JP3217356B2

JP3217356B2 - 石灰スケール除去用組成物

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Publication number: JP3217356B2
Application number: JP50619292A
Authority: JP
Inventors: ボス，エディ
Original assignee: Procter and Gamble Co
Current assignee: Procter and Gamble Co
Priority date: 1991-01-22
Filing date: 1992-01-21
Publication date: 2001-10-09
Anticipated expiration: 2016-10-09
Also published as: DK0496188T3; DE69128025D1; MX9200253A; ES2108040T3; WO1992013058A1; TR25673A; BR9205495A; ATE159542T1; EP0496188A1; EP0496188B1; AR244786A1; DE69128025T2; CA2100096A1; CA2100096C; JPH06505293A; GR3025119T3

Description

【発明の詳細な説明】技術分野本発明は、堅い表面のための洗浄組成物に関する。特
に、石灰スケール（湯あか）汚れおよび石灰スケール皮
殻を除去する際、最適な作業をもたらすように考案され
た組成物を開示する。

背景水道水は、常に、炭酸カルシウムのような一定量の硬
水塩を含んでいる。この硬水塩は、度々水と接触する表
面上に結局沈澱し、その結果、非審美的な表面をもたら
す。水の硬度が特に高い場所では、この石灰スケール沈
澱現象は、より一層激しい。

典型的には、これらの石灰スケール沈澱物は、石灰ス
ケールを「溶解する」酸、典型的には燐酸、を含んでな
る洗浄組成物を使用することにより除去されている。し
かしながら、燐酸は環境的問題の関係で議論の対象とな
っている。ゆえに、このような特別の状況において、燐
酸代替物を発見することが本発明の目的となっている。

加うるに、開発済みの組成物は、すべての石灰スケー
ルを含む汚れ、特に浴室で主に見られる石灰スケールを
含む汚れ、に対し等しく作用するとは限らないことが観
察されている。これらの浴室タイプの汚れは、炭酸カル
シウムを含むばかりでなく、石鹸の浮きかすも含んでお
り、石鹸の浮きかすは上記組成物の石灰スケール除去作
用に有害であることが見いだされている。

ゆえに、石灰スケールを除去するための洗浄組成物を
提供して、この問題を取り除くことが本発明の目的であ
る。この組成物は優れた石灰スケール除去能力を有し、
また、石灰スケールを含む浴室タイプの汚れに対して効
果的である。

ドイツ国特許第3340033号明細書は、ランドリーの石
灰石の痕跡を除去するための組成物を記載している。こ
の組成物は、多量の燐酸および尿素とともに、マレイン
酸と非イオン界面活性剤を含んでいる。

欧州特許第200776号明細書は、ルイス酸およびプロト
ン酸、あるいはマレイン酸の混合物を使用することによ
り、主に炭酸カルシウムを含む沈澱物を除去する方法を
記載している。

特開昭61−283700号明細書（要約）は、マレイン酸ま
たは無水ベースのポリマーおよび非イオン性界面活性剤
を含んでなる浴室用洗剤組成物を開示している。また、
この組成物は、カチオン界面活性剤を含んでいる。

欧州特許公開第0336878号明細書は、慣用的な界面活
性剤とジカルボン酸を含んでなる酸性洗浄組成物を開示
する。マレイン酸は記載されていない。

発明の概要本発明による組成物は、全組成物の１重量％〜15重量
％の非イオン界面活性剤またはその混合物、および全組
成物の４重量％〜25重量％のマレイン酸を含んでなる水
性組成物である。この組成物は、1.0〜4.0のpHを有す
る。

発明の詳細な説明本発明は、マレイン酸が、同等レベルの燐酸および他
のジカルボン酸に比べて、予期しない優れた石灰スケー
ル除去能力を有することを見いだしたことに一部基づい
ている。

ゆえに、本発明による組成物は、全組成物の４重量％
〜25重量％のマレイン酸を含んでなる。この割合は、酸
型の分子量に基づいて計算されているが、本発明による
組成物に無水マレイン酸を使用することは、同様に便利
である。実際、無水マレイン酸は、一般的により安価で
あって、水性媒体に加えられるときには酸型に変化す
る。

この組成物の石灰スケール除去能力は、石灰スケール
除去性能の頂点（プラトー）に到達する所定の量まで
は、マレイン酸の量とともに向上することが観察され
た。したがって、この組成物は、好ましくは６〜10重量
％のマレイン酸を含んでなる。

本発明による組成物は、1.0〜4.0のpHを有する。この
組成物の石灰スケール除去能力は、そのpHに強く依存し
ており、pHが低くなればなるほど、石灰スケール除去性
能は良くなる。また、この組成物のpHは、組成物の光沢
性能にも影響し、pHが高くなればなるほど、光沢が良く
なる。したがって、石灰スケール除去性能と光沢性能の
間に所望の妥協点を得るためには、pHの均衡をとるよう
にしなければならない。本発明による組成物は、好まし
くは、１〜２の範囲、好ましくは1.2、であるようなpH
を有している。

また、本発明による組成物は、非イオン界面活性剤シ
ステムを含んでなる。実際、典型的な石灰スケール除去
用組成物は、浴室タイプの汚れに対し必ずしも最適には
作用しない。当技術分野において認められていないが、
この技術的問題は、浴室タイプの汚れの中に石灰スケー
ルとともに存在する石鹸の浮きかすのせいであると信じ
られる。実際、今や、石鹸の浮きかすは、組成物の石灰
スケール除去能力に関して有害な影響を及ぼすものとみ
なされている。

この問題に対応して、界面活性剤システムを含んでな
る石灰スケール除去用組成物を系統立てて計画すること
が望まれる。上記技術的問題を処理し、かつ最適な石灰
スケール除去性能を保つためには、非イオン界面活性剤
の使用が、他のタイプの界面活性剤よりも一層望ましい
ことが見いだされた。実際、アニオン界面活性剤および
カチオン界面活性剤は、マレイン酸の石灰スケール除去
能力に不利に影響することが見い出された。よって、本
発明による組成物は、全組成物の１重量％〜15重量％、
好ましくは２重量％〜４重量％、非イオン界面活性剤ま
たはその混合物を含んでなり、好ましくは本発明による
組成物は、カチオン界面活性剤およびアニオン界面活性
剤を有さない。

非イオン界面活性剤は、酸性もしくは塩基性触媒の存
在下、媒反応性水素原子、たとえばヒドロキシル基、カ
ルボキシル基、またはアミド基、を有する炭化水素でエ
チレンオキシドを縮合することにより慣用的に調製さ
れ、一般式RA（CH₂CH₂O）_nHを有する化合物を含む。た
だしＲは、疎水性部位を表し、Ａは、反応性の水素原子
を伴う基を表し、ｎは、エチレンオキシド部分の平均数
を表す。Ｒは、典型的には２〜22個の炭素原子を含む。
非イオン界面活性剤は、低分子量化合物でプロピレンオ
キシドを縮合することによっても、形成し得る。ｎは、
通常２〜24である。非イオン化合物の疎水性部位は、炭
素数約８〜約24をする直鎖状または分枝状の第１アルコ
ールまたは第２アルコールであり得る。本発明による組
成物に使用するための好ましい非イオン界面活性剤は、
直鎖状アルキル鎖を有し、６〜22の炭素原子を有するア
ルコールによるエチレンオキシドの縮合生成物、ただし
エトキシル化度が５〜12、である。最も好ましいもの
は、エトキシル化度６を有するC₈〜C₁₂のエトキシル化
アルコールである。これらの界面活性剤は、ドバノール
（Dobanol）R91−６の商標名でシェル社から市販されて
いる。これらの非イオン界面活性剤は、安定剤またはヒ
ドロトロピック物質の添加を必要としないで、安定な調
製物を調製できることが見いだされているので好まし
い。他の非イオン界面活性剤を使用した場合には、クメ
ンスルフォネートのようなヒドロトロピック物質、また
はブチルジグリコールエーテルのような溶媒を添加する
ことが必要となるかも知れない。

さらに、本発明による組成物は、着色料、殺菌剤、香
料、シックナー（thickeners）等のような任意成分を含
んでもよい。

実験データａ）マレイン酸の石灰スケール除去能力に関する石鹸浮
きかすの影響、および界面活性剤の効果： 30分間種々の溶液に標準サイズの大理石片を浸漬する
ことにより、各溶液の石灰スケール除去（LSR）能力を
測定した。大理石片は、化学的に言うと、石灰スケール
に非常に類似して、つまり本質的に炭酸カルシウムを含
んで、いる。実験の前後に各大理石片の重量を測り、30
分間に「溶解した」大理石片のグラム数で性能を表し
た。

−８％マレイン酸を含む水溶液中の組成物Ａ −組成物Ｂは、８％マレイン酸、および３％の６倍エト
キシル化のC_8-12アルコール（非イオン界面活性剤）を
含んでなる水性組成物である。

−組成物Ｃは、８％マレイン酸、および３％ココナッツ
アルキルサルフェート（アニオン界面活性剤）からなる
水溶液である。

清浄な大理石片、または世間浮きかすで覆われた大理
石片のいずれかを使用する、２つの異なる条件で、これ
ら３つの組成物に対し、この実験を行った。

結果は下記の通りであった。

上記の結果は、下記の解説を要する。

−組成物Ａに対する異なる結果（0.88対0.36）は、石鹸
浮きかすがマレイン酸のLSRを害することを示してい
る。

−組成物Ｂに対する同等の結果（0.89対0.86）は、非イ
オン界面活性剤の存在がこの問題を処理することを示し
ている。

−組成物Ｃに対する結果（0.78対0.60）は、アニオン界
面活性剤がこの問題を処理するのには有効でないことを
示している。

清浄な大理石片を使用する３つの組成物の結果を比較
すると、非イオン界面活性剤はマレイン酸のLSRに影響
を及ぼさない（0.89対0.88））が、アニオン界面活性剤
は影響を及ぼす（0.78対0.88）ことが示されている。こ
れは、石鹸浮きかすで覆った大理石片を使用して試験し
たときに、再確認された。

ｂ）種々のジカルボン酸の石灰スケール除去能力の比
較：ベース組成物中２％、５％、および10％の種々のジカ
ルボン酸を試験した。これらの各組成物中に標準サイズ
の大理石片を浸漬し、先の試験ａ）のようにLSRを測定
した。NSは「溶解しない」、すなわち、試験した酸が試
験組成物中に溶解しない、ことを表している。

結果は次の通りである。

ベース組成物（対照）:0.14 アジピン酸: 2％:0.08 5％:NS 10％:NS りんご酸: 2％:0.09 5％:0.16 10％:NS フマール酸: 2％:NS 5％:NS 10％:NS こはく酸: 2％:0.11 5％:0.19 10％:NS 乳酸: 2％:0.10 5％:0.18 10％:0.27 グルタル酸: 2％:0.11 5％:0.15 10％:0.18 マレイン酸: 2％:0.13 5％:0.39 10％:0.74 上記の結果は、マレイン酸が、試験した他のジカルボ
ン酸よりも高いLSRを有することを示している。

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) C11D 3/20 C11D 1/72 C11D 17/08

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】全組成物の１重量％〜15重量％の非イオン
界面活性剤またはその混合物、および全組成物の４重量
％〜25重量％のマレイン酸を含んでなり、1.0〜4.0のpH
を有する、堅い表面のための水性洗浄組成物。
【請求項２】全組成物の６重量％〜10重量％のマレイン
酸を含んでなる、請求項１に記載の組成物。
【請求項３】1.0〜2.0のpHを有する、請求項１または２
に記載の組成物。
【請求項４】全組成物の２重量％〜４重量％の非イオン
界面活性剤またはその混合物を含んでなる、請求項１〜
３のいずれかに記載の組成物。
【請求項５】非イオン界面活性剤が、エチレンオキシド
とアルコールの縮合生成物であり、このアルコールが、
６〜22個の炭素原子を含んでなる直鎖状アルキル鎖を有
し、前記縮合生成物が、５〜12のエトキシル化度を有す
る、請求項１〜４のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項６】アニオン界面活性剤またはカチオン界面活
性剤を含まない、請求項１〜５のいずれか１項に記載の
組成物。
【請求項７】燐酸を含まない、請求項１〜６のいずれか
１項に記載の組成物。