JP3217527B2 - 情報記録再生ヘッドの位置決め装置 - Google Patents

情報記録再生ヘッドの位置決め装置

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JP3217527B2
JP3217527B2 JP04835693A JP4835693A JP3217527B2 JP 3217527 B2 JP3217527 B2 JP 3217527B2 JP 04835693 A JP04835693 A JP 04835693A JP 4835693 A JP4835693 A JP 4835693A JP 3217527 B2 JP3217527 B2 JP 3217527B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録媒体に凹凸や分極
の向きの形等で記録された情報を静電容量の変化として
検出する情報再生装置、あるいは記録媒体に電圧を印加
して分極を生じさせる等の記録操作を行なう情報記録装
置において、記録再生ヘッドを記録媒体から所定距離離
れたところに位置決めする装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像信号や音声信号等の各種情報を記録
したり、さらにはコンピュータ用データメモリとして使
用される情報記録媒体として従来より、情報をピット等
の凹凸の形で記録し、記録情報の再生はこの凹凸による
静電容量の変化を検出することによってなされるものが
知られている(例えば特開昭47−37403号公報参
照)。
【0003】また、記録、再生および消去可能でかつ超
高密度記録可能な情報記録媒体として、特開昭57−2
7447号公報に示されるように、半導体層とこの半導
体層上に形成された強誘電体の層とを有し、この強誘電
体の分極の方向により情報を記録するものが知られてい
る。この情報記録媒体への記録は、導電性ヘッドを強誘
電体層上で移動させつつ該層に電圧を印加することによ
り、この強誘電体層の所定部分のみを選択的に所定方向
に分極させて行なわれる。またこの情報記録媒体からの
情報再生は、上記強誘電体の分極のために半導体層中に
形成される空乏層による記録媒体の静電容量変化を検出
することにより行なわれる。
【0004】これらの記録媒体から記録情報を再生する
ためのヘッドは、基本的に、発振器あるいは共振器の主
にコイル部分や検波器等を含む回路基板部と、記録媒体
に対向する状態で配された電極針とを有するものであ
る。また上述のように強誘電体層を分極させる記録ヘッ
ドも、電圧印加用の電極針を備えている。なお本明細書
においては、この情報記録用または情報再生用、さらに
はそれらに兼用されるヘッドを「情報記録再生ヘッド」
と称するものとする。
【0005】従来、この種の情報記録再生ヘッドとして
は、例えば特開昭47−37403号公報に開示されて
いるように、電極針を記録媒体に接触させるタイプのも
のが広く知られているが、それを使用する場合は電極針
と記録媒体の摩耗が避けられない。またこの場合は、電
極針と記録媒体との接触により生じた静電気が、情報再
生信号にノイズを発生させるという問題も認められる。
【0006】そこで、特開昭51−104813号公報
に示されるように、ヘッドの電極針を空気圧により記録
媒体から浮上させて、電極針の寿命を延ばす提案もなさ
れている。さらには、特開昭57−105834号公報
に示されるように、情報記録再生ヘッドに電極針とは別
の導体片を設けて、この導体片と記録媒体との間の静電
容量を検出する一方、電磁コイル等のアクチュエータに
よりヘッドを記録媒体との距離が変化する方向に移動自
在とし、上記の検出静電容量が一定値を取るようにヘッ
ドを移動させて、電極針を記録媒体から一定間隔離すよ
うにしたサーボ制御装置も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記の空気圧浮
上方式では、電極針の記録媒体からの浮上量がどうして
も大きくなりがちである。例えば磁気ディスクドライブ
装置においては、従来より同様の方式が採用されている
が、その場合の浮上量最小値は0.1 μm程度である。静
電容量検出型の情報記録再生装置においては、電極針と
記録媒体間の距離による分解能の劣化が激しいので、電
極針浮上量が上記程度に大きいと高密度記録が不可能と
なり、静電容量型記録媒体の優位性を活かすことができ
ない。
【0008】一方上記特開昭57−105834号公報
に示された装置においては、情報再生用の電極針と導体
片との間に静電容量が生じて、情報再生系の回路とサー
ボ制御系の回路とが結合し、それによりこれら両系の信
号のS/Nがともに劣化するという問題が認められる。
情報再生信号のS/Nが劣化すれば、情報再生エラーが
生じる恐れがあり、またサーボ制御系の信号のS/Nが
劣化すれば、電極針と記録媒体間の距離を安定に制御す
ることが困難となる。
【0009】またこの装置においては、上記導体片とし
て記録媒体表面に対して平行な平板が用いられている
が、該導体片と記録媒体との平行度の変動や、導体片周
辺の浮遊容量変化による静電容量の誤差が大きいものと
なっている。そのため、電極針と記録媒体間の距離に正
確に対応した静電容量検出信号を得ることができず、こ
の電極針と記録媒体間の距離を、高密度記録を実現する
上で不可欠なサブミクロン(μm以下)の微小領域にお
いて安定に制御することが困難となっている。
【0010】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たものであり、電極針を記録媒体から離れた所定位置に
安定して浮上させておくことができ、そして情報再生信
号のS/Nを劣化させることのない情報記録再生ヘッド
の位置決め装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】また本発明は、その上でさらに、電極針と
記録媒体間の距離をサブミクロンの微小領域で安定に制
御することができる情報記録再生ヘッドの位置決め装置
を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による情報記録再
生ヘッドの位置決め装置は、請求項1に記載のように、
該ヘッドの電極針と記録媒体の少なくとも一方を、それ
ら両者の間の距離が変わる方向に移動させるアクチュエ
ータと 極針と記録媒体間の静電容量をこれら両者間
の距離で微分した値を検出する静電容量微分値検出回路
と、この検出回路の出力を受け、該出力が示す静電容量
の微分値が所定値に保たれるように上記アクチュエータ
の駆動を制御する制御回路とを備えたことを特徴とする
ものである。
【0013】なおこの情報記録再生ヘッドの位置決め装
置において、より好ましくは、上記アクチュエータの駆
動信号に高周波のパイロット信号を混入させる手段が設
けられ、その上で上記静電容量微分値検出回路は、静電
容量検出信号に混入したパイロット信号の振幅を検出す
るものとして構成される。
【0014】さらに記録媒体に記録された情報の記録密
度が1.6 ×1012bit/m以上、その記録波長が2μ
m以下であり、この記録媒体が2次元面内で回転周波数
60Hz〜70Hzで回転駆動される場合における上記情報記録
再生ヘッドの位置決め装置はより好ましくは、前記電極
針と記録媒体との間の距離が50nm以下、前記電極針と記
録媒体との間の距離の変動量が10nm以下、前記電極針の
記録媒体に対向する先端部の形状が半球面であってその
半径が0.3 μm以下、前記制御回路から前記アクチュエ
ータを駆動するために出力される制御信号の周波数が30
kHz 以上、前記回転駆動される記録媒体と前記電極針と
の間の面振れ特性が下記a)からc)の条件を満足する
ように構成される。
【0015】a)面振れ周波数が0Hz以上、記録媒体の
回転周波数未満の範囲については面振れ量が0μmを下
限値、1.0 μmを上限値とする範囲内の値であり、 b)面振れ周波数が記録媒体の回転周波数以上、この回
転周波数の14倍未満の範囲については面振れ量が0μm
を下限値、1.0 μmより5nmまで-40dB/dec(=-40dB/O
ct )で等加速度的に減少する関数上の値を上限値とす
る範囲内の値であり、 c)面振れ周波数が記録媒体の回転周波数の14倍以上の
範囲については面振れ量が0μmを下限値、5nmを上限
値とする範囲内の値である。
【0016】
【作用および発明の効果】上記構成を有する本発明の
報記録再生ヘッドの位置決め装置においては、情報記録
再生用の電極針を位置決めサーボ制御用の静電容量検出
手段として兼用しているので、前述した従来装置におけ
るように電極針とサーボ制御用導体片との間に静電容量
が生じるということがない。したがって本発明装置にお
いては、情報再生系の回路とサーボ制御系の回路とが結
合することがなくなり、その結果、情報再生信号のS/
Nを高く保てるようになり、またサーボ制御系の信号の
S/Nが劣化して制御安定性が低下することを防止でき
る。
【0017】またこの情報記録再生ヘッドの位置決め装
置においては、静電容量を電極針と記録媒体間の距離で
微分した値が所定値に保たれるように上記アクチュエー
タの駆動を制御しているので、電極針周辺の浮遊容量が
変化したり、電極針の姿勢が変化してそれと記録媒体間
の距離に対する静電容量の値が変化しても、サーボ信号
のS/Nの劣化を抑えることができる。その理由は、以
下の通りである。電極針と記録媒体間の静電容量Cは平
行平板コンデンサの並列接続と考えられ、したがってこ
れら両者間の距離をzとすると、Cは1/zに比例
する。この場合、zの値の大きいところでは、zの変化
に伴なう変化の度合いは、Cよりも微分値dC/dzの
方が小さい。つまりdC/dzにおいては、信号は電極
針先端の狭い範囲から記録媒体間の容量変化を反映して
いるのに対し、Cにおいては、電極針先端の比較的広い
範囲から記録媒体間の容量変化を反映している。サーボ
制御において欲しい情報は、電極針先端と記録媒体間の
距離に相当する信号であるから、その信号としてはCの
値よりも、dC/dzの方がより好ましいといえる。
【0018】上述のように、電極針周辺の浮遊容量が変
化したり、電極針の姿勢が変化してそれと記録媒体間の
距離に対する静電容量の値が変化しても、サーボ信号の
S/Nの劣化を抑えることができれば、電極針と記録媒
体間の距離を、高密度記録を実現する上で不可欠なサブ
ミクロン(μm以下)の微小領域においても安定に制御
することができる。
【0019】また、上記構成を有する本発明の情報記録
再生ヘッドの位置決め装置においては、電極針の浮上サ
ーボ帯域を1kHz程度まで確保できるので、ディスク
状記録媒体が回転している場合にも、その回転周波数の
約1μmの高さ変動に対し、5nm程度の誤差で30nm
程度の電極針浮上高を保つことができる。
【0020】なお、以上は情報再生の場合について説明
したが、電極針を介して記録媒体に高電圧パルスを印加
して情報記録を行なう場合も、このパルスのOFF 時には
上述の再生状態が実現されるので、このときのdC/d
zの値をサンプルホールドしてアクチュエータ駆動系に
印加することにより、再生時と同様のフィードバック系
を実現することができる。またそれ以外に、パルスのON
−OFF 時のdC/dzの平均値に一定の係数を乗じた値
をフィードバックしてもよい。
【0021】また上記記録媒体が2次元面内で回転周波
数60Hz〜70Hzで回転駆動される場合における本発明の
報記録再生ヘッドの位置決め装置が、電極針と記録媒体
との間の距離が50nm以下、電極針と記録媒体との間の距
離の変動量が10nm以下、電極針の記録媒体に対向する先
端部の形状が半球面であってその半径が0.3 μm以下、
前記制御回路から前記アクチュエータを駆動するために
出力される制御信号の周波数が30kHz 以上、前記回転駆
動される記録媒体と前記電極針との間の面振れ特性が a)面振れ周波数が0Hz以上、回転周波数未満の範囲に
ついては面振れ量が0μmを下限値、1.0 μmを上限値
とする範囲内の値であり、 b)面振れ周波数が回転周波数以上、回転周波数の14倍
未満の範囲については面振れ量が0μmを下限値、1.0
μmより5nmまで-40dB/dec (または-40dB/Oct )で等
加速度的に減少する関数上の値を上限値とする範囲内の
値であり、 c)面振れ周波数が回転周波数の14倍以上の範囲につい
ては面振れ量が0μmを下限値、5nmを上限値とする範
囲内の値である、という条件を満足することにより、記
録媒体に記録された記録波長2μm以下、記録密度1.6
×1012bit/m以上の情報を再生するうえで最適な
安定性を得ることができる。
【0022】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を
詳細に説明する。まず、参考のために、電極針と記録媒
体との間の距離を前述の静電容量Cの値に基づいて制御
する比較例に関して説明する。図1は、この比較例とし
てのヘッドの位置決め装置を備えた情報再生装置の電気
回路を示すものであり、また図2はこの情報再生装置の
概略構成を示している。
【0023】図2に示されるように、情報をピット等の
凹凸、あるいは分極の向きの形で記録しているディスク
状の情報記録媒体11は、高速回転されるターンテーブル
12上に固定される。またピックアップ回路を収納した筺
体13からはリード線14が延ばされ、このリード線14の先
端には電極針15が取り付けられている。この電極針15
は、その先端が情報記録媒体11の表面に対向する状態に
して、保持部材16に保持されている。そして上記ピック
アップ回路からは、後述のようにして静電容量検出信号
Sdが出力される。本比較例においては、上記の要素13
〜16により情報再生用ヘッドが構成されている。
【0024】次に図1を参照して、上記ピックアップ回
路の構成について説明する。このピックアップ回路は基
本的に、UHF発振器20、共振回路21および検波回路22
からなる。共振回路21は、前記筺体13内に配されたコイ
ルL1と、電極針15周辺の浮遊容量C1と、情報記録媒
体11の記録情報に応じて変化する該記録媒体11と電極針
15との間の静電容量C2と、可変容量コンデンサCv と
によって構成されたLC共振回路であり、その共振周波
数fo は約1GHzである。一方検波回路22は、前記コ
イルL1と結合するコイルL2、ダイオードD、コンデ
ンサC3および抵抗Rから構成されている。
【0025】UHF発振器20からコイルL3を介して共
振回路21に、上記共振周波数fo に近い周波数の搬送波
信号が注入されると、静電容量C2に応じて共振周波数
foが変化することにより、この搬送波信号が振幅変調
を受ける。そこでこの搬送波信号を検波回路22で検波す
ることにより、上記静電容量C2の変化分を示す(つま
り記録情報を示す)信号Sdが得られる。
【0026】なおこの信号Sdは記録情報の再生に利用
される他、自動周波数制御回路23にも入力される。この
自動周波数制御回路23は信号SdのDC〜数kHzの低
周波成分の変動(これは例えば前記浮遊容量C1の変化
等に起因する)を抑えるように可変容量コンデンサCv
の容量を変化させる。それにより、上述のような低周波
領域での共振周波数fo の変動が防止される。
【0027】また本装置では特に、上記自動周波数制御
回路23が出力する電圧信号S1が加算点24に入力され、
そこで、基準信号発生回路25が出力する基準信号S2か
ら該信号S1が減算される。これら両信号S1とS2と
の偏差を示す偏差信号S3は、自動高さ制御回路26に入
力される。この自動高さ制御回路26は、偏差信号S3に
応じた駆動制御信号S4をピエゾドライバ27に入力す
る。このピエゾドライバ27は、前述した電極針保持部材
16を上下に、つまり情報記録媒体11との距離を変える方
向に移動させるアクチュエータとしてのピエゾ素子28を
駆動するものである。このピエゾドライバ27が上記の駆
動制御信号S4に基づいて、両信号S1とS2との偏差
を解消するように駆動制御されることにより、電極針15
が常に情報記録媒体11から所定距離浮上した状態に維持
される。
【0028】ここで、以上説明した電極針15と情報記録
媒体11との距離を一定に保つ追値制御系が例えば3kH
zの帯域を有する場合、可変容量コンデンサCv の容量
を変化させるフィードバック制御系の帯域はそれ以上、
つまり例えば10kHzとなるように設定し、そして再生
信号の帯域はさらにそれ以上となるように設定する。以
上のようにすることにより、回転しているディスク状の
情報記録媒体11の表面から0.数μm〜0.0 数μm離れた
位置に電極針15を浮上させながら、記録情報を再生する
ことができる。
【0029】なお、ここでは上記の通り電極針15と情報
記録媒体11との間の距離が常に一定に保たれるから、可
変容量コンデンサCv の容量を変化させて共振周波数f
o を一定に保つ制御は特に行なわれなくても構わない。
またその場合、自動周波数制御回路23はバイパスさせて
よい。
【0030】以上の説明から明らかな通り、本比較例
おいては検波回路22および自動周波数制御回路23が、電
極針15と記録媒体11間の静電容量変化の低周波成分を検
出する静電容量検出回路を構成し、基準信号発生回路25
および自動高さ制御回路26が、静電容量変化の低周波成
分が所定値に保たれるようにアクチュエータの駆動を制
御する制御回路を構成している。
【0031】次に図3を参照して、本発明の一つの実施
例について説明する。なおこの図3において、図1中の
要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらにつ
いての重複した説明は省略する。この実施例装置におい
て自動周波数制御回路23が出力する電圧信号S1は、電
極針15の位置決め制御のためにパイロット信号振幅検出
器30に入力される。パイロット信号振幅検出器30はこの
信号S1に含まれる後述のパイロット信号成分の振幅を
求め、その振幅を示す信号S5を加算点31に入力する。
この加算点31においては、第2基準信号発生回路34が出
力する基準信号S6から該信号S5が減算される。これ
ら両信号S6とS5との偏差を示す偏差信号S7は、加
算点33に入力される。この加算点33においては、パイロ
ット信号発生器35が出力する所定周波数の高周波パイロ
ット信号S9と上記偏差信号S7とが加算され、加算後
の信号S10が自動高さ制御回路26に入力される。この自
動高さ制御回路26は、上記加算信号S10中の偏差信号S
7の成分に応じた駆動制御信号S4をピエゾドライバ27
に入力する。このピエゾドライバ27は、ピエゾ素子28を
上記の駆動制御信号S4に基づいて駆動する。
【0032】上記のように電極針15の自動高さ制御ルー
プ内に高周波パイロット信号S9を混入させると、電極
針15は情報記録媒体11からの距離が変わる方向に微振動
する。そこでこの微振動により、微分値dC/dz(C
は電極針15と情報記録媒体11間の静電容量、zはこれら
両者間の距離)に応じた信号S1の変化がもたらされ
る。上記パイロット信号振幅検出器30が検出するパイロ
ット信号成分の振幅は、この微分値dC/dzに対応す
るものであり、この微分値dC/dzを示す信号S5と
基準信号S6が担持する基準値との偏差が解消するよう
にピエゾ素子28が駆動制御されることにより、電極針15
が常に情報記録媒体11から所定距離浮上した状態に維持
される。
【0033】なお上記のパイロット信号は、可変容量コ
ンデンサCv の容量を変化させるフィードバック制御系
の帯域(例えば50kHz)内で、電極針15の位置決めサ
ーボゲインが1未満となる周波数領域(例えば30kH
z)の微小信号とされる。
【0034】またこの場合も、電極針15と情報記録媒体
11との間の距離が常に一定に保たれるから、可変容量コ
ンデンサCv の容量を変化させて共振周波数fo を一定
に保つ制御は特に行なわれなくても構わない。またその
場合、自動周波数制御回路23はバイパスさせてよい。
【0035】このように実施例においては、微分値d
C/dzを所定値に保つように制御がなされるので、電
極針15の周辺の浮遊容量が変化したり、電極針15の姿勢
が変化してそれと記録媒体11間の距離に対する静電容量
Cの値が変化しても、その影響を低く抑えることがで
き、電極針15と記録媒体11の距離を、高密度記録を実現
する上で不可欠なサブミクロン(μm以下)の微小な領
域、例えば0.2 μm〜0.01μm程度においても安定に制
御可能となる。その理由は、先に詳しく説明した通りで
ある。
【0036】以上の説明から明らかな通り、本実施例に
おいては検波回路22、自動周波数制御回路23およびパイ
ロット信号振幅検出器30が静電容量微分値検出回路を構
成し、基準信号発生回路25、34および自動高さ制御回路
26が、上記微分値が所定値に保たれるようにアクチュエ
ータの駆動を制御する制御回路を構成している。
【0037】なお、実施例のように微分値dC/dz
をフィードバックする系においては、距離zに対する微
分値dC/dzの非線形性によるゲイン変化をリアルタ
イムでモニタできるので、この値を基にゲイン補正を行
なえば、距離zにかかわらずサーボ制御の一巡ゲインを
一定に保つことができ、サーボループが距離zにかかわ
らず安定になる。
【0038】次に上述の高密度で記録された記録媒体か
ら安定的に十分な出力の情報を再生する情報再生操作に
おいて、より最適な態様について説明する。
【0039】電極針・記録媒体を変調させながら微分値
dC/dzを測定し、電極針と記録媒体との間の距離
(浮上量)zの信号としてフィードバックして電極針を
浮上させつつ、記録媒体をその面内方向に走査し、記録
媒体上の静電容量変化を測定する系において、微分値d
C/dzに関する測定をΔz=10nmで実施した結果
(図4参照)、先端半径が12μmの電極針と0.3 μmの
電極針との比較では先端径の小さい半径0.3 μmの電極
針では微分値dC/dzのダイナミックレンジおよび浮
上量zが極端に小さくなることが判明した。しかし高分
解能で再生を行うためには、つまり高密度に記録された
情報を再生するためには、上記電極針の先端径は小さく
する必要があり、特に記録波長2μm以下の情報を再生
するためには上記電極針の先端半径は0.3 μm以下が望
ましい。またこの場合の浮上量zは図4より50nm以下
にすることが必要である。
【0040】またサーボ帯域は機械サーボの常識的なレ
ンジである1kHz 程度であって、低周波ゲインを200 倍
程度確保できる系にするために、平面性が数nmに研磨
されたSi基板をベースにした回転記録媒体を用いた。た
だしこの回転記録媒体は以下の条件a)からc)を満た
す(図5に示すグラフにおける斜線の領域)ように設定
した。
【0041】a)面振れ周波数が0Hz以上、記録媒体の
回転周波数未満の範囲については面振れ量が0μmを下
限値、1.0 μmを上限値とする範囲内の値であり、 b)面振れ周波数が記録媒体の回転周波数以上、この回
転周波数の14倍未満の範囲については面振れ量が0μm
を下限値、1.0 μmより5nmまで-40dB/dec で等加速度
的に減少する関数上の値を上限値とする範囲内の値であ
り、 c)面振れ周波数が回転周波数の14倍以上の範囲につい
ては面振れ量が0μmを下限値、5nmを上限値とする範
囲内の値である。
【0042】また上記1kHz 程度のサーボ帯域のサーボ
信号を得るために、浮上量zの変動量Δzの信号はサー
ボ帯域の10倍以上である30kHz を越える60kHz とした。
その結果1.6 ×1012bit/m程度の記録密度を満足
し、半径20mmで転送レート7.5Mbit/sec の電極針浮上
サーボを用いた静電容量再生型メモリ装置を構築するこ
とができた。
【0043】なおΔzの分解能を確保し上記面振れ量の
最大値を1μm以下とするため、電極針を駆動するアク
チュエータとしては積層PZT(ピエゾ)アクチュエー
タを使用した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に対する比較例としてのヘッドの位置決
め装置を備えた情報再生装置の電気回路図
【図2】上記情報再生装置を示す概略側面図
【図3】本発明の実施例によるヘッドの位置決め装置
を備えた情報再生装置の電気回路図
【図4】電極針の先端径をパラメータとした浮上量zに
対する微分値dC/dzを示すグラフ
【図5】記録媒体と電極針との間の面振れ特性を示すグ
ラフ
【符号の説明】
11 情報記録媒体 13 筺体 14 リード線 15 電極針 20 UHF発振器 21 検波回路 23 自動周波数制御回路 24、31、33 加算点 25、34 基準信号発生回路 26 自動高さ制御回路 27 ピエゾドライバ 28 ピエゾ素子 30 パイロット信号振幅検出器 34 パイロット信号発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−96756(JP,A) 特開 平6−258071(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 9/06 G11B 21/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対向する電極針を介して、記
    録媒体に静電容量変化を生じさせるための電圧印加およ
    び/または記録媒体に記録された情報を静電容量の変化
    として検出する操作を行なう記録再生ヘッドを、前記電
    極針と記録媒体との間の距離が所定値となるように位置
    決めする装置であって、 前記電極針と記録媒体の少なくとも一方を、それら両者
    の間の距離が変わる方向に移動させるアクチュエータ
    と、 前記電極針と記録媒体間の静電容量をこれら両者間の距
    離で微分した値を検出する静電容量微分値検出回路と、 この検出回路の出力を受け、該出力が示す静電容量の微
    分値が所定値に保たれるように前記アクチュエータの駆
    動を制御する制御回路とからなることを特徴とする情報
    記録再生ヘッドの位置決め装置。
  2. 【請求項2】 請求項に記載の情報記録再生ヘッドの
    位置決め装置において、 前記アクチュエータの駆動信号に高周波のパイロット信
    号を混入させる手段が設けられ、 前記静電容量微分値検出回路が、静電容量検出信号に混
    入した前記パイロット信号の振幅を検出するものである
    ことを特徴とする情報記録再生ヘッドの位置決め装置。
  3. 【請求項3】 前記記録媒体に記録された情報の記録密
    度が1.6 ×1012bit/m以上、その記録波長が2μ
    m以下であり、該記録媒体が2次元面内において回転周
    波数60Hz〜70Hzで回転駆動される場合において、 前記電極針と記録媒体との間の距離が50nm以下、前記電
    極針と記録媒体との間の距離の変動量が10nm以下、前記
    電極針の記録媒体に対向する先端部の形状が半球面であ
    ってその半径が0.3 μm以下、前記制御回路から前記ア
    クチュエータを駆動するために出力される制御信号の周
    波数が30kHz 以上、前記回転駆動される記録媒体と前記
    電極針との間の面振れ特性が下記a)からc)の条件を
    満足することを特徴とする請求項または請求項記載
    の情報記録再生ヘッドの位置決め装置。 a)面振れ周波数が0Hz以上、前記回転周波数未満の範
    囲については面振れ量が0μmを下限値、1.0 μmを上
    限値とする範囲内の値であり、 b)面振れ周波数が前記回転周波数以上、前記回転周波
    数の14倍未満の範囲については面振れ量が0μmを下限
    値、1.0 μmより5nmまで-40dB/dec で等加速度的に減
    少する関数上の値を上限値とする範囲内の値であり、 c)面振れ周波数が前記回転周波数の14倍以上の範囲に
    ついては面振れ量が0μmを下限値、5nmを上限値とす
    る範囲内の値である。
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