縮機とたった一つの電磁弁に対する通電のオン/オフ制
御によって、低圧のガスタンクになどに貯蔵した天然ガ
スを自動車などに積載したガスボンベなどに安全に圧縮
充填することが可能になり、装置の製作、設置および制
御が極めて容易になった。
【0054】また、第2の構成の天然ガス充填装置にお
いては、第1の出入口で出口側圧力が入口側圧力より高
いと、開閉手段が入口側内端部に押圧されて第1の出入
口が不通となるので、電磁弁への通電を停止して圧縮機
の吐出側に溜っていた高圧ガスを圧縮機のブローダウン
タンクに流入させたとき、ブローダウンタンク側がガス
タンク側より高圧になるが天然ガスがガスタンクに逆流
することがない。
【0055】また、電磁弁が第1および第2の入口を水
平方向に向けて圧縮機の上部に設置された天然ガス充填
装置においては、従来装置に比べて大幅に小型化するこ
とが可能であり、省スペース化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す説明図である。
【図2】 本発明の一実施例に使用した電磁弁の縦断正
面図である。
【図3】 従来技術を示す説明図である。
【符号の説明】
1・2 カップリング 3 電磁弁 4 ストレーナ 5 逆止弁 6 ブローダウンタンク 7 圧縮機 8A 電磁弁 9 リリーフ弁 11・12 圧力センサ 13 圧力スイッチ 14 圧力ゲージ 15 開閉弁 16 制御器 17 警報機 20 弁本体 21a 第1のガス入口 21b 第2のガス入口 22a 第1のガス出口 22b 第2のガス出口 23a 第1の入口側流体通路 23b 第2の入口側流体通路 24a 第1の出口側流体通路 24b 第2の出口側流体通路 25 弁孔 26 弁室 29 弁体 31 電磁装置 32 電磁コイル 33 固定鉄心 34 プランジャー 35 ストッパー 36 第1のスプリング 37 開閉手段 38 第2のスプリング 50 ガスタンク 51 ガス導入管 52 カップリング 60 自動車 61 ガスボンベ 62 逆止弁 63 開閉弁 64 カップリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000196680 西部瓦斯株式会社 福岡県福岡市博多区千代1丁目17番1号 (72)発明者 西川 弘 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 田島 祥人 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 杉原 篤典 東京都港区海岸1−5−20東京瓦斯株式 会社内 (72)発明者 小林 明文 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 服部 学 愛知県東海市新宝町507−2東邦瓦斯株 式会社総合技術研究所内 (72)発明者 吉田 時男 福岡県福岡市博多区千代1丁目17番1号 西部瓦斯株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−196166(JP,A) 特開 平6−159595(JP,A) 特開 平7−133894(JP,A) 特開 平6−174197(JP,A) 特開 平3−172700(JP,A) 特開 平4−224399(JP,A) 実開 昭60−167900(JP,U) 実開 平4−64700(JP,U) 実開 平4−65651(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F17C 5/00 - 5/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非通電時に不通となり、通電時に連通す
    る第1の出入口と、非通電時の通常時は双方向に連通
    し、出口側圧力−入口側圧力>第1の所定圧力のとき出
    口から入口方向には不通となり、通電時の通常時は双方
    向に不通で入口側圧力−出口側圧力>第2の所定圧力の
    とき、入口から出口方向には連通する第2の出入口を備
    えた電磁弁の、前記第1の入口側を低圧のガス供給源に
    接続し、前記第1の出口側をブローダウンタンクを備え
    た圧縮機の吸入側に接続し、前記第2の入口側を被充填
    容器に接続する前記圧縮機の吐出側に接続し、前記第2
    の出口側を前記圧縮機の吸入側に接続し、且つ、前記電
    磁弁に通電した状態で前記圧縮機を起動し、前記圧縮機
    を停止して前記電磁弁への通電を停止する制御手段を設
    けたことを特徴とする天然ガス充填装置。
  2. 【請求項2】 入口側内端部に反入口側から接離して出
    入口を開閉する開閉手段を備えて、非通電時に不通とな
    り、通電時に連通する第1の出入口と、非通電時の通常
    時は双方向に連通し、出口側圧力−入口側圧力>第1の
    所定圧力のとき出口から入口方向には不通となり、通電
    時の通常時は双方向に不通で入口側圧力−出口側圧力>
    第2の所定圧力のとき、入口から出口方向には連通する
    第2の出入口を備えた電磁弁の、前記第1の入口側を低
    圧のガス供給源に接続し、前記第1の出口側をブローダ
    ウンタンクを備えた圧縮機の吸入側に接続し、前記第2
    の入口側を被充填容器に接続する前記圧縮機の吐出側に
    接続し、前記第2の出口側を前記圧縮機の吸入側に接続
    し、且つ、前記電磁弁に通電した状態で前記圧縮機を起
    動し、前記圧縮機を停止して前記電磁弁への通電を停止
    する制御手段を設けたことを特徴とする天然ガス充填装
    置。
  3. 【請求項3】 電磁弁が圧縮機に設置された請求項1ま
    たは2記載の天然ガス充填装置。
  4. 【請求項4】 電磁弁が第1および第2の入口を水平方
    向に向けて圧縮機に設置された請求項1または2記載の
    天然ガス充填装置。
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