JP3572167B2 - 充填用複合弁装置および充填装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の弁装置を複合した充填用複合弁装置およびこの充填用複合弁装置を備え、流体供給源側からの流体を被充填対象物に充填する充填装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図5に示すような、流体、例えば天然ガスを、天然ガス供給源から被充填対象物としての自動車のタンクに充填する充填装置1が知られている。
【0003】
この従来の充填装置1は、充填系Aとブローダウン系Bとを有している。
【0004】
そして、この充填装置1の充填系Aは、まず、流体供給源としての天然ガス供給源2側に接続された供給源側流路3と、この供給源側流路3に接続された充填用複合弁装置4の弁本体内に形成された弁内充填流路4aとを有している。
【0005】
そして、この供給源側流路3の途中には、この供給源側流路3内の天然ガスの圧力を検出する低圧圧力センサ5が設けられている。また、充填用複合弁装置4内の弁内充填流路4aの途中には、第1の弁装置6が設けられている。そして、この充填用複合弁装置4の弁本体内に設けた第1の弁装置6は、この弁内充填流路4aを連通、遮断する。
【0006】
また、充填系Aは、充填用複合弁装置4内の弁内充填流路4aに接続された弁側充填流路7と、この弁側充填流路7に接続された低圧タンク8と、この低圧タンク8に流路9にて接続された圧送手段としての圧縮機10と、この圧縮機10に接続された対象物側充填流路11とを有している。
【0007】
そして、この対象物側充填流路11の先端側が、充填に際して、フィルタ12を介して被充填対象物である自動車のタンク13に接続される。
【0008】
さらに、この弁側充填流路7の途中には、低圧タンク8側から充填用複合弁装置4側に天然ガスが逆流することを防止する逆止弁装置15が設けられているとともに、天然ガス供給源2側からの天然ガスに混じった不純物を除去するフィルタ16が設けられている。
【0009】
さらに、この弁側充填流路7に弁用流路17を介して連通して低圧側圧力制御弁装置18が設けられている。この低圧側圧力制御弁装置18は、流路の目詰まり、圧縮機10の異常運転等が原因で、圧縮機10の吸入側である弁側充填流路7内の天然ガスの圧力が設定圧力以上に上昇したときに、この天然ガスを天然ガス供給源2側に還流して、この圧縮機10の吸入側内の天然ガスの圧力を低下される。
【0010】
また、圧縮機10の吐出側である対象物側充填流路11の途中には、この対象物側充填流路11内の天然ガスの圧力を検出する高圧圧力センサ19が設けられている。
【0011】
一方、充填装置1のブローダウン系Bは、対象物側充填流路11の途中に接続された対象物側ブローダウン流路21と、この対象物側ブローダウン流路21に接続された充填用複合弁装置4の弁本体内に形成された弁内ブローダウン流路4bと、この弁内ブローダウン流路4bに接続された弁側ブローダウン流路22とを有している。なお、この弁側ブローダウン流路22の下流側は、低圧タンク8に接続されている。
【0012】
そして、この充填用複合弁装置4内の弁内ブローダウン流路4bの途中には、第2の弁装置26が設けられている。この第2の弁装置26は、この弁内ブローダウン流路4bを連通、遮断する。
【0013】
なお、この第2の弁装置26は、第の1弁装置6の遮断時に弁内ブローダウン流路4bを連通するとともに、第の1弁装置6の連通時に弁内ブローダウン流路4bを遮断する。すなわち、充填系Aの弁内充填流路4aに設けた第1の弁装置6と、ブローダウン系Bの弁内ブローダウン流路4bに設けた第2の弁装置26とは、充填用複合弁装置4の弁本体に設けた電磁装置27の駆動により、互いに反対に連動して動作する。
【0014】
また、この充填用複合弁装置4内の弁内ブローダウン流路4bと並列的に高圧側圧力制御弁装置28が設けられている。この高圧側圧力制御弁装置28は、圧縮機10の吐出側である弁内ブローダウン流路4b内の天然ガスの圧力が設定圧力以上に上昇すると開成し、この高圧の天然ガスを開放して、弁側ブローダウン流路22を介して低圧タンク8に送り、この圧縮機10の吐出側内の天然ガスの圧力を低下される。
【0015】
そして、充填系Aとブローダウン系Bとを有した充填装置1を用いて、天然ガス供給源2から自動車のタンク13に天然ガスを充填する場合には、対象物側充填流路11の先端側を自動車のタンク13に接続した後、電磁装置27の駆動により、第1の弁装置6を開成させるとともに第2の弁装置26を閉塞させて、圧縮機10を駆動する。この圧縮機10の駆動により、天然ガス供給源2側からの天然ガスが、第1の弁装置6、逆止弁装置15、フィルタ16、低圧タンク8、圧縮機10等を介して、自動車のタンク13に送り込まれる。
【0016】
こうして、自動車のタンク13への天然ガスの充填が行われるが、この自動車のタンク13への充填が進むにつれ、圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が上昇する。そして、圧縮機10の吐出側に設けた高圧圧力センサ19にて、この吐出側の天然ガスの圧力が所定値に達したと検知されると、この検知信号に基づき圧縮機10が停止する。
【0017】
次いで、電磁装置27が停止すると、第1の弁装置6を閉塞するとともに第2の弁装置26が開口して、圧縮機の吐出側の天然ガスが、第2の弁装置26を介して低圧タンク8に流れ込み、この圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が低下する。
【0018】
なお、例えば、圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が所定値に達したにも拘らず圧縮機10が駆動し続け、この天然ガスの圧力が高圧側圧力制御弁装置28の設定圧力に達したときには、充填用複合弁装置4の弁本体内に設けた高圧側圧力制御弁装置28が働く。
【0019】
また一方、圧縮機10の吸入側の天然ガスの圧力が異常上昇し、低圧側圧力制御弁装置18の設定圧力に達したときには、充填用複合弁装置4の弁本体外に設けた低圧側圧力制御弁装置18が働き、また、充填用複合弁装置4の弁本体外に設けた逆止弁装置15は、低圧タンク8側から充填用複合弁装置4側に天然ガスが逆流することを防止し、さらに、充填用複合弁装置4の弁本体外に設けたフィルタ16は、天然ガス供給源2側からの天然ガスに混じった不純物を除去する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の充填装置1のように、充填用複合弁装置4の弁本体内に、第1の弁装置6および第2の弁装置26と、高圧側圧力制御弁装置28とを設けるとともに、充填用複合弁装置4の弁本体に、弁用流路17を用いて低圧側圧力制御弁装置18と、弁側充填流路7を用いて逆止弁装置15とを配管により接続した構成では、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて複数の弁装置を接続する必要があるため、部品点数が多く、配管系の施工が複雑である。また、充填装置自体も複雑となり寸法が大きい問題を有している。
【0021】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、配管系の施工を簡単にする充填用複合弁装置および配管系の施工が簡単であり装置自体を簡素で寸法が小さい充填装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の充填用複合弁装置は、流体供給源側に接続される第1の入口、この第1の入口に連通されるとともに被充填対象物側に接続される共通出口、この共通出口に連通されるとともに被充填対象物側に接続される第2の入口、および、前記共通出口に連通される還流用出口が形成された弁本体と、この弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間を連通、遮断する第1の弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記第2の入口と前記共通出口との間を前記第1の弁装置の遮断時に連通するとともにこの第1の弁装置の連通時に遮断する第2の弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記第2の入口と前記共通出口との間を短絡連通して圧力を低下させる高圧側圧力制御弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記共通出口と還流用出口との間を短絡連通して圧力を低下させる低圧側圧力制御弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間に位置して前記共通出口から前記第1の入口へ流体が逆流することを防止する逆止弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間で前記逆止弁装置より前記第1の入口側に位置するフィルタとを具備したものである。
【0023】
そして、流体供給源から被充填対象物に流体を充填する場合には、第1の弁装置により、第1の入口と共通出口との間が連通され、流体供給源側からの流体は、第1の入口から共通出口へ流れて被充填対象物に送り込まれるとともに、第2の弁装置により、第2の入口と共通出口との間が遮断され、流体は、被充填対象物が接続される第2の入口から共通出口へ流れない。また、第2の入口側の流体の圧力が、設定圧力以上に上昇すると、高圧側圧力制御弁装置により、第2の入口と共通出口との間が短絡連通されて圧力が低下する。そして、被充填対象物への充填が完了した場合には、第2の弁装置により、第2の入口と共通出口との間が連通され、流体は、第2の入口から共通出口へ流れ、被充填対象物を取り外しても、流体が大気中に放出されることを防止する。なお、逆止弁装置により共通出口から第1の入口へ流体が逆流することを防止する。また、弁本体の共通出口側の流体の圧力が、設定圧力以上に上昇すると、低圧側圧力制御弁装置により、共通出口と還流用出口との間が短絡連通され、圧力が低下する。このように、一つの弁本体に、第1の弁装置および第2の弁装置と、低圧側圧力制御弁装置および高圧側圧力制御弁装置と、逆止弁装置とが設けられたため、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて、各弁装置を接続する必要がなくなり、配管系の施工が簡単になる。
【0024】
請求項2記載の充填用複合弁装置は、流体供給源側に接続される第1の入口、この第1の入口に連通されるとともに被充填対象物に前記流体供給源側からの流体を吐出側から送り込み充填が完了すると停止する圧送手段の吸入側に接続される共通出口、この共通出口に連通されるとともに前記圧送手段の吐出側に接続される第2の入口、および、前記共通出口に連通される還流用出口が形成された弁本体と、この弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間を前記被充填対象物に流体を充填する際に連通し、かつ、前記圧送手段が停止したときに遮断する第1の弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記第2の入口と前記共通出口との間を前記被充填対象物に流体を充填する際に遮断し、かつ、前記圧送手段が停止すると連通する第2の弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記圧送手段の吐出側の流体の圧力が設定圧力以上に上昇したときに、前記第2の入口と前記共通出口との間を短絡連通して前記圧送手段の吐出側の流体の圧力を低下させる高圧側圧力制御弁装置と、前記弁本体内に設けられ、前記圧送手段の吸入側の流体の圧力が設定圧力以上に上昇したときに、前記共通出口と還流用出口との間を短絡連通して前記圧送手段の吸入側の流体の圧力を低下させる低圧側圧力制御弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間に位置して前記共通出口から前記第1の入口へ流体が逆流することを防止する逆止弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間で前記逆止弁装置より前記第1の入口側に位置するフィルタとを具備したものである。
【0025】
そして、流体供給源から被充填対象物に流体を充填する場合には、第1の弁装置により、第1の入口と共通出口との間が連通され、流体供給源側からの流体は、第1の入口から共通出口へ流れ、弁本体および圧送手段を介して被充填対象物に送り込まれるとともに、第2の弁装置により、第2の入口と共通出口との間が遮断され、圧送手段の吐出側からの流体は、第2の入口から共通出口へ流れない状態になる。この状態で、圧送手段の吐出側の流体の圧力が設定圧力以上に上昇したときには、高圧側圧力制御弁装置により、第2の入口と共通出口との間が短絡連通され、この圧送手段の吐出側の流体の圧力が低下する。
【0026】
そして、被充填対象物への充填が完了して圧送手段が停止したときには、第1の弁装置により、第1の入口と共通出口との間が遮断され、流体供給源側からの流体は、第1の入口から共通出口へ流れない状態になるとともに、第2の弁装置により、第2の入口と共通出口との間が連通され、圧送手段の吐出側からの流体は、第2の入口から共通出口へ流れ、この圧送手段の吐出側の流体の圧力が低下し、被充填対象物を取り外しても、流体が大気中に放出されることを防止する。
【0027】
なお、逆止弁装置により共通出口から第1の入口へ流体が逆流することを防止する。また、圧送手段の吸入側の流体の圧力が設定圧力以上に上昇したときには、低圧側圧力制御弁装置により、共通出口と還流用出口との間が短絡連通され、この圧送手段の吸入側の流体の圧力が低下する。このように、一つの弁本体に、第1の弁装置および第2の弁装置と、低圧側圧力制御弁装置および高圧側圧力制御弁装置と、逆止弁装置とが設けられたため、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて、各弁装置を接続する必要がなくなり、配管系の施工が簡単になる。
【0028】
請求項3記載の充填用複合弁装置は、請求項1または2記載の充填用複合弁装置において、弁本体に電磁装置を備え、第1の弁装置および第2の弁装置は、前記電磁装置の駆動によりこの第1の弁装置の遮断時には第2の弁装置が第2の入口と共通出口との間を連通するとともにこの第1の弁装置の連通時には第2の弁装置が第2の入口と共通出口との間を遮断して互いに連動するものである。
【0029】
そして、弁本体に電磁装置を備え、この電磁装置の駆動により、この第1の弁装置の遮断時には、第2の弁装置が第2の入口と共通出口との間を連通するとともに、この第1の弁装置の連通時には、第2の弁装置が第2の入口と共通出口との間を遮断して互いに連動するため、第1の弁装置および第2の弁装置が、一つの動作で確実に連動して開閉され、双方が開成した状態や双方が閉塞した状態になることを防止する。
【0030】
請求項4記載の充填用複合弁装置は、一端面に開口した第1の入口と側面に開口した共通出口とに第1の弁孔を介して連通される弁内充填流路、側面に開口した第2の入口と前記共通出口とに第2の弁孔を介して連通される弁内ブローダウン流路、この弁内ブローダウン流路と並列的に設けられ前記第2の入口と前記共通出口とに高圧側圧力制御弁孔を介して連通される弁内高圧弁用流路、前記弁内充填流路および前記弁内ブローダウン流路から分岐して設けられ側面に開口した還流用出口に低圧側圧力制御弁孔を介して連通される弁内低圧弁用流路、および、前記第1の弁孔に連通した弁室が形成され、かつ、一端側から他端側に向う長手状で略筒状の弁本体と、この弁本体内の前記弁内充填流路の途中の前記第1の弁孔を開閉して、この弁内充填流路を移動により連通、遮断し、前記弁本体の一端側から他端側に向う方向に往復移動自在で、前記弁本体の弁室内に位置した略円形状の第1の弁体を有した第1の弁装置と、前記弁本体内の前記弁内ブローダウン流路の途中の前記第2の弁孔を開閉して、この弁内ブローダウン流路を移動により連通、遮断し、前記弁本体の一端側から他端側に向う方向に往復移動自在で、前記弁本体の弁室内の前記第1の弁本体の中心側に位置した略円形状の第2の弁体を有した第2の弁装置と、前記第1の弁装置の前記第1の弁体を前記第1の弁孔が開口される方向に付勢するコイル状の第1のスプリングと、前記第2の弁装置の前記第2の弁体を前記第2の弁孔が閉塞される方向に付勢するコイル状の第2のスプリングと、前記弁本体内に一端側から他端側に向って往復移動自在に設けられ前記第1の弁体および前記第2の弁体を開閉動作させ、往復移動方向に中心孔を有した略円筒状のプランジャーと、このプランジャーを前記第1のスプリングおよび前記第2のスプリングの付勢力に抗して、前記第1の弁体が前記第1の弁孔を閉塞する方向で、かつ、前記第2の弁体が前記第2の弁孔を開口する方向に付勢し、前記プランジャーの中心孔に取り付けられたコイル状の第3のスプリングと、前記プランジャーの基端側に位置して前記プランジャーを励磁動作で前記第3のスプリングの付勢力に抗して、前記第1の弁体が前記第1の弁孔を開口する方向で、かつ、前記第2の弁体が前記第2の弁孔を閉塞する方向に吸引し、前記弁本体の他端面に設けられた電磁装置と、前記弁本体内の前記弁内高圧弁用流路の途中の高圧側圧力制御弁孔を開閉してこの弁内高圧弁用流路を連通、遮断する高圧側圧力制御弁装置と、前記弁本体内の前記弁内低圧弁用流路の途中の低圧側圧力制御弁孔を開閉してこの弁内低圧弁用流路を連通、遮断する低圧側圧力制御弁装置と、前記弁本体内の前記弁内充填流路の前記第1の弁孔の上流側に設けられ前記共通出口から前記第1の入口へ流体が逆流することを防止する逆止弁装置と、前記弁本体内の前記弁内充填流路の前記逆止弁装置より前記第1の入口側に設けられたフィルタとを備え、前記第1の弁体および前記第2の弁体は、前記プランジャーの先端側に位置し、前記プランジャー、前記第1の弁体、前記第2の弁体、前記第1のスプリング、前記第2のスプリングおよび前記第3のスプリングは、同心状に配置されたものである。
【0031】
そして、電磁装置の非励磁時には、プランジャーは、第3のスプリングにて、第1のスプリングおよび第2のスプリングの付勢力に抗して、第1の弁体で第1の弁孔が閉塞される方向であり、かつ、第2の弁体で第2の弁孔が開口される方向に付勢され、第1の弁体は第1の弁孔を閉塞し、第1の入口と共通出口との間が遮断されているとともに、第2の弁体は第2の弁孔を開口し、第2の入口と共通出口との間が連通されている。
【0032】
この状態で、電磁装置が励磁動作されると、プランジャーは、第3のスプリングの付勢力に抗して、第1の弁体で第1の弁孔が開口される方向であり、かつ、第2の弁体で第2の弁孔が閉塞される方向に吸引され、第1の弁体は第1の弁孔を開口し、第1の入口と共通出口との間が連通されるとともに、第2の弁体は第2の弁孔を閉塞し、第2の入口と共通出口との間が遮断される。
【0033】
また、この状態で、電磁装置の励磁が解除されると、プランジャーは、第3のスプリングにて、第1のスプリングおよび第2のスプリングの付勢力に抗して、第1の弁体で第1の弁孔が閉塞される方向であり、かつ、第2の弁体で第2の弁孔が開口される方向に付勢され、第1の弁体は第1の弁孔を閉塞し、第1の入口と共通出口との間が遮断されるとともに、第2の弁体は第2の弁孔を開口し、第2の入口と共通出口との間が連通される。
【0034】
さらに、弁内高圧弁用流路の第2の入口側内の流体の圧力が、設定圧力以上に上昇したときには、高圧側圧力制御弁装置により、高圧側圧力制御弁孔が開口され、第2の入口と共通出口との間が短絡連通され、圧力が低下する。
【0035】
また、逆止弁装置により、弁内充填流路内を共通出口から第1の入口へ流体が逆流することを防止する。また、弁内低圧弁用流路の共通出口側内の流体の圧力が、設定圧力以上に上昇すると、低圧側圧力制御弁装置により、低圧側圧力制御弁孔が開口され、共通出口と還流用出口との間が短絡連通され、圧力が低下する。
【0036】
このように、一つの弁本体に、第1の弁装置および第2の弁装置と、低圧側圧力制御弁装置および高圧側圧力制御弁装置と、逆止弁装置とが設けられたため、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて、各弁装置を接続する必要がなくなり、配管系の施工が簡単になる。
【0037】
さらに、略筒状の弁本体内に、プランジャー、第1の弁体、第2の弁体、第1のスプリング、第2のスプリングおよび第3のスプリングは同心状に配置されたため、充填用複合弁装置自体が長手状のコンパクトな形状になる。
【0038】
請求項5記載の充填装置は、被充填対象物に流体供給源側からの流体を送り込み充填が完了すると停止する圧送手段と、第1の入口が前記流体供給源側に接続され、共通出口が前記圧送手段の吸入側に接続され、第2の入口が前記圧送手段の吐出側に接続された請求項1ないし4のいずれかに記載の充填用複合弁装置とを具備したもので、それぞれの作用を奏する。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態の構成を図1ないし図4を参照して説明する。
【0040】
図1は、本発明の充填装置の一実施の形態を示すシステム線図である。なお、図5に示す従来の充填装置の構成と略同一部分については、同一符号を付して説明する。
【0041】
図1において、31は充填装置であり、この充填装置31は流体としての天然ガスを、流体供給源としての天然ガス供給源2から被充填対象物としての自動車のタンク13に充填する装置である。
【0042】
この充填装置31は、充填系Aとブローダウン系Bとを有している。
【0043】
そして、この充填装置31の充填系Aは、天然ガス供給源2側に配管にて接続された供給源側流路3と、この供給源側流路3に第1の入口32を介して接続された充填用複合弁装置33の弁本体35内に形成された弁内充填流路33a と、この弁内充填流路33a に共通出口34を介して接続された弁側共通流路37とを有している。
【0044】
そして、この供給源側流路3の途中には、この供給源側流路3内の天然ガスの圧力を検出する低圧圧力センサ5が設けられている。
【0045】
また、この充填用複合弁装置33の弁本体35内に形成した第1の入口32と共通出口34との間の弁内充填流路33a の途中には、第1の入口32側から順に、フィルタ41、逆止弁装置42および第1の弁装置43が設けられている。なお、この第1の弁装置43は、この弁内充填流路33a を連通、遮断する。
【0046】
さらに、この充填用複合弁装置33の弁本体35内の第1の弁装置43と共通出口34との間には、弁内低圧弁用流路44の一端側が連通されている。そして、この弁内低圧弁用流路44の途中には、低圧側圧力制御弁装置45が設けられている。
【0047】
なお、この弁内低圧弁用流路44の下流側は、還流用出口46に接続した流路47を介して充填用複合弁装置33の弁本体35外の天然ガス供給源2側に接続されている。
【0048】
また、充填系Aは、弁側共通流路37に接続された低圧タンク8と、この低圧タンク8に流路9にて接続された圧送手段としての圧縮機10と、この圧縮機10に接続された対象物側充填流路11とを有している。そして、この対象物側充填流路11の先端側が、充填の際に、フィルタ12を介して自動車のタンク13に接続される。
【0049】
なお、この圧縮機10は、この圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が所定値、例えば、約20MPaに達すると、圧縮機10の吐出側に設けた高圧圧力センサ19からの信号に基づき停止する。
【0050】
一方、この充填装置31のブローダウン系Bは、対象物側充填流路11の途中に接続された対象物側ブローダウン流路21と、この対象物側ブローダウン流路21に第2の入口52を介して接続された充填用複合弁装置33の弁本体35内に形成された弁内ブローダウン流路33b とを有している。
【0051】
なお、この弁内ブローダウン流路33b の下流側は、充填用複合弁装置33の弁本体35内に形成した共通出口34を介して、弁側共通流路37に接続されている。
【0052】
そして、この充填用複合弁装置33内に形成した第2の入口52と共通出口34との間の弁内ブローダウン流路33b の途中には、第2の弁装置53が設けられている。この第2の弁装置53は、この弁内ブローダウン流路33b を連通、遮断する。
【0053】
なお、第2の弁装置53の下流側である共通出口34側の弁内ブローダウン流路33b と、上記充填系Aの第1の弁装置43の下流側である共通出口34側の弁内充填流路33a とは、一つの共通した弁内共通流路33c であり、充填時には、弁内充填流路33a になり、ブローダウン時には、弁内ブローダウン流路33b になる。
【0054】
また、第2の弁装置53は、第の1弁装置43の開成および閉塞に反対に連動して動作する。すなわち、充填系Aの弁内充填流路33a に設けた第1の弁装置43と、ブローダウン系Bの弁内ブローダウン流路33b に設けた第2の弁装置53とは、充填用複合弁装置33の弁本体35に設けた電磁装置27の駆動により、第1の弁装置43が開成すると、第2の弁装置53が閉塞し、或いは、第2の弁装置53が開成すると、第1の弁装置43が開成する。
【0055】
さらに、この充填用複合弁装置33の弁本体35内に形成した第2の入口52と共通出口34との間には、弁内ブローダウン流路33b と並列に弁内高圧弁用流路54が短絡連通されている。そして、この弁内高圧弁用流路54の途中には、高圧側圧力制御弁装置55が設けられている。
【0056】
なお、この弁内高圧弁用流路54の下流側は、第1の弁装置43または第2の弁装置53と共通出口34の間の弁内共通流路33c に連通されている。
【0057】
次に、上記充填装置31が備えた充填用複合弁装置33の具体的な構成について説明する。
【0058】
図2および図3において、弁本体35は、それぞれ結合された一端側に位置する第1のバルブボディ62と、ほぼ中央に位置する第2のバルブボディ63および第3のバルブボディ64とを有し、この弁本体35は、一端側から他端側に向う方向に略筒状で長手状に形成されている。また、第3のバルブボディ64の他端側には電磁装置27が取り付けられている。
【0059】
なお、図2は、充填装置31が作動していない停止状態、つまり、圧縮機10および電磁装置27が停止している状態における充填用複合弁装置33を示す断面図である。
【0060】
まず、第1のバルブボディ62には、一端面に位置して一端方向に向って開口した第1の入口32が形成されている。なお、この第1の入口32には、図1に示す天然ガス供給源2側に一端側を接続した供給源側流路3を有する図示しない金属管、ゴムホース等の図示しない管が、例えば螺着にて接続される。
【0061】
そして、この第1の入口32に連通して他端方向に向った後、上方に向う第1の入口側流路67がこの第1のバルブボディ62内に断面略円形状に形成されている。
【0062】
この第1の入口側流路67内であって、上方に向う部分には、例えば、焼結金属、セラミック、フェルトまたはフェノール樹脂で処理した紙にて形成したフィルタ41が取り付けられている。
【0063】
また、第1のバルブボディ62の上部には、上方に向って開口し内周面に雌ねじ部69を有した蓋体取付部70が突出して一体に形成されている。
【0064】
さらに、この蓋体取付部70の上部には、シール用凹部71が環状に形成され、このシール用凹部71に環状のシール部材72が嵌着されている。
【0065】
そして、この蓋体取付部70には、下部の外周面に雌ねじ部69に螺合する雄ねじ部73を有するとともに下面の外周にシール部材72に当接する当接面74を有した蓋体75が螺着されて、この蓋体取付部70の開口が閉塞されている。
【0066】
なお、図1に示すように、この蓋体取付部70に蓋体75が螺着された状態では、この蓋体取付部70とこの蓋体75との間に、シール部材72が位置するため、このシール部材72よって、第1のバルブボディ62と蓋体75との間は、気密および液密に保持されている。
【0067】
また、この蓋体75のほぼ中央には、略円柱状の軸部用孔76が下面から上方に向って略円円柱状に形成されている。さらに、この軸部用孔76に連通して下方向け、その後他端方向に向けて逆止弁室77が、この第1のバルブボディ62内に形成されている。さらに、この逆止弁室77と第1の入口側流路67とは、逆止弁孔78にて連通されている。
【0068】
そして、この逆止弁室77内にほぼ位置して、逆止弁装置42の逆止弁体83が上下方向に移動自在に設けられ、この逆止弁体83にて逆止弁孔78が開閉される。なお、図2においては、この逆止弁装置42は閉塞状態にある。
【0069】
この逆止弁装置42は、略円板状の弁円板部81と、この弁円板部81の中央から上方に向けて一体に形成した弁軸部82とにて形成した前記逆止弁体83を有している。
【0070】
そして、この逆止弁体83の弁円板部81には、ゴム、プラスチック等で成形した弁部材86が取り付けられ、この弁部材86は、逆止弁孔78の周囲に位置する弁座面85に接触している。
【0071】
なお、例えば、逆止弁室77側から第1の入口側流路67側へ天然ガスが逆流しようとすると、弁部材86は逆止弁孔78の周囲の弁座面85に圧接して、逆止弁孔78を確実に閉塞する。
【0072】
また、この逆止弁体83の弁軸部82は、蓋体取付部70のほぼ中央に形成した軸部用孔76に上下方向に移動自在に嵌挿されている。
【0073】
なお、この逆止弁装置42は、充填装置31の停止時には、重力により逆止弁孔78を閉塞するように弁座面85に接触している。
【0074】
すなわち、図2に示すように、第1の入口側流路67側から逆止弁室77側へ天然ガスが流されていない状態では、この逆止弁装置42に働く下向きの重力により、弁座面85に逆止弁体83の弁部材86が接触して、逆止弁孔78を閉塞しているのである。
【0075】
さらに、前記第1のバルブボディ62には、側面の下面に位置して下方に向って開口した共通出口34が形成されている。なお、この共通出口34には、図1に示す自動車のタンク13側に、低圧タンク8、圧縮機10等を介して接続される弁側共通流路37を有する図示しない金属管、ゴムホース等の管が、例えば螺着にて接続される。
【0076】
そして、この共通出口34に連通して上方に向う共通出口側流路87がこの第1のバルブボディ62内に断面略円形状に形成され、また、この共通出口側流路87にブローダウン用孔89を介して連通して、第1の弁室88が、この第1のバルブボディ62内に形成されている。
【0077】
さらに、この第1の弁室88と逆止弁室77とは、第1の弁孔91にて連通されている。そして、この第1の弁室88内に位置して、第1の弁装置43の第1の弁体95が一端側から他端側に向う方向に往復移動自在に設けられ、この第1の弁装置43の第1の弁体95にて第1の弁孔91が開閉される。なお、図2においては、この第1の弁装置43は閉塞状態にある。
【0078】
この第1の弁装置43は、略円板状の弁円板部93と、この弁円板部93の周縁から他端方向に向けて一体に形成した弁筒部94とにて形成された前記第1の弁体95を有している。
【0079】
この第1の弁体95の弁円板部93には、ゴム、プラスチック等で成形した弁部材99が取り付けられ、この弁部材99は、第1の弁孔91の周囲に位置する弁座面96に圧接して、第1の弁孔91が第1の弁体95にて閉塞されている。
【0080】
また、この第1の弁体95の弁筒部94のほぼ中央には、弁本体35の長手方向の一端側に向けたスプリング受け面100 が環状に形成されている。その一方、このスプリング受け面100 に対向して、第1のバルブボディ62の内部の弁座面96の近傍に位置して、スプリング受け面101 が環状に形成されている。
【0081】
そして、この第1のバルブボディ62のスプリング受け面101 と第1の弁体95の弁筒部94のスプリング受け面100 とに、コイル状の第1のスプリング103 の両端が圧接しており、この第1のスプリング103 により、第1の弁体95が、第1の弁孔91が開口する方向である他端方向に付勢されている。
【0082】
また、この第1の弁体95の弁筒部94の他端部には、例えば、互いに対向する位置に2本の作用軸104 ,104 が当接している。
【0083】
さらに、第1のバルブボディ62には、図3に示すように、側面の後面から後方に向って突出した略円筒状の円筒突出部105 が設けられている。
【0084】
この円筒突出部105 の先端側の径大部106 には、後方に向って開口した還流用出口46が形成されている。なお、この還流用出口46には、図1に示す天然ガス供給源2側に一端側を接続した流路47を有する図示しない管が、例えば螺着にて接続される。
【0085】
そして、この還流用出口46に連通して、前方に向う還流用出口側流路107 が、この円筒突出部105 の径大部106 内に形成されている。さらに、この還流用出口側流路107 内には、ほぼ中央に開放用孔108 を有するとともに前面にスプリング受け凹部109 を有した設定圧力調整用部材111 が螺着されている。
【0086】
なお、この設定圧力調整用部材111 の螺着位置により、低圧側圧力制御弁装置45の設定圧力が調整されている。
【0087】
そして、還流用出口側流路107 は、この設定圧力調整用部材111 の開放用孔108 を介して、第1のバルブボディ62の円筒突出部105 内に形成した低圧側圧力制御弁室112 に連通されている。
【0088】
さらに、この低圧側圧力制御弁室112 と、第1の弁室88とは、低圧側圧力制御弁孔114 および細長の一次側開放用孔115 にて連通されている。
【0089】
そして、この低圧側圧力制御弁室112 内に位置して、バランスピストン形の低圧側圧力制御弁装置45が前後方向に移動自在に設けられ、この低圧側圧力制御弁装置45のバランスピストン117 にて、低圧側圧力制御弁孔114 が開閉される。なお、図3においては、この低圧側圧力制御弁装置45は閉塞状態にある。
【0090】
この低圧側圧力制御弁装置45は、第1のバルブボディ62の円筒突出部105 の内周面を前後方向に摺動自在な略円筒状の前記バランスピストン117 を有している。このバランスピストン117 の後側には、スプリング受け凹部118 が形成され、このスプリング受け凹部118 と、設定圧力調整用部材111 のスプリング受け凹部109 との間に、スプリング120 が取り付けられ、このスプリング120 により、バランスピストン117 が、低圧側圧力制御弁孔114 を閉塞する方向に付勢されている。
【0091】
また、バランスピストン117 の前側には、ゴム、プラスチック等で成形した弁部材121 が取り付けられており、この弁部材121 は、低圧側圧力制御弁孔114 の周囲に位置する、円筒突出部105 の内周面に形成された弁座面122 に圧接して、低圧側圧力制御弁孔114 が閉塞されている。
【0092】
また、前記第1のバルブボディ62の他端の径大部126 には、環状のシール用凹部127 が形成され、このシール用凹部127 に環状のシール部材128 が嵌着されている。そして、この第1のバルブボディ62と、第2のバルブボディ63との間に、このシール部材128 が位置するため、このシール部材128 によって、第1のバルブボディ62と第2のバルブボディ63との間は、気密および液密に保持されている。
【0093】
そして、この第2のバルブボディ63のほぼ一端側半分の径小部63a は、略筒状に形成され、第1のバルブボディ62の他端側内部であって、第1の弁体95の弁筒部94の内側に位置している。
【0094】
なお、この第2のバルブボディ63の径小部63a の外周面と、第1の弁体95の弁筒部94の内周面との間には、隙間129 が形成され、この隙間129 は第1の弁室88に連通されている。
【0095】
また、この第2のバルブボディ63の径小部63a の一端部の内周面には、雌ねじ部130 が形成されており、この径小部63a の一端部には、この雌ねじ部130 に螺合する雄ねじ部131 を他端部の外周面に有した、一側が閉塞された短い略筒状の室仕切り部材132 が螺着されている。
【0096】
なお、この室仕切り部材132 が、第1の弁室88の他側の壁となっている。
【0097】
また、この室仕切り部材132 の他側部の内周面には、雌ねじ部133 が形成されており、この室仕切り部材132 の他側部には、この雌ねじ部133 に螺合する雄ねじ部を一側部の外周面に有した軸受部材135 が螺着されている。
【0098】
そして、この軸受部材135 と室仕切り部材132 との間には、作用室136 が形成され、また、この軸受部材135 と、第2のバルブボディ63との間には、第2の弁室138 が形成されている。
【0099】
さらに、この軸受部材135 には、一側面から他側面に貫通した貫通孔139 が形成され、この貫通孔139 内には、移動自在な軸体141 が差し込まれている。なお、この軸体141 と軸受部材135 との間はシール部材142 にて気密および液密に保持されている。
【0100】
また、この軸受部材135 の中央の外周面には、シール用凹部144 が環状に形成され、このシール用凹部144 に環状のシール部材145 が嵌着されている。そして、この軸受部材135 と第2のバルブボディ63の径小部63a との間に、このシール部材145 が位置するため、このシール部材145 によって、この軸受部材135 と第2のバルブボディ63の径小部63a との間は、気密および液密に保持されている。
【0101】
さらに、この軸受部材135 の径小である一端部には、コイル状の第2のスプリング146 が配置されている。
【0102】
また一方、第2のバルブボディ63には、側面の上面に位置して上方に向って開口した第2の入口52が形成されている。なお、この第2の入口52には、図1に示す自動車のタンク13側に接続される対象物側ブローダウン流路21を有する図示しない金属管、ゴムホース等の管が、例えば螺着にて接続される。
【0103】
そして、この第2の入口52から下方に向って、この第2のバルブボディ63のほぼ中心軸位置まで連通して、第2の入口側下方流路148 がこの第2のバルブボディ63内に形成されている。
【0104】
この第2の入口側下方流路148 の先端位置には、細孔149 を有したノズル体150 が配設されており、この細孔149 の先端の第2の弁孔151 を介して、第2の入口側下方流路148 は、第2の弁室138 に連通されている。
【0105】
そして、この第2の弁室138 内に位置して、第2の弁装置53の第2の弁体155 が一端側から他端側に向う方向に往復移動自在に設けられ、この第2の弁装置53の第2の弁体155 にて、第2の弁孔151 が開閉される。なお、図2においては、この第2の弁装置53は開口状態にある。
【0106】
この第2の弁装置53は、略円板状の弁円板部153 と、この弁円板部153 の周縁から一端方向に向けて一体に形成した弁筒部154 とにて形成された前記第2の弁体155 を有している。
【0107】
この第2の弁体155 の弁円板部153 の一端面には、軸受部材135 の他端部に配置した第2のスプリング146 の一端部が圧接しており、この第2のスプリング146 により、この第2の弁体155 が他端方向に付勢されている。また、この弁円板部153 の一端面のほぼ中央には、軸受部材135 に差し込まれた軸体141 の他端部が連結されている。
【0108】
さらに、この第2の弁体155 の弁円板部153 の他側面のほぼ中央には、ゴム、プラスチック等で成形した弁部材156 が取り付けられている。なお、この弁部材156 は、第2の弁装置53の閉塞状態の際には、ノズル体150 に係合して、ノズル体150 の細孔149 を閉塞する。なお、この弁円板部153 の他側面には、3本の作用軸157 が当接している。
【0109】
また、第2の入口側下方流路148 の途中から、一端側に向って第2の入口側一端側方流路158 がこの第2のバルブボディ63内に形成されている。この第2の入口側一端側方流路158 は、軸受部材135 に形成された隙間159 を介して作用室136 に連通されている。
【0110】
また一方、図4に示すように、第2のバルブボディ63の側面である前面には、前方に向って開口し、内周面に雌ねじ部161 を有した弁取付部162 が形成されている。
【0111】
そして、この弁取付部162 には、一側部の外周面に雌ねじ部161 に螺合する雄ねじ部163 を有するとともに、他側部の外周面にも雄ねじ部164 を有した中空の連結体166 が螺着されている。
【0112】
さらに、この連結体166 には、一側部の内周面に雄ねじ部164 に螺合する雌ねじ部167 を有するとともに、他側部の内周面にも雌ねじ部168 を有した略円筒状のスプリング収納体170 が螺着されている。
【0113】
そして、このスプリング収納体170 内には、外周面に雌ねじ部168 に螺合する雄ねじ部171 、内部のほぼ中央に通風孔172 および一端面にスプリング受け面173 を有した設定圧力調整用部材175 が螺着されている。
【0114】
なお、この設定圧力調整用部材175 の螺着位置により、高圧側圧力制御弁装置55の設定圧力が調整されている。
【0115】
また、スプリング収納体170 内にはスプリング受け体177 が移動自在に配設されており、このスプリング受け体177 が有したスプリング受け面178 と、設定圧力調整用部材175 のスプリング受け面173 とに、コイル状のコイルスプリング180 の両端が圧接している。
【0116】
さらに、スプリング受け体177 には、作用軸181 が連結され、この連結軸181 の先端部には、中空のリリーフ弁体182 が連結されている。この連結軸181 とこの連結軸181 が移動自在に挿入された連結体166 との間は、シール部材184 にて気密および液密に保持されている。
【0117】
また、リリーフ弁体182 は、連結体166 の内側に形成された高圧側圧力制御弁室186 内に移動自在に配設されている。このリリーフ弁体182 の内側には、スプリング187 が配設されており、このスプリング187 の一端部は補助弁体188 に圧接している。
【0118】
一方、高圧側圧力制御弁室186 には、第2の入口側下方流路148 の途中から、前方に向って形成された一次側開放用流路190 が連通されている。また高圧側圧力制御弁室186 には、高圧側圧力制御弁孔191 およびノズル体192 の細孔193 を介して二次側開放用流路194 に連通されている。なお、二次側開放用流路194 は、隙間129 等を介して第1の弁室88に連通されている。
【0119】
そして、これらリリーフ弁体182 、コイルスプリング180 、補助弁体188 、連結軸181 、スプリング受け体177 、スプリング187 等にて高圧側圧力制御弁装置55が構成され、図4においては、この高圧側圧力制御弁装置55は、閉塞状態にある。すなわち、補助弁体188 にて高圧側圧力制御弁孔191 が閉塞されている。このように、高圧側圧力制御弁装置55の閉塞状態において、スプリング収納体170 内のコイルスプリング180 による付勢力が直接ノズル体192 に働かないようにして、ノズル体192 等の高圧側圧力制御弁装置55の耐久性の向上が図られている。
【0120】
また一方、図4に示すように、第2のバルブボディ63内には、第1の弁体95の弁筒部94の他端部に当接した作用軸104 ,104 、および、第2の弁体155 の弁円板部153 の他側面に当接した作用軸157 ,157 ,157 が移動自在に挿入された挿入孔196 が形成されている。この各挿入孔196 と作用軸104 との間には隙間198 があり、また、この各挿入孔196 と作用軸157 との間には隙間199 がある。
【0121】
さらに、これら各作用軸104 ,157 の他端部は、第2のバルブボディ63の他端部の内側に形成された作用室200 内に位置する連結板201 に、例えば、連結されている。連結板201 の他側面から突出して一体に形成された径小部202 の雄ねじ部203 には、他端部の内周面に雄ねじ部203 に螺合する雌ねじ部204 を有した略円筒状のプランジャー207 が螺着されている。
【0122】
また一方、第2のバルブボディ63の他端面は、第3のバルブボディ64の一端面に、シール部材210 を介して気密および液密に当接され、第2のバルブボディ63と第3のバルブボディ64とは、ボルト211 にて結合されている。
【0123】
さらに、この第3のバルブボディ64の他端面には、電磁装置27が取り付けられ、この電磁装置27は、電磁装置ハウジング213 を有し、また、この電磁装置ハウジング213 内に電磁コイル215 を備えている。
【0124】
そして、この電磁コイル215 の両側面には、フラックスプレート216 ,216 がそれぞれ当接されている。また、電磁コイル215 の内側に設けられた筒体217 の内側には、プランジャー207 が一端側から他端側に向って往復移動自在に配設されている。
【0125】
さらに、筒体217 の内側の他端部の近傍には、プランジャー207 に対向して固定鉄心218 が嵌合固着されている。この固定鉄心218 の他端部には、ナット219 螺着されている。
【0126】
そして、プランジャー207 内の中心孔207aには、コイル状の第3のスプリング220 が取り付けられ、この第3のスプリング220 の両端部は、固定鉄心218 と、プランジャー207 に連結された連結板201 とに圧接している。
【0127】
なお、図1に示す弁内充填流路33a は、第1の入口側流路67、逆止弁孔78、逆止弁室77、第1の弁孔91、第1の弁室88および共通出口側流路87にて構成されている。また、弁内ブローダウン流路33b は、第2の入口側下方流路148 、細孔149 、第2の弁孔151 、第2の弁室138 、隙間199 、作用室200 、隙間198 、隙間129 、第1の弁室88、ブローダウン用孔89および共通出口側流路87にて構成されている。さらに、弁内共通流路33c は、第1の弁室88および共通出口側流路87にて構成されている。
【0128】
また、弁内低圧弁用流路44は、一次側開放用孔115 、低圧側圧力制御弁孔114 、低圧側圧力制御弁室112 、開放用孔108 および還流用出口側流路107 にて構成され、一方、弁内高圧弁用流路54は、一次側開放用流路190 、高圧側圧力制御弁室186 、高圧側圧力制御弁孔191 、細孔193 、二次側開放用流路194 、隙間129 等にて構成されている。
【0129】
また、弁本体35内に形成した第1の弁孔91に連通した弁室222 は、第1の弁室77、第2の弁室138 等にて構成されている。
【0130】
次に、上記一実施の形態の動作について説明する。
【0131】
まず、充填用複合弁装置33の動作について説明する。
【0132】
電磁装置27の非励磁時には、プランジャー207 、連結板201 および作用軸104 ,157 は、第3のスプリング220 にて、第1のスプリング103 および第2のスプリング146 の付勢力に抗して、第1の弁体95で第1の弁孔91が閉塞される方向であり、かつ、第2の弁体155 で第2の弁孔151 が開口される方向に付勢され、電磁装置27から離反する側に位置し、第1の弁体95は第1の弁孔91を閉塞し、第1の入口32と共通出口34との間が遮断されているとともに、第2の弁体144 は第2の弁孔151 を開口し、第2の入口52と共通出口34との間が連通されている。
【0133】
この状態で、電磁装置27が励磁動作されると、プランジャー207 等は、第3のスプリング220 の付勢力に抗して、第1の弁体95で第1の弁孔91が開口される方向であり、かつ、第2の弁体155 で第2の弁孔151 が閉塞される方向である電磁装置27の吸引側に吸引され、第1の弁体95は第1の弁孔91を開口し、第1の入口32と共通出口34との間が連通されるとともに、第2の弁体155 は第2の弁孔151 を閉塞し、第2の入口52と共通出口34との間が遮断される。
【0134】
また、この状態で、電磁装置27の励磁が解除されると、プランジャー207 等は、第3のスプリング220 にて、第1のスプリング103 および第2のスプリング146 の付勢力に抗して、第1の弁体95で第1の弁孔91が閉塞される方向であり、かつ、第2の弁体155 で第2の弁孔151 が開口される方向に付勢され、第1の弁体95は第1の弁孔91を閉塞し、第1の入口32と共通出口34との間が遮断されるとともに、第2の弁体155 は第2の弁孔151 を開口し、第2の入口52と共通出口34との間が連通される。
【0135】
さらに、弁内高圧弁用流路54の第2の入口52側内の流体の圧力が、設定圧力以上に上昇したときには、高圧側圧力制御弁装置54により、高圧側圧力制御弁孔191 が開口され、第2の入口52と共通出口34との間が短絡連通され、圧力が低下する。
【0136】
また、逆止弁装置42により、弁内充填流路内33a を共通出口34から第1の入口32へ流体が逆流することを防止する。また、弁内低圧弁用流路44の共通出口34側内の流体の圧力が、設定圧力以上に上昇すると、低圧側圧力制御弁装置45により、低圧側圧力制御弁孔114 が開口され、共通出口34と還流用出口46との間が短絡連通され、圧力が低下する。
【0137】
次に、この充填用複合弁装置33の充填装置31への取付け等は、充填用複合弁装置33の第1の入口32、第2の入口52、共通出口34および還流用出口46に、図示しない管を接続してそれぞれの流路を連通されるとともに、この充填用複合弁装置33を弁側共通流路37、低圧タンク8、流路9、圧縮機10、対象物側充填流路11、高圧圧力センサ19等を内蔵した筐体上に設置することにより行われる。
【0138】
すなわち、一つの弁本体35に、第1の弁装置43および第2の弁装置53と、低圧側圧力制御弁装置45および高圧側圧力制御弁装置55と、逆止弁装置42とを設けたため、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて、各弁装置42,43,45,53,55を接続する必要がなく、配管系の施工が簡単に終了する。
【0139】
こうして、組み立てられた充填装置31を用いて、天然ガス供給源2から自動車のタンク13に天然ガスを充填する場合について説明する。
【0140】
まず、対象物側充填流路11の先端側を自動車のタンク13に接続する。
【0141】
そして、接続後、電磁装置27および圧縮機10を駆動させると、プランジャー207 、連結板201 および作用軸104 ,157 が、一端方向に付勢する第3のスプリング220 による付勢力に抗して、固定鉄心218 に吸引されて、他端方向に移動する。
【0142】
この移動により、第1のスプリング103 の付勢力で第1の弁体95も他端方向に移動し、第1の弁孔91が開口するため、第1の入口32と共通出口34との間が連通され、天然ガス供給源側からの天然ガスが、第1の入口32から、フィルタ41、逆止弁装置42および第1の弁装置43を経て共通出口34へ流れる。
【0143】
そして、この共通出口34から出た天然ガスは、低圧タンク8、圧縮機10等を介して、自動車のタンク13内に送り込まれる。
【0144】
また、第2のスプリング146 の付勢力で第2の弁体155 は他端方向に移動し第2の弁装置53は閉塞され、第2の弁体155 の弁部材156 が、ノズル体150 に係合して、ノズル体150 の細孔149 が閉塞されるため、第2の入口52と共通出口34との間が遮断される。
【0145】
このため、圧縮機10の吐出側からの天然ガスは、第2の入口52から共通出口34へ流れない状態になる。
【0146】
こうして、自動車のタンク13への天然ガスの充填が行われるが、この自動車のタンク13への充填が進むにつれ、圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が上昇する。
【0147】
したがって、第2の入口52と第2の弁体155 との間に位置する作用室136 内の天然ガスの圧力が上昇するとともに、ノズル体150 の細孔149 内の天然ガスの圧力も同じだけ上昇する。
【0148】
その結果、軸受部材135 内に挿入された軸体141 の両端面には、圧力による力が互いに異なる向きに働く。また、両端面の受圧面積は、他端面の受圧面積に比して、一端面の受圧面積の方が大きいため、圧力による力の大きさも、他端方向の力の方が大きく、この軸体141 は他端方向の力を受けるため、第2の弁装置53の閉塞状態が確実に保持される。
【0149】
そして、圧縮機10の吐出側に設けた高圧圧力センサ19にて、この吐出側の天然ガスの圧力が所定値、例えば約20MPaに達したと検知されると、この検知信号に基づき圧縮機10が停止する。
【0150】
次いで、電磁装置27が停止すると、第1のスプリング103 および第2のスプリング146 の他端方向の付勢力に抗して、プランジャー207 、連結板201 および作用軸104 ,157 が、一端方向に付勢する第3のスプリング220 による付勢力により、固定鉄心218 から離れて、一端方向に移動する。
【0151】
この移動により、第2の弁装置53が開成して、第2の弁孔151 が開口するため、第2の入口52と共通出口34との間が連通され、圧縮機10の吐出側の高圧の天然ガスが、第2の弁装置53を介して低圧タンク8に流れ込み、この圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が低下する。
【0152】
この結果、充填完了後、対象物側充填流路11の先端側を、自動車のタンク13から取り外す際に、天然ガスが大気中に放出されることが防止される。
【0153】
また、例えば、圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が所定値に達したにも拘らず圧縮機10が駆動し続け、圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が設定圧力以上に上昇した場合には、高圧側圧力制御弁装置55が開成して、高圧側圧力制御弁孔191 が開口するため、一次側開放用流路190 と二次側開放用流路194 との間が連通され、この圧縮機10の吐出側の天然ガスが、低圧タンク8に流されるので、この圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が低下する。
【0154】
また一方、天然ガスが、共通出口34から第1の入口32へ逆流しようとした場合には、逆止弁装置42が閉塞され、天然ガス供給源側に天然ガスが逆流することが防止される。
【0155】
さらに、圧縮機10の吸入側の天然ガスの圧力が設定圧力以上に上昇した場合には、低圧側圧力制御弁装置45が開成して、低圧側圧力制御弁孔114 が開口するため、一次側開放用孔115 と還流用出口側流路107 との間が連通され、この圧縮機10の吸入側の天然ガスが、天然ガス供給源2側に流されるので、この圧縮機10の吸入側の流体の圧力が低下する。
【0156】
さらに、充填用複合弁装置33の弁本体35内に設けたフィルタ41は、天然ガス供給源2側からの天然ガスに混じった不純物を除去する。
【0157】
このようにして、上記一実施の形態によれば、一つの複合弁装置31が、第1の弁装置43および第2の弁装置53による二つの開閉弁機能と、低圧側圧力制御弁装置45および高圧側圧力制御弁装置55による二つの圧力制御弁機能と、逆止弁装置42による一つの逆止弁機能とを有するため、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて、複数の弁装置を接続する必要がなく、配管系の施工を簡単にでき、しかも、充填装置31自体を簡素にでき、寸法を小形にできる。
【0158】
また、電磁装置27の駆動により、第1の弁装置43および第2の弁装置53を、一つの動作で、確実に連動して開閉されることができ、双方が開成した状態や双方が閉塞した状態になることを防止できる。
【0159】
さらに、弁本体35内の第1の入口32と共通出口34とにフィルタ41が設けたため、天然ガス供給源2側からの天然ガスに混じった不純物を除去でき、弁本体35内の目詰まりを防止でき、しかも、弁本体外に別個にフィルタ機能を備えたものに比して、さらに配管系の施工を簡単にできる。
【0160】
また、略筒状の弁本体内に、プランジャー207 、第1の弁体95、第2の弁体155 、第1のスプリング103 、第2のスプリング146 および第3のスプリング220 は同心状に配置されたため、充填用複合弁装置33自体を長手状のコンパクトな形状にできる。
【0161】
なお、上記一実施の形態においては、圧送手段は、圧縮機10として説明したが、この圧縮機10には限定されず、流体供給源からの流体を被充填対象物に送り込み、吐出側の圧力が所定値に達すると停止するものであればよい。
【0162】
また、上記一実施の形態においては、充填装置31は低圧タンク8を有した構成として説明したが、必ずしも低圧タンク8は必要でない。
【0163】
さらに、上記一実施の形態においては、弁本体35に電磁装置27を備えた構成として説明したが、弁本体35に電磁装置27を備えない構成でもよい。
【0164】
また、上記一実施の形態においては、天然ガスを充填する充填装置として説明したが、その他の流体を充填する場合にも用いることができる。
【0165】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、一つの複合弁装置が、第1の弁装置および第2の弁装置による二つの開閉弁機能と、低圧側圧力制御弁装置および高圧側圧力制御弁装置による二つの圧力制御弁機能と、逆止弁装置による一つの逆止弁機能とを有するため、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて、複数の弁装置を接続する必要がなく、配管系の施工を簡単にできる。
【0166】
請求項2記載の発明によれば、一つの複合弁装置が、第1の弁装置および第2の弁装置による二つの開閉弁機能と、低圧側圧力制御弁装置および高圧側圧力制御弁装置による二つの圧力制御弁機能と、逆止弁装置による一つの逆止弁機能とを有するため、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて、複数の弁装置を接続する必要がなく、配管系の施工を簡単にできる。
【0167】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の充填用複合弁装置において、電磁装置の駆動により、第1の弁装置および第2の弁装置を、一つの動作で確実に連動して開閉でき、双方が開成した状態や双方が閉塞した状態になることを防止できる。
【0168】
請求項4記載の発明によれば、一つの複合弁装置が、第1の弁装置および第2の弁装置による二つの開閉弁機能と、低圧側圧力制御弁装置および高圧側圧力制御弁装置による二つの圧力制御弁機能と、逆止弁装置による一つの逆止弁機能とを有するため、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて、複数の弁装置を接続する必要がなく、配管系の施工を簡単にできる。
【0169】
また、略筒状の弁本体内に、プランジャー、第1の弁体、第2の弁体、第1のスプリング、第2のスプリングおよび第3のスプリングは同心状に配置されたため、充填用複合弁装置自体を長手状のコンパクトな形状にできる。
【0170】
請求項5記載の充填装置によれば、被充填対象物に流体供給源側からの流体を送り込み充填が完了すると停止する圧送手段と、第1の入口が前記流体供給源側に接続され、共通出口が前記圧送手段の吸入側に接続され、第2の入口が前記圧送手段の吐出側に接続された請求項1ないし4のいずれかに記載の充填用複合弁装置とを具備したもので、圧送手段にて圧送させる流体の漏洩が少なく確実に充填でき、しかも、充填装置自体の簡素化が図られ、寸法を小形にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の充填装置の一実施の形態を示すシステム線図である。
【図2】同上充填装置が具備した充填用複合弁装置を示す断面図である。
【図3】同上充填用複合弁装置を示す平面図である。
【図4】同上充填用複合弁装置を示すA−A断面図である。
【図5】従来の充填装置を示すシステム線図である。
【符号の説明】
2 流体供給源としての天然ガス供給源
10 圧送手段としての圧縮機
13 被充填対象物としての自動車のタンク
27 電磁装置
31 充填装置
32 第1の入口
33 充填用複合弁装置
33a 弁内充填流路
33b 弁内ブローダウン流路
34 共通出口
41 フィルタ
42 逆止弁装置
43 第1の弁装置
44 弁内低圧弁用流路
45 低圧側圧力制御弁装置
46 還流用出口
52 第2の入口
53 第2の弁装置
54 弁内高圧弁用流路
55 高圧側圧力制御弁装置
61 弁本体
91 第1の弁孔
95 第1の弁体
103 第1のスプリング
114 低圧側圧力制御弁孔
146 第2のスプリング
151 第2の弁孔
155 第2の弁体
191 高圧側圧力制御弁孔
207 プランジャー
207a 中心孔
220 第3のスプリング
222 弁室
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の弁装置を複合した充填用複合弁装置およびこの充填用複合弁装置を備え、流体供給源側からの流体を被充填対象物に充填する充填装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図5に示すような、流体、例えば天然ガスを、天然ガス供給源から被充填対象物としての自動車のタンクに充填する充填装置1が知られている。
【0003】
この従来の充填装置1は、充填系Aとブローダウン系Bとを有している。
【0004】
そして、この充填装置1の充填系Aは、まず、流体供給源としての天然ガス供給源2側に接続された供給源側流路3と、この供給源側流路3に接続された充填用複合弁装置4の弁本体内に形成された弁内充填流路4aとを有している。
【0005】
そして、この供給源側流路3の途中には、この供給源側流路3内の天然ガスの圧力を検出する低圧圧力センサ5が設けられている。また、充填用複合弁装置4内の弁内充填流路4aの途中には、第1の弁装置6が設けられている。そして、この充填用複合弁装置4の弁本体内に設けた第1の弁装置6は、この弁内充填流路4aを連通、遮断する。
【0006】
また、充填系Aは、充填用複合弁装置4内の弁内充填流路4aに接続された弁側充填流路7と、この弁側充填流路7に接続された低圧タンク8と、この低圧タンク8に流路9にて接続された圧送手段としての圧縮機10と、この圧縮機10に接続された対象物側充填流路11とを有している。
【0007】
そして、この対象物側充填流路11の先端側が、充填に際して、フィルタ12を介して被充填対象物である自動車のタンク13に接続される。
【0008】
さらに、この弁側充填流路7の途中には、低圧タンク8側から充填用複合弁装置4側に天然ガスが逆流することを防止する逆止弁装置15が設けられているとともに、天然ガス供給源2側からの天然ガスに混じった不純物を除去するフィルタ16が設けられている。
【0009】
さらに、この弁側充填流路7に弁用流路17を介して連通して低圧側圧力制御弁装置18が設けられている。この低圧側圧力制御弁装置18は、流路の目詰まり、圧縮機10の異常運転等が原因で、圧縮機10の吸入側である弁側充填流路7内の天然ガスの圧力が設定圧力以上に上昇したときに、この天然ガスを天然ガス供給源2側に還流して、この圧縮機10の吸入側内の天然ガスの圧力を低下される。
【0010】
また、圧縮機10の吐出側である対象物側充填流路11の途中には、この対象物側充填流路11内の天然ガスの圧力を検出する高圧圧力センサ19が設けられている。
【0011】
一方、充填装置1のブローダウン系Bは、対象物側充填流路11の途中に接続された対象物側ブローダウン流路21と、この対象物側ブローダウン流路21に接続された充填用複合弁装置4の弁本体内に形成された弁内ブローダウン流路4bと、この弁内ブローダウン流路4bに接続された弁側ブローダウン流路22とを有している。なお、この弁側ブローダウン流路22の下流側は、低圧タンク8に接続されている。
【0012】
そして、この充填用複合弁装置4内の弁内ブローダウン流路4bの途中には、第2の弁装置26が設けられている。この第2の弁装置26は、この弁内ブローダウン流路4bを連通、遮断する。
【0013】
なお、この第2の弁装置26は、第の1弁装置6の遮断時に弁内ブローダウン流路4bを連通するとともに、第の1弁装置6の連通時に弁内ブローダウン流路4bを遮断する。すなわち、充填系Aの弁内充填流路4aに設けた第1の弁装置6と、ブローダウン系Bの弁内ブローダウン流路4bに設けた第2の弁装置26とは、充填用複合弁装置4の弁本体に設けた電磁装置27の駆動により、互いに反対に連動して動作する。
【0014】
また、この充填用複合弁装置4内の弁内ブローダウン流路4bと並列的に高圧側圧力制御弁装置28が設けられている。この高圧側圧力制御弁装置28は、圧縮機10の吐出側である弁内ブローダウン流路4b内の天然ガスの圧力が設定圧力以上に上昇すると開成し、この高圧の天然ガスを開放して、弁側ブローダウン流路22を介して低圧タンク8に送り、この圧縮機10の吐出側内の天然ガスの圧力を低下される。
【0015】
そして、充填系Aとブローダウン系Bとを有した充填装置1を用いて、天然ガス供給源2から自動車のタンク13に天然ガスを充填する場合には、対象物側充填流路11の先端側を自動車のタンク13に接続した後、電磁装置27の駆動により、第1の弁装置6を開成させるとともに第2の弁装置26を閉塞させて、圧縮機10を駆動する。この圧縮機10の駆動により、天然ガス供給源2側からの天然ガスが、第1の弁装置6、逆止弁装置15、フィルタ16、低圧タンク8、圧縮機10等を介して、自動車のタンク13に送り込まれる。
【0016】
こうして、自動車のタンク13への天然ガスの充填が行われるが、この自動車のタンク13への充填が進むにつれ、圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が上昇する。そして、圧縮機10の吐出側に設けた高圧圧力センサ19にて、この吐出側の天然ガスの圧力が所定値に達したと検知されると、この検知信号に基づき圧縮機10が停止する。
【0017】
次いで、電磁装置27が停止すると、第1の弁装置6を閉塞するとともに第2の弁装置26が開口して、圧縮機の吐出側の天然ガスが、第2の弁装置26を介して低圧タンク8に流れ込み、この圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が低下する。
【0018】
なお、例えば、圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が所定値に達したにも拘らず圧縮機10が駆動し続け、この天然ガスの圧力が高圧側圧力制御弁装置28の設定圧力に達したときには、充填用複合弁装置4の弁本体内に設けた高圧側圧力制御弁装置28が働く。
【0019】
また一方、圧縮機10の吸入側の天然ガスの圧力が異常上昇し、低圧側圧力制御弁装置18の設定圧力に達したときには、充填用複合弁装置4の弁本体外に設けた低圧側圧力制御弁装置18が働き、また、充填用複合弁装置4の弁本体外に設けた逆止弁装置15は、低圧タンク8側から充填用複合弁装置4側に天然ガスが逆流することを防止し、さらに、充填用複合弁装置4の弁本体外に設けたフィルタ16は、天然ガス供給源2側からの天然ガスに混じった不純物を除去する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の充填装置1のように、充填用複合弁装置4の弁本体内に、第1の弁装置6および第2の弁装置26と、高圧側圧力制御弁装置28とを設けるとともに、充填用複合弁装置4の弁本体に、弁用流路17を用いて低圧側圧力制御弁装置18と、弁側充填流路7を用いて逆止弁装置15とを配管により接続した構成では、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて複数の弁装置を接続する必要があるため、部品点数が多く、配管系の施工が複雑である。また、充填装置自体も複雑となり寸法が大きい問題を有している。
【0021】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、配管系の施工を簡単にする充填用複合弁装置および配管系の施工が簡単であり装置自体を簡素で寸法が小さい充填装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の充填用複合弁装置は、流体供給源側に接続される第1の入口、この第1の入口に連通されるとともに被充填対象物側に接続される共通出口、この共通出口に連通されるとともに被充填対象物側に接続される第2の入口、および、前記共通出口に連通される還流用出口が形成された弁本体と、この弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間を連通、遮断する第1の弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記第2の入口と前記共通出口との間を前記第1の弁装置の遮断時に連通するとともにこの第1の弁装置の連通時に遮断する第2の弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記第2の入口と前記共通出口との間を短絡連通して圧力を低下させる高圧側圧力制御弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記共通出口と還流用出口との間を短絡連通して圧力を低下させる低圧側圧力制御弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間に位置して前記共通出口から前記第1の入口へ流体が逆流することを防止する逆止弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間で前記逆止弁装置より前記第1の入口側に位置するフィルタとを具備したものである。
【0023】
そして、流体供給源から被充填対象物に流体を充填する場合には、第1の弁装置により、第1の入口と共通出口との間が連通され、流体供給源側からの流体は、第1の入口から共通出口へ流れて被充填対象物に送り込まれるとともに、第2の弁装置により、第2の入口と共通出口との間が遮断され、流体は、被充填対象物が接続される第2の入口から共通出口へ流れない。また、第2の入口側の流体の圧力が、設定圧力以上に上昇すると、高圧側圧力制御弁装置により、第2の入口と共通出口との間が短絡連通されて圧力が低下する。そして、被充填対象物への充填が完了した場合には、第2の弁装置により、第2の入口と共通出口との間が連通され、流体は、第2の入口から共通出口へ流れ、被充填対象物を取り外しても、流体が大気中に放出されることを防止する。なお、逆止弁装置により共通出口から第1の入口へ流体が逆流することを防止する。また、弁本体の共通出口側の流体の圧力が、設定圧力以上に上昇すると、低圧側圧力制御弁装置により、共通出口と還流用出口との間が短絡連通され、圧力が低下する。このように、一つの弁本体に、第1の弁装置および第2の弁装置と、低圧側圧力制御弁装置および高圧側圧力制御弁装置と、逆止弁装置とが設けられたため、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて、各弁装置を接続する必要がなくなり、配管系の施工が簡単になる。
【0024】
請求項2記載の充填用複合弁装置は、流体供給源側に接続される第1の入口、この第1の入口に連通されるとともに被充填対象物に前記流体供給源側からの流体を吐出側から送り込み充填が完了すると停止する圧送手段の吸入側に接続される共通出口、この共通出口に連通されるとともに前記圧送手段の吐出側に接続される第2の入口、および、前記共通出口に連通される還流用出口が形成された弁本体と、この弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間を前記被充填対象物に流体を充填する際に連通し、かつ、前記圧送手段が停止したときに遮断する第1の弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記第2の入口と前記共通出口との間を前記被充填対象物に流体を充填する際に遮断し、かつ、前記圧送手段が停止すると連通する第2の弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記圧送手段の吐出側の流体の圧力が設定圧力以上に上昇したときに、前記第2の入口と前記共通出口との間を短絡連通して前記圧送手段の吐出側の流体の圧力を低下させる高圧側圧力制御弁装置と、前記弁本体内に設けられ、前記圧送手段の吸入側の流体の圧力が設定圧力以上に上昇したときに、前記共通出口と還流用出口との間を短絡連通して前記圧送手段の吸入側の流体の圧力を低下させる低圧側圧力制御弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間に位置して前記共通出口から前記第1の入口へ流体が逆流することを防止する逆止弁装置と、前記弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間で前記逆止弁装置より前記第1の入口側に位置するフィルタとを具備したものである。
【0025】
そして、流体供給源から被充填対象物に流体を充填する場合には、第1の弁装置により、第1の入口と共通出口との間が連通され、流体供給源側からの流体は、第1の入口から共通出口へ流れ、弁本体および圧送手段を介して被充填対象物に送り込まれるとともに、第2の弁装置により、第2の入口と共通出口との間が遮断され、圧送手段の吐出側からの流体は、第2の入口から共通出口へ流れない状態になる。この状態で、圧送手段の吐出側の流体の圧力が設定圧力以上に上昇したときには、高圧側圧力制御弁装置により、第2の入口と共通出口との間が短絡連通され、この圧送手段の吐出側の流体の圧力が低下する。
【0026】
そして、被充填対象物への充填が完了して圧送手段が停止したときには、第1の弁装置により、第1の入口と共通出口との間が遮断され、流体供給源側からの流体は、第1の入口から共通出口へ流れない状態になるとともに、第2の弁装置により、第2の入口と共通出口との間が連通され、圧送手段の吐出側からの流体は、第2の入口から共通出口へ流れ、この圧送手段の吐出側の流体の圧力が低下し、被充填対象物を取り外しても、流体が大気中に放出されることを防止する。
【0027】
なお、逆止弁装置により共通出口から第1の入口へ流体が逆流することを防止する。また、圧送手段の吸入側の流体の圧力が設定圧力以上に上昇したときには、低圧側圧力制御弁装置により、共通出口と還流用出口との間が短絡連通され、この圧送手段の吸入側の流体の圧力が低下する。このように、一つの弁本体に、第1の弁装置および第2の弁装置と、低圧側圧力制御弁装置および高圧側圧力制御弁装置と、逆止弁装置とが設けられたため、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて、各弁装置を接続する必要がなくなり、配管系の施工が簡単になる。
【0028】
請求項3記載の充填用複合弁装置は、請求項1または2記載の充填用複合弁装置において、弁本体に電磁装置を備え、第1の弁装置および第2の弁装置は、前記電磁装置の駆動によりこの第1の弁装置の遮断時には第2の弁装置が第2の入口と共通出口との間を連通するとともにこの第1の弁装置の連通時には第2の弁装置が第2の入口と共通出口との間を遮断して互いに連動するものである。
【0029】
そして、弁本体に電磁装置を備え、この電磁装置の駆動により、この第1の弁装置の遮断時には、第2の弁装置が第2の入口と共通出口との間を連通するとともに、この第1の弁装置の連通時には、第2の弁装置が第2の入口と共通出口との間を遮断して互いに連動するため、第1の弁装置および第2の弁装置が、一つの動作で確実に連動して開閉され、双方が開成した状態や双方が閉塞した状態になることを防止する。
【0030】
請求項4記載の充填用複合弁装置は、一端面に開口した第1の入口と側面に開口した共通出口とに第1の弁孔を介して連通される弁内充填流路、側面に開口した第2の入口と前記共通出口とに第2の弁孔を介して連通される弁内ブローダウン流路、この弁内ブローダウン流路と並列的に設けられ前記第2の入口と前記共通出口とに高圧側圧力制御弁孔を介して連通される弁内高圧弁用流路、前記弁内充填流路および前記弁内ブローダウン流路から分岐して設けられ側面に開口した還流用出口に低圧側圧力制御弁孔を介して連通される弁内低圧弁用流路、および、前記第1の弁孔に連通した弁室が形成され、かつ、一端側から他端側に向う長手状で略筒状の弁本体と、この弁本体内の前記弁内充填流路の途中の前記第1の弁孔を開閉して、この弁内充填流路を移動により連通、遮断し、前記弁本体の一端側から他端側に向う方向に往復移動自在で、前記弁本体の弁室内に位置した略円形状の第1の弁体を有した第1の弁装置と、前記弁本体内の前記弁内ブローダウン流路の途中の前記第2の弁孔を開閉して、この弁内ブローダウン流路を移動により連通、遮断し、前記弁本体の一端側から他端側に向う方向に往復移動自在で、前記弁本体の弁室内の前記第1の弁本体の中心側に位置した略円形状の第2の弁体を有した第2の弁装置と、前記第1の弁装置の前記第1の弁体を前記第1の弁孔が開口される方向に付勢するコイル状の第1のスプリングと、前記第2の弁装置の前記第2の弁体を前記第2の弁孔が閉塞される方向に付勢するコイル状の第2のスプリングと、前記弁本体内に一端側から他端側に向って往復移動自在に設けられ前記第1の弁体および前記第2の弁体を開閉動作させ、往復移動方向に中心孔を有した略円筒状のプランジャーと、このプランジャーを前記第1のスプリングおよび前記第2のスプリングの付勢力に抗して、前記第1の弁体が前記第1の弁孔を閉塞する方向で、かつ、前記第2の弁体が前記第2の弁孔を開口する方向に付勢し、前記プランジャーの中心孔に取り付けられたコイル状の第3のスプリングと、前記プランジャーの基端側に位置して前記プランジャーを励磁動作で前記第3のスプリングの付勢力に抗して、前記第1の弁体が前記第1の弁孔を開口する方向で、かつ、前記第2の弁体が前記第2の弁孔を閉塞する方向に吸引し、前記弁本体の他端面に設けられた電磁装置と、前記弁本体内の前記弁内高圧弁用流路の途中の高圧側圧力制御弁孔を開閉してこの弁内高圧弁用流路を連通、遮断する高圧側圧力制御弁装置と、前記弁本体内の前記弁内低圧弁用流路の途中の低圧側圧力制御弁孔を開閉してこの弁内低圧弁用流路を連通、遮断する低圧側圧力制御弁装置と、前記弁本体内の前記弁内充填流路の前記第1の弁孔の上流側に設けられ前記共通出口から前記第1の入口へ流体が逆流することを防止する逆止弁装置と、前記弁本体内の前記弁内充填流路の前記逆止弁装置より前記第1の入口側に設けられたフィルタとを備え、前記第1の弁体および前記第2の弁体は、前記プランジャーの先端側に位置し、前記プランジャー、前記第1の弁体、前記第2の弁体、前記第1のスプリング、前記第2のスプリングおよび前記第3のスプリングは、同心状に配置されたものである。
【0031】
そして、電磁装置の非励磁時には、プランジャーは、第3のスプリングにて、第1のスプリングおよび第2のスプリングの付勢力に抗して、第1の弁体で第1の弁孔が閉塞される方向であり、かつ、第2の弁体で第2の弁孔が開口される方向に付勢され、第1の弁体は第1の弁孔を閉塞し、第1の入口と共通出口との間が遮断されているとともに、第2の弁体は第2の弁孔を開口し、第2の入口と共通出口との間が連通されている。
【0032】
この状態で、電磁装置が励磁動作されると、プランジャーは、第3のスプリングの付勢力に抗して、第1の弁体で第1の弁孔が開口される方向であり、かつ、第2の弁体で第2の弁孔が閉塞される方向に吸引され、第1の弁体は第1の弁孔を開口し、第1の入口と共通出口との間が連通されるとともに、第2の弁体は第2の弁孔を閉塞し、第2の入口と共通出口との間が遮断される。
【0033】
また、この状態で、電磁装置の励磁が解除されると、プランジャーは、第3のスプリングにて、第1のスプリングおよび第2のスプリングの付勢力に抗して、第1の弁体で第1の弁孔が閉塞される方向であり、かつ、第2の弁体で第2の弁孔が開口される方向に付勢され、第1の弁体は第1の弁孔を閉塞し、第1の入口と共通出口との間が遮断されるとともに、第2の弁体は第2の弁孔を開口し、第2の入口と共通出口との間が連通される。
【0034】
さらに、弁内高圧弁用流路の第2の入口側内の流体の圧力が、設定圧力以上に上昇したときには、高圧側圧力制御弁装置により、高圧側圧力制御弁孔が開口され、第2の入口と共通出口との間が短絡連通され、圧力が低下する。
【0035】
また、逆止弁装置により、弁内充填流路内を共通出口から第1の入口へ流体が逆流することを防止する。また、弁内低圧弁用流路の共通出口側内の流体の圧力が、設定圧力以上に上昇すると、低圧側圧力制御弁装置により、低圧側圧力制御弁孔が開口され、共通出口と還流用出口との間が短絡連通され、圧力が低下する。
【0036】
このように、一つの弁本体に、第1の弁装置および第2の弁装置と、低圧側圧力制御弁装置および高圧側圧力制御弁装置と、逆止弁装置とが設けられたため、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて、各弁装置を接続する必要がなくなり、配管系の施工が簡単になる。
【0037】
さらに、略筒状の弁本体内に、プランジャー、第1の弁体、第2の弁体、第1のスプリング、第2のスプリングおよび第3のスプリングは同心状に配置されたため、充填用複合弁装置自体が長手状のコンパクトな形状になる。
【0038】
請求項5記載の充填装置は、被充填対象物に流体供給源側からの流体を送り込み充填が完了すると停止する圧送手段と、第1の入口が前記流体供給源側に接続され、共通出口が前記圧送手段の吸入側に接続され、第2の入口が前記圧送手段の吐出側に接続された請求項1ないし4のいずれかに記載の充填用複合弁装置とを具備したもので、それぞれの作用を奏する。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態の構成を図1ないし図4を参照して説明する。
【0040】
図1は、本発明の充填装置の一実施の形態を示すシステム線図である。なお、図5に示す従来の充填装置の構成と略同一部分については、同一符号を付して説明する。
【0041】
図1において、31は充填装置であり、この充填装置31は流体としての天然ガスを、流体供給源としての天然ガス供給源2から被充填対象物としての自動車のタンク13に充填する装置である。
【0042】
この充填装置31は、充填系Aとブローダウン系Bとを有している。
【0043】
そして、この充填装置31の充填系Aは、天然ガス供給源2側に配管にて接続された供給源側流路3と、この供給源側流路3に第1の入口32を介して接続された充填用複合弁装置33の弁本体35内に形成された弁内充填流路33a と、この弁内充填流路33a に共通出口34を介して接続された弁側共通流路37とを有している。
【0044】
そして、この供給源側流路3の途中には、この供給源側流路3内の天然ガスの圧力を検出する低圧圧力センサ5が設けられている。
【0045】
また、この充填用複合弁装置33の弁本体35内に形成した第1の入口32と共通出口34との間の弁内充填流路33a の途中には、第1の入口32側から順に、フィルタ41、逆止弁装置42および第1の弁装置43が設けられている。なお、この第1の弁装置43は、この弁内充填流路33a を連通、遮断する。
【0046】
さらに、この充填用複合弁装置33の弁本体35内の第1の弁装置43と共通出口34との間には、弁内低圧弁用流路44の一端側が連通されている。そして、この弁内低圧弁用流路44の途中には、低圧側圧力制御弁装置45が設けられている。
【0047】
なお、この弁内低圧弁用流路44の下流側は、還流用出口46に接続した流路47を介して充填用複合弁装置33の弁本体35外の天然ガス供給源2側に接続されている。
【0048】
また、充填系Aは、弁側共通流路37に接続された低圧タンク8と、この低圧タンク8に流路9にて接続された圧送手段としての圧縮機10と、この圧縮機10に接続された対象物側充填流路11とを有している。そして、この対象物側充填流路11の先端側が、充填の際に、フィルタ12を介して自動車のタンク13に接続される。
【0049】
なお、この圧縮機10は、この圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が所定値、例えば、約20MPaに達すると、圧縮機10の吐出側に設けた高圧圧力センサ19からの信号に基づき停止する。
【0050】
一方、この充填装置31のブローダウン系Bは、対象物側充填流路11の途中に接続された対象物側ブローダウン流路21と、この対象物側ブローダウン流路21に第2の入口52を介して接続された充填用複合弁装置33の弁本体35内に形成された弁内ブローダウン流路33b とを有している。
【0051】
なお、この弁内ブローダウン流路33b の下流側は、充填用複合弁装置33の弁本体35内に形成した共通出口34を介して、弁側共通流路37に接続されている。
【0052】
そして、この充填用複合弁装置33内に形成した第2の入口52と共通出口34との間の弁内ブローダウン流路33b の途中には、第2の弁装置53が設けられている。この第2の弁装置53は、この弁内ブローダウン流路33b を連通、遮断する。
【0053】
なお、第2の弁装置53の下流側である共通出口34側の弁内ブローダウン流路33b と、上記充填系Aの第1の弁装置43の下流側である共通出口34側の弁内充填流路33a とは、一つの共通した弁内共通流路33c であり、充填時には、弁内充填流路33a になり、ブローダウン時には、弁内ブローダウン流路33b になる。
【0054】
また、第2の弁装置53は、第の1弁装置43の開成および閉塞に反対に連動して動作する。すなわち、充填系Aの弁内充填流路33a に設けた第1の弁装置43と、ブローダウン系Bの弁内ブローダウン流路33b に設けた第2の弁装置53とは、充填用複合弁装置33の弁本体35に設けた電磁装置27の駆動により、第1の弁装置43が開成すると、第2の弁装置53が閉塞し、或いは、第2の弁装置53が開成すると、第1の弁装置43が開成する。
【0055】
さらに、この充填用複合弁装置33の弁本体35内に形成した第2の入口52と共通出口34との間には、弁内ブローダウン流路33b と並列に弁内高圧弁用流路54が短絡連通されている。そして、この弁内高圧弁用流路54の途中には、高圧側圧力制御弁装置55が設けられている。
【0056】
なお、この弁内高圧弁用流路54の下流側は、第1の弁装置43または第2の弁装置53と共通出口34の間の弁内共通流路33c に連通されている。
【0057】
次に、上記充填装置31が備えた充填用複合弁装置33の具体的な構成について説明する。
【0058】
図2および図3において、弁本体35は、それぞれ結合された一端側に位置する第1のバルブボディ62と、ほぼ中央に位置する第2のバルブボディ63および第3のバルブボディ64とを有し、この弁本体35は、一端側から他端側に向う方向に略筒状で長手状に形成されている。また、第3のバルブボディ64の他端側には電磁装置27が取り付けられている。
【0059】
なお、図2は、充填装置31が作動していない停止状態、つまり、圧縮機10および電磁装置27が停止している状態における充填用複合弁装置33を示す断面図である。
【0060】
まず、第1のバルブボディ62には、一端面に位置して一端方向に向って開口した第1の入口32が形成されている。なお、この第1の入口32には、図1に示す天然ガス供給源2側に一端側を接続した供給源側流路3を有する図示しない金属管、ゴムホース等の図示しない管が、例えば螺着にて接続される。
【0061】
そして、この第1の入口32に連通して他端方向に向った後、上方に向う第1の入口側流路67がこの第1のバルブボディ62内に断面略円形状に形成されている。
【0062】
この第1の入口側流路67内であって、上方に向う部分には、例えば、焼結金属、セラミック、フェルトまたはフェノール樹脂で処理した紙にて形成したフィルタ41が取り付けられている。
【0063】
また、第1のバルブボディ62の上部には、上方に向って開口し内周面に雌ねじ部69を有した蓋体取付部70が突出して一体に形成されている。
【0064】
さらに、この蓋体取付部70の上部には、シール用凹部71が環状に形成され、このシール用凹部71に環状のシール部材72が嵌着されている。
【0065】
そして、この蓋体取付部70には、下部の外周面に雌ねじ部69に螺合する雄ねじ部73を有するとともに下面の外周にシール部材72に当接する当接面74を有した蓋体75が螺着されて、この蓋体取付部70の開口が閉塞されている。
【0066】
なお、図1に示すように、この蓋体取付部70に蓋体75が螺着された状態では、この蓋体取付部70とこの蓋体75との間に、シール部材72が位置するため、このシール部材72よって、第1のバルブボディ62と蓋体75との間は、気密および液密に保持されている。
【0067】
また、この蓋体75のほぼ中央には、略円柱状の軸部用孔76が下面から上方に向って略円円柱状に形成されている。さらに、この軸部用孔76に連通して下方向け、その後他端方向に向けて逆止弁室77が、この第1のバルブボディ62内に形成されている。さらに、この逆止弁室77と第1の入口側流路67とは、逆止弁孔78にて連通されている。
【0068】
そして、この逆止弁室77内にほぼ位置して、逆止弁装置42の逆止弁体83が上下方向に移動自在に設けられ、この逆止弁体83にて逆止弁孔78が開閉される。なお、図2においては、この逆止弁装置42は閉塞状態にある。
【0069】
この逆止弁装置42は、略円板状の弁円板部81と、この弁円板部81の中央から上方に向けて一体に形成した弁軸部82とにて形成した前記逆止弁体83を有している。
【0070】
そして、この逆止弁体83の弁円板部81には、ゴム、プラスチック等で成形した弁部材86が取り付けられ、この弁部材86は、逆止弁孔78の周囲に位置する弁座面85に接触している。
【0071】
なお、例えば、逆止弁室77側から第1の入口側流路67側へ天然ガスが逆流しようとすると、弁部材86は逆止弁孔78の周囲の弁座面85に圧接して、逆止弁孔78を確実に閉塞する。
【0072】
また、この逆止弁体83の弁軸部82は、蓋体取付部70のほぼ中央に形成した軸部用孔76に上下方向に移動自在に嵌挿されている。
【0073】
なお、この逆止弁装置42は、充填装置31の停止時には、重力により逆止弁孔78を閉塞するように弁座面85に接触している。
【0074】
すなわち、図2に示すように、第1の入口側流路67側から逆止弁室77側へ天然ガスが流されていない状態では、この逆止弁装置42に働く下向きの重力により、弁座面85に逆止弁体83の弁部材86が接触して、逆止弁孔78を閉塞しているのである。
【0075】
さらに、前記第1のバルブボディ62には、側面の下面に位置して下方に向って開口した共通出口34が形成されている。なお、この共通出口34には、図1に示す自動車のタンク13側に、低圧タンク8、圧縮機10等を介して接続される弁側共通流路37を有する図示しない金属管、ゴムホース等の管が、例えば螺着にて接続される。
【0076】
そして、この共通出口34に連通して上方に向う共通出口側流路87がこの第1のバルブボディ62内に断面略円形状に形成され、また、この共通出口側流路87にブローダウン用孔89を介して連通して、第1の弁室88が、この第1のバルブボディ62内に形成されている。
【0077】
さらに、この第1の弁室88と逆止弁室77とは、第1の弁孔91にて連通されている。そして、この第1の弁室88内に位置して、第1の弁装置43の第1の弁体95が一端側から他端側に向う方向に往復移動自在に設けられ、この第1の弁装置43の第1の弁体95にて第1の弁孔91が開閉される。なお、図2においては、この第1の弁装置43は閉塞状態にある。
【0078】
この第1の弁装置43は、略円板状の弁円板部93と、この弁円板部93の周縁から他端方向に向けて一体に形成した弁筒部94とにて形成された前記第1の弁体95を有している。
【0079】
この第1の弁体95の弁円板部93には、ゴム、プラスチック等で成形した弁部材99が取り付けられ、この弁部材99は、第1の弁孔91の周囲に位置する弁座面96に圧接して、第1の弁孔91が第1の弁体95にて閉塞されている。
【0080】
また、この第1の弁体95の弁筒部94のほぼ中央には、弁本体35の長手方向の一端側に向けたスプリング受け面100 が環状に形成されている。その一方、このスプリング受け面100 に対向して、第1のバルブボディ62の内部の弁座面96の近傍に位置して、スプリング受け面101 が環状に形成されている。
【0081】
そして、この第1のバルブボディ62のスプリング受け面101 と第1の弁体95の弁筒部94のスプリング受け面100 とに、コイル状の第1のスプリング103 の両端が圧接しており、この第1のスプリング103 により、第1の弁体95が、第1の弁孔91が開口する方向である他端方向に付勢されている。
【0082】
また、この第1の弁体95の弁筒部94の他端部には、例えば、互いに対向する位置に2本の作用軸104 ,104 が当接している。
【0083】
さらに、第1のバルブボディ62には、図3に示すように、側面の後面から後方に向って突出した略円筒状の円筒突出部105 が設けられている。
【0084】
この円筒突出部105 の先端側の径大部106 には、後方に向って開口した還流用出口46が形成されている。なお、この還流用出口46には、図1に示す天然ガス供給源2側に一端側を接続した流路47を有する図示しない管が、例えば螺着にて接続される。
【0085】
そして、この還流用出口46に連通して、前方に向う還流用出口側流路107 が、この円筒突出部105 の径大部106 内に形成されている。さらに、この還流用出口側流路107 内には、ほぼ中央に開放用孔108 を有するとともに前面にスプリング受け凹部109 を有した設定圧力調整用部材111 が螺着されている。
【0086】
なお、この設定圧力調整用部材111 の螺着位置により、低圧側圧力制御弁装置45の設定圧力が調整されている。
【0087】
そして、還流用出口側流路107 は、この設定圧力調整用部材111 の開放用孔108 を介して、第1のバルブボディ62の円筒突出部105 内に形成した低圧側圧力制御弁室112 に連通されている。
【0088】
さらに、この低圧側圧力制御弁室112 と、第1の弁室88とは、低圧側圧力制御弁孔114 および細長の一次側開放用孔115 にて連通されている。
【0089】
そして、この低圧側圧力制御弁室112 内に位置して、バランスピストン形の低圧側圧力制御弁装置45が前後方向に移動自在に設けられ、この低圧側圧力制御弁装置45のバランスピストン117 にて、低圧側圧力制御弁孔114 が開閉される。なお、図3においては、この低圧側圧力制御弁装置45は閉塞状態にある。
【0090】
この低圧側圧力制御弁装置45は、第1のバルブボディ62の円筒突出部105 の内周面を前後方向に摺動自在な略円筒状の前記バランスピストン117 を有している。このバランスピストン117 の後側には、スプリング受け凹部118 が形成され、このスプリング受け凹部118 と、設定圧力調整用部材111 のスプリング受け凹部109 との間に、スプリング120 が取り付けられ、このスプリング120 により、バランスピストン117 が、低圧側圧力制御弁孔114 を閉塞する方向に付勢されている。
【0091】
また、バランスピストン117 の前側には、ゴム、プラスチック等で成形した弁部材121 が取り付けられており、この弁部材121 は、低圧側圧力制御弁孔114 の周囲に位置する、円筒突出部105 の内周面に形成された弁座面122 に圧接して、低圧側圧力制御弁孔114 が閉塞されている。
【0092】
また、前記第1のバルブボディ62の他端の径大部126 には、環状のシール用凹部127 が形成され、このシール用凹部127 に環状のシール部材128 が嵌着されている。そして、この第1のバルブボディ62と、第2のバルブボディ63との間に、このシール部材128 が位置するため、このシール部材128 によって、第1のバルブボディ62と第2のバルブボディ63との間は、気密および液密に保持されている。
【0093】
そして、この第2のバルブボディ63のほぼ一端側半分の径小部63a は、略筒状に形成され、第1のバルブボディ62の他端側内部であって、第1の弁体95の弁筒部94の内側に位置している。
【0094】
なお、この第2のバルブボディ63の径小部63a の外周面と、第1の弁体95の弁筒部94の内周面との間には、隙間129 が形成され、この隙間129 は第1の弁室88に連通されている。
【0095】
また、この第2のバルブボディ63の径小部63a の一端部の内周面には、雌ねじ部130 が形成されており、この径小部63a の一端部には、この雌ねじ部130 に螺合する雄ねじ部131 を他端部の外周面に有した、一側が閉塞された短い略筒状の室仕切り部材132 が螺着されている。
【0096】
なお、この室仕切り部材132 が、第1の弁室88の他側の壁となっている。
【0097】
また、この室仕切り部材132 の他側部の内周面には、雌ねじ部133 が形成されており、この室仕切り部材132 の他側部には、この雌ねじ部133 に螺合する雄ねじ部を一側部の外周面に有した軸受部材135 が螺着されている。
【0098】
そして、この軸受部材135 と室仕切り部材132 との間には、作用室136 が形成され、また、この軸受部材135 と、第2のバルブボディ63との間には、第2の弁室138 が形成されている。
【0099】
さらに、この軸受部材135 には、一側面から他側面に貫通した貫通孔139 が形成され、この貫通孔139 内には、移動自在な軸体141 が差し込まれている。なお、この軸体141 と軸受部材135 との間はシール部材142 にて気密および液密に保持されている。
【0100】
また、この軸受部材135 の中央の外周面には、シール用凹部144 が環状に形成され、このシール用凹部144 に環状のシール部材145 が嵌着されている。そして、この軸受部材135 と第2のバルブボディ63の径小部63a との間に、このシール部材145 が位置するため、このシール部材145 によって、この軸受部材135 と第2のバルブボディ63の径小部63a との間は、気密および液密に保持されている。
【0101】
さらに、この軸受部材135 の径小である一端部には、コイル状の第2のスプリング146 が配置されている。
【0102】
また一方、第2のバルブボディ63には、側面の上面に位置して上方に向って開口した第2の入口52が形成されている。なお、この第2の入口52には、図1に示す自動車のタンク13側に接続される対象物側ブローダウン流路21を有する図示しない金属管、ゴムホース等の管が、例えば螺着にて接続される。
【0103】
そして、この第2の入口52から下方に向って、この第2のバルブボディ63のほぼ中心軸位置まで連通して、第2の入口側下方流路148 がこの第2のバルブボディ63内に形成されている。
【0104】
この第2の入口側下方流路148 の先端位置には、細孔149 を有したノズル体150 が配設されており、この細孔149 の先端の第2の弁孔151 を介して、第2の入口側下方流路148 は、第2の弁室138 に連通されている。
【0105】
そして、この第2の弁室138 内に位置して、第2の弁装置53の第2の弁体155 が一端側から他端側に向う方向に往復移動自在に設けられ、この第2の弁装置53の第2の弁体155 にて、第2の弁孔151 が開閉される。なお、図2においては、この第2の弁装置53は開口状態にある。
【0106】
この第2の弁装置53は、略円板状の弁円板部153 と、この弁円板部153 の周縁から一端方向に向けて一体に形成した弁筒部154 とにて形成された前記第2の弁体155 を有している。
【0107】
この第2の弁体155 の弁円板部153 の一端面には、軸受部材135 の他端部に配置した第2のスプリング146 の一端部が圧接しており、この第2のスプリング146 により、この第2の弁体155 が他端方向に付勢されている。また、この弁円板部153 の一端面のほぼ中央には、軸受部材135 に差し込まれた軸体141 の他端部が連結されている。
【0108】
さらに、この第2の弁体155 の弁円板部153 の他側面のほぼ中央には、ゴム、プラスチック等で成形した弁部材156 が取り付けられている。なお、この弁部材156 は、第2の弁装置53の閉塞状態の際には、ノズル体150 に係合して、ノズル体150 の細孔149 を閉塞する。なお、この弁円板部153 の他側面には、3本の作用軸157 が当接している。
【0109】
また、第2の入口側下方流路148 の途中から、一端側に向って第2の入口側一端側方流路158 がこの第2のバルブボディ63内に形成されている。この第2の入口側一端側方流路158 は、軸受部材135 に形成された隙間159 を介して作用室136 に連通されている。
【0110】
また一方、図4に示すように、第2のバルブボディ63の側面である前面には、前方に向って開口し、内周面に雌ねじ部161 を有した弁取付部162 が形成されている。
【0111】
そして、この弁取付部162 には、一側部の外周面に雌ねじ部161 に螺合する雄ねじ部163 を有するとともに、他側部の外周面にも雄ねじ部164 を有した中空の連結体166 が螺着されている。
【0112】
さらに、この連結体166 には、一側部の内周面に雄ねじ部164 に螺合する雌ねじ部167 を有するとともに、他側部の内周面にも雌ねじ部168 を有した略円筒状のスプリング収納体170 が螺着されている。
【0113】
そして、このスプリング収納体170 内には、外周面に雌ねじ部168 に螺合する雄ねじ部171 、内部のほぼ中央に通風孔172 および一端面にスプリング受け面173 を有した設定圧力調整用部材175 が螺着されている。
【0114】
なお、この設定圧力調整用部材175 の螺着位置により、高圧側圧力制御弁装置55の設定圧力が調整されている。
【0115】
また、スプリング収納体170 内にはスプリング受け体177 が移動自在に配設されており、このスプリング受け体177 が有したスプリング受け面178 と、設定圧力調整用部材175 のスプリング受け面173 とに、コイル状のコイルスプリング180 の両端が圧接している。
【0116】
さらに、スプリング受け体177 には、作用軸181 が連結され、この連結軸181 の先端部には、中空のリリーフ弁体182 が連結されている。この連結軸181 とこの連結軸181 が移動自在に挿入された連結体166 との間は、シール部材184 にて気密および液密に保持されている。
【0117】
また、リリーフ弁体182 は、連結体166 の内側に形成された高圧側圧力制御弁室186 内に移動自在に配設されている。このリリーフ弁体182 の内側には、スプリング187 が配設されており、このスプリング187 の一端部は補助弁体188 に圧接している。
【0118】
一方、高圧側圧力制御弁室186 には、第2の入口側下方流路148 の途中から、前方に向って形成された一次側開放用流路190 が連通されている。また高圧側圧力制御弁室186 には、高圧側圧力制御弁孔191 およびノズル体192 の細孔193 を介して二次側開放用流路194 に連通されている。なお、二次側開放用流路194 は、隙間129 等を介して第1の弁室88に連通されている。
【0119】
そして、これらリリーフ弁体182 、コイルスプリング180 、補助弁体188 、連結軸181 、スプリング受け体177 、スプリング187 等にて高圧側圧力制御弁装置55が構成され、図4においては、この高圧側圧力制御弁装置55は、閉塞状態にある。すなわち、補助弁体188 にて高圧側圧力制御弁孔191 が閉塞されている。このように、高圧側圧力制御弁装置55の閉塞状態において、スプリング収納体170 内のコイルスプリング180 による付勢力が直接ノズル体192 に働かないようにして、ノズル体192 等の高圧側圧力制御弁装置55の耐久性の向上が図られている。
【0120】
また一方、図4に示すように、第2のバルブボディ63内には、第1の弁体95の弁筒部94の他端部に当接した作用軸104 ,104 、および、第2の弁体155 の弁円板部153 の他側面に当接した作用軸157 ,157 ,157 が移動自在に挿入された挿入孔196 が形成されている。この各挿入孔196 と作用軸104 との間には隙間198 があり、また、この各挿入孔196 と作用軸157 との間には隙間199 がある。
【0121】
さらに、これら各作用軸104 ,157 の他端部は、第2のバルブボディ63の他端部の内側に形成された作用室200 内に位置する連結板201 に、例えば、連結されている。連結板201 の他側面から突出して一体に形成された径小部202 の雄ねじ部203 には、他端部の内周面に雄ねじ部203 に螺合する雌ねじ部204 を有した略円筒状のプランジャー207 が螺着されている。
【0122】
また一方、第2のバルブボディ63の他端面は、第3のバルブボディ64の一端面に、シール部材210 を介して気密および液密に当接され、第2のバルブボディ63と第3のバルブボディ64とは、ボルト211 にて結合されている。
【0123】
さらに、この第3のバルブボディ64の他端面には、電磁装置27が取り付けられ、この電磁装置27は、電磁装置ハウジング213 を有し、また、この電磁装置ハウジング213 内に電磁コイル215 を備えている。
【0124】
そして、この電磁コイル215 の両側面には、フラックスプレート216 ,216 がそれぞれ当接されている。また、電磁コイル215 の内側に設けられた筒体217 の内側には、プランジャー207 が一端側から他端側に向って往復移動自在に配設されている。
【0125】
さらに、筒体217 の内側の他端部の近傍には、プランジャー207 に対向して固定鉄心218 が嵌合固着されている。この固定鉄心218 の他端部には、ナット219 螺着されている。
【0126】
そして、プランジャー207 内の中心孔207aには、コイル状の第3のスプリング220 が取り付けられ、この第3のスプリング220 の両端部は、固定鉄心218 と、プランジャー207 に連結された連結板201 とに圧接している。
【0127】
なお、図1に示す弁内充填流路33a は、第1の入口側流路67、逆止弁孔78、逆止弁室77、第1の弁孔91、第1の弁室88および共通出口側流路87にて構成されている。また、弁内ブローダウン流路33b は、第2の入口側下方流路148 、細孔149 、第2の弁孔151 、第2の弁室138 、隙間199 、作用室200 、隙間198 、隙間129 、第1の弁室88、ブローダウン用孔89および共通出口側流路87にて構成されている。さらに、弁内共通流路33c は、第1の弁室88および共通出口側流路87にて構成されている。
【0128】
また、弁内低圧弁用流路44は、一次側開放用孔115 、低圧側圧力制御弁孔114 、低圧側圧力制御弁室112 、開放用孔108 および還流用出口側流路107 にて構成され、一方、弁内高圧弁用流路54は、一次側開放用流路190 、高圧側圧力制御弁室186 、高圧側圧力制御弁孔191 、細孔193 、二次側開放用流路194 、隙間129 等にて構成されている。
【0129】
また、弁本体35内に形成した第1の弁孔91に連通した弁室222 は、第1の弁室77、第2の弁室138 等にて構成されている。
【0130】
次に、上記一実施の形態の動作について説明する。
【0131】
まず、充填用複合弁装置33の動作について説明する。
【0132】
電磁装置27の非励磁時には、プランジャー207 、連結板201 および作用軸104 ,157 は、第3のスプリング220 にて、第1のスプリング103 および第2のスプリング146 の付勢力に抗して、第1の弁体95で第1の弁孔91が閉塞される方向であり、かつ、第2の弁体155 で第2の弁孔151 が開口される方向に付勢され、電磁装置27から離反する側に位置し、第1の弁体95は第1の弁孔91を閉塞し、第1の入口32と共通出口34との間が遮断されているとともに、第2の弁体144 は第2の弁孔151 を開口し、第2の入口52と共通出口34との間が連通されている。
【0133】
この状態で、電磁装置27が励磁動作されると、プランジャー207 等は、第3のスプリング220 の付勢力に抗して、第1の弁体95で第1の弁孔91が開口される方向であり、かつ、第2の弁体155 で第2の弁孔151 が閉塞される方向である電磁装置27の吸引側に吸引され、第1の弁体95は第1の弁孔91を開口し、第1の入口32と共通出口34との間が連通されるとともに、第2の弁体155 は第2の弁孔151 を閉塞し、第2の入口52と共通出口34との間が遮断される。
【0134】
また、この状態で、電磁装置27の励磁が解除されると、プランジャー207 等は、第3のスプリング220 にて、第1のスプリング103 および第2のスプリング146 の付勢力に抗して、第1の弁体95で第1の弁孔91が閉塞される方向であり、かつ、第2の弁体155 で第2の弁孔151 が開口される方向に付勢され、第1の弁体95は第1の弁孔91を閉塞し、第1の入口32と共通出口34との間が遮断されるとともに、第2の弁体155 は第2の弁孔151 を開口し、第2の入口52と共通出口34との間が連通される。
【0135】
さらに、弁内高圧弁用流路54の第2の入口52側内の流体の圧力が、設定圧力以上に上昇したときには、高圧側圧力制御弁装置54により、高圧側圧力制御弁孔191 が開口され、第2の入口52と共通出口34との間が短絡連通され、圧力が低下する。
【0136】
また、逆止弁装置42により、弁内充填流路内33a を共通出口34から第1の入口32へ流体が逆流することを防止する。また、弁内低圧弁用流路44の共通出口34側内の流体の圧力が、設定圧力以上に上昇すると、低圧側圧力制御弁装置45により、低圧側圧力制御弁孔114 が開口され、共通出口34と還流用出口46との間が短絡連通され、圧力が低下する。
【0137】
次に、この充填用複合弁装置33の充填装置31への取付け等は、充填用複合弁装置33の第1の入口32、第2の入口52、共通出口34および還流用出口46に、図示しない管を接続してそれぞれの流路を連通されるとともに、この充填用複合弁装置33を弁側共通流路37、低圧タンク8、流路9、圧縮機10、対象物側充填流路11、高圧圧力センサ19等を内蔵した筐体上に設置することにより行われる。
【0138】
すなわち、一つの弁本体35に、第1の弁装置43および第2の弁装置53と、低圧側圧力制御弁装置45および高圧側圧力制御弁装置55と、逆止弁装置42とを設けたため、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて、各弁装置42,43,45,53,55を接続する必要がなく、配管系の施工が簡単に終了する。
【0139】
こうして、組み立てられた充填装置31を用いて、天然ガス供給源2から自動車のタンク13に天然ガスを充填する場合について説明する。
【0140】
まず、対象物側充填流路11の先端側を自動車のタンク13に接続する。
【0141】
そして、接続後、電磁装置27および圧縮機10を駆動させると、プランジャー207 、連結板201 および作用軸104 ,157 が、一端方向に付勢する第3のスプリング220 による付勢力に抗して、固定鉄心218 に吸引されて、他端方向に移動する。
【0142】
この移動により、第1のスプリング103 の付勢力で第1の弁体95も他端方向に移動し、第1の弁孔91が開口するため、第1の入口32と共通出口34との間が連通され、天然ガス供給源側からの天然ガスが、第1の入口32から、フィルタ41、逆止弁装置42および第1の弁装置43を経て共通出口34へ流れる。
【0143】
そして、この共通出口34から出た天然ガスは、低圧タンク8、圧縮機10等を介して、自動車のタンク13内に送り込まれる。
【0144】
また、第2のスプリング146 の付勢力で第2の弁体155 は他端方向に移動し第2の弁装置53は閉塞され、第2の弁体155 の弁部材156 が、ノズル体150 に係合して、ノズル体150 の細孔149 が閉塞されるため、第2の入口52と共通出口34との間が遮断される。
【0145】
このため、圧縮機10の吐出側からの天然ガスは、第2の入口52から共通出口34へ流れない状態になる。
【0146】
こうして、自動車のタンク13への天然ガスの充填が行われるが、この自動車のタンク13への充填が進むにつれ、圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が上昇する。
【0147】
したがって、第2の入口52と第2の弁体155 との間に位置する作用室136 内の天然ガスの圧力が上昇するとともに、ノズル体150 の細孔149 内の天然ガスの圧力も同じだけ上昇する。
【0148】
その結果、軸受部材135 内に挿入された軸体141 の両端面には、圧力による力が互いに異なる向きに働く。また、両端面の受圧面積は、他端面の受圧面積に比して、一端面の受圧面積の方が大きいため、圧力による力の大きさも、他端方向の力の方が大きく、この軸体141 は他端方向の力を受けるため、第2の弁装置53の閉塞状態が確実に保持される。
【0149】
そして、圧縮機10の吐出側に設けた高圧圧力センサ19にて、この吐出側の天然ガスの圧力が所定値、例えば約20MPaに達したと検知されると、この検知信号に基づき圧縮機10が停止する。
【0150】
次いで、電磁装置27が停止すると、第1のスプリング103 および第2のスプリング146 の他端方向の付勢力に抗して、プランジャー207 、連結板201 および作用軸104 ,157 が、一端方向に付勢する第3のスプリング220 による付勢力により、固定鉄心218 から離れて、一端方向に移動する。
【0151】
この移動により、第2の弁装置53が開成して、第2の弁孔151 が開口するため、第2の入口52と共通出口34との間が連通され、圧縮機10の吐出側の高圧の天然ガスが、第2の弁装置53を介して低圧タンク8に流れ込み、この圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が低下する。
【0152】
この結果、充填完了後、対象物側充填流路11の先端側を、自動車のタンク13から取り外す際に、天然ガスが大気中に放出されることが防止される。
【0153】
また、例えば、圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が所定値に達したにも拘らず圧縮機10が駆動し続け、圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が設定圧力以上に上昇した場合には、高圧側圧力制御弁装置55が開成して、高圧側圧力制御弁孔191 が開口するため、一次側開放用流路190 と二次側開放用流路194 との間が連通され、この圧縮機10の吐出側の天然ガスが、低圧タンク8に流されるので、この圧縮機10の吐出側の天然ガスの圧力が低下する。
【0154】
また一方、天然ガスが、共通出口34から第1の入口32へ逆流しようとした場合には、逆止弁装置42が閉塞され、天然ガス供給源側に天然ガスが逆流することが防止される。
【0155】
さらに、圧縮機10の吸入側の天然ガスの圧力が設定圧力以上に上昇した場合には、低圧側圧力制御弁装置45が開成して、低圧側圧力制御弁孔114 が開口するため、一次側開放用孔115 と還流用出口側流路107 との間が連通され、この圧縮機10の吸入側の天然ガスが、天然ガス供給源2側に流されるので、この圧縮機10の吸入側の流体の圧力が低下する。
【0156】
さらに、充填用複合弁装置33の弁本体35内に設けたフィルタ41は、天然ガス供給源2側からの天然ガスに混じった不純物を除去する。
【0157】
このようにして、上記一実施の形態によれば、一つの複合弁装置31が、第1の弁装置43および第2の弁装置53による二つの開閉弁機能と、低圧側圧力制御弁装置45および高圧側圧力制御弁装置55による二つの圧力制御弁機能と、逆止弁装置42による一つの逆止弁機能とを有するため、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて、複数の弁装置を接続する必要がなく、配管系の施工を簡単にでき、しかも、充填装置31自体を簡素にでき、寸法を小形にできる。
【0158】
また、電磁装置27の駆動により、第1の弁装置43および第2の弁装置53を、一つの動作で、確実に連動して開閉されることができ、双方が開成した状態や双方が閉塞した状態になることを防止できる。
【0159】
さらに、弁本体35内の第1の入口32と共通出口34とにフィルタ41が設けたため、天然ガス供給源2側からの天然ガスに混じった不純物を除去でき、弁本体35内の目詰まりを防止でき、しかも、弁本体外に別個にフィルタ機能を備えたものに比して、さらに配管系の施工を簡単にできる。
【0160】
また、略筒状の弁本体内に、プランジャー207 、第1の弁体95、第2の弁体155 、第1のスプリング103 、第2のスプリング146 および第3のスプリング220 は同心状に配置されたため、充填用複合弁装置33自体を長手状のコンパクトな形状にできる。
【0161】
なお、上記一実施の形態においては、圧送手段は、圧縮機10として説明したが、この圧縮機10には限定されず、流体供給源からの流体を被充填対象物に送り込み、吐出側の圧力が所定値に達すると停止するものであればよい。
【0162】
また、上記一実施の形態においては、充填装置31は低圧タンク8を有した構成として説明したが、必ずしも低圧タンク8は必要でない。
【0163】
さらに、上記一実施の形態においては、弁本体35に電磁装置27を備えた構成として説明したが、弁本体35に電磁装置27を備えない構成でもよい。
【0164】
また、上記一実施の形態においては、天然ガスを充填する充填装置として説明したが、その他の流体を充填する場合にも用いることができる。
【0165】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、一つの複合弁装置が、第1の弁装置および第2の弁装置による二つの開閉弁機能と、低圧側圧力制御弁装置および高圧側圧力制御弁装置による二つの圧力制御弁機能と、逆止弁装置による一つの逆止弁機能とを有するため、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて、複数の弁装置を接続する必要がなく、配管系の施工を簡単にできる。
【0166】
請求項2記載の発明によれば、一つの複合弁装置が、第1の弁装置および第2の弁装置による二つの開閉弁機能と、低圧側圧力制御弁装置および高圧側圧力制御弁装置による二つの圧力制御弁機能と、逆止弁装置による一つの逆止弁機能とを有するため、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて、複数の弁装置を接続する必要がなく、配管系の施工を簡単にできる。
【0167】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の充填用複合弁装置において、電磁装置の駆動により、第1の弁装置および第2の弁装置を、一つの動作で確実に連動して開閉でき、双方が開成した状態や双方が閉塞した状態になることを防止できる。
【0168】
請求項4記載の発明によれば、一つの複合弁装置が、第1の弁装置および第2の弁装置による二つの開閉弁機能と、低圧側圧力制御弁装置および高圧側圧力制御弁装置による二つの圧力制御弁機能と、逆止弁装置による一つの逆止弁機能とを有するため、管、継手、管用ねじ等の部材を用いて、複数の弁装置を接続する必要がなく、配管系の施工を簡単にできる。
【0169】
また、略筒状の弁本体内に、プランジャー、第1の弁体、第2の弁体、第1のスプリング、第2のスプリングおよび第3のスプリングは同心状に配置されたため、充填用複合弁装置自体を長手状のコンパクトな形状にできる。
【0170】
請求項5記載の充填装置によれば、被充填対象物に流体供給源側からの流体を送り込み充填が完了すると停止する圧送手段と、第1の入口が前記流体供給源側に接続され、共通出口が前記圧送手段の吸入側に接続され、第2の入口が前記圧送手段の吐出側に接続された請求項1ないし4のいずれかに記載の充填用複合弁装置とを具備したもので、圧送手段にて圧送させる流体の漏洩が少なく確実に充填でき、しかも、充填装置自体の簡素化が図られ、寸法を小形にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の充填装置の一実施の形態を示すシステム線図である。
【図2】同上充填装置が具備した充填用複合弁装置を示す断面図である。
【図3】同上充填用複合弁装置を示す平面図である。
【図4】同上充填用複合弁装置を示すA−A断面図である。
【図5】従来の充填装置を示すシステム線図である。
【符号の説明】
2 流体供給源としての天然ガス供給源
10 圧送手段としての圧縮機
13 被充填対象物としての自動車のタンク
27 電磁装置
31 充填装置
32 第1の入口
33 充填用複合弁装置
33a 弁内充填流路
33b 弁内ブローダウン流路
34 共通出口
41 フィルタ
42 逆止弁装置
43 第1の弁装置
44 弁内低圧弁用流路
45 低圧側圧力制御弁装置
46 還流用出口
52 第2の入口
53 第2の弁装置
54 弁内高圧弁用流路
55 高圧側圧力制御弁装置
61 弁本体
91 第1の弁孔
95 第1の弁体
103 第1のスプリング
114 低圧側圧力制御弁孔
146 第2のスプリング
151 第2の弁孔
155 第2の弁体
191 高圧側圧力制御弁孔
207 プランジャー
207a 中心孔
220 第3のスプリング
222 弁室
Claims (5)
- 流体供給源側に接続される第1の入口、この第1の入口に連通されるとともに被充填対象物側に接続される共通出口、この共通出口に連通されるとともに被充填対象物側に接続される第2の入口、および、前記共通出口に連通される還流用出口が形成された弁本体と、
この弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間を連通、遮断する第1の弁装置と、
前記弁本体内に設けられ前記第2の入口と前記共通出口との間を前記第1の弁装置の遮断時に連通するとともにこの第1の弁装置の連通時に遮断する第2の弁装置と、
前記弁本体内に設けられ前記第2の入口と前記共通出口との間を短絡連通して圧力を低下させる高圧側圧力制御弁装置と、
前記弁本体内に設けられ前記共通出口と還流用出口との間を短絡連通して圧力を低下させる低圧側圧力制御弁装置と、
前記弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間に位置して前記共通出口から前記第1の入口へ流体が逆流することを防止する逆止弁装置と、
前記弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間で前記逆止弁装置より前記第1の入口側に位置するフィルタと
を具備したことを特徴とする充填用複合弁装置。 - 流体供給源側に接続される第1の入口、この第1の入口に連通されるとともに被充填対象物に前記流体供給源側からの流体を吐出側から送り込み充填が完了すると停止する圧送手段の吸入側に接続される共通出口、この共通出口に連通されるとともに前記圧送手段の吐出側に接続される第2の入口、および、前記共通出口に連通される還流用出口が形成された弁本体と、
この弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間を前記被充填対象物に流体を充填する際に連通し、かつ、前記圧送手段が停止したときに遮断する第1の弁装置と、
前記弁本体内に設けられ前記第2の入口と前記共通出口との間を前記被充填対象物に流体を充填する際に遮断し、かつ、前記圧送手段が停止すると連通する第2の弁装置と、
前記弁本体内に設けられ前記圧送手段の吐出側の流体の圧力が設定圧力以上に上昇したときに、前記第2の入口と前記共通出口との間を短絡連通して前記圧送手段の吐出側の流体の圧力を低下させる高圧側圧力制御弁装置と、
前記弁本体内に設けられ、前記圧送手段の吸入側の流体の圧力が設定圧力以上に上昇したときに、前記共通出口と還流用出口との間を短絡連通して前記圧送手段の吸入側の流体の圧力を低下させる低圧側圧力制御弁装置と、
前記弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間に位置して前記共通出口から前記第1の入口へ流体が逆流することを防止する逆止弁装置と、
前記弁本体内に設けられ前記第1の入口と前記共通出口との間で前記逆止弁装置より前記第1の入口側に位置するフィルタと
を具備したことを特徴とする充填用複合弁装置。 - 弁本体に電磁装置を備え、
第1の弁装置および第2の弁装置は、前記電磁装置の駆動によりこの第1の弁装置の遮断時には第2の弁装置が第2の入口と共通出口との間を連通するとともにこの第1の弁装置の連通時には第2の弁装置が第2の入口と共通出口との間を遮断して互いに連動する
ことを特徴とする請求項1または2記載の充填用複合弁装置。 - 一端面に開口した第1の入口と側面に開口した共通出口とに第1の弁孔を介して連通される弁内充填流路、側面に開口した第2の入口と前記共通出口とに第2の弁孔を介して連通される弁内ブローダウン流路、この弁内ブローダウン流路と並列的に設けられ前記第2の入口と前記共通出口とに高圧側圧力制御弁孔を介して連通される弁内高圧弁用流路、前記弁内充填流路および前記弁内ブローダウン流路から分岐して設けられ側面に開口した還流用出口に低圧側圧力制御弁孔を介して連通される弁内低圧弁用流路、および、前記第1の弁孔に連通した弁室が形成され、かつ、一端側から他端側に向う長手状で略筒状の弁本体と、
この弁本体内の前記弁内充填流路の途中の前記第1の弁孔を開閉して、この弁内充填流路を移動により連通、遮断し、前記弁本体の一端側から他端側に向う方向に往復移動自在で、前記弁本体の弁室内に位置した略円形状の第1の弁体を有した第1の弁装置と、
前記弁本体内の前記弁内ブローダウン流路の途中の前記第2の弁孔を開閉して、この弁内ブローダウン流路を移動により連通、遮断し、前記弁本体の一端側から他端側に向う方向に往復移動自在で、前記弁本体の弁室内の前記第1の弁本体の中心側に位置した略円形状の第2の弁体を有した第2の弁装置と、
前記第1の弁装置の前記第1の弁体を前記第1の弁孔が開口される方向に付勢するコイル状の第1のスプリングと、
前記第2の弁装置の前記第2の弁体を前記第2の弁孔が閉塞される方向に付勢するコイル状の第2のスプリングと、
前記弁本体内に一端側から他端側に向って往復移動自在に設けられ前記第1の弁体および前記第2の弁体を開閉動作させ、往復移動方向に中心孔を有した略筒状のプランジャーと、
このプランジャーを前記第1のスプリングおよび前記第2のスプリングの付勢力に抗して、前記第1の弁体が前記第1の弁孔を閉塞する方向で、かつ、前記第2の弁体が前記第2の弁孔を開口する方向に付勢し、前記プランジャーの中心孔に取り付けられたコイル状の第3のスプリングと、
前記プランジャーの基端側に位置して前記プランジャーを励磁動作で前記第3のスプリングの付勢力に抗して、前記第1の弁体が前記第1の弁孔を開口する方向で、かつ、前記第2の弁体が前記第2の弁孔を閉塞する方向に吸引し、前記弁本体の他端面に設けられた電磁装置と、
前記弁本体内の前記弁内高圧弁用流路の途中の高圧側圧力制御弁孔を開閉してこの弁内高圧弁用流路を連通、遮断する高圧側圧力制御弁装置と、
前記弁本体内の前記弁内低圧弁用流路の途中の低圧側圧力制御弁孔を開閉してこの弁内低圧弁用流路を連通、遮断する低圧側圧力制御弁装置と、
前記弁本体内の前記弁内充填流路の前記第1の弁孔の上流側に設けられ前記共通出口から前記第1の入口へ流体が逆流することを防止する逆止弁装置と、
前記弁本体内の前記弁内充填流路の前記逆止弁装置より前記第1の入口側に設けられたフィルタとを備え、
前記第1の弁体および前記第2の弁体は、前記プランジャーの先端側に位置し、
前記プランジャー、前記第1の弁体、前記第2の弁体、前記第1のスプリング、前記第2のスプリングおよび前記第3のスプリングは、同心状に配置された
ことを特徴とする充填用複合弁装置。 - 被充填対象物に流体供給源側からの流体を送り込み充填が完了すると停止する圧送手段と、
第1の入口が前記流体供給源側に接続され、共通出口が前記圧送手段の吸入側に接続され、第2の入口が前記圧送手段の吐出側に接続された請求項1ないし4のいずれかに記載の充填用複合弁装置と
を具備したことを特徴とする充填装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP13541597A JP3572167B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | 充填用複合弁装置および充填装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP13541597A JP3572167B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | 充填用複合弁装置および充填装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10325484A JPH10325484A (ja) | 1998-12-08 |
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Family Applications (1)
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JP13541597A Expired - Fee Related JP3572167B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | 充填用複合弁装置および充填装置 |
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JP (1) | JP3572167B2 (ja) |
-
1997
- 1997-05-26 JP JP13541597A patent/JP3572167B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10325484A (ja) | 1998-12-08 |
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