JP3218200B2 - エアバッグ用ガス発生器のクーラント - Google Patents

エアバッグ用ガス発生器のクーラント

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JP3218200B2
JP3218200B2 JP08978497A JP8978497A JP3218200B2 JP 3218200 B2 JP3218200 B2 JP 3218200B2 JP 08978497 A JP08978497 A JP 08978497A JP 8978497 A JP8978497 A JP 8978497A JP 3218200 B2 JP3218200 B2 JP 3218200B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃から乗員を保
護するエアバッグ用ガス発生器のクーラントに関する。
【0002】
【従来の技術】ガス発生器のクーラントは、例えばスト
リップ状の金網を筒状に多重に巻回したものからなり、
ガス発生器の燃焼室で発生した燃焼ガスがそこを通過す
る間に、燃焼ガスの冷却を果たすと共に、比較的大きな
燃焼残渣の捕集も果たすものである。図8に従来のクー
ラントを備えたガス発生器の一例を示す。このガス発生
器は、ガスの排出口30を有するハウジング31と、こ
のハウジング31内の中央部に画成される点火手段収容
室32と、この点火手段収容室32の外側に画成される
燃焼室33と、この燃焼室33の外側に画成されるクー
ラント・フィルタ室34とを有している。そして、点火
手段収容室32には点火手段、すなわち点火器35及び
伝火薬36が配設され、燃焼室33には点火手段により
点火されてガスを発生するガス発生剤37を充填するキ
ャニスタ38が配設され、クーラント・フィルタ室34
には燃焼室33で発生した燃焼ガスの冷却を果たすクー
ラント39、及び燃焼ガスの浄化を果たすフィルタ40
が配設されている。燃焼室33は、燃焼ガスの噴出口4
4を備え底部に中央孔45を有するカップ状のコンバス
タカップ43により画成され、またクーラント・フィル
タ室34は、リテーナ42により上段の室と下段の室に
仕切られ、上段の室にはフィルタ40が、下段の室には
クーラント39がそれぞれ配設されている。
【0003】そして、センサ(図示せず)が衝撃を感知
するとその信号が点火器35に送られて点火器35が作
動し、これにより伝火薬36が着火して高温・高圧の火
炎が生成される。この火炎は、開口41を通りキャニス
タ38の壁を破り内部のガス発生剤37に点火する。こ
れによりガス発生剤37が燃焼してガスを生成し、この
ガスはコンバスタカップ43の噴出口44より噴出し、
クーラント39を通過する間に冷却され、また比較的大
きな燃焼残渣が捕集され、更にフィルタ40を通過する
間に残りの燃焼残渣が捕集され、冷却、浄化されたガス
がガスの排出口30を経てエアバッグ(図示せず)内に
流入するようになっている。これによりエアバッグが膨
張して乗員と硬い構造物の間にクッションを形成し、衝
撃から乗員を保護する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のクーラントは、
その空隙構造が単純であるために、微細な燃焼残渣を効
果的に捕集することに関し、なお問題がある。そのため
に、クーラントと別個にフィルタを必要とする。また、
従来のクーラントは、圧力損失が小さい(ガスの透過性
が良い)ために、クーラントにより圧力室、例えば燃焼
室を画成することが困難である。そのために、クーラン
トと別個に燃焼室画成部材、例えば上記コンバスタカッ
プ、コンバッションリングなどを必要とする。
【0005】従って、従来のクーラントを備えるガス発
生器においては、部品点数が増加し、またガス発生器の
径が拡大し、そのためにガス発生器の大型化、重量化を
招く結果となっている。
【0006】更に、従来のクーラントは、かさ密度(成
形体などの質量をそのかさ体積で割った値)が小さいた
めに、クーラントにより圧力室を画成することが困難で
あると共に、クーラントの保形強度が小さく、そのため
にガス圧を受けたときに変形し易く、クーラントの変形
は燃焼残渣の捕集に悪影響を与える。
【0007】よって本発明は、上記従来技術の有する問
題点を解消する新規なエアバッグ用ガス発生器のクーラ
ントを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のエアバッグ用ガ
ス発生器のクーラントは、平編の金網を半径方向に重ね
半径方向及び軸方向に圧縮成形してなる円筒形状の積層
金網体であって、常温において流量100l/min/
cm2で0.3×10-2〜1.5×10-2kg/cm2
圧力損失を有する。
【0009】本クーラントを以下のようにして成形する
ことができる。すなわち、ステンレス鋼製金網を円筒体
に形成し、この円筒体の一端部を外側に繰り返し折り曲
げて環状の積層体を形成し、この積層体を型内で圧縮成
形することによりクーラントを成形することができる。
【0010】あるいは、ステンレス鋼製金網を円筒体に
形成し、この円筒体を半径方向に押圧して板体を形成
し、この板体を筒状に多重に巻回して積層体を形成し、
この積層体を型内で圧縮成形することによってもクーラ
ントを成形することができる。これらの成形方法によれ
ば、円筒体の表面がクーラントの端面にくるように巻か
れていくために、クーラントの端面に金網の切断部が露
出することがなく、従って切断部により手を傷つけるこ
とがない。
【0011】クーラントはまた、線径0.3〜0.5m
mの金網からなり、内側に線径0.5〜0.6mmの金
網からなる厚さ1.5〜2.0mmの層を有する二重構
造とすることができる。内側の層は、クーラントに向け
噴出される点火手段の火炎、及びこの火炎により点火さ
れて燃焼するガス発生手段の燃焼ガスに対しクーラント
を保護するクーラント保護機能を有する。
【0012】クーラントは、その寸法を40〜65mm
の外径、30〜55mmの内径、及び19〜37.6m
mの高さとすることができるが、55〜65mmの外
径、45〜55mmの内径、及び26〜32mmの高さ
とすることが好ましい。
【0013】本発明のクーラントは、平編の金網を筒状
に半径方向に重ね半径方向及び軸方向に圧縮成形してな
る。平編は、図7に示すように、編目がすべて一方向に
引き出されてループをなしており、このような編目構造
を有する金網を半径方向に積層して圧縮成形してなる本
クーラントは、空隙構造が複雑となり、優れた捕集効果
を有する。そのために、本クーラントは、本来の冷却機
能に加えて、フィルタとしての捕集機能も有することが
でき、本発明によれば、冷却機能と捕集機能を兼ね備え
たクーラント/フィルタ一体型のクーラントが実現でき
る。
【0014】また、上記所定の圧力損失を有することに
より、本クーラントを圧力室の画成部材として使用する
ことが可能となる。例えば、本クーラントを燃焼室の画
成部材として使用することができ、この場合、燃焼室内
で発生する燃焼ガスの圧力をガス発生剤の正常な燃焼に
とって望ましい値に維持することができる。
【0015】圧力損失に関し、好ましくは、常温におい
て流量100l/min/cm2で0.5×10-2
1.2×10-2kg/cm2とする。より好ましくは、
常温において流量100l/min/cm2で0.7×
10-2〜0.9×10-2kg/cm2とする。
【0016】金網材料のステンレス鋼は、SUS30
4、SUS310S、SUS316(JIS規格記号)
などを使用することができる。SUS304(18Cr
−8Ni−0.06C)は、オーステナイト系ステンレ
ス鋼として優れた耐食性を示す。
【0017】本クーラントの外側及び内側の双方、又は
いずれか一方に、周壁全体に多数の貫通孔を有する補強
用リング体を嵌合することができるが、このものは必ず
しも必要ではない。
【0018】本発明のクーラントはまた、その外周部が
膨出抑止手段からなるものが好ましい。例えば、その外
側に積層金網体からなる金網層を有する二重構造とする
ことができる。この外側の層は、ガス発生器作動時にガ
ス圧によりクーラントが膨出してクーラントとハウジン
グ間の間隙を塞ぐことのないように、クーラントの膨出
を抑止する抑止手段として機能する。
【0019】ここでいう膨出抑止手段とは、クーラント
とハウジングの間の空隙を確実に保持する(特にガス発
生器の作動時においても)ための手段であり、上記金網
層の他に周壁部全体に多数の貫通孔を有する多孔円筒体
をクーラントの外周面に嵌合させてもよい。
【0020】また、本発明のエアバッグ用ガス発生器の
クーラントは、線径0.3〜0.6mmの平編の金網を
半径方向に重ね半径方向及び軸方向に圧縮成形してな
り、3.0〜5.0g/cm3 、好ましくは3.5〜
4.5g/cm3 のかさ密度を有する。
【0021】そして、クーラントは、5〜10mmの厚
さを有することが好ましい。
【0022】本発明のクーラントは、線径0.3〜0.
6mmの平編の金網を半径方向に重ね半径方向及び軸方
向に圧縮成形してなる。平編の編目構造を有する金網を
半径方向に積層して圧縮成形してなる本クーラントは、
空隙構造が複雑となり、優れた捕集効果を有する。その
ために、本クーラントは、本来の冷却機能に加えて、フ
ィルタとしての捕集機能も有することができ、本発明に
よれば、冷却機能と捕集機能を兼ね備えたクーラント/
フィルタ一体型のクーラントが実現できる。
【0023】また、上記所定の線径、及び上記所定のか
さ密度を有することにより、本クーラントを圧力室の画
成部材として使用することが可能となると共に、クーラ
ントの保形強度が著しく増大し、そのためにガス圧によ
るクーラントの変形が回避され、従ってクーラントの正
常な燃焼残渣捕集機能が確保され、またクーラントの薄
肉化が達成される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。
【0025】本発明のエアバッグ用ガス発生器のクーラ
ントは、以下のようにして作ることができる。先ず、線
径0.3〜0.6mmのステンレス鋼製素線を平編みし
て図1に示すような円筒体1に形成する。次に、この円
筒体1の一端部2を図2に示すように外側に折り曲げ、
これを繰り返し折り曲げて環状の積層体3を形成する。
折曲げの回数は、素線の線径、クーラントの厚さなどを
勘案して決められる。最後に、この積層体3を型(図示
せず)に入れ、かさ密度が3.0〜5.0g/cm3
なるように、型内で半径方向及び軸方向に圧縮して図3
に示すようなクーラント4を得る。
【0026】クーラント4の別の成形方法を図4及び5
に基づき説明する。図1に示すような円筒体1を形成し
た後、この円筒体1を半径方向に押圧して図4に示すよ
うな板体50を形成する。この板体50を図5に示すよ
うに筒状に多重に巻回して積層体51を形成し、この積
層体51を型内で半径方向及び軸方向に圧縮してクーラ
ント4を成形することができる。
【0027】このようにして成形されたクーラント4
は、各層においてループ状の編目が押し潰されたような
形5をしており、それが半径方向に層をなしている。従
って、クーラントの空隙構造が複雑となり、本クーラン
トは優れた捕集効果を有する。上記成形方法を用いて、
常温において流量100l/min/cm2で0.3×
10-2〜1.5×10-2kg/cm2 の圧力損失を有す
るように、圧縮成形することにより本クーラントを得る
ことができる。
【0028】積層体51の内側に別の積層体を挿入して
圧縮成形することにより、二重構造のクーラントをつく
ることができる。別の積層体は、例えば線径0.5mm
の金網からなる図4に示すような板体50を図5に示す
ようにして2回程度巻回したものからなることができ
る。
【0029】図6に本発明のクーラントの一例をエアバ
ッグ用ガス発生器に適用した例を示す。このガス発生器
は、ディフューザシェル11とクロージャシェル12か
らなるハウジング13と、このハウジング13内の中央
部に配置される中央筒部材14と、そしてこの中央筒部
材14を取り囲んで配設される本クーラント4を含んで
いる。
【0030】ディフューザシェル11は、ステンレス鋼
板をプレスにより成形してなり、その周壁部6にガス排
出口7が周方向に複数個等間隔に配設されている。ディ
フューザシェル11はまた、周方向に延びる傾斜部70
の構成により、皿形の円形部8を有し、この皿形円形部
8は中央筒部材14の位置決めの機能を果たしている。
クロージャシェル12は、ステンレス鋼板をプレスによ
り成形してなり、その中央部に孔部を有し、この孔部の
孔縁は軸方向外側に曲折して曲折部72を形成してお
り、この曲折部72の内周面により中央孔15を形成し
ている。
【0031】中央筒部材14は、ステンレス鋼管よりな
り、その一端がクロージャシェル12の外側に突出し、
その突出端にかしめ部16を形成している。また他端側
には外向きフランジ33が形成され、この外向きフラン
ジ33をディフューザシェルの皿形円形部8の底に当接
させ、外向きフランジ33と円形部8との間にプロゼク
ション溶接が施されて、中央筒部材14はディフューザ
シェル11に固定されている。中央筒部材14はまた、
その他端側に1列の貫通孔列21を有しているこの中央
筒部材14の内側に、点火手段を収容するための点火手
段収容室17が形成されている。点火手段は、センサ
(図示せず)からの信号により作動する点火器18と、
この点火器18により着火される伝火薬75からなって
いる。貫通孔列21はアルミニウムテープ74により塞
がれており、中央筒部材14内に直接伝火薬75が充填
されている。
【0032】中央筒部材14が皿形円形部8によりその
底に位置決めされ、ディフューザシェル11に固定され
た後、クロージャシェルの中央孔15が中央筒部材14
に挿通され、ディフューザシェルのフランジ部30とク
ロージャシェルのフランジ部31が重ね合わされ、その
後クロージャシェルとディフューザシェル、及びクロー
ジャシェルと中央筒部材が接合される。中央筒部材14
に弾力により嵌合しているリング形板部材76は、溶接
防護板として機能している。中央筒部材14の一端側に
点火器18用の段部71が形成されており、点火器18
は、伝火薬75が充填された後、中央筒部材14内に挿
入され段部71に係止される。その後、中央筒部材のか
しめ部16をかしめることによりハウジング13に固定
される。クーラント4は、中央筒部材14を取り囲んで
配設され、中央筒部材14の周囲に環状の室、すなわち
燃焼室22を画成している。燃焼室22内にペレット状
のガス発生剤25が充填されている。このクーラント4
は、その移動を阻止するクーラント支持部材38を備え
ている。このクーラント支持部材38は、ステンレス鋼
板をプレス成形してなり、中央筒部材の外向きフランジ
33を取り囲んで配置され傾斜部70に当接する環状部
39と、この環状部39に対し曲折する防炎板部60を
有している。防炎板部60は、貫通孔列21に対向して
配置され、クーラントの内周面61をカバーしている。
この防炎板部60は、クーラント4に向け噴出される火
炎に対しクーラントを保護すると共に、噴炎の方向転換
を図り火炎がガス発生剤に十分に回るようにしている。
【0033】ハウジングの外周壁6及び9と、クーラン
ト4間に間隙が形成されており、この間隙は、クーラン
ト4を通過して冷却・浄化されたガスが、ディフューザ
シェルのガス排出口7に至るガス流路28として機能す
る。また、ハウジング13内に外部より湿気が侵入する
のを阻止するために、アルミニウムテープ29によりデ
ィフューザシェルのガス排出口7が塞がれている。
【0034】このように構成されたガス発生器におい
て、衝撃をセンサ(図示せず)が感知すると、その信号
が点火器18に送られて点火器18が作動し、これによ
って伝火薬75が着火して高温の火炎を生成する。この
火炎はアルミニウムテープ74の壁を破り貫通孔列21
より噴出し、クーラント4により画成された燃焼室22
内に入る。燃焼室22に入った火炎は、貫通孔列21付
近のガス発生剤25に点火すると共に、防炎板部60に
より進路が曲げられて燃焼室下部のガス発生剤に点火す
る。これによりガス発生剤が燃焼して高温・高圧のガス
を生成する。クーラント4は、燃焼室内で発生する燃焼
ガスの圧力をガス発生剤の正常な燃焼にとって望ましい
値に維持するように作用する。この燃焼ガスは、クーラ
ント4を通過しその間に、クーラントとしての冷却機能
により冷却され、またフィルタとしての捕集機能により
燃焼残渣が捕集され、冷却・浄化された燃焼ガスは、ガ
ス流路28を通り、ガス排出口7を経てエアバッグ(図
示せず)内に流入する。これによりエアバッグが膨張
し、乗員と堅い構造物の間にクッションを形成して衝撃
から乗員を保護する。
【0035】図9は本発明のクーラントの他の例をエア
バッグ用ガス発生器に適用した図6と同様な図の部分拡
大図である。
【0036】クーラント4’は、ガス発生剤25を取り
囲んで配設され、中央筒部材14の周囲に環状の室、す
なわち燃焼室22を画成している。このクーラント4’
は、ステンレス鋼製平編の金網を半径方向に重ね、半径
方向及び軸方向に圧縮してなる。このクーラント4’
は、各層においてループ状の編目が押し潰されたような
形をしており、それが半径方向に層をなしている。従っ
て、クーラントの空隙構造が複雑となり、このクーラン
トは優れた捕集効果を有する。クーラント4’の外側に
積層金網体からなる外層29が形成されている。この外
層29は、ガス発生器作動時にガス圧によりクーラント
4’が膨出して上記間隙28を塞ぐことのないように、
クーラントの膨出を抑止する抑止手段として機能すると
共に、冷却機能も有している。このクーラント4’によ
り、燃焼室22が画成されると共に、燃焼室で発生した
燃焼ガスが冷却され、そして燃焼残渣が捕集される。な
お、上記外層29に代わり、ワイヤ乃至ベルト手段によ
りクーラント4’の周囲を取り巻いてもよい。ワイヤ乃
至ベルト手段が両フランジ部の接合部位にあるようにす
ると、間隙によるガス通路の断面積変化が最小限に抑え
られる。
【0037】クーラントの膨出を抑止する抑止手段を多
孔円筒体から構成することができる。多孔円筒体の例を
図10及び図11に示す。この多孔円筒体は、クーラン
トの外周面に嵌合する内周面130、131を有し、周
壁部132、133全体に均一に配置された多数の貫通
孔134、135を有している。貫通孔134は小径の
丸孔からなり、貫通孔135は大径の四角孔からなって
いる。これらの抑止手段はクーラントと共にフィルタ手
段を形成している。これらの抑止手段はクーラントの圧
力損失を妨げることはない。
【0038】
【発明の効果】本発明のクーラントは、以上説明した通
りに構成されているので、微細な燃焼残渣でも効果的に
捕集することができる。すなわち、本クーラントは、本
来の冷却機能に加えて、優れた捕集機能も有するから、
従来クーラントと別個に必要とされていたフィルタを廃
止することができる。
【0039】また、本発明のクーラントによれば、クー
ラントによりガス発生器の圧力室、例えば燃焼室を画成
することが可能となる。そのために、従来クーラントと
別個に必要とされていた燃焼室画成部材、例えばコンバ
スタカップ、コンバッションリングなどを廃止すること
ができる。
【0040】従って、本発明のクーラントを備えるガス
発生器は、部品点数が減少し、またガス発生器の径が縮
小し、その結果ガス発生器の小型・軽量化が実現できる
ものである。
【0041】所定のかさ密度を有する本クーラントは、
その保形強度が著しく増大し、そのためにガス圧による
クーラントの変形が回避され、従ってクーラントの正常
な燃焼残渣捕集機能が確保され、またクーラントの薄肉
化が達成される。
【0042】また、本発明のクーラントには、好ましく
は外周部に膨出抑止手段が形成され、ガス発生器のフィ
ルタとハウジングとの間に空隙を確保し(特にガス発生
器作動時において)、クーラントの目的とする作用を十
分発揮させ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクーラントの製造過程にある円筒体金
網の斜視図。
【図2】同円筒体の一端部を外側に繰り返し折り曲げて
形成した環状の積層体の略図。
【図3】本発明のクーラントの概略的な断面図。
【図4】図1に示すような円筒体を半径方向に押圧して
形成した板体の略図。
【図5】同板体を筒状に多重に巻回して形成した積層体
の略図。
【図6】本発明のクーラントの一例を備えるガス発生器
の断面図。
【図7】平編の様子を示す線図。
【図8】従来のクーラントを備えるガス発生器の半断面
図。
【図9】本発明のクーラントの他例を備えるガス発生器
の断面部分拡大図。
【図10】本発明のクーラントに好適の多孔円筒体の一
例の断面図。
【図11】本発明のクーラントに好適の多孔円筒体の他
例の断面図。
【符号の説明】
1 円筒体 2 一端部 3 積層体 4 クーラント 7 ガス排出口 11 ディフューザシェル 12 クロージャシェル 13 ハウジング 14 中央筒部材 17 点火手段収容室 18 点火器 22 燃焼室 25 ガス発生剤 28 ガス流路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−2542(JP,A) 特開 平10−95304(JP,A) 特開 平5−285575(JP,A) 特開 平1−293112(JP,A) 特開 平4−118336(JP,A) 特開 平7−285412(JP,A) 特開 平2−155861(JP,A) 特開 平4−2541(JP,A) 特開 平4−2542(JP,A) 特開 平2−164408(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/26

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平編の金網を筒状に半径方向に重ね半径
    方向及び軸方向に圧縮成形してなり、常温において流量
    100l/min/cm2で0.3×10-2〜1.5×
    10-2kg/cm2の圧力損失を有する、燃焼室の半径
    方向外側の隔壁を形成するために用いる環状のエアバッ
    グ用ガス発生器のクーラント。
  2. 【請求項2】 前記クーラントは、ステンレス鋼製金網
    を円筒体に形成しこの円筒体の一端部を外側に繰り返し
    折り曲げて環状の積層体を形成しこの積層体を型内で圧
    縮成形してなる請求項1記載のエアバッグ用ガス発生器
    のクーラント。
  3. 【請求項3】 前記クーラントは、ステンレス鋼製金網
    を円筒体に形成しこの円筒体を半径方向に押圧して板体
    を形成しこの板体を筒状に多重に巻回して積層体を形成
    しこの積層体を型内で圧縮成形してなる請求項1記載の
    エアバッグ用ガス発生器のクーラント。
  4. 【請求項4】 前記クーラントは、線径0.3〜0.5
    mmの金網からなり、内側に線径0.5〜0.6mmの
    金網からなる厚さ1.5〜2.0mmの層を有する請求
    項3記載のエアバッグ用ガス発生器のクーラント。
  5. 【請求項5】 前記クーラントは、55〜65mmの外
    径、45〜55mmの内径、及び26〜32mmの高さ
    を有する請求項1〜4のいずれか1項記載のエアバッグ
    用ガス発生器のクーラント。
  6. 【請求項6】 線径0.3〜0.6mmの平編の金網を
    半径方向に重ね半径方向及び軸方向に圧縮成形してな
    り、3.0〜5.0g/cm3のかさ密度を有する、燃
    焼室の半径方向外側の隔壁を形成するために用いる環状
    エアバッグ用ガス発生器のクーラント。
  7. 【請求項7】 前記クーラントは、5〜10mmの厚さ
    を有する請求項6記載のエアバッグ用ガス発生器のクー
    ラント。
  8. 【請求項8】 前記クーラントは、ステンレス鋼製金網
    を円筒体に形成しこの円筒体の一端部を外側に繰り返し
    折り曲げて環状の積層体を形成しこの積層体を型内で圧
    縮成形してなる請求項6又は7記載のエアバッグ用ガス
    発生器のクーラント。
  9. 【請求項9】 前記クーラントは、ステンレス鋼製金網
    を円筒体に形成しこの円筒体を半径方向に押圧して板体
    を形成しこの板体を筒状に多重に巻回して積層体を形成
    しこの積層体を型内で圧縮成形してなる請求項6又は7
    記載のエアバッグ用ガス発生器のクーラント。
  10. 【請求項10】 前記クーラントは、線径0.3〜0.
    5mmの金網からなり、内側に線径0.5〜0.6mm
    の金網からなる厚さ1.5〜2.0mmの層を有する請
    求項9記載のエアバッグ用ガス発生器のクーラント。
  11. 【請求項11】 前記クーラントは、55〜65mmの
    外径、45〜55mmの内径、及び26〜32mmの高
    さを有する請求項6〜10のいずれか1項記載のエアバ
    ッグ用ガス発生器のクーラント。
  12. 【請求項12】 前記クーラントの外周部が膨出抑止手
    段からなる請求項1〜11のいずれか1項記載のエアバ
    ッグ用ガス発生器のクーラント。
  13. 【請求項13】 前記膨出抑止手段がクーラントの外周
    部に形成される金網層である請求項12記載のエアバッ
    グ用ガス発生器のクーラント。
  14. 【請求項14】 前記膨出抑止手段クーラントの外周
    面に嵌合する多孔円筒体からなる請求項12記載のエア
    バッグ用ガス発生器のクーラント。
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