JP3217048B2 - パワーウインド装置 - Google Patents

パワーウインド装置

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JP3217048B2
JP3217048B2 JP2000057014A JP2000057014A JP3217048B2 JP 3217048 B2 JP3217048 B2 JP 3217048B2 JP 2000057014 A JP2000057014 A JP 2000057014A JP 2000057014 A JP2000057014 A JP 2000057014A JP 3217048 B2 JP3217048 B2 JP 3217048B2
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shaft
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05YINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES E05D AND E05F, RELATING TO CONSTRUCTION ELEMENTS, ELECTRIC CONTROL, POWER SUPPLY, POWER SIGNAL OR TRANSMISSION, USER INTERFACES, MOUNTING OR COUPLING, DETAILS, ACCESSORIES, AUXILIARY OPERATIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, APPLICATION THEREOF
    • E05Y2201/00Constructional elements; Accessories therefor
    • E05Y2201/60Suspension or transmission members; Accessories therefor
    • E05Y2201/622Suspension or transmission members elements
    • E05Y2201/71Toothed gearing
    • E05Y2201/72Planetary gearing

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  • Power-Operated Mechanisms For Wings (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Window Of Vehicle (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両ドアのウイン
ドガラスを開閉移動するパワーウインド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のウインドガラスを上下に開閉移動
させるパワーウインド装置には、駆動源としてモータが
用いられている。
【0003】ここで、このようなパワーウインド装置に
おいては、ウインドガラスに乗員の身体や異物が不要に
挟み込まれることを防止した所謂挟み込み防止機能を有
するものがある。この種の挟み込み防止機能を有したパ
ワーウインド装置では、ドアの所定位置にリミットスイ
ッチを配置し、このリミットスイッチからの信号とモー
タのロック電流とを基にウインドガラスに異物が挟み込
まれたか否かを判断してウインドガラスの移動すなわち
モータの回転位置を制御する構成のものや、ホールIC
や特別なコンミテータを設けることによりアーマチャの
回転数を検出しこの回転数検出信号(パルス信号のパル
ス数やパルス幅)を基に前記挟み込まれたか否かを判断
してモータの回転位置を制御する構成のものがある。
【0004】ところで、このようなパワーウインド装置
(モータの回転位置検出機構)では、モータやウインド
レギュレータを組付ける際に組付け位置の煩雑な調節や
組付けた後の煩雑なリセットが不可欠である等の欠点が
あった。
【0005】すなわち、例えば、ドアに配置されたリミ
ットスイッチからの信号とモータのロック電流とを基に
前記挟み込み防止機構が構成されるものにあっては、モ
ータやウインドレギュレータを組付ける際にウインドガ
ラスの上下位置とモータ回転軸の所定の回転位置とを対
応させた状態で車体に組み付けるのみならずリミットス
イッチをウインドガラスの所定位置に対応させて取り付
ける必要があり、組付け位置の調節が煩雑で部品点数も
多くなる欠点があった。また、組付け当初にリミットス
イッチ等を最適位置に設定しても、その後の使用により
ガタが発生するとその都度再調節をする必要もある。ま
た、アーマチャの回転数検出信号(パルス信号)を基に
前記挟み込み防止機構が構成されるものにおいても、前
述と同様に、組付け当初にウインドガラスに対応させて
モータ回転軸の初期設定をしても、その後にガタ等が発
生すると再度ウインドガラスとモータ回転軸との位置関
係をリセットし直す必要がある。
【0006】このように、従来のパワーウインド装置
(モータの回転位置を検出する機構)では、組付け位置
の煩雑な調節や組付けた後の煩雑なリセットが不可欠で
あり、また挟み込み防止機構を構成する場合等には制御
装置等の他の部品がコスト高で精度も悪い等の欠点があ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、ウインドガラスの位置を高精度に検出し、またそ
の移動を制御することができるのみならず、煩雑な調節
を伴うこと無く初期位置の設定ができ、かつこれを簡単
な構造で低コストにより実現できるパワーウインド装置
を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明のパ
ワーウインド装置は、出力軸が正逆方向に回転するモー
タによってウインドガラスが昇降されるパワーウインド
装置であって、制御回路に電気的に接続される接点を有
し、前記ウインドガラスの異物の挟み込みの検出をする
か否かを判別するための前記モータ出力軸の所定の回転
位置を前記接点の作動によって検出可能なスイッチ部
と、リングギヤとプラネタリギヤから成る遊星歯車組を
有し、前記モータ出力軸から伝達された回転力によって
前記モータ出力軸に連動し、前記モータ出力軸の所定の
回転位置において前記スイッチ部を作動させる作動機構
と、通常は前記プラネタリギヤの公転を阻止することに
より前記モータ出力軸の回転力を前記プラネタリギヤか
ら前記リングギヤへ伝達してリングギヤを回転させ、前
記スイッチ部が作動した状態においては前記プラネタリ
ギヤの公転を可能とすることにより前記モータ出力軸か
ら前記リングギヤへの正方向の回転力の伝達を遮断して
前記スイッチ部を前記ウインドガラスが全閉位置から所
定距離離間した初期位置に設定するクラッチ機構と、
記作動機構を構成するリングギヤを外部から操作可能に
設けられ、前記モータ出力軸の回転位置に拘わらず前記
リングギヤを強制的に駆動して前記スイッチ部が作動し
た初期状態に設定可能な初期位置補正手段と、を備えた
ことを特徴としている。
【0009】請求項1記載のパワーウインド装置では、
モータの出力軸が正逆方向に回転することによってウイ
ンドガラスが昇降される。
【0010】ここで、モータの出力軸が正逆方向に回転
すると、この回転力は作動機構へ伝達されて作動機構が
モータの出力軸(すなわち、ウインドガラス)に連動さ
れ、モータの出力軸が所定の回転位置に達すると(すな
わち、ウインドガラスが所定の移動位置に達すると)、
作動機構によってスイッチ部が作動され、これにより、
ウインドガラスの所定の移動位置が検出される。
【0011】一方、スイッチ部が作動した状態において
は、クラッチ機構によってモータ出力軸から作動機構へ
の正方向の移動力の伝達が遮断される。すなわち、一旦
スイッチ部が作動した後には、仮にモータ出力軸が正方
向に移動しても作動機構は不動でスイッチ部の作動状態
が維持されたままとなる。換言すれば、モータ出力軸を
正方向に一旦充分に移動させることにより、スイッチ部
が作動した初期状態に自動的に設定される。
【0012】したがって、このパワーウインド装置で
は、車体に組付けた時点でモータの出力軸を正方向に一
旦充分に回転させることによりスイッチ部が作動した初
期状態に自動的に設定され、組付けの際の組付け位置の
煩雑な調節や組付けた後の煩雑なリセットを伴うこと無
く初期位置の設定が容易にできる。
【0013】さらに、パワーウインド装置駆動用モータ
のアーマチャの回転数をホールIC等を用いて検出して
モータ出力軸すなわちウインドガラスの移動位置を検出
する構成のものにあっては、その制御回路にカウンター
が不可欠であるが、本パワーウインド装置は、スイッチ
部の一度のON/OFF信号だけで正確な位置が判別で
き、制御回路にカウンターが不要となり、低コストにも
なる。また、初期位置補正手段によって作動機構を構成
するリングギヤを外部から強制的に駆動操作することが
できる。すなわち、モータ出力軸の回転位置に拘わらず
初期位置補正手段により作動機構を構成するリングギヤ
を操作してスイッチ部が作動した初期状態に設定するこ
とができる。
【0014】請求項2に係る発明のパワーウインド装置
は、回転軸の先端に形成されたウォームギヤが回転ギヤ
ホイールに噛み合うと共に前記回転ギヤホイールに設け
られた出力軸によってウインドレギュレータに駆動力を
付与するモータと、前記モータの前記出力軸と反対側に
取り付けられ、前記モータの出力軸の回転位置に対応し
たウインドガラスの移動位置を検出する位置検出装置
と、を有し、前記位置検出装置は、前記ウインドガラス
の移動位置に応じて異物の挟み込み検出を行う制御回路
に電気的に接続され、前記モータの出力軸の所定の回転
位置を検出可能なスイッチ部と、リングギヤとプラネタ
リギヤから成る遊星歯車組を有し、前記モータの出力軸
から伝達された回転力によって前記モータの出力軸に連
動し、前記モータの出力軸の所定の回転位置において前
記スイッチ部を作動させる作動機構と、通常は前記プラ
ネタリギヤの公転を阻止することにより前記モータの出
力軸の回転力を前記プラネタリギヤから前記リングギヤ
へ伝達してリングギヤを回転させ、前記スイッチ部が作
動した状態においては前記プラネタリギヤの公転を可能
とすることにより前記モータの出力軸から前記リングギ
ヤへの正方向の回転力の伝達を遮断して前記スイッチ部
を前記ウインドガラスが全閉位置から所定距離離間した
初期位置に設定するクラッチ機構と、前記作動機構を構
成するリングギヤを外部から操作可能に設けられ、前記
モータ出力軸の回転位置に拘わらず前記リングギヤを強
制的に駆動して前記スイッチ部が作動した初期状態に設
定可能な初期位置補正手段と、を備えたことを特徴とし
ている。
【0015】請求項2記載のパワーウインド装置では、
モータの回転軸が正逆方向に回転すると、ウォームギヤ
及び回転ギヤホイールを介して出力軸が回転し、ウイン
ドレギュレータに駆動力が付与されてウインドガラスが
昇降される。
【0016】ここで、モータの出力軸が正逆方向に回転
すると、この回転力は位置検出装置の作動機構へも伝達
されて作動機構がモータの出力軸(すなわち、ウインド
ガラス)に連動され、モータの出力軸が所定の回転位置
に達すると(すなわち、ウインドガラスが所定の移動位
置に達すると)、作動機構によってスイッチ部が作動さ
れ、これにより、ウインドガラスの所定の移動位置が検
出される。
【0017】一方、スイッチ部が作動した状態において
は、クラッチ機構によってモータ出力軸から作動機構へ
の正方向の移動力の伝達が遮断される。すなわち、一旦
スイッチ部が作動した後には、仮にモータ出力軸が正方
向に移動しても作動機構は不動でスイッチ部の作動状態
が維持されたままとなる。換言すれば、モータ出力軸を
正方向に一旦充分に移動させることにより、スイッチ部
が作動した初期状態に自動的に設定される。
【0018】したがって、このパワーウインド装置で
は、車体に組付けた時点でモータの出力軸を正方向に一
旦充分に回転させることにより位置検出装置のスイッチ
部が作動した初期状態に自動的に設定され、組付けの際
の組付け位置の煩雑な調節や組付けた後の煩雑なリセッ
トを伴うこと無く初期位置の設定が容易にできる。
【0019】さらに、パワーウインド装置駆動用モータ
のアーマチャの回転数をホールIC等を用いて検出して
モータ出力軸すなわちウインドガラスの移動位置を検出
する構成のものにあっては、その制御回路にカウンター
が不可欠であるが、本パワーウインド装置は、スイッチ
部の一度のON/OFF信号だけで正確な位置が判別で
き、制御回路にカウンターが不要となり、低コストにも
なる。また、初期位置補正手段によって作動機構を構成
するリングギヤを外部から強制的に駆動操作することが
できる。すなわち、モータ出力軸の回転位置に拘わらず
初期位置補正手段により作動機構を構成するリングギヤ
を操作してスイッチ部が作動した初期状態に設定するこ
とができる。
【0020】請求項3に係る発明のパワーウインド装置
は、請求項1または請求項2記載のパワーウインド装置
において、前記スイッチ部は、ON/OFF作動する固
定接点と移動接点から成ることを特徴としている。
【0021】請求項3記載のパワーウインド装置では、
スイッチ部の構成が簡単となり、確実にON/OFF信
号をえることができる。
【0022】
【0023】
【0024】請求項に係る発明のパワーウインド装置
は、請求項1乃至請求項の何れかに記載のパワーウイ
ンド装置において、前記作動機構に設けられ、前記作動
機構の作動に伴ってパルスを発生するパルス発生手段
と、前記パルス発生手段が発生したパルスを検出するパ
ルス検出手段と、を備えることを特徴としている。
【0025】請求項記載のパワーウインド装置では、
作動機構の作動に伴ってパルス発生手段から発生された
パルスはパルス検出手段によって検出される。作動機構
はモータの出力軸(すなわち、ウインドガラス)に連動
されるため、検出したパルス信号を基にウインドガラス
の移動位置を随時リニアに検出することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】(第1実施の形態)図3には本発
明の第1実施の形態に係るパワーウインド装置に適用さ
れるモータ10及び位置検出装置30の全体斜視図が示
されている。また、図4にはこのモータ10及び位置検
出装置30の一部破断した平面図が示されており、図5
には図4の5−5線に沿ったモータ10及び位置検出装
置30の断面図が示されている。
【0027】モータ10は、モータ部10Aとこのモー
タ部10Aに連結するギヤ部10Bとによって構成され
ている。モータ部10Aの回転軸12はギヤ部10B内
へ延出されており、先端にはウォームギヤ14が形成さ
れている。このウォームギヤ14は、ギヤ部10B内に
配置された回転ギヤホイール16に噛み合っている。
【0028】回転ギヤホイール16は、モータ出力軸と
しての軸20が、ギヤ部10Bのカバー18に回転可能
に支持されている。このため、モータ部10Aが作動し
て回転軸12が回転すると、この回転力がウォームギヤ
14を介して回転ギヤホイール16へ伝達されて軸20
が回転するようになっている。軸20の先端にはピニオ
ン22が取り付けられており、ウインドレギュレータの
ラック(図示省略)に噛み合う構成である。なおここ
で、本実施の形態においては、例えば軸20(ピニオン
22)が3回転乃至3.5回転することによりウインド
ガラスが1ストローク移動するように設定されている。
【0029】一方、回転ギヤホイール16の軸20と反
対側の面には、位置検出装置30がガスケット32を介
して取り付けられている。
【0030】図1に詳細に示す如く、位置検出装置30
は、ベースプレート34及びカバープレート36を備え
ており、両者によって略円筒形に構成されている。ベー
スプレート34には、中心部分に透孔38が形成されて
おり、また周縁一部には突起40が軸線方向に突出形成
されている。
【0031】また、位置検出装置30は、連結シャフト
42を備えている。この連結シャフト42は、その一端
が回転ギヤホイール16の軸20に一体的に連結されて
常に軸20と一体に回転し、さらに他端はベースプレー
ト34に形成された透孔38を介して位置検出装置30
(ベースプレート34及びカバープレート36)の内部
に突出している。また、連結シャフト42の他端近傍に
は遊星歯車組を構成するサンギヤ44が設けられてお
り、後述するプラネタリギヤ54に噛み合っている。
【0032】ベースプレート34の側方すなわち連結シ
ャフト42の周囲には、遊星歯車組を構成するリングギ
ヤ46がサンギヤ44に対向して配置されている。リン
グギヤ46のベースプレート34の側の端部にはフラン
ジ部48が一体的に形成されており、このフランジ部4
8がベースプレート34に回転可能に収容されている。
また、フランジ部48には、移動接点50が設けられて
いる。移動接点50は円弧状に形成された導電板で、フ
ランジ部48と略同一面となるように固着されている。
さらに、フランジ部48の周縁一部には突部52が突出
形成されている。この突部52は、前述のベースプレー
ト34に形成された突起40に対応しており、リングギ
ヤ46(フランジ部48)が正方向(図1、図2及び図
4の矢印A方向)に回転し所定の回転位置に達した時点
で突部52が突起40に当接し、それ以上のリングギヤ
46の正方向の回転が阻止される構成である。
【0033】リングギヤ46の内周部分には、サンギヤ
44との間に、三個のプラネタリギヤ54が配置されて
いる。これらのプラネタリギヤ54はキャリヤ56によ
って回転可能に支持されると共に、リングギヤ46及び
サンギヤ44に共に噛み合っている。すなわち、これら
のサンギヤ44、リングギヤ46及びプラネタリギヤ5
4は遊星歯車組を構成しており、連結シャフト42(す
なわち、軸20)の回転を減速して伝達することがで
き、例えばキャリヤ56が保持されてプラネタリギヤ5
4の公転が阻止された状態においては、連結シャフト4
2(すなわち、軸20)の回転を減速してリングギヤ4
6へ伝達することができる構成である。
【0034】ここで、本実施の形態においては、サンギ
ヤ44、リングギヤ46及びプラネタリギヤ54から成
る遊星歯車組の減速比は、4:1とされており、ウイン
ドガラスが1ストロークする間(サンギヤ44が3回転
乃至3.5回転する間)にリングギヤ46は1回転以上
はしないように構成されている。
【0035】なお、前記遊星歯車組の減速比は、4:1
とするに限らず、所望により任意に設定することができ
る。
【0036】以上の構成のサンギヤ44、リングギヤ4
6及びプラネタリギヤ54から成る遊星歯車組を被覆す
るカバープレート36とキャリヤ56との間には、クラ
ッチ機構を構成するウェーブワッシャ58が配置されて
いる。ウェーブワッシャ58は常にキャリヤ56を押圧
しており、このため、通常はキャリヤ56は回転が阻止
されプラネタリギヤ54は公転が阻止された状態で保持
されている。一方、リングギヤ46のフランジ部48の
突部52が突起40に当接してそれ以上のリングギヤ4
6の正方向の回転が阻止された状態では、キャリヤ56
の押圧力(保持力)を越えるサンギヤ44の正方向回転
力が作用することでウェーブワッシャ58はキャリヤ5
6の保持を解除し、プラネタリギヤ54の公転を可能と
するように構成されている。すなわち、ウェーブワッシ
ャ58は、フランジ部48の突部52が突起40に当接
した後においては、サンギヤ44(軸20)からリング
ギヤ46への正方向の回転力の伝達を遮断することがで
きるようになっている。したがって、突部52が突起4
0に当接してリングギヤ46の回転が阻止された状態に
おいては、サンギヤ44(軸20)が正方向(リングギ
ヤ46を正方向へ回転させようとする方向)へ回転する
と、プラネタリギヤ54のみが公転する。
【0037】また、カバープレート36には、一対の固
定接点60が取り付けられている。固定接点60は、弾
力性を有する一対のコンタクトプレートとされており、
一端がカバープレート36に固定されると共に、先端は
リングギヤ46のフランジ部48へ向けてそれぞれ延出
されてフランジ部48に弾力的に当接すると共に、リン
グギヤ46の所定の回転位置においては移動接点50に
接触する構成である。これらの固定接点60及び移動接
点50はパワーウインド装置の制御回路に電気的に接続
されており、移動接点50が一対の固定接点60に共に
接触して導通状態となることにより、リングギヤ46の
回転位置すなわちサンギヤ44の回転位置すなわち軸2
0の回転位置を検出することができる構成であり、後に
説明するモータ10の回転制御に用いられる。
【0038】ここで、本実施の形態においては、例え
ば、図2に詳細に示す如く、ウインドガラスが上端停止
位置から下方へ4mm離間した位置に達した時点で、突
部52は突起40に当接する位置よりも回転角度がα度
上流側の位置に達し、さらにこの時点で移動接点50が
一対の固定接点60に共に接触して導通状態となり、さ
らに、その後は突部52が突起40に当接するまでの
間、この導通状態(移動接点50が一対の固定接点60
に共に接触した状態)が維持されるように、各部の寸法
等が設定されている。
【0039】なお、前述とは逆に、ウインドガラスが上
端停止位置から下方へ4mm離間した位置に達し突部5
2が突起40に当接する位置よりも回転角度がα度上流
側の位置に達した時点で、移動接点50が一対の固定接
点60に共に接触して非導通状態となるように構成し、
これにより位置検出を行うようにしても良い。またさら
に、前述の如く導通状態や非導通状態となった後には、
必ずしもこの導通状態や非導通状態を電気的に維持する
必要はなく、移動接点50が一対の固定接点60に共に
接触することによるトリガ信号を検出することによって
所定の回転位置に達したことを判別するように構成して
も良い。
【0040】次に本実施の形態の作用を、パワーウイン
ド装置の上昇スイッチが操作されてウインドガラスが上
昇移動する際を例に、図6に示すフローチャートを参照
しながら説明する。
【0041】上記構成のモータ10及び位置検出装置3
0では、ステップ200においてパワーウインド装置の
上昇スイッチが操作されると、ステップ202において
モータ10が作動して軸20が回転し、これによりウイ
ンドレギュレータが作動されてウインドガラスが上昇さ
れる。
【0042】またここで、通常(ウインドガラスの上昇
途中)は、ウェーブワッシャ58によってキャリヤ56
が押圧されて保持されており、プラネタリギヤ54は公
転が阻止された状態となっている。したがって、軸20
の回転に伴って、連結シャフト42(すなわち、サンギ
ヤ44)の回転力がプラネタリギヤ54を介して減速さ
れてリングギヤ46へ伝達され、リングギヤ46が正方
向に次第に回転される。
【0043】次いで、ステップ204において、モータ
10の所定の回転位置すなわちウインドガラスが所定位
置(上端停止位置から下方へ4mm離間した位置)に達
したか否かが位置検出装置30によって検出される。
【0044】すなわち、位置検出装置30では、軸20
の回転に伴って連結シャフト42(すなわち、サンギヤ
44)の回転力がプラネタリギヤ54を介して減速され
てリングギヤ46へ伝達され、リングギヤ46が正方向
に次第に回転されるが、ウインドガラスが上端停止位置
から下方へ4mm離間した位置に達していなければ、突
部52は突起40から大きく離間しており、移動接点5
0は一対の固定接点60から離間して非接触状態であ
る。これにより、軸20の回転位置(ウインドガラスが
上端停止位置から下方へ4mm離間した位置に達してい
ないこと)が検出される。この場合には、モータ10の
作動は続行されながらステップ206へ進み、異物を挟
み込んだか否かがモータ10のロック電流等を基に判断
される。異物を挟み込んだことが検出されると、ステッ
プ208にてモータ10が逆方向へ回転され、ウインド
ガラスが降下される。一方、ステップ206において異
物の挟み込みが検出されなければ、再びステップ204
へ戻る。
【0045】一方、ステップ204において、ウインド
ガラスが上端停止位置から下方へ4mm離間した位置に
達すると、突部52は突起40に当接する位置よりも回
転角度がα度上流側の位置に達する。さらにこの時点
で、移動接点50が一対の固定接点60に共に接触して
導通状態となり、これにより、軸20の回転位置(ウイ
ンドガラスが上端停止位置から下方へ4mm離間した位
置に達したこと)が検出される。
【0046】ステップ204においてモータ10の軸2
0が所定の回転位置すなわちウインドガラスが所定位置
に達したことが検出されると、モータ10の作動が続行
されながらステップ210へ進む。この際には、リング
ギヤ46の回転により移動接点50と一対の固定接点6
0との相対接触位置は変化するが、導通状態(移動接点
50が一対の固定接点60に共に接触した状態)は維持
される。
【0047】ステップ210においては、ウインドガラ
スが全閉したか否かがモータ10のロック電流等を基に
判断される。ウインドガラスの全閉が検出されると、ス
テップ212においてモータ10が停止され、処理を終
了する。
【0048】このように、位置検出装置30では、リン
グギヤ46と共に回転する移動接点50と一対の固定接
点60とにより、軸20の回転位置すなわちウインドガ
ラスの位置(上端停止位置から下方へ4mm離間した位
置に達したか否か)を高精度に検出することができる。
【0049】さらにここで、位置検出装置30では、車
体に組付けた時点でモータ10の軸20を正方向に一旦
充分に回転させることにより、移動接点50が固定接点
60に接触した初期状態に自動的に設定することができ
る。
【0050】すなわち、車体に組付けた時点でモータ1
0の軸20を正方向に一旦充分に回転させると、先ず、
リングギヤ46のフランジ部48の突部52が突起40
に当接してそれ以上のリングギヤ46の正方向の回転が
阻止された状態となる。この状態においてさらに軸20
が回転すると、キャリヤ56の押圧力(保持力)を越え
るサンギヤ44の回転力が作用し、ウェーブワッシャ5
8がキャリヤ56の保持を解除して、プラネタリギヤ5
4の公転が可能とされる。すなわち、ウェーブワッシャ
58は、フランジ部48の突部52が突起40に当接し
た後においては、サンギヤ44(軸20)からリングギ
ヤ46への正方向の回転力の伝達を遮断することができ
るため、突部52が突起40に当接してリングギヤ46
の回転が阻止された状態においては、サンギヤ44(軸
20)が正方向(リングギヤ46を正方向へ回転させよ
うとする方向)へ回転すると、プラネタリギヤ54のみ
が公転する。したがって、突部52が突起40に当接し
移動接点50が固定接点60と接触した後には、仮にモ
ータ10の軸20が正方向に回転してもリングギヤ46
は不動で移動接点50が固定接点60との接触状態が維
持されたままとなる。すなわち、モータ10の軸20を
正方向に一旦充分に回転させることにより、突部52が
突起40に当接し移動接点50が固定接点60に接触し
た初期状態に自動的に設定される。
【0051】換言すれば、位置検出装置30では、ウイ
ンドガラスの全閉位置(上方最大移動限)から所定距離
(本実施の形態では、4mm)離間した位置を、ウイン
ドガラスが全閉位置(上方最大移動限)に達したか否か
に拘わらず機械的に記憶することができるため(前記4
mm離間した位置を基準として検出するため)、ウイン
ドガラスの移動制御を誤差なく確実に行うことが可能と
なる。例えば、従来では、モータのアーマチャの回転数
を検出してウインドガラスの移動位置を検出する構成の
ものにおいては、ウインドガラスの全閉位置を基準とす
るようにリセットされる構成とされているが、仮に、電
源電圧の低下やウインドガラスと窓枠との摩擦抵抗の増
加等の理由によりウインドガラスが真の上方最大移動限
に達しないまま停止した場合には、この偽りの停止位置
をウインドガラスの全閉位置としてリセットされてしま
う。したがって、この場合には、前記偽りのウインドガ
ラスの全閉位置を基準にモータの駆動制御がされるた
め、極めて誤差が大きくなる。これに対し、位置検出装
置30では、ウインドガラスが真の全閉位置(上方最大
移動限)に達しないまま停止した場合であっても、その
後にウインドガラスが真の全閉位置から4mm離間した
位置を通過する時点でこれが確実に検出され、したがっ
て、ウインドガラスの移動制御を誤差なく確実に行うこ
とができる。特に、ワイヤ式のウインドレギュレータ装
置においてはワイヤの弛みによる移動位置制御の誤差が
大きいが、位置検出装置30を用いることにより前記ワ
イヤの弛みに起因する誤差を吸収することができ、高精
度に制御することが可能となる。
【0052】このように、位置検出装置30では、車体
に組付けた時点でモータ10の軸20を正方向に一旦充
分に回転させることにより、突部52が突起40に当接
し移動接点50が固定接点60に接触した初期状態に自
動的に設定され、組付けの際の組付け位置の煩雑な調節
や組付けた後の煩雑なリセットを伴うこと無く初期位置
の設定が容易にでき、さらに、ウインドガラスの移動制
御を誤差なく確実に行うことができる。
【0053】なお、本第1実施の形態においては、クラ
ッチ機構を構成するウェーブワッシャ58を、遊星歯車
組を被覆するカバープレート36とキャリヤ56との間
に配置し、このウェーブワッシャ58によって常にキャ
リヤ56を押圧して通常はキャリヤ56の回転を阻止し
プラネタリギヤ54の公転を阻止する構成としたが、ク
ラッチ機構としてはこれに限るものではない。
【0054】例えば、図7に示す如く、ウェーブワッシ
ャ58に代えてリング状のマグネット62をカバープレ
ート36に固定して設けると共に、キャリヤ56に鋼板
64を取り付ける(キャリヤ56自体を磁性体で形成し
てもよい)構成としてもよい。この場合であっても、通
常はマグネット62によってキャリヤ56は回転が阻止
されプラネタリギヤ54は公転が阻止された状態で保持
され、一方、リングギヤ46のフランジ部48の突部5
2が突起40に当接してそれ以上のリングギヤ46の正
方向の回転が阻止された状態では、キャリヤ56の保持
力を越えるサンギヤ44の正方向回転力が作用すること
でマグネット62はキャリヤ56の保持を解除し、プラ
ネタリギヤ54の公転が可能とされる。したがって、フ
ランジ部48の突部52が突起40に当接した後におい
ては、サンギヤ44が正方向(リングギヤ46を正方向
へ回転させようとする方向)へ回転すると、プラネタリ
ギヤ54のみが公転し、サンギヤ44からリングギヤ4
6への正方向の回転力の伝達を遮断することができる。
これにより、車体に組付けた時点でモータ10の軸20
を正方向に一旦充分に回転させることにより、突部52
が突起40に当接し移動接点50が固定接点60に接触
した初期状態に自動的に設定され、組付けの際の組付け
位置の煩雑な調節や組付けた後の煩雑なリセットを伴う
こと無く初期位置の設定が容易にできる。
【0055】また例えば、図8に示す如く、ウェーブワ
ッシャ58に代えて、凹凸が連続するラチェット部66
をキャリヤ56に設けてカバープレート36の裏面とに
よってラチェット機構を構成してもよい。この場合であ
っても、通常はラチェット部66がカバープレート36
の裏面と係合することにより、キャリヤ56は回転が阻
止されプラネタリギヤ54は公転が阻止された状態で保
持され、一方、リングギヤ46のフランジ部48の突部
52が突起40に当接してそれ以上のリングギヤ46の
正方向の回転が阻止された状態では、キャリヤ56の保
持力を越えるサンギヤ44の正方向回転力が作用するこ
とでラチェット部66とカバープレート36の裏面との
係合が解除され、プラネタリギヤ54の公転が可能とさ
れる。したがって、フランジ部48の突部52が突起4
0に当接した後においては、サンギヤ44が正方向へ回
転しても、プラネタリギヤ54のみが公転し、サンギヤ
44からリングギヤ46への正方向の回転力の伝達を遮
断することができる。これにより、車体に組付けた時点
でモータ10の軸20を正方向に一旦充分に回転させる
ことにより、突部52が突起40に当接し移動接点50
が固定接点60に接触した初期状態に自動的に設定さ
れ、組付けの際の組付け位置の煩雑な調節や組付けた後
の煩雑なリセットを伴うこと無く初期位置の設定が容易
にできる。
【0056】次に、本発明の他の実施の形態を説明す
る。なお、前記第1実施の形態と基本的に同一の部品に
は前記第1実施の形態と同一の符号を付与しその説明を
省略する。 (第2実施の形態)図9には本発明の第2実施の形態に
係るパワーウインド装置用のモータ10及び位置検出装
置70の断面図が示されている。また、図10にはこの
位置検出装置70の主要部品が斜視図にて示されてい
る。
【0057】この位置検出装置70では、遊星歯車組を
構成するリングギヤ46の外周側壁には歯部72が形成
されており、さらに、リングギヤ46の側方には、初期
位置補正手段としての補助ギヤ74が配置されている。
この補助ギヤ74は、リングギヤ46の歯部72に噛み
合っている。補助ギヤ74の軸部76には、操作溝78
が形成されており、カバープレート36の外部に露出し
ている。さらに、外部に露出する補助ギヤ74の軸部7
6は、通常はゴムキャップ80によって被覆されてい
る。このため、ゴムキャップ80を取り外し外部から軸
部76(操作溝78)を操作することにより、補助ギヤ
74を回転させることができる。補助ギヤ74が回転さ
れると、これに噛み合うリングギヤ46が強制的に回転
される構成である。
【0058】本第2実施の形態に係る位置検出装置70
では、補助ギヤ74によってリングギヤ46を外部から
操作することができるため、軸20の回転位置に拘わら
ずリングギヤ46を強制的に回転させ、突部52が突起
40に当接し移動接点50が固定接点60に接触した初
期状態に設定することができる。
【0059】したがって、このモータ10及び位置検出
装置70を、挟み込み防止機能を有する車両のパワーウ
インド装置に用いた場合には、車体に組付けた時点でモ
ータ10を作動させることなく、補助ギヤ74の操作の
みで初期状態に設定することができ、組付けの際の組付
け位置の煩雑な調節や組付けた後の煩雑なリセットを伴
うこと無く初期位置の設定が容易にできる。
【0060】なお、本第2実施の形態においては、補助
ギヤ74の軸部76に設けられた操作溝78の形状や歯
部72の歯数等は所望により適宜設定できる。 (第3実施の形態)図11には本発明の第3実施の形態
に係るパワーウインド装置用の位置検出装置90の分解
斜視図が示されている。また、図13にはこの位置検出
装置90及びモータ10の全体斜視図が示されている。
また、図14にはこのモータ10及び位置検出装置90
の一部破断した平面図が示されており、図15には図1
4の15−15線に沿ったモータ10及び位置検出装置
90の断面図が示されている。
【0061】このモータ10に装着された位置検出装置
90では、ベースプレート92及びカバープレート94
を備えており、両者によって略円筒形に構成されてい
る。ベースプレート92には、中心部分に透孔96が形
成されており、また、対向する一対のガイド壁98が半
径方向に突出形成されている。このガイド壁98には移
動ピン100の一端が入り込んでおり、ガイド壁98に
沿ってベースプレート92の径方向にスライド移動可能
となっている。
【0062】また、位置検出装置90は、連結シャフト
102を備えている。この連結シャフト102は、その
一端が回転ギヤホイール16の軸20に一体的に連結さ
れて常に軸20と一体に回転し、さらに他端はベースプ
レート92に形成された透孔96を介して位置検出装置
90(ベースプレート92及びカバープレート94)の
内部に突出している。この連結シャフト102の他端に
はクラッチ機構を構成するリング状のマグネット104
が一体的に固定されており、常に連結シャフト102と
共に回転する。
【0063】一方、カバープレート94の裏面側には、
マグネット104に対向して回転プレート106が配置
されている。回転プレート106の中心部には支持孔1
08が形成されれおり、この支持孔108がカバープレ
ート94の支持突起110に入り込んで回転可能に支持
される構成である。回転プレート106の裏面側の支持
孔108の周囲には、クラッチ機構を構成するリングプ
レート112がマグネット104に対向して固着されて
いる。リングプレート112は磁性体とされており、マ
グネット104から常に磁力を受ける。このため、通常
はマグネット104の吸引力(磁力)によってリングプ
レート112すなわち回転プレート106は連結シャフ
ト102と一体に回転される。
【0064】また、回転プレート106の裏面側には案
内溝114が形成されている。図12に詳細に示す如
く、案内溝114は、回転プレート106の半径方向中
心側から半径方向外側へ向けて連続して形成されてお
り、最も外側の部位においては半径方向外側へ大きく屈
曲する屈曲部116が形成されている。さらに、屈曲部
116から周方向に向けて延長部117が形成され、こ
の延長部117の端が延長端部119となっている。こ
の案内溝114内に前述の移動ピン100の他端が移動
可能に入り込んでいる。したがって、ガイド壁98によ
って半径方向にのみ移動可能とされる移動ピン100
は、回転プレート106が回転すると、案内溝114に
よって螺旋状に案内されながらガイド壁98に沿って径
方向に移動される構成であり、さらに、移動ピン100
が屈曲部116に達した際には回転プレート106の僅
かな回転によって移動ピン100が半径方向外側へ大き
く移動される構成である。また、移動ピン100が案内
溝114の屈曲部116に達し半径方向外側へ大きく移
動された後、引き続き回転プレート106は延長部11
7の径方向の長さ分だけ回転を続ける。そして、延長端
部119が移動ピン100に当接し、回転プレート10
6の周方向回転が阻止された状態では、マグネット10
4によるリングプレート112の保持力(磁力)を越え
る連結シャフト102の正方向回転力が作用することで
マグネット104によるリングプレート112の保持が
解除され、連結シャフト102から回転プレート106
への正方向回転力の伝達が遮断される(すなわち、回転
プレート106は不動で連結シャフト102のみが回転
する)構成である。
【0065】なおここで、本第3実施の形態において
は、回転プレート106の案内溝114は4周以上に形
成されており、ウインドガラスが1ストロークする間
(軸20すなわち連結シャフト102が3回転乃至3.
5回転する間)に移動ピン100は案内溝114の内端
に当接することなく余裕を持って移動できるように構成
されている。
【0066】また、ベースプレート92に形成されたガ
イド壁98の半径方向外側端部には、リミットスイッチ
118が配置されている。リミットスイッチ118は、
弾力性を有する一対のコンタクトプレートとされてお
り、一端がベースプレート92に形成された固定部12
0に固定されると共に、先端はガイド壁98の半径方向
外側端部に位置している。このリミットスイッチ118
は、パワーウインド装置の制御回路に電気的に接続され
ると共に、移動ピン100が屈曲部116に達した際に
この移動ピン100によって押圧されて非導通状態とな
り、後に説明するモータ10の回転制御に用いられる。
【0067】なおここで、本第3実施の形態において
は、例えば、ウインドガラスが上昇する場合に、ウイン
ドガラスが上端停止位置から下方へ4mm離間した位置
に達した時点で、移動ピン100が案内溝114の屈曲
部116に達し半径方向外側へ大きく移動されてリミッ
トスイッチ118を押圧してリミットスイッチ118が
非導通状態となり、さらにその後は、案内溝114の螺
旋の延長部117の延長端部119に移動ピン100が
当接するまでの間この非導通状態が維持されるように、
各部の寸法等が設定されている。
【0068】なお、リミットスイッチ118は、屈曲部
116に達した移動ピン100によって押圧されて導通
状態となるように構成してもよい。
【0069】次に本第3実施の形態の作用を、パワーウ
インド装置の上昇スイッチが操作されてウインドガラス
が上昇移動する際を例に説明する。
【0070】上記構成のモータ10及び位置検出装置9
0では、パワーウインド装置の上昇スイッチが操作され
ると、モータ10が作動して軸20が回転し、これによ
りウインドレギュレータが作動されてウインドガラスが
上昇される。
【0071】ここで、位置検出装置90においては、通
常(ウインドガラスの上昇途中)は、マグネット104
の磁力によってリングプレート112すなわち回転プレ
ート106は連結シャフト102と一体的に保持されて
いる。したがって、軸20の回転に伴って、連結シャフ
ト102の回転力が伝達され、回転プレート106は連
結シャフト102と一体に正方向へ次第に回転する。
【0072】次いで、ウインドガラスの上昇と共に回転
プレート106も次第に回転されるが、ウインドガラス
が上端停止位置から下方へ4mm離間した位置に達して
いなければ、ガイド壁98及び案内溝114に案内移動
される移動ピン100は屈曲部116(すなわち、リミ
ットスイッチ118)から離間しており、リミットスイ
ッチ118は導通状態である。これにより、軸20の回
転位置(ウインドガラスが上端停止位置から下方へ4m
m離間した位置に達していないこと)が検出される。
【0073】一方、ウインドガラスが上端停止位置から
下方へ4mm離間した位置に達すると、移動ピン100
が屈曲部116に達し、リミットスイッチ118を押圧
してリミットスイッチ118が非導通とされる。これに
より、軸20の回転位置(ウインドガラスが上端停止位
置から下方へ4mm離間した位置に達したこと)が検出
される。
【0074】移動ピン100がリミットスイッチ118
を押圧して導通させ軸20が所定の回転位置すなわちウ
インドガラスが所定位置に達したことが検出された後に
は、このリミットスイッチ118の非導通状態が維持さ
れながら、ウインドガラスが全閉するまでモータ10の
作動が続行される。
【0075】このように、位置検出装置90では、回転
プレート106の回転によって移動する移動ピン100
とリミットスイッチ118とにより、軸20の回転位置
すなわちウインドガラスの位置(上端停止位置から下方
へ4mm離間した位置に達したか否か)を高精度に検出
することができる。
【0076】さらにここで、位置検出装置90では、車
体に組付けた時点でモータ10の軸20を正方向に一旦
充分に回転させることにより、移動ピン100がリミッ
トスイッチ118を押圧して非導通状態とし、案内溝1
14の延長端部119が移動ピン100に当接した初期
状態に自動的に設定することができる。
【0077】すなわち、車体に組付けた時点でモータ1
0の軸20を正方向に一旦充分に回転させると、移動ピ
ン100がリミットスイッチ118を押圧して非導通状
態とすると共に半径方向外側への移動が阻止される。そ
して、案内溝114の延長端部119が移動ピン100
に当接し、回転プレート106はそれ以上の回転が阻止
された状態となる。この状態においてさらに軸20が回
転すると、マグネット104によるリングプレート11
2の保持力(磁力)を越える連結シャフト102の正方
向回転力が作用し、マグネット104によるリングプレ
ート112の保持が解除される。このため、連結シャフ
ト102から回転プレート106への正方向回転力の伝
達が遮断され、回転プレート106は不動で連結シャフ
ト102のみが回転する。すなわち、移動ピン100が
屈曲部116に達しリミットスイッチ118を押圧し、
案内溝114の延長端部119が移動ピン100に当接
した後には、仮にモータ10の軸20が正方向に回転し
ても回転プレート106は不動で移動ピン100はリミ
ットスイッチ118を押圧して保持したままとなる。し
たがって、モータ10の軸20を正方向に一旦充分に回
転させることにより、リミットスイッチ118が非導通
とされ、案内溝114の延長端部119が移動ピン10
0に当接した初期状態に自動的に設定される。
【0078】換言すれば、位置検出装置90では、ウイ
ンドガラスの全閉位置(上方最大移動限)から所定距離
(本実施の形態では、4mm)離間した位置を、ウイン
ドガラスが全閉位置(上方最大移動限)に達したか否か
に拘わらず機械的に記憶することができるため(前記4
mm離間した位置を基準として検出するため)、ウイン
ドガラスの移動制御を誤差なく確実に行うことが可能と
なる。例えば、仮にウインドガラスが真の全閉位置(上
方最大移動限)に達しないまま停止した場合であって
も、その後にウインドガラスが真の全閉位置から4mm
離間した位置を通過する時点でこれが確実に検出され、
したがって、ウインドガラスの移動制御を誤差なく確実
に行うことができる。
【0079】このように、位置検出装置90では、車体
に組付けた時点でモータ10の軸20を正方向に一旦充
分に回転させることにより、移動ピン100がリミット
スイッチ118を押圧して非導通とし、案内溝114の
延長端部119が移動ピン100に当接した初期状態に
自動的に設定され、組付けの際の組付け位置の煩雑な調
節や組付けた後の煩雑なリセットを伴うこと無く初期位
置の設定が容易にでき、さらに、ウインドガラスの移動
制御を誤差なく確実に行うことができる。
【0080】なお、本第3実施の形態においては、クラ
ッチ機構を構成するマグネット104を連結シャフト1
02に固着すると共にリングプレート112を回転プレ
ート106に固着し、このマグネット104の磁力によ
って回転プレート106を通常は連結シャフト102と
一体に保持する構成としたが、クラッチ機構としてはこ
れに限るものではない。
【0081】例えば、図16及び図17に示す如く、マ
グネット104に代えて、凹凸が連続するラチェット部
122を連結シャフト102に設けると共に回転プレー
ト106の裏面側の支持孔108の周囲にラチェット部
122に対応する歯124を設け、さらに、回転プレー
ト106とカバープレート94との間にウェーブワッシ
ャ126を配置する構成としてもよい。
【0082】この場合であっても、通常はラチェット部
122が回転プレート106の歯124と係合すること
により、回転プレート106は連結シャフト102と一
体に回転され、一方、移動ピン100がリミットスイッ
チ118を押圧して非導通状態となると共に半径方向外
側への移動が阻止され、案内溝114の延長端部119
(図示せず)が移動ピン100に当接し、回転プレート
106のそれ以上の回転が阻止された状態では、ラチェ
ット部122による回転プレート106の保持力を越え
る連結シャフト102の正方向回転力が作用することで
ラチェット部122と歯124との係合が解除され、連
結シャフト102から回転プレート106への正方向回
転力の伝達が遮断される。これにより、車体に組付けた
時点でモータ10の軸20を正方向に一旦充分に回転さ
せることにより、移動ピン100がリミットスイッチ1
18を押圧して非導通とし、案内溝114の延長端部1
19が移動ピン100に当接した初期状態に自動的に設
定することができ、組付けの際の組付け位置の煩雑な調
節や組付けた後の煩雑なリセットを伴うこと無く初期位
置の設定が容易にできる。
【0083】また例えば、図18及び図19に示す如
く、前述のラチェット部122と同様の凹凸が連続する
ラチェット部128を連結シャフト102の軸周囲に設
けると共に回転プレート106の支持孔108の内周壁
にラチェット部128に対応する歯130を設ける構成
としてもよい。
【0084】この場合であっても、通常はラチェット部
128が回転プレート106の歯130と係合すること
により、回転プレート106は連結シャフト102と一
体に回転され、一方、移動ピン100がリミットスイッ
チ118を押圧して非導通状態となると共に半径方向外
側への移動が阻止され、案内溝114の延長端部119
(図示せず)が移動ピン100に当接し、回転プレート
106のそれ以上の回転が阻止された状態では、ラチェ
ット部128による回転プレート106の保持力を越え
る連結シャフト102の正方向回転力が作用することで
ラチェット部128と歯130との係合が解除され、連
結シャフト102から回転プレート106への正方向回
転力の伝達が遮断される。これにより、車体に組付けた
時点でモータ10の軸20を正方向に一旦充分に回転さ
せることにより、移動ピン100がリミットスイッチ1
18を押圧して非導通とし、案内溝114の延長端部1
19が移動ピン100に当接した初期状態に自動的に設
定することができ、組付けの際の組付け位置の煩雑な調
節や組付けた後の煩雑なリセットを伴うこと無く初期位
置の設定が容易にできる。
【0085】また例えば、図20に示す如く、前述のマ
グネット104に代えて、略U字形の摩擦スプリング1
31を設け、この摩擦スプリング131を連結シャフト
102の溝132に弾性的に嵌め込むと共に、摩擦スプ
リング131の固定突起133を回転プレート106の
嵌合溝134に嵌合させて一体的に固定する構成として
もよい。
【0086】この場合であっても、回転プレート106
に一体的に固定された摩擦スプリング131が連結シャ
フト102の溝132を挟持することにより、通常は回
転プレート106は連結シャフト102と一体に回転さ
れ、一方、移動ピン100がリミットスイッチ118を
押圧して非導通状態となると共に半径方向外側への移動
が阻止され、案内溝114の延長端部119(図示せ
ず)が移動ピン100に当接し、回転プレート106の
それ以上の回転が阻止された状態では、摩擦スプリング
131による連結シャフト102の挟持力(摩擦力)を
越える連結シャフト102の正方向回転力が作用するこ
とで摩擦スプリング131と連結シャフト102が相対
回転し、連結シャフト102から回転プレート106へ
の正方向回転力の伝達が遮断される。これにより、車体
に組付けた時点でモータ10の軸20を正方向に一旦充
分に回転させることにより、移動ピン100がリミット
スイッチ118を押圧して非導通とし、案内溝114の
延長端部119が移動ピン100に当接した初期状態に
自動的に設定することができ、組付けの際の組付け位置
の煩雑な調節や組付けた後の煩雑なリセットを伴うこと
無く初期位置の設定が容易にできる。
【0087】また例えば、図21に示す如く、前述のマ
グネット104に代えて、捩じりコイルスプリング13
5を設け、この捩じりコイルスプリング135の一端部
を連結シャフト102の係止溝136に係止すると共
に、捩じりコイルスプリング135を回転プレート10
6の収容孔137内に巻き込み状態(拡径方向に弾性力
を有した状態)で収容配置する構成としてもよい。
【0088】この場合であっても、回転プレート106
の収容孔137に捩じりコイルスプリング135が圧接
することによって、通常は回転プレート106は連結シ
ャフト102と一体に回転され、一方、移動ピン100
がリミットスイッチ118を押圧して非導通状態となる
と共に半径方向外側への移動が阻止され、案内溝114
の延長端部119が移動ピン100に当接し、回転プレ
ート106のそれ以上の回転が阻止された状態では、捩
じりコイルスプリング135が縮径する方向に巻き込ま
れて捩じりコイルスプリング135と収容孔137との
間の摩擦力が低下し、捩じりコイルスプリング135に
よる回転プレート106の保持力(摩擦力)を越える連
結シャフト102の正方向回転力が作用することで捩じ
りコイルスプリング135と回転プレート106が相対
回転し、連結シャフト102から回転プレート106へ
の正方向回転力の伝達が遮断される。これにより、車体
に組付けた時点でモータ10の軸20を正方向に一旦充
分に回転させることにより、移動ピン100がリミット
スイッチ118を押圧して非導通とし、案内溝114の
延長端部119が移動ピン100に当接した初期状態に
自動的に設定することができ、組付けの際の組付け位置
の煩雑な調節や組付けた後の煩雑なリセットを伴うこと
無く初期位置の設定が容易にできる。
【0089】また例えば、図22に示す如く、弾性を有
するOリング138及び保持天板139を回転プレート
106に対応して設ける構成としてもよい。すなわち、
Oリング138は回転プレート106の収容溝155内
に収容され、さらに、このOリング138を圧縮して弾
性変形させた状態で保持天板139の嵌合孔156を連
結シャフト102の係止部157に嵌合させて一体的に
固定し、連結シャフト102に係止されるCリング15
8によって抜け止めする構成である。
【0090】この場合であっても、連結シャフト102
に一体的に固定された保持天板139と回転プレート1
06の収容溝155にOリング138が圧接することに
よって、通常は回転プレート106は保持天板139す
なわち連結シャフト102と一体に回転され、一方、移
動ピン100がリミットスイッチ118を押圧して非導
通状態となると共に半径方向外側への移動が阻止され、
案内溝114の延長端部119が移動ピン100に当接
し、回転プレート106のそれ以上の回転が阻止された
状態では、保持天板139及び回転プレート106(収
容溝155)とOリング138との間の摩擦力(Oリン
グ138による回転プレート106の保持力)を越える
連結シャフト102の正方向回転力が作用することで保
持天板139と回転プレート106が相対回転し、連結
シャフト102から回転プレート106への正方向回転
力の伝達が遮断される。これにより、車体に組付けた時
点でモータ10の軸20を正方向に一旦充分に回転させ
ることにより、移動ピン100がリミットスイッチ11
8を押圧して非導通とし、案内溝114の延長端部11
9が移動ピン100に当接した初期状態に自動的に設定
することができ、組付けの際の組付け位置の煩雑な調節
や組付けた後の煩雑なリセットを伴うこと無く初期位置
の設定が容易にできる。
【0091】また例えば、図23に示す如く、弾性を有
するOリング159のみを設け前述の保持天板139は
省略した構成としてもよい。すなわち、Oリング159
は連結シャフト102の段部165に装着し、さらにこ
のOリング159が圧縮されて弾性変形された状態で回
転プレート106の収容溝166内に収容される構成で
ある。
【0092】この場合であっても、連結シャフト102
の段部165と回転プレート106の収容溝166にO
リング159が圧接することによって、通常は回転プレ
ート106は連結シャフト102と一体に回転され、一
方、移動ピン100がリミットスイッチ118を押圧し
て非導通状態となると共に半径方向外側への移動が阻止
され、案内溝114の延長端部119が移動ピン100
に当接し、回転プレート106のそれ以上の回転が阻止
された状態では、連結シャフト102(段部165)及
び回転プレート106(収容溝166)とOリング15
9との間の摩擦力(Oリング159による回転プレート
106の保持力)を越える連結シャフト102の正方向
回転力が作用することで連結シャフト102と回転プレ
ート106が相対回転し、連結シャフト102から回転
プレート106への正方向回転力の伝達が遮断される。
これにより、車体に組付けた時点でモータ10の軸20
を正方向に一旦充分に回転させることで、移動ピン10
0がリミットスイッチ118を押圧して非導通とし、案
内溝114の延長端部119が移動ピン100に当接し
た初期状態に自動的に設定することができ、組付けの際
の組付け位置の煩雑な調節や組付けた後の煩雑なリセッ
トを伴うこと無く初期位置の設定が容易にできる。 (第4実施の形態)図24には本発明の第4実施の形態
に係るパワーウインド装置に適用されたモータ10及び
位置検出装置140の断面図が示されている。
【0093】この位置検出装置140は、基本的には前
述した第3実施の形態に係る位置検出装置90と同様の
構成であり、クラッチ機構を構成するマグネット104
及びリングプレート112を備えている。さらに、位置
検出装置140では、回転プレート106の中心に初期
位置補正手段としての軸部142が形成されている。こ
の軸部142には、操作溝144が形成されており、カ
バープレート94の外部に露出している。さらに、外部
に露出する回転プレート106の軸部142は、通常は
ゴムキャップ146によって被覆されている。このた
め、ゴムキャップ146を取り外し外部から軸部142
(操作溝144)を操作することにより、回転プレート
106を直接強制的に回転させることができる構成であ
る。
【0094】本第4実施の形態に係る位置検出装置14
0では、回転プレート106の軸部142を外部から直
接操作することができるため、モータ10の軸20の回
転位置に拘わらず回転プレート106を強制的に回転さ
せ、移動ピン100がリミットスイッチ118を押圧し
て非導通とし、案内溝114の延長端部119(図示せ
ず)が移動ピン100に当接した初期状態に設定するこ
とができる。
【0095】したがって、このモータ10及び位置検出
装置140を、挟み込み防止機能を有する車両のパワー
ウインド装置に用いた場合には、車体に組付けた時点で
モータ10を作動させることなく、軸部142の操作の
みで初期状態に設定することができ、組付けの際の組付
け位置の煩雑な調節や組付けた後の煩雑なリセットを伴
うこと無く初期位置の設定が容易にできる。
【0096】なお、本第4実施の形態においては、回転
プレート106の軸部142に設けられた操作溝144
の形状等は所望により適宜設定できる。
【0097】また、本第4実施の形態においては、回転
プレート106の軸部142を操作することにより回転
プレート106を直接回転させる構成としたが、これに
限らず、間接的に回転プレート106を回転させる構成
としてもよい。
【0098】例えば、図25に示す如く、回転プレート
106の外周側壁に歯部148を形成すると共に、この
歯部148と噛み合う初期位置補正手段としての補助ギ
ヤ150を設け、補助ギヤ150を外部から操作可能と
する構成としてもよい。この場合であっても、補助ギヤ
150を介して回転プレート106を外部から操作する
ことができため、モータ10の軸20の回転位置に拘わ
らず回転プレート106を強制的に回転させ、移動ピン
100がリミットスイッチ118を押圧して非導通とし
た初期状態に設定することができる。したがって、車体
に組付ける際の組付け位置の煩雑な調節や組付けた後の
煩雑なリセットを伴うこと無く初期位置の設定が容易に
できる。
【0099】なお、前述した第3実施の形態(及びその
変形例)乃至第4実施の形態(及びその変形例)におい
ては、ベースプレート92に形成されたガイド壁98の
半径方向外側端部にリミットスイッチ118を配置し、
屈曲部116に達した移動ピン100によって押圧され
て非導通状態となり、軸20の回転位置を検出する構成
としたが、リミットスイッチとしてはこれに限るもので
はない。
【0100】例えば、図26に示す如く、ベースプレー
ト92に形成されたガイド壁98の頂部の、軸20の所
定の回転位置に対応する位置に一対の導電板152を設
けると共に、移動ピン100自体を導電性材料で形成す
る構成としてもよい。この場合であっても、回転プレー
ト106の回転によって移動する移動ピン100が一対
の導電板152に接触して導通状態(あるいは、非導通
状態)となることにより、軸20の回転位置すなわちウ
インドガラスの位置を高精度に検出することができる。
【0101】さらにまた、前記一対の導電板152に代
えて、図27に示す如く、ガイド壁98の頂部の全域に
渡って可変抵抗体としての一対の導電板154を設ける
構成としてもよい。この場合には、回転プレート106
の回転によって移動する移動ピン100の位置(導電板
154との相対位置)によって抵抗値が変わり、これに
より、軸20の回転位置すなわちウインドガラスの位置
をリニアに可変的に検出することができる。 (第5実施の形態)図28には本発明の第5実施の形態
に係るパワーウインド装置に適用された位置検出装置1
90の分解斜視図が示されている。また、図29にはこ
の位置検出装置190が適用されたモータ10の断面図
が示されている。
【0102】この位置検出装置190は、基本的には前
述した第1実施の形態に係る位置検出装置30と同様の
構成であり、これに加えて、パルス発生手段としてのパ
ルスプレート192(導電部194)と、パルス検出手
段としての摺動接点196を備えている。
【0103】パルスプレート192は薄肉の円板形に形
成されており、中心部に形成された嵌合孔198が連結
シャフト42に圧入されて一体的に固定されている。し
たがって、パルスプレート192は常に連結シャフト4
2と一体的に回転する。
【0104】パルスプレート192に設けられた導電部
194は、パルスプレート192の周縁近傍に周方向に
沿って設けられており、リング状の第1導電部194A
とこの第1導電部194Aに隣接しパルス状の凹凸が連
続する第2導電部194Bとによって構成されている。
一方、摺動接点196は、基部がカバープレート36に
固定され導電部194へ向けて延出されており、常に導
電部194の第1導電部194Aに接触する入力接点1
96Aと、導電部194の第2導電部194Bに接触す
る出力接点196Bとによって構成されている。これに
より、パルスプレート192の回転に伴ってパルス信号
を検出することができる構成である。この検出したパル
ス信号は、後に詳述する実施の形態の如く、移動体(ウ
インドガラス)の移動位置制御に用いられる。
【0105】なお、導電部194はパルスプレート19
2の上面に設けなくともパルスプレート192の周囲側
壁に設けるようにしても良い。この場合、摺動接点19
6は、パルスプレート192の周囲側壁に対向してカバ
ープレート36に固定される。
【0106】さらに、位置検出装置190では、パルス
プレート192とリングギヤ46(フランジ部48)と
の間に保護プレート200が配置されている。この保護
プレート200は周縁部がカバープレート36に保持さ
れて固定されており、パルスプレート192とリングギ
ヤ46(フランジ部48)との間に介在することによ
り、両者が不要に接触しないようにその移動を制限して
いる。
【0107】本第5実施の形態に係る位置検出装置19
0では、パルスプレート192の回転に伴って、出力接
点196Bが導電部194の第2導電部194Bに接触
/非接触を繰り返すことにより、パルス信号が検出され
る。したがって、この検出したパルス信号を基にモータ
10の軸20の回転位置をリニアに検出することが可能
となる。
【0108】したがって、この位置検出装置190を適
用した挟み込み防止機能を有する車両のパワーウインド
装置では、後に詳述する実施の形態の如く、ウインドガ
ラスの移動位置を随時リニアに検出して制御することが
できる。 (第6実施の形態)図30には本発明の第6実施の形態
に係るパワーウインド装置に適用された位置検出装置1
60の分解斜視図が示されている。
【0109】この位置検出装置160は、基本的には前
述した第3実施の形態に係る位置検出装置90と同様の
構成であり、これに加えて、パルス発生手段としての導
電部162と、パルス検出手段としての摺動接点164
を備えている。
【0110】導電部162は、回転プレート106の周
囲側壁に設けられており、リング状の第1導電部162
Aとこの第1導電部162Aに隣接しパルス状の凹凸が
連続する第2導電部162Bとによって構成されてい
る。一方、摺動接点164は、基部がカバープレート9
4に固定され導電部162へ向けて延出されており、常
に導電部162の第1導電部162Aに接触する入力接
点164Aと、導電部162の第2導電部162Bに接
触する一対の出力接点164Bとによって構成されてい
る。これにより、回転プレート106の回転に伴ってパ
ルス信号を検出することができる構成である。
【0111】本第6実施の形態に係る位置検出装置16
0では、回転プレート106の回転に伴って、一対の出
力接点164Bが導電部162の第2導電部162Bに
接触/非接触を繰り返すことにより、パルス信号が検出
される。したがって、この検出したパルス信号を基にモ
ータ10の軸20の回転位置をリニアに検出することが
可能となる。
【0112】したがって、この位置検出装置160が適
用された挟み込み防止機能を有する車両のパワーウイン
ド装置では、後に詳述する実施の形態の如く、ウインド
ガラスの移動位置を随時リニアに検出して制御すること
ができる。
【0113】なお、本第6実施の形態における位置検出
装置160では、回転プレート106の周囲側壁に導電
部162を設けた構成としたが、この導電部162の配
置位置はこれに限るものではない。
【0114】例えば、図31及び図32に示す位置検出
装置210の如く、回転プレート106の上面165に
導電部162(第1導電部162A及び第2導電部16
2B)を設けるように構成しても良い。この場合、摺動
接点164は、回転プレート106の上面165に対向
してカバープレート94に固定される。
【0115】この位置検出装置210においても、前述
の位置検出装置160と同様に、回転プレート106の
回転に伴って、出力接点164Bが導電部162の第2
導電部162Bに接触/非接触を繰り返すことにより、
パルス信号が検出される。したがって、この検出したパ
ルス信号を基にモータ10の軸20の回転位置をリニア
に検出して制御することができる。
【0116】なお、前記第1実施の形態乃至第6実施の
形態においては、位置検出装置30、70、90、14
0、160、190、210等を、パワーウインド装置
用のモータ10に直接的に適用した例を説明したが、こ
れらの位置検出装置30、70、90、140、16
0、190、210はこのようなモータ10に直接的に
適用するに限らず、他の機構や部位に適用することも当
然に可能である。
【0117】例えば、図33に示す如く、Xアーム式の
ウインドレギュレータ装置170のアーム回転支持軸1
72や回動軸174に設けてもよく、また、図34に示
す如く、ワイヤ式のウインドレギュレータ装置176の
ワイヤ巻き掛け用プーリ178やプーリ180に設けて
もよい。これらの場合であっても、ウインドガラスの位
置を高精度に検出することができて高精度の移動制御が
可能となるのみならず、組付けの際の組付け位置の煩雑
な調節や組付けた後の煩雑なリセットを伴うこと無く初
期位置の設定が容易にできる。 (第7実施の形態)次に、前述した第5実施の形態及び
第6実施の形態(及びその変形例)に示した位置検出装
置190、160、210等を、パワーウインド装置用
のモータ10に適用しウインドガラスの移動位置を制御
する場合についての具体的制御方法について説明する。
【0118】なお、以下に説明するパワーウインド装置
は、所謂「挟み込み防止機能」を有したものであり、位
置検出装置190、160、210等はこの挟み込み防
止のためのウインドガラスの位置制御に用いられる。
【0119】ここで、図35には第7実施の形態に係る
パワーウインド装置220の主要部の構成がブロック的
に示されている。このパワーウインド装置220では、
モータ10のモータ部10Aは駆動回路222を介して
制御回路224に接続されており、さらに、スイッチ部
(前述した移動接点50及び固定接点60、リミットス
イッチ118等)及び回転センサ(摺動接点196、摺
動接点164等)も制御回路224に接続されている。
また、制御回路224にはウインドガラス移動操作用の
上昇スイッチ226及び降下スイッチ228が接続され
ており、さらに、制御回路224にはパルス数記憶用の
セットスイッチ230が接続されている。
【0120】なお、本第7実施の形態においては、例え
ば、図36に詳細に示す如く、車両ドアのランチャンネ
ル232はウインドガラスの上端停止位置から下方へ6
mmの幅があり、また、ランチャンネル232の下端位
置から下方へ4mm離間した位置までの範囲(したがっ
て、ウインドガラスの上端停止位置から下方へ10mm
までの範囲)がウインドガラスの閉め切り範囲として設
定されている。したがって、ウインドガラスの上端停止
位置から下方へ10mm離間した位置よりも更に下方の
位置が、挟み込み検出範囲として設定されている。
【0121】また、位置検出装置190、160、21
0等のスイッチ部(移動接点50及び固定接点60、リ
ミットスイッチ118等)は、例えば、ウインドガラス
の上端停止位置から下方へ200mm離間した位置(基
準移動位置)でON/OFFするように設定されてい
る。さらに、ウインドガラスが2mm移動する毎に回転
センサ(摺動接点196、摺動接点164等)が1パル
スの信号を検出するように構成されている。したがっ
て、スイッチ部がON/OFFする位置からウインドガ
ラスが閉め切り範囲に達するまでの間(前記200mm
から10mmを差し引いた190mmの範囲)は、95
パルス分に相当する。さらに、スイッチ部がOFFする
範囲(前記200mmよりも更に下方の位置)において
は、回転センサによるパルス信号は計測(カウント)し
ないように構成されている。なお、この状態は図39の
タイミングチャートにも示してある。
【0122】なお、以下においては、前記95パルスの
パルス信号値をパルス補正値といい、制御回路224の
記憶部に記憶されている。また、前記パルス補正値を設
定(記憶)する場合(例えば、製品の出荷時)には、先
ず、ウインドガラスを上昇移動させてランチャンネル2
32の下端位置から下方へ4mm離間した位置(上端停
止位置から下方へ10mmの位置)で停止させる。次い
で、パルス数記憶用のセットスイッチ230を操作(O
N)することにより、後に詳述する制御プログラムに従
って、回転センサによるパルス信号の計測値がパルス補
正値として設定(記憶)されるようになっている。
【0123】さらにこの場合、前述の如くウインドガラ
スをランチャンネル232の下端位置から下方へ4mm
離間した位置で正確に停止させるために、設定用の治具
等を用いることができる。すなわち、パワーウインド装
置220の挟み込み防止機能を一旦解除した状態で、ラ
ンチャンネル232とウインドガラスとの間に外径寸法
が4mmの設定治具棒を挟み込ませることにより、ウイ
ンドガラスを正確な位置に停止させることができ、この
状態でパルス数記憶用のセットスイッチ230を操作
(ON)することにより、回転センサによるパルス信号
の計測値をパルス補正値として正確に設定(記憶)させ
ることができる。
【0124】なお、本第7実施の形態においては、パル
ス数記憶用に特別にセットスイッチ230を設けたが、
既存のスイッチ(上昇SW、降下SW)の組み合わせに
より、セットスイッチ230の代用を行うこともでき
る。
【0125】次に本第7実施の形態の作用を、図37及
び図38に示すフローチャートを参照しながら説明す
る。
【0126】先ず、図37には、回転センサ(摺動接点
196、摺動接点164等)によるパルス信号処理の制
御プログラムが示されている。このパルス信号処理にお
いては、ステップ300において回転センサからのパル
ス信号の入力の有無が判断され、パルス信号の入力が有
る場合には、ステップ302においてスイッチ部(移動
接点50及び固定接点60、リミットスイッチ118
等)のON/OFF状態(すなわち、ウインドガラスが
上端停止位置から下方へ200mm離間した位置に達し
ているか否か)が判断される。スイッチ部がON状態
(ウインドガラスが上端停止位置から下方へ200mm
離間した位置に達しそれより上方に位置する状態)であ
れば、ステップ304へ進み、ウインドガラスが上昇中
であるか否か判断される。上昇中であれば、ステップ3
06において回転センサからのパルス信号の計測値が1
パルスだけインクリメントされる。一方、ステップ30
4においてウインドガラスが上昇中でなければ、ステッ
プ308へ進み、ウインドガラスが降下中であるか否か
判断される。降下中であれば、ステップ310において
回転センサからのパルス信号の計測値が1パルスだけデ
クリメントされる。
【0127】次に、図38には、上昇スイッチ226ま
たは降下スイッチ228が操作された場合の制御プログ
ラムが示されている。すなわち、ステップ320におい
てパワーウインド装置220の上昇スイッチ226の操
作が確認されると、ステップ322においてモータ10
が作動して軸20が回転し、これによりウインドレギュ
レータが作動されてウインドガラスが上昇される。さら
に、ウインドガラスの上昇に伴って回転センサからのパ
ルス信号が計測される。次いで、ステップ324におい
て、パルス信号の計測値と前述したパルス補正値(95
パルス)とを比較し、ウインドガラスが挟み込み検出範
囲に有るか否かが判断される。
【0128】ステップ324においてパルス信号の計測
値がパルス補正値(95パルス)に達すれば(すなわ
ち、ウインドガラスが挟み込み検出範囲を越えて閉め切
り範囲に達していれば)、そのままモータ10の作動が
継続された後にランチャンネル232に達した時点で停
止される。
【0129】一方、ステップ324においてパルス信号
の計測値がパルス補正値(95パルス)以下であれば
(すなわち、ウインドガラスが挟み込み検出範囲に有れ
ば)、ステップ326へ進み、計測したパルス信号のパ
ルス幅(周期)、すなわちモータ10の回転速度の減少
率、に基づいて挟み込み状態か否かが判断される。ステ
ップ326において挟み込みが確認されると、ステップ
328において、スイッチ部がON状態か否か(ウイン
ドガラスが上端停止位置から下方へ200mm離間した
位置を越えているか否か)が判断される。
【0130】スイッチ部がON状態であれば(ウインド
ガラスが上端停止位置から下方へ200mm離間した位
置を越えていなければ)、ステップ330においてスイ
ッチ部がOFFする位置(上端停止位置から下方へ20
0mm離間した位置)に達するまでウインドガラスが降
下され、さらにステップ332においてパルス信号の計
測値が初期値にリセット(クリア)される。なお、この
状態は図39のタイミングチャートにも示してある。一
方、ステップ328においてスイッチ部がOFF状態で
あれば(ウインドガラスが上端停止位置から下方へ20
0mm離間した位置を越えてそれよりも下方に位置して
いれば)、ステップ334においてウインドガラスが所
定時間降下され、さらにステップ332においてパルス
信号の計測値が初期値にリセット(クリア)される。
【0131】一方、ステップ320において上昇スイッ
チ226の操作が確認されない場合には、ステップ33
6において降下スイッチ228の操作が確認される。降
下スイッチ228が操作されると、ステップ338にお
いて、モータ10が逆方向に作動してウインドガラスが
降下される。さらに、ステップ340においてスイッチ
部がON状態か否か(ウインドガラスが上端停止位置か
ら下方へ200mm離間した位置を越えているか否か)
が判断される。スイッチ部がOFF状態であれば(ウイ
ンドガラスが上端停止位置から下方へ200mm離間し
た位置を越えて下方に位置すれば)、ステップ332に
おいてパルス信号の計測値が初期値にリセット(クリ
ア)される。
【0132】また一方、ステップ336において降下ス
イッチ228の操作が確認されない場合には、ステップ
342へ進む。ステップ342においては、制御回路2
24に接続されたパルス数記憶用のセットスイッチ23
0がONされたか否か(すなわち、前述したパルス補正
値を記憶するための操作がされたか否か)が判断され
る。
【0133】パルス補正値を記憶するためセットスイッ
チ230が操作された場合には、ステップ344におい
て、スイッチ部がON状態か否か(ウインドガラスが上
端停止位置から下方へ200mm離間した位置を越えて
パルス信号検出範囲に有るか否か)が判断される。ウイ
ンドガラスがパルス信号検出範囲に有れば、ステップ3
46において、パルス信号の計測値が真の値であるか否
か(すなわち、少なくとも1回以上スイッチ部がON/
OFFされてパルス信号の計測値が初期値にリセットさ
れたことが有るか否か)が判断される。パルス信号の計
測値が真の値であれば、ステップ348において、ウイ
ンドガラスが停止しているか否かが判断される。以上の
ステップ342からステップ348によってパルス補正
値を記憶するための条件が満足される。以上のステップ
による条件が満足されると、ステップ350において、
その時点のパルス信号の計測値がパルス補正値として設
定されて記憶される。
【0134】以上説明した如く、本第7実施の形態に係
るウインドガラスの位置制御方法では、基準移動位置
(ウインドガラスの上端停止位置から下方へ200mm
離間した位置)から所定の移動位置(ランチャンネル2
32の下端位置から下方へ4mm離間した位置、すなわ
ち閉め切り範囲)までの間のウインドガラスの移動量に
応じたパルス信号値が一旦計測されて記憶される。さら
に、その後には、ウインドガラスが上昇移動し基準移動
位置に達するとこれがスイッチ部によって検出され、基
準移動位置を越えて移動するウインドガラスの移動量が
回転センサによってパルス信号として検出される。この
検出されたパルス信号の計測値と記憶されたパルス信号
値とに基づいて、ウインドガラスが所定の移動位置に達
したか否かが判断される。
【0135】すなわち、基準移動位置を何れの位置に設
定しても(前記200mm離間した位置に設定しなくて
も)、その後のウインドガラスの移動量はパルス信号に
基づいて検出され制御されるため、仮に基準移動位置が
適用する車両毎に異なっていても、ウインドガラスを一
旦基準移動位置を通過させることで(少なくとも1回以
上スイッチ部をON/OFFさせてパルス信号の計測値
を初期値にリセットすることで)、その後のウインドガ
ラスの移動位置をリニアにかつ高精度に検出し制御する
ことが可能となり、ウインドガラスが所定の移動位置
(閉め切り範囲)に達したか否かを正確に制御すること
ができる。また換言すれば、基準移動位置を何れの位置
に設定してもよいため、適用する車両毎にスイッチ部
(それ自体及びその配置位置やON/OFFのタイミン
グ等)を変更する必要が無く、共通化(標準化)するこ
とができる。
【0136】さらに、本第7実施の形態に係るウインド
ガラスの位置制御方法では、ウインドガラスが基準移動
位置に達しない状態では、回転センサによるパルス信号
の計測値が初期値にリセットされ、かつ、ウインドガラ
スの挟み込み有りか否かを判断し、挟み込み有りと判断
した時にウインドガラスが基準移動位置を越えてスイッ
チ部がONとなっている(ウインドガラスが基準移動位
置と所定の移動位置との間にある)際には、スイッチ部
がOFFするまで(基準移動位置を通過するまで)ウイ
ンドガラスの降下移動が継続される。したがって、この
時点では回転センサによるパルス信号の計測値が必ず初
期値にリセットされるため、例えばノイズ等の影響によ
りパルス信号の計測値に誤差を生じても速やかに正規の
状態に復帰させることができ、その後のパルス信号の計
測を誤差無く正確に実施できる。
【0137】なお、前記第7実施の形態に係るウインド
ガラスの位置制御方法においては、基準移動位置から所
定の移動位置(閉め切り範囲)までの間のウインドガラ
スの移動量に応じたパルス信号値を一旦計測してパルス
補正値として記憶し、その後の制御の条件とする構成と
したが、このパルス補正値を予め固定的に設定(記憶)
しておくように構成することもできる。この場合には、
前述した図38に示す制御プログラムのステップ342
からステップ350を省略することができ、一層コスト
の低減を図ることができる。
【0138】
【発明の効果】以上説明した如く本発明は、ウインドガ
ラスの位置を高精度に検出することができて高精度の移
動制御が可能となるのみならず、組付けの際の組付け位
置の煩雑な調節や組付けた後の煩雑なリセットを伴うこ
と無く初期位置の設定が容易にでき、かつこれを簡単な
構造で低コストにより実現できるという優れた効果を有
している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係るパワーウインド
装置用の位置検出装置の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施の形態に係る位置検出装置の
固定接点と移動接点及び突部と突起の対応関係を示す平
面図である。
【図3】本発明の第1実施の形態に係るパワーウインド
装置用のモータ及び位置検出装置の全体斜視図である。
【図4】本発明の第1実施の形態に係るパワーウインド
装置用のモータ及び位置検出装置の一部破断した平面図
である。
【図5】本発明の第1実施の形態に係るパワーウインド
装置用のモータ及び位置検出装置の図4の5−5線に沿
った断面図である。
【図6】本発明の第1実施の形態に係るパワーウインド
装置の上昇スイッチが操作されてウインドガラスが上昇
移動する際の制御を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施の形態に係る位置検出装置の
変形例を示す分解斜視図である。
【図8】本発明の第1実施の形態に係る位置検出装置の
他の変形例を示す分解斜視図である。
【図9】本発明の第2実施の形態に係るパワーウインド
装置用のモータ及び位置検出装置の断面図である。
【図10】本発明の第2実施の形態に係る位置検出装置
のリングギヤ及び補助ギヤを示す斜視図である。
【図11】本発明の第3実施の形態に係る位置検出装置
の分解斜視図である。
【図12】本発明の第3実施の形態に係る位置検出装置
の回転プレートの案内溝を示す裏面図である。
【図13】本発明の第3実施の形態に係るパワーウイン
ド装置用のモータ及び位置検出装置の全体斜視図であ
る。
【図14】本発明の第3実施の形態に係るパワーウイン
ド装置用のモータ及び位置検出装置の一部破断した平面
図である。
【図15】本発明の第3実施の形態に係るパワーウイン
ド装置用のモータ及び位置検出装置の図14の15−1
5線に沿った断面図である。
【図16】本発明の第3実施の形態に係る位置検出装置
の変形例を示す分解斜視図である。
【図17】本発明の第3実施の形態の変形例に係り図1
6に示す位置検出装置及びモータの断面図である。
【図18】本発明の第3実施の形態の他の変形例に係る
位置検出装置及びモータの断面図である。
【図19】本発明の第3実施の形態の他の変形例に係る
位置検出装置の連結シャフトに設けられたラチェット部
を示す平面図である。
【図20】本発明の第3実施の形態の他の変形例に係る
位置検出装置の分解斜視図である。
【図21】本発明の第3実施の形態の他の変形例に係る
位置検出装置の分解斜視図である。
【図22】本発明の第3実施の形態の他の変形例に係る
位置検出装置の分解斜視図である。
【図23】本発明の第3実施の形態の他の変形例に係る
位置検出装置の分解斜視図である。
【図24】本発明の第4実施の形態に係るパワーウイン
ド装置用のモータ及び位置検出装置の断面図である。
【図25】本発明の第4実施の形態の変形例に係る位置
検出装置のリングギヤ及び補助ギヤを示す斜視図であ
る。
【図26】本発明の第3実施の形態(及びその変形例)
乃至第4実施の形態(及びその変形例)におけるリミッ
トスイッチの他の構成例を示す斜視図である。
【図27】本発明の第3実施の形態(及びその変形例)
乃至第4実施の形態(及びその変形例)におけるリミッ
トスイッチの他の構成例を示す斜視図である。
【図28】本発明の第5実施の形態に係るパワーウイン
ド装置用の位置検出装置の分解斜視図である。
【図29】本発明の第5実施の形態に係るパワーウイン
ド装置用の位置検出装置の断面図である。
【図30】本発明の第6実施の形態に係るパワーウイン
ド装置用の位置検出装置の分解斜視図である。
【図31】本発明の第6実施の形態の変形例に係る位置
検出装置及びモータの一部破断した平面図である。
【図32】本発明の第6実施の形態の変形例に係る位置
検出装置及びモータの図31の32−32線に沿った断
面図である。
【図33】本発明に係るパワーウインド装置に適用する
位置検出装置の他の取付け例を示す斜視図である。
【図34】本発明に係るパワーウインド装置に適用する
位置検出装置の他の取付け例を示す正面図である。
【図35】本発明の第7実施の形態に係るパワーウイン
ド装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【図36】本発明の第7実施の形態に係るパワーウイン
ド装置のウインドガラスの基準移動位置や挟み込み検出
範囲の対応関係を示す構成図である。
【図37】本発明の第7実施の形態に係るパワーウイン
ド装置の回転センサによるパルス信号処理の制御プログ
ラムを示す流れ図である。
【図38】本発明の第7実施の形態に係るパワーウイン
ド装置の上昇スイッチまたは降下スイッチが操作された
場合の制御プログラムを示す流れ図である。
【図39】本発明の第7実施の形態に係るパワーウイン
ド装置のウインドガラスの移動状態、スイッチ部による
信号及び回転センサによるパルス信号の対応関係を示す
線図である。
【符号の説明】
10 モータ 20 軸(出力軸) 30 位置検出装置 40 突起 42 連結シャフト 44 サンギヤ 46 リングギヤ 50 移動接点 52 突部 54 プラネタリギヤ 58 ウェーブワッシャ(クラッチ機構) 60 固定接点 70 位置検出装置 74 補助ギヤ(初期位置補正手段) 90 位置検出装置 100 移動ピン 104 マグネット(クラッチ機構) 106 回転プレート 114 案内溝 118 リミットスイッチ 140 位置検出装置 142 軸部(初期位置補正手段) 150 補助ギヤ(初期位置補正手段) 160 位置検出装置 190 位置検出装置 210 位置検出装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 聖浩 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (72)発明者 山浦 昌史 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (72)発明者 佐藤 善久 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (56)参考文献 特開 平3−137384(JP,A) 特開 平1−287719(JP,A) 実開 平4−92981(JP,U) 実公 昭53−1802(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 7/30 E05F 15/10 B60J 1/17 G01D 5/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力軸が正逆方向に回転するモータによ
    ってウインドガラスが昇降されるパワーウインド装置で
    あって、 制御回路に電気的に接続される接点を有し、前記ウイン
    ドガラスの異物の挟み込みの検出をするか否かを判別す
    るための前記モータ出力軸の所定の回転位置を前記接点
    の作動によって検出可能なスイッチ部と、 リングギヤとプラネタリギヤから成る遊星歯車組を有
    し、前記モータ出力軸から伝達された回転力によって前
    記モータ出力軸に連動し、前記モータ出力軸の所定の回
    転位置において前記スイッチ部を作動させる作動機構
    と、 通常は前記プラネタリギヤの公転を阻止することにより
    前記モータ出力軸の回転力を前記プラネタリギヤから前
    記リングギヤへ伝達してリングギヤを回転させ、前記ス
    イッチ部が作動した状態においては前記プラネタリギヤ
    の公転を可能とすることにより前記モータ出力軸から前
    記リングギヤへの正方向の回転力の伝達を遮断して前記
    スイッチ部を前記ウインドガラスが全閉位置から所定距
    離離間した初期位置に設定するクラッチ機構と、前記作動機構を構成するリングギヤを外部から操作可能
    に設けられ、前記モータ出力軸の回転位置に拘わらず前
    記リングギヤを強制的に駆動して前記スイッチ部が作動
    した初期状態に設定可能な初期位置補正手段と、 を備えたことを特徴とするパワーウインド装置。
  2. 【請求項2】 回転軸の先端に形成されたウォームギヤ
    が回転ギヤホイールに噛み合うと共に前記回転ギヤホイ
    ールに設けられた出力軸によってウインドレギュレータ
    に駆動力を付与するモータと、 前記モータの前記出力軸と反対側に取り付けられ、前記
    モータの出力軸の回転位置に対応したウインドガラスの
    移動位置を検出する位置検出装置と、 を有し、 前記位置検出装置は、 前記ウインドガラスの移動位置に応じて異物の挟み込み
    検出を行う制御回路に電気的に接続され、前記モータの
    出力軸の所定の回転位置を検出可能なスイッチ部と、 リングギヤとプラネタリギヤから成る遊星歯車組を有
    し、前記モータの出力軸から伝達された回転力によって
    前記モータの出力軸に連動し、前記モータの出力軸の所
    定の回転位置において前記スイッチ部を作動させる作動
    機構と、 通常は前記プラネタリギヤの公転を阻止することにより
    前記モータの出力軸の回転力を前記プラネタリギヤから
    前記リングギヤへ伝達してリングギヤを回転させ、前記
    スイッチ部が作動した状態においては前記プラネタリギ
    ヤの公転を可能とすることにより前記モータの出力軸か
    ら前記リングギヤへの正方向の回転力の伝達を遮断して
    前記スイッチ部を前記ウインドガラスが全閉位置から所
    定距離離間した初期位置に設定するクラッチ機構と、前記作動機構を構成するリングギヤを外部から操作可能
    に設けられ、前記モータ出力軸の回転位置に拘わらず前
    記リングギヤを強制的に駆動して前記スイッチ部が作動
    した初期状態に設定可能な初期位置補正手段と、 を備えたことを特徴とするパワーウインド装置。
  3. 【請求項3】 前記スイッチ部は、ON/OFF作動す
    る固定接点と移動接点から成ることを特徴とする請求項
    1または請求項2の何れかに記載のパワーウインド装
    置。
  4. 【請求項4】 前記作動機構に設けられ、前記作動機構
    の作動に伴ってパルスを発生するパルス発生手段と、 前記パルス発生手段が発生したパルスを検出するパルス
    検出手段と、 を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れ
    かに記載のパワーウインド装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011040245A1 (ja) * 2009-09-29 2011-04-07 アイシン精機株式会社 ウィンドレギュレータ装置
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