JP3217914B2 - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリカーボネー
トの製造方法に関するものであり、更に詳しくは色調の
改良された芳香族ポリカーボネートの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールAとホスゲンとの界面重
縮合から得られるポリカーボネート樹脂は、その優れた
機械的特性、熱的特性から各種用途に幅広く用いられて
いるが、有毒であるホスゲンを利用することで安全性に
問題があり、また溶媒として塩化メチレンを使用するこ
とで環境破壊などの問題点が多い。そこで最近塩化メチ
レンやホスゲンを使用しないエステル交換法が脚光を浴
びているが、エステル交換法で得られるポリカーボネー
ト樹脂は高温で長時間の熱履歴を受けるため色調の悪化
など品質的に優れたものは得られなかった。このため上
記の方法により得られるポリカーボネートは色調が要求
される分野では用いることができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は色調に優れる
ポリカーボネートをエステル交換法により製造する方法
を提供することを目的とする。
【0004】本発明者らはかかる方法について、鋭意検
討したところ、特定の不純物含有量を特定値内とした芳
香族ジヒドロキシ化合物を用いることが有効であること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、芳香
族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを加熱溶融下反
応させて芳香族ポリカーボネートを製造するに当たり、
下記一般式(1)に示されるベンゾフラン系有機化合物
の含有量が10ppm以上500ppm以下である芳香
族ジヒドロキシ化合物を用いることを特徴とする芳香族
ポリカーボネートの製造方法にかかるものである。
【0006】
【化2】
【0007】[式中R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ
独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基およびフ
ェニル基から選ばれる。] 本発明でポリカーボネートを製造するには、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物と炭酸ジエステルが用いられる。
【0008】本発明で用いられる芳香族ジヒドロキシ化
合物は下記一般式(2)で表されるものである。
【0009】
【化3】
【0010】[式中R5 、R6 、R7 、R8 はそれぞれ
独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアル
キル基およびフェニル基から選ばれ、Wは炭素数1〜6
のアルキリデン基、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素
数3〜8のシクロアルキリデン基、炭素数3〜8のシク
ロアルキレン基、フェニル基、置換された炭素数1〜6
のアルキレン基、酸素原子、スルホン結合、スルフィド
結合、またはスルホキシド結合を示す。] 前記一般式(2)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物
の具体例を示すと、例えばビス(4―ヒドロキシフェニ
ル)メタン、2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2―ビス(4―ヒドロキシ―3―メチル
フェニル)プロパン、4,4―ビス(4―ヒドロキシフ
ェニル)ヘプタン、2,2―ビス(4―ヒドロキシ―
3,5―ジクロロフェニル)プロパン、2,2―ビス
(4―ヒドロキシ―3,5―ジブロモフェニル)プロパ
ン、ビス(4―ヒドロキシフェニルオキサイド)、ビス
(3,5―ジクロロ―4―ヒドロキシフェニル)オキサ
イド、p,p′―ジヒドロキシジフェニル、3,3′―
ジクロロ―4,4′―ジヒドロキシジフェニル、ビス
(4―ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5―
ジメチル―4―ヒドロキシフェニル)スルホン、ジヒド
ロキシベンゼン、レゾルシノール、ハイドロキノン、
1,4―ジヒドロキシ―2,5―ジクロロベンゼン、
1,4―ジヒドロキシ―3―メチルベンゼン、ビス(4
―ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4―ヒドロ
キシフェニル)スルホキシド等が上げられる。
【0011】さらに前記一般式(2)で表される化合物
以外の例えば、ジヒドロキシベンゼン、レゾルシノー
ル、ハイドロキノン、1,4―ジヒドロキシ―2,5―
ジクロロベンゼン、および1,4―ジヒドロキシ―3―
メチルベンゼンなども芳香族ジヒドロキシ化合物として
使用することができる。前述した芳香族ジヒドロキシ化
合物のうち、特に2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニ
ル)プロパンが好ましい。
【0012】本発明で用いられる炭酸ジエステルとして
はジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、
m―クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、
ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジ
シクロヘキシルカーボネートなどが用いられる。これら
のうち特にジフェニルカーボネートが好ましい。
【0013】またこれらの炭酸ジエステルは、ジカルボ
ン酸あるいはジカルボン酸エステルを含有していてもよ
い。このようなジカルボン酸あるいはジカルボン酸エス
テルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルなどが挙げら
れる。
【0014】上記のようなジカルボン酸あるいはジカル
ボン酸エステルを炭酸ジエステルと併用した場合にはポ
リエステルカーボネートが得られるが、本発明のポリカ
ーボネートの製造方法には、このポリエステルカーボネ
ートの製造方法も含まれる。
【0015】本発明のポリカーボネートの製造方法で
は、上記のような炭酸ジエステルは芳香族ジヒドロキシ
化合物1モルに対して、1.01〜1.30モル、好ま
しくは1.02〜1.20の量で用いられることが好ま
しい。
【0016】本発明では上記のような芳香族ジヒドロキ
シ化合物中に含まれるベンゾフラン系有機化合物の含有
量としては10ppm以上500ppm以下、好ましく
は10ppm以上300ppm以下、更に好ましくは1
0ppm以上100ppm以下、更に好ましくは10p
pm以上50ppm以下であることが特に好ましい。上
記のような芳香族ジヒドロキシ化合物中に含まれるベン
ゾフラン系有機化合物の含有量が500ppmを越える
と、ポリカーボネートの色調が著しく悪くなるため好ま
しくない。また10ppm以下となっても色調が悪くな
るため好ましくない。
【0017】このような芳香族ジヒドロキシ化合物中に
含まれるベンゾフラン系有機化合物を上記のような値と
するには、再結晶、蒸留等種々の精製方法を採用すれば
よい。
【0018】本発明では、上記のような芳香族ジヒドロ
キシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応によ
りポリカーボネートを製造するに際して重合速度を速め
るために重合触媒を用いることもできる。重合触媒とし
ては水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ
金属、およびアルカリ土類金属の水酸化物類、ホウ素や
アルミニウムの水酸化物のアルカリ金属塩、アルカリ土
類金属塩、第4級アンモニウム塩類、アルカリ金属およ
びアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属お
よびアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホ
ウ素化合物類、ケイ素化合物類、ゲルマニウム化合物
類、有機スズ化合物、鉛化合物類、オニウム化合物類、
アンチモン化合物類、ジルコニウム化合物類などの通常
エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を
用いることができるが、これらに限定されるものではな
い。触媒を用いる場合1種だけを用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。これらの触媒の使用
量は原料の芳香族ジヒドロキシ化合物に対し0.000
001〜1重量%、好ましくは0.00001〜0.5
重量%、更に好ましくは0.00001〜0.1重量%
の範囲で選ばれる。
【0019】本発明の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸
ジエステルとのエステル交換反応は、従来知られている
ように不活性ガス雰囲気下で芳香族ジヒドロキシ化合物
と炭酸ジエステルとを加熱しながら攪拌して生成するア
ルコールまたはフェノールを留出させることで行われ
る。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの
沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲で
ある。反応後期には系を減圧にして生成するアルコール
またはフェノールの留出を容易にさせ反応を完結させ
る。
【0020】
【発明の効果】本発明では、ポリカーボネートを製造す
るに際して、原料として使用する芳香族ジヒドロキシ化
合物中に含まれるベンゾフラン系有機化合物の含有量を
特定値内としているため、黄色等に着色することがなく
色調に優れたポリカーボネートを得ることができる。
【0021】
【実施例】以下実施例によって説明する。なお実施例中
の%および部は特に断らない限り重量%または重量部で
ある。なお以下の実施例において得られたポリカーボネ
ートの物性は以下のようにして測定した。
【0022】(粘度平均分子量)0.7g/dlの塩化
メチレン溶液をウベローデ粘度計を用い固有粘度を測定
し、次式により粘度平均分子量を求めた。 [η]=1.23×10-40.83 (色調(b値))2mm厚のプレスシートLab値を日
本電色工業製ND―1001DPを用い透過法で測定し
黄色度の尺度としてb値を用いた。
【0023】(芳香族ジヒドロキシ化合物に含まれるベ
ンゾフラン系有機化合物の定量)ヒューレットパッカー
ド製HP―5890―IIガスクロマトグラフィーにて測
定した。
【0024】[実施例1]攪拌機、蒸留塔を備えた反応
器に2,3―ジヒドロ―2―メチルベンゾフランの含有
量を28ppm含有する2,2―ビス(4―ヒドロキシ
フェニル)プロパン1370部、ジフェニルカーボネー
ト1350部、触媒としてビスフェノールAジナトリウ
ム塩0.0016部を仕込み窒素置換を行った。この混
合物を150℃まで加熱して、攪拌しながら溶解させ
た。次いで減圧度を30mmHgとして200℃まで加
熱し1時間で大半のフェノールを留去した。次いで27
0℃まで温度を上げ、減圧度1mmHgとして2時間反
応を行うと粘度平均分子量22500のポリカーボネー
トが得られ、カッターで切断してペレットとした。これ
を2mm厚みの試験片に射出成形した。結果を表1に示
す。
【0025】[実施例2]実施例1において2,3―ジ
ヒドロ―2―メチルベンゾフランを84ppm含有する
2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパンを用
いること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得た。
結果を表1に示す。
【0026】[実施例3]実施例1において2,3―ジ
ヒドロ―2―メチルベンゾフランを260ppm含有す
る2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパンを
用いること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得
た。結果を表1に示す。
【0027】[実施例4]実施例1において2,3―ジ
ヒドロ―2―メチルベンゾフランを470ppm含有す
る2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパンを
用いること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得
た。結果を表1に示す。
【0028】[比較例1]実施例1において2,3―ジ
ヒドロ―2―メチルベンゾフランを8ppm含有する
2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパンを用
いること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得た。
結果を表1に示す。
【0029】[比較例2]実施例1において2,3―ジ
ヒドロ―2―メチルベンゾフランを900ppm含有す
る2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパンを
用いること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得
た。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−20523(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
    テルを加熱溶融下反応させて芳香族ポリカーボネートを
    製造するに当たり、下記一般式(1)に示されるベンゾ
    フラン系有機化合物の含有量が10ppm以上500p
    pm以下である芳香族ジヒドロキシ化合物を用いること
    を特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。 【化1】 [式中R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立に、水素
    原子、炭素数1〜4のアルキル基およびフェニル基から
    選ばれる。]
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