JP3217076B2 - 管路内周面のライニング方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、地中に設けられた既設
管やトンネル内周面を覆うシールド等の管路の内周面を
ライニングする方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】地中に管路を敷設する方法の一つにシー
ルド工法が知られている。該シールド工法では、地中に
形成されたトンネルの内壁を、シールドにより被覆し
（一次覆工）、そのシールド内周面をさらに管材により
ライニングしている（二次覆工）。この二次覆工として
のライニング方法は、例えば、特開平1-263395号公報に
開示されているように、シールド内に、該シールド内壁
とは適当な間隔をあけて型枠を形成し、該型枠とシール
ドとの間にモルタルを注入して硬化させた後に、該型枠
を撤去する方法、あるいは、特開昭59-185300号公報に
開示されているように、シールド内に、推進管を挿入し
て、該推進管とシールド内周面との間にモルタルを注入
する方法等が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】特開平1-263395号公報
に開示された方法では、シールドと型枠との間にモルタ
ルを注入して硬化させた後に、この型枠を撤去する必要
があり、作業が煩雑になるという問題がある。また、特
開昭59-185300号公報に開示された方法では、シールド
内に推進管の推進を容易にするために、シールドの内径
に対して、十分に外径の小さい推進管を使用する必要が
ある。しかし、推進管の外径が小さくなると、シールド
内周面と推進管外周面との間隙が大きくなり、その間隙
内に充填されるモルタル等の裏込め剤量が多くなるとい
う問題がある。また、トンネルの口径が大きい場合や長
い場合には、長尺の推進管をシールド内に推進させるこ
とは容易ではなく、大型の機械等が必要になる。

【０００４】本発明は上記従来の問題を解決するもので
あり、その目的は、大口径のシールドの内周面を全長に
わたってライニング管にて容易にライニングし得る管路
内周面のライニング方法を提供することにある。本発明
の他の目的は、ライニング管をシールド内への挿入が容
易であって、しかもシールド内面にほぼ密着した状態と
されるために、シールドとライニング管との間隙に充填
される裏込め剤量を著しく低減できる管路内周面のライ
ニング方法を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の管路内周面のラ
イニング方法は、各側縁部が相互に係合し得ると共に、
背面に上記係合を補助可能な断面Ｔ字状の補強リブが設
けられている帯状体を、製管機により小口径の螺旋管と
する工程と、該製管機により製造された小口径の螺旋管
を、ライニングすべき管路内に挿通する工程と、該小口
径の螺旋管の先端部から帯状体の各側縁部同士を順次分
離して、ライニングすべき管路内に配置された再製管機
に導入し、大口径の螺旋管を製造して該管路内に挿通す
る工程と、管路内に挿通された大口径の螺旋管と管路内
周面との間に裏込め剤を充填する工程と、を包含してな
り、そのことにより上記目的が達成される。

【０００６】

【作用】本発明の管路内周面のライニング方法では、螺
旋状に巻回された場合に相互に隣接する側縁部同士が係
合状態とされる帯状体と、該帯状体を小口径の螺旋管に
製造し得る製管機と、さらにその螺旋管よりも大口径の
螺旋管を製造し得る再製管機とが使用される。

【０００７】本発明の管路内周面のライニング方法で
は、まず、小口径の螺旋管を製造し得る製管機により小
口径の螺旋管が製造されてライニングすべき管路内に挿
通される。そして、管路内に小口径の螺旋管が挿通され
ると、該螺旋管の先端部から、帯状体の各側縁部同士の
係合状態が順次分離されて、分離された帯状体が、順
次、再製管機内に導入される。該再製管機内に導入され
た帯状体は、大口径の螺旋管として管路内に順次挿入さ
れて、該管路内に挿通される。管路内に大口径の螺旋管
が挿通されると、該管路と螺旋管との間に裏込め剤が充
填される。

【０００８】このように、本発明の管路内周面のライニ
ング方法では、一旦、小口径の螺旋管と製管した後に、
順次、必要な部分から大口径の螺旋管へと再製管してい
るので、当初から大口径の螺旋管を製造する場合のよう
に、製管機に大きな回転駆動力を要しない。

【０００９】

【実施例】以下に本発明を実施例について説明する。

【００１０】本発明の管路内周面のライニング方法は、
例えば、図１の(a)に示すように、地中に形成されたト
ンネルの内壁を覆う管状のシールド81の内周面をライニ
ングするために実施される。

【００１１】シールド81の一方の端部が接続されている
立坑82内には、製管機40が、シールド81の開口部に対向
して配置される。そして、該製管機40には、地上に配置
された帯状体ロール83から繰り出される帯状体10が、立
坑82を介して、順次、製管機40に送給される。製管機40
は、内部に順次導入される帯状体10を、所定の螺旋角を
有して円筒周面上に配設された複数の製管ローラに巻き
付けて強制的に屈曲し、該帯状体10を螺旋状に巻回す
る。そして、シールド81の内径よりも十分に小さい口径
の螺旋管10'を製造する。

【００１２】製管機40に導入される帯状体10は、図２に
示すような断面形状をしている。該帯状体10は、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボ
ネート、ポリエステル、あるいはこれらの樹脂をガラス
繊維で補強した樹脂等の材料により成形される。

【００１３】該帯状体10は、帯板状の基板12の背面に多
数の断面Ｔ字状の補強リブ19が設けられている。該基板
12の一方の側縁部の背面には、嵌合突条13が立設されて
いる。基板12の他方の側縁部は、嵌合突条13が設けられ
た基板12の側縁部が係合し得るように基板12の厚みだけ
背面側に段落ちした段落ち部14になっており、その段落
ち部14には、嵌合突条13が若干の間隙を有した状態で嵌
入し得る嵌合凹溝15が設けられている。

【００１４】このような帯状体10は、前記製管機40によ
り、嵌合突条13、補強リブ19、嵌合凹溝15が立設された
基板12背面側が外周側になるように、螺旋状に巻回さ
れ、嵌合突条13が嵌合凹溝15内の空間に嵌合されること
により所定径の螺旋管とされる。このとき、段落ち部14
における側縁部16が、隣接する補強リブ19に係止され
る。これにより、螺旋状に巻回された帯状体10の側縁部
同士は強固に係止され、所定の径を保持する。本実施例
では、嵌合凹溝15が配設された側縁部が、螺旋管10'の
進行方向とは反対側にされて、該嵌合凹溝15内に新たに
導入される帯状体10部分の嵌合突条13が製管ローラーに
より押圧されて内方から挿入されるようになっている。

【００１５】このようにして、製管機40により製造され
た螺旋管10'は、図１の(a)に示すように、順次、シール
ド81内へ挿入される。

【００１６】シールド81内には、このような小径の螺旋
管10'を製造し得る製管機と同様の構成の帯状体分離機5
0、および再製管機20が、軸方向に並んだ状態で配設さ
れている。該帯状体分離機50および再製管機20は、シー
ルド81内を軸方向へ移動し得るようになっている。該帯
状体分離50は、図３もしくは図４に示すように、所定の
螺旋角を有して円筒周面上に配設された複数組の対をな
す分離ローラ51,51、51,51、…を有しており、一対の分
離ローラ51および51間に、小口径の螺旋管10'を構成す
る帯状体10が、先端部から順次挟まれる。一組の分離ロ
ーラ51,51の外周側には、駆動ローラ52が配設されてお
り、該駆動ローラ51により帯状体10が搬送される。各分
離ローラ51は、帯状体を螺旋状に巻回する場合と同一方
向に回転されて、螺旋管10'を製管機40により製造する
場合と同一方向への回転力を付与する。これにより、螺
旋管10'は、各分離ローラ51により、その先端部から該
帯状体10における相互に係合状態となった側縁部同士が
分離状態とされる。

【００１７】帯状体分離機50における駆動ローラ52の回
転駆動力は、該帯状体分離機50に導入された螺旋管10'
に、その先端部に配設された一対の分離ローラ51に帯状
体を送り込むだけの推進力を与えるものであればよく、
製管機40の回転駆動力が十分に大きい場合には、帯状体
分離機50は対をなす分離ローラ51,51…だけで構成され
ていてもよい。

【００１８】該帯状体分離機50により各側縁部同士が分
離状態とされた帯状体10は、再製管機20内に導入され
る。

【００１９】該再製管機20は、図３に示すように、台車
23上に設けられたフレーム21と、該フレーム21に回転可
能に支持された製管部22とを有する。台車23は、各隅部
に、車輪23aがそれぞれ取り付けられており、各車輪23a
がシールド81の底部を転接する。

【００２０】該台車23には、牽引ワイヤー31の一端が取
り付けられており、該牽引ワイヤー31の他端部がウィン
チ32により、巻取られるようになっている。ウィンチ32
による牽引ワイヤーの巻き取りにより、台車23は、シー
ルド81内を軸方向に移動される。

【００２１】フレーム21は、台車23に立設された一対の
リング状フレーム部材21aと、各リング状フレーム部材2
1aの上部間を連結する上部フレーム部材21bとを有して
いる。各リング状フレーム部材21aは、台車23の移動方
向に適当な間隔をあけて、鉛直状態になっている。

【００２２】フレーム21の上部フレーム部材21bには、
該フレーム21全体および台車23をシールド81に対して固
定するためのクランプ部材24が取り付けられている。該
クランプ部材24は、例えば、ピストンロッドが上方へ進
出するように配設されたエアーシリンダー24aと、該エ
アーシリンダー24aのピストンロッド上端部に取り付け
られた押圧部材24bとを有している。

【００２３】製管部22は、フレーム21における牽引ワイ
ヤー31による牽引方向側のリング状フレーム部材21a内
に、ベアリング21cにより回転可能に支持された支持板2
2aと、フレーム21における他方のリング状フレーム部材
21a内に、ベアリング21dにより基端部が支持された円筒
状のガイド部材22bとを有している。該ガイド部材22b
は、先端部が牽引ワイヤー31の牽引方向とは反対方向
へ、フレーム21から突出している。該ガイド部材22bの
先端部は、若干拡径した状態になっている。

【００２４】該製管部22における支持板22aの外周部と
ガイド部材22bの基端部における外周部との間には、例
えば６本の製管ローラー22gが、周方向に適当な間隔を
あけて、円筒状態に配置された状態で架設されている。
各製管ローラー22gは、内部の円柱空間に対して、それ
ぞれ所定の螺旋角を有した状態になっている。

【００２５】製管部22における支持板22aには、駆動ロ
ーラー22cが支持されている。該駆動ローラー22cは、相
互に隣接する製管ローラー22gの間に位置されて、支持
板22aの外周部に水平状態に支持されている。該駆動ロ
ーラー22cは、該駆動ローラー22cの内周側にて支持板22
aに支持された駆動モーター22dの動力が、チェーン22e
を介して伝達されている。支持板22aには、該駆動ロー
ラー22cの外周側に適当な間隔をあけて対向した従動ロ
ーラー22fが支持されている。

【００２６】該支持板22aにおける外側面の軸心部に
は、帯状体分離機50の駆動ローラ52が支持されている。
該駆動ローラ52は、前述の再製管機20の駆動ローラ22c
と駆動現を共にしている。こうして、立坑82内に配置さ
れた製管機40により一旦小径の螺旋管10'とされ、帯状
体分離機50の一対の分離ローラ51を通過することにより
各側縁部同士が分離された帯状体10は捻れることなく、
順次、該再製管機20内に導入される。該支持板22aにお
ける駆動モーター22d等が支持された側部とは反対側の
側部には、開口部22kが設けられており、該開口部22k内
を、帯状体10が挿通して（矢印Ａ参照）、駆動ローラー
22cと従動ローラー22fとの間に導入される。そして、該
帯状体10が各製管ローラー22gにより大径の螺旋状に巻
き掛けられる。

【００２７】フレーム21における他方のリング状フレー
ム部材21a内に基端部が回転可能に支持されたガイド部
材22bの基端部近傍には、ブレーキ部材25が配設されて
いる。該ブレーキ部材25は、円筒状のガイド部材の基端
部に巻回されたブレーキベルト25aと、該ブレーキベル
ト25aに、巻き付けられた金属製帯材である調整具25b
と、該調整具25bの各端部を接離するべく台車23に取り
付けられたブレーキ駆動具25cと、を有している。

【００２８】このような再製管機20は、帯状体10が導入
される立坑82側とは反対側のシールド81の端部近傍に配
置された状態で、クランプ部材24におけるエアーシリン
ダー24aが駆動され、押圧部材24bが、シールド81の上部
に押し付けられる。これにより、該再製管機20は、シー
ルド81の端部から所定の距離だけ離れた位置に固定され
る。また、再製管機20のブレーキ部材25におけるブレー
キ駆動具25cが駆動され、調整具25bがガイド部材22bに
巻回されたブレーキベルト25aを介して、強く該ガイド
部材22bの周面に圧接される。これにより、ガイド部材2
2bがフレーム21に対して固定された状態になり、従っ
て、再製管部22全体が、フレーム21に対して固定された
状態になる。

【００２９】このような状態で、地上に配置された帯状
体ドラムから繰り出される帯状体10が、立坑82内に配置
された製管機40により、小口径の螺旋管10'とされて、
シールド81内に挿入される。そして、シールド81の他方
の端部近傍に配設された帯状体分離機50内に導入され
る。該帯状体分離機50内に導入された螺旋管10'は、そ
の先端部から、帯状体10に巻回方向と同一方向の駆動力
を与え、一対の分離ローラ51を通過させることにより該
帯状体10の各側縁部同士の係合状態を解除して、再製管
機20の駆動ローラー22cと従動ローラー22fとの間に導入
される。駆動ローラー22cと従動ローラー22fとの間に導
入された帯状体10は、各製管ローラー22gに転接するこ
とにより、大径の螺旋状に巻回される。帯状体10が、こ
のようにして、各製管ローラー22gに転接されると、再
度、駆動ローラー22cと従動ローラー22fとの間に導入さ
れる。そして、製管ローラー22gにて螺旋状に巻回され
た帯状体10の嵌合凹溝15の空間内へ、新たに製管機20内
へ導入される帯状体10における嵌合突条13が嵌合され
る。これにより、螺旋状に巻回された帯状体10の側縁部
同士は強固に係止される。

【００３０】このような状態になると、駆動モーター22
dが駆動されて、図４の(a)に示すように、駆動ローラー
22cと従動ローラー22fとの間の帯状体10に両ローラー22
cおよび22fにより推進力が付与され、帯状体10は順次各
製管ローラー22gに転接されて、螺旋状に巻回される。
このとき、駆動ローラー22cと従動ローラー22fとの間に
導入される帯状体10は、シールド81内にて、一旦小径の
螺旋管10'とされているために、捻れることなく、円滑
に螺旋状に巻回される。螺旋状に巻回された帯状体10
は、相互に隣接する側縁部同士が係合されることによ
り、シールド81の内径に対して若干小径の螺旋管10'
が、ガイド部材22b内から、回転しつつ、順次、延出さ
れる。そして、再製管機20にて製造される螺旋管10'は
拡径することなく、所定の径に維持されて、シールド81
内を推進する。このとき、螺旋管10'は、シールド81に
対して若干小径であり、また、その推進距離も比較的短
いために、該螺旋管10'は円滑にシールド81内を推進す
る。

【００３１】図１の(a)に示すように、螺旋管10'の先端
がシールド81の端部に達すると、再製管機20の駆動モー
ター22dが停止される。そして、螺旋管10'の先端部を、
製管時における螺旋管10'の回転方向とは反対方向に回
転させることにより拡径して、シールド81の内周面に密
着させる。そして、該螺旋管10'における帯状体10先端
部をシールド81の端部に固定する。

【００３２】このような状態で、再製管機20における駆
動モーター22dは再び駆動され、該再製管機20に帯状体1
0が供給されて、螺旋管10'を構成する帯状体10に推進力
が付与される。このとき、螺旋管10'における帯状体10
先端部がシールド81に固定されているために、帯状体10
に推進力が付与されると、嵌合凹溝15内に挿入されてい
る嵌合突条13は、該嵌合凹溝15内を滑動する。嵌合凹溝
15と該嵌合凹溝15内に嵌合された嵌合突条13とが相互に
滑動すると、図１の(b)に示すように、螺旋管10'は先端
側から順に拡径される。拡径された螺旋管10'は、シー
ルド81内周面にほぼ密着した状態になる。

【００３３】このようにして、再製管機20の近傍まで、
螺旋管10'が拡径され、該螺旋管10'を構成する再製管機
20近傍の帯状体10が滑動し始めると、再製管機20におけ
る駆動モーター22dが停止される。そして、再製管機20
のクランプ部材24におけるエアーシリンダー24aが駆動
されて、押圧部材24bがシールド81の上面から離され
る。また、ブレーキ部材25におけるブレーキ駆動具25c
が駆動されて、ガイド部材22bのフレーム21に対する固
定が解除され、製管部22が、フレーム21に対して自由に
回転する状態になる。このような状態で、再製管機20の
駆動モーター22dが駆動されるとともに、再製管機20全
体が、ウィンチ32により、所定の速度で、牽引される。
同時に帯状体分離機50も、該再製管機20とともにシール
ド81内を軸方向に移動される。このとき、該駆動モータ
ー22dにて駆動される駆動ローラー22cおよび従動ローラ
ー22fが取り付けられた製管部22全体は、フレーム21に
対して自由に回転し得る状態になっており、また、該再
製管機20によりすでに製造された螺旋管10'が固定状態
になっているために、図４の(b)に示すように、駆動ロ
ーラー22cおよび従動ローラー22fは、すでに形成された
固定状態の螺旋管10'の周囲を周回移動する。これによ
り、帯状体10は螺旋管10'に沿って周回移動して、該螺
旋管10'の側縁部に帯状体10の側縁部とが、嵌合凹溝15
および嵌合突条13により係合される。そして、製管機20
全体がウィンチ32の駆動によりワイヤー31にて牽引され
て、シールド81内を移動されることにより、図１の(c)
に示すように、拡径された状態の螺旋管10'に連続し
て、新たにシールド81の内径に対して若干小径の螺旋管
10'が製造される。このとき、再製管機20には、地上の
帯状体ドラムから繰り出される帯状体10が、製管機40に
より一旦小径の螺旋管10'とされた後に、帯状体分離機5
0により各側縁部同士の係合状態が解除されて、該再製
管機20内に導入されているために、捻れることなく螺旋
状に巻回される。所定の長さにわたって、シールド81内
径に対して若干小径の螺旋管10'が形成されると、ウィ
ンチ32の駆動が停止されるとともに、製管機20の駆動モ
ーター22dの駆動が停止される。

【００３４】このような状態になると、再製管機20のク
ランプ部材24により該再製管機20がシールド81内に固定
されるとともに、該再製管機20のブレーキ部材25によ
り、製管部22がフレーム21に対して固定される。このよ
うな状態で、再製管機20の駆動モーター22dが駆動さ
れ、図４の(a)に示す前記拡径工程と同様に、周回移動
しない状態の駆動ローラー22cおよび従動ローラー22fに
より、帯状体10に推進力が付与されて、該帯状体10が螺
旋管10'に順次送給される。これにより、螺旋管10'の小
径部分が、すでに拡径された先端部側から順次拡径さ
れ、図１の(d)に示すように、螺旋管10'がシールド81内
周面に密着する。

【００３５】以下、同様に、再製管機20における製管部
22がフレームに対して自由回転する状態で、再製管機20
をシールド81内を移動させることによるシールド81内径
に対して若干小径の螺旋管10'を製造する製管工程と、
該再製管機20をシールド81に固定し、かつ該再製管機20
の製管部22をフレーム21に固定した状態で該螺旋管10'
を拡径する拡径工程とを、所定の長さにわたって、順
次、繰り返すことにより、シールド81の全長にわたっ
て、螺旋管10'が該シールド81内周面に密着した状態に
なり、従って、該螺旋管10'によりシールド81がライニ
ングされる。このような状態になると、シールド81をラ
イニングする螺旋管10'から帯状体10が切断される。

【００３６】このようにして、シールド81の内周面がそ
の全長にわたって螺旋管10'によりライニングされる
と、該螺旋管10'の上部に、図５に示すように、軸方向
に所定の間隔をあけて、多数の貫通孔10aが形成され
る。そして、軸方向の一方の端部に位置する貫通孔10a
から、裏込め剤としてモルタルが注入されて、螺旋管1
0'とシールド81との間に充填される。貫通孔10aから注
入されたモルタルは、螺旋管10'におけるリブ19の間を
通流して、該螺旋管10'の全周に行き渡るとともに、螺
旋管10'の軸方向へも通流する。そして、モルタルが注
入されている貫通孔に隣接する貫通孔10aからモルタル
が流出した状態になると、その貫通孔10aからのモルタ
ルの注入が終了され、モルタルが流出した貫通孔10aか
ら、再度、モルタルが注入される。

【００３７】このような作業が順次繰り返されることに
より、螺旋管10'とシールド81との間隙内にモルタルが
充填される。そして、充填されたモルタルが硬化するこ
とにより、シールド81内に螺旋管10'が固定され、管路
が敷設される。

【００３８】なお、上記実施例では、再製管機20によ
り、シールド内径に対して若干小径の螺旋管10'を製造
した後に、該螺旋管10'を拡径させて、シールド81内周
面に密着させるようにしているが、再製管機20により形
成される螺旋管10'がシールド81内径とほぼ同様の外径
に製造される場合には、螺旋管10'を拡径させる必要が
なく、該再製管機20により、シールド81の全体にわたっ
て、螺旋管10'を連続的に製造すればよい。

【００３９】また、上記実施例では、シールド81の内周
面をライニングするようにしているが、下水管等の既設
管の内周面をライニングする場合にも、本発明は適用で
きる。

【００４０】

【発明の効果】本発明の管路内周面のライニング方法
は、このように、帯状体を一旦、小口径の螺旋管とした
後に、該螺旋管の先端部の帯状体の各側縁部同士を分離
して再製管機により大口径の螺旋管としているために、
帯状体が捻れた状態になるおそれがなく、大きな回転駆
動力を有する製管機を使用することなく、管路をきわめ
て容易にライニングし得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】(a)〜(d)は、それぞれ本発明の管路の敷設方法
の一例を示す工程図。

【図２】本発明の管路の敷設方法の実施に使用される帯
状体の断面図。

【図３】本発明の管路の敷設方法の実施に使用される再
製管機の一部破断側面図。

【図４】(a)および(b)はそれぞれ製管機の動作を説明す
るためのその要部の斜視図。

【図５】シールドと螺旋管との間隙内への裏込め剤の充
填方法の説明のための要部断面図。

【符号の説明】

10 帯状体 10' 螺旋管 12 基板 13 嵌合突条 15 嵌合凹条 20 再製管機 21 フレーム 22 製管部 22b ガイド部材 22c 駆動ローラー 22g 製管ローラー 23 台車 24 クランプ部材 25 ブレーキ部材 40 製管機 50 帯状体分離機 81 シールド

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 各側縁部が相互に係合し得ると共に、背
   面に上記係合を補助可能な断面Ｔ字状の補強リブが設け
   られている帯状体を、製管機により小口径の螺旋管とす
   る工程と、 該製管機により製造された小口径の螺旋管を、ライニン
   グすべき管路内に挿通する工程と、 該小口径の螺旋管の先端部から帯状体の各側縁部同士を
   順次分離して、ライニングすべき管路内に配置された再
   製管機に導入し、大口径の螺旋管を製造して該管路内に
   相通する工程と、 管路内に相通された大口径の螺旋管と管路内周面との間
   に裏込め剤を充填する工程と、 を包含する管路内周面のライニング方法。